JPH0723091B2 - 車両用圧力緩和装置 - Google Patents

車両用圧力緩和装置

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JPH0723091B2
JPH0723091B2 JP62275761A JP27576187A JPH0723091B2 JP H0723091 B2 JPH0723091 B2 JP H0723091B2 JP 62275761 A JP62275761 A JP 62275761A JP 27576187 A JP27576187 A JP 27576187A JP H0723091 B2 JPH0723091 B2 JP H0723091B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、車両用圧力緩和装置に係り、特に高速でトン
ネル内を走行する鉄道車両に設置して好適な車両用圧力
緩和装置に関するものである。
〔従来の技術〕
従来の換気装置においては、特公昭58−9022号に記載の
ように車内温度に対する外気温度の高低に応じて給気風
量または排気風量を調節し車内圧力変動を抑制する構成
となっていた。しかし、トンネル内で車両がすれ違った
場合のように急激な車外圧力変動に対応させて、給・排
気風量を調節し、それによって車外圧力変動が車内に伝
播するのを防止するというような圧力緩和装置について
は配慮されていなかった。
〔発明が解決しようとする問題点〕
上記従来技術は、車内温度に対する外気温度の高低に応
じて給気風量または排気風量を調節するものであり、車
外圧力の変動に直接対応させる点について配慮がされて
おらず、しかも、温度検知による制御であるために応答
の遅れによる車内圧力の変動、あるいは列車速度向上に
伴うトンネル内走行時の車外圧力変動、特にトンネル内
での対向列車とのすれ違い時に生じる大きな車外圧力変
動については追従できないという問題があった。このよ
うに、給・排気装置の風量調節機能が急激な車外圧力変
動に追従できない場合には、次のような問題が生じる。
すなわち、車外圧力が負圧側に変化すれば、給気装置に
対しては車内外圧力差の増大が風量減を招き、排気装置
に対しては風量増を招く。給気が減少して排気が増加す
れば、車内の圧力は低下し、逆に車外圧力が正圧側に変
化して、給気が増加し排気が減少すれば、車内の圧力は
上昇する。それが許容限界を越えると乗客の耳に不快感
を与える問題があった。
本発明の目的は、車外圧の変動に対して車内の圧力変動
を緩和する車両用圧力緩和装置を提供することにある。
〔問題点を解決するための手段〕
上記目的は、 空気流路を形成するダクトと、該ダクト内に設置される
第1の撓み板、第2の撓み板、第1のストッパ、および
第2のストッパとから構成され、 前記第1の撓み板の板面と前記第2の撓み板の板面とを
対向させて、両者の間に空気流路を形成して配置され、 前記第1の撓み板は、その自由端と前記ダクトの内壁と
の間に隙間を設け、かつ、該自由端が空気流の圧力を受
けて前記第2の撓み板側へ撓むようにその他端を前記ダ
クトの内壁に固定しており、 前記第2の撓み板は、その自由端と前記ダクトの内壁と
の間に隙間を設け、かつ、該自由端が空気流の圧力を受
けて前記第1の撓み板側へ撓むようにその他端を前記ダ
クトの内壁の前記第1の撓み板における自由端の位置に
固定しており、 前記第1のストッパおよび前記第2のストッパは前記第
1の撓み板と前記第2の撓み板との間の空気流路の外側
において、前記第1のストッパを前記第1の撓み板の自
由端側に近接して配置し、前記第2のストッパを前記第
2の撓み板の自由端側に近接して配置すること、 により、達成される。
〔作用〕
撓み板はダクト内で空気流を受けて撓み、該撓み板の撓
む方向に形成された空気流路の面積をダクトの空気流路
面積より狭くすることができる。車外圧の変動が正圧の
場合は一方の撓み板が撓み、負圧の場合は他方の撓み板
が撓む。このため、車外の圧力の正負の急激な変化が車
内に伝播することを抑制することができ、車内の圧力変
動を許容限度内に抑えることができる。
また、第1の撓み板の板面と第2の撓み板の板面とを対
向させて、両者の間に空気流路を形成している。このた
め、撓み板が撓むときは一方側のみであるので、2つの
撓み板を近接して設置で、装置を小型にできるものであ
る。また、空気流路を特別に設置しなくても空気流路を
構成でき、安価に装置を構成できるものである。
例えば、車両がトンネル内を走行中に対向車両と擦れ違
い、第5図の実線C部のように大気圧P0から正圧に急激
に変化する状態となった場合、撓み板が撓んで空気流路
の面積を減少或いは空気流路を塞ぐように動作する。一
方、第5図の実線D部のように負圧に急激に変化する状
態となった場合も同様に撓み板が撓んで空気流路の面積
を減少或いは空気流路を塞ぐように動作する。このよう
な撓み板の動作により、前記車内圧力の変動による給気
装置或いは排気装置の空気流量の急激な変化を空気流路
面積を減少させることにより抑制して、車内の圧力変動
を抑制する。
〔実施例〕
以下、本発明の一実施例を第1図ないし第4図により説
明する。同図において、1は車両の屋根と天井との間に
設置された給気装置で、2は新鮮外気取入れグリル、3
は給気装置1の送風機、4は給気装置1の入口付近に装
着された圧力緩和装置、5は空調ダクト、6は吐出グリ
ル、7は客室、8は車内の汚染空気を車外へ排出するた
めの排出グリル、9は排出ダクト、10は車両の床下に設
置された排気装置、11は排気装置10の送風機、12は排気
装置10の出口付近に装着された圧力緩和装置である。
第1図〜第3図は圧力緩和装置4(または12)の詳細構
造および動作状況を示すものである。同図において、20
は圧力緩和装置4または12に適用される撓み板であっ
て、空気流路をなすダクトの通風路面積を変化させるも
ので、図中点線で示した通常の空気流の上流側に設置さ
れる第1の撓み板20と下流側に設置される第2の撓み板
20とからなる。第1の撓み板20と第2の撓み板20は、空
気流の圧力すなわち空気流から受ける動圧およびその両
面に作用する圧力差を受けるようにダクトの内壁に対し
てほぼ直交して配置され、その自由端とダクトの内壁と
の間に隙間を設け、その他端をダクトの内壁にそれぞれ
対向する位置に固定されている。すなわち、ダクトの内
壁の第1の撓み板20の自由端側の位置に、第2の撓み板
20の他端(固定端)を設置している。また、第1の撓み
板20と第2の撓み板20は、空気の流れ方向について両者
がほぼ重なるように設置されている。第1の撓み板20と
第2の撓み板20の間隔は、一方の撓み板が撓んだ状態
で、両者間に形成される空気流路面積が本圧力緩和装置
を構成するダクトの流路面積よりも狭くなる間隔以下に
形成されていればよい。
21は第1の撓み板20および第2の撓み板20にそれぞれ近
接して設置されたストッパであって、第1の撓み板20に
近接し通常の空気流の上流側に設置された第1のストッ
パ21と第2の撓み板20に近接し通常の空気流の下流側に
設置された第2のストッパ21とからなる。第1のストッ
パ21は、第1の撓み板20が通常の空気流に対して逆流す
る空気流が生じた際に、その移動を防止するものであ
る。第2のストッパ21は、第2の撓み板が通常の空気流
によって下流側へ移動するのを防止するものである。
22は第1の撓み板20および第2の撓み板20に近接して設
置される案内板であって、第1の撓み板20の通常の空気
流の上流側に設置される第1の案内板22および第2の撓
み板20の通常の空気流の下流側に設置される第2の案内
板22とからなる。第1の案内板22は、その先端が第1の
撓み板20の自由端に近接して設置されており、通常の空
気流を図中点線矢印で示すように第1の撓み板20の自由
端側へ導くようにダクト内の空気の流れ方向に対して傾
斜して配置されている。第2の案内板22は、その先端が
第2の撓み板20の自由端に近接して設置されており、逆
流する空気流を第2の撓み板20の自由端側へ導くように
ダクト内の空気の流れ方向に対して傾斜して配置されて
いる。
このように第1の案内板22は、通常の空気流を点線矢印
のように第1の撓み板20の自由端側へ円滑に導くことに
より、撓み板20の前面に発生する渦を減少させ、第1の
撓み板20に作用する圧力差を低減する。これによって第
1の撓み板20の撓み量を減少させるのもである。
このような構成において、その動作状況を説明する。第
1図は、通常の換気状態での圧力緩和装置4(または1
2)の動作状況を示しており、上記送風機3(または1
1)により点線矢印で示すような通常の送風が行なわ
れ、空気流によって第1の撓み板20は撓むが、第1の案
内板によって前記空気流が自由端側へ導かれていること
もあってわずかなものである。
今、給気側に設けられた圧力緩和装置4に対して第2図
中の実線矢印で示す車外の正圧側の圧力変動が作用した
場合(排気側に設置された圧力緩和装置12における車外
の負圧側の圧力変動に相当する)について説明すると、
第1の撓み板20と第2の撓み板20との間の空気流路を流
れる空気の流速が上昇する。したがって、空気流から受
ける動圧と第1の撓み板20の第1のストッパ21側の面と
空気流路側の面とでは作用する圧力に大きな差が生じる
ため、該第1の撓み板20は第2の撓み板20側へ撓むこと
になる。これにより、第1の撓み板20と第2の撓み板20
との間に形成される空気流路面積を減少或いは、第1の
撓み板20の自由端が第2の撓み板20に接触した状態で前
記空気流路を塞ぐことになる。
第1の撓み板20と第2の撓み板20との間に形成される空
気流路面積が減少した場合、空気流から受ける動圧およ
び第1の撓み板20の両面に作用する圧力差と該第1の撓
み板20の反発力がバランスする位置へ該第1の撓み板20
は移動する。すなわち、空気流に流速の変動がある場
合、この変動に対応して第1の撓み板20は移動しなが
ら、空気流路を狭めている。
また、第1の撓み板20と第2の撓み板20との間に形成さ
れる空気流路を塞いだ場合には、第1の撓み板20の空気
流の上流側と下流側との圧力差と該第1の撓み板20の反
発力との関係で、前記圧力差の方が大きい場合は塞いだ
ままであり、反発力の方が大きくなれば第2の撓み板20
から離れる。このように第1の撓み板20が第2の撓み板
20から離れると、空気流からの動圧および両面の圧力差
と反発力とのバランス度圧によって第1の撓み板20は挙
動するが、空気流は常に変動していることから、自励振
動が発生する。そして、前記バランス状態が前記空気流
の変動域すなわち自励振動域からずれるまで自励振動が
続くことになる。
したがって、前記車外の圧力変動によって生じる第1の
撓み板20と第2の撓み板20との間の空気流路面積の減少
によって、車外圧力の変動によって生じる空気流量の増
大を抑制することができる。車内の圧力は給気側と排気
側の空気流量の差によって変化するため、前記空気流量
の増加を抑制することによって車内圧力変化を抑えるこ
とができる。
一方、給気側に設けられた圧力緩和装置4に対し第3図
中実線矢印で示す車外の負圧の圧力変動が作用した場合
(排気側に設けられた圧力緩和装置12の場合、車外の正
圧側の圧力変動に相当する)について説明すると、、車
外圧力変動によって通常の空気流が逆流し、該逆流する
空気流からの圧力により第2の撓み板20は、第1の撓み
板20側へ撓むことになる。そして、第2の撓み板20によ
って第1の撓み板20との間に形成される空気流路を減少
或いは塞ぐことになる。これにより、車内の急激な圧力
変動を防止することができる。また、第2の撓み板20も
その自由端が第2の撓み板20に接近した際に自励振動を
生じる自励振動域を有しているが、第1の撓み板20より
もその範囲は狭い。
第1の案内板22は、通常の空気流に対して傾斜して設け
られ、かつ、その表面を凹形に形成しており、空気流を
第1の撓み板20の自由端側へ導く構造となっている。該
第1の案内板22によって、第1の撓み板20を設置したこ
とによるダクトの流路抵抗を減少させ、空気流から第1
の撓み板20が受ける風圧を減少させている。すなわち、
第1の案内板22は、第1の撓み板20の空気流によって撓
む量を低減させ、第1の撓み板20の動作範囲を自励振動
域外として、第1の撓み板20を自励振動域まで撓ませな
いようにするものである。したがって、案内板22によっ
て第1の撓み板の自励振動を防止することができるもの
である。
また、第2の案内板22は、通常の空気流に対して逆流す
る空気流によって第2の撓み板20が撓む際に、その撓み
量を自励振動域外とすることができ、該第2の撓み板20
の自励振動を防止することができる。
このような構造の圧力緩和装置4,12を給気装置1の入口
付近すなわち車外側および排気装置10の出口付近すなわ
ち車外側に設けることにより、車外圧力変動が生じた場
合における車内および車外間で給排気される空気流量の
偏差を極力抑えることができる。したがって、車内の圧
力変動を第5図中の点線で示すように抑制することがで
きるため、乗客へ与える不快感をなくしてサービス向上
が図れる。
撓み板の部分で空気流路が屈折しているので、圧力損失
を大きくすることができ、撓み板を容易に撓ませること
ができるものである。このため、撓み板の自由端とダク
ト内壁との間の空気流路を大きくでき、圧力騒音の発生
等を少なくできるものである。
また、第1の撓み板の板面と第2の撓み板の板面とを対
向させて、両者の間に空気流路を形成している。このた
め、撓み板が撓むときは一方側のみであるので、2つの
撓み板を近接して設置で、装置を小型にできるものであ
る。また、空気流路を特別に設置しなくても空気流路を
構成でき、安価に装置を構成できるものである。
〔発明の効果〕
以上説明したように本発明によれば、車外圧力変動が作
用した際に、前記正圧、負圧に対応して設置した撓み板
によって空気流路面積を狭めるので、車内外間の空気流
量の変動を抑え、車内の圧力変動を抑制することができ
るものである。また、装置を小型、安価にできるもので
ある。
【図面の簡単な説明】
第1図,第2図および第3図は本発明による圧力緩和装
置の一実施例における動作状況を示す斜視図、第4図は
第1図に示した圧力緩和装置の配置を示す車体幅方向断
面図、第5図は車外圧力変動の状況を示すグラフであ
る。 1……給気装置、4,12……圧力緩和装置、 10……排気装置、20……撓み板、21……ストッパ、 22……案内板

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】空気流路を形成するダクトと、該ダクト内
    に設置される第1の撓み板、第2の撓み板、第1のスト
    ッパ、および第2のストッパとから構成され、 前記第1の撓み板の板面と前記第2の撓み板の板面とを
    対向させて、両者の間に空気流路を形成して配置され、 前記第1の撓み板は、その自由端と前記ダクトの内壁と
    の間に隙間を設け、かつ、該自由端が空気流の圧力を受
    けて前記第2の撓み板側へ撓むようにその他端を前記ダ
    クトの内壁に固定しており、 前記第2の撓み板は、その自由端と前記ダクトの内壁と
    の間に隙間を設け、かつ、該自由端が空気流の圧力を受
    けて前記第1の撓み板側へ撓むようにその他端を前記ダ
    クトの内壁の前記第1の撓み板における自由端側の位置
    に固定しており、 前記第1のストッパおよび前記第2のストッパは前記第
    1の撓み板と前記第2の撓み板との間の空気流路の外側
    において、前記第1のストッパを前記第1の撓み板の自
    由端側に近接して配置し、前記第2のストッパを前記第
    2の撓み板の自由端側に近接して配置したこと、 を特徴とする車両用圧力緩和装置。
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