JP3885843B2 - シリコーン系剥離剤用消泡剤 - Google Patents

シリコーン系剥離剤用消泡剤 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はシリコーン系剥離剤用消泡剤に関する。詳しくは、粘着剤の粘着力を低下させることなく高速塗工時に優れた消泡性を示すシリコーン系剥離剤用消泡剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、各種紙材,ラミネート紙,合成樹脂フィルム,編織物,金属箔などのシート状基材の表面にオルガノポリシロキサンの硬化皮膜を形成させることにより、粘着性物質に対する剥離性を付与できることが知られている。そしてこのような剥離性硬化皮膜形成用オルガノポリシロキサンとしては、塗工時に有機溶剤を併用する溶液タイプのオルガノポリシロキサン組成物(特公昭46−26798号公報参照)と、塗工時に有機溶剤を使用しない無溶剤タイプのオルガノポリシロキサン組成物(特開昭47−32072号公報参照)が知られている。これらの剥離性硬化皮膜形成用オルガノポリシロキサン組成物は、通常、ロールコーターを使用して各種基材に塗工されるが、塗工液中でロールが回転するために泡が発生する。そしてそのような状態で該オルガノポリシロキサン組成物を紙やプラスチックフィルムに塗工すると、ピンホールが発生して均一に塗工できず、その結果、部分的に重剥離化してしまうといった問題点があった。こうした泡立ちに起因する問題は、近年、環境問題や経済性などから塗工浴濃度が高くなり加工速度が速くなったこと、また、特徴のある剥離紙を作成するために各種添加剤を塗工液に配合するようになってきたことから、より大きくなってきている。この問題を解決するために、トリフロロプロピルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体を配合してなる剥離性硬化皮膜形成用オルガノポリシロキサン組成物が提案されている(特開平6−25601号公報参照)。しかしこの組成物は、該トリフロロプロピルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体が剥離紙表面にブリードアウトして、粘着剤の粘着力を低下させるという欠点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明者らは上記問題点を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。 即ち、本発明の目的は、粘着剤の粘着力を低下させず、高速塗工時の消泡性に優れたシリコーン系剥離剤用消泡剤を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明は、1分子中に、少なくとも1個のフッ素原子含有有機基と、少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子を有するオルガノポリシロキサンであることを特徴とするシリコーン系剥離剤用消泡剤に関する。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明のシリコーン系剥離剤用消泡剤は、1分子中に、少なくとも1個のフッ素原子含有有機基と、少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子を有するオルガノポリシロキサンを主剤とするものである。フッ素原子含有有機基としては、下記一般式で表される基が挙げられる。
【化2】
Figure 0003885843
上式中、R2は二価炭化水素基であり、具体的には、メチレン基,エチレン基,メチルエチレン基,プロピレン基,ブチレン基等のアルキレン基;フェニレン基,トリレン基,キシリレン基等のアリーレン基;メチレンフェニレン基,エチレンフェニレン基等のアルキレンアリーレン基またはアリーレンアルキレン基が例示される。nは1〜20の整数である。尚、このフッ素原子含有有機基の含有量は、0.5〜80.0モル%の範囲であることが好ましく、1〜70モル%の範囲であることが特に好ましい。ケイ素原子結合水素原子の各含有量は、0.5〜50.0モル%の範囲であることが好ましく、1〜40モル%の範囲であることが特に好ましい。またこのオルガノポリシロキサン中の、フッ素原子含有有機基、ケイ素原子結合水素原子以外のケイ素原子に結合する基は特に限定されないが、具体的には、メチル基,エチル基,プロピル基,ブチル基等のアルキル基;フェニル基,トリル基,キシリル基等のアリール基;ベンジル基,フェネチル基等のアラルキル基が例示される。これらの中でもメチル基,フェニル基が好ましい。さらにこのオルガノポリシロキサンは、少量の水酸基やアルコキシ基を有していてもよい。またその分子構造は特に限定されず、例えば、直鎖状,一部分岐を有する直鎖状,環状,網状のいずれであってもよく、部分的に交叉結合を有していてもよいが、直鎖状または一部分岐を有する直鎖状のものが好ましく使用される。分子量および粘度も特に限定されず、低粘度の液状オルガノポリシロキサンから高粘度のガム状オルガノポリシロキサンまで使用することができるが、有機溶剤可溶性,消泡性,レベリング性から、25℃における粘度が0.1〜10,000ポイズの範囲であることが好ましい。
【0006】
このようなオルガノポリシロキサンとして具体的には、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・メチル(3,3,3−トリフロロプロピル)シロキサン共重合体,分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチル(パーフロロブチルエチル)シロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体,分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチル(パーフロロブチルエチル)シロキサン・ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体,分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチル(パーフロロヘキシルエチル)シロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体が例示される。
【0007】
本発明の消泡剤はこのようなオルガノポリシロキサンを主剤とするものであるが、本発明の目的を損なわない範囲であれば、これに各種添加剤や、n−ヘプタン,イソオクタン,アセトン,メチルエチルケトン,メチルイソブチルケトン等の各種有機溶剤を配合することができる。また、この消泡剤の、シリコーン系剥離剤に対する添加量は、0.0001〜20重量%の範囲であることが好ましく、0.001〜10重量%の範囲であることが特に好ましい。尚、シリコーン系剥離剤としては、皮膜を形成しない非硬化性の剥離剤と硬化皮膜形成性の剥離剤が挙げられるが、本発明の消泡剤は、硬化皮膜形成性シリコーン系剥離剤に好適に使用される。
【0008】
次に、本発明のシリコーン系剥離剤用消泡剤を含有してなる剥離性硬化皮膜形成用オルガノポリシロキサン組成物について詳細に説明する。
組成物は前記消泡剤を含有してなる硬化性オルガノポリシロキサン組成物であり、特に付加反応硬化型であることが好ましい。このようなオルガノポリシロキサン組成物は、アルケニル基含有オルガノポリシロキサンとオルガノハイドロジェンポリシロキサンと前記消泡剤と付加反応用触媒からなり、例えば、(A)25℃における粘度が少なくとも40センチポイズであり、かつ、1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサン,(B)25℃における粘度が1〜1,000センチポイズであり、かつ、1分子中に少なくとも3個のケイ素原子結合水素原子を有するアルキルハイドロジェンポリシロキサン,(C)1分子中に、少なくとも1個のフッ素原子含有有機基と、少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子を有するオルガノポリシロキサンおよび(D)付加反応用触媒からなる組成物が挙げられる。
【0009】
各成分を詳細に説明すると、(A)成分は一般式:RaSiO(4-a)/2で示され、25℃における粘度が少なくとも40センチポイズであり、かつ、1分子中に少なくとも2個のアルケニル基を有するオルガノポリシロキサンである。上式中、Rは、メチル基,エチル基,プロピル基,ビニル基,アリル基,ブテニル基,ペンテニル基,ヘキセニル基などの一価炭化水素基であり、この内少なくとも50モル%はメチル基である。aは1.95〜2.05の数である。このオルガノポリシロキサンの分子構造としては、直鎖状,分岐鎖状が挙げられ、分子鎖末端はメチル基,ビニル基,アリル基,水酸基,フェニル基等いずれでもよく限定されない。このオルガノポリシロキサンの25℃における粘度は40センチポイズ以上であればよく、生ゴム状のものまで使用できる。これは、40センチポイズ未満では基材への浸透が多くなり過ぎるためである。本発明組成物を無溶剤タイプとして使用する場合に本成分の粘度は、40〜10,000センチポイズであることが好ましく、より好ましくは100〜5,000センチポイズである。また、本発明組成物を溶液タイプとして使用する場合には、10,000センチポイズから生ゴム状のものまでが好ましく、より好ましくは500,000センチポイズから生ゴム状のものまでである。また本成分としては、1種のオルガノポリシロキサンを単独で使用しても数種類の混合物を使用しても差し支えない。このような(A)成分の具体例としては、分子鎖両末端ジメチルビニルシロキシ基封鎖ジメチルポリシロキサン,分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルビニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体,分子鎖両末端ジメチルヘキセニルシロキシ基封鎖メチルヘキセニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体,分子鎖両末端水酸基封鎖メチルビニルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体が挙げられる。
【0010】
(B)成分は25℃における粘度が1〜1,000センチポイズであり、かつ、1分子中に少なくとも3個のケイ素原子結合水素原子を有するアルキルハイドロジェンポリシロキサンであり、(A)成分および(C)成分の架橋剤である。(A)成分や(C)成分と架橋反応して硬化皮膜を得るためには、1分子中に少なくとも3個のケイ素原子結合水素原子が必要である。本成分は、一般式:R1 bSiO(4-b)/2で示される。式中、R1はアルキル基もしくは水素原子であり、アルキル基としては炭素原子数が1〜8のものが好ましく、メチル基,エチル基,プロピル基,ブチル基,オクチル基が例示される。これらの中でもメチル基が好ましい。bは1.5〜3.0の数である。その分子構造としては、直鎖状,分岐鎖状,環状体が例示される。直鎖状または分岐状の場合、その末端はトリアルキルシロキシ基,ジアルキルハイドロジェンシロキシ基が挙げられる。このアルキルハイドロジェンポリシロキサンの25℃における粘度は1〜1,000センチポイズであり、好ましくは5〜500センチポイズである。これは、1センチポイズ未満であると揮発しやすく、1,000センチポイズを越えると適切な剥離性能を有する硬化皮膜を得るための硬化時間が長くなるためである。この(B)成分の具体例としては、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体,分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体,分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンポリシロキサン,環状メチルハイドロジェンポリシロキサン,環状メチルハイドロジェンシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体が挙げられる。本成分の添加量は、(A)成分100重量部に対して0.5〜20重量部の範囲であり、好ましくは1〜10重量部の範囲である。これは、0.5重量部未満であると硬化が不十分となり、また20重量部を越えると硬化皮膜の剥離性能に好ましくない影響を与えるからである。
【0011】
(C)成分は本発明のシリコーン系剥離剤用消泡剤であり、1分子中に、少なくとも1個のフッ素原子含有有機基と、少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子を有し、残余のケイ素原子結合有機基がアルキル基、アリール基またはアラルキル基であるオルガノポリシロキサンである。このオルガノポリシロキサンは、高速塗工時における塗工浴の泡立ちを抑え、かつ、粘着剤の粘着力を低下させないという作用を有する。フッ素原子含有有機基としては、下記一般式で表される基が挙げられる。
【化3】
Figure 0003885843
上式中、R2は二価炭化水素基であり、具体的には、メチレン基,エチレン基,メチルエチレン基,プロピレン基,ブチレン基等のアルキレン基;フェニレン基,トリレン基,キシリレン基等のアリーレン基;メチレンフェニレン基,エチレンフェニレン基等のアルキレンアリーレン基またはアリーレンアルキレン基が例示される。nは1〜20の整数である。尚、このフッ素原子含有有機基の含有量は、0.5〜80.0モル%の範囲であることが好ましく、1〜70モル%の範囲であることが特に好ましい。ケイ素原子結合水素原子の含有量は、0.5〜50.0モル%の範囲であることが好ましく、1〜40モル%の範囲であることが特に好ましい。またこのオルガノポリシロキサン中の、フッ素原子含有有機基、ケイ素原子結合水素原子以外のケイ素原子に結合する基は、具体的には、メチル基,エチル基,プロピル基,ブチル基等のアルキル基;フェニル基,トリル基,キシリル基等のアリール基;ベンジル基,フェネチル基等のアラルキル基が例示される。これらの中でもメチル基,フェニル基が好ましい。さらにこのオルガノポリシロキサンは、少量の水酸基やアルコキシ基を有していてもよい。またその分子構造は特に限定されず、例えば、直鎖状,一部分岐を有する直鎖状,環状,網状のいずれであってもよく、部分的に交叉結合を有していてもよいが、直鎖状または一部分岐を有する直鎖状のものが好ましく使用される。分子量および粘度も特に限定されず、低粘度の液状オルガノポリシロキサンから高粘度のガム状オルガノポリシロキサンまで使用することができるが、有機溶剤可溶性,消泡性,レベリング性から、25℃における粘度が0.1〜10,000ポイズの範囲であることが好ましい。本成分の添加量は、(A)成分100重量部に対して0.0001〜20重量部の範囲であり、好ましくは0.001〜10重量部の範囲である。これは、0.0001重量部未満であると塗工浴の泡立ちが多くレベリング性が不十分となり、また20重量部を越えると硬化皮膜の剥離性能に好ましくない影響を与えるからである。
【0012】
この(C)成分として具体的には、分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチルハイドロジェンシロキサン・メチル(3,3,3−トリフロロプロピル)シロキサン共重合体,分子鎖両末端ジメチルハイドロジェンシロキシ基封鎖メチル(パーフロロブチルエチル)シロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体,分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチル(パーフロロブチルエチル)シロキサン・ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体,分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチル(パーフロロヘキシルエチル)シロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体が例示される。
【0013】
(D)成分の付加反応用触媒は、上記(A)成分,(B)成分および(C)成分を架橋反応させるための触媒である。具体例としては、塩化白金酸,アルコール変性塩化白金酸,塩化白金酸のオレフィン錯体,塩化白金酸とビニルシロキサンとの錯体,塩化白金酸とジケトン類との錯体,アルミナまたはシリカの担体に粉末状白金を担持したもの,パラジウム触媒,ロジウム触媒が挙げられる。本成分の添加量は触媒量であればよく、通常、(A)成分,(B)成分および(C)成分の合計量に対して白金金属量が10〜1,000ppmとなるような量である。
【0014】
本発明のシリコーン系剥離剤用消泡剤を含有してなる剥離性硬化皮膜形成用オルガノポリシロキサン組成物は上記(A)成分〜(D)成分からなるものであるが、必要に応じて、有機溶剤,付加反応遅延剤,密着向上剤,色素,無機質充填剤,顔料等の他成分を添加配合することは、本発明の目的を損なわない限り差し支えない。有機溶剤としては、トルエン,キシレン,ベンゼン,トリフロロトルエン等の芳香族炭化水素;ヘプタン,ヘキサン,ペンタン,イソオクタン等の脂肪族炭化水素;トリクロロエチレン,パークロロエチレン等のハロゲン化炭化水素;アセトン,メチルエチルケトン,酢酸メチル,酢酸エチルが例示される。付加反応遅延剤としては、3−メチル−1−ブチン−3−オール,3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール,3−メチル−1−ペンテン−3−オール,フェニルブチノール等のアルキニルアルコール;3−メチル−3−ペンテン−1−イン,3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−イン,ベンゾトリアゾール,メチルビニルシロキサン環状体が例示される。
【0015】
本発明のシリコーン系剥離剤用消泡剤を含有してなる剥離性硬化皮膜形成用オルガノポリシロキサン組成物は上記(A)成分〜(D)成分を単に均一に混合分散するだけで製造することができ、各成分の添加順序は特に制限されない。例えば、使用時に(A)成分,(B)成分,(C)成分および(D)成分を混合してもよく、(A)成分,(B)成分および(C)成分をあらかじめ混合しておき、使用時に(D)成分を添加混合してもよく、また、(A)成分と(B)成分をあらかじめ混合しておき、使用時に(C)成分と(D)成分を添加混合してもよい。
【0016】
次に、本発明のシリコーン系剥離剤用消泡剤を含有してなる剥離性硬化皮膜形成用オルガノポリシロキサン組成物を基材に塗布し硬化させてなる剥離性シート状基材について説明する。
剥離性シート状基材は、上記した本発明のシリコーン系剥離剤用消泡剤を含有してなる剥離性硬化皮膜形成用オルガノポリシロキサン組成物を、グラビアコート,リバースコート,ロールコート等の塗工方法を用いて、各種紙材,合成フィルムやそのラミネート紙,各種繊維やその編織物,金属箔等の各種シート状基材に塗工し、次いで、例えば、加熱温度50〜200℃、加熱時間3〜120秒の条件下で硬化させることにより得られる。尚、本発明でいう剥離性とは、粘着性物質に対する剥離性を意味している。
【0017】
以上のような本発明のシリコーン系剥離剤用消泡剤は、粘着剤の粘着力を低下させることなく、高速塗工時における塗工浴の泡立ちを著しく抑えるという特徴を有する。このため、該消泡剤を含有してなる剥離性硬化皮膜形成用オルガノポリシロキサン組成物は、高速塗工時においてもピンホールが発生することなく薄く均一に塗工でき、かつ、得られた硬化皮膜は残留接着率が高く剥離特性に優れるという特徴を有する。
【0018】
【実施例】
次に、本発明を実施例により説明する。実施例中、「部」とあるのは「重量部」を意味し、粘度は25℃において測定した値である。また、泡立ち性,ピンホールの有無,残留接着率,剥離抵抗は以下に示す方法に従って測定した。
(1)泡立ち性
直径5cmの透明蓋付き100mlのガラス瓶に試料を40g採取し、これを振とう機で30分間振とうした後、1分間静置して液面の高さを測定した。この高さを振とう前の液面の高さに対する百分率で表した。
(2)ピンホールの有無
直径5cmの透明蓋付き100mlのガラス瓶に試料を40g採取し、これを振とう機で30分間振とうした後、コーテングロッドを用いてポリエチレンラミネート紙に塗工量が1.0g/m2となるように塗工した。そして塗工面のピンホールの有無を目視にて観察した。
(3)剥離抵抗
直径5cmの透明蓋付き100mlのガラス瓶に試料を40g採取し、これを振とう機で30分間振とうした後、コーテングロッドを用いてポリエチレンラミネート紙に塗工量が1.0g/m2となるように塗工した。塗工後、150℃で20秒間熱処理して剥離紙を作成した。この剥離紙の硬化皮膜表面に、アクリル系溶剤型粘着剤[東洋インキ(株)製;商品名オリバインBPS−5127]またはアクリル系エマルジョン型粘着剤[東洋インキ(株)製;商品名オリバインBPW−3110H]を塗布した後、100℃で4分間加熱処理した。次いでこれに貼り合わせ紙を貼り合わせて、20g/cm2の荷重をかけて25℃、湿度60%の雰囲気中に放置した。24時間経過後、テンシロンを用いて180°の角度で貼り合わせ紙を引っ張り、剥離に要した力(gf)を測定した。なお、試験片の幅はすべて5cmとした。
(4)残留接着率
直径5cmの透明蓋付き100mlのガラス瓶に試料を40g採取し、これを振とう機で30分間振とうした後、コーテングロッドを用いてポリエチレンラミネート紙に塗工量が1.0g/m2となるように塗工した。塗工後、150℃で20秒間熱処理して剥離紙を作成した。この剥離紙の硬化皮膜表面にポリエステル粘着テープ[日東電工(株)製;商品名31Bテープ]を貼り合わせ、20g/cm2の荷重をかけながら、70℃で20時間加熱処理した。加熱処理後、ポリエステル粘着テープを硬化皮膜から剥がしてステンレス板に貼り付けた。次に、この試験片を180°の角度で剥離速度0.3m/分で引っ張り、剥離に要した力(gf)を測定した。この剥離に要した力を未処理の標準テープの剥離に要した力に対する百分率で表した。
【0019】
(削除)
【0020】
(削除)
【0021】
(削除)
【0022】
(削除)
【0023】
【実施例
生ゴム状の分子鎖両末端シラノール基封鎖ジメチルシロキサン・メチルヘキセニルシロキサン共重合体(ビニル基含有量0.5重量%)100部,粘度80センチポイズの分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体(ケイ素原子結合水素原子含有量1.0重量%)10部および3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−イン0.5部を混合して、全重量が1,100部となるようにキシレンで希釈溶解した。次いでこれに、粘度60センチポイズの分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチル(パ−フロロブチルエチル)シロキサン・ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体[メチル(パ−フロロブチルエチル)シロキサン単位40モル%,ジメチルシロキサン単位40モル%,ケイ素原子結合水素原子含有量0.3重量%]を、上記の生ゴム状の分子鎖両末端シラノール基封鎖ジメチルシロキサン・メチルヘキセニルシロキサン共重合体100部に対して、それぞれ0.001部,0.01部,0.1部,1.0部,2.0部添加したものを試料とした。そしてこれらの試料に、イソプロピルアルコール変性塩化白金酸を白金金属として400ppmとなる量添加して、本発明のシリコーン系剥離剤用消泡剤を含有してなる剥離性硬化皮膜形成用オルガノポリシロキサン組成物を調製した。このようにして得られた剥離性硬化皮膜形成用オルガノポリシロキサン組成物について、泡立ち性,ピンホールの有無,剥離抵抗および残留接着率を測定した。それらの測定結果を表に示した。
【0024】
【比較例
実施例において、粘度60センチポイズの分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチル(パ−フロロブチルエチル)シロキサン・ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体を添加しなかった以外は実施例と同様にして、剥離性硬化皮膜形成用オルガノポリシロキサン組成物を調製した(試料)。得られた剥離性硬化皮膜形成用オルガノポリシロキサン組成物について、泡立ち性,ピンホールの有無,剥離抵抗および残留接着率を測定した。それらの測定結果を表に示した。
【0025】
【比較例
実施例において、粘度60センチポイズの分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチル(パ−フロロブチルエチル)シロキサン・ジメチルシロキサン・メチルハイドロジェンシロキサン共重合体の代わりに、粘度70センチポイズの分子鎖両末端トリメチルシロキシ基封鎖メチル(パーフロロブチルエチル)シロキサン・ジメチルシロキサン共重合体[メチル(パーフロロブチルエチル)シロキサン単位50モル%]を1.0部添加した以外は実施例と同様にして、剥離性硬化皮膜形成用オルガノポリシロキサン組成物を調製した(試料)。得られた剥離性硬化皮膜形成用オルガノポリシロキサン組成物について、泡立ち性,ピンホールの有無,剥離抵抗および残留接着率を測定した。それらの測定結果を表に示した。
【0026】
【表2】
Figure 0003885843
【0027】
(削除)
【0028】
(削除)
【0029】
(削除)
【0030】
(削除)
【0031】
【発明の効果】
本発明のシリコーン系剥離剤用消泡剤は、1分子中に、少なくとも1個のフッ素原子含有有機基と、少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子を有するオルガノポリシロキサンであり、高速塗工時の消泡性に優れ、かつ、粘着剤の粘着性を低下させないという特徴を有する。また本発明のシリコーン系剥離剤用消泡剤を含有してなる剥離性硬化皮膜形成用オルガノポリシロキサン組成物は、高速塗工時において均一な硬化皮膜を形成することができ、しかも得られた硬化皮膜は残留接着率が高く良好な剥離特性を有するという特徴を有する。

Claims (2)

  1. 1分子中に、少なくとも1個のフッ素原子含有有機基と、少なくとも2個のケイ素原子結合水素原子を有するオルガノポリシロキサンであることを特徴とするシリコーン系剥離剤用消泡剤。
  2. フッ素原子含有有機基が下記一般式で表される基から選択される基である、請求項1に記載のシリコーン系剥離剤用消泡剤。
    Figure 0003885843
    (式中、R2は二価炭化水素基であり、nは1〜20の整数である。)
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