JPH0723259U - エンジン低温始動試験用冷却装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 低温始動試験を行うエンジンを短時間に必要
な低温まで冷却する。 【構成】 エンジン回りの各冷却要素を冷却する熱交換
器１４、１５、１６および空気調和機１１の冷却コイル
１２の往管と、前記熱交換器１４、１５、１６および前
記冷却コイル１２の復管とをブラインタンク内部の２つ
に区切られた異なる部屋９ａ、９ｂへ別々に接続してあ
り、しかもこのブライン槽９がブライン冷却器８とも接
続してある。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、エンジンの低温始動試験において、特にエンジンを冷却する際には 、短時間で所定の低温にすることができるエンジン低温始動試験用冷却装置に関 する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、寒冷地を想定したエンジンの低温始動試験は、室内を低温に保った低温 試験室に自動車等のエンジンを収容して行われる。

【０００３】 上記低温試験室の冷却は、ブライン冷却器やブラインタンク等からなる備え付 けの冷却設備で作った低温ブライン（低温の熱媒体）を、試験室冷却用の空気調 和機に供給することで行われる。

【０００４】 この空気調和機は、冷却コイルとファンからなり、上記低温ブラインが冷却コ イルに流されるとともに、ファンにより試験室内の空気が引かれてこの冷却コイ ルに通され、冷却された空気が試験室内に戻されて試験室を冷却に必要な所定温 度（例えば−２５℃）まで冷却されるに従い、試験室内のエンジンも同様の温度 に冷却される。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

上述のように従来では、試験室内を低温始動試験に必要な温度まで冷却するこ とにより試験室内のエンジンを冷却していた。

【０００６】 しかしこのような従来の手段では、試験室の冷却を開始してから、熱容量の比 較的大きいエンジンが所定の低温まで冷却されるのに時間を要し、低温始動試験 に長時間を要してしまうという問題点があった。

【０００７】 そこで本考案はこのような従来の問題点を解決するために提案されたものであ り、低温始動試験に必要な温度までエンジンを速やかに冷却することができるエ ンジン低温試験用冷却装置を提供できるようにした。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

上記課題を解決するために本考案のエンジン低温始動試験装置は、エンジン回 りの各冷却要素を冷却する熱交換器および空気調和機の冷却コイルの往管と、前 記熱交換器および前記冷却コイルの復管とをブラインタンク内部の２つに区切ら れた異なる部屋へ別々に接続してあり、しかもこのブライン槽がブライン冷却器 とも接続された構成のものとしてある。

【０００９】

【作用】

したがって本考案では、低温始動試験されるエンジンが収容される試験室を冷 却するほかに、エンジン回りの各冷却要素を、それぞれ冷却器（熱交換器）を設 けて強制的に冷却しているため、従来に比べて短時間にエンジンを低温始動試験 に必要な低温まで冷却することができる。

【００１０】

【実施例】

以下、本考案の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。

【００１１】 図１は、本考案の一実施例のエンジン低温始動試験用冷却装置の構成図である 。

【００１２】 この図１で、低温試験室５内には、低温始動試験が行われる自動車等のエンジ ン１が収容されており、このエンジン１の動力軸６は、各低温度以下での始動性 能デ−タを測定する動力計（ダイナモメ−タ）７に接続されている。

【００１３】 また、冷却設備を構成するブライン冷却器（ブラインチリングユニット）８で は、ブライン（熱媒体）が冷却器８内の冷却コイルで冷される。そして内部が２ つに区切られたブラインタンク９の一室である低温ブライン槽９ａに、冷却器８ で作られた低温ブラインが送られる。

【００１４】 ブラインタンク９内の低温ブラインは送液ポンプ１０によって空気調和機１１ の冷却コイル１２に送られ、熱交換後前記ブラインタンク９の他室である戻りブ ライン槽９ｂに返される。上記空気調和機１１は、低温試験室５を冷却するため に設けられており、フィンを取り付けた冷却コイル１２に、ファン１３で低温試 験室５から引いた空気を通し、冷された空気を試験室５に再び返すことにより低 温試験室５が低温始動試験に必要な所定の温度まで冷却される。

【００１５】 また、エンジン１回りの各冷却要素を冷却する熱交換器１４、１５、１６が試 験室５内に設けられており、これら熱交換器１４、１５、１６には送液ポンプ１ ７によって上記低温ブライン槽９ａから低温ブラインが供給される。熱交換器１ ４、１５、１６での熱交換後、ブラインは戻りブライン槽９ｂに返される。

【００１６】 ブラインタンク９の内部は２つに区切られているため、ブラインタンク９に戻 された温度の上がったブラインと、送り出される低温のブラインが混合すること はなく、したがって温度の上がったブラインはポンプ１８によって戻りブライン 槽９ｂからブライン冷却器８に返される。

【００１７】 また、冷却塔１９では冷却水が気化熱により冷され、冷された冷却水が送液ポ ンプ２０によってブライン冷却器８に送られる。

【００１８】 ところで、上記熱交換器１４には送液ポンプ２１によってエンジン１内のエン ジン冷却水（不凍液）が管路２２を通って循環するようになっており、上記低温 ブラインによりエンジン冷却水が低温始動試験に必要な所定の温度まで冷却され る。

【００１９】 また、上記熱交換器１５には、エンジン１内のエンジンオイルが送液ポンプ２ ３により管路２４を通って循環するようになっており、この熱交換器１５によっ てエンジンオイルが所定の温度まで冷却される。

【００２０】 上記熱交換器１６には、トランスミッション２５内のトランスミッションオイ ルが送液ポンプ２６により管路２７を通って供給されるようになっている。なお 、エンジン１回りの冷却要素として他にバッテリ−のバッテリ−液やエンジン１ の燃料等を上述の手段を用いて冷却してもよい。

【００２１】 このように上記エンジン低温始動試験用冷却装置では、空気調和機１１により 試験室５内の雰囲気やエンジン１本体、トランスミッション２５等を外表面から 冷却できるうえに、熱交換器１４、１５、１６を設け、エンジン回りの各冷却要 素であるエンジン冷却水、エンジンオイル、トランスミッションオイルを強制的 に冷却することによりエンジン回りを内部からも冷却するため、エンジン１を低 温始動試験に必要な温度に短時間で冷却することができる。

【００２２】

【考案の効果】

以上説明したように本考案では、試験室内に置かれたエンジンを冷却するにあ たって、試験室内を冷却するとともに、エンジン回りの各冷却的要素であるエン ジン冷却水、エンジンオイル、トランスミッションオイル等を強制的に冷却して いるので、低温始動試験されるエンジンを、低温始動試験に必要な温度まで短時 間に冷却することができ、低温始動試験に要する時間を短縮することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の一実施例のエンジン低温始動試験用冷
却装置の構成図。

【符号の説明】

１・・・エンジン ５・・・
低温試験室 ６・・・動力軸 ７・・・
動力計 ８・・・ブライン冷却器 ９・・・ブラインタンク ９ａ・・・低温ブライン槽 ９ｂ・・・戻りブライン槽 １０、１７、１８、２０、２３、２６、・・・送液ポン
プ １１・・・空気調和機 １２・・・冷却コイル １３・・・ファン １４、１５、１６・・・熱交換器 １９・・・冷却塔 ２２、２４、２７・・・管路 ２５・・・トランスミッションオイル

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】エンジン回りの各冷却要素を冷却する熱交
   換器及び空気調和機の冷却コイルの往管と、前記熱交換
   器及び前記冷却コイルの復管とをブラインタンク内部の
   ２つに区切られた異なる部屋へ別々に接続してあり、し
   かもこのブライン槽がブライン冷却器とも接続されてな
   るエンジン低温始動試験用冷却装置。