JPH0722983B2 - 水溶性又は水に易分散性の紙の表面に水溶性ポリマー薄膜を形成する方法 - Google Patents

水溶性又は水に易分散性の紙の表面に水溶性ポリマー薄膜を形成する方法

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JPH0722983B2
JPH0722983B2 JP3125745A JP12574591A JPH0722983B2 JP H0722983 B2 JPH0722983 B2 JP H0722983B2 JP 3125745 A JP3125745 A JP 3125745A JP 12574591 A JP12574591 A JP 12574591A JP H0722983 B2 JPH0722983 B2 JP H0722983B2
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映章 小林
智美 尾藤
進 上條
大司 杉内
範正 亀澤
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株式会社スリオンテック
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、水溶性又は水に易分散
性の支持体紙の表面に、該支持体紙の構造、形状を損な
うことなく、水溶性ポリマーの薄膜を形成する方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】水溶紙と水溶性ポリビニルアルコールと
を貼り合わせた紙は既に市販されている(例えば、三島
製紙(株)製ディゾルボ WAL など)。水溶紙表面に水溶性
ポリマー膜を形成しようとする場合、支持体となる水溶
紙が水溶性であるために、ポリマー水溶液を直接塗工し
て作成する方法は採用できない。従って、一般には、そ
れぞれ別個に作成した紙とポリマー膜とを貼り合わせる
方法(ラミネーティング)が用いられている。しかし、ラ
ミネート法を用いた場合、ポリマー膜が厚いと貼り合わ
せ物が僅かの条件変化で湾曲してしまう。これは紙とポ
リマーとの膨張係数の差あるいは収縮率の差に起因する
ものである。このため、水溶性に富むポリマーの膜を予
め作成して貼り合わせる方法による場合には、膜の厚さ
をできるだけ薄くしなければならないが、現状技術では
厚さを30μm以下にすることは困難であり、また、完成
した製品も極めて高価なものとなる。
【0003】また、近年、水溶紙上に小ドットの粘着剤
を塗工して種子を搭載できるようにした播種育苗用シー
トが水耕栽培分野などで使用されている。粘着剤ドット
に種子を1粒ずつ搭載する場合に、種子の大きさが小さ
くなるとそれに応じて粘着剤ドットも小さくしなければ
ならないが、水溶紙表面が粗いときには小ドット粘着剤
の形成が困難である。このような技術的な困難性のため
に、極めて小さい種子を簡便かつ効果的に搭載できる播
種育苗用シートはまだ製作されていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述のように、従来技
術においては、水溶性支持体(紙)上に水溶性ポリマー薄
膜を形成することについて満足な方法が確立されておら
ず、また、このため、小径種子を効率良く搭載し得る播
種育苗用シートが得られていなかった。
【0005】本発明の目的は、上記従来技術の有してい
た課題を解決して、水溶性または水に易分散性の支持体
(以下、単に、水溶性支持体と称する)の構造、形状を損
なうことなく、しかも安価に、水溶性支持体上に水溶性
ポリマーの薄膜を形成する方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記目的は、水溶性支持
体紙の表面に水溶性ポリマーの薄膜を形成する方法にお
いて、上記水溶性ポリマーを水と水に易溶性の有機溶剤
との混合溶剤に溶解した後、該混合溶液を上記支持体紙
の表面に塗工することによって達成することができる。
【0007】この際、上記混合溶剤については有機溶剤
の混合割合ができるだけ高いことが好ましく、場合によ
っては、水に溶解しているポリマーが有機溶剤の添加に
よる溶解度低下によってゲル化する程度の混合比とする
ことが望ましい。
【0008】また、上記のようにして調製した溶液を水
溶性支持体紙の表面に塗工することになるが、支持体紙
の片面あるいは両面に塗工することが可能であり、塗工
の方法としては吹き付け塗工あるいは印刷塗工が適用可
能である。
【0009】なお、上記支持体紙表面上に均一に形成し
た水溶性ポリマー薄膜上に粘着剤小ドットを所望の間
隔、所望のパターンで塗工することにより、播種育苗用
シートを作成することができる。
【0010】
【作用】水溶性の支持体紙上に、その内部構造や表面状
態を変化させることなく、水を溶剤とする物質を塗工す
ることは極めて困難である。従って、支持体紙上にその
性状を大きく損なうことなく水溶性物質の薄膜を形成す
るためには、該水溶性物質を溶解する溶剤の組成につい
て検討する必要がある。以下、水溶性ポリマーとしてポ
リビニルアルコールを取り上げた場合の例について説明
する。
【0011】ポリビニルアルコールはそのケン化度と重
合度によって水に対する溶解度を異にする。完全ケン化
のポリビニルアルコールは高温の水には容易に溶解する
が、常温の水には溶解しない。一方、ケン化度の低い
(例えば、ケン化度90%以下)ものは常温の水に容易に溶
解する。重合度については、重合度が大きいほど水に対
する溶解性は低下するが、ケン化度ほどの影響はない。
また、一旦水に溶解したものは温度が低下しても溶解状
態を持続する。なお、常温において水溶性の高いものを
必要とする場合には、ケン化度90%以下のものを使用す
る。
【0012】上記したように、ポリビニルアルコールは
水に対してある程度の溶解性を示すが、水以外の溶剤に
は、ジメチルスルホキシドのような特殊な溶剤を除い
て、殆ど溶解しない。ここで、ポリビニルアルコールの
水溶液に水と良く溶解し合う有機溶剤(例えば、メタノ
ール)を添加して行くと、ポリビニルアルコールの溶解
度は徐々に減少し、その濃度が大きい場合(例えば、8%
以上)には両溶剤の或る混合比率の領域で溶液はゲル化
し、さらにメタノールの添加量を増して行くとポリビニ
ルアルコールが析出してくる。ポリビニルアルコール溶
液がゲル化する程度の混合比率の水‐メタノール混合溶
剤に水溶紙を浸漬すると、該水溶紙は殆ど溶解しないか
溶解するのに極めて長時間を要する。従って、ポリビニ
ルアルコールがゲル化し始める程度以上にメタノール比
率の大きい水‐メタノール混合溶剤にポリビニルアルコ
ールを溶解して水溶紙上に塗工し、短時間で乾燥を行う
と、水溶紙に良く密着したポリビニルアルコール薄膜
を、該水溶紙の性状を損なうことなく形成することがで
きる。
【0013】ゲル化状態のポリビニルアルコール溶液は
粘着性、チクソトロピー性が小さいために塗工しやす
く、紙面に印刷することも容易である。また、濃度の低
い低粘度溶液を用いれば吹き付け塗工を行うことができ
る。
【0014】この場合に、水と混合する有機溶剤として
はアルコール類、ケトン類、エステル類、エーテル類等
多くのものが使用可能であるが、水に対する相溶性、価
格等の点を考慮すると、メタノール、ブタノール等の1
価アルコールが適している。
【0015】水溶性ポリマー薄膜は、上記したように、
水溶紙の片面だけに形成することもできるし、あるいは
両面に形成することもできる。水溶紙の片面のみの平坦
性を必要とするときは片面だけを水溶性ポリマーで被覆
すれば良い。片面のみを水溶性ポリマーで被覆すると水
溶紙が湾曲を起すことがあるが、このような場合には水
溶紙の両面に水溶性ポリマーを被覆すれば良い。
【0016】一般に、被印刷面が平坦で、印刷インキの
濡れ性が良い場合には 0.1mm 巾程度の印刷は極めて容
易であるが、被印刷面が粗く、凹凸に富み、かつ印刷イ
ンキのにじみが大きい紙等に対しては細かい印刷は困難
である。これに対し、ポリビニルアルコール薄膜で被覆
した水溶紙は表面状態が大幅に改善されて均一かつ平坦
となり、しかも印刷インキの浸透が防止されているため
に、表面への細かいパターンの印刷が可能となる。印刷
インキとして粘着剤溶液を用いた場合も全く同様であ
り、従って、ポリビニルアルコール薄膜で被覆した水溶
紙表面に直接粘着剤の小ドットを形成することが可能と
なり、粘着剤小ドットを搭載した播種育苗用シートを得
ることができる。
【0017】
【実施例】以下、本発明の構成について、実施例によっ
てさらに具体的に説明する。
【0018】
【実施例1】ケン化度 88%、平均重合度1700のポリビ
ニルアルコール100gを水とメタノールとの混合比 1 :
1.5 の混合溶剤 900gに添加して良く撹拌し、ポリビニ
ルアルコールの透明なゲルを得た。このゲルをポリエス
テルメッシュのスクリーンを用いて市販の不織布からな
る水溶紙の片面にスクリーン塗工し、直ちに105℃で乾
燥して、片面にポリビニルアルコール薄膜を形成した水
溶紙を得た。この際、水を含む上記溶剤に起因する水溶
紙の損傷は殆ど認められなかった。
【0019】また、上記と同様にして水溶紙の両面にポ
リビニルアルコールのゲルを塗工した。この場合も水溶
紙の損傷は殆ど認められなかった。
【0020】
【実施例2】ケン化度 88%、平均重合度1700のポリビ
ニルアルコール 50gを水とメタノールとの混合比 1 :
1.3 の混合溶剤 950gに添加して良く撹拌し、ポリビニ
ルアルコールの透明な溶液を得た。市販の不織布からな
る水溶紙を熱ロール上に置いて、乾燥しながら該水溶紙
表面に上記溶液を吹き付け塗工して、ポリビニルアルコ
ール被覆水溶紙を得ることができた。
【0021】
【実施例3】実施例1記載の方法で作成したポリビニル
アルコール被覆水溶紙上に高沸点溶媒に溶解した粘度 4
Pa・s の粘着剤溶液を点状に印刷塗工して播種シート
を作成した。ここで、粘着剤ドットの大きさはφ0.2mm
から0.1mmおきにφ1mmまでとしたが、何れの場合も良好
な粘着剤ドットを形成することができた。
【0022】
【発明の効果】以上述べてきたように、水溶性支持体紙
の表面に水溶性ポリマー薄膜を形成する方法を本発明の
方法とすることによって、従来技術の有していた課題を
解消して、水溶性支持体の構造、形状を損なうことなく
しかも安価に水溶性支持体上に水溶性ポリマーの薄膜を
形成することのできる方法を提供することができた。
【0023】また、この方法を適用することにより平坦
性に優れ、かつ印刷インキ等の浸透性のない水溶性ポリ
マー薄膜面を有する水溶性支持体を得ることができ、そ
の結果、粘着剤小ドットを所望の間隔、パターンで該水
溶性支持体上に設けた播種育苗用シートを得ることがで
きた。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C08L 29/04 LGX C09D 5/02 PPU // C08L 29:00 (72)発明者 杉内 大司 神奈川県川崎市多摩区登戸3819番地 株式 会社 スリオンテック内 (72)発明者 亀澤 範正 神奈川県川崎市多摩区登戸3819番地 株式 会社 スリオンテック内 (56)参考文献 特開 平4−345623(JP,A) 特開 平1−296909(JP,A) 特公 昭44−19803(JP,B1) 実公 昭57−52089(JP,Y2)

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】水溶性または水に易分散性の紙の表面に水
    溶性ポリマーの薄膜を形成する方法において、水溶性ポ
    リマーを水と水に易溶性の有機溶剤との混合溶剤に溶解
    した後、該混合溶液を支持体紙の表面に塗工することを
    特徴とする水溶性又は水に易分散性の紙の表面に水溶性
    ポリマー薄膜を形成する方法。
  2. 【請求項2】上記水溶性ポリマーがポリビニルアルコー
    ル、好ましくはケン化度90%以下のポリビニルアルコー
    ルであることを特徴とする請求項1記載の水溶性又は水
    に易分散性の紙の表面に水溶性ポリマー薄膜を形成する
    方法。
  3. 【請求項3】上記水に易溶性の有機溶剤が1価アルコー
    ルであることを特徴とする請求項1記載の水溶性又は水
    に易分散性の支持体紙の表面に水溶性ポリマー薄膜を形
    成する方法。
  4. 【請求項4】上記の塗工が上記水溶性ポリマー溶液の吹
    き付けによって行う塗工であることを特徴とする請求項
    1記載の水溶性又は水に易分散性の紙の表面に水溶性ポ
    リマー薄膜を形成する方法。
  5. 【請求項5】上記の塗工が上記水溶性ポリマーのゲル状
    溶液の印刷による塗工であることを特徴とする請求項1
    記載の水溶性又は水に易分散性の紙の表面に水溶性ポリ
    マー薄膜を形成する方法。
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EP3403483B1 (en) * 2017-05-19 2020-07-08 S+dB B.V. Seed support comprising a self-supporting film
EP3718395A1 (en) 2019-04-01 2020-10-07 S+dB B.V. Process for preparing a seed support

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JPH04345623A (ja) * 1991-05-22 1992-12-01 Kuraray Co Ltd 樹脂ラミネート紙の製造法

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