JPH07233586A - 建設用ブロック - Google Patents

建設用ブロック

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JPH07233586A
JPH07233586A JP6051353A JP5135394A JPH07233586A JP H07233586 A JPH07233586 A JP H07233586A JP 6051353 A JP6051353 A JP 6051353A JP 5135394 A JP5135394 A JP 5135394A JP H07233586 A JPH07233586 A JP H07233586A
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Fumio Masuda
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Abstract

(57)【要約】 【目的】擁壁などの屋外の壁状体を見映えよく形成で
き、環境美化を促進する。 【構成】水平な上面F1、下面F2を有する基体2の両
側に上下に貫通する2つの透孔3、3を設けるととも
に、この透孔3、3の間に、前記上面F1を凹ませ植栽
用の有底の凹所5を設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、例えば土止めのための
擁壁、塀などの屋外の壁状体を見映えよく形成しうる建
設用ブロックに関する。
【0002】
【従来の技術】例えば道路と敷地との間に高低差があり
盛土の際に必要となる土止め用の擁壁、あるいは塀など
の屋外の壁状体は、通常、コンクリートブロックを縦、
横にモルタルを用いて配列することにより形成される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらコンクリ
ートブロックを用いて前記壁状体を形成するものにあっ
ては、該壁状体は外観の変化に乏しいものとなりがちで
あり、見映えを損ねる他、特に擁壁に必要な強度を十分
に得られない場合もある。
【0004】しかも壁状体が横方向に湾曲しているとき
には、コンクリートブロックによる湾曲部の形成は困難
であり、作業性の悪化を招くとともに、強度の低下も顕
著となる。
【0005】本発明は、2つの透孔間に植栽用の有底の
凹所を設けることを基本として、屋外の壁状体を緑化す
ることができ、見映えを高めうるとともに、湾曲部であ
っても強度を損ねることなくかつ作業性よく屋外の壁状
体を形成しうる建設用ブロックの提供を目的としてい
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するため
に本発明の建設用ブロックは、水平な上面、下面を有す
る基体の両側に上下に貫通する2つの透孔を設けるとと
もに、この透孔の間に、前記上面を凹ませ植栽用の有底
の凹所を設けている。
【0007】なお前記基体は、前面に、前記凹所を前方
に延在させる突出部を具えるとともに、両側面の後面近
傍に、上下に通じる背板受溝を設けることが望ましい。
【0008】さらに前記2つの透孔は同径でありかつ基
体の上面又は下面に前記透孔に嵌入するリング状の隆起
部を設けることが望ましい。
【0009】
【作用】建設用ブロックは、基体の両側に設けた2つの
透孔の間に、植栽用の有底の凹所を設けている。従っ
て、土止め用の擁壁、塀などの屋外の壁状体に、植物を
配することが可能となり、該壁状体の景観、見映えを高
めうるとともに、緑化された壁状体は、環境の美化にも
役立つ。
【0010】又建設用ブロックを、その透孔を揃えて積
重ねかつ該透孔内にコンクリートを打入することによっ
て、強度の大きい壁状体を形成できる。
【0011】なお前記基体の前面に突出部を設けた場合
には、該突出部において雨水を受けることができ、前記
凹所に植えられた植物の育成を助長するとともに、基体
の両側面の後面近傍に、背板受溝を設けることによっ
て、凹所上方の植物が配される空間の後部を背板により
便宜に遮蔽できる他、この背板に表札、照明器具、イン
ターホンなどを取付けることも可能となる。
【0012】又2つの透孔を同径としかつ基体の上面又
は下面に該透孔に嵌入するリング状の隆起部を設けた場
合には、積重なる建設用ブロックを用いて、例えば下の
建設用ブロックの一方の側の透孔に上の建設用ブロック
の他方の側の透孔を揃えてしかも前記隆起部を下の建設
用ブロックの透孔に嵌入させることにより、前記壁状体
を、たとえ湾曲していても強度を低下させることなくか
つ作業性よく形成できる。
【0013】
【実施例】以下本発明の一実施例を図面に基づき説明す
る。図1〜7において本発明の建設用ブロック1は、本
実施例では、盛土の際の土止めとなる擁壁Wを形成す
る。
【0014】建設用ブロック1は、図6に示すように、
水平な上面F1、下面F2を有する略直方体形状の基体
2を具えるとともに、この基体2の両側に上下に貫通す
る2つの透孔3、3を設けている。なおこの2つの透孔
3、3は、同径に設定されるとともに、各透孔3を囲む
壁部の前記上面F1と交わる部分には、該上面F1から
小高さで凹む段差部10が形成される。
【0015】又前記基体2の下面F2には、前記透孔3
を囲む壁部を垂下させることにより、透孔3の前記段差
部10に嵌入しうる寸法のリング状の小高さの隆起部4
が設けられる。なおこの隆起部4は、基体2の上面F1
に設けることも出来る。
【0016】さらに基体2には、前記2つの透孔3、3
の間に、前記上面F1を凹ませた植栽用の有底の凹所5
が設けられる。この凹所5の底部は、本実施例では、前
記下面F2に設けた突部11によって着脱自在に水平に
支持される底板12を用いて形成されるとともに、この
底板12には、水抜き孔13が開穿されている。なお凹
所5の底部を、前記基体2と一体に形成することも出来
る。
【0017】又前記基体2は、その前面に、前記凹所5
を前方に延在させる平面弧状の突出部6を具えるととも
に、両側面の後面近傍に、上下に通じる背板受溝7、7
を設けている。
【0018】なお建設用ブロック1は、図6に実線で示
すように、前記突出部6を前から見て凹所5の左側端部
に設けたもの(以下これを連設用ブロック1Aという)
と、図6に一点鎖線で示すように、突出部6を前から見
て凹所5の右側端部に設けたもの(以下これを建設用ブ
ロック1Bという)とを含む。
【0019】又建設用ブロック1(1A、1B)は、陶
磁器製にすることによってその外的美観を高めうるとと
もに、品質の向上を図りうる。
【0020】このような建設用ブロック1を用いて、図
1〜5に示すように、以下に述べる工程で擁壁Wを形成
する。
【0021】まず、割栗石上にフーチング部20A上面
から立上げ部20Bを立上げた布基礎20をコンクリー
トを用いて形成する。この布基礎20には、その上面か
ら突出し上方に垂直にのびる補強鉄筋21…が該布基礎
20の長手方向に間隔を有して植設される。なお布基礎
20は、長手方向にやや湾曲してのびる。
【0022】次に前記建設用ブロック1B(又は1A)
を、その2つの透孔3、3に、隣り合う前記補強鉄筋2
1、21を夫々挿通させて布基礎20上に載置する。こ
こで隣り合う建設用ブロック1B、1B間には、前後に
通じる間隙Gが形成される。
【0023】さらに隣り合う前記建設用ブロック1B、
1B上に、建設用ブロック1Aを跨がらせて載置する。
この際、建設用ブロック1Aの前記隆起部4、4は、夫
々建設用ブロック1B、1Bの近接する各透孔3、3上
端に設けた前記段差部10、10に嵌入する。従って、
上下に積重ねられた建設用ブロック1A、1Bを、基礎
20の湾曲に沿って容易に配設することができ、作業性
を向上しうる。
【0024】このようにして順次建設用ブロック1A、
1Bを積重ねた後、図3に示すように、上下に連通する
透孔3…にコンクリートCを打設し湾曲した擁壁Wを形
成する。なお前記補強鉄筋21は、最上段の建設用ブロ
ック1A(又は1B)の各透孔3、3上部までのびるこ
とが強度の観点から望ましい。又前記コンクリートCは
この補強鉄筋21を完全に埋入させる。従って、擁壁W
の強度を十分に確保しうるとともに、各段に横に並べら
れた建設用ブロック1A、1A(又は1B、1B)間に
は、その下の建設用ブロック1B(又は1A)の凹所5
が臨む前記間隙Gが形成されるため、密に縦、横に配置
される通常のコンクリートブロックを用いるものに比し
て、材料費を削減しうる。
【0025】なお擁壁Wの前方の地面R1上方に配され
る建設用ブロック1…間の前記間隙G…は、図1、図
4、図5に示すように、向き合う前記背板受溝7、7に
両端部が嵌入される矩形の背板23により遮蔽される。
又公道に面して擁壁Wを形成するときには、この擁壁W
の湾曲度を示す曲率半径を一定の最小半径以上にするこ
とが法律で義務付けられているため、前記背板23と建
設用ブロック1とのなす角度θ(=180度−(α+
β):図5に示す)を以下の如く規制し、これに基づい
て該背板23を前記背板受溝7に角度θで嵌入しうるよ
うに該背板受溝7の形状を定める。ここでαは、背板2
3と擁壁Wの曲率半径を有する円の半径線Rとがなす角
度であり、βは、該半径線Rと建設用ブロック1とのな
す角度を表す。
【0026】前記規制の具体例を挙げると、背板23の
横長さL23を220mm、又建設用ブロック1の横長さ
L1を600mmとしたときには、tan αの値は、約11
0以上に制限されるともに、tan βの値は、約40以上
に制限される。
【0027】又擁壁Wの後方の地面R2は、該擁壁Wの
上端部近傍に位置するとともに、前記地面R1と地面R
2との高低差Hは1m以下に設定される。
【0028】擁壁Wをなしかつ地面R1よりも高所に配
される建設用ブロック1…の各空所5には、図2、図4
に示すように土が配され、前記間隙Gにおいて植物Jを
植えることができる。従って擁壁Wの前面を緑化するこ
とができ、景観、見映えを高めうるとともに環境の美化
にも役立つ。
【0029】又前記建設用ブロック1Aの突出部6と、
建設用ブロック1Bの突出部6とは、左右に位置を違え
ているため、図2に示すように、上下に積重ねられた建
設用ブロック1…の各突出部6の位置を横にずらせて配
することができ、該突出部6への雨水の侵入を確実化
し、植物Jの育成を助長しうる。
【0030】なお擁壁Wの端部は、図7に示す端ブロッ
ク15を用いて、図1に示すように凹凸なく滑らかに形
成される。
【0031】端ブロック15は、前記建設用ブロック1
と同高かつ水平な上面、下面を有する略直方体状の基体
16を具えるとともに、この基体16の片側に、前記透
孔3と同径かつ前記段差部10、隆起部4と同様の段差
部10A、隆起部4Aを上面、下面に有する上下に貫通
する透孔3Aが設けられている。又基体16の前記透孔
3A側方には、上面を凹ませることにより有底の凹所5
Aが設けられる。
【0032】前記端ブロック15は、図1に示すよう
に、建設用ブロック1を間に挟んでかつ一方の透孔3を
該建設用ブロック1の透孔3に揃えてその上下に配され
る建設用ブロック1、1間に、前記透孔3Aをこの建設
用ブロック1、1の残りの各透孔3、3に揃えてかつ前
記隆起部4A、4を段差部10、10Aに夫々嵌入して
配され、擁壁Wの端部を凹凸なく仕上げる。なお上下に
連通する透孔3A、3にも、前記補強鉄筋21が挿入さ
れるとともに、コンクリートCが打設される。
【0033】図8〜10は、前記建設用ブロック1(1
A、1B)を用いて、塀Aを形成した場合を示してい
る。
【0034】この例は、図9、図10に示すように、塀
Aの後方の地面R3が前記地面R2に比して低所にある
ことを除いては、建設用ブロック1…の使い方は前記擁
壁Wを形成する場合と同様であるので、その詳細な説明
は省略する。ただし、前記背板23は、最下段の建設用
ブロック1、1間から最上段まで配されるとともに、上
部に位置する背板23には、図8に示すように、表札、
照明器具、インターホンなどの付属品25を取付けるこ
とが出来る。
【0035】又図11に示すように、建設用ブロック1
の両側面を揃えることによって上下に連通する2つの透
孔3、3…に補強鉄筋21、21を夫々挿入しかつ該建
設用ブロック1…を縦横に配し、しかも透孔3…にコン
クリートCを打設することにより、擁壁、塀Aなどの屋
外の壁状体を形成することもできる。
【0036】この場合、最上段の建設用ブロック1…の
前記空所5…にのみ植物Jを植えることができ、又前記
突出部6は、見映えの低下を防ぐため上下に揃える。
【0037】なお図11は、塀Aを形成した場合を示
し、このとき複数の建設用ブロック1…の代わりに前記
背板23よりも横長さの長い背板24…を前記背板受溝
7、7を利用して配設し、この背板24に、表札、照明
器具、インターホンなどの付属品25を添着しうる。
【0038】又前記背板24上方の建設用ブロック1
は、例えば前記補強鉄筋21、21を挿入しかつ下端が
前記段差部10、10に嵌まるカラー27A、27Aに
よって支持され、又上端を前記隆起部4、4下面に接す
るカラー27B、27Bに当接させる筒状の支持具2
9、29を用いて支持される。
【0039】又隣り合う建設用のブロック1、1は、図
12に示すように、前記背板受溝7、7に嵌入する小巾
の連結板30を用いて連結してもよく、さらに建設用ブ
ロック1、1間にモルタルMを充填してもよい。
【0040】
【発明の効果】叙上の如く本発明の建設用ブロックは、
基体の両側に2つの透孔を設け、かつこの透孔の間に、
植栽用の凹所を設けているため、土止め用の擁壁、ある
いは塀などの屋外の壁状体を植物により緑化することが
でき、見映えを向上しうるとともに環境美化に役立つ
他、前記透孔を上下に揃えて建設用ブロックを配しかつ
該透孔内にコンクリートを打設することによって、湾曲
した壁状体であっても強度を損ねることなくしかも作業
性よく該壁状体を形成しうる。
【0041】又前記凹所を前方に延在させる突出部を基
体に設けることにより、該突出部で雨水を受けることが
でき、植物の育成を助長しうるとともに、基体の両側面
の後面近傍に背板受溝を設けることによって、前記凹所
上方の植栽空間を背板を用いて便宜に遮蔽しうる。
【0042】さらに前記2つの透孔を同径とし、かつ基
体の上面又は下面に該透孔に嵌入しうるリング状の隆起
部を設けた場合には、積重ねられる建設用ブロックを容
易に位置決めでき、特に壁状体の湾曲部における施工性
を一層高めうるとともに、強度の向上にも役立つ。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の建設用ブロックを用いて擁壁を形成し
た例を示す斜視図である。
【図2】その部分正面図である。
【図3】その透孔における断面図である。
【図4】その凹所における断面図である。
【図5】その部分平面図である。
【図6】本発明の一実施例を示す斜視図である。
【図7】端ブロックを例示する斜視図である。
【図8】本発明の建設用ブロックを用いて塀を形成した
例を示す正面図である。
【図9】その透孔における断面図である。
【図10】その凹所における断面図である。
【図11】他の塀の例を示す正面図である。
【図12】その部分平面図である。
【符号の説明】
2 基体 3 透孔 4 隆起部 5 凹所 6 突出部 7 背板受溝 F1 上面 F2 下面

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水平な上面、下面を有する基体の両側に上
    下に貫通する2つの透孔を設けるとともに、この透孔の
    間に、前記上面を凹ませ植栽用の有底の凹所を設けてな
    る建設用ブロック。
  2. 【請求項2】前記基体は、前面に、前記凹所を前方に延
    在させる突出部を具えるとともに、両側面の後面近傍
    に、上下に通じる背板受溝を設けたことを特徴とする請
    求項1記載の建設用ブロック。
  3. 【請求項3】前記2つの透孔は同径でありかつ基体の上
    面又は下面に前記透孔に嵌入するリング状の隆起部を設
    けたことを特徴とする請求項1記載の建設用ブロック。
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