JPH07231793A - ヌクレオシド−5’−燐酸エステルの製造法 - Google Patents
ヌクレオシド−5’−燐酸エステルの製造法Info
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- JPH07231793A JPH07231793A JP31599694A JP31599694A JPH07231793A JP H07231793 A JPH07231793 A JP H07231793A JP 31599694 A JP31599694 A JP 31599694A JP 31599694 A JP31599694 A JP 31599694A JP H07231793 A JPH07231793 A JP H07231793A
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Abstract
く、安定かつ効率的に、ヌクレオシド−5’−燐酸エス
テルを製造する方法を提供する。 【構成】 エンテロバクタ−属、エシェリヒア属、モル
ガネラ属、クレブシエラ属、セラチア属、クロモバクテ
リウム属またはセデシア属に属し、ヌクレオシドならび
にポリ燐酸(塩)、フェニル燐酸(塩)およびカルバミ
ル燐酸(塩)からなる群から選択される燐酸供与体から
ヌクレオシド−5’−燐酸エステルを生成する能力を有
する微生物を、pH4.0〜6.5でヌクレオシドなら
びにびポリ燐酸(塩)、フェニル燐酸(塩)およびカル
バミル燐酸(塩)からなる群から選択される燐酸供与体
に作用せしめ、生成するヌクレオシド−5’−燐酸エス
テルを採取する。
Description
燐酸エステルの製造法に関する。ヌクレオシド−5’−
燐酸エステルは、調味料、医薬ならびにそれらの原料と
して有用である。
化学的な製造法としては、燐酸供与体としてパラニトロ
フェニル燐酸を用い、ヌクレオシドを燐酸化する方法
(特公昭39−29858号)、無機燐酸を用いる方法
(特公昭42−1186号)、アセチル燐酸を用いる方
法(特開昭56−82098号)、アデノシン三燐酸
(ATP)を使用する方法(特開昭63−230094
号)が知られている。また、本発明者らは、ポリ燐酸を
用いる方法を開発している(特開昭53−56390
号)。
の方法にあっては使用する基質が高価であったり、不安
定であったりして、安定したヌクレオシド−5’−燐酸
エステルの生産を行うためには、不利であった。 ま
た、本発明者らが開発してきたポリ燐酸を用いる方法
も、その後の詳細な検討の結果、生成物としてヌクレオ
シド−5’−燐酸エステルのみならず、2’−、3’−
ヌクレオチド異性体を副生することが判明し、実用に供
するには困難であることが明らかになった。
したヌクレオシド−5’−燐酸エステルの生産を行うた
めに種々の検討を加えた結果、ヌクレオシドならびにポ
リ燐酸(塩)、フェニル燐酸(塩)およびカルバミル燐
酸(塩)よりなる群より選択された燐酸供与体に、弱酸
性条件下(pH4.0〜6.5)にて特定の微生物を作
用させることにより、2’−、3’−ヌクレオチドの副
生を伴うことなく、効率的にヌクレオシド−5’−燐酸
エステルを生産可能なることを発見し、本発明を完成す
るに至った。
属、エシェリヒア属、モルガネラ属、クレブシエラ属、
セラチア属、クロモバクテリウム属又はセデシア属に属
し、ヌクレオシドならびにポリ燐酸(塩)、フェニル燐
酸(塩)およびカルバミル燐酸(塩)よりなる群より選
択された燐酸供与体よりヌクレオシド−5’−燐酸エス
テルを生成する能力を有する微生物を、pH4.0〜
6.5の条件下でヌクレオシドならびにポリ燐酸
(塩)、フェニル燐酸(塩)およびカルバミル燐酸
(塩)よりなる群より選択された燐酸供与体に作用させ
て、ヌクレオシド−5’−燐酸エステルを生成せしめ、
これを採取することを特徴とするヌクレオシド−5’−
燐酸エステルの製造法を提供するものである。
バクター属、エシェリヒア属、モルガネラ属、クレブシ
エラ属、セラチア属、クロモバクテリウム属またはセデ
シア属に属し、ヌクレオシドならびにポリ燐酸(塩)、
フェニル燐酸(塩)およびカルバミル燐酸(塩)よりな
る群より選択された燐酸供与体からヌクレオシド−5’
−燐酸エステルを生成する能力を有する微生物であり、
例えば、次のような微生物が使用される。
オン等を含む通常の栄養培地中に培養される。炭素源と
しては、グルコース、フラクトース、シュクロース、マ
ルトースなどの糖類の他、クエン酸、フマール酸、グル
コン酸などの有機酸、エタノール、グリセリンなどのア
ルコール類が使用される。窒素源としては、塩化アンモ
ニウム、硫酸アンモニウム、硝酸アンモニウムなどのア
ンモニウム塩、アンモニア水、アンモニアガスが好適で
ある。無機イオンとしては、例えば第一鉄イオン、マグ
ネシウムイオン、マンガンイオン、燐酸イオン、カリウ
ムイオンが、必要に応じて、添加される。さらに、必要
に応じ、アミノ酸、ビタミン等またはこれらを含有する
酵母エキス、ペプトン、肉エキス、コーンスティープリ
カー、大豆蛋白加水分解物等の有機栄養源が添加され
る。
れる。例えば、培地のpHを5〜8とし、微生物を接種
後、20〜40℃にて5〜72時間、好気的に培養すれ
ばよい。
リ燐酸(塩)、フェニル燐酸(塩)およびカルバミル燐
酸(塩)よりなる群より選択された燐酸供与体に作用せ
しめヌクレオシド−5’−燐酸エステルを得る方法とし
ては、かくして得られた培養液、培養液から分離した微
生物菌体、その乾燥菌体、菌体破砕物或いはその自己消
化物などの菌体処理物を、水性媒体中にて、ヌクレオシ
ドとポリ燐酸(塩)、フェニル燐酸(塩)およびカルバ
ミル燐酸(塩)よりなる群より選択された燐酸供与体と
を接触させればよい。この際、反応のpHを4.0〜
6.5の範囲の弱酸性に調整することが必要である。
(塩)としては、ピロ燐酸、トリポリ燐酸、トリメタ燐
酸、テトラメタ燐酸、ヘキサメタ燐酸、又はそれらの混
合物もしくはそれらのナトリウム塩、カリウム塩、ある
いはそれらの塩混合物などが、フェニル燐酸(塩)とし
ては、フェニル燐酸ジナトリウム、フェニル燐酸ジカリ
ウム、O,O−ジフェニル燐酸無水物、又はそれらの混
合物などが、カルバミル燐酸(塩)としては、カルバミ
ル燐酸ジナトリウム、カルバミル燐酸ジカリウム、カル
バミル燐酸ジアンモニウム、カルバミル燐酸ジリチウ
ム、又はそれらの混合物などが使用可能である。燐酸供
与体の使用濃度は、燐酸受容体であるヌクレオシドの濃
度によって決定される。通常、ヌクレオシドの1〜5倍
量の添加が望ましい。
クレオシド類として、プリンリボシド、イノシン、グア
ノシン、アデノシン、キサントシン等、ピリミジンヌク
レオシド類として、ウリジン、シトシン等が挙げられ
る。使用するヌクレオシドに対応して、5’−プリンリ
ボチド、5’−イノシン酸、5’−グアニル酸、5’−
アデニル酸、5’−キサンチル酸、5’−ウリジル酸、
5’−シチジル酸などが生成する。
ては、0.1〜10g/dLが望ましいが、水に難溶性
のヌクレオシドを使用する場合には、硼酸あるいはジメ
チルスルフォオキシドなどの溶解助剤を添加するとよ
い。
くは30〜40℃で、pH4.0〜6.5、望ましくは
pH4.5〜6.0の弱酸性側が好結果を与える。この
適当なpH範囲は、従来、報告されているヌクレオシド
−5’−燐酸エステルの生産方法におけるpHとは異な
る範囲であって、この点にも本発明の特徴がある。
をも採用し得る。反応時間は、使用する微生物の活性、
基質の濃度などの条件によって異なるが、1〜100時
間が望ましい。
燐酸エステルの分離は、通常のイオン交換樹脂を用いる
方法や、その他の通常に行われる分離方法が用いられ
る。
お、本実施例において、原料のヌクレオシドおよび生成
したヌクレオシド−5’−燐酸エステルは、高速液体カ
ラムクロマトグラフ法(HPLC、High Performance L
iquid Chromatography) により、下記の機器および条件
下に分析した。 カラム:コスモジル5C18−AR(4.6×150mm)[ナカラ
イテスク社製品] 移動層:5 mM Potassium phosphate (pH 2.8): Methano
l = 95:5 流速:1.0 mL/分 温度:室温 検出:UV 245nm
キス0.5 g/dL、食塩1g/dLを含有する栄養
培地(pH7.0)を500mL容坂口フラスコに50
mL入れ、120℃にて20分加熱殺菌した。これに、
斜面培養した表1に示す微生物を接種し、30℃にて1
6時間培養した。かくして得られた培養液より遠心分離
によって菌体を回収し、菌体を酢酸バッファー液(pH
5.0)に懸濁し、菌体懸濁液を調製した。
L、MgSO4 2mMを、酢酸バッファー液に溶解し、
これに上記の菌体懸濁液を菌体湿重量で5g/dLとな
るように添加し、pHを5.0に調整、維持しながら、
30℃で5時間反応させた。生成した5’−イノシン酸
量を表1に示した。 なお、何れの菌株についても、
2’−イノシン酸、3’−イノシン酸の副生は、ほとん
ど認められなかった。
い、反応液中のイノシンに代えて、グアノシンを使用し
て同様に反応を行った。生成した5’−グアニル酸量を
表2に示した。
液を用い、反応液中のピロ燐酸に代えて、トリポリ燐酸
(試薬)または「ポリゴンP」[商品名、ポリ燐酸、千
代田化学(株)製品]を用い、イノシンと反応させた。
生成した5’−イノシン酸量を表3に示した。
液を用い、pH3〜8のバッファー液中で、イノシン1
g/dL、ピロ燐酸ナトリウム5g/dL、硫酸マグネ
シウム2mMを含む反応液を調製し、この反応液中、3
0℃で1時間反応した。図1に示す如く、反応に使用し
たEscherichia blattae JCM 1650、Serratia ficaria A
TCC 33105、Klebsiella pneumoniae IFO 3318、Morganel
la morganii IFO 3168、Enterobacter aerogenes IFO 1
2010、Chromobacterium fluviatile IAM 13652、Cedece
a lapagei JCM 1684の各菌株の何れもが、pH5.0〜
5.5の範囲において、最も効率的に5’−イノシン酸
を生成した。
濁液を用い、pH5.0の酢酸バッファー液中でイノシ
ン1g/dL、ピロ燐酸ナトリウム5g/dL、硫酸マ
グネシウム2mMを含む反応液を調製し、この反応液
中、15〜60℃において反応を行った。図2に示す如
く、反応に使用したEscherichia blattae JCM 1650、Kl
ebsiella pneumoniae IFO 3318、Morganella morganii
IFO 3168、 Enterobacter aerogenesIFO 12010 、Chrom
obacterium fluviatile IAM 13652、 Cedecea lapagei J
CM 1684の各菌株の何れもが30〜40℃の範囲で、Ser
ratia ficaria ATCC 33105 はは55℃付近において、
最も効率的に5' −イノシン酸を生成した。
い、反応液中のイノシンに代えて、ウリジンまたはシチ
ジンを、燐酸供与体としてフェニル燐酸ジナトリウムを
使用して同様に反応を行った。生成した5’−ウリジル
酸量または5’−シチジル酸量を表4に示した。
い、反応液中のイノシンに代えて、ウリジンまたはシチ
ジンを、燐酸供与体としてカルバミル燐酸ジナトリウム
を使用して同様に反応を行った。生成した5’−ウリジ
ル酸量または5’−シチジル酸量を表5に示した。
フェニル燐酸(塩)およびカルバミル燐酸(塩)よりな
る群より選択された燐酸供与体に、ヌクレオシド−5’
−燐酸エステルを生成する能力を有する微生物を作用せ
しめ、ヌクレオシド−5’−燐酸エステルを取得する本
発明の方法は、異性体の副生を伴うことなく、安定、か
つ、効率よくヌクレオシド−5’−燐酸エステルを生成
し、採取し得るという効果を有する。
を示す線図である。
を示す線図である。
Claims (1)
- 【請求項1】 エンテロバクター属、エシェリヒア属、
モルガネラ属、クレブシエラ属、セラチア属、クロモバ
クテリウム属又はセデシア属に属し、ヌクレオシドなら
びにポリ燐酸(塩)、フェニル燐酸(塩)及びカルバミ
ル燐酸(塩)よりなる群より選択された燐酸供与体より
ヌクレオシド−5’−燐酸エステルを生成する能力を有
する微生物を、pH4.0〜6.5の条件下でヌクレオ
シドならびにポリ燐酸(塩)、フェニル燐酸(塩)およ
びカルバミル燐酸(塩)よりなる群より選択された燐酸
供与体に作用させてヌクレオシド−5’−燐酸エステル
を生成せしめ、これを採取することを特徴とするヌクレ
オシド−5’−燐酸エステルの製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP31599694A JP3651036B2 (ja) | 1993-12-27 | 1994-11-28 | ヌクレオシド−5’−燐酸エステルの製造法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP34884293 | 1993-12-27 | ||
JP5-348842 | 1993-12-27 | ||
JP31599694A JP3651036B2 (ja) | 1993-12-27 | 1994-11-28 | ヌクレオシド−5’−燐酸エステルの製造法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07231793A true JPH07231793A (ja) | 1995-09-05 |
JP3651036B2 JP3651036B2 (ja) | 2005-05-25 |
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ID=26568493
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP31599694A Expired - Lifetime JP3651036B2 (ja) | 1993-12-27 | 1994-11-28 | ヌクレオシド−5’−燐酸エステルの製造法 |
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Country | Link |
---|---|
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
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WO2015060391A1 (ja) | 2013-10-23 | 2015-04-30 | 味の素株式会社 | 目的物質の製造法 |
-
1994
- 1994-11-28 JP JP31599694A patent/JP3651036B2/ja not_active Expired - Lifetime
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EP2749652A2 (en) | 2008-01-10 | 2014-07-02 | Ajinomoto Co., Inc. | A method for producing a target substance by fermentation |
WO2009107631A1 (ja) | 2008-02-25 | 2009-09-03 | 味の素株式会社 | 5’-グアニル酸の製造法 |
US8309329B2 (en) | 2008-02-25 | 2012-11-13 | Ajinomoto Co., Inc. | Process for production of 5′-guanylic acid |
EP2295546A2 (en) | 2009-08-10 | 2011-03-16 | Ajinomoto Co., Inc. | Method for producing 5'-guanylic acid |
US9200304B2 (en) | 2009-08-10 | 2015-12-01 | Ajinomoto Co., Inc. | Method for producing 5′-guanylic acid |
WO2015060391A1 (ja) | 2013-10-23 | 2015-04-30 | 味の素株式会社 | 目的物質の製造法 |
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JP3651036B2 (ja) | 2005-05-25 |
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