JP5081535B2 - 低硫黄ディーゼル燃料油 - Google Patents

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Description

本発明は低硫黄ディーゼル燃料油に関し、とりわけオフロード用の低硫黄ディーゼル燃料油に関する。
我が国では、環境基準達成の観点から、ディーゼル車、特に大型ディーゼル車の排ガス規制が強化されてきているが、建設機械、農業機械等のオフロード(又はノンロード)ディーゼルエンジンの排ガス規制も強化される動きにある。これらの排ガス規制に対応するため、オフロードエンジンに使用される燃料噴射装置や排ガス後処理装置において新たな技術開発と普及が期待されている。使用される燃料油においても、このような動向に対応して特性の改良が求められており、種々の研究開発が続けられている。
例えば、特許第3812853号明細書には、10%残炭値を規格値内に抑え、エンジン出力を低下させず、90%留出温度を310℃未満に下げることなく、しかもエンジン負荷の全範囲でパティキュレートの発生を大幅に低下させることが可能な軽油と植物油の混合燃料を提供することを目的とした発明が記載されている。
その請求項1には、50%留出温度が200〜260℃であり、軽油と灯油の混合物である鉱物油基材であって、かつ鉱物油基材全量に対して灯油を30〜80%混合した鉱物油基材100容量部と、エステル化植物油10〜100容量部からなり、動粘度が2.0〜5.0(mm2/s,30℃)、セタン価が51〜57であるディーゼル燃料が記載されている。
特許第3866380号明細書には、燃費性能の低下を招くことなく、排ガス浄化性能に優れたディーゼル燃料油組成物を提供することを目的とした発明が記載されている。
その請求項1には、沸点が90〜150℃の範囲内にあり、芳香族分1〜10容量%、ナフテン分5〜40容量%を有し、硫黄分0.01重量%以下である石油留分A0.1〜10容量%、及び沸点が150〜370℃の範囲内にある石油留分B99.9〜90容量%を含有することを特徴とするディーゼル燃料油組成物が開示されている。
また、特開2006−257365号公報には、硫黄分が10質量ppm以下の低硫黄軽油において、低温でのフィルター閉塞を抑制し良好な低温始動性、環境汚染を抑制した排出ガス性能および優れた燃費特性を有し、低温、常温におけるスムーズな作動性を有する軽油組成物を提供することを目的とした発明が記載されている。
その請求項1には硫黄分が10質量ppm以下、徐冷曇り点が−30.0℃〜−13.0℃、流動点が−30.0℃以下、目詰まり点が−19℃以下、セタン指数が45.0以上、30℃における動粘度が1.7〜4.0mm2/s、引火点が45℃以上、180℃における留出量(E180)と280℃における留出量(E280)の差(E280−E180)が55〜75vol%、300℃における留出量(E300)と350℃における留出量(E350)の差(E350−E300)が20vol%以下、かつ−29℃でのワックス透過率が10%以上であることを特徴とする軽油組成物が記載されている。
特許第3812853号明細書 特許第3866380号明細書 特開2006−257365号公報
ところで、ディーゼル燃料としては、オンロード用には軽油、オフロード用には軽油のほか灯油やA重油を使用するのが一般的である。それらの中でも我が国では灯油やA重油がオフロード用に多用されている。しかしながら、将来的な環境規制の強化への対応を視野に入れると、オフロードディーゼルに使用されるであろう燃料噴射装置や排ガス後処理装置との関係で以下のような不都合が生じるおそれがある。
灯油は比較的低硫黄な燃料であるが、JIS規格(JIS K 2203)で定める規格値は0.008質量%以下とまでしか規制されていないので、DPF等の排ガス後処理装置への影響が懸念される。また、潤滑性が低いことから燃料ポンプやコモンレール等、最新の燃料噴射装置において摩耗などの悪影響も懸念される。
更に、灯油は引火点や単位容量当たりの発熱量が軽油やA重油と比較して小さいことから、更なる改善が望まれている。
A重油を用いようとする場合、排ガス規制に対応するには後処理装置としてDPFを装着することが必須となると考えられるが、硫黄分が多量に含まれることからDPFの目詰まりが頻繁に生じることとなる。また、芳香族分も多いことから、排ガス中のPMやNOxの制御にも困難を伴う。
軽油の場合には、オフロード用に使用しても問題ないものの、灯油やA重油と比較して価格が高いことから、軽油以外の燃料を開発することが望まれている。
また、オフロード用燃料は、オンロード用燃料の使用環境と比較し、より低温下での使用もあることから、軽油より更なる低温特性の優れた燃料が望まれる。
そのため、排ガス規制の強化を受けて将来的に普及が期待されるコモンレール等の最新の燃料噴射装置や後処理装置に適したオフロードディーゼル用の燃料油は潤滑性及び低温流動性を兼ね備えた低硫黄燃料油、また更には引火点、単位容量あたりの発熱量を高めた燃料油であると考えられるが、このような特性を満足する燃料油は未だ提供されていない。そこで、本発明では次世代型オフロードディーゼルエンジンに好適な、潤滑性及び低温流動性、更には安全性および高発熱量を兼ね備えた低硫黄燃料油を提供することを課題とする。
本発明者は上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、特定の密度、動粘度、引火点、蒸留性状等を有する石油系炭化水素とバイオディーゼル1.0質量%以上5.0質量%以下とを配合することにより所望の性状を満足するディーゼル燃料油が得られることを見出した。特定の密度、動粘度、引火点、蒸留性状等を有する石油系炭化水素とは後述する軽質高引火点高発熱量炭化水素及び/又は脱硫灯油である。
斯かる知見を基礎として完成した本発明は一側面において、密度が0.7900〜0.8200g/cm3、硫黄分が10質量ppm以下、窒素分が10質量ppm以下、動粘度(30℃)が2.00mm2/s以下、引火点が40℃以上、初留点が140℃以上、90%留出温度が260℃以下、HFRRが460μm以下、セタン指数が45以上、10%残油の残留炭素分が0.10質量%以下、流動点が−45℃以下、脂肪酸の炭素数1〜4の低級アルコールエステルが1.0質量%以上5.0質量%以下、トリグリセリド含有量が0.01質量%以下、炭素数1〜4の低級アルコール含有量が0.01質量%以下、酸価が0.13mgKOH/g以下、有機酸(ギ酸、酢酸、プロピオン酸の総和)が0.003質量%以下、酸化安定性が0.12mgKOH/g以下、総発熱量が36,660kJ/L以上のディーゼル燃料油である。
本発明に係るディーゼル燃料油は更に別の一実施形態において、密度が0.8100g/cm3以上、引火点が62℃以上、総発熱量が37,200kJ/L以上である。この実施形態によれば、A重油並みの安全性を有し、潤滑性、着火性、低温流動性も高い。
本発明により、潤滑性及び低温流動性を兼ね備えた低硫黄燃料油を提供することが可能となる。本発明に係る燃料油は将来的に普及が予想される次世代型オフロードディーゼルに適している。
軽質高引火点高発熱量炭化水素(基材A)
本発明において、軽質高引火点高発熱量炭化水素とはノルマルパラフィン製造装置から残留分として得られるラフィーネートのうち、初留点が170〜210℃、90%留出温度が220〜260℃、硫黄分が10質量ppm以下、窒素分が10質量ppm以下の留分を指す。軽質高引火点高発熱量炭化水素は燃料油中で低温特性を改善するため軽質であり、発熱量を高める、引火点を上げ安全性を高める等の役割をすることができる。
ノルマルパラフィン製造装置はナフサ、灯油及び軽油等の留分からアイソシーブ法、モレックス法、尿素アダクト法、ニューレックス法等によってノルマルパラフィンを吸着分離して取り出す装置であり、軽質高引火点高発熱量炭化水素はその残留分である。該軽質高引火点高発熱量炭化水素は主にイソパラフィン、芳香族が含まれ、本発明に使用する軽質高引火点高発熱量炭化水素は、特にイソパラフィンを70%以上含むのが望ましい。
本発明に使用する軽質高引火点高発熱量炭化水素は初留点が170〜210℃、好ましくは180〜200℃、より好ましくは185〜195℃である。これは低温流動性を確保する理由による。また、90%留出温度が220〜260℃、好ましくは230〜250℃、より好ましくは235〜245℃である。これは発熱量を確保する理由による。また、該軽質高引火点高発熱量炭化水素は引火点が高く、一般に65〜75℃、好ましくは67〜75℃、より好ましくは70〜75℃である。更に、該軽質高引火点高発熱量炭化水素は、総発熱量が高く、一般に37,000kJ/L以上、好ましくは37,200kJ/L以上、より好ましくは37,300kJ/L以上であり、例えば37,000〜37,500kJ/Lである。
その他、軽質高引火点高発熱量炭化水素は典型的には密度が0.80〜0.82g/cm3、硫黄分が1質量ppm以下、窒素分が1質量ppm以下、10%残油の残留炭素分が0.10質量%以下、動粘度(30℃)が1.5〜1.8mm2/s、セタン指数が45〜50、酸価が0.12mgKOH/g以下、HFRRが600〜800μm、流動点が−70〜−90℃である。
脱硫灯油(基材B)
本発明において、脱硫灯油(基材B)とは常圧蒸留装置から留出される直留灯油を水素化精製して得た初留点が140〜170℃、90%留出温度が210〜260℃、硫黄分が10ppm以下、窒素分が10質量ppm以下の留分を指す。脱硫灯油は燃料油中で低温流動性を改善する役割をすることができる。
前記直留灯油は初留点が140〜170℃、好ましくは140〜160℃、より好ましくは140〜150℃である。これは低温流動性を確保する理由による。また、90%留出温度が210〜260℃、好ましくは220〜260℃、より好ましくは230〜260℃である。これは発熱量を確保する理由による。
その他、脱硫灯油は典型的には密度が0.79〜0.80g/cm3、硫黄分が5〜10質量ppm、窒素分が1質量ppm以下、引火点が40〜45℃、10%残油の残留炭素分が0.10質量%以下、動粘度(30℃)が1.2〜1.4mm2/s、セタン指数が45〜50、酸価が0.12mgKOH/g以下、HFRRが600〜800μm、総発熱量が36,600〜37,000kJ/L、流動点が−45〜−55℃である。
バイオディーゼル(基材C)
本発明において、バイオディーゼルとは植物油、動物油及び魚油といった生物由来の油脂を原料にして化学処理して製造される脂肪酸低級アルコールエステルを指す。脂肪酸低級アルコールエステルとは本発明においては炭素数が1〜4の直鎖状又は分枝鎖状アルコールと脂肪酸とのエステルを指し、例えば、脂肪酸メチルエステル、脂肪酸エチルエステル、脂肪酸プロピルエステル、脂肪酸ブチルエステル又はこれらの混合物である。酸化安定性、収率の面からは、脂肪酸低級アルコールエステルは好ましくは脂肪酸メチルエステル、脂肪酸エチルエステル又はこれらの混合物であり、特に好ましくは脂肪酸メチルエステルである。本発明に係るディーゼル燃料油はバイオディーゼルを配合して製造するため、植物油由来の油脂から製造されるバイオディーゼルを使用した場合、二酸化炭素削減即ち地球温暖化対策としても有効である。また、バイオディーゼルを添加することにより潤滑性を向上、発熱量を高めるメリットがある。
植物油としては、限定的ではないが、コーン油、大豆油、オリーブ油、なたね油、ごま油、落花生油、ジャトロファ油及びパーム油を挙げることができる。動物油としては、限定的ではないが、肝油、鯨油、牛脂、牛酪脂、馬油、豚油、羊脂を挙げることができる。魚油としては、限定的ではないが、鮪油、鰯油、鰊油、イカ油、サンマ油を挙げることができる。
このようなエステル化油脂は当業者に知られた任意の手段を用いて製造でき、例えば、酸又はアルカリの存在下で上記油脂とメタノール、エタノールなどの低級アルコールとを反応させ、水洗等で精製する方法によって製造することができる。
燃料油中のバイオディーゼルの配合量は、潤滑性の向上並びに発熱量向上の観点から、合計で1.0質量%以上とする。但し、バイオディーゼルは品質が劣化し易く、スラッジの発生によりフィルターの目詰まり等を引き起こすおそれがある。そのため、バイオディーゼルを本発明に係るディーゼル燃料油に配合する場合には該燃料油中の含有量を最大でも合計で5.0質量%に抑え、とりわけ脂肪酸メチルエステルを5.0質量%以下とするのが好ましい。
また、燃料油中におけるトリグリセリドは0.01質量%以下、メタノールは0.01質量%以下であるのが好ましい。これは酸化安定性を維持するために必要である。
酸価は0.13mgKOH/g以下、有機酸(ギ酸、酢酸、プロピオン酸の総和)は0.003質量%以下であり、燃料油としての酸化安定性は0.12mgKOH/g以下であるのが好ましい。これは脂肪酸メチルエステルに酸化防止剤を添加することにより達成可能である。
燃料油
本発明に係るディーゼル燃料は一実施形態において、軽質高引火点高発熱量炭化水素と脱硫灯油の1種以上を合計で95.0質量%以上99.0質量%以下と、バイオディーゼルを1.0質量%以上5.0質量%以下とを含有する。
この実施形態に係るディーゼル燃料は一般に、密度が0.7900〜0.8200g/cm3、硫黄分が10質量ppm以下、窒素分が10質量ppm以下、動粘度(30℃)が2.00mm2/s以下、引火点が40℃以上、初留点が140℃以上、90%留出温度が260℃以下、HFRRが460μm以下、セタン指数が45以上、10%残油の残留炭素分が0.10質量%以下、流動点が−45℃以下、脂肪酸低級アルコールエステルが1.0質量%以上5.0質量%以下、トリグリセリドが0.01質量%以下、炭素数1〜4の低級アルコールが0.01質量%以下、有機酸(ギ酸、酢酸、プロピオン酸の総量)が0.003質量%、総発熱量が36,660kJ/L以上を有する。
本発明に係るディーゼル燃料は更に別の一実施形態において、本発明に係るディーゼル燃料油は、軽質高引火点高発熱量炭化水素を95.0質量%以上99.0質量%以下とバイオディーゼルを1.0質量%以上5.0質量%以下とを含有する。
この実施形態に係るディーゼル燃料油は一般に、密度が0.8100〜0.8200g/cm3、硫黄分が10質量ppm以下、窒素分が10質量ppm以下、動粘度(30℃)が2.00mm2/s以下、引火点が62℃以上、初留点が170℃以上、90%留出温度が260℃以下、HFRRが460μm以下、セタン指数が45以上、10%残油の残留炭素分が0.10質量%以下、流動点が−50℃以下、総発熱量が37,200kJ/L以上を有することができる。
密度は典型的な例では0.8100〜0.8150g/cm3である。
硫黄分は好ましくは5質量ppm以下であり、より好ましくは1質量ppm以下である。
窒素分は好ましくは5質量ppm以下であり、より好ましくは1質量ppm以下である。
動粘度は好ましくは1.80mm2/s以下であり、より好ましくは1.70mm2/s以下であり、典型的な例では1.60〜1.80mm2/sである。
引火点は好ましくは65℃以上であり、より好ましくは70℃以上であり、典型的な例では65〜75℃である。
初留点は典型的な例では180〜200℃である。
90%留出温度は好ましくは250℃以下であり、典型的な例では230〜250℃である。
HFRRは好ましくは450μm以下であり、典型的な例では410〜450μmである。
セタン指数は典型的な例では45〜50であり、より典型的には45〜48であり、更により典型的には45〜46である。
10%残油の残留炭素分は好ましくは0.05質量%以下であり、より好ましくは0.01質量%以下である。
流動点は好ましくは−60℃以下であり、より好ましくは−70℃以下であり、典型的な例では−60〜−80℃である。
総発熱量は好ましくは37,300kJ/L以上であり、より好ましくは37,400kJ/L以上であり、典型的な例では37,200〜37,500kJ/Lである。
本発明に係るディーゼル燃料は更に別の一実施形態において、本発明に係るディーゼル燃料油は脱硫灯油を95.0質量%以上99.0質量%以下とバイオディーゼルを1.0質量%以上5.0質量%以下とを含有する。
この実施形態に係るディーゼル燃料油は一般に、密度が0.7900〜0.8000g/cm3、硫黄分が10質量ppm以下、窒素分が10質量ppm以下、動粘度(30℃)が1.70mm2/s以下、引火点が40℃以上、初留点が140℃以上、90%留出温度が260℃以下、HFRRが450μm以下、セタン指数が45以上、10%残油の残留炭素分が0.10質量%以下、流動点が−45℃以下、総発熱量が36,660kJ/L以上を有することができる。
密度は典型的な例では0.7950〜0.8000g/cm3である。
硫黄分は好ましくは8質量ppm以下であり、典型的な例では4〜8質量ppmである。
窒素分は好ましくは5質量ppm以下であり、より好ましくは1質量ppm以下である。
動粘度は好ましくは1.60mm2/s以下であり、より好ましくは1.50mm2/s以下であり、典型的な例では1.30〜1.60mm2/sである。
引火点は好ましくは42℃以上であり、典型的な例では42〜45℃である。
初留点は典型的な例では150〜170℃である。
90%留出温度は典型的な例では240〜260℃である。
HFRRは好ましくは430μm以下であり、より好ましくは410μmであり、典型的な例では400〜430μmである。
セタン指数は好ましくは45〜50であり、典型的には46〜48である。
10%残油の残留炭素分は好ましくは0.05質量%以下であり、より好ましくは0.01質量%以下である。
流動点は典型的な例では−45〜−60℃であり、より典型的には−45〜−50℃である。
総発熱量は好ましくは36,800kJ/L以上であり、典型的な例では36,600〜37,000kJ/Lである。
さらに、本発明のディーゼル燃料油には、当業界で公知の燃料油添加剤の1種又は2種以上を必要に応じて配合することができる。これらの配合量は適宜選べるが、エンジンデポジット生成を抑制するため、通常は添加剤の合計配合量を0.1重量%以下に維持することが好ましい。本発明のディーゼル燃料油に使用可能な燃料油添加剤を例示すれば、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アルキルアクリレート共重合体、ポリアルキルアクリレート等のポリマー系、アルケニルこはく酸アミド等の界面活性剤型の低温流動性向上剤、硝酸アルキル系のセタン価向上剤、脂肪酸系やエステル系の潤滑性向上剤などを挙げることができる。
本明細書で使用される各種パラメーターは以下の方法に準拠して測定されたものをいう。
密度:JIS K 2249「原油及び石油製品密度試験方法」に規定された方法(15℃)
硫黄分:JIS K 2541−6「硫黄分試験方法(紫外蛍光法)」に規定された方法
窒素分:JIS K 2609−4「窒素分試験方法(化学発光法)」に規定され方法
動粘度:JIS K2283「動粘度試験方法」に規定された方法(30℃)
引火点:JIS K 2265−1「引火点の求め方」に規定された方法
蒸留性状:JIS K 2254「燃料油蒸留試験方法」に規定された方法
HFRR:JPI−5S−50−98「軽油−潤滑性試験方法」に規定された方法
セタン指数:JIS K 2280「石油製品−燃料油−オクタン価及びセタン価試験方法並びにセタン指数算出方法」に規定された方法
10%残油の残留炭素分:JIS K 2270「残留炭素分試験方法」に規定された方法
流動点:JIS K 2269「原油及び石油製品の流動点並びに石油製品曇り点試験方法」に規定された方法
総発熱量:JIS K 2279「発熱量試験方法」に規定された方法
脂肪酸メチルエステル:液体クロマトグラフィー法による
トリグリセリド:液体クロマトグラフィー法による
メタノール:酸素検出式ガスクロマトグラフ法
酸価:JIS K 2501「中和価試験方法」に規定された方法
有機酸:水抽出イオンクロマトグラフ法
酸化安定性:ISO12205の酸化安定性試験において、試料温度を95℃から115℃に変更し、試料350mL中に、酸素を供給量3L/h、供給圧98kPaにて、16時間供給した後、試料を氷で冷却して室温に戻す酸化試験を行う。酸化試験後の酸価から試験前の酸価を減じた値を酸化安定性とする。
以下に、本発明を実施例に基づいてより詳細に説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。
表1に示す炭化水素系燃料油基材を用意した。各基材は、次の方法で用意した。
基材A:ノルマルパラフィン製造装置から留出される軽質高引火点高発熱量炭化水素であり、初留点が190℃、90%留出温度が237℃の留分である。
基材B:常圧蒸留装置から留出される直留灯油を水素化精製して得られる、初留点が147℃、90%留出温度が244℃の留分である。
基材C:パーム油をメタノールでエステル交換して得られる脂肪酸メチルエステルで、初留点が313℃、90%留出温度が344℃の留分である。
Figure 0005081535
表1で示した基材を所定の比率で配合して、実施例1〜2となる炭化水素系燃料油を調製した。結果を表3に示す。また市販のA重油及び灯油の性状を表2に示す。
Figure 0005081535
Figure 0005081535

Claims (5)

  1. 密度が0.7900〜0.8200g/cm3、硫黄分が10質量ppm以下、窒素分が10質量ppm以下、動粘度(30℃)が2.00mm2/s以下、引火点が40℃以上、初留点が140℃以上、90%留出温度が260℃以下、HFRRが460μm以下、セタン指数が45以上、10%残油の残留炭素分が0.10質量%以下、流動点が−45℃以下、脂肪酸低級アルコールエステルが1.0質量%以上5.0質量%以下、トリグリセリド含有量が0.01質量%以下、炭素数1〜4の低級アルコール含有量が0.01質量%以下、酸価が0.13mgKOH/g以下、有機酸(ギ酸、酢酸、プロピオン酸の総和)が0.003質量%以下、酸化安定性が0.12mgKOH/g以下総発熱量が36,660kJ/L以上の低硫黄ディーゼル燃料油。
  2. 密度が0.8100g/cm3以上、引火点が62℃以上、総発熱量が37,200kJ/L以上である請求項1記載の低硫黄ディーゼル燃料油。
  3. 脂肪酸低級アルコールエステルが、脂肪酸メチルエステル、脂肪酸エチルエステル又はこれらの混合物である、請求項1又は2に記載の低硫黄ディーゼル燃料油。
  4. 低級アルコールが、メタノール、エタノール又はこれらの混合物である請求項1〜3の何れかに記載の低硫黄ディーゼル燃料油。
  5. オフロードディーゼルに用いる請求項1〜4の何れかに記載の低硫黄ディーゼル燃料油。
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