JPH07228897A - 非芳香族溶剤 - Google Patents

非芳香族溶剤

Info

Publication number
JPH07228897A
JPH07228897A JP6044921A JP4492194A JPH07228897A JP H07228897 A JPH07228897 A JP H07228897A JP 6044921 A JP6044921 A JP 6044921A JP 4492194 A JP4492194 A JP 4492194A JP H07228897 A JPH07228897 A JP H07228897A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
oil
fraction
kerosene
solvent
boiling point
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP6044921A
Other languages
English (en)
Inventor
Takahiro Kawamura
高宏 川村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
COSMO SOGO KENKYUSHO KK
Cosmo Oil Co Ltd
Original Assignee
COSMO SOGO KENKYUSHO KK
Cosmo Oil Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by COSMO SOGO KENKYUSHO KK, Cosmo Oil Co Ltd filed Critical COSMO SOGO KENKYUSHO KK
Priority to JP6044921A priority Critical patent/JPH07228897A/ja
Publication of JPH07228897A publication Critical patent/JPH07228897A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C11ANIMAL OR VEGETABLE OILS, FATS, FATTY SUBSTANCES OR WAXES; FATTY ACIDS THEREFROM; DETERGENTS; CANDLES
    • C11DDETERGENT COMPOSITIONS; USE OF SINGLE SUBSTANCES AS DETERGENTS; SOAP OR SOAP-MAKING; RESIN SOAPS; RECOVERY OF GLYCEROL
    • C11D7/00Compositions of detergents based essentially on non-surface-active compounds
    • C11D7/50Solvents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 クリーニング用、金属洗浄用、インキ用等の
溶剤に適した物性を有する無公害で低臭性の非芳香族溶
剤を提供する。 【構成】 原油の蒸留で得られる直留灯軽油留分、その
水素化精製処理油、重油の直接脱硫で副生する直脱灯軽
油留分、重油又は重質軽油の水素化分解で得られる分解
灯軽油留分、ナフサの接触改質反応で副生する改質灯軽
油留分のうちの1種以上で、沸点140〜380℃の灯
軽油留分を、好ましくは蒸留で沸点320℃以上の留分
を除去後、S含有量5ppm以下まで水素化脱硫し、次
いで芳香族の核水素化触媒で圧力15〜150kg/c
、温度100〜400℃、LHSV0.5〜10h
−1、水素/油比100〜800NL/Lで核水素化
処理し、好ましくは初留点と乾点の幅で20℃以内に精
密蒸留して得られ、カウリブタノール価18〜45、ナ
フテン含有量40〜100vol%、アニリン点50〜
85℃の性状を有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、特に、クリーニング
用、金属洗浄用、インキ用等の溶剤に適した物性を有す
る無公害で、かつ低臭性の非芳香族溶剤に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】自動
車部品、電気、電子、精密機器等の分野で金属洗浄溶剤
として用いられている1,1,1−トリクロロエタン
は、オゾン層保護の観点から、1995年には全廃され
る方向にある。この代替溶剤として、石油系溶剤があ
る。
【0003】しかし、石油系溶剤は、単に用途に適合さ
せるために適宜の沸点範囲のものに蒸留調整しただけの
ものでは、必然的に原料である石油に由来した、例えば
芳香族分が多量(通常20〜30%)に含まれることに
なる。この芳香族分は、人体への悪影響がある。特に、
ベンゼン、トルエン、キシレンで著しい。
【0004】このため、労働省の特定化学物質等障害予
防規制で、ベンゼン1vol%を越えるもの、労働省の
有機溶剤中毒予防規制では、トルエンとキシレンの合計
量が5wt%を越えるものについては、使用を制限した
り、化合物存在の表示を義務付けしている。
【0005】これらの対策として、毒性のないパラフィ
ン系の使用が考えられるが、低温流動性が悪いばかり
か、樹脂の溶解力が低いため、使用に耐え得ない。同様
に、毒性のないナフテン系の使用も考えられ、芳香族の
核水素化処理を施した洗浄用溶剤も開発されているが、
臭気や樹脂の溶解性の面、あるいはインキ処方にした場
合の貯蔵安定性の面等において必ずしも満足するもので
はない。
【0006】そこで、本発明は、無公害で低臭で、しか
も樹脂の溶解性に優れるのみならず、インキ処方にした
場合の貯蔵安定性にも優れる、実質的に芳香族分を含ま
ない、かつ簡易な工程で得ることができ、特にクリーニ
ング用、金属洗浄用、インキ用等に適した溶剤を提供す
ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の非芳香族溶剤
は、上記の目的を達成するために、(1)原油の蒸留で
得られる直留灯軽油留分(以下、単に「直留灯軽油留
分」と記す)、その水素化精製処理油、重油の直接脱硫
で副生する直脱灯軽油留分(以下、単に「直脱灯軽油留
分」と記す)、重油または重質軽油の水素化分解で得ら
れる分解灯軽油留分(以下、単に「分解灯軽油留分」と
記す)、ナフサの接触改質反応で副生する改質灯軽油留
分(以下、単に「改質灯軽油留分」と記す)から選ばれ
る1種以上で、沸点が140〜380℃の灯軽油留分
を、硫黄含有量が5ppm以下になるまで水素化脱硫
し、次いで芳香族の核水素化触媒により圧力15〜15
0kg/cm、温度100〜400℃、LHSV0.
5〜10hr−1、水素/油比100〜800ノルマル
リットル/リットル(以下、ノルマルリットルを「N
L」と記し、リットルを「L」と記す)の条件で核水素
化処理することにより得られるカウリブタノール価18
〜45、ナフテン含有量40〜100vol%、アニリ
ン点50〜85℃の性状を有することを特徴とする。
【0008】また、本発明の非芳香族溶剤は、(2)上
記(1)で得られる非芳香族溶剤を、初留点と乾点との
幅で20℃以内に入るように、精密蒸留されたものであ
ることをも特徴とする。
【0009】さらに、本発明の非芳香族溶剤は、(3)
上記(1)の沸点が140〜380℃の灯軽油留分を、
先ず蒸留にて沸点320℃以上の留分を除去し、これを
上記(1)の水素化脱硫および核水素化処理に付すこと
をも特徴とする。
【0010】本発明の溶剤において、原料は、直留灯軽
油留分、その水素化精製処理油、直脱灯軽油留分、分解
灯軽油留分、改質灯軽油留分から選ばれる1種以上で、
沸点が140〜380℃の灯軽油留分である。
【0011】特に、本発明の溶剤を金属洗浄用溶剤とし
て、あるいはクリーニング用溶剤として用いる場合は、
上記原料中、直留灯油留分、その水素化精製処理油、直
脱灯油留分、分解灯油留分、改質灯油留分から選ばれる
1種以上で、沸点140〜270℃のものが適してい
る。この場合、沸点が低すぎると、引火性のみならず、
揮発性等の安全衛生上の面からも好ましくない。逆に高
すぎると、粘度が高くなり、洗浄性、液切れ性、乾燥性
といずれの性能面でも劣る傾向にある。
【0012】また、インキ用溶剤として用いる場合は、
上記原料中、直留軽油留分、その水素化精製処理油、直
脱軽油留分、分解軽油留分、改質軽油留分から選ばれる
1種以上で、沸点が150〜380℃、好ましくは24
0〜320℃のものが適している。この場合、沸点が低
すぎると、印刷紙面の乾燥工程において、インキ成分中
の溶剤の蒸発速度が高まり、顔料と樹脂が十分に固着し
ない。逆に高すぎると、インクタックが高まり、印刷時
の紙切れ現象を起こすとともに、印刷紙面の乾燥性が悪
くなる。
【0013】上記原料中の硫黄分は、直留灯軽油留分は
300ppm〜1.5wt%、その水素化精製処理油は
30〜100ppm、分解灯軽油留分は100ppm〜
1000ppm、改質灯軽油留分は100ppm以下で
あるなお、直脱灯軽油留分の硫黄分は、これらの灯軽油
留分より低く、脱硫技術により脱硫率が種々異なるた
め、一概には特定できないが、一般には10〜200p
pmである。
【0014】原料中の硫黄含有量が多すぎると、次の工
程で行う芳香族の核水素化処理の際に使用する触媒の被
毒となり好ましくない。そこで、原料中の硫黄含有量が
5ppm以下、好ましくは3ppm以下、さらに好まし
くは1ppm以下になるまで水素化脱硫を行う。
【0015】このときの水素化脱硫触媒は、従来知られ
ている水素化脱硫触媒であれば、いずれのものも用いる
ことができる。例えば、無機酸化物担体に、周期律表第
VI族金属と第VIII族金属を担持させたものを用い
ることができる。この無機酸化物担体としては、アルミ
ナ、シリカ、シリカ−アルミナ、珪藻土、活性炭等を用
いることができる。第VI族金属としては、モリブデ
ン、タングステン等が好ましく、特にモリブデンがよ
い。第VIII族金属としては、ニッケル、コバルト等
が用いられ、特にニッケルが好ましい。
【0016】水素化脱硫条件は、通常の条件が用いられ
る。特に、本発明の溶剤を金属洗浄用溶剤あるいはクリ
ーニング用溶剤として用いる場合は、圧力20〜150
kg/cm、好ましくは30〜100kg/cm
温度250〜380℃、好ましくは280〜350℃、
LHSV0.2〜7hr−1、好ましくは0.2〜4h
−1、水素/油300〜1000NL/L、好ましく
は400〜600NL/Lとするのが適している。ま
た、インキ用溶剤として用いる場合は、圧力20〜15
0kg/cm、好ましくは30〜100kg/c
、温度250〜380℃、好ましくは280〜37
0℃、LHSV0.2〜4hr−1、好ましくは0.2
〜2hr−1、水素/油300〜1000NL/L、好
ましくは400〜600NL/Lとするのが適してい
る。なお、これら各々の水素化脱硫条件は、上記原料を
上記の硫黄含有量になるように選択されたものである。
【0017】以上のようにして硫黄分を調整した後、芳
香族の核水素化処理が行われる。このとき使用する触媒
は、従来知られている芳香族の核水素化触媒であれば、
いずれのものでもよく、活性金属として、周期律表第V
III族金属や貴金属等、具体的には、ニッケル、酸化
ニッケル、ニッケル−銅、白金、酸化白金、白金−ロジ
ウム、白金−アルミナ、パラジウム、ルテニウム、コバ
ルト、コバルト−モリブデン等を用いたものが適してい
る。特に、ニッケルまたはパラジウムを、シリカ、珪藻
土、γ−アルミナ、活性炭に担持させたものが好まし
い。
【0018】処理条件は、本発明の溶剤を金属洗浄用溶
剤、クリーニング用溶剤として使用する場合は、圧力1
5〜150kg/cm、好ましくは30〜100kg
/cm、温度100〜400℃、好ましくは150〜
280℃、LHSV0.5〜10hr−1、好ましくは
0.8〜5hr−1、水素/油100〜800NL/
L、好ましくは200〜500NL/Lが適している。
また、インキ用溶剤として使用する場合は、圧力15〜
150kg/cm、好ましくは30〜100kg/c
、温度100〜400℃、好ましくは150〜28
0℃、LHSV0.5〜5hr−1、好ましくは0.5
〜3hr−1、水素/油200〜800NL/L、好ま
しくは300〜600NL/Lが適している。
【0019】上記いずれの場合も、反応条件が穏和すぎ
ると、芳香族の核水素化が進まず、芳香族分が残存し、
得られる溶剤が種々の環境規制に適合しないものとなっ
てしまう。逆に、反応条件が過酷すぎても、水素化分
解、異性化、脱水素反応の副反応が生じてしまい、好ま
しくない。
【0020】上記の核水素化処理で得られる非芳香族溶
剤(すなわち、本発明の溶剤)は、以下の性状を有す
る。なお、本発明における非芳香族とは、芳香族分を実
質含有しないことを意味するが、FIA分析(蛍光指示
薬分析)で2.0vol%以下、好ましくは1.0vo
l%以下、さらに好ましくは0.5vol%以下含有し
ていてもよい。
【0021】カウリブタノール価(以下、「KB価」と
いう)18〜45、好ましくは25〜40、ナフテン含
有量40〜100vol%、好ましくは50〜100v
ol%、さらに好ましくは70〜100vol%、アニ
リン点50〜85℃、好ましくは67〜75℃である。
【0022】KB価とは、ペイントまたはラッカーの調
製に使用する炭化水素溶剤の相対的溶解力を示すもの
で、KB価が高いほど樹脂溶解性が高いことを示す。本
発明におけるKB価の測定法は、ASTM D1133
に準拠する。すなわち、天然カウリ樹脂とブチルアルコ
ールで調製した標準カウリブタノール溶液20±0.1
gを200ミリリットル(以下、「mL」と記す)の三
角フラスコにとり、この三角フラスコを25±1℃に保
った水溶液に浸す。次に、先ずトルエンをビュレットに
採り、上記の三角フラスコ内に滴定する。終点は、フラ
スコの下に印刷活字を置き、活字の字画が不鮮明になっ
たときとする。同様に、トルエンとn−ヘプタンとの混
合液(容量割合でトルエン25:n−ヘプタン75)に
ついても滴定する。そして、KB価測定対象油(以下、
「試料」と言う)をビュレットにとり、同様の操作で滴
定する。KB価は、数1の式によって算出する。
【0023】
【数1】
【0024】なお、上記のKB価の測定法において、標
準カウリブタノール溶液は、トルエンで滴定したときK
B価が100〜110で、容量割合でトルエン25:ヘ
プタン75の混合液で滴定したときKB価が40になる
ように予め調整しておく。
【0025】本発明の溶剤において、KB価が低すぎる
と、溶剤として十分な洗浄効果が表れない。また、芳香
族の核水素化処理を行っているため、KB価の上限は4
5程度である。
【0026】本発明の溶剤におけるナフテン含有量は、
40〜100vol%である。特に、本発明の溶剤を金
属洗浄用溶剤あるいはクリーニング用溶剤として使用す
る場合、ナフテン含有量は、40〜100vol%、好
ましくは45〜100vol%が適しており、インキ用
溶剤として使用する場合、ナフテン含有量は60〜10
0vol%、好ましくは70〜100vol%が適して
いる。
【0027】樹脂の溶解力という点では、ナフテンは、
芳香族よりも劣り、パラフィンよりも優れる。一方、上
述した環境規制や臭気の観点から、またインキ用では光
沢、あるいは顔料、樹脂等の溶解性、貯蔵安定性等の種
々の性能が要求されることから、本発明の溶剤中のナフ
テン含有量は、用途に応じて上記の範囲内において適宜
選択することが好ましい。
【0028】ナフテン含有量が少なすぎると、上記性能
のいずれかで悪影響がある。なお、ナフテン含有量の上
限はなく、ナフテンが100%であってもよい。ナフテ
ン含有量を多くするためには、原料油として、芳香族お
よびナフテンのリッチな分解灯軽油留分、直脱灯軽油留
分、改質灯軽油留分が選択される。この際、これらの単
独を核水素化処理するか、あるいは芳香族およびナフテ
ンのリッチな分解灯軽油留分と直脱灯軽油留分と改質系
灯軽油留分との混合物を核水素化処理するか、または各
々の核水素化処理油の混合物とするか、いずれをも選択
できる。
【0029】本発明の溶剤におけるアニリン点は、50
〜85℃、好ましくは67〜75℃である。アニリン点
が高すぎると、溶解力に劣り、好ましくない。アニリン
点は、低すぎるほど、溶解力が優れるが、上記原料油の
脱硫、芳香族の核水素化処理を経ると、それほど低くで
きない。
【0030】なお、本発明の溶剤は、種々の用途に適合
させるために、蒸留(精密蒸留)により種々の沸点範囲
を有するものとすることもできる。すなわち、初留点と
乾点との幅で20℃以内、好ましくは5℃以上18℃以
内に精密蒸留したものであってもよい。金属洗浄用溶剤
およびクリーニング用溶剤では、10℃以内、さらに好
ましくは8℃以内とするのがよく、インキ用溶剤では、
18℃以内、好ましくは16℃以内とするのがよい。沸
点範囲が広すぎると、金属洗浄用溶剤およびクリーニン
グ用溶剤では、洗浄後の洗浄物の乾燥ムラが生じて好ま
しくなく、インキ用溶剤では、印刷時のインキセットの
不均一さと印刷後の紙面の乾燥ムラとが生じて好ましく
ない。
【0031】ここで、乾点を用いたのは、非常に狭い沸
点範囲を精度よく表すためである。通常、沸点範囲の広
い溶剤に対しては、終点を用いることが多くみられる
が、単一成分および沸点範囲の非常に狭い混合物に対し
ては、JIS蒸留試験方法による終点表示では、再現性
および繰返し性で終点の方が高く出る等バラツキがみら
れ、精度上好ましくなく、沸点範囲を表す数字に精度を
欠く。そこで、蒸留フラスコ内の最後の一適が気化した
ときの温度を読みとする乾点が、精度上好ましく、溶剤
の生産管理および品質管理をする上で望ましい。
【0032】上記の精密蒸留は、本発明における水素化
脱硫の前でも、後でもよく、また芳香族の核水素化処理
の後でもよいが、難脱硫物質の一つであるジベンゾチオ
フェンが約300℃以上の留分に存在することから、水
素化脱硫の前で行うことが、後の水素化脱硫条件を穏和
にすることができるため好ましい。
【0033】また、本発明では、水素化脱硫の前に、蒸
留にて、原料油中の沸点320℃以上、好ましくは31
0℃以上、さらに好ましくは300℃以上の留分を除去
することもできる。このようにすることにより、上記の
ベンゾチオフエンが除去されるため、後の水素化脱硫条
件を穏和にする上で好ましい。
【0034】本発明の溶剤は、上記の要件を全て満足す
ることにより、特有の効果を奏するものである。さら
に、本発明の溶剤は、比蒸発速度が70〜1、金属洗浄
用溶剤やクリーニング用溶剤では好ましくは35〜3の
ものが適している。比蒸発速度とは、単位時間に単位面
積から気化する溶剤の蒸発速度を言い、比蒸発速度は、
酢酸nブチルの蒸発速度に対する試料の蒸発速度の百分
率で表示する。具体的測定法は、窒素ガスを供給可能に
したフード付き化学天秤2台を用い、両者の天秤皿に濾
紙No.5C(9cmφ)を入れた10cmφのシャー
レーをのせ、一方に酢酸nブチル、他方に試料をそれぞ
れ0.7mLずつとり、窒素ガスを30NL/minの
流速で同時に供給して、酢酸nブチルおよび試料の重量
減少率が90%になるまでの時間を計測し、数2の式に
よって算出する。比蒸発速度は、速いほど溶解に優れ
る。
【0035】
【数2】
【0036】また、本発明の溶剤は、30℃における重
力粘度が、0.8〜8cSt、好ましくは1〜6cSt
のものが適している。
【0037】
【実施例】
実施例1〜5 原料油として、沸点150〜245℃の直留灯油留分の
水素化精製処理油(実施例1)、沸点196〜246℃
の改質灯油留分(実施例2)、沸点244〜368℃の
改質軽油留分(実施例3)、沸点193〜341℃の直
留灯軽油留分(実施例4)、沸点173〜381℃の直
脱灯軽油留分(実施例5)をそれぞれ用い、これら原料
油をそれぞれ水素化脱硫し、次いで芳香族の核水素化処
理して、実質的に芳香族分を含まない本発明の非芳香族
溶剤を得た。なお、実施例3,4,5は、蒸留で約32
0℃以上の重質留分はカットしたものを水素化脱硫工程
にかけた。実施例1〜2は金属洗浄用溶剤およびクリー
ニング用溶剤に適し、実施例3〜5はインキ用溶剤に適
する。
【0038】水素化脱硫条件、該水素化脱硫生成油の硫
黄分、芳香族の核水素化処理条件、該芳香族の核水素化
処理生成油(すなわち、本発明の非芳香族溶剤)の性状
を、それぞれ表1〜表2に示した。なお、各溶剤の性状
は、前述した方法で測定(算出)した。
【0039】
【表1】
【0040】
【表2】
【0041】実施例6,7 沸点150〜245℃の直留灯油留分の水素化精製処理
油を水素化脱硫し、次いで芳香族の核水素化処理したも
のを精密蒸留にて173℃(初留点)〜182℃(乾
点)とし、実質的に芳香族分を含まない金属洗浄用溶剤
に適する本発明の非芳香族溶剤を得た(実施例6)。
【0042】一方、沸点173〜381℃の直脱軽油留
分を水素化脱硫し、次いで芳香族の核水素化処理したも
のを精密蒸留にて238℃(初留点)〜257℃(乾
点)として、実質的に芳香族分を含まないインキ用溶剤
に適する本発明の非芳香族溶剤を得た(実施例7)。
【0043】水素化脱硫条件、該水素化脱硫生成油の硫
黄分、芳香族の核水素化処理条件、該芳香族の核水素化
処理生成油(すなわち、本発明の非芳香族溶剤)の性状
を、それぞれ表3に示した。なお、各溶剤の性状は、前
述した方法で測定(算出)した。
【0044】
【表3】
【0045】比較例1 原料油として沸点148〜244℃の直留灯油留分を用
い、これを水素化脱硫は行うが、芳香族の核水素化処理
は行わずに、比較溶剤を得た。水素化脱硫条件、該水素
化脱硫生成油(すなわち、比較溶剤)の硫黄分および性
状を、それぞれ表4に示した。なお、比較溶剤の性状
は、前述した方法で測定(算出)した。
【0046】
【表4】
【0047】比較例2〜4 表5に示す沸点を有する市販の炭化水素〔ナフテン系
(比較例2)、パラフィン系(比較例3)、混合系(比
較例4)〕溶剤をそのまま比較溶剤とした。この比較溶
剤の性状を表5に併せて示した。
【0048】
【表5】
【0049】〔溶剤の臭気評価試験〕実施例1〜7およ
び比較例1〜4の本発明溶剤および比較溶剤につき、良
好な健康状態を有する男女50名による臭気官能試験を
行い、表6の判定基準に従って5段階表示で判定した。
この結果は平均値として表8〜表10に示した。
【0050】
【表6】
【0051】〔樹脂の溶解性評価試験〕実施例3〜5,
7および比較例2〜4の本発明溶剤および比較溶剤に、
メタアクリル酸共重合体樹脂(軟化点140℃、酸価1
2.0mgKOH/g)を種々の濃度で溶解させ、白濁
した樹脂濃度で評価し、溶解性の判定は、「優れる」、
「普通」、「劣る」の3段階で表示した。この結果は表
8〜表10に併せて示した。
【0052】〔インキの貯蔵安定度評価試験〕実施例3
〜5,7および比較例2〜4の本発明溶剤および比較溶
剤を使用して、オフセット輪転機用インキの代表的配合
例である表7に示す処方にてインキを製造した。貯蔵安
定度評価試験は、このインキを製造直後と2か月貯蔵後
のものとにつき、スプレッドメーターを使用して、20
℃、1分間後の広がり性を測定することにより行い、広
がりが変化するか、変化しないで評価した。この結果は
表8〜表10に併せて示した。
【0053】
【表7】
【0054】〔印刷物の光沢評価試験〕インキ貯蔵安定
度評価試験に供したインキ0.4mLをRIテスターに
よりアート紙上に展色し、24時間放置後、60度−6
0度光沢計によりその光沢を測定し、測定値で評価し
た。測定値が高いほど、光沢に優れる。この結果を表8
〜表10に併せて示した。なお、実施例1,2,6およ
び比較例1は、金属洗浄用溶剤、あるいはクリーニング
用溶剤であるため、樹脂の溶解性、インキの貯蔵安定
性、印刷物の光沢についての測定はしていない。
【0055】
【表8】
【0056】
【表9】
【0057】
【表10】
【0058】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の溶剤は、
従来の非芳香族溶剤と比べて、溶解力、インキ貯蔵安定
性等の点で、同等あるいはそれ以上であり、安全性や臭
気の点でもはるかに改良されたものである。また、本発
明の溶剤は、特定の石油を原料とし、これを水素化脱
硫、芳香族の核水素化処理等の簡易な工程で得られるも
ので、極めて経済性が高い。さらに、本発明の溶剤は、
工業用として、脱グリース用溶剤、ラッカー用溶剤、金
属洗浄用溶剤、塗料用溶剤、ドライクリーニング用溶
剤、インキ用溶剤等として極めて適している。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 原油の蒸留で得られる直留灯軽油留分、
    その水素化精製処理油、重油の直接脱硫で副生する直脱
    灯軽油留分、重油または重質軽油の水素化分解で得られ
    る分解灯軽油留分、ナフサの接触改質反応で副生する改
    質灯軽油留分から選ばれる1種以上で、沸点が140〜
    380℃の灯軽油留分を、硫黄含有量が5ppm以下に
    なるまで水素化脱硫し、次いで芳香族の核水素化触媒に
    より圧力15〜150kg/cm、温度100〜40
    0℃、LHSV0.5〜10hr−1、水素/油比10
    0〜800ノルマルリットル/リットルの条件で核水素
    化処理することにより得られるカウリブタノール価18
    〜45、ナフテン含有量40〜100vol%、アニリ
    ン点50〜85℃の性状を有することを特徴とする非芳
    香族溶剤。
  2. 【請求項2】 請求項1で得られる非芳香族溶剤の沸点
    が、初留点と乾点との幅で20℃以内に精密蒸留された
    ものであることを特徴とする非芳香族溶剤。
  3. 【請求項3】 原油の蒸留で得られる直留灯軽油留分、
    その水素化精製処理油、重油の直接脱硫で副生する直脱
    灯軽油留分、重油または重質軽油の水素化分解で得られ
    る分解灯軽油留分、ナフサの接触改質反応で副生する改
    質灯軽油留分から選ばれる1種以上で、沸点が140〜
    380℃の灯軽油留分を、蒸留にて沸点320℃以上の
    留分を除去し、次いで硫黄含有量が5ppm以下になる
    まで水素化脱硫した後、芳香族の核水素化触媒により圧
    力15〜150kg/cm、温度100〜400℃、
    LHSV0.5〜10hr−1、水素/油比100〜8
    00ノルマルリットル/リットルの条件で核水素化処理
    することにより得られるカウリブタノール価18〜4
    5、ナフテン含有量40〜100vol%、アニリン点
    50〜85℃の性状を有することを特徴とする非芳香族
    溶剤。
JP6044921A 1994-02-19 1994-02-19 非芳香族溶剤 Pending JPH07228897A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6044921A JPH07228897A (ja) 1994-02-19 1994-02-19 非芳香族溶剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP6044921A JPH07228897A (ja) 1994-02-19 1994-02-19 非芳香族溶剤

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07228897A true JPH07228897A (ja) 1995-08-29

Family

ID=12704945

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP6044921A Pending JPH07228897A (ja) 1994-02-19 1994-02-19 非芳香族溶剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07228897A (ja)

Cited By (16)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006096786A (ja) * 2004-09-28 2006-04-13 Japan Energy Corp ナフテン系溶剤及びその製造方法
JP2008214365A (ja) * 2007-02-28 2008-09-18 Japan Energy Corp 溶剤組成物
JP2009102559A (ja) * 2007-10-25 2009-05-14 Cosmo Oil Co Ltd ディーゼルエンジン用燃料油組成物
JP2009102562A (ja) * 2007-10-25 2009-05-14 Cosmo Oil Co Ltd ディーゼルエンジン用燃料油組成物
JP2009102560A (ja) * 2007-10-25 2009-05-14 Cosmo Oil Co Ltd ディーゼルエンジン用燃料油組成物
JP2009102561A (ja) * 2007-10-25 2009-05-14 Cosmo Oil Co Ltd ディーゼルエンジン用燃料油組成物
JP2009292932A (ja) * 2008-06-04 2009-12-17 Cosmo Oil Co Ltd ディーゼルエンジン用燃料油組成物
JP2009292933A (ja) * 2008-06-04 2009-12-17 Cosmo Oil Co Ltd ディーゼルエンジン用燃料油組成物
JP2009292934A (ja) * 2008-06-04 2009-12-17 Cosmo Oil Co Ltd ディーゼルエンジン用燃料油組成物
JP2012197456A (ja) * 2012-07-25 2012-10-18 Cosmo Oil Co Ltd ディーゼルエンジン用燃料油組成物
JP2012197458A (ja) * 2012-07-25 2012-10-18 Cosmo Oil Co Ltd ディーゼルエンジン用燃料油組成物
JP2012197457A (ja) * 2012-07-25 2012-10-18 Cosmo Oil Co Ltd ディーゼルエンジン用燃料油組成物
JP2012229437A (ja) * 2012-07-25 2012-11-22 Cosmo Oil Co Ltd ディーゼルエンジン用燃料油組成物
EP1481039B1 (en) 2002-03-06 2017-08-09 ExxonMobil Chemical Patents Inc. A process for the production of hydrocarbon fluids
CN112029595A (zh) * 2019-06-03 2020-12-04 Sk新技术株式会社 烃溶剂组合物
WO2021054308A1 (ja) * 2019-09-17 2021-03-25 コスモ石油株式会社 ナフテン系溶剤

Cited By (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1481039B1 (en) 2002-03-06 2017-08-09 ExxonMobil Chemical Patents Inc. A process for the production of hydrocarbon fluids
JP4613266B2 (ja) * 2004-09-28 2011-01-12 Jx日鉱日石エネルギー株式会社 ナフテン系溶剤及びその製造方法
JP2006096786A (ja) * 2004-09-28 2006-04-13 Japan Energy Corp ナフテン系溶剤及びその製造方法
JP2008214365A (ja) * 2007-02-28 2008-09-18 Japan Energy Corp 溶剤組成物
JP2009102559A (ja) * 2007-10-25 2009-05-14 Cosmo Oil Co Ltd ディーゼルエンジン用燃料油組成物
JP2009102562A (ja) * 2007-10-25 2009-05-14 Cosmo Oil Co Ltd ディーゼルエンジン用燃料油組成物
JP2009102560A (ja) * 2007-10-25 2009-05-14 Cosmo Oil Co Ltd ディーゼルエンジン用燃料油組成物
JP2009102561A (ja) * 2007-10-25 2009-05-14 Cosmo Oil Co Ltd ディーゼルエンジン用燃料油組成物
JP2009292932A (ja) * 2008-06-04 2009-12-17 Cosmo Oil Co Ltd ディーゼルエンジン用燃料油組成物
JP2009292933A (ja) * 2008-06-04 2009-12-17 Cosmo Oil Co Ltd ディーゼルエンジン用燃料油組成物
JP2009292934A (ja) * 2008-06-04 2009-12-17 Cosmo Oil Co Ltd ディーゼルエンジン用燃料油組成物
JP2012197456A (ja) * 2012-07-25 2012-10-18 Cosmo Oil Co Ltd ディーゼルエンジン用燃料油組成物
JP2012197457A (ja) * 2012-07-25 2012-10-18 Cosmo Oil Co Ltd ディーゼルエンジン用燃料油組成物
JP2012229437A (ja) * 2012-07-25 2012-11-22 Cosmo Oil Co Ltd ディーゼルエンジン用燃料油組成物
JP2012197458A (ja) * 2012-07-25 2012-10-18 Cosmo Oil Co Ltd ディーゼルエンジン用燃料油組成物
CN112029595A (zh) * 2019-06-03 2020-12-04 Sk新技术株式会社 烃溶剂组合物
EP3747423A1 (en) * 2019-06-03 2020-12-09 SK Innovation Co., Ltd. Hydrocarbon solvent composition
CN112029595B (zh) * 2019-06-03 2024-02-23 Sk新技术株式会社 烃溶剂组合物
WO2021054308A1 (ja) * 2019-09-17 2021-03-25 コスモ石油株式会社 ナフテン系溶剤
CN114423830A (zh) * 2019-09-17 2022-04-29 克斯莫石油株式会社 环烷烃系溶剂

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH07228897A (ja) 非芳香族溶剤
US7311814B2 (en) Process for the production of hydrocarbon fluids
US3852207A (en) Production of stable lubricating oils by sequential hydrocracking and hydrogenation
JPH06116571A (ja) 高粘度指数低粘度潤滑油基油の製造法
US5741414A (en) Method of manufacturing gas oil containing low amounts of sulfur and aromatic compounds
KR20170056620A (ko) 나프텐계 베이스 오일의 제조 방법
KR20000071874A (ko) 전환-수소화 이성화 반응후 접촉 탈왁스화 처리에 의한베이스 오일 및 중간 증류물의 융통적인 제조 방법
CA2593533A1 (en) Ultra pure fluids
KR102278360B1 (ko) 나프텐계 브라이트 스톡의 제조 방법
WO2020196924A1 (ja) 潤滑油基油の製造方法
GB928794A (en) Low temperature hydrocracking process
KR20010100987A (ko) 의약용 오일 및 임의로 중간 증류물의 융통적인 제조 방법
JP4908037B2 (ja) 合成油の処理方法、灯油煙点向上剤用炭化水素油及びディーゼル燃料基材用炭化水素油
KR20170027818A (ko) 석유 분획물의 탈방향족화 방법
KR20030020377A (ko) 무색 투명 윤활성 기재 오일의 제조 방법
GB1560376A (en) Process for manufacturing refrigeration oils
JP4613266B2 (ja) ナフテン系溶剤及びその製造方法
JP4812314B2 (ja) 低芳香族溶剤の製造方法
JPH06116570A (ja) 低芳香族炭化水素油の製造方法
JP3902841B2 (ja) 溶剤抽出と水素化精製法による非発ガン性芳香族炭化水素油の製造法
US20180291289A1 (en) Process for preparing de-aromatized hydrocarbon solvents
RU2726619C1 (ru) Способ получения средневязких белых масел
EP3870680A1 (en) Deep desulphurization of low sulphur content feedstock
JP2863325B2 (ja) 原油の精製方法
EP1447437A1 (fr) Procédé de fabrication de fluides hydrocarbonés riches en hydrocarbures naphténiques