JP2009292934A - ディーゼルエンジン用燃料油組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】燃料高圧噴射式のディーゼルエンジンに用いられる燃料油組成物の提供。
【解決手段】ナフテン類含有量20〜80容量%、芳香族炭化水素含有量40容量%以下、90容量%留出温度315〜360℃、カウリブタノール価13以上の燃料油基材5〜70容量%を含有し、10容量%留出温度180〜225℃、90容量%留出温度315〜350℃の蒸留性状を有し、硫黄分10質量ppm以下、飽和炭化水素45〜97容量%、芳香族炭化水素3〜30容量%、2環芳香族類の含有量1.5容量%以下及び3環以上の多環芳香族類の含有量0.5容量%以下、ナフテン類の含有量50容量%以下、多環ナフテン類の含有量25容量%以下、イソパラフィンの含有量7〜90容量%、曇り点4℃以下、かつ脂肪酸部分の炭素数が16以上である飽和脂肪酸アルキルエステルの含有量0.5〜18質量%であるディーゼルエンジン用燃料油組成物。
【選択図】なし

Description

本発明は、コモンレール式燃料噴射装置、ユニットインジェクタ式燃料噴射装置などの、燃料高圧噴射式のディーゼルエンジンに用いられる燃料油組成物に関するものである。
近年、環境問題から自動車から排出される排気ガスの低減や熱効率の向上が求められている。ディーゼル車は、ガソリン車に比べ熱効率に優れ、CO2排出が少ないものの、燃焼がディーゼル特有の拡散燃焼であることに起因する粒子状物質(PM)の排出やNOxの排出などによる人体への影響の懸念や環境に対する悪影響が問題となっている。
これらディーゼル車から排出されるPMやNOxの問題に対し、燃焼形態を改善するため、コモンレール式燃料噴射装置や、ユニットインジェクタ方式に代表される燃料高圧噴射装置の導入が進んでいる。燃料の高圧噴射は、エンジン筒内に噴射される燃料の微粒化を促進し、かつ、筒内空気との混合を促進することにより、燃焼形態を改善することができる。コモンレール式燃料噴射装置や、ユニットインジェクタ式燃料噴射装置による最大燃料噴射圧力は、従来車の代表である列型噴射装置の噴射圧力が50MPa程度であるのに対し、160〜200MPa程度と非常に高く、その高圧化は更に進んでいる。また、これら燃料高圧噴射装置は、電子制御により、これまでのエンジン回転数に応じた燃料噴射圧力ではなく、あらかじめ高圧化された燃料をプールしておき、運転条件により最適な燃料噴射圧力を判断し、噴射圧力を調整して噴射する方式となっているため、全運転領域において最適な燃焼状態の維持が可能となっている。更に、上記の高圧噴射型の車輌においては、インジェクタノズル噴射孔のサイズもこれまでより小さくなっており、噴射燃料の微細化の一助となっている。
このような燃料噴射装置の導入により、燃焼形態が大幅に改善され、PM排出量やNOx排出量が大きく低減された。そしてエンジンアウトでの排出ガスが低減されたことにより、従来のエンジンから排出されるPM、NOx量では装着できなかったエンジン後段の各種後処理装置(DPF、DPNR等)も併用可能となり、PM、NOxの大幅な低減の達成がなされている。
しかしながら、物質の三態図を考えた場合、常温、常圧で液体の物質であっても、200MPaのような超高圧状態にさらされた場合には固体へと状態変化を起こしてしまう。新型の燃料噴射装置は従来のものと比べ、最高圧力では3倍以上、かつ最低でも50MPa以上の圧力が常時燃料にかかっていることから、高圧下でプールされた燃料の固化・ゲル化といったものが懸念される。燃料の固化・ゲル化は、燃料が液体であることを想定されて設計されている燃料噴射の噴霧形状に大きな影響を与えることは明らかであり、かつ、固体またはゲル状態のものが200MPaのような超高圧で噴射された場合、インジェクタのノズルホールがより小さくなっているような高圧噴射型の車両においてはこれらの箇所が破損する可能性が懸念される。そのため、高圧噴射装置で使用されるような超高圧下においても燃料の状態を液体状態として保持でき、燃料噴霧形態を維持することにより、適切な燃焼状態を保持できると伴に、インジェクタのノズルホール破損などのトラブルを回避できるディーゼルエンジン用の燃料油組成物を提供することを目的とした技術の報告がなされている。(例えば特許文献1)
特願2006−328657
特許文献1では、バイオディーゼルフューエル(以下、BDFと呼ぶ)の脂肪酸部分の炭素数が16以上である飽和脂肪酸アルキルエステルに起因する曇り点の高さ(常圧での結晶析出)が課題となっており、溶解力の高い芳香族類、ナフテン類、イソパラフィン類を含む軽油組成物と混合して課題の解決を図っている。
しかし、燃焼時に発生するCOが排出量にカウントされないカーボンニュートラルであるBDFの混合量を少しでも多くするためには、少量でより溶解力の高い燃料油組成物(芳香族類、ナフテン類、イソパラフィン類が多く含まれるもの)と混合することが望ましい。ここで、芳香族類よりもナフテン分またはイソパラフィン分を主体とする燃料油組成物が好ましい。コーカーなどに代表される重質油を分解処理することで得られる燃料の組成は、ナフテン分を多く含有するものであり、今後の燃料の方向性を鑑みた場合、ナフテン分を主とする燃料油組成物の利用技術確立は重要なものとなる。
しかし一方で、ナフテン類が多くなるにしたがい、燃料のさらされる圧力が高くなるごとに、結晶が析出しやすい傾向となるため、ナフテン類には配合される最適な範囲が存在する。
本発明は、上記のような社会的な要望および、技術的な課題を燃料品質に反映させ、あらゆる状況下の運転状態においても燃料噴霧を適正に保ち、高圧噴射装置や、後処理装置の機能を十分に発揮させるためには、高圧噴射装置で使用されるような超高圧下においても燃料の状態を液体状態として保持でき、燃料噴霧形態を維持することにより、適切な燃焼状態を保持できると共に、インジェクタのノズルホール破損などのトラブルを回避できるディーゼルエンジン用の燃料油組成物を提供することを目的とする。
本発明者らは、特許文献1の知見をさらに詳細に検討した結果、適切な組成、性状を有する燃料とすることで、BDFをより多く含有しながらも、高圧下において適切な燃料噴霧を可能とする知見を得て、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、以下に示す特徴を有する、コモンレール式燃料噴射装置、ユニットインジェクタ式燃料噴射装置などの燃料高圧噴射式のディーゼルエンジンに適した燃料油組成物を提供するものである。
(1)ナフテン類含有量が20〜80容量%、芳香族炭化水素含有量が40容量%以下、90容量%留出温度が315〜360℃、カウリブタノール価が13以上である燃料油基材を5〜70容量%含有し、
10容量%留出温度が180〜225℃、90容量%留出温度が315〜350℃の蒸留性状を有し、硫黄分が10質量ppm以下であり、飽和炭化水素が45〜97容量%、芳香族炭化水素が3〜30容量%、かつ、2環芳香族類の含有量が1.5容量%以下及び3環以上の多環芳香族類の含有量が0.5容量%以下であり、ナフテン類の含有量が50容量%以下、多環ナフテン類の含有量が25容量%以下、イソパラフィンの含有量が7〜90容量%、曇り点が4℃以下であり、かつ脂肪酸部分の炭素数が16以上である飽和脂肪酸アルキルエステルの含有量が0.5〜18質量%であることを特徴とするディーゼルエンジン用燃料油組成物。
本発明のディーゼル用燃料油組成物によれば、燃料を高圧にした際に生じる固化・ゲル化を抑制し、適切な燃焼状態を維持し、かつ噴射装置への機械的なダメージを回避することができる。
以下に発明の詳細を記載する。
本発明のディーゼルエンジン用燃料油組成物に含まれる燃料油基材のナフテン類含有量は、20〜80容量%、好ましくは25〜80容量%である。
ナフテン類含有量が20容量%以上であれば、燃料油へ混合することにより曇り点を下げることができ好ましく、80容量%以下であれば、燃料油組成物の固体状態と液体状態の境目を表す固液平衡線の傾きが小さくなりすぎることを抑制することが可能となり、好ましい。
なおここでのナフテン類含有割合は、高速液体クロマトグラフ法(HPLC)により芳香族炭化水素と飽和炭化水素に分画採取した後、飽和炭化水素をガスクロマトグラフ法−質量分析法(GC−MS)で分析し、ASTMD 2786に従って解析を行い、各環数別のナフテン類割合を算出し、ここで得られた割合を、JPI−5S−49−97「石油製品−炭化水素タイプ試験方法−高速液体クロマトグラフ法」により求めた飽和炭化水素の割合に乗ずることで求められる。
本発明のディーゼルエンジン用燃料油組成物に含まれる燃料油基材の90容量%留出温度は、315〜360℃、好ましくは、315〜355℃である。
90容量%留出温度が315℃以上であれば、動粘度を適切に保つことができ、360℃以下であれば軽油中の重質成分、特に多環の芳香族炭化水素を低いレベルに抑えることができ、燃焼性を良好に保つことが出来るため、好ましい。
本発明のディーゼルエンジン用燃料油組成物に含まれる燃料油基材の芳香族炭化水素含有量は、40容量%以下、好ましくは35容量%以下であり、下限についての限定はなく、少ないほど好ましく、0容量%であることがより好ましい。
芳香族炭化水素含有量が40容量%以下であれば、ディーゼルエンジン用燃料油組成物へ混合した際に燃料油の曇り点を下げることが可能となり、目詰まり点などに代表される低温特性を改善することが可能となり好ましい。
なお、ここでの芳香族炭化水素含有量は、JPI−5S−49−97「石油製品−炭化水素タイプ試験方法−高速液体クロマトグラフ法(HPLC)」に基づいて求められる。
本発明のディーゼルエンジン用燃料油組成物に含まれる燃料油基材のカウリブタノール価は13以上、好ましくは15以上、さらに好ましくは15〜50である。
カウリブタノール価が13以上であれば、ディーゼルエンジン用燃料油組成物へ混合した際に燃料油の曇り点を下げることが可能となり、目詰まり点などに代表される低温特性を改善することが可能となり好ましい。
なお、ここでのカウリブタノール価は、炭化水素の相対的溶解力を示すもので、カウリブタノール価が高いほど、樹脂溶解性が高いことを示す。本発明におけるカウリブタノール価の測定法は、ASTM D 1133に準拠して求めることができる。
本発明のディーゼルエンジン用燃料油組成物における上記燃料油基材の含有量は、5〜70容量%、好ましくは、7〜65容量%である。
含有量が5容量%以上であれば燃料油の曇り点を大きく下げることが可能となり好ましい。また、含有量が多すぎる場合、セタン価低下、および燃料油組成物の固体状態と液体状態の境目を表す固液平衡線の傾きが小さくなりすぎるため、70容量%以下とするのが好適である。
本発明のディーゼルエンジン用燃料油組成物の蒸留性状は、10容量%留出温度が180〜225℃、好ましくは183〜222℃、90容量%留出温度が315〜350℃、好ましくは317〜347℃である。
10容量%留出温度が180℃以上であれば、軽油として適切な引火点、動粘度を保つことができ、225℃以下であれば、適度な揮発性を有することから、燃焼室内での空気との混合が促進され、不均一混合燃焼に由来するPM等を低減することができるため好ましい。90容量%留出温度が315℃以上であれば、動粘度を適切に保つことができ、350℃以下であれば軽油中の重質成分、特に芳香族炭化水素を低いレベルに抑えることができ、燃焼性を良好に保つことが出来るため、好ましい。
また本発明のディーゼルエンジン用燃料油組成物に含まれる硫黄分は10質量ppm以下、好ましくは8質量ppm以下である。硫黄分を10質量ppm以下とすることで、エンジンから排出される粒子状物質(PM)の成分であるサルフェートの排出量を少なくし、排ガス後処理装置の性能に対する影響も小さくなり好ましい。
なお本発明における、蒸留性状はJIS K2254の常圧法蒸留試験、硫黄分はJIS K2541の微量電量滴定式酸化法により、それぞれ測定できる。
本発明のディーゼルエンジン用燃料油組成物における飽和炭化水素は、45〜97容量%、好ましくは50〜97容量%、芳香族炭化水素は3〜30容量%、好ましくは3〜28容量%である。芳香族炭化水素の内2環芳香族類含有量は1.5容量%以下、好ましくは1.4容量%以下であり、下限についての限定はなく、少ないほど好ましく、0容量%であることがより好ましい。
また、3環以上の多環芳香族類の含有量は0.5容量%以下、好ましくは0.3容量%以下であり、下限についての限定はなく、少ないほど好ましく、0容量%であることがより好ましい。
飽和炭化水素を45容量%以上、芳香族炭化水素を30容量%以下として、特に2環芳香族および3環以上の多環芳香族を低レベルに抑えることにより、燃焼時にPMおよびNOxの排出量を低減できる。また、芳香族炭化水素を3容量%以上とすることで、エンジンの燃料供給ラインに使用されているゴム製の各種シーリングを適度に膨潤させ、シール性を確保させることが可能となる。よって、飽和炭化水素は97容量%以下とすることが好ましい。また、本発明のディーゼルエンジン用燃料油組成物は、飽和炭化水素、芳香族炭化水素以外にCO2排出量削減を目的として、植物油由来の脂肪酸アルキルエステル1〜40容量%を含んでもよい。
なお、ここでの組成割合は、JPI−5S−49−97「石油製品−炭化水素タイプ試験方法−高速液体クロマトグラフ法(HPLC)」に基づいて求められる。
本発明のディーゼルエンジン用燃料油組成物におけるナフテン類含有割合は、50容量%以下、好ましくは48容量%以下であり、下限についての限定はなく、少ないほど好ましく、0容量%であることがより好ましい。そのうち2環以上の多環ナフテン類含有量は25容量%以下、好ましくは23容量%以下であり、下限についての限定はなく、少ないほど好ましく、0容量%であることがより好ましい。
ナフテン類、多環ナフテン類は、一般的に芳香族化合物に続き、溶解力が高いものの、50MPa以上の超高圧下においては、その多くが分子的に平面構造に近い形を有していることにより固化しやすい傾向がある。ここで、ナフテン類としては、例えば、シクロヘキサンやシクロペンチルシクロヘキサン、2環のナフテン類としては、例えば、ジシクロヘキシルエタンやデカリンなどが挙げられる。3環以上のナフテン類としては、例えば、テトラデカヒドロアントラセンなどが挙げられる。ナフテン類が50容量%以下、特に多環ナフテン類が25容量%以下であることにより、固液平衡線(圧力−温度曲線)の2次曲線の傾きを大きく保つことができるため、好ましい。
なおここでのナフテン類含有割合は、高速液体クロマトグラフ法(HPLC)によりディーゼルエンジン用燃料油組成物を芳香族炭化水素と飽和炭化水素に分画採取した後、飽和炭化水素をガスクロマトグラフ法−質量分析法(GC−MS)で分析し、ASTMD 2786に従って解析を行い、各環数別のナフテン類割合を算出し、ここで得られた割合を、JPI−5S−49−97「石油製品−炭化水素タイプ試験方法−高速液体クロマトグラフ法」により求めた飽和炭化水素の割合に乗ずることで求められる。
本発明におけるディーゼルエンジン用燃料油組成物のイソパラフィンの含有量は7〜90容量%、さらに好ましくは10〜90容量%である。イソパラフィンが7容量%以上であることにより、固液平衡線(圧力-温度曲線)の2次曲線の傾きを大きく保つことができ、90容量%以下であれば、燃料油組成物の燃焼性を適正な範囲に保つことができることにより好ましい。
なおここでのイソパラフィン含有割合は、JPI−5S−49−97「石油製品−炭化水素タイプ試験方法−高速液体クロマトグラフ法」により求めた飽和炭化水素からナフテン類含有量とn−パラフィン含有量との和を引くことにより求めることが出来る。ここで、n−パラフィン含有量は、ガスクロマトグラフ法(GC)により得ることができ、これを容量%に換算することで求めることが出来る。
本発明におけるディーゼルエンジン用燃料油組成物の曇り点は、4℃以下、さらに好ましくは2℃以下である。曇り点を4℃以下とすることで、目詰まり点などに代表される低温特性を改善することが可能となり好ましい。
本発明におけるディーゼルエンジン用燃料油組成物の、50MPaにおける結晶析出温度は12℃以下であり、10℃以下であればさらに好ましく、さらに高圧である150MPaにおける結晶析出温度が30℃以下、さらに好ましくは25℃以下である。これに加えて燃料油組成物の固体状態と液体状態の境目を表す固液平衡線の傾きが、−0.025以上であれば好ましく、−0.02以上であればさらに好ましい。
50MPaにおける結晶析出温度が12℃以下であれば、エンジン始動直後の燃料高圧噴射装置の圧力において燃料が液体状態を保つことができ、始動直後のエンジン不調を防ぐことが出来る。固液平衡線の傾きが−0.025以上であれば、ある任意の圧力上昇により結晶が析出した場合でも、小さな温度上昇(少量の熱量の投入)により固相状態から液相状態へ状態変化を起こすため、液相状態を維持するために好ましい。
なお、50MPa、および150MPaにおける結晶析出圧力、および固液平衡線は、図1に示す実験装置を用いて得ることができ、固液平衡線は、図2に示すように高圧室内の温度を−30〜80℃の任意の温度に固定し、圧力を5MPa刻みで昇圧させたときに、試料室内に結晶が析出した圧力を、横軸:温度、縦軸:結晶析出圧力のグラフにプロットし、その点を複数点結ぶことにより、2次関数のグラフとして描くことができる。
また、本発明のディーゼルエンジン用燃料油組成物における、脂肪酸部分の炭素数が16以上である飽和脂肪酸アルキルエステルの含有量は0.5〜18質量%、好ましくは1〜15質量%である。脂肪酸部分の炭素数が16以上である飽和脂肪酸アルキルエステルの結晶析出圧力は、軽油組成物中の結晶析出の原因物質であるn−パラフィンと同等程度であることから、含有量が18質量%以下であれば、軽油組成物の溶解力により、燃料を高圧にした際の飽和脂肪酸アルキルエステル由来の結晶析出による燃料の固化・ゲル化を抑制することができるため、好ましい。また、含有量が0.5質量%以上であれば、ディーゼルエンジン用燃料油組成物の潤滑性を向上させることが可能であるため好ましい。
なお、本発明に使用する上記飽和脂肪酸アルキルエステルとしては、動物油脂および植物油脂等を原料として生成される脂肪酸アルキルエステルが挙げられる。例えば、トリグリセリドが主成分である動物油脂、植物油脂から、種々の反応と精製により得られる。しかしながら、牛脂、ラード、魚油に代表される動物油脂由来の脂肪酸アルキルエステルは、不飽和脂肪酸の量、特に不飽和結合数が2以上の多価不飽和脂肪酸の量が多いことや、精製油の夾雑物が多い。このため、本発明に使用する脂肪酸アルキルエステルは、ココナツ、パームヤシ、オリーブ、ヒマワリ、ナタネ、大豆など、種々の植物を原料とする植物油脂が原料であることが好ましい。
また、産業用や、食用などで使用された廃食用油を原料とした脂肪酸アルキルエステルについても、近年の研究の結果、反応法、精製法が精査されており、夾雑物の少ない脂肪酸アルキルエステルが生産されていることから、本発明に使用することができる。
脂肪酸アルキルエステルの反応方法および精製については、一般的なアルカリ金属を用いたアルカリ触媒法、有機酸などの酸触媒を用いた酸触媒法、リパーゼ酵素を用いたリパーゼ法などがあるが、本発明において用いられる脂肪酸アルキルエステルは、反応・精製法に依存しない。
本発明で使用される脂肪酸アルキルエステルのアルキル基は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基などの、異性体を含む各種アルキル基である。
表1に、上記アルキル基が結合した脂肪酸アルキルエステルの代表例を示す。ただし、本発明において、使用される脂肪酸アルキルエステルの種類は、下記代表例に限定されるものではない。
Figure 2009292934
本発明で使用される脂肪酸アルキルエステルおよび原料に使用される油脂の脂肪酸の分析は、ガスクロマトグラフ(GC)を用いて行うことが可能である。
本発明のディーゼルエンジン用燃料油組成物は、上述したように、特定量のナフテン類、芳香族炭化水素含有量、90容量%留出温度、カウリブタノール価を有する燃料油基材を必須とする。これは例えばコーカーなどの重質油を分解処理することに製造されるものである。
上記基材以外については特に限定されるものではなく、例えば、種々の石油留分から蒸留によりその蒸留性状を調整し、水素化脱硫、芳香族抽出処理等の処理を行った軽油留分に、灯油等を適宜配合して製造することができる。JIS規格軽油としては、特1号、1号、2号、3号、特3号全般が使用可能であり、特に限定されない。その他、灯油留分を混合していない軽油基材や、重油を接触分解、水素化脱硫、水素化分解処理、脱アロマ処理等で重質油分をアップグレーディング等をした後に分留される軽油留分等でも、その性状が上述の性状を満たすものであれば使用可能であり、特に限定されるものではない。例えば、超高圧下で固化を促進するようなナフテン、多環ナフテンを含まないような原油を選択するか、水素化脱硫反応においてこれら物質を水添するなどした基材を選択的に使用することで好適に製造することができる。
本発明のディーゼルエンジン用燃料油組成物には、低温流動性向上剤を10〜1000容量ppm、好ましくは50〜700容量ppm添加することが好ましい。低温流動性向上剤を10容量ppm以上添加することにより、目詰まり点(CFPP)や流動点(PP)を改善することができ好ましい。また低温流動性向上剤の添加量が1000容量ppm以下であることにより、添加剤自体の凝集等を防ぐことができ好ましい。
本発明において使用する低温流動性向上剤は、種々のものが使用でき、例えばアルケニルコハク酸イミド、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アルキルアクリレート共重合体、ポリエチレングリコール誘導体等の共重合ポリマー、塩素化ポリエチレン、ポリアルキルアクリレート等のポリマーが挙げられる。これらの低温流動性向上剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組合せて用いてもよい。
また、本発明のディーゼルエンジン用燃料油組成物には必要に応じて、その他各種の添加剤を適宜配合することができる。このような添加剤としては、潤滑性向上剤、セタン価向上剤、界面活性剤、防腐剤、防錆剤、泡消剤、清浄剤、酸化防止剤、色相改善剤、など公知の燃料添加剤が挙げられる。これらの添加剤は、1種を単独で配合してもよいし、2種以上を組み合わせて配合してもよい。
次に、本発明を実施例、比較例によりさらに具体的に説明する。なお本発明は、これらの例によって何ら制限されるものではない。
実施例、比較例において、引火点、蒸留性状、硫黄分、30℃動粘度は、JISK2204に定められる方法に準拠して測定した。その他に、15℃密度はJIS K 2249、曇り点はJIS K 2269により測定した。
カウリブタノール価は、ASTM D 1133に基づいて測定した。
分析条件を以下に示す。
すなわち、天然カウリ樹脂とブチルアルコールで調製した標準カウリブタノール溶液20±0.1gを200ミリリットル(以下、「mL」と記す)の三角フラスコにとり、この三角フラスコを25±1℃に保った水溶液に浸した。次に、先ずトルエンをビュレットに採り、上記の三角フラスコ内に滴定した。終点は、フラスコの下に印刷活字を置き、活字の字画が不鮮明になったときとした。同様に、トルエンとn−ヘプタンとの混合液(容量割合でトルエン25:n−ヘプタン75)についても滴定する。そして、カウリブタノール価測定対象油(以下、「試料」と言う)をビュレットにとり、同様の操作で滴定した。カウリブタノール価は、下記式(1)によって算出した。
Figure 2009292934
なお、上記のカウリブタノール価の測定法において、標準カウリブタノール溶液は、トルエンで滴定したときカウリブタノール価が100〜110で、容量割合でトルエン25:ヘプタン75の混合液で滴定したときカウリブタノール価が40になるように予め調整しておく。
飽和炭化水素、芳香族炭化水素の割合と、芳香族炭化水素の環数別割合は、JPI-5S-49-97に基づいて測定した。
HPLCの装置構成及び分析条件を以下に示す。
装置:Agilent 1100 Series(ALS:G1329A,Bin Pump:G1312A,Degasser:G1379A,Rid:G1362A,Colcom:G1316A)
移動相:n−ヘキサン
流量:1.0ml/min
カラム:硝酸銀含浸シリカカラム(4.6mmI.D.*70mmL.センシュー科学製 AgNO3−1071−Y)
アミン修飾カラム(4.0mmI.D.*250mmL.2本 センシュー科学製 LICHROSORB−NH2)
カラム温度:35℃
試料濃度:10vol%
注入量:5μl
ナフテン類および環数別ナフテン類の含有量、およびイソパラフィン分析は下記方法で行った。
まず試料をHPLCにより飽和炭化水素と芳香族炭化水素により分画後、飽和炭化水素についてGC−MSによりタイプ分析を行った。ここで得られた分析結果を基に、ASTMD 2786に従って解析を行い、飽和炭化水素中のパラフィン類と、ナフテン類および環数別ナフテン類の含有割合を求めた。ここで得られた飽和炭化水素中のナフテン類および環数別ナフテン類の割合を、上記のように求めた飽和炭化水素の割合に乗ずることで、ナフテン類および環数別ナフテン類の含有量を求めた。
イソパラフィンは、上記方法で求めたナフテン類と、下記に示すn‐パラフィンの含有量を容量%に換算したものとの和を、JPI−5S−49−97「石油製品−炭化水素タイプ試験方法−高速液体クロマトグラフ法」により求めた飽和炭化水素より引くことにより求めた。
分析条件を下記に示す。
装置:HP−6890 HP5973 四重極質量分析計
カラム:DB−1:30m×0.25mmI.D.×0.25μm
オーブン温度:40℃(1min)→10℃/min→280℃(5min)
注入口温度:43℃ Oven track mode ON
インターフェース温度:300℃
キャリアガス:He:55KPa Constant flow mode ON
Solvent Delay:4.5min
質量範囲:50〜500 Threshold=100 Sampling♯3
イオン化電圧:70eV
注入方法:オンカラム注入 1.0μl
n−パラフィン含有量は、ガスクロマトグラフィ(GC)により測定した。以下に測定条件を示す。
・バイオマス軽油A、B、ナフテンA、Bおよびディーゼルエンジン用燃料油組成物について
装置:5890 series2(Agilent Technologies)
カラム:Ultra 1 (Agilent)Crosslinked Methyl Silicone Gum、50m×0.20mmI.D. 膜厚0.33μm
検出器:FID
オーブン温度:60℃(0min)−(6℃/min)→340℃(10min)Run 56.7min
注入口:On−column
注入口温度:オーブントラックモード(オーブン温度+3℃)
検出器温度:350℃
キャリアガス:He 280kPa(定圧)1.3mL/min 線速度29.7cm/sec(at 60℃)
メイクアップガス:He
FID燃焼ガス:H2 30 mL/min,Air 400mL/min
注入量:0.2μl
定量法:内標準法(内標準物質:フタル酸ジブチルエステル)
・ナフテンCについて
装置:6890(Agilent Technologies)
カラム:DB−1 30m×0.25mmI.D. 膜厚0.25μm
検出器:FID
オーブン温度:50℃(1min)−(5℃/min)→340℃(20min)Run 79min
注入口:Split(Back) 100:1
キャリアガス:He 83kPa(定圧)1.0mL/min Total 100mL/min
平均線速度:26cm/sec
メイクアップガス:He
FID燃焼ガス:H2 30 mL/min,Air 400mL/min
注入量:0.1μl
試料希釈:二硫化炭素で1/2に希釈
ベースライン:補正あり
脂肪酸アルキルエステルの分析は、ガスクロマトグラフィ(GC)により測定した。以下に測定条件を示す。
装置:島津 GC−2010
カラム:DB−WAX 30m×0.25mm I.D. 膜厚0.25um
オーブン温度:60℃(1min)−(10℃/min)→250゜C(20min) Run 40min
注入口:スプリットレス 280℃
検出器:FID 280℃
キャリヤーガス:He 100kPa(Totalflow 40.2ml/min)1.2ml/min 29.6cm/sec
注入方法:スプリットレス注入
試料希釈:0.01g/2mL Toluene
注入量:0.2μl
本発明における実験装置を図1に示す。本実験装置は、実験試料を入れる高圧室と、圧媒(常温時:水、低温時:エタノール)からの圧力に応じて上下するガラス製のピストンから成る。ポンプにより圧媒を圧送することにより、高圧室内の圧力を常圧から、300MPaまでの任意の圧力に昇圧することができる。この際、図1に示した高圧セル自体も圧媒に満たすことにより、高圧室及びピストンの外壁が圧力により変形、破損することなく観測を行うことが出来る。高圧室内の観察は、装置上下のサファイア窓よりガラス製のピストンを通してマイクロスコープ等によって光学的に行うことができる。
<基材>
・バイオマス軽油A
原油を常圧蒸留することにより得られた沸点範囲150〜360℃で90%留出温度が345℃の軽油留分を硫黄分10質量ppm以下に水素化脱硫した脱硫軽油基材に、ナタネ油脂をアルカリ触媒による処理にてアルキルエステル化し、精製することにより得られた脂肪酸アルキルエステル混合物を、炭素数16以上の飽和脂肪酸エステル含有量が2.45質量%、炭素数16以上の不飽和脂肪酸エステル含有量が4.51質量%となるように混合し、表2に示す性状のバイオマス軽油Aを得た。
・バイオマス軽油B
原油を常圧蒸留することにより得られた沸点範囲150〜360℃で90%留出温度が345℃の軽油留分を硫黄分10質量ppm以下に水素化脱硫した脱硫軽油基材に、パーム油脂をアルカリ触媒による処理にてアルキルエステル化し、精製することにより得られた脂肪酸アルキルエステル混合物を、炭素数16以上の飽和脂肪酸エステル含有量が19.56質量%、炭素数16以上の不飽和脂肪酸エステル含有量が19.21質量%となるように混合し、表2に示す性状のバイオマス軽油Bを得た。
・ナフテンA
市販のナフテン、およびイソパラフィンで、沸点範囲が208〜245℃となるように調製し、ナフテン類含有量が47.7容量%である、表3に示す性状のナフテンAを得た。
・ナフテンB
接触分解装置より得られる分解軽油を水素化精製し、沸点範囲が180.5〜350℃になるよう調整し、ナフテン類含有量が59.0容量%である、表3に示す性状のナフテンBを得た。
・ナフテンC
市販のn−パラフィン溶剤(n−C9〜n−C21)および、市販のn−パラフィン試薬を用いて沸点範囲が258.5〜309.5℃になるように調整して、表3に示す性状のナフテンCを得た。
<実施例1>
バイオマス軽油A90容量%に、ナフテンAを10容量%混合し、ディーゼルエンジン用燃料油組成物を得た。そして得られたディーゼルエンジン用燃料油組成物に、エチレン−酢酸ビニル共重合体から成る流動性向上剤をディーゼルエンジン用燃料油組成物全量に対し300容量ppm、また長鎖アルキルエステルから成る潤滑性向上剤をディーゼルエンジン用燃料油組成物全量に対し100mg/kg添加した。得られたディーゼルエンジン用燃料油組成物の性状を表4に示す。
<実施例2>
バイオマス軽油B90容量%に、ナフテンAを10容量%混合することにより、ディーゼルエンジン用燃料油組成物を得た。そして得られたディーゼルエンジン用燃料油組成物に、エチレン−酢酸ビニル共重合体から成る流動性向上剤をディーゼルエンジン用燃料油組成物全量に対し300容量ppm、また長鎖アルキルエステルから成る潤滑性向上剤をディーゼルエンジン用燃料油組成物全量に対し100mg/kg添加した。得られたディーゼルエンジン用燃料油組成物の性状を表4に示す。
<実施例3>
バイオマス軽油B60容量%に、ナフテンBを40容量%混合することにより、ディーゼルエンジン用燃料油組成物を得た。そして得られたディーゼルエンジン用燃料油組成物に、エチレン−酢酸ビニル共重合体から成る流動性向上剤をディーゼルエンジン用燃料油組成物全量に対し300容量ppm、また長鎖アルキルエステルから成る潤滑性向上剤をディーゼルエンジン用燃料油組成物全量に対し100mg/kg添加した。得られたディーゼルエンジン用燃料油組成物の性状を表4に示す。
<比較例1>
バイオマス軽油B90容量%に、ナフテンCを10容量%混合することにより、ディーゼルエンジン用燃料油組成物を得た。そして得られたディーゼルエンジン用燃料油組成物に、エチレン−酢酸ビニル共重合体から成る流動性向上剤をディーゼルエンジン用燃料油組成物全量に対し300容量ppm、また長鎖アルキルエステルから成る潤滑性向上剤をディーゼルエンジン用燃料油組成物全量に対し100mg/kg添加した。得られたディーゼルエンジン用燃料油組成物の性状を表4に示す。
<比較例2>
バイオマス軽油B20容量%に、ナフテンAを80容量%混合することにより、ディーゼルエンジン用燃料油組成物を得た。そして得られたディーゼルエンジン用燃料油組成物に、エチレン−酢酸ビニル共重合体から成る流動性向上剤をディーゼルエンジン用燃料油組成物全量に対し300容量ppm、また長鎖アルキルエステルから成る潤滑性向上剤をディーゼルエンジン用燃料油組成物全量に対し100mg/kg添加した。得られたディーゼルエンジン用燃料油組成物の性状を表4に示す。
Figure 2009292934
Figure 2009292934
Figure 2009292934
表4中、10℃、50MPa、および30℃、150MPaにおける液体状態の維持について、高圧室内の燃料が液体状態ならば「○」の判定、結晶の析出が見られる、もしくは燃料が固化しているならば、「×」と判定した。
カウリブタノール価に示される溶解度が高いナフテンA、またはナフテンBを適量混合し、十分に曇り点を下げた実施例1〜3では、10℃、50MPa、および30℃、150MPaの双方の条件で結晶の析出は見られなかった。しかし、比較例1は、混合したナフテンCの溶解度(カウリブタノール価)が小さいために、曇り点を十分に下げることができず、10℃、50MPa、30℃、150MPaにおいて、結晶の析出が認められた。
比較例2は、混合したナフテンAの溶解度は十分であるが、混合後のナフテン量が多く、かつイソパラフィン量が少ないため固液平衡線の傾きが小さくなり、10℃、50MPaにおいては結晶の析出が見られなかったものの、より高圧である30℃、150MPaにおいて結晶の析出が確認された。
図2に、燃料油組成物の固−液平衡図を示す。横軸は試料温度[℃]、縦軸はある温度での結晶析出圧力[MPa]を示しており、任意の温度における結晶析出圧力を複数点プロットすることにより、固−液平衡線図は通常、2次曲線として描かれる。この固−液平衡線より左の部分は、試料に結晶が析出し、ゲルもしくは、固体状態となっていることを示している。固−液平衡線図の始点:圧力0の時の試料中への結晶析出温度は、いわゆる曇り点を示している。曇り点が同一の試料であっても、試料中の組成により、2次曲線の傾きが異なり、試料の固体状態の領域は大きく異なる。図中の曲線1は実施例1を、曲線2は実施例3を、曲線3は比較例1を示している。実施例1、3では10℃、50MPaで液体状態であるが、比較例1では固−液の境界面にあり、固体と液体の共存状態となっている。
結晶析出圧力および固液平衡線の測定に使用した実験装置の概略図である。 実施例1、3および比較例1の固液平衡線をプロットしたグラフである。

Claims (1)

  1. ナフテン類含有量が20〜80容量%、芳香族炭化水素含有量が40容量%以下、90容量%留出温度が315〜360℃、カウリブタノール価が13以上である燃料油基材を5〜70容量%含有し、
    10容量%留出温度が180〜225℃、90容量%留出温度が315〜350℃の蒸留性状を有し、硫黄分が10質量ppm以下であり、飽和炭化水素が45〜97容量%、芳香族炭化水素が3〜30容量%、かつ、2環芳香族類の含有量が1.5容量%以下及び3環以上の多環芳香族類の含有量が0.5容量%以下であり、ナフテン類の含有量が50容量%以下、多環ナフテン類の含有量が25容量%以下、イソパラフィンの含有量が7〜90容量%、曇り点が4℃以下であり、かつ脂肪酸部分の炭素数が16以上である飽和脂肪酸アルキルエステルの含有量が0.5〜18質量%であることを特徴とするディーゼルエンジン用燃料油組成物。
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