JPH07232414A - 塩化ビニル系樹脂積層品 - Google Patents

塩化ビニル系樹脂積層品

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JPH07232414A
JPH07232414A JP2830094A JP2830094A JPH07232414A JP H07232414 A JPH07232414 A JP H07232414A JP 2830094 A JP2830094 A JP 2830094A JP 2830094 A JP2830094 A JP 2830094A JP H07232414 A JPH07232414 A JP H07232414A
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JP
Japan
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vinyl chloride
film
formula
chloride resin
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Pending
Application number
JP2830094A
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English (en)
Inventor
Takemoto Nakai
壮元 中井
Kenji Iwasaki
研二 岩崎
Hiroaki Yamaoka
弘明 山岡
Shiho Sano
志穂 佐野
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Mitsubishi Chemical MKV Co
Mitsubishi Chemical Corp
Original Assignee
Mitsubishi Chemical MKV Co
Mitsubishi Chemical Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 長期間安定した紫外線吸収性を有しており、
耐候性、耐汚染性に優れた塩化ビニル系樹脂積層品の提
供。 【構成】 塩化ビニル系樹脂成形品の少なくとも片面
に、含フッ素アクリル系重合体〔A〕と、フッ素を実質
的に含まないアクリル系重合体〔B〕と、フッ化ビニリ
デン系樹脂〔C〕の3成分を主成分とする組成物に、下
記一般式〔I〕で示される繰り返し単位と下記一般式
〔II〕で示される繰り返し単位とからなり、〔I〕と
〔II〕の比率が重量比で10対90から90対10の範
囲にあり、かつ極限粘度ηinh が0.02以上の共重合
体である高分子紫外線吸収剤を配合してなる厚さ1〜1
0μmのアクリル系樹脂層が、更にその上に、フッ素樹
脂層が形成されてなる塩化ビニル系樹脂積層品。 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は塩化ビニル系樹脂成形品
に表面処理を施してなる塩化ビニル系樹脂積層品に関す
るものである。更に詳しくは、耐候性、耐汚染性に優れ
た塩化ビニル系樹脂積層品に関し、特に屋外使用を主目
的としたマーキングフィルムや農業用フィルムに係わる
ものである。
【0002】
【従来の技術】塩化ビニル系樹脂は、性質が透明であ
る、着色が容易である、熱可塑性で成形が容易である等
のことから、その成形品は種々用途に用いられており、
屋外使用を主目的としたフィルム、例えば、マーキング
フィルムや農業用フィルム等にも多く使用されている。
【0003】マーキングフィルムは主に屋外で使用され
る事が多く、看板、広告塔、シャッター、ショーウィン
ドウなどに用いられる。更に、広告ステッカー類、自動
車、二輪車などの車輌やモーターボートなどの船舶など
に用いられる装飾用ストライプステッカー類、交通標
識、道路標識、案内板などに用いられる表示用ステッカ
ー類に用いられている。
【0004】マーキングフィルムは一般に塩化ビニル系
樹脂フィルムを基材としてその目的に応じて基材表面に
印刷を施した後、別の片面に適切な感圧または感熱型接
着剤を塗布して接着剤層を形成し、更に接着剤層を保護
する目的で離型紙を貼り合せた構成を採っている。この
様なマーキングフィルムでは耐候性が不十分であり、こ
のため、マーキングフィルムには耐候性を有し、更に汚
れにくく、たとえ汚れても容易に汚れを除去できる性能
を有する事が望まれている。
【0005】また、フィルムの耐候性を改善するため
に、塩化ビニル系樹脂にベンゾフェノン系、ベンゾトリ
アゾール系等の従来から用いられている紫外線吸収剤を
添加する方法があるが、紫外線はフィルムを透過する際
に、入射側から反対側に進むに従って徐々に吸収され、
弱められるが、フィルムの光線が入射する側は、紫外線
により害を受けることになり、退色や物性低下が生じ、
フィルムの耐候性を充分に改良することはできず、更
に、紫外線吸収剤がフィルム表面にブリードアウトする
ことにより、汚染の問題が生じる。
【0006】更に、塩化ビニル系樹脂フィルム表面に、
従来の紫外線吸収剤を配合したアクリル樹脂等の熱可塑
性樹脂層を積層させた場合においても、従来の紫外線吸
収剤は基材の塩化ビニル系樹脂に短時間で拡散するた
め、基材中に紫外線吸収剤を添加した場合に比べほとん
ど向上効果がない。また、従来のマーキングフィルムの
上にPVFあるいはPVDFの透明フィルム層をラミネ
ートする事が考えられるが、耐汚染性は向上するものの
耐候性については十分な改善がなされていない。更に基
材フィルムとの接着性が十分でないため、層間で剥離し
やすい。
【0007】一方、農業用塩化ビニル系樹脂フィルムに
おいても、耐候性と耐汚染性の向上が望まれているもの
の、十分満足する性能を有していないのが実状であっ
た。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】本発明は従来技術の有
していた前述の問題点を解消しようとするものであり、
従来得る事のできなかった耐候性、耐汚染性に優れた塩
化ビニル系樹脂積層品を提供する事を目的とするもので
ある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の要旨は、塩化ビ
ニル系樹脂成形品の少なくとも片面に、含フッ素アクリ
ル系重合体〔A〕とフッ素を実質的に含まないアクリル
系重合体〔B〕とフッ化ビニリデン系樹脂〔C〕の3成
分を主成分とする組成物に、下記一般式〔I〕で示され
る繰り返し単位と下記一般式〔II〕で示される繰り返し
単位とからなり、〔I〕と〔II〕の比率が重量比で10
対90から90対10の範囲にあり、かつ極限粘度η
inh が0.02以上の共重合体である高分子紫外線吸収
剤を配合した厚さ1〜10μmの被膜が形成されてなる
塩化ビニル系樹脂積層品に存する。
【0010】
【化5】
【0011】(式〔I〕中、R1 は炭素数1〜20のア
ルキル基またはアラルキル基、R2 は脂肪族炭化水素
基、R3 は、
【0012】
【化6】
【0013】または−CO−(ここでR5 は炭素数1〜
20のアルキル基、水素原子またはハロゲン原子を示
し、m=1〜4の整数、p=1〜10の整数を示す。)
を表わす。尚、R3 中の
【0014】
【化7】
【0015】−O−と隣接してウレタン結合を形成す
る。R4 は水素原子またはメチル基、nは2〜200で
ある。)
【0016】
【化8】
【0017】(式〔II〕中R6 は水素原子またはメチル
基であり、Xは300〜400nmに最大吸収ピークを
有する化合物の残基である。) 以下、本発明を詳細に説明する。
【0018】1.塩化ビニル系樹脂成形品 本発明において塩化ビニル系樹脂とは、ポリ塩化ビニル
のほか、塩化ビニルが主成分を占める共重合体をいう。
塩化ビニルと共重合しうる単量体化合物としては、塩化
ビニリデン、エチレン、プロピレン、アクリロニトリ
ル、マレイン酸、イタコン酸、アクリル酸、メタアクリ
ル酸、酢酸ビニル等があげられる。これら塩化ビニル系
樹脂は、乳化重合法、懸濁重合法、溶液重合法、塊状重
合法等の従来公知の製造法のうち、いずれの方法によっ
て製造されたものであってもよい。
【0019】上記塩化ビニル系樹脂には、樹脂100重
量部に対して1〜100重量部の可塑剤を配合する。可
塑剤の配合量を上記範囲とすると、成形品は機械的性
質、柔軟性等の優れたものとなり好ましい。使用しうる
可塑剤としては、ジオクチルフタレート、ジブチルフタ
レート、ブチルベンジルフタレート、ジベンジルフタレ
ート、ジイソデシルフタレート、ジドテシルフタレー
ト、ジウンデシルフタレート等のフタル酸エステル類:
アジピン酸ジオクチル、アジピン酸ジ−n−ブチル、セ
バシン酸ジブチル等の脂肪族二塩基酸エステル類:ペン
タエリスリトールエステル、ジエチレングリコールベン
ゾエート等のグリコールエステル類:アセチルリシノー
ル酸メチル等の脂肪酸エステル類:トリクレジルホスフ
ェート、トリフェニルホスフェート等のりん酸エステル
類:エポキシ化大豆油、エポキシ化アマニ油等のエポキ
シ化油:アセチルトリブチルシトレート、アセチルトリ
オクチルシトレート、トリ−n−ブチルシトレート等の
クエン酸エステル類:トリアルキルトリメリテート、テ
トラ−n−オクチルピロメリテート、ポリプロピレンア
ジペート、その他ポリエステル系等の種々の構造の可塑
剤があげられる。
【0020】塩化ビニル系樹脂には、可塑剤のほか、必
要に応じて、通常の各種樹脂添加物、例えば熱安定剤、
滑剤、帯電防止剤、防曇剤、着色剤等を配合することが
できる。使用しうる熱安定剤としては、ステアリン酸カ
ルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸鉛、ステア
リン酸バリウム、ステアリン酸カドミウム、リシノール
酸バリウム等の金属石けん類:三塩基性硫酸鉛、二塩基
性亜リン酸鉛、ジブチルすずラウレート、ジブチルすず
ジマレート、ジ−n−オクチルすずメルカプタイド、ジ
メチルすずメルカプタイドのような有機すず化合物等が
あげられる。
【0021】使用しうる滑剤としては、ステアリン酸、
パルミチン酸、ミスチリン酸等の脂肪酸系滑剤:ステア
リン酸アミド、パルミチン酸アミド、メチレンビスステ
アロアミド、エチレンビスステアロアミド等の脂肪酸ア
ミド系滑剤:ブチルステアレート、ブチルパルミテート
等のエステル系滑剤、あるいはポリエチレンワックス、
流動パラフィン等があげられる。
【0022】使用しうる帯電防止剤ないし防曇剤として
は、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノパル
ミテート、ソルビタンモノベンゾエート等のソルビタン
系界面活性剤:グリセリンモノラウレート、ジグリセリ
ンモノパルミテート、グリセリンモノステアレートなど
のグリセリン系界面活性剤:ポリエチレングリコールモ
ノステアレート、ポリエチレングリコールモノパルミテ
ートなどのポリエチレングリコール系界面活性剤:アル
キルフェノールのアルキレンオキサイド付加物:ソルビ
タン/グリセリンの縮合物と有機物とのエステル等があ
げられる。
【0023】着色剤としては例えば、フタロシアニンブ
ルー、フタロシアニングリーン、ハイザイエロー、アリ
ザリンレーキ、酸化チタン、亜鉛華、群青、パーマネン
トレッド、キナクリドン、カーボンブラック等の各種の
顔料、染料をあげることができる。これら各種樹脂添加
物は、通常の配合量、例えば基体塩化ビニル系樹脂10
0重量部当り、10重量部(但し、着色剤については1
00重量部)以下の範囲で選ぶことができる。
【0024】基体塩化ビニル系樹脂に可塑剤、各種樹脂
添加物を配合するには、通常の混合・配合技術、例えば
リボンブレンダー、バンバリーミキサー、スーパーミキ
サー、ヘンシェルミキサーその他従来から知られている
配合機、混合機を使用すればよい。
【0025】このようにして得られた樹脂組成物を成形
加工するには、それ自体公知の方法、例えば溶融押出成
形法(T−ダイ法、インフレーション法、吹込成形法を
含む)、溶液流延法、カレンダー成形法、射出成形法を
採用すればよい。
【0026】2.高分子紫外線吸収剤 本発明の高分子紫外線吸収剤は、通常下記一般式〔III
〕で表されるポリエステルマクロモノマーと下記一般
式〔IV〕で表されるビニル系単量体を通常のラジカル開
始剤の存在下で共重合させることによって得られる。
【0027】
【化9】
【0028】一般式〔III 〕で表わされるポリエステル
マクロモノマーにつき詳述する。〔III 〕式中のR
1 は、炭素数1〜20のアルキル基またはアラルキル基
である。R2 は、脂肪族炭化水素基であり、好ましくは
分岐、または直鎖の炭素数3〜8の脂肪族炭化水素基で
ある。具体的には、後述するラクトン化合物の開環重合
によるポリエステルの脂肪族炭化素基に相当し、好まし
くは、
【0029】
【化10】
【0030】があげられる。R3 は、
【0031】
【化11】
【0032】または−CO−である。(ここでR5 は炭
素数1〜20のアルキル基、水素原子またはハロゲン原
子を示し、m=1〜4の整数、p=1〜10の整数) R4 は、水素原子またはメチル基であり、R3 が−CO
−NH−基を有する場合は、好ましくはメチル基であ
る。ポリエステル構造の重合度を表すnは、通常2〜2
00であるが、好ましくは2〜100さらに好ましくは
2〜50である。
【0033】上述のようにして、ポリエステルマクロモ
ノマーのうち好ましいものとしては、以下のものがあげ
られる。
【0034】
【化12】
【0035】
【化13】
【0036】ポリエステルマクロモノマー〔III 〕の製
造は、通常、以下の2工程よりなる。すなわち、第1の
工程で、R1 −OH(R1 は、前記一般式〔I〕と同
義〕で示されるアルコール化合物を開始剤として、
【0037】
【化14】
【0038】(R2 は、前記一般式〔I〕と同義)で示
されるラクトン化合物を開環重合して、下記のポリエス
テルアルコールを得る。
【0039】
【化15】
【0040】開始剤であるR1 −OHとして好ましく
は、メタノール、n−ブタノール、n−ヘキサノール、
n−オクタノール、2−エチルヘキサノール等があげら
れる。また、ラクトン化合物としては、炭素数3〜8の
ラクトンが好ましく、ε−カプロラクトン、β−メチル
−δ−バレロラクトン、β−エチル−δ−バレロラクト
ンが特に好ましい。
【0041】この反応は、通常触媒の存在下で行われる
が、触媒としては、ラクトンの開環重合に用いられる公
知の触媒、例えば硫酸、リン酸等の鉱酸、リチウム、ナ
トリウム、カリウム等のアルカリ金属、n−ブチルリチ
ウム等のアルキル金属化合物、チタンテトラブトキシド
のような金属アルコキシドなどを用いることができる。
【0042】この反応は、無溶媒でも行なえるが、場合
により溶媒を用いても良い。溶媒としては、トルエン、
キシレン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケト
ン、テトラヒドロフラン、クロロホルム、四塩化炭素な
どが使用できる。反応条件は、0℃から200℃の間の
温度で10分から30時間の反応時間で好適に行なえ
る。
【0043】ここで繰返し単位の数nは開始剤とラクト
ン化合物のモル比によってコントロールすることがで
き、2〜約200程度である。次に第2工程は、生成し
た前記ポリエステルアルコールと以下に示す〔V〕ある
いは〔VI〕とを反応させる工程よりなる。
【0044】
【化16】
【0045】(〔V〕式中、R7
【0046】
【化17】
【0047】(ただし、R4 ,R5 ,m,pは前記一般
式〔I〕と同義である。)
【0048】
【化18】
【0049】(R4 は水素原子あるいはメチル基、Yは
ハロゲン原子あるいは炭素数1〜8のアルコキシ基また
はアリールオキシ基である。) 上記一般式〔V〕の具体例としては、たとえば
【0050】
【化19】
【0051】等をあげることができ、また上記一般式
〔VI〕の具体例としては、たとえば
【0052】
【化20】
【0053】等をあげることができる。前記ポリエステ
ルアルコールと上記〔V〕との反応はウレタン結合生成
反応であり、これらを等モル反応させればよい。反応は
無触媒でも進行するが、反応速度を速めるため、ジブチ
ルスズジラウレート、ジブチルスズジオクトエート、ジ
ブチルスズメルカプチドのようなスズ触媒を用いてもよ
い。
【0054】また前記ポリエステルアルコールと上記
〔VI〕との反応は縮合反応あるいはエステル交換反応で
あり、やはりこれらを等モル反応させればよい。縮合反
応を採用する場合ハロゲン化水素が副生するため、3級
アミンのような脱酸剤を用いてもよく、不活性ガス気流
下で行なってもよい。エステル交換反応を採用する場合
は塩酸や硫酸等の鉱酸、亜鉛、カルシウム、マグネシウ
ム等の金属塩、チタンテトラブトキシド等の金属アルコ
キシドなど公知のエステル交換触媒を用いてもよい。
【0055】これらの反応は触媒を用いてもよい。溶媒
としてはトルエン、キシレン、メチルエチルケトン、メ
チルイソブチルケトン、テトラヒドロフラン、クロロホ
ルム、四塩化炭素などが使用できる。反応条件は0℃か
ら200℃の間の温度で30分から50時間の反応時間
で好適に行える。次に一般式〔IV〕で表されるビニル単
量体について述べる。
【0056】一般式〔IV〕で表されるビニル単量体は、
従来公知のラジカル重合性モノマーに紫外線吸収性化合
物を導入した化合物である。式中のR6 は水素原子また
は、メチル基であり、Xはベンゾフェノン、ベンゾトリ
アゾール等の紫外線吸収性置換基である。ベンゾフェノ
ン骨格を有するXの具体的な例としては、
【0057】
【化21】
【0058】等をあげることができる。これらのビニル
単量体の製造方法は例えばJ.Appl.Polym.
Sci.10 663〜672(1966)などに記載
されている。ベンゾトリアゾール骨格を有するXの具体
的な例としては、
【0059】
【化22】
【0060】等をあげることができる。上述のビニル単
量体の具体的な例としては、以下のものがあげられる。
【0061】
【化23】
【0062】
【化24】
【0063】
【化25】
【0064】
【化26】
【0065】これらのビニル単量体の製造方法は、例え
ばUSP3072585等に記載されている。ベンゾフ
ェノン系ビニル単量体およびベンゾトリアゾール系ビニ
ル単量体は、それぞれ単独で用いても良いし、組み合わ
せて用いることもできる。ポリエステルマクロモノマー
〔III 〕とビニル系単量体〔IV〕との共重合は通常のラ
ジカル重合法で容易に行うことができる。すなわち、ポ
リエステルマクロモノマー〔III 〕とビニル系単量体
〔IV〕をアゾ化合物ないしは、過酸化物等のラジカル開
始剤を通常、0.1〜10重量%添加し、0℃〜200
℃の温度で1時間〜24時間で好適に行うことができ
る。なおここで、重合度を調節するために、アルキルメ
ルカプタン等の連鎖移動剤を添加してもよい。重合法と
しては、ラジカル重合で通常採用される、塊状重合溶液
重合、乳化重合、懸濁重合等のいずれを用いてもよい。
【0066】ポリエステルマクロモノマー〔III 〕とビ
ニル系単量体〔IV〕の比率は、重量比で10対90ない
しは90対10、好ましくは、20対80ないしは80
対20の範囲である。ビニル系単量体〔IV〕の比率が、
10より小さくなると、紫外線吸収性が発現しにくくな
り、また、ポリエステルマクロモノマー〔III 〕の比率
が10より小さいと、樹脂に混合する際の親和性が悪く
なるため好ましくない。
【0067】この共重合体をメチルエチルケトン/メタ
ノール(7/3)混合溶媒中に0.5g/dlとなるよ
うに溶解し、25℃で測定した極限粘度ηinh は、0.
02以上である。ηinh が0.02より低い場合は、高
分子量化したことによる利点が失われ、基材からブリー
ドアウトしやすくなるばかりでなく、紫外線吸収性能も
低下する。
【0068】3.被膜樹脂 3−1.含フッ素アクリル系重合体〔A〕 本発明において、含フッ素アクリル系重合体〔A〕と
は、アクリル系単量体とパーフルオロアルキル基含有ア
クリル系単量体との共重合体である。 3−1−1.アクリル系単量体 アクリル系単量体とは、アクリル酸あるいはメタクリル
酸のアルキルエステル類をいう。
【0069】アクリル酸あるいはメタクリル酸のアルキ
ルエステル類としては、具体的には、メチルアクリレー
ト、エチルアクリレート、n−プロピルアクリレート、
iso−プロピルアクリレート、n−ブチルアクリレー
ト、iso−ブチルアクリレート、シクロヘキシルアク
リレート、2−エチルヘキシルアクリレート、デシルア
クリレート、ドデシルアクリレート、トリデシルアクリ
レート、ステアリルアクリレート等のようなアクリル酸
のC1 〜C22のアルキルエステル類:メチルメタクリレ
ート、エチルメタクリレート、n−プロピルメタクリレ
ート、iso−プロピルメタクリレート、n−ブチルメ
タクリレート、iso−ブチルメタクリレート、シクロ
ヘキシルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリ
レート、デシルメタクリレート、ドデシルメタクリレー
ト、トリデシルメタクリレート、ステアリルメタクリレ
ート等のようなメタクリル酸のC1 〜C22のアルキルエ
ステル類:等があげられる。
【0070】上記のアクリル系単量体は、各々単独で、
もしくは混合物として使用することができる。また、こ
れらアクリル系単量体は、共重合可能な他の単量体と共
に使用してもよい。このような他の単量体としては、例
えば、分子内に1個もしくは2個以上のカルボキシル基
を含むα、β−不飽和カルボン酸化合物があり、アクリ
ル酸、メタクリル酸、イタコン酸、マレイン酸、アコニ
ット酸、クロトン酸等があげられる。又、例えばスチレ
ン、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニル、アクリルアミド、メタクリル
アミド、n−ブトキシアクリルアミド、n−ブトキシメ
タクリルアミド等も使用することができる。
【0071】3−1−2.パーフルオロアルキル基含有
アクリル系単量体 パーフルオロアルキル基含有アクリル系単量体とは、パ
ーフルオロアルキル基を有するアクリル酸あるいはメタ
クリル酸のエステル類であって、具体的には、2,2,
2−トリフルオロエチルアクリレート、2,2,2−ト
リフルオロエチルメタクリレート、2,2,3,3−テ
トラフルオロプロピルアクリレート、2,2,3,3−
テトラフルオロプロピルメタクリレート、2,2,3,
3,3−ペンタフルオロプロピルアクリレート、2,
2,3,3,3−ペンタフルオロプロピルメタクリレー
ト、1−トリフルオロメチル−2,2,2−トリフルオ
ロエチルアクリレート、1−トリフルオロメチル−2,
2,2−トリフルオロエチルメタクリレート、2,2,
3,3,4,4,5,5−オクタフルオロペンチルアク
リレート、2,2,3,3,4,4,5,5−オクタフ
ルオロペンチルメタクリレート、2,2,3,3,4,
4−ヘキサフルオロブチルアクリレート、2,2,3,
3,4,4−ヘキサフルオロブチルメタクリレート、2
−パーフルオロオクチルエチルアクリレート、2−パー
フルオロオクチルメタクリレート、2−パーフルオロノ
ニルエチルアクリレート、2−パーフルオロノニルエチ
ルメタクリレート等があげられる。これらは、各々単独
で用いても、2種以上の併用であってもよい。
【0072】3−1−3.配合 重合体〔A〕において、アクリル系単量体とパーフルオ
ロアルキル基含有アクリル系単量体との重合割合は、通
常前者が20〜99重量%の範囲であることが好まし
い。アクリル系単量体がこの範囲より少ないと、成形被
膜の基体フィルムとの密着性が充分でなく、又この範囲
より多いと、透明性が劣る。アクリル系単量体とパーフ
ルオロアルキル基含有アクリル系単量体を所定量配合し
て有機溶媒とともに重合缶に仕込み、重合開始剤、必要
に応じて分子量調節剤を加えて、撹拌しつつ加熱し、重
合する。重合は、通常公知の方法、例えば懸濁重合法、
溶液重合法などが採用される。この際、使用しうる重合
開始剤としては、α,α−アゾビスイソブチロニトリ
ル、ベンゾイルパーオキサイド、クメンハイドロパーオ
キサイド等のラジカル生成触媒があげられ、分子量調節
剤としてはブチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプ
タン、tert−ドデシルメルカプタン、β−メルカプ
トエタノール等があげられる。
【0073】重合に用いる有機溶媒としては、メタノー
ル、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノー
ル、n−ブタノール、sec−ブタノール、tert−
ブタノール、n−アミルアルコール、イソアミルアルコ
ール、tert−アミノアルコール、n−ヘキシルアル
コール、シクロヘキサノール等のアルコール類;ベンゼ
ン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;酢酸エ
チル、酢酸ブチル等の酢酸エステル類;アセトン、メチ
ルエチルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル
イソブチルケトン、ジエチルケトン、2−ヘキサノン、
3−ヘキサノン、ジ−n−プロピルケトン、ジイソプロ
ピルケトン、ジ−n−アミルケトン、シクロヘキサノン
等のケトン類;テトラヒドロフラン等があり、これらは
1種もしくは2種以上混合して使用することができる。
【0074】3−2.アクリル系重合体〔B〕 フッ素を実質的に含まないアクリル系重合体〔B〕と
は、3−1−1記載のアクリル酸あるいはメタクリル酸
のアルキルエステル類を主体とした重合体であって、同
様の重合方法によって得られる。
【0075】3−3.フッ化ビニリデン系樹脂〔C〕 フッ化ビニリデン系樹脂〔C〕とは、フッ化ビニリデン
の単独重合体、もしくはフッ化ビニリデンと他のフッ素
系不飽和単量体及び/もしくはフッ素を含有しない共重
合可能な単量体との共重合体、さらにこれら重合体の一
部を改質もしくは変性した重合体も包含される。
【0076】これらフッ化ビニリデン系樹脂は1種もし
くは2種以上で用いることができる。又他のフッ素を含
有した樹脂、例えば、4フッ化エチレン、クロロトリフ
ルオロエチレン、フルオロエチレン等と混合して用いて
も構わない。
【0077】4.被膜の形成 含フッ素アクリル系重合体〔A〕とフッ素を実質的に含
まないアクリル系重合体〔B〕とフッ化ビニリデン系樹
脂〔C〕の配合割合はA+B+Cを100重量部とした
場合に、〔A〕5〜60重量部、〔B〕5〜60重量
部、〔C〕5〜80重量部であることが好ましい。樹脂
〔C〕に対する重合体〔A〕の割合が少なすぎると、形
成被膜の透明性が充分でない。又、樹脂〔C〕に対する
重合体〔B〕の割合が少なすぎると、形成被膜の基体樹
脂表面への密着性が劣り、被膜が容易に剥れて好ましく
ない。他方、樹脂〔C〕に対する重合体〔A〕ないし樹
脂〔C〕に対する重合体〔B〕の割合が多すぎると、形
成被膜の耐汚染性、耐久性への効果が充分でなく好まし
くない。
【0078】高分子紫外線吸収剤は、含フッ素アクリル
系重合体〔A〕と、フッ素を実質的に含まないアクリル
系重合体〔B〕とフッ化ビニリデン系樹脂〔C〕の3成
分の合計を100重量部として、0.1〜200重量
部、更に1〜100重量部含有して用いることが好まし
い。上記〔A〕〔B〕〔C〕3成分、及び高分子紫外線
吸収剤を溶液として塗布すれば、両者が均一に相溶ない
しは分散した塗膜が得られ、塗膜としての強度密着性が
良く、高分子紫外線吸収剤としての性能が長期間にわた
って変化することがない。
【0079】被膜組成物に高分子紫外線吸収剤を配合
し、有機溶媒に分散及び又は溶解して用いることが好ま
しい。有機溶媒としては、例えば脂肪族炭化水素として
ヘプタン、シクロヘキサン等;芳香族炭化水素としてベ
ンゼン、トルエン、キシレン等;アルコール類としてメ
タノール、エタノール、イソプロピルアルコール、ポリ
オキシエチレングリコール等;ハロゲン化炭化水素とし
てクロロホルム、四塩化炭化水素、クロルベンゼン等;
ケトン類としてアセトン、メチルエチルケトン、メチル
イソブチルケトン等;エステル類としてメチルアセテー
ト、アリルアセテート、エチルステアレート等;アミン
類としてトリメチルアミン、ジフェニルアミン、ヘキサ
メチレンジアミン等;その他ジメチルホルムアミド、ジ
メチルアセトアミド、ジオキサン、ジエチルエーテル、
ジエチレンジチオグリコール、ジアセトンアルコール、
ベンゾニトリル、ジメチルスルホキサイド等があり、こ
れは単独もしくは2種以上の併用で使うことができる。
【0080】上記の被膜組成物を塩化ビニル系樹脂成形
品表面に被膜形成するには、成形品の形状に応じて公知
の各種方法が適用される。例えば、溶液状態で被膜を形
成する場合は、ドクターブレードコート法、グラビアロ
ールコート法、エヤナイフコート法、リバースロールコ
ート法、デイプコート法、カーテンロールコート法、ス
プレイコート法、ロッドコート法等の塗布方法が用いら
れる。また、溶液状態とせず上記被膜組成物を単独の被
膜として形成する場合は、共押出し法、押出しコーティ
ング法、押出しラミネート法、ラミネート法が用いられ
る。
【0081】被膜形成法として、塗布方式を用いた場合
の溶剤の乾燥方法としては、例えば自然乾燥法、熱風乾
燥法、赤外線乾燥法、遠赤外線乾燥法等があるが、乾燥
速度、安全性を勘案すれば熱風乾燥法が有利である。こ
の場合の温度条件は50〜150℃の範囲とし、時間は
10秒〜15分の間で選ぶのがよい。高分子紫外線吸収
剤を含有する、含フッ素アクリル系重合体〔A〕と、フ
ッ素を実質的に含まないアクリル系重合体〔B〕とフッ
化ビニリデン系樹脂〔C〕の3成分を主成分とする組成
物に由来する被膜の厚さは、1〜10μmであり、1μ
m未満の場合、本発明の目的が達成されないので好まし
くなく、10μmを超えた場合、折り曲げ時クラックが
入り易くなり、被膜が剥離し易いという問題が生じ好ま
しくない。特に1〜5μmの範囲が好適である。
【0082】上記〔A〕〔B〕〔C〕3成分を主成分と
する組成物に配合される高分子紫外線吸収剤の量、塩化
ビニル系樹脂成形品に形成される被膜の厚さは、種々変
更しうるが、フィルム一定面積当りの高分子紫外線吸収
剤の量を50〜1000mg/m2 の範囲とすると特に
好ましい。
【0083】
【実施例】次に本発明を実施例に基づいて詳細に説明す
るが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の実施例
に限定されるものではない。
【0084】参考例A(ポリエステルアルコールの合
成) 撹拌翼、滴下ロート及びガス導入口を備えたフラスコを
乾燥窒素で十分置換した後、2−エチルヘキサノール
5.7gと金属ナトリウム0.1gを仕込、撹拌して金
属ナトリウムを溶解させた。次にこのフラスコ40℃の
オイルバスに浸漬し、撹拌しながらβ−メチル−δ−バ
レロラクトン50gを滴下ロートより滴下した。1時間
後、撹拌を停止し、フラスコの内容物を取り出し、精製
したクロロホルム500mlに溶解したこの溶液を50
0mlの脱イオン水中に投入し、洗浄を行い、クロロホ
ルム層を分液した。この洗浄をもう一度繰り返した後、
クロロホルム溶液から減圧下溶媒を留去し、無色透明の
ポリエステルアルコールを得た。この物の水酸基価は、
58.6KOHmg/g、酸価は、0.03KOHmg
/gであった。
【0085】参考例B(ポリエステルマクロモノマーの
合成) 撹拌翼、還流冷却器を備えた反応器に、(A)で合成し
たポリエステルアルコール20.00g、m−イソプロ
ペニル−α,α′−ジメチルベンジルイソシアナート
4.25g、及びジブチルスズジオクトエート(1%ト
ルエン溶液)0.12gを仕込み、80℃に加温して、
9時間反応を行った。生成物のIRスペクトルとH−N
HRを測定し、以下のような構造のポリエステルマクロ
モノマーが得られることを確認した。
【0086】
【化27】
【0087】II.含フッ素アクリル系重合体〔E〕の調
製 温度計、撹拌機、還流冷却器および原材料添加用ノズル
を備えた反応器に、メチルエチルケトン70重量部、ト
ルエン30重量部、過酸化ベンゾイル1.0重量部及び
表−1に示した各単量体の混合物100重量部を仕込
み、窒素ガス気流中で撹拌しつつ、80℃で3時間更に
過酸化ベンゾイルを0.5重量部添加して反応を約3時
間、同温度で継続して含フッ素アクリル系重合体である
樹脂a,bを得た。
【0088】III .アクリル系重合体〔F〕の調製 IIと同様の反応器に、メチルエチルケトン70重量部、
トルエン30重量部、過酸化ベンゾイル1.0重量部及
び表−1に示した各単量体の混合物100重量部を仕込
み、窒素ガス気流中で撹拌しつつ、70℃で3時間更に
過酸化ベンゾイルを0.5重量部添加して反応を約3時
間、同温度で継続してアクリル系重合体である樹脂c,
dを得た。
【0089】
【表1】
【0090】実施例1〜4、比較例1〜3 撹拌翼、還流冷却器、ガス導入口を備えたフラスコに参
考例(B)で合成したポリエステルマクロモノマー1
0.0g、4−メタアクリロイルオキシエチル−2−ヒ
ドロキシベンゾフェノン10.0g、アゾビスイソブチ
ロニトリル0.2g及びテトラハイドロフラン20gを
仕込み、窒素気流下で、70℃で8時間重合した。重合
後、反応液をメタノール中に投入し、生成物を析出さ
せ、メタノールで十分洗浄し、乾燥した。収率は91%
であった。ここで得られた共重合体のηinh は0.15
dl/gであった。
【0091】この共重合体3gと、表−2に示した種類
及び重量比の含フッ素アクリル系重合体〔A〕とアクリ
ル系重合体〔B〕とフッ化ビニリデン系樹脂〔C〕で、
〔A〕〔B〕〔C〕3成分の合計量を7gとしたものと
を配合し、これに固形分が10wt%となるようにメチ
ルエチルケトンを加えて溶解させ、バーコーターを用い
て、白色塩ビ系マーキングフィルム(スコッチカル36
50、住友3M(株)製;厚さ30μmの粘着剤層を有
する厚さ50μmのマーキングフィルム)上に塗布し、
120℃で2分間加熱して、塩化ビニル系樹脂積層品を
製造した。乾燥後の塗膜厚みは3μmであった。
【0092】比較例4 実施例1において高分子紫外線の吸収剤の替わりにチヌ
ビンP(ベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、チバガイ
ギー社製)を用いた以外は同様の方法で、塩化ビニル系
樹脂積層品を製造した。
【0093】
【表2】
【0094】比較例5 実施例1において、高分子紫外線吸収剤を用いない以外
は同様の方法で、塩化ビニル系樹脂積層品を製造した。 〈実施例1〜4、比較例1〜5の評価〉得られた各塩化
ビニル系樹脂積層品の耐候性、耐汚染性を評価し、結果
を表−3に示した。なお、評価方法は次の通りである。
【0095】(1)耐候性 各試験フィルムをメラミンアルキド塗装鋼板に貼り、サ
ンシャインウェザロメーターにて5000時間曝露させ
た後の外観(色・光沢と平滑性)を目視判定した。評価
基準は以下の通りである。 色・光沢 ○:原フィルムと比較し、変褪色、光沢低下がほとんど
認められないもの △:変褪色あるいは光沢低下がやや認められるもの ×:著しく変褪色あるいは光沢低下を起こしたもの 平滑性 ○:クラックの発生が認められないもの △:クラックの発生がわずかに認められるもの ×:クラックの発生がかなり認められるもの
【0096】
【表3】 *1 基材フィルムである白色塩ビ系マーキングフィル
ム(スコッチカル3650)の評価
【0097】(2)耐汚染性 各試験フィルムの被膜面に、各汚染物質を付着させ、2
4時間室温に放置したのち、汚染物質を脱脂綿でふき取
って、痕跡を観察した。評価基準は以下の通りである。 ○:痕跡の認められないもの △:わずかに認められるもの ×:明瞭に認められるもの
【0098】実施例5〜8、比較例6〜8 参考例(B)で合成したポリエステルマクロモノマー1
0.0g、2−(4′−メタアクリロイルオキシエチル
−2′−ヒドロキシフェニル)−ベンゾトリアゾール1
0.0g、アゾビスイソブチロニトリル0.2g及びテ
トラハイドロフラン20gを仕込み、窒素気流下で、7
0℃で8時間重合した。重合後、反応液をメタノール中
に投入し、生成物を析出させ、メタノールで十分洗浄
し、乾燥した。収率は88%であった。ここで得られた
共重合体のηinh は0.17dl/gであった。
【0099】この共重合体3gと、表−4に示した前記
〔A〕〔B〕〔C〕3成分の合計量7gとを配合し、こ
れに固形分が10wt%となるようにメチルエチルケト
ンを加えて溶解させ、バーコーターを用いて農業用塩化
ビニルフィルム(ノービエース、三菱化成ビニル(株)
製;厚さ:100μm)上に塗布して、塩化ビニル系樹
脂積層品を製造した。乾燥後の塗膜厚みは3μmであっ
た。
【0100】比較例9 実施例5において、高分子紫外線吸収剤を用いない以外
は同様の方法で、塩化ビニル系樹脂積層品を製造した。 比較例10 比較例9において、基材フィルムであるノービエースの
替わりにベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤を多量に含
有するカットエース(三菱化成ビニル(株)製、厚さ1
00μm)を用いた以外は同様の方法で、塩化ビニル系
樹脂積層品を製造した。
【0101】〈実施例5〜8、比較例6〜10の評価〉
紫外線透過率、耐候性、耐汚染製について測定、評価
し、結果を表−5に示した。 (1)紫外線透過率:屋外曝露前の波長380nmにお
ける光線透過率を分光光度計によって測定した。
【0102】(2)耐候性:三重県一志郡の試験圃場に
設置した屋根型ハウス(間口3m、奥行5m、棟高1.
5m、屋根勾配30度)に、被膜を設けた面をハウスの
外側にして被覆し、平成3年1月から平成6年1月まで
の3年間展張試験を行った。展張したフィルムについて
以下の方法により評価した。 フィルムの外観…展張後のフィルムの外観を肉眼で観
察した。 ◎:変色等の外観変化が認められないもの ○:わずかな変色等の外観変化が一部認められるもの △:変色等の外観変化がかなり認められるもの ×:全面に変色が認められるもの
【0103】伸度保持率…展張後のフィルムを回収
し、伸度を測定し、次式により伸度保持率を算出した。 (屋外展張後のフィルムの伸度)/(屋外展張前のフィ
ルムの伸度)×100(%) 結果の表示は次のとおりとした。 ◎:伸度保持率が80%以上のもの ○:伸度保持率が60〜79%の範囲のもの △:伸度保持率が40〜59%の範囲のもの ×:伸度保持率が40%未満のもの
【0104】(3)耐汚染性:(2)の耐候性評価で展
張試験したフィルムについて、波長555μmにおける
直光線透過率を分光光度計によって測定し、次式により
耐汚染性を算出した。 (屋外展張後のフィルムの光線透過率)/(屋外展張前
のフィルムの光線透過率)×100(%) 測定結果の表示は次のとおりとした。 ◎:展張後の光線透過率が展張前の90%以上のもの ○:展張後の光線透過率が展張前の70〜89%の範囲
のもの △:展張後の光線透過率が展張前の50〜69%の範囲
のもの ×:展張後の光線透過率が展張前の50%未満のもの
【0105】
【表4】
【0106】
【表5】 *2 基材フィルムである農業用塩化ビニルフィルム
(ノービエース)の評価
【0107】
【発明の効果】本発明の塩化ビニル系樹脂積層品は、長
期に亘って安定した紫外線吸収性を有しており耐候性・
耐汚染性に優れ、マーキングフィルム、農業用塩化ビニ
ル系樹脂フィルム等の屋外使用を目的とした用途に広く
利用でき、工業上極めて重要である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 // C08L 27:06 (72)発明者 山岡 弘明 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地 三 菱化成株式会社総合研究所内 (72)発明者 佐野 志穂 神奈川県横浜市緑区鴨志田町1000番地 三 菱化成株式会社総合研究所内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化ビニル系樹脂成形品の少なくとも片
    面に、含フッ素アクリル系重合体〔A〕とフッ素を実質
    的に含まないアクリル系重合体〔B〕とフッ化ビニリデ
    ン系樹脂〔C〕の3成分を主成分とする組成物に、下記
    一般式〔I〕で示される繰り返し単位と下記一般式〔I
    I〕で示される繰り返し単位とからなり、〔I〕と〔I
    I〕の比率が重量比で10対90から90対10の範囲
    にあり、かつ極限粘度ηinh が0.02以上の共重合体
    である高分子紫外線吸収剤を配合した厚さ1〜10μm
    の被膜が形成されてなる塩化ビニル系樹脂積層品。 【化1】 (式〔I〕中、R1 は炭素数1〜20のアルキル基また
    はアラルキル基、R2 は脂肪族炭化水素基、R3 は、 【化2】 または−CO−(ここでR5 は炭素数1〜20のアルキ
    ル基、水素原子またはハロゲン原子を示し、m=1〜4
    の整数、p=1〜10の整数を示す。)を表わす。尚、
    3 中の 【化3】 −O−と隣接してウレタン結合を形成する。R4 は水素
    原子またはメチル基、nは2〜200である。) 【化4】 (式〔II〕中R6 は水素原子またはメチル基であり、X
    は300〜400nmに最大吸収ピークを有する化合物
    の残基である。)
  2. 【請求項2】 高分子紫外線吸収剤を、重合体〔A〕,
    〔B〕及び樹脂〔C〕の3成分の合計100重量部あた
    り、0.1〜200重量部配合してなる請求項1記載の
    塩化ビニル系樹脂積層品。
  3. 【請求項3】 式〔II〕中Xがベンゾフェノン基又はベ
    ンゾトリアゾール基である請求項1または2記載の塩化
    ビニル系樹脂積層品。
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