JPH0723508Y2 - 積み上げ式パネルシヤツター - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、建造物の開口部に取付けられる積み上げ式パ
ネルシヤツターに関するものである。

［従来技術及び考案が解決しようとする課題］ 一般に、この種シヤツターの中には、上下方向に所定間
隙を存するように隣接パネル同志を一連状に連結してシ
ヤツターカーテンを形成し、そうして、下側パネルに上
側パネルを順次積み上げることで閉塞する所謂積み上げ
式のパネルシヤツターが知られている。ところでこの場
合、最下パネルは、パネルの積み上げに伴い積み上げら
れた全てのパネルの重量を受けることになり、この結
果、最下パネル（必要ならさらにその上のパネルについ
ても同様である）を、全てのパネル重量に耐え得る座屈
強度を有した特別な補強構造を採用する必要がある。こ
のため、パネルに統一性が無くなつて、製作、組立が煩
雑となつてしまう等の問題がある。

［課題を解決するための手段］ 本考案は、上記の如き実情に鑑みこれらの欠点を一掃す
ることができる積み上げ式パネルシヤツターを提供する
ことを目的として創案されたものであつて、上下方向に
所定間隙を存するよう隣接パネル同志を一連状に連結し
てシヤツターカーテンを形成し、下側パネルに上側パネ
ルを順次積み上げることで閉鎖するようにしてなる積み
上げ式パネルシヤツターにおいて、前記シヤツターカー
テンの適宜選択される中間パネルの左右両端部に係止ピ
ンを突設する一方、シヤツターカーテンの昇降ガイドを
するガイドレールには、上記中間パネルが閉鎖位置に下
降した状態で係止ピンを下側から受け止め係止して、中
間パネルの支持をするパネル支持体を突設したことを特
徴とするものである。

そして本考案は、この構成によつて、積み上げ式パネル
シヤツターでありながら、パネルを統一できるようにし
たものである。

［実施例］ 次に、本考案の一実施例を図面に基づいて説明する。図
面において、１はパネルシヤツターのカーテン部を構成
する複数のパネル（１はパネルの総称とし、三枚毎に一
番下のパネルから1a、1b、1cとする）であつて、該パネ
ル１はガラス板や木製板、合成樹脂製板等のパネル材が
上下框、縦框、中框等に囲まれて構成されている。そし
て各パネル１の上下端縁には気密用の部材が挿入される
凹凸嵌合部が形成されていて、閉鎖時のパネル接当が緩
衝的かつ気密的になるようにしてある。２は建物開口部
の両側に設置された案内レールで、３はパネル１を連結
しているチエンであり、４はパネル１の両端側上部から
案内レール２内に向けて突設された係止ピンで、この係
止ピン４は本実施例ではガイドローラ５の支持軸を兼ね
ている。

６は案内レール２の底部に設けられる複数のパネル支持
体であつて、該パネル支持体６は、下方に設けるものほ
ど突出度が大きく形成されており、上面は水平状で弾性
ゴム質等からなるクツシヨン部材７が装着されている。
そしてパネル１の内、例えば４、７、10番目のパネル1a
に設けられる係止ピン（下から4a、4b、4cとする）は第
３図に示す如く普通の係止ピン４よりもやや長く形成さ
れ、しかも上方の係止ピンほど突出量が大に設定されて
いる。（係止ピン4cの突出量＞4bの突出量＞4aの突出量
＞４の突出量）また、係止ピン4a、4b、4cにそれぞれ対
応する前記パネル支持体６を下方より6a、6b、6cとする
と、支持体6aの突出量＞6bの突出量＞6cの突出量となる
ように形成されている。普通のパネル１の係止ピン４
は、開閉時の上下動に際し何れのパネル支持体６にも接
することなく、何等干渉されることなく上下動できるも
のであり、単まるガイドローラの軸機能を有するのみで
ある。

またパネル1aが降下して係止ピン4aがパネル支持体6c、
6bを通過する際には、何等接触も規制も受けることな
く、通過でき所定位置まで降下した時に、はじめて対応
するパネル支持体6aにそれ以上の降下を邪魔されて停止
するようになつている。同様に、係止ピン4bはパネル支
持体6cを通過して所定位置まで降下した時に、対応する
パネル支持体6bにぶつかり、それ以上の降下を規制され
て停止するようになつている。しかもパネル支持体6aの
降下規制を始めるための中間パネル1aの取付位置は、最
下パネル1aが床面に接当して停止し、次のパネル1bがこ
の上に積み上げられ、更にパネル1cがパネル1bに接近し
出した時に、はじめて直上のパネル1aから突出した係止
ピン4aが最下位置に在るパネル支持体6aの上面のクツシ
ヨン部材７に接当するように設定してある。そして下か
ら四番目パネル1aが係止ピン4aを介してパネル支持体6a
に支持され停止してから、次の五、六番目のパネル1b、
1cが積み重なつて停止するようになつている。以下同様
に、パネル1cがパネル1bに接近し出した時に、次の係止
ピン4bがパネル支持体6b上に降りて停止し、順次パネル
1b、1cが積み込まれるようになつている。図中、８は、
シヤツターケースである。

叙述の如く構成された本考案の実施例において、開口さ
れているパネルシヤツターを降下せしめると、各パネル
１はチエン３で吊られながら、所定間隙を存して案内レ
ール２に案内されて降下してくる。そして最下パネル1a
が床面に接して停止しパネル1aのチエン３から緩み出
し、パネル1aの上に凹凸嵌合状に順次直上パネル1b、1c
が積み重なることになるが、パネル1cが降下してパネル
1bに接近し始めた時に、直上のパネル1aが延設された係
止ピン4aが、案内レール２内に突設さられたパネル支持
体6aのクツシヨン部材７に当接して、それ以上の降下を
規制されて停止することになる。更にシヤツターパネル
１が降下すると、パネル1aの上にパネル1b、1cも同様に
積み重なるように降下する。このようにして、続いて降
下するパネル1a、1b、1cも、係止ピン4b、4cがそれぞれ
案内レール２内に突設されたパネル支持体6b、6cに規制
され三枚のパネル１毎に重量を支持されて停止すること
になる。

従つて、最下パネル1aに負荷されるのは直上パネル1b、
1cの二枚分の重量のみとなり、従来の如く、最下パネル
のみに集中して全重量が負荷されることがない。またパ
ネル支持体6a、6b、6cには、中間パネル1aから延設され
た係止ピン4a、4b、4cを介して中間パネル1a及び直上パ
ネル1b、1cの重量が分担して負荷されることになる。

尚、パネル式シヤツターが全閉した時、パネル1c、1aの
間隙がやや広くなることが予想されるが、パネル1cが降
下してパネル1bに接近しだしてから直上パネル1aの降下
が規制されるようにしたことと、パネル支持体６の上面
にはクツシヨン部材が装着されているので、パネル1aの
上にパネル1b、1cの荷重が加わると押圧されて、相隣る
パネル1a、1cの間隙はできるだけ小さくし時、両パネル
間が気密的に閉鎖できるよう考慮されているので問題は
無い。

この様に、本考案にあつては、最下パネル1aと案内レー
ル２に設けた複数のパネル支持体６とで、全パネル重量
を分散して負担するようにしたので、最下パネルの早期
損傷を防止し得て、寿命の長いものとすることができ
る。また、従来の如く、開口部の高さ分の全パネル重量
が最下パネル1aのみに集中負荷することがなくなり、最
下パネルだけを特別に頑丈なものに構成する必要がなく
なり、全パネルを同一設計仕様で構成できるので、部材
種類を削減でき、コスト低減に効果を奏するものであ
る。

尚、本考案は上記実施例に限定されないことは勿論であ
つて、パネルの重量や大きさに応じて、パネル支持体の
数を増減し、支持するパネル枚数を増減するようにして
も良い。

［作用効果］ 以上要するに、本考案は叙述の如く構成されたものであ
るから、下側パネルに上側パネルが積み上げられること
で閉塞する所謂積み上げ式のパネルシヤツターでありな
がら、適宜選択される中間パネルは、閉鎖位置におい
て、係止ピンがパネル支持体に係止することによつてガ
イドレール側に受止め支持されることになり、そうし
て、これよりも上側のパネルを含めた受止め支持がガイ
ドレールを通して成されることとなる。従つて最下パネ
ルは、この受止め支持される中間パネルよりも下側のパ
ネル重量を受けるのみとなつて、従来のように全てのパ
ネル重量が働くことが無く、この結果、最下パネルを特
別に頑丈なものに構成する必要もなく、全パネルを同一
設計仕様で構成し得て、部材種類を削減することとな
り、寿命の長いものとしてコスト低減にも有効な効果を
奏するものである。

【図面の簡単な説明】

図面は本考案に係るパネル式シヤツターの一実施例を示
したものであつて、第１図はパネルシヤツターカーテン
部の概要斜視図、第２図はパネル支持体の側面図、第３
図はパネル支持体と係止ピンの相互関係を示す説明図で
ある。 図中、１（1a、1b、1c）はパネル、２は案内レール、
４、（4a、4b、4c）は係止ピン、６（6a、6b、6c）はパ
ネル支持体、７はクツシヨン部材である。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】上下方向に所定間隙を存するよう隣接パネ
   ル同志を一連状に連結してシヤツターカーテンを形成
   し、下側パネルに上側パネルを順次積み上げることで閉
   鎖するようにしてなる積み上げ式パネルシヤツターにお
   いて、前記シヤツターカーテンの適宜選択される中間パ
   ネルの左右両端部に係止ピンを突設する一方、シヤツタ
   ーカーテンの昇降ガイドをするガイドレールには、上記
   中間パネルが閉鎖位置に下降した状態で係止ピンを下側
   から受け止め係止して、中間パネルの支持をするパネル
   支持体を突設したことを特徴とした積み上げ式パネルシ
   ヤツター。