JPH0723039Y2 - ブラシレスモータの位置検出装置 - Google Patents

ブラシレスモータの位置検出装置

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JPH0723039Y2
JPH0723039Y2 JP1988131629U JP13162988U JPH0723039Y2 JP H0723039 Y2 JPH0723039 Y2 JP H0723039Y2 JP 1988131629 U JP1988131629 U JP 1988131629U JP 13162988 U JP13162988 U JP 13162988U JP H0723039 Y2 JPH0723039 Y2 JP H0723039Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案はブラシレスモータの位置検出装置に関する。
〔従来の技術〕
ブラシレスモータの位置検出装置は一般に第5図に示す
ようにブラシレスモータのロータの位置をホール素子1
により検出し、このホール素子1を過大な電圧より保護
するためにホール素子1と電源Vcc,アースとの間に抵抗
2,3を直列に挿入している。例えば第6図に示すように
抵抗2,3は180Ωの抵抗が用いられ、ホール素子1は並列
に接続された3つのホール素子11,12,13により構成さ
れる。
また実開昭62−188977号公報には第8図に示すようにホ
ール素子1と並列に抵抗4を接続したものが記載されて
いる。このブラシレスモータの位置検出装置ではホール
素子1の入力抵抗値のバラツキや、温度による変化が抵
抗4の追加により抑えられ、ホール素子1の出力電圧の
温度特性が改善される。
更に特開昭51−25716号公報には第9図に示すように抵
抗5及びツェナーダイオード6を直流電源の端子(+)
(−)間に直列に接続してツェナーダイオード6と並列
に抵抗7及びダイオード8,9の直列回路を接続すると共
に、ダイオード8と並列に抵抗10,11の直列回路を接続
して定電圧回路を構成し、直流電源の端子(+)(−)
間に抵抗12,トランジスタ13及び上記ホール素子1を直
列に接続してトランジスタ13のベースを抵抗10,11の接
続点に接続したものが記載されている。このブラシレス
モータの位置検出装置ではトランジスタ13のベース・エ
ミッタ間電圧Vbeの温度特性がダイオード8,9の順方向電
圧の温度特性でキャンセルされ、トランジスタ13のベー
スには常に定電圧回路により一定の電圧が印加されてい
る。温度上昇によりホール素子1の入力抵抗値が減少す
ると、ホール素子1の入力電圧が減少するが、トランジ
スタ13のベース電圧が一定であるから瞬時にホール素子
1の入力電流IHが増加しホール素子1の入力電圧が元の
値に復帰して一定に保たれる。したがって、温度変化に
関係なくホール素子1の入力電圧が一定に保たれる。
〔考案が解決しようとする課題〕
第5図のブラシレスモータの位置検出装置ではホール素
子1の入力抵抗値がバラツキと温度特性を持っているの
で、ホール素子1の出力電圧がばらついたり周囲温度に
より大きく変化したりする。第6図のブラシレスモータ
の位置検出装置をブラシレスモータにおけるロータマグ
ネットの位置検出に用いた場合ホール素子1の出力電圧
は第7図に示すような温度特性を持った。このホール素
子1の出力電圧VHは次式(1)で表わされ、 ホール素子1の入力抵抗値RHは負の温度特性を持ってい
て通常のカーボン抵抗に比べて温度変化による抵抗値変
化が1桁以上大きく、240〜560Ωの範囲で各ホール素子
1によりばらつく。180Ωの固定抵抗2,3の温度特性は一
般にホール素子1の入力抵抗値RHの温度特性に比べて無
視できる。(1)式を書きなおすと、 となり、ホール素子1の入力抵抗値RHが小さければホー
ル素子1の出力電圧VHも小さくなる。このようにホール
素子1の出力電圧VHはホール素子1の入力抵抗値RHの変
化の影響を受けることがわかる。ホール素子1をブラシ
レスモータにおけるロータマグネットの位置検出に用い
た場合にはホール素子1の入力抵抗値RHの負の温度特性
と,ロータマグネットの磁界の負の温度特性によりホー
ル素子1の出力電圧は第7図のように大きな負の温度特
性を持ってしまう。このため、ソフトスイッチング,正
弦波通電などを行うリニア通電方式のブラシレスモータ
においてこのホール素子のバイアス回路を採用したブラ
シレスモータの位置検出装置によりロータ位置を検出す
る場合にはホール素子1の出力電圧の変化によりブラシ
レスモータのリニア通電がスイッチング通電に近づいた
りブラシレスモータの回転数対トルク特性が変化したり
することになり、リニア通電のメリットが損なわれるの
みならずブラシレスモータの重大な欠陥となる。
第8図のブラシレスモータの位置検出装置ではホール素
子1の入力抵抗値の変化によるホール素子入力電圧VH
変化を抵抗4の追加で完全に抑えることができないの
で、ホール素子1の出力電圧を一定にすることができな
い。またブラシレスモータにおけるロータマグネットの
磁界の温度特性によりホール素子1の出力電圧が影響さ
れて変化する。したがって、このホール素子のバイアス
回路はリニア通電方式のブラシレスモータに使用するに
はまだ不十分である。
また第9図のブラシレスモータの位置検出装置ではホー
ル素子1の入力電圧が温度に影響されなくなるが、ブラ
シレスモータのロータマグネットが負の温度特性を持つ
ので、高温になると、ロータマグネットの磁束が減って
ホール素子1の出力電圧が減少し、低温になると、ロー
タマグネットの磁束が増えてホール素子1の出力電圧が
増加する。このため、ホール素子1の出力電圧が温度特
性を持ってしまうことになり、温度特性の改善が不十分
である。つまり、ロータマグネットは温度特性が例えば
フェライト系マグネットであれば−0.2%/℃、Sm・Co
系マグネットであれば−0.03%/℃、Nd・Fe系マグネッ
トであれば−0.13%/℃であり、トランジスタ13のベー
ス・エミッタ間電圧Vbeの温度特性がダイオード8,9の順
方向電圧の温度特性でキャンセルされてしまっているの
で、ホール素子1の入力電圧VHは温度に影響されなくな
り、ホール素子1の出力電圧VOはロータマグネットの温
度変化による磁束変化の影響を受けてしまう。すなわ
ち、ホール素子1が温度に無関係な磁界を受けていると
すれば、このブラシレスモータの位置検出装置のように
ホール素子1の出力電圧を温度変化に影響されないよう
にするためにホール素子1の入力電圧を温度変化で変化
しないようにすればよいが、ホール素子1が受けるロー
タマグネットの磁束は温度変化に伴って変化するので、
ホール素子1の入力電圧を温度変化に影響されないよう
にしただけではロータマグネットの磁束の温度による変
化の影響を受け、ホール素子1の出力電圧VOが第12図に
示すように例えば−0.2%/℃の温度特性を持つことに
なってしまう。
本考案は上記欠点を改善し、ホール素子入力抵抗値のバ
ラツキや温度特性,ロータマグネットの磁束の温度特性
がホール素子の出力電圧に影響しなくて安定したホール
素子の出力電圧を得ることができるブラシレスモータの
位置検出装置を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
上記目的を達成するため、本考案は、多極着磁されたロ
ータマグネットと、ステータコイルと、上記ロータマグ
ネットの回転位置を検出するホール素子とを備えたブラ
シレスモータにおいて、電源間に第1の分圧端子と第2
の分圧端子とを有する抵抗分圧回路を形成し、上記第1
の分圧端子に第1のトランジスタのベースを接続し、上
記第2の分圧端子に第2のトランジスタのベースを接続
して定電圧回路を構成すると共に、上記ホール素子の2
つの電流制御端子を各々上記第1のトランジスタのエミ
ッタ及び上記第2のトランジスタのエミッタに接続した
ものである。
〔作用〕
抵抗分圧回路により電源電圧が分圧されて抵抗分圧回路
の第1の分圧端子の電圧と第2の分圧端子の電圧が第1
のトランジスタのベースと第2のトランジスタのベース
に印加され、第1のトランジスタのエミッタ及び第2の
トランジスタのエミッタから得られる電圧がホール素子
の電流制御端子に印加されてホール素子の出力電圧がホ
ール素子入力抵抗値のバラツキや温度特性に影響されな
くなる。また、第1のトランジスタ及び第2のトランジ
スタのベース・エミッタ間電圧が温度変化で変化するの
で、ホール素子の入力抵抗値がロータマグネットの磁束
が温度により変化しても、ホール素子の出力電圧が温度
変化で変化しない。
〔実施例〕
第1図は本考案の一実施例を示す。
抵抗分圧回路を構成する固定抵抗11,12,13が直流電源Vc
cとアースとの間に直列に接続され、かつトランジスタ1
4,ホール素子15及びトランジスタ16が直流電源Vccとア
ースとの間に直列に接続される。トランジスタ14のベー
スは抵抗11,12の接続点(抵抗分圧回路の分圧端子)に
接続され、トランジスタ16のベースは抵抗12,13の接続
点(抵抗分圧回路の分圧端子)に接続される。抵抗11,1
2,13は抵抗分圧回路を構成し、トランジスタ14,16のエ
ミッタがホール素子15の電流制御端子に接続される。第
2図に示すように抵抗11,12,13は例えば1.2KΩ,2.7KΩ,
1.2KΩの抵抗が用いられる。またホール素子15はリニア
通電方式のブラシレスモータにおいて、例えば回転方向
へ多極着磁されているロータマグネットの回転方向へ所
定の間隔で配列された複数のホール素子151,152,153
が並列に接続されたものにて構成される。
電源電圧が抵抗11,12,13で分圧されてトランジスタ14,1
6のベースに印加され、ホール素子15は電源よりトラン
ジスタ14,16を通して電流が流れる。このホール素子15
はブラシレスモータにおけるロータマグネットの磁束を
検出することによりロータマグネットの回転位置を検出
し、出力電圧の温度特性が第3図に示すようになる。第
5図ではホール素子は温度が上昇すると、入力抵抗値RH
が減少して入力電圧VHが減少し、出力電圧Voutが減少し
てVHocVoutとなるが、第1図では、トランジスタ14,16
のベース・エミッタ間電圧をVbe、抵抗11の抵抗値を
a、抵抗12の抵抗値をb、抵抗13の抵抗値をcとする
と、ホール素子15の入力電圧VHは次式(2)で表わされ
る。
この(2)式よりホール素子15の入力電圧VHはホール素
子15の入力抵抗値RHの変化に影響されないことがわか
る。また、(2)式中のVbeは一般に約−2mV/℃の温度
特性を持ち、高温でVHが増加する傾向にある。したがっ
て、高温でロータマグネットの磁界が低下してもVHが増
加することによりホール素子15の出力電圧が一定に保た
れる。低温でも同様にロータマグネットの磁界が増えて
もVHが低下することによりホール素子15の出力電圧が一
定に保たれる。このホール素子15の出力電圧は実際に第
3図に示すように0℃〜60℃の間でほぼ一定値に保たれ
た。
この実施例によれば上述のようにホール素子15の入力電
圧VHは(2)式で表わされる。この(2)式よりホール
素子15の入力電圧VHはホール素子15の入力抵抗値RHの影
響を受けないけれども、トランジスタ14,16のベース・
エミッタ間電圧Vbeの影響を受けることがわかる。トラ
ンジスタ14,16のベース・エミッタ間電圧Vbeは−2mV/℃
の負の温度特性を持ち、高温では減少して低温では増加
する。よって、(2)式よりホール素子15の入力電圧VH
はトランジスタ14,16のベース・エミッタ間電圧Vbeの変
化に伴って高温で増加して低温で減少するという正の温
度特性を持つことになる。また、前述したようにブラシ
レスモータのロータマグネットは負の温度特性を持つ。
このため、もしホール素子15の入力電圧VHの温度特性が
平坦ならばホール素子15の出力電圧はロータマグネット
の温度特性分だけ温度特性を持ってしまうが、ホール素
子15の入力電圧VHに上記正の温度特性を持たせたことに
よりこの正の温度特性でロータマグネットの温度特性が
打ち消されてホール素子15の出力電圧の温度特性が無く
なり、ホール素子15の出力電圧が温度やホール素子15の
入力抵抗値のバラツキに影響されなくなる。また、電源
間に抵抗11〜13を直列に接続して抵抗分圧回路を形成
し、抵抗11,12の接続点にトランジスタ14のベースを接
続し、抵抗12,13の接続点にトランジスタ16のベースを
接続してトランジスタ14,16のコレクタを電源とアース
に接続することにより定電圧回路を構成すると共に、ホ
ール素子15の2つの電流制御端子を各々トランジスタ1
4,16のエミッタに接続したので、抵抗分圧回路の各分圧
比を1:1にすれば(抵抗11,13の値を等しくすれば、)ホ
ール素子15のDCレベルは1/2Vcc(Vcc:電源電圧)とな
り、電源とアースのいずれか一方に偏らないホール素子
出力が得られる。また、抵抗分圧回路の各分圧比の比率
を変えてホール素子15のDCレベルを任意の値にすること
ができる。このため、ホール素子15の出力を受ける回路
に応じてホール素子15のDCレベルを任意に設定すること
が可能となり、応用範囲が非常に広くなる。
第4図は上記ホール素子15を用いたブラシレスモータの
一例を示す。
この例はステータコア17の周面突極にロータマグネット
18が対向する周面対向型ブラシレスモータであり、ロー
タマグネット18は円筒状であって、回転方向へ偶数極に
着磁されている。軸19は軸受ホルダー20により回転自在
に保持され、ロータマグネット18が軸19と一体に設けら
れてロータが構成されている。ステータコア17にはステ
ータコイル21が巻装されてステータが構成され、ステー
タコア17及び軸受ホルダー20,ホール素子15,IC(集積回
路)により構成されているモータ駆動回路23が回路基板
22に取付けられている。
このブラシレスモータではロータマグネット18の磁極が
ホール素子15により検出され、モータ駆動回路23がホー
ル素子15の出力信号に基づいてステータコイル21に通電
してロータを回転させる。このモータ駆動回路23は周知
のものである。
なお、本考案は上記実施例に限定されず、例えば平面対
向型を含む全てのブラシレスモータに適用することがで
きる。
〔考案の効果〕
以上のように本考案によれば、多極着磁されたロータマ
グネットと、ステータコイルと、上記ロータマグネット
の回転位置を検出するホール素子とを備えたブラシレス
モータにおいて、電源間に第1の分圧端子と第2の分圧
端子とを有する抵抗分圧回路を形成し、上記第1の分圧
端子に第1のトランジスタのベースを接続し、上記第2
の分圧端子に第2のトランジスタのベースを接続して定
電圧回路を構成すると共に、上記ホール素子の2つの電
流制御端子を各々上記第1のトランジスタのエミッタ及
び上記第2のトランジスタのエミッタに接続したので、
ホール素子入力抵抗値のバラツキや温度特性,ロータマ
グネットの磁束の温度特性がホール素子の出力電圧に影
響しなくて安定したホール素子の出力電圧を得ることが
でき、リニア通電方式のブラシレスモータに使用した場
合のリニア通電方式のメリットを損なうこと無く常に安
定したモータ特性を維持することができる。さらに、抵
抗分圧回路の各分圧比を1:1にすれば、ホール素子のDC
レベルは電源電圧の1/2となり、電源側とアース側のい
ずれか一方に偏らないホール素子出力が得られる。ま
た、抵抗分圧回路の各分圧比の比率を変えてホール素子
のDCレベルを任意の値にすることができる。このため、
ホール素子の出力を受ける回路に応じてホール素子のDC
レベルを任意に設定することが可能となり、応用範囲が
非常に広くなる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の一実施例を示す回路図、第2図は同実
施例を具体的に示す回路図、第3図は同実施例における
ホール素子出力電圧の温度特性を示す特性図、第4図は
同実施例を用いたブラシレスモータの一例を示す断面
図、第5図は従来のブラシレスモータの位置検出装置を
示す回路図、第6図は同位置検出装置を具体的に示す回
路図、第7図は同位置検出装置におけるホール素子出力
電圧の温度特性を示す特性図、第8図及び第9図はそれ
ぞれ従来の他のブラシレスモータの位置検出装置を示す
回路図、第10図は第9図の位置検出装置におけるホール
素子出力電圧の温度特性を示す特性図である。 11,12,13……抵抗分圧回路用抵抗、14……第1のトラン
ジスタ、16……第2のトランジスタ、15……ホール素
子。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】多極着磁されたロータマグネットと、ステ
    ータコイルと、上記ロータマグネットの回転位置を検出
    するホール素子とを備えたブラシレスモータにおいて、
    電源間に第1の分圧端子と第2の分圧端子とを有する抵
    抗分圧回路を形成し、上記第1の分圧端子に第1のトラ
    ンジスタのベースを接続し、上記第2の分圧端子に第2
    のトランジスタのベースを接続して定電圧回路を構成す
    ると共に、上記ホール素子の2つの電流制御端子を各々
    上記第1のトランジスタのエミッタ及び上記第2のトラ
    ンジスタのエミッタに接続してなるブラシレスモータの
    位置検出装置。
JP1988131629U 1988-10-07 1988-10-07 ブラシレスモータの位置検出装置 Expired - Lifetime JPH0723039Y2 (ja)

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JPH0253293U JPH0253293U (ja) 1990-04-17
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