JPH07233352A - 剥離性硬化皮膜形成性シリコーン組成物 - Google Patents

剥離性硬化皮膜形成性シリコーン組成物

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JPH07233352A
JPH07233352A JP5313694A JP5313694A JPH07233352A JP H07233352 A JPH07233352 A JP H07233352A JP 5313694 A JP5313694 A JP 5313694A JP 5313694 A JP5313694 A JP 5313694A JP H07233352 A JPH07233352 A JP H07233352A
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JP
Japan
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group
silicone composition
cured film
weight
parts
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JP5313694A
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Inventor
Hideki Kobayashi
秀樹 小林
Nobuo Kaiya
信夫 海谷
Ko Saikai
航 西海
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DuPont Toray Specialty Materials KK
Original Assignee
Dow Corning Toray Silicone Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 粘着性物質に対する剥離特性に優れ、かつ粘
着性物質の残留接着率を低下させることがない剥離性硬
化皮膜を形成することができる剥離性硬化皮膜形成性シ
リコーン組成物を提供する。 【構成】 (A)硬化皮膜形成性シリコーン組成物100
重量部に、(B)平均単位式: 【化1】 (式中、R1は脂肪族不飽和結合を有しない炭素原子数
1〜10の一価炭化水素基であり、R2は水素原子,炭
素原子数2〜10のアルケニル基,炭素原子数1〜10
のアルコキシ基および水酸基からなる群より選ばれた基
であり、R3は炭素原子数2〜10のアルキレン基であ
り、mは0以上の数であり、aおよびbは正の数であ
り、cおよびdは0以上の数であり、c+dは正の数で
ある。)で表され、重量平均分子量が1,000以上で
ある有機ケイ素重合体0.5〜500重量部を配合して
なることを特徴とする、剥離性硬化皮膜形成性シリコー
ン組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は剥離性硬化皮膜形成性シ
リコーン組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、紙,ダンボール紙,ラミネート
紙,合成樹脂フィルム,布,合成繊維,金属箔等の各種
基材の表面に、ジメチルポリシロキサンを主剤とする硬
化皮膜形成性シリコーン組成物を塗布した後、該組成物
を硬化させることにより、各種粘着性物質に対して剥離
性を示す硬化皮膜を形成することができることは知られ
ている。
【0003】一般に、ジメチルポリシロキサンを主剤と
する硬化皮膜形成性シリコーン組成物は、該組成物を硬
化して得られる硬化皮膜の剥離抵抗が極めて軽いという
問題点があった。そのため、この硬化皮膜の剥離抵抗を
調節する目的で、該組成物に剥離抵抗調整剤を添加する
ことが必要であった。かかる剥離抵抗調整剤としては、
例えば、R3SiO1/2単位(式中、Rは炭素原子数2以
下の一価炭化水素基である。)およびSiO4/2単位か
らなるMQ型シリコーン共重合体(特公昭49−270
33号公報および特開昭59−84953号公報参
照)、R3SiO1/2単位、(CH2=CH)R2SiO
1/2単位およびSiO4/2単位(式中、Rは炭素原子数2
以下の一価炭化水素基である。)からなるMQ型シリコ
ーン共重合体(特公昭53−29678号公報参照)が
提案されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、剥離抵抗調整
剤として上記のようなMQ型シリコーン共重合体を配合
した硬化皮膜形成性シリコーン組成物は、粘着性物質へ
のシリコーン成分の移行度合が大きくなり、粘着性物質
の残留接着率が著しく低下するという問題点があった。
また、上記のようなMQ型シリコーン共重合体は、通
常、室温において固形状であるため、これを配合した硬
化皮膜形成性シリコーン組成物はその粘度が高くなり、
各種基材表面への塗布性が低下するという問題点があっ
た。
【0005】本発明者らは上記問題点を解消するために
鋭意検討した結果本発明に到達した。すなわち、本発明
の目的は粘着性物質に対する剥離特性に優れ、かつ粘着
性物質の残留接着率を低下させることがない剥離性硬化
皮膜を形成することができる剥離性硬化皮膜形成性シリ
コーン組成物を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段およびその作用】本発明
は、(A)硬化皮膜形成性シリコーン組成物100重量部
に、(B)平均単位式:
【化2】 (式中、R1は脂肪族不飽和結合を有しない炭素原子数
1〜10の一価炭化水素基であり、R2は水素原子,炭
素原子数2〜10のアルケニル基,炭素原子数1〜10
のアルコキシ基および水酸基からなる群より選ばれた基
であり、R3は炭素原子数2〜10のアルキレン基であ
り、mは0以上の数であり、aおよびbは正の数であ
り、cおよびdは0以上の数であり、c+dは正の数で
ある。)で表され、重量平均分子量が1,000以上で
ある有機ケイ素重合体0.5〜500重量部を配合して
なることを特徴とする、剥離性硬化皮膜形成性シリコー
ン組成物に関する。
【0007】以下、本発明の剥離性硬化皮膜形成性シリ
コーン組成物について詳細に説明する。本発明に使用さ
れる(A)成分の硬化皮膜形成性シリコーン組成物は、硬
化して各種粘着物質に対して剥離性を示すシリコーン皮
膜を形成するものであり、その種類は特に限定されず、
従来公知のものが使用できる。かかる組成物としては、
付加反応硬化型の硬化皮膜形成性シリコーン組成物,縮
合反応硬化型の硬化皮膜形成性シリコーン組成物,有機
過酸化物硬化型の硬化皮膜形成性シリコーン組成物,紫
外線,電子線等の高エネルギー線硬化型の硬化皮膜形成
性シリコーン組成物が例示される。これらの中でも付加
反応硬化型の硬化皮膜形成性シリコーン組成物および縮
合反応硬化型の硬化皮膜形成性シリコーン組成物が好ま
しい。
【0008】付加反応硬化型の硬化皮膜形成性シリコー
ン組成物としては、 (a)25℃における粘度が少なくとも40センチポイズであり、1分子中に少な くとも2個のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン 100重量部、 (b)25℃における粘度が1〜1,000センチポイズであり、1分子中に少な くとも3個のケイ素原子結合水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロ キサン 0.5〜90重量部 および (c)白金系触媒 (a)成分と(b)成分の合計量100万重量部に 対して白金金属として0.1〜1000重量部 からなる硬化皮膜形成性シリコーン組成物が好ましい。
【0009】上記付加反応硬化型の硬化皮膜形成性シリ
コーン組成物において、(a)成分のオルガノポリシロキ
サンは25℃における粘度が少なくとも40センチポイ
ズであり、かつ1分子中に少なくとも2個のアルケニル
基を有することが必要である。このような(a)成分の代
表例は、平均単位式:R4 aSiO(4-a)/2(式中、R4
一価炭化水素基であり、aは1.95〜2.05の数であ
る。)で表されるオルガノポリシロキサンがある。上式
中、R4の一価炭化水素基としては、メチル基,エチル
基,プロピル基,ブチル基等のアルキル基;ビニル基,
アリル基,ブテニル基,ペンテニル基,ヘキセニル基等
のアルケニル基;フェニル基,トリル基,キシリル基等
のアリール基;ベンジル基,フェネチル基等のアラルキ
ル基;3−クロロプロピル基,3,3,3−トリフロロプ
ロピル基等のハロ置換アルキル基が例示される。R4
アルケニル基以外の一価炭化水素基としてはメチル基が
好ましい。また、上式中、aは1.95〜2.05の数で
ある。また、(a)成分の分子構造は特に限定されず、例
えば、直鎖状,環状,一部分岐を有する直鎖状が挙げら
れるが、好ましくは直鎖状のジオルガノポリシロキサン
である。その分子鎖末端基として具体的には、トリメチ
ルシロキシ基,ジメチルビニルシロキシ基,ジメチルフ
ェニルシロキシ基,ジメチルヒドロキシシロキシ基が例
示される。また、(a)成分の25℃における粘度は、少
なくとも40センチポイズであることが必要であり、そ
の上限は生ゴム状のものまで使用することができる。こ
れは、(a)成分の粘度が40センチポイズ未満である
と、剥離性皮膜形成性シリコーン組成物の基材への浸透
が大きくなり過ぎるためである。本発明の組成物を無溶
剤型として使用する場合には、(a)成分の25℃におけ
る粘度は、40〜10,000センチポイズの範囲であ
ることが好ましく、さらに100〜5,000センチポ
イズの範囲であることが好ましい。また、本発明の組成
物を溶剤型として使用する場合には、(a)成分の25℃
における粘度が、100,000センチポイズから生ゴ
ム状のものまでが好ましく、さらに500,000セン
チポイズから生ゴム状のものまでが好ましい。
【0010】(a)成分のオルガノポリシロキサンとして
は、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチ
ルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキ
シ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン
共重合体、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖
ジメチルシロキサン・メチルフェニルシロキサン共重合
体、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルビニ
ルポリシロキサン、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基
封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン共重
合体、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチル
シロキサン・メチル(5−ヘキセニル)シロキサン共重
合体、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメ
チルシロキサン・メチルビニルシロキサン・メチルフェ
ニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルヒドロ
キシ基封鎖メチルビニルポリシロキサン、分子鎖両末端
ジメチルヒドロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチル
ビニルシロキサン共重合体が例示される。
【0011】上記付加反応硬化型の硬化皮膜形成性シリ
コーン組成物において、(b)成分のオルガノハイドロジ
ェンポリシロキサンは架橋剤として作用し、25℃にお
ける粘度が1〜1,000センチポイズであり、かつ1
分子中に少なくとも3個のケイ素原子結合水素原子を有
することが必要である。このような(b)成分の代表例
は、平均単位式:R5 bSiO(4-b)/2(式中、R5はアル
ケニル基を除く一価炭化水素基または水素原子であり、
bは1.50〜3.00の数である。)で表されるオルガ
ノポリシロキサンがある。上式中、R5はアルケニル基
を除く一価炭化水素基または水素原子であり、メチル
基,エチル基,プロピル基,ブチル基等のアルキル基;
フェニル基,トリル基,キシリル基等のアリール基;ベ
ンジル基,フェネチル基等のアラルキル基;3−クロロ
プロピル基,3,3,3−トリフロロプロピル基等のハロ
置換アルキル基が例示され、メチル基であることが好ま
しい。(b)成分の分子構造は特に限定されず、例えば、
直鎖状,環状,網状,一部分岐を有する直鎖状が挙げら
れ、好ましくは直鎖状である。(b)成分の分子構造が直
鎖状である場合には、その分子鎖末端基として具体的に
は、トリメチルシロキシ基,ジメチルフェニルシロキシ
基,ジメチルハイドロジェンシロキシ基,ジメチルヒド
ロキシシロキシ基が例示される。また、(b)成分の25
℃における粘度は、1〜1,000センチポイズの範囲
であることが必要であり、5〜500センチポイズの範
囲であることが好ましい。これは(b)成分の25℃にお
ける粘度が1センチポイズ未満であると、(b)成分が揮
発し易く、得られる剥離性硬化皮膜形成性シリコーン組
成物の組成が安定しないためであり、また、この粘度が
1,000センチポイズを越えると、得られた剥離性硬
化皮膜形成性シリコーン組成物の硬化時間が長くなり、
また得られた剥離性硬化皮膜の剥離性が低下するためで
ある。
【0012】(b)成分のオルガノハイドロジェンポリシ
ロキサンとして具体的には、分子鎖両末端トリメチルシ
ロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン、分
子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサ
ン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体、分子鎖
両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチル
ポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチルハイドロジェン
シロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジ
ェンシロキサン共重合体、環状メチルハイドロジェンポ
リシロキサン、環状メチルハイドロジェンシロキサン・
ジメチルシロキサン共重合体が例示される。
【0013】かかる(b)成分の配合量は、(a)成分10
0重量部に対して0.5〜90重量部の範囲であり、1
〜80重量部の範囲であることが好ましい。これは(b)
成分の配合量が(a)成分100重量部に対して0.5重
量部未満であると、得られた剥離性硬化皮膜形成性シリ
コーン組成物の硬化が不十分となるためであり、また、
この配合量が90重量部を越えると、得られた剥離性硬
化皮膜の剥離性が低下するためである。
【0014】上記付加反応硬化型の硬化皮膜形成性シリ
コーン組成物において、(c)成分の白金系触媒は、(a)
成分と(b)成分の付加反応を促進して、該組成物を硬化
させるための触媒である。(c)成分としては、塩化白金
酸、塩化白金酸のアルコール溶液、塩化白金酸とオレフ
ィンとの錯体、塩化白金酸とビニルシロキサンとの錯
体、塩化白金酸とケトン類との錯体、白金を担持したア
ルミナ微粉末、白金を担持したシリカ微粉末、白金黒が
例示される。かかる(c)成分の配合量は(a)成分と(b)
成分の合計量100万重量部に対して白金金属として
0.1〜1000重量部の範囲内である。
【0015】上記付加反応硬化型の硬化皮膜形成性シリ
コーン組成物は上記(A)成分〜(C)成分からなるもので
あるが、これら(a)成分〜(c)成分に加えて、該組成物
の室温における保存安定性を付与するために付加反応抑
制剤を配合することができる。かかる付加反応抑制剤と
して具体的には、3−メチル−1−ブチン−3−オー
ル、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、3
−メチル−1−ペンテン−3−オール、フェニルブチノ
ール等のアルキニルアルコール;3−メチル−3−ペン
テン−1−イン、3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3
−イン、ベンゾトリアゾール、メチルビニルシロキサン
環状体が例示される。かかる付加反応抑制剤の配合量は
任意量であるが、通常は、(a)成分100重量部に対し
て0.001〜5重量部の範囲で使用される。
【0016】また、縮合反応硬化型の硬化皮膜形成性シ
リコーン組成物としては、 (a')25℃における粘度が少なくとも40センチポイズであり、1分子中に少 なくとも2個のシラノール基を有するオルガノポリシロキサン 100重量部、 (b')25℃における粘度が1〜1,000センチポイズであり、1分子中に少な くとも3個のケイ素原子結合水素原子を有するオルガノポリシロキサン 0.5〜90重量部 および (c')有機酸金属塩 0.01〜20重量部 からなる硬化皮膜形成性シリコーン組成物が好ましい。
【0017】上記縮合反応硬化型の硬化皮膜形成性シリ
コーン組成物において、(a')成分のオルガノポリシロ
キサンは、25℃における粘度が少なくとも40センチ
ポイズであり、1分子中に少なくとも2個のシラノール
基を有することが必要である。このような(a')成分の
代表例は、平均単位式:R6 cSiO(4-c)/2(式中、R6
は一価炭化水素基またはシラノール基であり、ただし、
上式で表されるシロキサン単位中の少なくとも2個のR
6はシラノール基であり、cは1.95〜2.05の数で
ある。)で表されるオルガノポリシロキサンがある。上
式中、R6は一価炭化水素基またはシラノール基であ
る。R6の一価炭化水素基としては、メチル基,エチル
基,プロピル基,ブチル基等のアルキル基;ビニル基,
アリル基,ブテニル基,ペンテニル基,ヘキセニル基等
のアルケニル基;フェニル基,トリル基,キシリル基等
のアリール基;ベンジル基,フェネチル基等のアラルキ
ル基;3−クロロプロピル基,3,3,3−トリフロロプ
ロピル基等のハロ置換アルキル基が例示され、メチル基
であることが好ましい。また、上式中、cは1.95〜
2.05の数である。また、(a')成分の分子構造は特に
限定されず、例えば、直鎖状,環状,一部分岐を有する
直鎖状が挙げられるが、好ましくは直鎖状である。ま
た、(a')成分の分子鎖末端基として具体的には、ジメ
チルヒドロキシシロキシ基,メチルフェニルヒドロキシ
シロキシ基が例示される。また、(a')成分の25℃に
おける粘度は、少なくとも40センチポイズであること
が必要であり、その上限としては生ゴム状のものまで使
用することができる。これは、(a')成分の粘度が40
センチポイズ未満であると、得られた剥離性硬化皮膜形
成性シリコーン組成物の基材への浸透が大きくなり過ぎ
るためである。本発明の組成物を無溶剤型として使用す
る場合には、(a')成分の25℃における粘度は、40
〜10,000センチポイズの範囲であることが好まし
く、さらに100〜5,000センチポイズの範囲であ
ることが好ましい。また、本発明の組成物を溶剤型とし
て使用する場合には、(a')成分の25℃における粘度
は、100,000センチポイズから生ゴム状のものま
でが好ましく、さらに500,000センチポイズから
生ゴム状のものまでが好ましい。
【0018】(a')成分のオルガノポリシロキサンとし
て具体的には、分子鎖両末端ジメチルヒドロキシシロキ
シ基封鎖ジメチルポリシロキサン、分子鎖両末端ジメチ
ルヒドロキシシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチ
ルビニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルヒ
ドロキシシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルフ
ェニルシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチルヒド
ロキシシロキシ基封鎖メチルビニルポリシロキサン、分
子鎖両末端ジメチルヒドロキシシロキシ基封鎖メチルフ
ェニルポリシロキサン共重合体、分子鎖両末端ジメチル
ヒドロキシシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチル
(5−ヘキセニル)シロキサン共重合体、分子鎖両末端
ジメチルヒドロキシシロキシ基封鎖メチルフェニルポリ
シロキサンが例示される。
【0019】上記縮合反応硬化型の硬化皮膜形成性シリ
コーン組成物において、(b')成分のオルガノポリシロ
キサンは架橋剤として作用し、25℃における粘度が1
〜1,000センチポイズであり、かつ1分子中に少な
くとも3個のケイ素原子結合水素原子を有することが必
要である。このような(b')成分は、平均単位式:R7 d
SiO(4-d)/2(式中、R7は一価炭化水素基または水素
原子であり、bは1.50〜3.00の数である。)で表
すことができる。上式中、R7の一価炭化水素基として
は、メチル基,エチル基,プロピル基,ブチル基等のア
ルキル基;ビニル基,アリル基,ブテニル基,ペンテニ
ル基,ヘキセニル基等のアルケニル基;フェニル基,ト
リル基,キシリル基等のアリール基;ベンジル基,フェ
ネチル基等のアラルキル基;3−クロロプロピル基,
3,3,3−トリフロロプロピル基等のハロ置換アルキル
基が例示され、メチル基であることが好ましい。(b')
成分の分子構造は特に限定されず、例えば、直鎖状,環
状,網状,一部分岐を有する直鎖鎖状が挙げられ、好ま
しくは直鎖状である。その分子鎖末端基として具体的に
は、トリメチルシロキシ基,ジメチルフェニルシロキシ
基,ジメチルハイドロジェンシロキシ基,ジメチルヒド
ロキシシロキシ基が例示される。また、(b')成分の2
5℃における粘度は、1〜1,000センチポイズの範
囲であることが必要であり、5〜500センチポイズの
範囲であることが好ましい。これは(b')成分の25℃
における粘度が1センチポイズ未満であると、(b')成
分が揮発し易く、得られる剥離性硬化皮膜形成性シリコ
ーン組成物の組成が安定しないためであり、また、この
粘度が1,000センチポイズを越えると、得られた剥
離性硬化皮膜形成性シリコーン組成物の硬化時間が長く
なり、また得られた剥離性硬化皮膜の剥離性が低下する
ためである。
【0020】(b')成分のオルガノポリシロキサンとし
て具体的には、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖
メチルハイドロジェンポリシロキサン,分子鎖両末端ト
リメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハ
イドロジェンシロキサン共重合体,分子鎖両末端ジメチ
ルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサ
ン,分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封
鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサ
ン共重合体,環状メチルハイドロジェンポリシロキサ
ン,環状メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシ
ロキサン共重合体が例示される。
【0021】かかる(b')成分の配合量は(a')成分10
0重量部に対して0.5〜90重量部の範囲であり、1
〜80重量部の範囲であることが好ましい。これは、
(b')成分の配合量が、(a')成分100重量部に対して
0.5重量部未満であると、得られた剥離性硬化皮膜形
成性シリコーン組成物の硬化が不十分となるためであ
り、また、この配合量が90重量部を越えると、得られ
た剥離性硬化皮膜の剥離性が低下するためである。
【0022】上記縮合反応硬化型の硬化皮膜形成性シリ
コーン組成物において、(c')成分の有機酸金属塩は、
(a')成分と(b')成分の縮合反応を促進して、該組成物
を硬化させるための触媒である。(c')成分として具体
的には、ジブチル錫ジアセテート,ジブチル錫ジオクト
エート,ジブチル錫ジラウレート,ジオクチル錫ジラウ
レート,錫オクトエート,亜鉛ナフトエート,鉄オクト
エートが例示される。
【0023】かかる(c')成分の配合量は(a')成分10
0重量部に対して0.01〜20重量部の範囲である。
【0024】これらの硬化皮膜形成性シリコーン組成物
には、必要に応じて、例えば、有機溶剤、密着性向上
剤、色素、顔料、シリカ微粉末等の充填剤を添加するこ
とができる。有機溶剤の使用は、本発明の組成物の保存
安定性を向上し、かつ各種基剤への塗工性を向上するの
で好ましい。有機溶剤は上記の組成物を均一に溶解する
ことができるものであれば特に限定されず、具体的に
は、ベンゼン,トルエン,キシレン等の芳香族系炭化水
素;ペンタン,ヘキサン,ヘプタン等の脂肪族系炭化水
素;トリクロロエチレン,パークロロエチレン,トリフ
ルオロメチルベンゼン,1,3−ビス(トリフルオロメ
チル)ベンゼン,メチルペンタフルオロベンゼン等のハ
ロゲン化炭化水素;酢酸エチル,メチルエチルケトンが
例示される。本発明の組成物において、かかる有機溶剤
を使用する場合にはその配合量は(a')成分100重量
部に対して0〜10,000重量部の範囲内である。
【0025】本発明の剥離性硬化皮膜形成性シリコーン
組成物は、上記のような(A)成分の硬化皮膜形成性シリ
コーン組成物に、(B)一般式:
【化3】 (式中、R1は脂肪族不飽和結合を有しない炭素原子数
1〜10の一価炭化水素基であり、R2は水素原子、炭
素原子数2〜10のアルケニル基、炭素原子数1〜10
のアルコキシ基または水酸基のいずれかであり、R3
炭素原子数2〜10のアルキレン基であり、mは0以上
の数であり、a、bは正の数であり、c、dは0以上の
数であり、c+dは正の数である。)で表され、重量平
均分子量が1,000以上である、有機ケイ素重合体を
配合することを特徴とする。この有機ケイ素重合体は、
これを配合した硬化皮膜形成性シリコーン組成物を硬化
して得られる剥離性硬化皮膜に適度の剥離抵抗を付与す
るための剥離抵抗調整剤として作用し、かつ各種粘着性
物質へのシリコーン成分の移行を抑えて、粘着性物質の
残留接着率の低下を抑える働きをする。上式中、R1
脂肪族不飽和結合を有しない炭素原子数1〜10の一価
炭化水素基であり、具体的には、メチル基,エチル基,
プロピル基,ブチル基,ペンチル基,オクチル基等のア
ルキル基;フェニル基,トリル基,キシリル基等のアリ
ール基;ベンジル基,フェネチル基等のアラルキル基;
3−クロロプロピル基,3,3,3−トリフロロプロピル
基等のハロ置換アルキル基が例示され、好ましくはメチ
ル基である。また、上式中、R3は炭素原子数2〜10
のアルキレン基であり、具体的には、エチレン基,プロ
ピレン基,ブチレン基,ペンチレン基,ヘキシレン基,
オクチレン基が例示される。また、上式中、R2は水素
原子、炭素原子数2〜10のアルケニル基、炭素原子数
1〜10のアルコキシ基または水酸基のいずれかであ
る。R2のアルケニル基として具体的には、ビニル基,
アリル基,ブテニル基,ペンテニル基,ヘキセニル基,
オクテニル基が例示され、R2のアルコキシ基として具
体的には、メトキシ基,エトキシ基,プロポキシ基,ブ
トキシ基などが例示される。本発明の剥離性硬化皮膜形
成性シリコーン組成物において、上記付加反応硬化型の
硬化皮膜形成性シリコーン組成物を用いる場合には、
(B)成分の有機ケイ素重合体は上式中R2が水素原子ま
たは炭素原子数2〜10のアルケニル基であるものが好
ましく、また上記縮合反応硬化型の硬化皮膜形成性シリ
コーン組成物を用いる場合には、(B)成分の有機ケイ素
重合体は上式中R2が水素原子または水酸基またはアル
コキシ基であるものが好ましい。また、上式中、mは0
以上の数であり、aおよびbは正の数であり、cおよび
dは0以上の数であり、c+dは正の数である。
【0026】かかる有機ケイ素重合体の25℃における
粘度は特に限定されず、得られる剥離性硬化皮膜形成性
シリコーン組成物の取扱作業性が優れること、および得
られる剥離性硬化皮膜の剥離性が良好であることから、
10〜10,000センチストークスの範囲であること
が好ましい。また、かかる(B)成分の有機ケイ素化合物
は有機溶剤に可溶であるものが好ましい。このような有
機ケイ素重合体は、剥離性硬化皮膜形成性シリコーン組
成物の粘度を上昇することがないので、無溶剤型の剥離
性硬化皮膜形成性シリコーン組成物の剥離抵抗調整剤と
して好適である。また、かかる有機ケイ素重合体の配合
量を調節することにより、得られる剥離性硬化皮膜の剥
離抵抗値を調節することができる。
【0027】かかる有機ケイ素重合体としては次のよう
なアルケニル基を有する化合物が例示される。 (CH2=CHC48Me2SiO1/2)a(O1/2Me2Si
612Me2SiO1/2)b−(MeSiO3/2)c (CH2=CHC48Me2SiO1/2)a(O1/2Me2Si
612Me2SiO1/2)b−(SiO4/2)d (ViMe2SiO1/2)a(O1/2Me2SiC24Me2
iO1/2)b(SiO4/2)d (ViMe2SiO1/2)a(O1/2Me2SiC24Me2
iO1/2)b−(MeSiO3/2)c (ViMe2SiO1/2)a(O1/2Me2SiC24Me2
iO1/2)b−(CF324SiO3/2)c (ViMe2SiO1/2)a(O1/2MePhSiC24Me
PhSiO1/2)b−(MeSiO3/2c (ViMePhSiO1/2)a(O1/2MePhSiC24
ePhSiO1/2)b−(MeSiO3/2)c ただし、上式中、Meはメチル基をさし、Viはビニル
基をさし、Phはフェニル基をさし、a,b,c,d,
mは正の数である。また、かかる有機ケイ素重合体とし
ては次のようなケイ素原子結合水素原子を有する化合物
が例示される。 (HMe2SiO1/2)v(O1/2Me2SiC612Me2Si
1/2)w−(MeSiO3/2)x (HMe2SiO1/2)v(O1/2Me2SiC24Me2Si
1/2)w(MeSiO3/2)x (HMe2SiO1/2)v(O1/2Me2SiC612Me2Si
1/2)w(SiO4/2)y (HMe2SiO1/2)v(O1/2Me2SiC24Me2Si
1/2)w(SiO4/2)y (HMe2SiO1/2)v(O1/2Me2SiC24Me2Si
1/2)w−(CF324SiO3/2)x (HMe2SiO1/2)v(O1/2MePhSiC24MeP
hSiO1/2)w−(MeSiO3/2)x (HMePhSiO1/2)v(O1/2MePhSiC24Me
PhSiO1/2)w−(MeSiO3/2)x ただし、上式中、Meはメチル基をさし、Viはビニル
基をさし、Phはフェニル基をさし、v,w,x,y
は、正の数である。さらにかかる有機ケイ素重合体の具
体的な例としては、次のようなアルコキシ基や水酸基を
有する化合物が挙げられる。 (HOMe2SiO1/2)v(O1/2Me2SiC612Me2
iO1/2)w−(MeSiO3/2x (MeOMe2SiO1/2)v(O1/2Me2SiC612Me2
SiO1/2)w−(MeSiO3/2)x
【0028】このような有機ケイ素重合体を製造する方
法は特に限定されず、例えば、一般式(D):R1Si
(OR1 2SiH)3(式中、R1はメチル基,エチル基,
プロピル基等のアルキル基のような脂肪族不飽和結合を
有しない炭素原子数1〜10の一価炭化水素基であ
る。)で表されるテトラシロキサン、およびまたは一般
式(E):Si(OR1 2SiH)4(式中、R1は前記と同
じである。)で表されるペンタシロキサンと、必要に応
じて、一般式(F):HR1 2SiO(R1 2SiO)p1 2
SiH(式中、R1は前記と同じであり、pは0以上の
数である。)で表されるジオルガノシロキサンとを、一
般式(G):R81 2SiO(R1 2SiO)p1 2SiR8
(式中、R1は前記と同じであり、R8は炭素原子数2〜
10のアルケニル基であり、mは0以上の数である。)
で表されるジオルガノシロキサン、または、炭素原子数
が3〜10であり、炭素−炭素二重結合を2個有する不
飽和脂肪族炭化水素、炭素原子数2〜10であり、炭素
−炭素三重結合を1個有する不飽和脂肪族炭化水素と
を、白金系触媒の存在下で付加重合する方法などがあげ
られる。また、このようにして得られた有機ケイ素重合
体に、ケイ素原子結合水素原子が末端として残っていた
場合には、これをアルコキシ基や水酸基に容易に変換す
ることができる。
【0029】あるいは、一般式(H):XR1 2Si-R3-
SiR1 2X(式中、R1は前記と同じであり、Xは加水
分解性基であり、R3は炭素原子数2〜10のアルキレ
ン基である。)で表されるケイ素化合物、一般式(J):
XR1 2SiR9(式中、R1とXは前記と同じであり、R
9は水素原子または炭素原子数2〜10のアルケニル基
である。)で表されるケイ素化合物、および、一般式
(K):XSiR1 3(式中、R1とXは前記と同じであ
る。)で表されるケイ素化合物、または、一般式(L):
4Si(式中、Xは前記と同じである。)で表される
ケイ素化合物を共加水分解し、酸性または塩基性触媒に
より縮合重合する方法が挙げられる。尚、上式中のXの
加水分解性基としては、塩素原子,臭素原子等のハロゲ
ン原子またはメトキシ基,エトキシ基,プロポキシ基等
のアルコキシ基が例示される。
【0030】本発明の剥離性硬化皮膜形成性シリコーン
組成物において、(B)成分の有機ケイ素重合体の配合量
は、(A)成分の硬化皮膜形成性シリコーン組成物100
重量部に対して0.5〜500重量部の範囲である。こ
れは有機ケイ素重合体の配合量が、0.5重量部未満で
あると、得られた剥離性硬化皮膜の剥離抵抗が軽くなり
すぎるためであり、また、この配合量が500重量部を
越えると、得られた剥離性硬化皮膜の剥離抵抗が著しく
重くなるためである。上記付加反応硬化型の硬化皮膜形
成性シリコーン組成物においては、上記有機ケイ素重合
体の配合量は、(a)成分のオルガノポリシロキサン10
0重量部に対して1.0〜500重量部であることが好
ましく、2.0〜200重量部であることがさらに好ま
しい。また、上記縮合反応硬化型の硬化皮膜形成性シリ
コーン組成物において、(B)成分の有機ケイ素重合体の
配合量は、(a')成分のオルガノポリシロキサン100
重量部に対して1.0〜500重量部であることが好ま
しく、2.0〜200重量部であることがさらに好まし
い。
【0031】本発明の剥離性硬化皮膜形成性シリコーン
組成物は、(A)成分の硬化皮膜形成性シリコーン組成物
を調製する過程で、(B)成分の有機ケイ素重合体を配合
してもよく、また(A)成分の硬化皮膜形成性シリコーン
組成物の調製後、これに(B)成分の有機ケイ素重合体を
配合してもよい。本発明の剥離性硬化皮膜形成性シリコ
ーン組成物を硬化させるための条件は特に限定されない
が、剥離性硬化皮膜を形成する温度は50〜200℃の
範囲であることが好ましい。
【0032】本発明の剥離性皮膜形成性シリコーン組成
物は、紙,ダンボール紙,ラミネート紙,合成樹脂フィ
ルム,布,合成繊維,金属箔等の各種基材の表面に、各
種粘着性物質に対して適度の剥離抵抗を有する剥離性硬
化皮膜を形成することができる。また、このようにして
得られた剥離性硬化皮膜を有する基材は、工程紙,アス
ファルト紙,テープ,ラベル等に使用することができ
る。また、本発明の剥離性硬化皮膜形成性シリコーン組
成物に、比較的粘度の低い(B)成分の有機ケイ素重合体
を使用すれば無溶剤型の剥離性硬化皮膜形成性シリコー
ン組成物とすることができる。
【0033】
【実施例】以下、実施例により本発明の剥離性硬化皮膜
形成性シリコーン組成物を詳細に説明する。なお、実施
例中、粘度は25℃において測定した値である。また、
剥離性硬化皮膜の剥離抵抗値および粘着性物質の残留接
着率は次の方法に従って測定した。
【0034】○剥離性硬化皮膜の剥離抵抗値の測定 剥離性硬化皮膜形成性シリコーン組成物をポリエチレン
ラミネートクラフト紙に約1.0g/m2塗布し、次い
で、これを熱風循環式オーブンにより、160℃で30
秒間加熱して剥離性硬化皮膜を形成した。この剥離性硬
化皮膜にアクリル系粘着剤(東洋インキ製造株式会社
製;オリバインBPS8170)を塗布した。 次い
で、これを熱風循環式オーブンにより、70℃で2分間
加熱した後、このアクリル系粘着剤に、25μmのポリ
エチレンテレフタレートフィルムを貼合わせ、これに2
0gf/cm2の加重をかけながら、25℃で湿度60%の
条件下で静置した。その後、この貼合わせ紙を5cm幅の
帯状とし、この帯状の貼合わせ紙をテンシロンにより、
180度の角度で引張り、その剥離抵抗値(gf)を測定し
た。
【0035】○粘着性物質の残留接着率の測定 剥離性硬化皮膜形成性シリコーン組成物をポリエチレン
ラミネートクラフト紙に約1.0g/m2塗布し、次い
で、これを熱風循環式オーブンにより、160℃で30
秒間加熱して剥離性硬化皮膜を形成した。この剥離性硬
化皮膜にポリエステルテープ(日東電工株式会社製;ポ
リエステルテープ31B)を貼合わせ、これに20gf/
cm2の加重をかけながら60℃で20時間加熱した後、
このポリエステルテープをはがした。このポリエステル
テープをステンレス板に貼合わせた。このポリエステル
テープをテンシロンにより180度の角度で引張り、そ
の剥離抵抗値f(gf)を測定した。また、ブランクとし
て、上記において剥離性硬化皮膜の代わりに、テフロン
シートに上記と同じポリエステルテープを貼合わせた
後、このポリエステルテープをテンシロンにより180
度の角度で引張り、このポリエステルテープの標準の剥
離抵抗値f0(gf)を測定した。粘着物質の残留接着率は
上記剥離抵抗値fを標準の剥離抵抗値f0に対する百分
率(%)で表した。
【0036】
【実施例1】生ゴム状の分子鎖両末端トリメチルシロキ
シ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキサン
共重合体(ビニル基含有量=0.9重量%)100重量
部、粘度が10センチポイズである、分子鎖両末端トリ
メチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキ
サンを2重量部、粘度が110センチポイズであり、
式:
【化4】 (式中、a:b:cの比は、0.94:1.03:1であ
る。)で表され、トルエンに可溶であり、重量平均分子
量6,600である枝分かれ状有機ケイ素重合体17重
量部、3,5−ジメチル−3−ヘキセン−1−イン0.9
重量部、トルエン2,000重量部を均一に混合した。
次いで、これに、塩化白金酸のイソプロピルアルコール
溶液を、上記ジメチルシロキサン・メチルビニルシロキ
サン共重合体に対して塩化白金酸中の白金金属として1
00ppmとなるように均一に混合して、剥離性硬化皮膜
形成性シリコーン組成物を調製した。この剥離性硬化皮
膜形成性シリコーン組成物を硬化して得られる剥離性硬
化皮膜の剥離抵抗値および粘着性物質の残留接着率を測
定した。これらの測定結果を表1に示した。
【0037】
【比較例1】実施例1において、分子鎖両末端トリメチ
ルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン
を3重量部とし、枝分かれ状有機ケイ素重合体を用いな
い以外は実施例1と同様にして剥離性硬化皮膜形成性シ
リコーン組成物を調製した。この剥離性硬化皮膜形成性
シリコーン組成物を硬化して得られる剥離性硬化皮膜の
剥離抵抗値および粘着性物質の残留接着率を測定した。
これらの測定結果を表1に示した。
【0038】
【実施例2】粘度520センチポイズである、分子鎖両
末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン
・メチルビニルシロキサン共重合体(ビニル基含有量=
0.8重量%)100重量部、粘度が20センチポイズ
である、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチル
ハイドロジェンポリシロキサン3重量部、粘度が140
センチポイズであり、式:
【化5】 (式中、a:b:cの比は、0.92:2.08:1であ
る。)で表され、トルエンに可溶であり、重量平均分子
量5,000である枝分かれ状有機ケイ素重合体15重
量部、メチルブチノール0.9重量部を均一に混合し
た。次いで、これに、塩化白金酸のイソプロピルアルコ
ール溶液を、上記ジメチルシロキサン・メチルビニルシ
ロキサン共重合体に対して、塩化白金酸中の白金金属が
190ppmとなるように均一に混合して、無溶剤型の剥
離性硬化皮膜形成性シリコーン組成物を調製した。この
剥離性硬化皮膜形成性シリコーン組成物を硬化して得ら
れる剥離性硬化皮膜の剥離抵抗値および粘着性物質の残
留接着率を測定した。これらの測定結果を表1に示し
た。
【0039】
【比較例2】実施例1において、枝分かれ状有機ケイ素
重合体17重量部の代わりに、平均単位式:[CH2
CH(CH32SiO1/20.1[(CH33Si
1/20.7(SiO4/21.0で表される粉末状のシリコ
ーン共重合体64重量部を用いた以外は実施例2と同様
にして、粘度が2,000センチポイズの剥離性硬化皮
膜形成性シリコーン組成物を調製した。この剥離性硬化
皮膜形成性シリコーン組成物を硬化して得られる剥離性
硬化皮膜の剥離抵抗値および粘着性物質の残留接着率を
測定した。これらの測定結果を表1に示した。
【0040】
【実施例3】実施例1において、分子鎖両末端トリメチ
ルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン
の配合量を3重量部とし、有機ケイ素重合体の代わり
に、粘度が110センチポイズであり、式:
【化6】 (式中、a:b:cの比は、0.96:1.02:1であ
る。)で表され、トルエンに可溶であり、重量平均分子
量6,000である枝分かれ状有機ケイ素重合体17重
量部を用いた以外は実施例1と同様にして、剥離性硬化
皮膜形成性シリコーン組成物を調製した。この剥離性硬
化皮膜形成性シリコーン組成物を硬化して得られる剥離
性硬化皮膜の剥離抵抗値および粘着性物質の残留接着率
を測定した。これらの測定結果を表1に示した。
【0041】
【表1】
【0042】
【実施例4】分子鎖両末端シラノール基封鎖ジメチルポ
リシロキサン生ゴム100重量部、粘度が10センチポ
イズである、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メ
チルハイドロジェンポリシロキサン7重量部、粘度が1
10センチポイズであり、式:
【化7】 (式中、a:b:cの比は、0.94:1.03:1であ
る。)で表され、トルエンに可溶であり、重量平均分子
量6,600である枝分かれ状有機ケイ素重合体17重
量部、ジブチル錫ジアセテート5重量部を、トルエン
1,350重量部に均一に混合して剥離性硬化皮膜形成
性シリコーン組成物を調製した。この剥離性硬化皮膜形
成性シリコーン組成物を硬化して得られる剥離性硬化皮
膜の剥離抵抗値および粘着性物質の残留接着率を測定し
た。これらの測定結果を表2に示した。
【0043】
【比較例3】実施例4において、有機ケイ素重合体を添
加しない以外は実施例4と同様にして剥離性硬化皮膜形
成性シリコーン組成物を調製した。この剥離性硬化皮膜
形成性シリコーン組成物を硬化して得られる剥離性硬化
皮膜の剥離抵抗値および粘着性物質の残留接着率を測定
した。これらの測定結果を表2に示した。
【0044】
【比較例4】実施例4において、枝分かれ状有機ケイ素
重合体の代わりに、平均単位式:[CH2=CH(C
32SiO1/2]0.1[(CH3)3SiO1/20.7(Si
4/21.0で表される粉末状のシリコーン共重合体を用
いた以外は実施例5と同様にして、剥離性硬化皮膜形成
性シリコーン組成物を調製した。この剥離性硬化皮膜形
成性シリコーン組成物を硬化して得られる剥離性硬化皮
膜の剥離抵抗値および粘着性物質の残留接着率を測定し
た。これらの測定結果を表2に示した。
【0045】
【実施例5】実施例4において、枝分かれ状有機ケイ素
重合体の代わりに、粘度が200センチポイズであり、
式:
【化8】 (式中、a:b:m:cの比は、0.84:1.03:
0.1:1である。)で表され、トルエンに可溶であ
り、重量平均分子量6,000である枝分かれ状有機ケ
イ素重合体17重量部を用いた以外は実施例4と同様に
して、剥離性硬化皮膜形成性シリコーン組成物を調製し
た。この剥離性硬化皮膜形成性シリコーン組成物を硬化
して得られる剥離性硬化皮膜の剥離抵抗値および粘着性
物質の残留接着率を測定した。これらの測定結果を表2
に示した。
【0046】
【表2】
【0047】
【発明の効果】本発明の剥離性硬化皮膜形成性シリコー
ン組成物は、剥離性硬化皮膜形成性シリコーン組成物に
(B)成分の特殊な有機ケイ素重合体所定量を配合してい
るので、粘着性物質に対する剥離特性に優れ、かつ粘着
性物質の残留接着率を低下させることがない剥離性硬化
皮膜を形成することができるという特徴を有する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 西海 航 千葉県市原市千種海岸2番2 東レ・ダウ コーニング・シリコーン株式会社研究開発 本部内

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (A)硬化皮膜形成性シリコーン組成物1
    00重量部に、(B)平均単位式: 【化1】 (式中、R1は脂肪族不飽和結合を有しない炭素原子数
    1〜10の一価炭化水素基であり、R2は水素原子,炭
    素原子数2〜10のアルケニル基,炭素原子数1〜10
    のアルコキシ基および水酸基からなる群より選ばれた基
    であり、R3は炭素原子数2〜10のアルキレン基であ
    り、mは0以上の数であり、aおよびbは正の数であ
    り、cおよびdは0以上の数であり、c+dは正の数で
    ある。)で表され、重量平均分子量が1,000以上で
    ある有機ケイ素重合体0.5〜500重量部を配合して
    なることを特徴とする、剥離性硬化皮膜形成性シリコー
    ン組成物。
  2. 【請求項2】 (A)成分の硬化皮膜形成性シリコーン組
    成物が付加反応硬化型の硬化皮膜形成性シリコーン組成
    物である請求項1記載のシリコーン組成物。
  3. 【請求項3】 (A)成分の硬化皮膜形成性シリコーン組
    成物が縮合反応硬化型の硬化皮膜形成性シリコーン組成
    物である請求項1記載のシリコーン組成物。
  4. 【請求項4】 付加反応硬化型の硬化皮膜形成性シリコ
    ーン組成物が、 (a)25℃における粘度が少なくとも40センチポイズであり、1分子中に少な くとも2個のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン 100重量部、 (b)25℃における粘度が1〜1,000センチポイズであり、1分子中に少な くとも3個のケイ素原子結合水素原子を有するオルガノハイドロジェンポリシロ キサン 0.5〜90重量部 および (c)白金系触媒 (a)成分と(b)成分の合計量100万重量部に 対して白金金属として0.1〜1000重量部 からなることを特徴とする、請求項2記載のシリコーン
    組成物。
  5. 【請求項5】 縮合反応硬化型の硬化皮膜形成性シリコ
    ーン組成物が、 (a')25℃における粘度が少なくとも40センチポイズであり、1分子中に少 なくとも2個のシラノール基を有するオルガノポリシロキサン 100重量部、 (b')25℃における粘度が1〜1,000センチポイズであり、1分子中に少な くとも3個のケイ素原子結合水素原子を有するオルガノポリシロキサン 0.5〜90重量部 および (c')有機酸金属塩 0.01〜20重量部 からなることを特徴とする、請求項2記載のシリコーン
    組成物。
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CN110041817A (zh) * 2019-04-01 2019-07-23 乐凯胶片股份有限公司 爽滑涂布液、铝塑膜和锂离子电池
CN110041817B (zh) * 2019-04-01 2021-08-10 乐凯胶片股份有限公司 爽滑涂布液、铝塑膜和锂离子电池

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