JPH0348513Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、低温始動試験が行なわれる自動車等
のエンジンの冷却を行なうためのエンジン低温始
動試験用冷却装置に関し、特にエンジンを所定の
低温まで短時間に冷却することができるエンジン
低温始動試験用冷却装置に関する。

［従来の技術］ 寒冷地を想定した自動車等のエンジンの低温始
動試験は、従来は室内を低温に保つた低温試験室
内に自動車等のエンジンを設置し、エンジンを所
定の低温まで冷却してから行なつている。

［考案が解決しようとする問題点］ ところで、低温試験室内にエンジンを設置して
低温度の周囲空気によりエンジンの冷却を行なう
ことは、熱容量が比較的大きいエンジンを所定の
低温まで冷却するのに長時間を要するという問題
が生じる。

そこで本考案は、このような従来の問題点を解
決するために提案されたものであり、低温始動試
験に必要な所定の低温まで速やかにエンジンの冷
却を行なえるエンジン低温始動試験用冷却装置を
提供できるようにした。

［問題点を解決するための手段］ この目的を達成するために本考案のエンジン低
温始動試験用冷却装置は、エンジンの外表面の適
所へ接触せしめるコンタクト式熱交換体と、この
熱交換体へ冷温ブラインを送り込んで該ブライン
を循環させるブライン冷却器とを備える構成とな
つている。

［作用］ 低温試験室内に収容されたエンジン（エンジン
本体およびエンジン回りのトランスミツシヨンな
ど）の外表面に熱交換体を密着させて配し、この
熱交換体にブライン冷却器からの低温ブラインを
送り込むことにより、低温ブラインとエンジン本
体およびエンジン回りとが熱交換されるので、エ
ンジンの冷却が促進される。

［実施例］ 以下、本考案の実施例を図面に基づき詳細に説
明する。

第１図は、本考案に係るエンジン低温始動試験
用冷却装置の構成図である。

同図で、所定の低温に室内が保たれた低温試験
室内に設置した自動車等のエンジンＥの動力軸１
には、各種低温始動試験を行なうための動力計
（ダイナモメータ）２が接続されている。なお、
この場合のエンジンＥはエンジン本体３の他にエ
ンジン回りのトランスミツシヨン７などを含む。

またエンジン本体３の外表面、例えば本体側部
には、熱交換体を接触せしめてある。この熱交換
体は例えば柔軟な薄膜からなる複数の袋体４，４
としてあり、本体３を取り巻く止めバンド５，５
を用いて密着せしめて取り付けてある。これら止
めバンド５，５は、締結具６，６によつてエンジ
ン本体３に締め付けられている。またエンジン回
りのトランスミツシヨン７の外表面にも、複数の
同様な袋体８，８，８が、締結具９を有するバン
ド１０によつて密着して取り付けてある。これら
袋体４，８は、−50℃程度の低温から150℃以上の
高温に耐えられて柔軟性が失われないよう例えば
シリコンゴムをコーテイングしたガラス繊維布に
よつて構成されている。

またこれら袋体４，８は低温ブラインが送り出
されるブライン冷却器１１に並列に接続されてい
る。すなわちブライン冷却器１１からのブライン
送り管１２は、枝管を介して各袋体４，８の入口
に接続されており、袋体４，８の出口はそれぞれ
枝管を介してブライン冷却器１１のブライン戻り
管１３に接続されている。これによりブライン冷
却器１１から送り出される低温ブラインが、各袋
体４，８を通つて循環され、袋体４，８内に満た
された低温ブラインによつてエンジン本体３やト
ランスミツシヨン７の冷却が行なわれる。

このように構成される上記エンジン低温始動試
験用冷却装置では、袋体４，８の薄膜を介してで
はあるが、袋体４，８内の低温ブラインによりエ
ンジン本体３やトランスミツシヨン７を強制的に
冷却させるので、単に低温試験室の低温空気にて
冷却する場合に比べ、格段に熱交換が良好とな
り、低温始動試験に必要な低温までエンジンＥの
冷却を迅速に行なうことができる。

またこの場合、エンジンオイルやトランスミツ
シヨンオイル、エンジン冷却水をブライン冷却器
に接続される熱交換器に導いて強制循環させて、
低温ブラインと熱交換すれば、さらにエンジンＥ
の冷却がより促進される。

なおエンジン本体３やトランスミツシヨン７に
袋体４，８密着させて配するだけでなく、他のエ
ンジン回りのバツテリや燃料タンクなどの外表面
にも同様な袋体を密着させて配し、これらの冷却
を行なうようにしてもよい。

つぎに第２図を参照して他の実施例を説明す
る。この実施例では、エンジン本体３とトランス
ミツシヨン７に、熱交換体として柔軟な薄膜のホ
ース１４が密に巻き付けられており、第１図に示
されるブライン冷却器１１のブライン送り管１２
がホース１４の入口１４ａに接続され、ホース１
４の出口１４ｂがブライン戻り管１３に接続され
る。このホース１４は、前記袋体４，８と同様な
材質により構成されている。

これによりブライン冷却器１１から送り出され
た低温ブラインがホース１４内を通つて循環さ
れ、ホース１４の管壁を介して低温ブラインがエ
ンジン本体３やトランスミツシヨン７と熱交換さ
れることで、エンジン本体３やトランスミツシヨ
ン７の冷却が促進される。

［考案の効果］ 以上説明したように本考案のエンジン低温始動
試験用冷却装置は、低温試験室内に設置したエン
ジンのエンジン本体やトランスミツシヨンの外表
面に袋体とかホースよりなる熱交換体を接触、固
定せしめて、熱交換体にブライン冷却器からの低
温ブラインを通すようにしている。これによりエ
ンジンと低温ブラインが良好に熱交換され、単に
エンジンを低温空気によつて冷却する場合に比
べ、低温始動試験に必要な所定の低温までエンジ
ンを迅速に冷却することができる。また、熱交換
体は柔軟性を有するので、エンジンにおける凹凸
のある外表面へ凹凸に馴染ませて密着でき、冷却
効果の向上を期せる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例を示すエンジン低温
始動試験用冷却装置の構成図、第２図は他の実施
例の要部を示す斜視図である。 図中、１……動力軸、２……動力計、３……エ
ンジン本体、４，８……袋体、６，９……締結
具、５，１０……止めバンド、１１……ブライン
冷却器、１２……ブライン送り配管、１３……ブ
ライン戻り配管、１４……ホース、１４ａ……入
口、１４ｂ……出口。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. エンジンの外表面の適所へ接触せしめる柔軟性
   を有するコンタクト式熱交換体と、この熱交換体
   へ低温ブラインを送り込んで該ブラインを循環さ
   せるブライン冷却器とを備えるエンジン低温始動
   試験用冷却装置。