JPH07230053A

JPH07230053A - 光偏向装置

Info

Publication number: JPH07230053A
Application number: JP4184194A
Authority: JP
Inventors: Toshiro Tomono; 俊郎友野
Original assignee: Canon Inc
Current assignee: Canon Inc
Priority date: 1994-02-16
Filing date: 1994-02-16
Publication date: 1995-08-29

Abstract

(57)【要約】【目的】高速回転中の回転多面鏡の振動を防ぐ。【構成】回転多面鏡１はロータマグネット３と一体で
あるヨーク４とともに軸２のフランジ部材２ａに締結さ
れる。回転多面鏡１はフランジ部材２ａの上面に支持さ
れ、回転多面鏡１の貫通孔１ｂに圧入されるテーパ状の
頭部を有するねじ５ａによって堅固にフランジ部材２ａ
の上面に締結されるため、回転多面鏡１を高速回転させ
ても回転不均衡を生じて振動を起すおそれがない。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、レーザファクシミリ、
レーザプリンタ、デジタル複写機等の画像形成装置に用
いられる光偏向装置に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】レーザプリンタ、レーザファクシミリ、
デジタル複写機等に用いられる光偏向装置は、外周面に
複数の鏡面を有する回転多面鏡にレーザ光等の照明光を
照射し、その反射光を結像レンズ系を経て回転ドラム上
の感光体に結像させるもので、感光体に結像する照明光
は、回転多面鏡の回転による主走査と回転ドラムの回転
による副走査によって感光体表面に静電潜像を形成す
る。回転多面鏡を回転させるモータは、回転多面鏡と一
体的に設けられたロータマグネットと、回転多面鏡と一
体である軸を支承する軸受と一体的に設けられたステー
タコイルからなり、ステータコイルに駆動電流を供給す
ることで軸と回転多面鏡とロータマグネットが一体的に
回転するように構成されている。

【０００３】回転多面鏡と軸とロータマグネットは、図
６に示すように、ねじを用いて一体的に結合するのが一
般的である。すなわち、回転多面鏡１０１は、一端にフ
ランジ部材１０２ａを有する軸１０２を遊嵌させる中心
穴１０１ａと、そのまわりに周方向に等間隔で配設され
た複数の貫通孔１０１ｂを有し、また、ロータマグネッ
ト１０３は、回転多面鏡１０１の中心穴１０１ａと整合
自在である中心穴１０４ａと回転多面鏡１０１の各貫通
孔１０１ｂと整合自在であるねじ穴１０４ｂを有するヨ
ーク１０４に支持されており、図７に示すように、回転
多面鏡１０１とヨーク１０４の中心穴１０１ａ，１０４
ａを整合させて軸１０２を挿通し、回転多面鏡１０１の
各貫通孔１０１ｂをヨーク１０４のねじ穴１０４ｂと整
合させたうえで、フランジ部材１０２ａを貫通するねじ
１０５を各ねじ穴１０４ｂに螺合して締めつけること
で、回転多面鏡１０１とフランジ部材１０２ａとヨーク
１０４を締結する。このように、ねじ１０５を用いて回
転多面鏡１０１とヨーク１０４すなわちロータマグネッ
ト１０３を軸１０２に堅固に一体化する方法は、特に回
転多面鏡１０１が大型である場合や１０，０００〜２
０，０００ｒｐｍの高速度で回転させる場合に数多く採
用されている。

【０００４】軸１０２を支承する軸受１０６は、軸１０
２の図示下半部１０２ｂを収容する円筒状の開口１０６
ａを有し、その円筒壁には公知の動圧発生用の溝（図示
せず）が形成されており、軸受１０６と一体であるステ
ータコイル１０７に駆動電流が供給されてロータマグネ
ット１０３と回転多面鏡１０１と軸１０２が一体的に回
転したとき、前記溝に吸いこまれる空気の動圧によって
軸１０２が開口１０６ａの円筒壁と底壁から浮上し、円
筒壁と軸１０２の開には径方向の隙間寸法ｅを有する円
筒状のラジアル軸受間隙１０６ｂが形成され、開口１０
６ａの底壁と軸１０２の間には軸方向の隙間寸法ｈを有
するスラスト軸受間隙１０６ｃが形成される。このよう
に軸受１０６は軸１０２を非接触で支持するため、摩擦
によるエネルギーロスや摩耗等による精度低下のおそれ
もない。従って前述のような極めて高い回転速度で回転
多面鏡１０１を回転させることができる。

【０００５】また、回転多面鏡１０１は軽量化および鏡
面化のための加工性の観点からアルミニウム合金で製作
され、これと一体であるフランジ部材１０２ａおよびね
じ１０５は、高剛性でしかも入手が容易である鉄系金属
で製作するのが一般的である。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら上記従来
の技術によれば、前述のように、回転多面鏡はアルミニ
ウム合金、軸やこれと一体であるフランジ部材およびね
じは鉄系合金で作られており、アルミニウム合金と鉄系
合金の線膨張係数は一般にそれぞれ２．４×１０^-5／
℃、１．２×１０^-5／℃であるために、モータの発熱に
よって回転多面鏡や軸の温度が上昇したときの回転多面
鏡の膨張量は軸やフランジ部材の約２倍であり、従っ
て、フランジ部材に対する回転多面鏡の締結力が弱いと
回転多面鏡の中心穴が周方向に不均一に縮小して軸に接
触し、その結果、軸の回転中心がずれて回転不均衡によ
る著しい振動が発生する。また、前記ねじはこれを貫通
させる回転多面鏡の貫通孔に遊合しているため、回転多
面鏡が高速度で回転すると遠心力によって前記貫通孔内
でねじが移動し、その結果、回転多面鏡と軸の相対位置
が変化して上記と同様の振動が発生し、加えて、回転多
面鏡の位置ずれのために光偏向装置の光学精度が低下す
るおそれもある。

【０００７】本発明は、上記従来の技術の有する問題点
に鑑みてなされたものであり、回転多面鏡を高速回転さ
せたときのモータの発熱による回転多面鏡の熱膨張ある
いは回転多面鏡に作用する遠心力によって振動が発生し
たり光学精度が低下するおそれのない光偏向装置を提供
することを目的とするものである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め本発明の光偏向装置は、駆動手段によって回転される
回転体と、少なくとも１個の開口を備えておりこれを貫
通する締結部材によって前記回転体の上面に締結された
回転多面鏡を有し、前記締結部材がテーパ部分を備えて
おり、該テーパ部分が前記回転多面鏡の前記開口に圧入
されていることを特徴とする。

【０００９】回転体の下面に駆動手段の少なくとも一部
分が締結されているとよい。

【００１０】また、締結部材が回転体に駆動手段を締結
する手段を兼ねているとよい。

【００１１】また、回転体と回転多面鏡が略同じ線膨張
係数を有するとよい。

【００１２】

【作用】上記装置によれば、回転多面鏡が回転体の上面
に締結されているために下面に支持された場合に比べて
少ない締結力で堅固に回転多面鏡と回転体を締結させる
ことができる。加えて、回転多面鏡を回転体に締結する
締結部材がテーパ部分を有し、該テーパ部分が回転多面
鏡の開口に圧入されているため、回転多面鏡を高速回転
させたときに遠心力のために回転多面鏡の開口内で締結
部材が移動して回転多面鏡に位置ずれが発生するおそれ
がない。従って、回転多面鏡を高速回転させたときの遠
心力やモータの発熱による熱膨張のために振動を発生し
たり、光学精度が低下するおそれがない。

【００１３】

【実施例】本発明の実施例を図面に基づいて説明する。

【００１４】図１は一実施例による光偏向装置の主要部
を示すもので、これは、多角柱状の外周面に複数の鏡面
１１を有する回転多面鏡１を有し、各鏡面１１にレーザ
光等の照明光を照射し、その反射光を図示しない結像レ
ンズ系を経て回転ドラム上の感光体に結像させ、回転多
面鏡の回転による主走査と回転ドラムの回転による副走
査によって感光体表面に静電潜像を形成するものであ
る。回転多面鏡１は、軸２を遊嵌させる中心穴１ａと、
そのまわりに周方向に等間隔で配設された３個の開口で
ある貫通孔１ｂを有し、軸２と一体的に設けられた回転
体であるフランジ部材２ａの図示上面に支持され、フラ
ンジ部材２ａの下面にはロータマグネット３と一体であ
りこれとともに駆動手段の一部を構成するヨーク４が当
接される。ヨーク４は回転多面鏡１の中心穴１ａと同様
に中心穴４ａを有し、また、ヨーク４の中心穴４ａのま
わりには同方向に等間隔で３個の貫通孔４ｂが設けられ
ている。

【００１５】軸２のフランジ部材２ａは、回転多面鏡１
の各貫通孔１ｂに整合自在である第１のねじ穴２ｂと、
ヨーク４の各貫通孔４ｂに整合自在である第２のねじ穴
２ｃを有し、回転多面鏡１は、その貫通孔１ｂを貫通す
る締結部材である第１のねじ５ａをフランジ部材２ａの
第１のねじ穴２ｂに螺合して締めつけることでフランジ
部材２ａの上面に締結され、ヨーク４はその貫通孔４ｂ
を貫通する第２のねじ５ｂをフランジ部材２ａの第２の
ねじ穴２ｃに螺合して締めつけることでフランジ部材２
ａの下面に締結される。すなわち、回転多面鏡１とヨー
ク４は第１および第２のねじ５ａ，５ｂによってフラン
ジ部材２ａと一体的に結合され、その結果、回転多面鏡
１とロータマグネット３が軸２と一体化される。

【００１６】また、軸２の図示下半部２ｄは軸受６の円
筒状の開口６ａに収容され、開口６ａの円筒壁６ｂには
従来例と同じく動圧発生用の溝（図示せず）が形成され
ている。軸受６の外側に一体的に設けられたステータコ
イル７に駆動電流が供給されるとロータマグネット３と
回転多面鏡１と軸２が一体的に回転し、軸２が回転する
とその下半部２ｄが前記動圧発生溝に吸いこまれた空気
の動圧によって軸受６の円筒壁６ｂと底壁６ｃから浮上
し、その結果、軸受６は非接触で軸２を支持する。な
お、回転多面鏡１は中心穴１ａと同心的に配設された環
状溝１ｃを有し、これにバランスウエイトを接着するこ
とで回転多面鏡１の回転不均衡を解消できるように構成
されている。

【００１７】第１および第２のねじ５ａ，５ｂは、それ
ぞれ図３に拡大して示すように、テーパ部分であるテー
パ状の頭部５１と、外周面に雄ねじ５２ａを有する軸部
５２からなり、軸部５２は回転多面鏡１またはヨーク４
の貫通孔１ｂ，４ｂを貫通し、雄ねじ５２ａはフランジ
部材２ａのねじ穴２ｂ，２ｃに螺合する。頭部５１のテ
ーパ面５１ａは回転多面鏡１またはヨーク４の貫通孔１
ｂ，４ｂに圧入され、各ねじ５ａ，５ｂを締めつけると
回転多面鏡１とヨーク４がそれぞれフランジ部材２ａの
上面と下面に強く圧接されて接触面の摩擦を増大させる
結果となり、従来例のようにねじの頭部が平らである場
合に比べて締結力が大幅に向上し、加えて、ねじ５ａ，
５ｂが回転多面鏡１とヨーク４のそれぞれの貫通孔１
ｂ，４ｂ内で移動するおそれがない。従って、回転多面
鏡１を高速回転させても高速回転中に回転多面鏡１と軸
２の間の相対位置が変化して光偏向装置の精度が低下し
たり、回転不均衡によって振動を発生するおそれがな
い。また、モータの発熱によって回転多面鏡１の温度が
上昇しこれに伴って回転多面鏡１が膨張しても、前述の
ように、回転多面鏡１とフランジ部材２ａの間の締結力
が大であるために、回転多面鏡１の中心穴１ａが不均衡
に縮小するおそれがないうえに、各ねじ５ａを締めつけ
たときにその頭部５１のテーパ面５１ａによって貫通孔
１ｂが拡大され、これに伴って回転多面鏡１の中心穴１
ａがわずかに局部的に縮小して軸２の外表面に当接さ
れ、その結果、回転多面鏡１と軸２が堅固に一体化され
るため、従来例のように軸２の回転中心がずれて回転不
均衡による振動を発生するおそれもない。

【００１８】図４は、図１の回転多面鏡に直径３．５ｍ
ｍの貫通孔を３個設けてその上端の面取り量を０．３ｍ
ｍとし、各貫通孔を貫通するねじにテーパ角６０゜の頭
部を設けこれによって回転多面鏡を軸のフランジ部材に
締結したものを、停止状態から２０，０００ｒｐｍまで
加速し、再び停止させるサイクルを繰返して回転多面鏡
の重心の移動（偏重心距離）を調べる耐久テストを行
い、その結果をグラフ（ａ）で示し、グラフ（ｂ）で示
す従来例と比較した結果を示すものである。この図か
ら、本実施例による回転多面鏡は高速度で回転させても
重心の変化がわずかであり、回転不均衡を発生するおそ
れが極めて少ないことが解る。

【００１９】なお、前記テーパ角を９０°より小さくす
るほど締結力を大きくすることができることは言うまで
もない。

【００２０】本実施例においては、回転多面鏡とヨーク
がそれぞれ３個ずつのねじによってフランジ部材に締結
されているが、ねじの数は３個に限らず、いくつでもよ
い。

【００２１】図５は本実施例の一変形例を示すもので、
本実施例のように回転多面鏡とヨークを個別のねじによ
って軸のフランジ部材に締結する替わりに、回転多面鏡
１とヨーク４のそれぞれの貫通孔１ｂ，４ｂとフランジ
部材２ａの貫通孔２２ｂを貫通する長尺のねじ２５ａと
これに螺合するナット２５ｂによって回転多面鏡１とヨ
ーク４をフランジ部材２２ａに締結するものである。ね
じ２５ａは前述と同様のテーパ状の頭部２５１ａを有
し、また、ナット２５ｂは回転多面鏡１の貫通孔１ｂに
圧入されるテーパ面２５１ｂを有し、図３のねじ５ａの
頭部５１と同様の働きをする。

【００２２】

【発明の効果】本発明は上述のように構成されているの
で、以下に記載するような効果を奏する。

【００２３】回転多面鏡を高速回転させたときに、遠心
力やモータの発熱による熱膨張のために振動を発生した
り光学精度が低下するおそれのない光偏向装置を実現で
きる。その結果、高性能で高速運転に適した画像形成装
置を実現できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】一実施例の主要部を示す模式部分断面図であ
る。

【図２】図１の装置を分解した状態で示す分解図であ
る。

【図３】図１の装置の一部分を拡大して示す部分拡大図
である。

【図４】本実施例と従来例の耐久テストの結果を示すグ
ラフである。

【図５】一変形例の主要部を示す模式部分断面図であ
る。

【図６】従来例を示す部分模式断面図である。

【図７】図６の装置を分解した状態で示す分解図であ
る。

【符号の説明】

１回転多面鏡１ａ，４ａ中心穴１ｂ，４ｂ，２２ｂ貫通孔２軸２ａフランジ部材２ｂ，２ｃねじ穴３ロータマグネット４ヨーク５ａ，５ｂ，２５ａねじ６軸受７ステータコイル１１鏡面２５ｂナット５１，２５１ａ頭部５１ａ，２５１ｂテーパ面

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】駆動手段によって回転される回転体と、
少なくとも１個の開口を備えておりこれを貫通する締結
部材によって前記回転体の上面に締結された回転多面鏡
を有し、前記締結部材がテーパ部分を備えており、該テ
ーパ部分が前記回転多面鏡の前記開口に圧入されている
ことを特徴とする光偏向装置。
【請求項２】回転体の下面に駆動手段の少なくとも一
部分が締結されていることを特徴とする請求項１記載の
光偏向装置。
【請求項３】締結部材が回転体に駆動手段を締結する
手段を兼ねていることを特徴とする請求項２記載の光偏
向装置。
【請求項４】回転体と回転多面鏡が略同じ線膨張係数
を有することを特徴とする請求項１ないし３いずれか１
項記載の光偏向装置。
【請求項５】回転体と回転多面鏡とこれに締結された
駆動手段の一部分が略同じ線膨張係数を有することを特
徴とする請求項１ないし４いずれか１項記載の光偏向装
置。