JPH07233446A - 耐浸炭性耐熱鋳造合金鋼 - Google Patents

耐浸炭性耐熱鋳造合金鋼

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JPH07233446A
JPH07233446A JP2508394A JP2508394A JPH07233446A JP H07233446 A JPH07233446 A JP H07233446A JP 2508394 A JP2508394 A JP 2508394A JP 2508394 A JP2508394 A JP 2508394A JP H07233446 A JPH07233446 A JP H07233446A
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JP
Japan
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cast alloy
resistant
alloy steel
heat resistant
carburizing
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Pending
Application number
JP2508394A
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English (en)
Inventor
Nobuyuki Sakamoto
伸之 坂本
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kubota Corp
Original Assignee
Kubota Corp
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Filing date
Publication date
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  • Solid-Phase Diffusion Into Metallic Material Surfaces (AREA)
  • Production Of Liquid Hydrocarbon Mixture For Refining Petroleum (AREA)
  • Heat Treatment Of Articles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】炭化水素類の熱分解・改質反応管(エチレンク
ラッキングチューブ等)として使用される耐熱合金鋳鋼
の浸炭抵抗性の改良。 【構成】 C:0.2〜0.6%,Si:1.5〜3
%,Mn:2%以下,Cr:20〜35%,Ni:15
〜35%,Nb:0.2〜2%,Ti:0.05〜0.
7%,Zr:0.05〜0.7%,N:0.01%以
下,残部実質的にFeからなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高温環境での耐浸炭性
を要求される部材、代表的には石油化学工業における炭
化水素類の熱分解・改質反応管材料等として有用な耐浸
炭性にすぐれた耐熱鋳造合金鋼に関する。
【0002】
【従来の技術】炭化水素類の熱分解・改質反応管,例え
ば管内に供給されるナフサ等の熱分解反応を、高温・高
圧(約900 〜1100℃, 約10Kg/ cm2 以下)の条件下に行
うエチレン製造用クラッキングチューブは、管内の反応
系から析出する固形炭素が管内面に付着し、管壁内部に
Cが拡散侵入する浸炭現象を生じる。浸炭現象は、管材
質の劣化、特に延性の低下による脆化を引き起こし、管
体の割れ発生の原因となる。従って、反応管は耐久性と
操業の安全性確保のために、高温使用環境での強度や酸
化抵抗性等と共に、耐浸炭性に優れたものであることを
要する。従来より、その反応管材料として、ASTMHK4
0(0.4 C−20Ni−25Cr−Fe)や、HP材(0.4
C−35Ni−25Cr−Fe)またはその改良材(0.4 C
−35Ni−25Cr−Nb,Mo,W−Fe)等の耐熱鋳
造合金鋼が使用されてきた。更に、その耐浸炭性や強度
を改良したものとして、特公昭63-4897 号公報には、0.
4 C−45Ni−35Cr−Nb,W−Ti,Zr−Fe
系、特公昭63-4898号公報には、0.4 C−35Ni-35 C
r- Nb, W- Fe系の高合金化した耐熱鋳造合金鋼が
開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記のように従来この
種の耐熱合金鋼の耐浸炭性や強度等の材料特性の改善策
は、Ni,Mo,W等の高価な合金元素を添加し、もし
くは増量するという、成分構成の高合金化により行われ
てきた。しかし、そのことは同時に材料コストの増大を
余儀なくされることに他ならない。本発明は、高価な合
金元素の添加を省略しもしくはその量を節減しながら、
耐浸炭性や高温強度等の所要の材料特性を具備した比較
的安価な耐熱鋳造合金鋼を提供するものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の耐浸炭性耐熱鋳
造合金鋼は、C:0.2〜0.6%,Si:1.5〜3
%,Mn:2%以下,Cr:20〜35%,Ni:15
〜35%,Nb:0.2〜2%,Ti:0.05〜0.
7%,Zr:0.05〜0.7%,N:0.01%以
下,残部実質的にFeからなる化学組成を有している。
【0005】
【作用】以下、本発明耐熱合金鋼の成分限定理由につい
て説明する。 C:0.2〜0.6%, Cは、合金溶湯の鋳造性を高めて鋳造品質の確保を容易
化し、また強度面では、合金基地中に固溶して高温強
度、特にクリープ破断強度を高める効果を有する。この
ため0.2%を下限とする。添加増量により効果を増す
が、多量の添加は合金の脆化を招き、溶接性も悪化する
ので、0.6%を上限とする。
【0006】Si:1.5〜3% Siは、合金溶湯の脱酸剤として添加される元素である
が、本発明では、それに留まらず、耐浸炭性の改善元素
として添加される。すなわち、Siの多量添加により合
金表面形成される酸化被膜は、浸炭に対するバリアー層
の働きをなす。この効果を得るためには少なくとも1.
5%を必要とする。添加量の増量に伴つて効果は増大す
るが、合金の脆化と溶接性の低下をきたすので、3%を
上限とする。
【0007】Mn:2%以下 Mnは、脱酸・脱硫剤として添加され、溶湯中のSをM
n Sとして固定無害化することにより、溶接時の高温割
れを防止する。その添加量は2%までで十分であり、そ
れ以上の添加を要しない。
【0008】Cr:20〜35% Crは、耐熱合金鋼として必要な高温強度等を確保する
ための不可欠の元素である。また、合金表面に緻密な酸
化被膜を形成し、浸炭抵抗性を高める効果を有する。エ
チレンクラッキングチューブ等のように温度約1000
℃ないしそれ以上の高温域での長時間使用に耐える高温
強度や耐酸化性、および耐浸炭性等を得るために、少な
くとも20%を必要とする。含有量の増加と共に効果を
増すが、多量の添加はσ相の生成による脆化をきたすの
で、35%を上限とする。
【0009】Ni:15〜35% Niは、合金のオーステナイト基地を生成・安定化し、
耐酸化性や高温強度を確保するための必須の元素であ
る。その含有量は、フェライト生成元素である前記Cr
の含有量とのバランスから、少なくとも15%を必要と
する。含有量の増加と共に効果を増すが、35%までで
十分であり、それを超える増量は経済性を損なうので、
これを上限とする。
【0010】Nb:0.2〜2% Nbは、結晶粒界に共晶状のNbCを晶出し粒界を強化
することによりクリープ破断強度を高める。この効果を
得るためには0.2%以上が必要である。添加増量によ
り効果を増すが、2%を超えると、効果はほぼ飽和する
のでこれを上限とする。
【0011】Ti:0.05〜0.7% Tiは、微細な炭化物を形成し、合金の高温環境におけ
るオーステナイト基地中のCr炭化物の凝集粗大化を抑
制遅延することにより、高温クリープ破断強度の改善に
寄与する。この効果を得るためには、0.05%以上を
要する。しかし、多量に添加すると、析出物の粗大化、
酸化物系介在物の増量により、却って高温強度を損なう
ことになるので、0.7%を上限とする。
【0012】Zr:0.05〜0.7% Zrは、粒界を強化し、延性を高め、また微細な炭化物
を分散析出して高温クリープ破断強度を改善する。更に
Zrは、酸化スケールの剥離を防止し、保護膜としての
機能を高めることにより、酸化抵抗性および耐浸炭性の
改善に寄与する。これらの効果は0.05%以上の添加
により現れ、増量に伴つて効果を増す。しかし、0.7
%を超えると、効果はほぼ飽和し、またその増量は酸化
物系介在物の増加による合金の清浄度の低下に伴い、却
って高温クリープ破断強度の低下を招くので、0.7%
を上限とする。
【0013】上記Nb,Ti,Zrの3元素の複合添加
は重要であり、この複合添加による(Nb,Ti,Z
r)C複炭化物の微細析出に伴い、高温クリープ破断強
度の大きな改善効果が得られる。
【0014】N:0.01%以下 Nは、炭化物中に入り込み、Cの一部と置換して炭窒化
ぶつ形成し、高温クリープ破断強度を改善する。しか
し、多量に添加すると、長時間クリープ破断強度の低下
を招くので、0.01%を超えてはならない。
【0015】
【実施例】高周波誘導溶解炉で溶製した耐熱合金鋼溶湯
を遠心力鋳造に付して中空円筒体を得、機械加工を加え
供試管体(外径138mm,肉厚20mm, 長さ570mm )を得る。
表1に、供試管体の化学組成(Wt%) を示す。No.1〜4
は発明例、No.11 〜14は比較例である(比較例No.11 は
HK40相当材, No.12 はHP改良材相当材,No.13 は、
発明例に類似した化学組成を有しているが、Si含有量
が不足している例, No.14 はZr量が不足している例)
である。各供試管体より試験片を切り出して下記の試験
を行った。試験結果を表2に示す。
【0016】(1)浸炭試験 各供試管体から切出した円柱状試験片(直径12mm, 長さ
60mm)を、固体浸炭剤(デグサKG30)に埋込み、温度
1150℃に300Hr保持する。試験後、試験片表面
から4mmの深さまで、0.5 mm間隔を置いて各深さ位置
よりを切粉採取し、それぞれのC量を化学分析し、浸炭
により増加したC分の総量(ΣΔC)を求める。 (2)耐酸化試験 板状試験片(15mm×20mm×5 mm) を、温度110
0℃に500時間、加熱保持した後、試験片の酸化減量
(mg/cm2 )を測定する。 (3)高温クリープ破断試験 JIS G2272に規定に準拠し、破断寿命(Hr)
を求める。 試験片:平行部直径 8mm, ゲージ長さ 40 mm。 試験温度:1038℃,引張応力:3.0Kgf /m
2
【0017】
【表1】
【0018】
【表2】
【0019】発明例No.1〜4の耐浸炭性は、HK40相当
材(No.11 )に比べ格段の差異を有している。また、発
明例のものは、Ni量が比較的少なく、かつMo,W等
の添加を省略された成分構成を有していながら、その耐
浸炭性は、HP改良材(Ni含有量が高く、かつMo,
Wを含む)よりも優れている。なお、比較例No.13 は、
発明例に類似する成分組成を有しているが、Si含有量
が本発明の下限規定を満たしていないため、その耐浸炭
性は発明例に比し、低いレベルに留まっている。No. 14
についても、Zr量の不足のため、耐浸炭性は低く、か
つ耐酸化性や高温クリープ破断強度の改善効果も不十分
である。
【0020】
【発明の効果】本発明の耐熱合金鋼は、エチレンクラッ
キングチューブ等の石油化学工業用反応管材に必要な諸
特性を有し、特に浸炭に対する抵抗性に優れている。し
かも、その合金成分構成は、従来材であるHP材やその
改良材等と異なって、Ni,Mo,W等の元素の多量含
有を必要とせず、安価に製造することができる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 C:0.2〜0.6%,Si:1.5〜
    3%,Mn:2%以下,Cr:20〜35%,Ni:1
    5〜35%,Nb:0.2〜2%,Ti:0.05〜
    0.7%,Zr:0.05〜0.7%,N:0.01%
    以下,残部実質的にFeからなる耐浸炭性耐熱鋳造合金
    鋼。
JP2508394A 1994-02-23 1994-02-23 耐浸炭性耐熱鋳造合金鋼 Pending JPH07233446A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007052782A1 (ja) * 2005-10-31 2007-05-10 Kubota Corporation 微細なTi-Nb-Cr炭化物又はTi-Nb-Zr-Cr炭化物を析出する耐熱合金

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007052782A1 (ja) * 2005-10-31 2007-05-10 Kubota Corporation 微細なTi-Nb-Cr炭化物又はTi-Nb-Zr-Cr炭化物を析出する耐熱合金
US7959854B2 (en) 2005-10-31 2011-06-14 Kubota Corporation Heat resistant alloy adapted to precipitate fine Ti-Nb-Cr carbide or Ti-Nb-Zr-Cr carbide
JP5213450B2 (ja) * 2005-10-31 2013-06-19 株式会社クボタ 微細なTi−Nb−Cr炭化物又はTi−Nb−Zr−Cr炭化物を析出する耐熱合金

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