JPH0723812B2 - 温風暖房機 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は温風を用いて室内の暖房を行う温風暖房機に関
するものである。

従来の技術 一般にこの種の温風暖房機、例えばファンヒータは、第
８図に示すように本体101内に熱発生手段であるバーナ1
02を設け、このバーナ102からの燃焼ガスを本体背面に
設けた送風機103からの風と混合して温風吹出口104から
吹出し室内を暖房するようになっている。そして上記温
風吹出口104には水平方向のルーバー105を多数設けて前
記温風を略水平方向へ案内するようになっている。

発明が解決しようとする課題 しかしながら上記温風暖房機は温風による暖房とはいう
ものの上部の温度が高くなる傾向にあり、使用者の足元
附近の温度を適温にすると顔附近の温度が高くなって不
快感を受けることがあった。これをさけるために温風暖
房機の運転をとめると室内温度が下がってきて寒く感じ
る等、快適な暖房が得られなかった。

またルーバー105が固定されていて温風の向きが変えら
れないため、強暖房時，中暖房時，弱暖房時において室
内の温度分布に大きな差異が生じるという問題があっ
た。すなわち強暖房時は送風機103からの送風が強いの
で温風が遠くまで吹出され使用者が通常使う居住空間
（天井部とか部屋の隅部を除く空間）はほぼ均一な温度
分布となるが、暖房が中，弱と弱くなるにしたがって送
風機103からの送風量も弱くなり、そのために温風のド
ラフト作用が相対的に強いものとなって温風の到達距離
が短かくなり暖房機附近のみが熱くなる温度分布むらが
生じる等、強，中，弱においてその室内温度分布に大き
な違いが生じ使用者が不快感を感じるような結果となっ
ていた。

本発明はこのような問題点を考慮してなしたもので、快
適な暖房が得られるようにすることを目的としたもので
ある。

課題を解決するための手段 本発明は上記目的を達成するため第１の温風暖房機は温
風吹出口を有する本体と、この本体内に設けた熱発生手
段ならびにこの熱発生手段に風を供給して前記温風吹出
口より温風を吹出させる送風機と、前記温風吹出口に設
けた上下回動自在な可変翼と、この可変翼を上向きある
いは下向きに設定する切換部と、前記可変翼を上向き設
定した場合には熱発生手段の熱量を弱に固定もしくは熱
発生を停止させて前記送風機を回転させる制御部とを備
えた構成としてあり、第２の温風暖房機は、温風吹出口
を有する本体と、この本体内に設けた熱発生手段ならび
にこの熱発生手段に風を供給して前記温風吹出口より温
風を吹出させる送風機と、前記温風吹出口に設けた上下
回動自在な可変翼と、この可変翼を上向きあるいは下向
きに設定する切換部と、前記可変翼を下向き設定した場
合は温風量あるは発熱量に応じて可変翼の下向き傾斜角
度を変化させ、上向き設定した場合は熱発生手段の熱量
を弱に固定もしくは熱発生を停止させて前記送風機を回
転させる制御部とを備えた構成としてある。

作用 本発明は上記構成によって温風吹出口の可変翼を上向き
設定することにより温風吹出口から上向きに風を供給し
て部屋内の空気を循環させることができ、部屋上下の温
度をほぼ均一なものとすることができる。また第２の温
風暖房機では暖房時の可変翼の下向き傾斜角度が燃焼量
に応じて変化するので暖房中における部屋内の温度分布
もより均一なものとなる。

実施例 以下本発明の実施例を図面を用いて説明すると、１は暖
房機本体、２はこの暖房機本体１の前面に装着した前板
で、温風吹出口３を有する。４は上記暖房機本体１内に
設けたバーナで、熱発生手段となるものであり、この実
施例では灯油を気化させて燃焼させる気化式バーナが用
いてある。５は上記バーナ４の下部を覆うバーナケース
で、仕切板６に取付けてある。７は上記のバーナ４の上
部を覆う燃焼筒で、仕切板６に立設してあり、上部開口
にはハニカム状の排ガス浄化触媒８が設けてある。９は
上記燃焼筒７を覆う如く暖房機本体１内に設けたダクト
で、前面下部に開口部10が形成してある。11はこのダク
ト後部に臨む如く取付けた対流用送風機で、ファンガー
ド12によって覆われており、暖房機本体１外より吸い込
んだ室内空気をダクト内に供給し、このダクト９内で燃
焼筒７からの燃焼ガスと混合させて温風吹出口３より吹
出すようになっている。

14は上記ダクト９の下部開口部10に設けた吹出口枠で、
両側部を暖房機本体１の両側板1aに取付けた支持金具13
（第２図参照）にビス止めしてある。この吹出口枠14は
断面凹状に形成してその底壁に開口15を形成し、この開
口15をダクト９の開口部10に合致させるとともに、枠縁
14aを前記前板２の内面に対接させてダクト９の開口部1
0と温風吹出口３とを連絡している。そして上記吹出口
枠開口15の下辺縁には略水平方向の案内片16が取付けて
あり、これは変色しないように耐熱塗装あるいはホーロ
仕上げしてある。

18は前記温風吹出口３の上部に位置する如く吹出口枠14
に設けた上可変翼で、吹出口枠14の略上半分程度を覆う
ように巾広く形成してあり、その内側面は円弧状面18a
としてある。この可変翼18は第２図に示すようにその両
端に突設した軸19を暖房機本体側板1aに取付けた支持金
具13に貫通させて矢印ｄで示す如く回動自在としてあ
る。20は上記可変翼18の軸19の一方に設けた連係カム
で、ピン軸21が設けてある。23は上記可変翼18を揺動さ
せるリンク板で、上部を前記連係カム20のピン軸21に回
動自在に直結し、下部にスプリング24a,24bを取付ける
突起部23a,23bが設けてある。25はリンク板23を上下動
させる駆動用モータで、正逆回転可能なステッピングモ
ータで構成してあり、そのモータ軸には駆動用カム26を
取付け、この駆動用カム26の駆動軸27には前記スプリン
グ24a,24bを取り付けて、リンク板23の下部突起部23a,2
3bと連係させてある。

28は上記燃焼部及び駆動用モータ25を制御する制御器
で、これは第４図のブロック図で示すように構成されて
いる。すなわち、29はサーミスタ等からなる温度検知
部、30は室内温度を設定する室温設定部、31は温度検知
部29からの信号S₁と室温設定部30からの信号S₂とを比較
してその差に応じて例えば強，中，弱のような信号S₃を
出力する判定部、32は可変翼角度設定部で、32aは上向
き、32bは下向き設定部である。33はこの可変翼角度設
定部32からの出力に基づいて可変翼を上あるいは下向き
に設定するとともに、前記判定部31からの出力信号S₃に
基づいてバーナ４の燃焼量と対流用送風機11の送風量を
制御し、かつその信号S₄で可変翼駆動部34を介してモー
タ25の回転を制御するようになっている。35は可変翼の
角度を上あるいは下向きのいずれかに切換える切換部で
ある。

ここで制御部33は第５図のフローチャートに示すよう
に、まず切換部35が上向きに切換わっているか否かを判
断し、上向きになっていなければ可変翼角度を下向きに
設定して室温が設定温度以上か否かを確認し、設定温度
以上であれば運転停止させる。また設定温度以下であれ
ば判定部31からの出力に基づいてバーナ４の燃焼量、送
風機11の回転数、可変翼の下向き傾斜角度を所定の値に
設定する。一方、前記切換部35が上向きになっていれば
可変翼角度を上向きに設定し、次にバーナ４の燃焼量な
らびに送風機11の回転数をあらかじめ定めた値（この実
施例では燃焼は停止で送風機11は中回転）に設定する。
そして運転停止されれば可変翼を停止位置（この実施例
では略垂直方向）に設定する。

以上のような構成された温風暖房機において、以下その
動作を説明する。

まず運転開始前、可変翼18は第３図，第７図に示すよう
に略垂直方向に位置している。

この状態から運転スイッチ36（第７図参照）を投入する
と、切換部35が下向き設定されている場合は可変翼18が
下向き傾斜状に開口される。そして温度検知部29ならび
に室温検知部30からの出力に基づいて発する判定部31か
らの出力S₃によって制御部33が作動し、制御信号S₄を発
してあらかじめ定められたシーケンスに従って燃焼を開
始させるとともに対流用送風機11を回転させる。そして
可変翼18は制御部33からの信号S₄によって下向き傾斜角
度が変わり、強の時は第３図のＸ、中の時はＹ、弱の時
はＺのような燃焼量ならびに対流用送風機の送風量に連
動して変化する。したがって強燃焼・強送風の時は可変
翼18が第３図Ｘのように略水平になっているが、中燃焼
・中送風の時は同図Ｙのようになり少し下向きに傾斜す
る。その結果温風の流れは強の時よりも下向きとなって
温風は第６図のＹ′のようになり、従来のものより遠く
まで到達するようになる。同様に弱燃焼・弱送風になる
と可変翼18はＺのようにかなり下向きに傾斜するように
なり、温風は第６図Ｚ′のように床面に沿って流れるよ
うになる。したがって温風の流速が弱くてドラフトの影
響を受けやすくてもその温風は従来のものに比べるとか
なり遠くまで到達するようになる。すなわち室内の温度
分布は強燃焼時の温度分布に近いものとなり、強，中，
弱ともほぼ似たような温度分布となる。

なお、可変翼18の下向き傾斜角度変更は次のようにして
行なわれる。

すなわちモータ25の回転により第２図で示すように駆動
用カム26の駆動軸27が矢印ａのように回転し、スプリン
グ24a,24bを介して連係されているリンク板23が矢印ｂ
のように降下する。これによりリンク板23とピン軸21で
連結している連係カム20が矢印ｃのように回転し、この
連係カム20と軸19を介して一体の可変翼18が矢印ｄのよ
うに回転する。

一方、上記のように暖房していて部屋上部の温度が高く
なってくれば切換部35を操作して可変翼角度設定を上向
きに設定する。これにより制御部33はまず可変翼駆動部
34に上向き信号を出力して可変翼18を第３図αのように
上向き傾斜状に設定する。そして次にバーナ４の燃焼を
停止させ、送風機11を中で回転させる。この送風機11か
らの風はバーナ４が燃焼停止しているので温風になるこ
となく第６図α′のように上向きに吹出し、部屋上部の
熱気を下方へ循環させるようになって部屋上下の温度を
均一化させる。なおこの際、燃焼を停止させることなく
弱燃焼にしておいて送風機11を回転させても一応部屋の
空気を循環させることができるので必ずしも燃焼を停止
させる必要はない。そしてこの場合は燃焼を停止させず
に弱で暖房を継続しているので室温が急激に低下するよ
うなことがなく、より快適な暖房が可能となる。

次に上記のようにして暖房を行なっていて運転を停止さ
せると、可変翼駆動部34は制御部33からの出力がなくな
ってモータ25を元の状態まで回転させる。これによりリ
ンク板23が上方へ持ち上げられ、連係カム20を矢印ｃと
は反対側へ回転させて可変翼18を元の状態、すなわち略
垂直方向へ回動復帰する。

なお上記実施例では可変翼を一枚のもので説明したが、
これは複数枚であってもよく、又その他の構成も所期の
目的を達成するものであればどのように構成してもよ
く、例えば切換部35の切換えは手動ではなく判定部31か
らの出力、すなわち室温が設定温度以上になると自動的
に切換わるようにしてもよいものである。

発明の効果 以上のように本発明の第１の温風暖房機は、温風吹出口
に設けた可変翼を下向き開口から上向き開口に変えて送
風機からの風で室内空気を循環させることができるので
部屋上下の温度むらを少なくし快適な暖房ができるとと
もに、可変翼の向きを変えるだけでよいので別途風吹出
し口を設ける必要もなく構成の簡素化が図れる。また第
２の温風暖房機では、下向き可変翼の傾斜角度を発熱量
に応じて変更させるので暖房時の室内温度むらも少なく
でき、より快適な暖房ができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の一実施例における温風暖房機の断面
図、第２図は同要部の拡大斜視図、第３図は同拡大断面
図、第４図は同制御部を示すブロック図、第５図は制御
動作を示すフローチャート、第６図は作用説明図、第７
図は外観斜視図、第８図は従来の温風暖房機を示す断面
図である。 １……本体、３……温風吹出口、４……熱発生手段（バ
ーナ）、11……対流用送風機、18……可変翼、25……駆
動手段（モータ）、33……制御部、35……切換部。

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】温風吹出口を有する本体と、この本体内に
   設けた熱発生手段ならびにこの熱発生手段に風を供給し
   て前記温風吹出口より温風を吹出させる送風機と、前記
   温風吹出口に設けた上下回動自在な可変翼と、この可変
   翼を上向きあるいは下向きに設定する切換部と、前記可
   変翼を上向き設定した場合には熱発生手段の熱量を弱に
   固定もしくは熱発生を停止させて前記送風機を回転させ
   る制御部とを備えた温風暖房機。
2. 【請求項２】温風吹出口を有する本体と、この本体内に
   設けた熱発生手段ならびにこの熱発生手段に風を供給し
   て前記温風吹出口より温風を吹出させる送風機と、前記
   温風吹出口に設けた上下回動自在な可変翼と、この可変
   翼を上向きあるいは下向きに設定する切換部と、前記可
   変翼を下向き設定した場合は温風量あるは発熱量に応じ
   て可変翼の下向き傾斜角度を変化させ、上向き設定した
   場合は熱発生手段の熱量を弱に固定もしくは熱発生を停
   止させて前記送風機を回転させる制御部とを備えた温風
   暖房機。