JPH07232003A - 擬似移動床を用いた3成分分離方法 - Google Patents
擬似移動床を用いた3成分分離方法Info
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Abstract
充填剤との相互作用の強さの異なるA、B、Cの3成分
(相互作用の強さはA>B>C)を含む原料液を、それ
ぞれの成分に富む画分に分画する。 【構成】 第1床〜第4床の4個の単位充填床から成る
擬似移動床の第1床に溶離液、第3床に原料液を供給
し、且つ第1床から流出する液の一部をB成分に富む画
分、第3床から流出する液の全部をC成分に富む画分と
して、それぞれ系外に抜出す供給−抜出し段階、液の供
給−抜出しを行なわずに擬似移動床内の液を下流方向に
循環的に移動させる循環段階、第2床に溶離液を供給し
て床内の液を下流方向に押し流し、第1床から流出する
液の全量をA成分に富む画分として系外に抜出す抜出し
段階の3段階から成る工程を行ない、次いで液の供給−
抜出し口を直ぐ下流の単位充填床に切替えて上記の工程
を反復する。
Description
マトグラフィーに関するものである。詳しくは擬似移動
床を用いて、充填剤との相互作用の強さの異なる3成分
を含む原料液をそれぞれの成分に富む画分に分割する方
法に関するものである。特に本発明は、原料中に含まれ
ている充填剤との相互作用の強さが中程度の成分を高純
度で回収する方法に関するものである。本発明によれば
糖蜜から蔗糖を高純度で回収することができる。
操作として広く用いられている。クロマトグラフィーの
最も簡単なものは、単一のカラムを用い、これに原料液
と溶離液とを交互に供給し、カラムから流出する液をそ
の組成に応じて分取する方法である。この方法では原料
液中の各成分を分離することができるが、多量の溶離液
を必要とし且つ回分式なので充填剤の利用効率が低い。
操作が可能であり、溶離液の必要量も少なく、かつ充填
剤の利用効率も高いので、大規模なクロマトグラフィー
では好んで用いられている。
ロマトグラフィーでは、原則として原料液は充填剤との
相互作用の強い成分に富む画分と弱い成分に富む画分と
の2つの画分に分割される。すなわち擬似移動床では、
原料液の供給口、溶離液の供給口、充填剤との相互作用
の強い成分に富む画分の抜出し口及び相互作用の弱い成
分に富む画分の抜出し口の4個の供給−抜出し口が同時
に作動しており、一定時間毎にこれらの供給−抜出し口
が、それぞれ下流の供給−抜出し口に切替えられる。従
って擬似移動床を用いるクロマトグラフィーでは、原料
液が充填剤との相互作用の強い成分、中位の成分及び弱
い成分の3成分を含有していても、これらの3成分をそ
れぞれ別個の画分として得ることはできない。3成分の
うちいずれか1成分は他の成分との混合物として擬似移
動床から回収される。例えば、甜菜糖蜜は蔗糖と塩類そ
の他の非糖類の他にベタインを含んでおり、糖蜜からの
クロマトグラフィーによる蔗糖の回収に常用されている
アルカリ金属塩型の強酸性陽イオン交換樹脂に対する各
成分の相互作用の強さは、ベタイン>蔗糖>塩類その他
の非糖類の順である。擬似移動床を用いて甜菜糖蜜を常
法によりクロマトグラフィーにより分画すると、甜菜糖
蜜は蔗糖に富む画分と塩類その他の非糖類に富む画分と
に分画される。ベタインの一部は塩類その他の非糖類に
富む画分に分配されるが、残部は蔗糖に富む画分に分配
される。従って擬似移動床を用いる通常のクロマトグラ
フィーでは、甜菜糖蜜から蔗糖とベタインとを別個に回
収することはできない。また、蔗糖に富む画分に分配さ
れたベタインはこの画分の蔗糖の純度を低下させる。
床の4個の単位充填床から成る最も簡単な擬似移動床を
用いたクロマトグラフィーにより、充填剤との相互作用
の強いA成分、中位のB成分及び弱いC成分の少くとも
3成分を含有する原料液を、A成分に富む画分、B成分
に富む画分及びC成分に富む画分の3画分に分割する方
法を提供せんとするものである。また、本発明はB成分
に富む画分中へのA成分又はC成分の混入を減らしてB
成分に富む画分中のB成分の純度を高くする方法を提供
せんとするものである。
擬似移動床の第1床〜第3床間を液が流通し得る状態に
おいて、第1床に溶離液を、第3床に原料液をそれぞれ
供給し、且つ第1床から流出する液の一部をB成分に富
む画分として、第3床から流出する液をC成分に富む画
分として、それぞれ系外に抜出す供給−抜出し段階、
(2)擬似移動床内を液の循環が可能な状態にして、液
の供給−抜出しを行なうことなく、擬似移動床内の液を
下流に移動させる循環段階、(3)擬似移動床の第2床
〜第1床内を液が流通し得る状態において、第2床に溶
離液を供給し、且つ第1床から流出する液をA成分に富
む画分として系外に抜出す抜出し段階、の3段階からな
る工程を行ない、次いで液の供給口及び抜出し口をそれ
ぞれ直ぐ下流の単位充填床のそれに切替えて上記の工程
を反復することにより、A,B,Cの3成分を含む原料
液からそれぞれの成分に富む画分を分取することができ
る。
発明でクロマトグラフィーに供する原料は、充填剤との
相互作用の強いA成分、中位のB成分及び弱いC成分と
いう充填剤との相互作用の強さの異なる少くとも3種の
成分を含んでいる。通常は、充填剤との相互作用が中位
のB成分を、A成分及びC成分のいずれよりも多量に含
んだ原料液が用いられる。本発明によれば、原料液から
このB成分を高純度で含む画分を取得することができ
る。
は、甜菜糖蜜である。製糖法によっても異なるが、甜菜
糖蜜は通常は45〜75重量%、特に50〜70重量%
の蔗糖、20〜45重量%、特に20〜30重量%の塩
類その他非糖類、及び5〜10重量%のベタインを含ん
でおり、これから蔗糖を高純度で回収することが強く望
まれている。糖蜜からの蔗糖の回収に常用されているア
ルカリ金属塩型の強酸性陽イオン交換樹脂に対する相互
作用の強さはベタイン>蔗糖>塩類その他の非糖類なの
で、本発明によれば、この糖蜜から蔗糖を高純度で回収
できる。
から蔗糖を製造する際に製出される糖蜜及び粗糖から精
製糖を製造する際に製出される糖蜜である。これらの糖
蜜は主成分である蔗糖の他にブドウ糖などの単糖類、及
び塩類などの非糖分を含んでおり、アルカリ金属塩型の
強酸性陽イオン交換樹脂に対する相互作用の強さは単糖
類>蔗糖>非糖分の順なので、本発明によればこれから
蔗糖を高純度で回収できる。
造する際の糖化液も本発明の原料液として適している。
糖化液は主成分であるマルトース以外に、マルトトリオ
ース以上の大きなオリゴ糖及びブドウ糖を含んでおり、
アルカリ金属塩型の強酸性陽イオン交換樹脂に対する相
互作用の強さはブドウ糖>マルトース>オリゴ糖の順な
ので、本発明によれば高純度のマルトースを回収でき
る。
さの4個の単位充填床を液の循環路を形成するように連
結して構成されており、循環路には液を一方向に移動さ
せるためのポンプが設置されている。各単位充填床は、
その上部に外部から供給される原料液及び溶離液の分配
機構を有しており、下部には床から流出する液の集液機
構を有している。原料液と溶離液とが同時に同じ単位充
填床に供給されることはないので、1個の液体分配機構
を原料液と溶離液とで共用することもできる。なお、4
個よりも多くの、例えば8個の単位充填床から成る擬似
移動床を用いて本発明を実施することもできるが、装置
が高価となるので好ましくない。周知の如く、擬似移動
床を構成する単位充填床の最少数は4個であり、原理
上、単位充填床の数が多いほど優れた成績を収めること
ができるが、装置が高価となる。本発明では最も簡単な
4個の単位充填床から成る擬似移動床を用いて優れた成
績を収めることができる。
の成分に応じて選択する。例えば甜菜糖蜜から蔗糖及び
ベタインを回収せんとする場合には、アルカリ金属塩
型、例えばカリウム塩型やナトリウム塩型の強酸性陽イ
オン交換樹脂が用いられる。なお、甜菜糖蜜には多量の
カリウムが含まれているので、ナトリウム型イオン交換
樹脂を充填剤として用いても運転中にナトリウム型イオ
ン交換樹脂の一部はカリウム型イオン交換樹脂に転換さ
れる。しかしながら、この転換は擬似移動床の分離性能
には殆んど影響しない。もちろん所望ならば、ときどき
塩化ナトリウム又は硫酸ナトリウムを通液して樹脂をナ
トリウム型に再転換してもよい。
異なり、擬似移動床に液を供給し同時にいずれかの成分
に富む画分を抜出す段階(供給−抜出し段階及び抜出し
段階)と、液の供給及び抜出しを行なうことなく床内の
液を下流方向に移動させる段階(循環段階)との組合せ
で1工程が構成されている。1工程が終了すると、擬似
移動床の通常の運転の場合と同じく、擬似移動床への液
の供給口及び擬似移動床からの液の抜出し口が、それぞ
れ直ぐ下流の単位充填床の供給口又は抜出し口に切替え
られる。本発明では4個の単位充填床から成る最も簡単
な擬似移動床を用いるので、上記の工程を4回反復する
と擬似移動床は元の状態に復帰する。
を異にしている。循環段階の役割は、原料液中の各成分
を相互に分離して擬似移動床内に各成分につき所望の濃
度分布を形成させることにある。すなわち、液の供給−
抜出しを行なわずに擬似移動床内の液を下流に移動させ
る間に、液中の各成分は、充填剤との相互作用の強弱に
より移動速度が異なるので、相互に漸次分離され、擬似
移動床内に所望の濃度分布を形成するに至る。後述する
ように抜出し段階は、濃度分布の形成、移動に関して
は、循環段階と同様の作用をするので、本発明では1工
程内における循環段階と抜出し段階とにおける液の移動
により、擬似移動床内の濃度分布が単位充填床1個分だ
け下流に移動して再生される。
うち通常は50%以上をこの循環段階と抜出し段階に割
当てる。循環段階だけで1工程を実施するに要する全時
間の50%以上を占めるのが好ましい。即ち1工程を構
成する循環段階、供給−抜出し段階及び抜出し段階を各
段階を実施するに要する時間の点よりみれば、循環段階
が主体で、他の2つの段階がこれに付属していることに
なる。これは循環段階における液の移動が濃度分布の形
成の主体をなしていることによる。循環段階が終了した
時点での擬似移動床内における各成分の分布は、典型的
には次の如くなる(但し、循環段階の直前の供給−抜出
し段階では、第1床に溶離液を、第3床に原料液をそれ
ぞれ供給したものとする)。すなわち充填剤との相互作
用の強いA成分は第1床から第2床にかけて濃縮されて
存在している。相互作用の強さが中位のB成分は第2床
から第3床にかけて濃縮されて存在している。相互作用
の強さが弱いC成分は第3床から第4床にかけて濃縮さ
れて存在している。循環段階での液の移動は、単位充填
床間に設けられた循環ポンプにより行なわれる。循環ポ
ンプは各単位充填床間に設けてもよく、また擬似移動床
に唯1個、例えば第4単位充填床と第1単位充填床との
間に唯1個設けてもよい。
が開始される。抜出し段階では第2床に溶離液を供給し
て擬似移動床内を流下させ、第1床に濃縮されて存在す
るA成分をA成分に富む画分として系外に抜出す。この
段階での擬似移動床内の液の移動は溶離液の供給圧力に
よるが、循環ポンプを作動させて溶離液の供給圧力の不
足を補ってもよい。すなわち第2床に溶離液を供給する
と、この床内の液はこれに押されて下流に移動し第3床
に流入する。第3床内の液も同様に押されて下流に移動
し第4床に流入する。同様に第4床の液は第1床に流入
する。第1床から流出する液はその全量をA成分に富む
画分として系外に抜出す。すなわちこの抜出し段階では
第1床から第2床への液の流入は無い。
ける液の移動は、当然のことながら各成分の分離を伴
い、濃度分布は下流に移動する。すなわち、この抜出し
段階は擬似移動床全体に亘る濃度分布の移動と、A成分
に富む画分の抜出しとの2つの機能を果している。しか
し、この段階における擬似移動床内の液の移動量は、循
環段階における液の移動量よりも著るしく少ないので、
濃度分布の移動もそれに比例して循環段階におけるより
も少ない。この抜出し段階における擬似移動床内におけ
る液の移動速度は、循環段階における液の移動速度と実
質的に等しくするのが好ましい。何故ならば循環段階に
おける液の移動速度は、通常は濃度分布の形成に最も有
利なように決定されているからである。抜出し段階が終
了したならば、次いで供給−抜出し段階が開始される。
この段階での擬似移動床内の液の移動は、溶離液及び原
料液の供給圧力によるが、循環ポンプを作動させてこれ
らの液の供給圧力の不足を補ってもよい。この供給−抜
出し段階では、第2床に溶離液、第4床に原料液をそれ
ぞれ供給する(前回の供給−抜出し段階では、第1床に
溶離液、第3床に原料液を供給したので、供給−抜出し
口を一つ下流のそれに切替える)。この段階で系外に抜
出すのは、第2床に存在する成分Bの濃縮された液と、
第4床に存在する成分Cの濃縮された液である。すなわ
ち第2床に溶離液を供給すると、第2床内の液はこれに
押されて下流に移動し、第2床から流出する。本発明で
は、この流出液の一部を成分Bに富む画分として系外に
抜出し、残部は第3床に流入させる。第3床内の液はこ
の第2床から流入した液に押されて下流に移動し、第4
床に流入する。第4床には原料液が供給されているの
で、第4床内の液は第3床から流入した液と原料液とに
押されて下流に移動し、第4床から流出する。本発明で
は、この流出液を成分Cに富む画分として全量系外に抜
出す。この供給−抜出し段階においても液の移動に伴い
各成分の分離が進行し、濃度分布は下流に移動する。従
ってこの段階において液の移動速度が最も大きい単位充
填床(すなわち第2床又は第4床)の液の移動速度は、
前述の循環段階における液の移動速度と実質的に等しく
するのが好ましい。供給−抜出し段階で擬似移動床に供
給された溶離液と原料液との合計は、当然のことなが
ら、この段階で第2床から抜出されるB成分に富む画分
と、第4床から抜出されるC成分に富む画分との合計に
等しい。そして第2床からの流出液のうちいくらをB成
分に富む画分として系外に抜出すべきかは、B成分に所
望される回収率とB成分に富む画分中のB成分に所望さ
れる純度に応じて、適宜決定する。すなわちB成分の回
収率を高くしたい場合にはB成分に富む画分の抜出し量
を多くすればよい。また高純度のB成分を回収したい場
合には、逆にB成分に富む画分の抜出し量を少なくす
る。
について、充填剤としてナトリウム型の強酸性陽イオン
交換樹脂を用い、溶離剤として水を用いて甜菜糖蜜から
蔗糖とベタインを回収する場合を例にとって更に具体的
に説明するに、第1図(1)は第2床に水を供給して第
1床からベタインに富む画分を抜出す抜出し段階の終了
時における擬似移動床内のベタイン、蔗糖及び塩類その
他非糖類の各成分の濃度分布を模式的に示すものであ
る。この状態において第2床に水を供給して第2床の蔗
糖を溶離させる。第2床からの流出液は1部を蔗糖に富
む画分として系外に抜出し、残部は第3床に流入させ
る。これに伴い第3床の波は下流方向に移動するので各
成分の分離が進み、且つ濃度分布も下流方向に移動す
る。第4床には原料液である甜菜糖蜜を供給する。第4
床からの流出液は、充填剤との相互作用の最も弱い(す
なわち移動速度の最も早い)塩類その他の非糖類に富む
画分として全量を系外に抜出す。第1図(2)はこの供
給−抜出し段階が終了した時点における擬似移動床内の
各成分の濃度分布を示す。
の供給及び抜出しを行なわずに、循環ポンプで擬似移動
床内の液を下流方向に移動させる循環段階を行なう。こ
れにより各成分の分離が進み、且つ濃度分布が工程の開
始時に比してほぼ単位充填床1個分だけ下流に移動す
る。循環段階が終了した時点における擬似移動床内の各
成分の濃度分布を第1図(3)に示す。
から第3床に切替えて、第3床に水を供給し、第2床か
ら流出する液をベタインに富む画分として全量を系外に
抜出す抜出し段階を行なう。この段階は濃度分の移動と
いう観点からは循環段階の延長であり、液の移動の原動
力として循環ポンプを用いる代りに系外から供給される
水を用いたものに相当する。以上の3段階の操作によ
り、擬似移動床内の各成分の濃度分布は、単位充填床1
個分だけ下流方向に移動して復元される。以下に実施例
により本発明を更に具体的に説明するが、本発明はその
要旨を超えない限り、以下の実施例に限定されるもので
はない。
に富む画分、ベタインに富む画分及び塩類その他の非糖
類に富む画分を回収した。各単位充填床は内径2.73
cm、高さ55cmで、ナトリウム型の強酸性陽イオン
交換樹脂が1288m1充填されている。各単位充填床
は75℃に保温されている。
る。また原料の甜菜糖蜜の組成及び抜出された各画分の
定常状態における組成は第2表に示す通りである。ま
た、抜出し段階を行なわずに循環段階を抜出し段階に相
当する時間だけ延長した場合の、蔗糖に富む画分及び塩
類その他の非糖類に富む画分の組成は第3表に示す通り
である(抜出し段階が無いので、ベタインに富む画分の
抜出しは無い)。
単位充填床のイオン交換樹脂の充填量は1240mlと
した。)を用いて、粗糖から精製糖を製造する過程で製
出された糖蜜(甘蔗糖蜜)から、還元糖などに富む画
分、蔗糖に富む画分、及び塩類などの非糖類に富む画分
を取得した。吸着剤に対する吸着力の強さは還元糖>蔗
糖>塩類などの非糖類の順である。各単位充填床は75
℃に保温されている。
料の甘蔗糖蜜の組成及び抜出された各画分の定常状態に
おける組成を第5表に示す。なお、実験の都合上、還元
糖などに富む画分と、塩類などの非糖類に富む画分とは
一個の受器に一緒に受入れたので、その組成はコンピュ
ータシュミレーションによる推定値である。また、抜出
し段階を行なわずに、循環段階を抜出し段階に相当する
時間だけ延長した場合の、蔗糖に富む画分と塩類その他
の非糖類に富む画分の組成は第6表に示す通りである。
単位充填床のイオン交換樹脂の充填量は1240mlと
した)を用いて、澱粉加水分解物から単糖類に富む画
分、2糖類に富む画分及び3糖類以上の多糖類に富む画
分を65℃で取得した場合の、各画分の組成をコンピュ
ータシュミレーションにより求めた。吸着剤に対する吸
着力の強さは単糖類>2糖類>3糖類以上の多糖類であ
る。装置の運転条件を第7表に、原料の組成及び各画分
の組成(推定値)を第8表に示す。また、抜出し段階を
行なわずに、循環段階を抜出し段階に相当する時間だけ
延長した場合の、シュミレーションの結果を第9表に示
す。
るという最も簡単な擬似移動床を用いて、充填剤に対す
る相互作用の強さの異なる少くとも3つの成分を含む原
料液を、それぞれの成分に富む画分に分画することがで
きる。
ーを行なった場合の、擬似移動床内に形成される各成分
の濃度分布を模式的に示す図である。
行なう場合の擬似移動床の液の流れを主体とした模式図
である。
の開閉弁 1B〜4B 吸着力が中間の成分に富む画分の抜出し
管の開閉弁 1C〜4C 吸着力が弱い成分に富む画分の抜出し管
の開閉弁
Claims (9)
- 【請求項1】 第1床〜第4床の4個の単位充填床から
成り、内部を液が一方向に流通し得るようになっている
擬似移動床を用いたクロマトグラフィーにより、充填剤
との相互作用の強いA成分、中位のB成分及び弱いC成
分の少くとも3成分を含有する原料液を、A成分に富む
画分、B成分に富む画分及びC成分に富む画分の少くと
も3画分に分割する方法であって、 (1)第1床〜第3床間を液が流通し得る状態におい
て、第1床に溶離液を、第3床に原料液をそれぞれ供給
し、且つ第1床から流出する液の一部をB成分に富む画
分として、第3床から流出する液をC成分に富む画分と
して、それぞれ系外に抜出す供給−抜出し段階、 (2)擬似移動床内を液の循環が可能な状態にして、擬
似移動床への液の供給及び擬似移動床からの液の抜出し
を行なうことなく、擬似移動床内の液を下流に移動させ
る循環段階、 (3)第2床〜第1床間を液が流通し得る状態におい
て、第2床に溶離液を供給し、且つ第1床から流出する
液をA成分に富む画分として系外に抜出す抜出し段階、
の3段階からなる工程を行ない、次いで液の供給口及び
抜出し口を直ぐ下流の単位充填床のそれに切替えて上記
の工程を反復することを特徴とする方法。 - 【請求項2】 1工程を実施するに要する全時間のうち
循環段階と抜出し段階との合計時間の占める比率が50
%以上であることを特徴とする請求項1記載の方法。 - 【請求項3】 1工程を実施するに要する全時間のうち
循環段階の占める比率が50%以上であることを特徴と
する請求項1記載の方法。 - 【請求項4】 供給・抜出し段階において供給される溶
離液が、抜出し段階で供給される溶離液よりも多いこと
を特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の方
法。 - 【請求項5】 循環段階における液の流速が、供給・抜
出し段階及び抜出し段階における液の流速に等しいか又
はこれよりも大きいことを特徴とする請求項1ないし4
のいずれかに記載の方法。 - 【請求項6】 原料液中のB成分の含有量が、A成分及
びC成分のいずれよりも多いことを特徴とする請求項1
ないし5のいずれかに記載の方法。 - 【請求項7】 原料液が、甜菜から蔗糖を製造する際に
製出される糖蜜、粗糖から精製糖を製造する際に製出さ
れる糖蜜又は澱粉糖化液であることを特徴とする請求項
1ないし7のいずれかに記載の方法。 - 【請求項8】 アルカリ金属塩型の強酸性陽イオン交換
樹脂が充填されている第1〜第4の4個の単位充填床か
ら成り、内部を液が一方向に流通し得るようになってい
る擬似移動床を用いて、ベタイン、蔗糖及び塩類などの
非糖類を含む甜菜糖蜜からベタインに富む画分、蔗糖に
富む画分及び塩類などの非糖類に富む画分の3画分を取
得する方法であって、 (1)第1床に水を、第3床に甜菜糖蜜を供給し、且つ
第1床から流出する液はその一部を蔗糖に富む画分とし
て擬似移動床外に抜出し残部は第2床に流入させ、第2
床から流出する液は全量を第3床に流入させ、第3床か
ら流出する液はその全量を塩類などの非糖類に富む画分
として擬似移動床外に抜出す供給−抜出し段階、 (2)擬似移動床への液の供給及び擬似移動床からの液
の抜出しを行なうことなく、擬似移動床内の液を下流方
向に循環的に移動させる循環段階、 (3)第2床に水を供給し、第2床の流出液は全量を第
3床に流入させ、第3床の流出液は全量を第4床に流入
させ、第4床の流出液は全量を第1床に流入させ、第1
床の流出液は全量をベタインに富む画分として擬似移動
床外に抜出す抜出し段階、の3段階から成る工程を行な
い、次いで液の供給口及び抜出口を直ぐ下流の単位充填
床の供給口及び抜出口に切替えて上記の工程を反復する
ことを特徴とする方法。 - 【請求項9】 甜菜糖蜜の乾燥残分に占める蔗糖の比率
が45〜75(重量%)であり、1工程を実施するに要
する全時間のうち循環段階の占める比率が50%以上て
あり、且つ供給・抜出し段階で擬似移動床に供給される
甜菜糖蜜の容積に対する、供給・抜出し段階と抜出し段
階で擬似移動床に供給される水の合計容積の比が4〜8
倍であることを特徴とする請求項8記載の方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP27535394A JP3694908B2 (ja) | 1993-12-27 | 1994-11-09 | 擬似移動床を用いた3成分分離方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP33324293 | 1993-12-27 | ||
JP5-333242 | 1993-12-27 | ||
JP27535394A JP3694908B2 (ja) | 1993-12-27 | 1994-11-09 | 擬似移動床を用いた3成分分離方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JPH07232003A true JPH07232003A (ja) | 1995-09-05 |
JP3694908B2 JP3694908B2 (ja) | 2005-09-14 |
Family
ID=26551431
Family Applications (1)
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