JPH07238387A - 均一外観性に優れた電気亜鉛めっき鋼板 - Google Patents

均一外観性に優れた電気亜鉛めっき鋼板

Info

Publication number
JPH07238387A
JPH07238387A JP6027798A JP2779894A JPH07238387A JP H07238387 A JPH07238387 A JP H07238387A JP 6027798 A JP6027798 A JP 6027798A JP 2779894 A JP2779894 A JP 2779894A JP H07238387 A JPH07238387 A JP H07238387A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
plating
steel sheet
layer
thickness
amorphous
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6027798A
Other languages
English (en)
Inventor
Akira Takahashi
高橋  彰
Masato Nakazawa
真人 仲澤
Kenichiro Matsumura
賢一郎 松村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Steel Corp filed Critical Nippon Steel Corp
Priority to JP6027798A priority Critical patent/JPH07238387A/ja
Publication of JPH07238387A publication Critical patent/JPH07238387A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【目的】 結晶配向性、めっき厚さ、結晶の大きさがマ
クロな均一性を有する電気亜鉛めっき鋼板を提供する。 【構成】 電気亜鉛めっき鋼板において、Ni−P,C
o−P,Fe−P,Ni−W,Fe−W,Co−W,N
i−Mo,Fe−Mo,Co−No中から選ばれる非晶
質状の下層めっきと通常の結晶形態を有する上層Znめ
っきからなる2層構造とする。この構成により、下地鋼
板の汚れムラや、組織の不均一性に影響されない外観均
一性に優れた亜鉛めっき鋼板が得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車、家電、建材等
に使用される均一外観性に優れた防錆用電気亜鉛めっき
鋼板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】亜鉛もしくは亜鉛合金めっき鋼板は、優
れた耐食性を有し、加工性、経済性に優れていることか
ら広く工業製品に用いられている。このようなめっき鋼
板は、鉄鋼メーカーにおいては、広幅(最大巾2000
mm程度)の鋼板ストリップを連続めっきする方法で生
産される。その際、連続めっき時の板の進行方向(L方
向)に外観ムラが生じるものや下地鋼板の結晶方位や清
浄度の不均一性に影響されて外観ムラが生じることがあ
る。この外観ムラは、めっき層の厚さの不均一性、結晶
配向性の不均一性、結晶サイズの不均一性等によるもの
であり、その発生機構、発生条件等は不明な点が多く、
ある程度の外観ムラは、連続高速めっきである以上不可
避であるとしてあきらめられていた。
【0003】一方、ユーザーは、使用用途もしくは部位
に応じて、塗装処理、クロメート処理を施す場合や、未
処理のままでめっき鋼板を使用する。その際、たとえ塗
装処理を施したものにおいても前述のめっきムラが塗装
後も浮き上がって認められる事があり、また、未処理、
クロメート処理材では明瞭にムラが認められる。さら
に、このムラは単に外観上の問題のみならず、耐食性、
加工性等の重要な性能にまで影響を及ぼしていることが
考えられる。従って、均一外観性もしくはめっき層構造
のマクロな均一性を有するめっき鋼板の開発が強く望ま
れていた。このような課題に対して、例えば、特開平3
−53096号公報,特開昭61−170595号公報
では、亜鉛電気めっきの初期に高電流密度もしくは低電
流密度にする事で電析初期層の結晶形態を制御し、望ま
しいめっき層の形態を得ることを示している。しかし、
両者の知見は、電流密度を変化させる方向が反対であ
り、その作用の有効性は十分とは言えず、また素地鉄の
汚れや組織の不均一性が大きい場合には、その影響を完
全に取り除くことはできず、不均一な外観を示してしま
う。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記のよう
な課題を解決して、結晶配向性、めっき厚さ、結晶サイ
ズがマクロな均一性を有する電気亜鉛めっき鋼板を提供
することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、めっきムラが
発生する機構を解明するため、めっきムラ部と健全部の
めっき構造の解析を行った。その結果、めっきムラ部は
結晶サイズ、結晶方位が健全部のそれとは異なることを
明らかにした。通常、電気亜鉛めっき鋼板は、結晶サイ
ズが0.5μm〜10μm程度の6角板状の結晶が素地
鋼板に対して水平〜直角の角度をなしてめっき皮膜を形
成する。そのサイズ、素地との角度はめっき浴条件、電
解条件によって容易に変化するため、そのコントロール
は難しいが、めっき条件が変化しない限り、マクロ的に
も比較的均一な状態で析出する。また、この結晶サイズ
は他の亜鉛系合金めっき、例えば、亜鉛鉄合金や亜鉛ニ
ッケル合金めっきの結晶サイズに比べ10倍以上大き
く、エピタキシャルな結晶成長が起こり易い金属である
ことがわかった。
【0006】しかしながら、素地鋼板の表面清浄前処理
が不十分だったり、素地鋼板自身に金属組織の不均一性
が存在する場合には、これらの不均一性が亜鉛めっきの
電析反応自身に影響を与え、前述のマクロな均一析出が
起こらなくなることを見いだした。従って、均一外観
性、すなわち亜鉛めっき金属の結晶形態(サイズ、配向
性)を制御するには、素地鋼板表面の清浄度、組織構造
を均一化すれば良いことは容易に想像される。しかしな
がら、現在既に素地鋼板の表面清浄処理、金属組織の均
一化は可能な限り注意深く行ってきており、これ以上の
向上は生産性を落とし、コストアップを招くことから現
実的でない。
【0007】そこで、本発明者らは、素地鋼板には不可
避的にある程度の表面清浄度や組織の不均一部が存在す
るものとした上で、なおかつめっきの均一外観性を向上
させる方法を鋭意検討してきた。その結果、亜鉛めっき
鋼板はエピタキシャルな結晶成長を起こし易いことか
ら、めっき下層、すなわち素地鉄と界面を形成する層に
おいて、結晶の配向性や格子間隔が完全にランダムな非
晶質状の金属めっき皮膜層を形成させ、その後通常の結
晶構造を有する亜鉛めっきを電析させれば、外観性に優
れためっき鋼板が得られることを見いだした。この効果
は、下層の非晶質状で均一なめっき層が素地鉄の不均一
性をカバーすることによって得られる。
【0008】本発明は、このような新知見に基づいたも
のであり、本発明の要旨は以下の通りである。鋼板表面
の片面あるいは両面に、Ni−P,Fe−P,Co−
P,Ni−Mo,Fe−Mo,Co−Mo,Ni−W,
Fe−W,Co−Wの中から選ばれる非晶質のめっきか
らなる厚さ0.01μm以上2μm以下の下層と、厚さ
0.5μm以上100μm以下のZnめっきからなる上
層を2層めっきした、外観の均一性に優れた電気亜鉛め
っき鋼板にある。
【0009】
【作用】本発明の電気亜鉛めっき鋼板では下層に非晶質
状の金属めっきをする。その結果、原子間距離が完全に
ランダムな状態の下層めっき層が形成される。このめっ
き層をX線回折法で解析すると、特定の複数のd値に回
折ピークを示す金属結晶と異なり、広いすそ野を有する
回折ピークを一つ示す。従って、非晶質金属の構造は、
ある特定の原子間距離や、長周期の規則性を持たず、い
わゆる結晶面を持たない構造からなる。その結果、非晶
質めっき層は、ガラスを例に取るようにどの部分を見て
も均質な構造を有するようになり、素地鋼板の不均一性
を遮蔽することが可能である。
【0010】非晶質めっきとしては、Ni−P,Fe−
P,Co−P,Ni−Mo,Fe−Mo,Co−Mo,
Ni−W,Fe−W,Co−Wを挙げることができる。
このような非晶質めっきは電気めっき法により作製する
ことができる。たとえば、硫酸ニッケル、りん酸からな
るめっき浴を用いて陰極電解すればNi−P合金の作製
が可能で、めっき層中のP含有量を調整することによっ
て非晶質状の合金を得る事ができる。非晶質性の判断
は、例えば、Ni−Pの場合、X線回折法でNi金属の
回折ピークが消失し、非晶質特有のすそ野の広いピーク
が認められることによって判断した。Ni−Pめっき以
外についても同様に判断した。
【0011】ここで、めっき層中のP,Mo,Wは、め
っき金属を非晶質化するうえで必須の元素であり、一般
にこれらの含有量が増大するとめっき層の非晶質性も増
大する。非晶質金属を得るための最低含有量は、電流密
度、直流電解やパルス電解等の通電方法、めっき液の攪
拌状態、めっき液濃度、pH等種々の操作因子によって
変化するため一義的には決められないが、おおよそP,
W,Moをそれぞれ5重量%以上含有すると非晶質状の
めっきが得られる。また、上限は、特に定めないがP,
W,Moが増大するとめっき密着性等のめっき特性が悪
化するので60重量%以下が望ましい。下層の厚さは素
地鉄を完全に遮蔽すれば良いが素地鉄の不均一部はめっ
きのつきまわり性が悪い事が多いので、0.01μmを
下限とし、上限は特に定めるものでないが、2μmを超
えると亜鉛めっき層の耐食性に悪影響を与えるので2μ
mを上限とする。
【0012】前述した非晶質の下層めっきの上にはZn
めっきを施す。上層のZnの結晶サイズは通常の電気亜
鉛めっきと同等であり、適度な表面凹凸を有することか
ら、塗膜密着性、プレス時の潤滑油の表面保持性、梨地
外観の光沢性等、既存の電気亜鉛めっき鋼板と全く同等
の性能を示す。上層のめっき厚さは厚いほど耐食性が向
上し望ましく、少なくとも0.5μm以上必要である。
これより薄いと十分な耐食性を示さなくなる。めっき厚
さの上限は特に定めるものではないが、めっき厚さが極
端に厚くなるとデンドライト状結晶が析出し外観が悪化
する。さらに電力コストを考えると100μm程度が上
限になる。下地鋼板は、特定されるものではなく、例え
ばアルミキルド鋼、極低炭素チタンキルド鋼、低腐食速
度鋼、ステンレス鋼等が適用できる。これらの下地にお
いて多少の汚れ、酸化物層、偏析元素層等があっても良
い。
【0013】
【実施例】低炭素鋼を素材とし、通常の熱間圧延、冷間
圧延、連続焼鈍を施した板をめっき素地鋼板とした。電
気めっきは下層として、硫酸Fe,Ni,Coのいずれ
か1種とりん酸からなるめっき液、硫酸Fe,Ni,C
oのいづれか1種とMoO 4 2- からなるめっき液、およ
び硫酸Fe,Ni,Coのいずれか1種とWO4 2-から
なるめっき液を用い、表1に示すような種々のめっきを
施した。非晶質性の評価は、Cuターゲットを用いたX
線回折法で行った。一方、上層には、硫酸亜鉛、硫酸ナ
トリウム、硫酸からなるめっき浴を用い、液循環式の電
気めっき装置を用いてZnめっきを施した。比較材の通
常のめっき鋼板として、上記の上層用めっき液およびめ
っき装置を用いて、電流密度を100A/dm2 で所定
のめっき厚さになるまで電解処理した。このようにして
得られた電気めっき鋼板の均一外観性を評価した。均一
外観性の評価は、150mm×300mmのめっき中の
めっきムラの個数で評価し、その個数が0個の場合を
〇、1個以上有る場合を×とした。その試験結果を表1
〜5に示す。表1〜5から明らかなように、本発明によ
れば、均一外観性に優れた、電気亜鉛めっき鋼板を得る
事ができる。従って、例えば、家電、建材材料には好適
の材料である。
【0014】
【表1】
【0015】
【表2】
【0016】
【表3】
【0017】
【表4】
【0018】
【表5】
【0019】
【発明の効果】以上の説明から明らかな様に、本発明の
構造を有する電気亜鉛めっき鋼板は、従来の電気亜鉛め
っき鋼板に比べ表面外観の均一性が向上しており、意匠
性を要求される家電、建材等への使用で不良材の割合を
減少することが可能となり、材料コストの低減につなが
るだけでなく、ひいては地球環境の維持に対しても貢献
する。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鋼板表面の片面あるいは両面にNi−
    P,Fe−P,Co−P,Ni−Mo,Fe−Mo,C
    o−Mo,Ni−W,Fe−W,Co−Wの中から選ば
    れる非晶質状のめっきからなる厚さ0.01μm以上2
    μm以下の下層と、厚さ0.5μm以上100μm以下
    のZnめっきからなる上層を2層めっきしたことを特徴
    とする均一外観性に優れた電気亜鉛めっき鋼板。
JP6027798A 1994-02-25 1994-02-25 均一外観性に優れた電気亜鉛めっき鋼板 Pending JPH07238387A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6027798A JPH07238387A (ja) 1994-02-25 1994-02-25 均一外観性に優れた電気亜鉛めっき鋼板

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6027798A JPH07238387A (ja) 1994-02-25 1994-02-25 均一外観性に優れた電気亜鉛めっき鋼板

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07238387A true JPH07238387A (ja) 1995-09-12

Family

ID=12231000

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6027798A Pending JPH07238387A (ja) 1994-02-25 1994-02-25 均一外観性に優れた電気亜鉛めっき鋼板

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07238387A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000008233A1 (fr) * 1998-08-03 2000-02-17 Citizen Watch Co., Ltd. Accessoire possedant un revetement colore et son procede de fabrication
KR100579410B1 (ko) * 2001-10-23 2006-05-12 주식회사 포스코 내식성 및 표면경도가 양호한 아연 전기도금강판 제조방법 및 이를 위한 염화물욕 아연전기도금용액
KR100925619B1 (ko) * 2002-12-28 2009-11-09 주식회사 포스코 백색도 및 내식성이 우수한 아연-코발트-텅스텐합금전기도금강판 및 그 제조방법
JP2010270353A (ja) * 2009-05-19 2010-12-02 Nippon Steel Corp 光沢外観と耐食性に優れためっき鋼材および製造方法

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000008233A1 (fr) * 1998-08-03 2000-02-17 Citizen Watch Co., Ltd. Accessoire possedant un revetement colore et son procede de fabrication
KR100579410B1 (ko) * 2001-10-23 2006-05-12 주식회사 포스코 내식성 및 표면경도가 양호한 아연 전기도금강판 제조방법 및 이를 위한 염화물욕 아연전기도금용액
KR100925619B1 (ko) * 2002-12-28 2009-11-09 주식회사 포스코 백색도 및 내식성이 우수한 아연-코발트-텅스텐합금전기도금강판 및 그 제조방법
JP2010270353A (ja) * 2009-05-19 2010-12-02 Nippon Steel Corp 光沢外観と耐食性に優れためっき鋼材および製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Jensen et al. The practical realisation of zinc–iron CMA coatings
KR0175967B1 (ko) 전기아연도금 강판과 그 방법
TWI391528B (zh) 磷酸鹽處理之電鍍鋅鋼板
JPH07238387A (ja) 均一外観性に優れた電気亜鉛めっき鋼板
JPH07331483A (ja) 電気亜鉛めっき鋼板の製造方法
JPH07310166A (ja) 加工性および耐食性に優れたCrーNi拡散処理鋼板とその製造方法
JP2812228B2 (ja) 電気亜鉛めっき鋼板およびその製法
FI87583B (fi) Galvaniskt utfaellt kromskikt, foerfarande och galvaniseringsbad foer dess framstaellning
JPS63105990A (ja) 多層ニツケル合金めつきおよびその形成方法
JPH0776794A (ja) 均一外観性に優れた電気亜鉛めっき鋼板
JP2001040494A (ja) 表面外観の優れた電気Znめっき鋼板及びその製造方法
JP2001049483A (ja) 色調の優れた電気亜鉛めっき鋼板及びその製造方法
JP3102785B1 (ja) 電気亜鉛めっき鋼板およびその製造方法
JP2009209419A (ja) 色調に優れた電気Znめっき鋼板およびその製造方法
JPH0849091A (ja) 電気亜鉛めっき鋼板の製造方法
JPS58141398A (ja) 良深絞り性耐食電気亜鉛合金メツキ鋼板及びその製造法
JP3364878B2 (ja) 電気亜鉛系めっき鋼板およびその製法
KR100256328B1 (ko) 도장후 내식성이 우수한 아연-크롬-철 합금 전기도금강판 및 그 제조방법
KR100909692B1 (ko) 표면 경도 및 표면 외관이 우수한 전기 아연도금 강판제조방법
JP3867199B2 (ja) 電気亜鉛めっき鋼板の製造方法
KR960009197B1 (ko) 인산염처리성이 우수한 냉간압연 강판 및 그 제조방법
JPS59129781A (ja) 耐食性にすぐれたメツキ鋼材
KR100256373B1 (ko) 나 내식성이 우수한 아연-크롬 합금 전기도금 강판 및 그 제조방법
JPH08134688A (ja) 表面外観のすぐれた電気亜鉛めっき鋼板及びその製造方法
JPH07278881A (ja) 表面外観に優れた電気亜鉛めっき鋼板の製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20020305