JPH07228882A - ガスタービン油組成物 - Google Patents

ガスタービン油組成物

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JPH07228882A
JPH07228882A JP4177894A JP4177894A JPH07228882A JP H07228882 A JPH07228882 A JP H07228882A JP 4177894 A JP4177894 A JP 4177894A JP 4177894 A JP4177894 A JP 4177894A JP H07228882 A JPH07228882 A JP H07228882A
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JP
Japan
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gas turbine
oil
oil composition
turbine oil
weight
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JP4177894A
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Inventor
Katsuyuki Suzuki
克幸 鈴木
Kenji Hirota
謙治 広田
Kenji Hayashi
健司 林
Shinichiro Hosoya
愼一郎 細矢
Norio Yano
法生 矢野
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COSMO SOGO KENKYUSHO KK
Cosmo Oil Co Ltd
Original Assignee
COSMO SOGO KENKYUSHO KK
Cosmo Oil Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 芳香族分含有量0.5重量%以下、硫黄含有
量5ppm以下、粘度指数100以上の鉱油又は合成油
を基油とし、その基油にアルキル化ジフェニルアミンを
0.1〜2重量%、アルキル化フェニル−α−ナフチル
アミンを0.1〜3重量%、フォスファイトを0.1〜
1重量%、ベンゾトリアゾール及びその誘導体の少なく
とも1種を0.001〜0.5重量%の割合で配合した
ガスタービン油組成物。 【効果】 非常に高い酸化安定性を示すと共に、スラッ
ジ発生が極めて少なく色安定性に優れ、長期に亘り酸化
安定性を示す。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、ガスタービン油組成物
に関し、詳しくは高温条件下においても非常に高い酸化
安定性を示すと共に、スラッジ発生が極めて少なく色安
定性に優れ、長期に亘り高い酸化安定性を有するガスタ
ービン油組成物に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、ガスタービン油のような酸化安定
性を重視する潤滑油は、酸化防止剤やさび止め剤、消泡
剤などの各種添加剤を鉱油からなる基油に配合して製造
されている。酸化防止剤は、油の酸化の過程で生じる酸
化生成物の重縮合による粘度上昇、油に不溶解のスラッ
ジ生成など、潤滑油としての性能低下を防ぐ目的で用い
られている。酸化防止剤として一般に知られている物質
としては、DBPC(d−t−butyl p−cre
sol)が挙げられるが、これはタービン油など潤滑油
全般に広く使用されている。しかしながら、最近の火力
発電の主流となりつつあるコンバインドサイクル発電プ
ラントの中核となるガスタービンには、使用温度条件が
苛酷なために、一般のタービン油では酸化安定性が不充
分であり、高温下でも優れた酸化安定性を有するガスタ
ービン専用油が使用されている。例えば、コンバインド
サイクル発電用ガスタービンの代表的なメーカーである
ゼネラルエレクトリック社(以下GE社と略す。)は、
ガスタービンに使用する潤滑油に規格(GEK−325
68A)を設け、これに合格した油を推奨している。従
って、前記ガスタービンに使用される酸化防止剤につい
ても、従来タービン油で一般的に用いられている前述の
DBPCは揮発性であるために不適切であり、耐熱性の
高いタイプのものが要求される。かかる酸化防止剤とし
ては種々の化合物が知られており、例えばアルキル化ジ
フェニルアミンなどのアミン系酸化防止剤や高分子量ヒ
ンダードフェノールなどが挙げられる。従来のガスター
ビン油では、アミン系酸化防止剤と高分子量ヒンダード
フェノールを混合して用いている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、最近のコン
バインドサイクル発電用のガスタービンの熱効率の向上
に伴い、ガスタービン油についても酸化安定性を始めと
する品質の向上が要求されてきており、またメンテナン
スの容易性に起因する更油期間の延長という点から、油
の長期にわたる酸化安定性も要望されている。さらに、
実機での実用性能の面から油の耐スラッジ性についても
重要視されている。従って、前記のGEの規格に合格し
ただけでは、ガスタービン油としての性能は十分とは言
い難く、より高温条件下においても非常に高い酸化安定
性を示すことは勿論、スラッジの発生が極めて少なく、
長期にわたる酸化安定性を有するガスタービン油組成物
が要求されている。
【0004】しかしながら、従来からの酸化防止剤を用
いるガスタービン油組成物では、上記に要求される性能
を満たすことは困難である。そこで、高温における優れ
た酸化安定性と耐スラッジ性を有し、かつ長期にわたる
耐酸化性を有する優れたガスタービン油の開発が必要で
ある。本発明は、上記従来技術の状況に鑑みてなされた
ものであり、高温条件下においても非常に高い酸化安定
性を示すと同時に、スラッジ発生が極めて少なく色安定
性に優れ、長期に亘り酸化安定性を有するガスタービン
油組成物を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決するために鋭意検討を行った結果、基油として特
定の性状を有する鉱油を使用し、さらに添加剤としてア
ルキル化ジフェニルアミン、アルキル化フェニル−α−
ナフチルアミン、フォスファイト、ベンゾトリアゾール
又はその誘導体を特定量配合することにより、高温にお
いても非常に高い酸化安定性を示すと同時に、スラッジ
発生が極めて少なく色安定性に優れ、長期に亘り酸化安
定性を有することを見い出し、この知見に基づいて本発
明を完成するに至った。
【0006】すなわち、本発明は、芳香族分含有量0.
5重量%以下、硫黄含有量5ppm以下、粘度指数10
0以上の鉱油又は合成油を基油とし、その基油にアルキ
ル化ジフェニルアミンを0.1〜2重量%、アルキル化
フェニル−α−ナフチルアミンを0.1〜3重量%、フ
ォスファイトを0.1〜1重量%、ベンゾトリアゾール
及びその誘導体の少なくとも1種を0.001〜0.5
重量%の割合で配合してなることを特徴とするガスター
ビン油組成物を提供するものである。以下、本発明を詳
細に説明する。
【0007】本発明のガスタービン油組成物において使
用される基油は、特定の性状を有する鉱油又は合成油で
ある。この基油の芳香族分含有量は、0.5重量%以下
であることが必要であり、好ましくは0.1重量%以下
であり、特に好ましくは0重量%である。この芳香族分
含有量は、環分析法(n−d−m)、ASTM D32
38により測定したものである。また、この基油の硫黄
含有量は、5ppm以下であることが必要であり、好ま
しくは2ppm以下である。この硫黄含有量は、JIS
K2541、微量電量滴定式酸化法により測定したも
のである。さらに、この基油は、潤滑油として使用でき
る粘度を有するものであり、基油の粘度指数が100以
上であることが必要であり、好ましくは粘度指数が10
0〜150であり、さらに好ましくは110〜150で
あり、特に好ましくは115〜150である。この粘度
指数は、JIS K2283に規定されている方法によ
り測定したものである。基油が上記の範囲の性状を満た
さない場合は、所望の性能が得られない。この基油の好
適なものとしては、例えば減圧蒸留留出油をフルフラー
ルなどの溶剤で抽出処理し、得られたラフィネートをメ
チルエチルケトンなどの溶剤で溶剤脱ろう処理した後、
さらに高圧下にて水素精製し、硫黄分などの不純物を除
去したものが挙げられる。
【0008】本発明のガスタービン油組成物に使用され
るアルキル化ジフェニルアミンの好適なものは、化1の
一般式(1)で表されるものである。
【0009】
【化1】
【0010】(式中、R1、R2は、それぞれ水素原子、
又は炭素数1〜16のアルキル基を示す。) 上記式中、R1及びR2の好ましいものは、水素原子又は
炭素数3〜9のアルキル基であり、特に好ましくは水素
原子又は炭素数4及び8のアルキル基である。炭素数1
〜16のアルキル基の具体例としては、例えばメチル、
エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イ
ソブチル、tert−ブチル、、n−ペンチル、イソペ
ンチル、ネオペンチル、tert−ペンチル、2−メチ
ルブチル、n−ヘキシル、イソヘキシル、3−メチルペ
ンチル、エチルブチル、n−ヘプチル、2−メチルヘキ
シル、n−オクチル、2−エチルヘキシル、3−メチル
ヘプチル、n−ノニル、メチルオクチル、エチルヘプチ
ル、n−デシル、n−ウンデシル、n−ドデシル、n−
テトラデシルなどが挙げられる。アルキル化ジフェニル
アミンの好適な具体例としては、例えばp,p−ジオク
チルジフェニルアミン、オクチルジフェニルアミンなど
が挙げられる。これらのアルキル化ジフェニルアミン
は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせ
て用いてもよい。
【0011】本発明のガスタービン油組成物に使用され
るアルキル化フェニル−α−ナフチルアミンの好適なも
のは、化2の一般式(2)で表されるものである。
【0012】
【化2】
【0013】(式中、R3は、炭素数1〜16のアルキ
ル基を表す。) R3の好ましいものは、炭素数4〜8のアルキル基であ
る。R3の具体例としては、R1及びR2と同様なアルキ
ル基が挙げられる。アルキル化フェニル−α−ナフチル
アミンの適当な具体例としては、例えばオクチル化フェ
ニル−α−ナフチルアミンが挙げられる。これらのアル
キル化フェニル−α−ナフチルアミンは、1種単独で用
いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0014】本発明のガスタービン油組成物に使用され
るフォスファイトは、トリス(2−エチルヘキシル−3
−メルカプトプロピオネート)フォスファイト、トリフ
ェニルフォスファイト、トリオクタデシルフォスファイ
ト、トリステアリルフォスファイト、トリラウリルトリ
チオフォスファイト、トリイソオクチルフォスファイ
ト、トリス(ノニルフェニル)フォスファイト、トリク
レジルフォスファイト、ジフェニルイソデシルフォスフ
ァイトなどの亜燐酸トリアルキルエステル類、亜燐酸ジ
アルキルエステル類、亜燐酸モノアルキルエステル類な
どが挙げられ、好ましくはトリス(アルキルフェニル)
フォスファイトであり、その代表例としては化3の一般
式(3)で表されるものである。
【0015】
【化3】 (式中、R4、R5は炭素数1〜12のアルキル基であ
り、好ましくは炭素数2〜6のアルキル基である。) これらのトリス(アルキルフェニル)フォスファイトの
うち、特に好ましいものは、トリス(2,4−t−ブチ
ルフェニル)フォスファイトである。
【0016】本発明のガスタービン油組成物に使用され
るベンゾトリアゾール及びその誘導体は、化4の一般式
(4)で表されるベンゾトリアゾールと、それに水溶性
アミン、脂肪酸などを反応して得られる誘導体である。
【0017】
【化4】 これらのベンゾトリアゾールとその誘導体は、1種単独
で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよ
い。
【0018】本発明のガスタービン油組成物において
は、アルキルコハク酸又はその誘導体を添加することに
より、さらに長期の酸化安定性、色安定性を向上させる
ことができる。アルキルコハク酸の誘導体の好適なもの
は、化5の一般式(5)又は化6の一般式(6)で表さ
れるものである。
【0019】
【化5】
【0020】
【化6】
【0021】上記2つの式中、R6、R8及びR9は炭素
数6〜18のアルキル基又はアルケニル基であり、R7
は水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を示す。R6
の好ましいものは、炭素数10〜14のアルケニル基で
あり、特に好ましくはドデセニル(−CH1225)又は
ドデカジエニル(−CH1223)である。R8及びR9
好ましいものは、炭素数8〜16のアルキル基である。
6、R8及びR9の具体例としては、、例えばヘキシ
ル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシ
ル、テトラデシル、ヘプタデシル、オクタデシル、ヘキ
セニル、オクテニル、ノネニル、デセニル、ウンデセニ
ル、ドデセニル、テトラデセニル、ヘプタデセニル、オ
クタデセニル、ヘキサジエニル、オクタジエニル、ノナ
ジエニル、デカジエニル、ウンデカジエニル、ドデカジ
エニル、テトラデカジエニル、ヘプタデカジエニル、オ
クタデカジエニルなどが挙げられる。
【0022】R7の具体例としては、例えばn−プロピ
ル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert
−ブチル、、n−ペンチル、イソペンチル、ネオペンチ
ル、tert−ペンチル、2−メチルブチルなどが挙げ
られる。これらのアルキルコハク酸及びその誘導体は、
1種単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用
いてもよいが、好ましくは2種以上を組み合わせたもの
であり、特に好ましくはアルケニルコハク酸の部分エス
テルとアルキルコハク酸アミドを組み合わせたものであ
る。
【0023】本発明のガスタービン油組成物において、
基油である鉱油に配合する上記各添加剤の配合割合は、
以下に示す通りである。アルキル化ジフェニルアミンの
配合割合は、0.1〜2重量%であることが必要であ
り、好ましくは0.1〜0.6重量%、さらに好ましく
は0.2〜0.5重量%、特に好ましくは0.2〜0.
35重量%である。アルキル化フェニル−α−ナフチル
アミンの配合割合は、0.1〜3重量%であることが必
要であり、好ましくは0.1〜1重量%、さらに好まし
くは0.2〜0.5重量%、特に好ましくは0.25〜
0.5重量%である。フォスファイトの配合割合は、
0.1〜1重量%であることが必要であり、好ましくは
0.1〜0.4重量%、さらに好ましくは0.1〜0.
3重量%、特に好ましくは0.2〜0.25重量%であ
る。ベンゾトリアゾール及びその誘導体の配合割合は、
0.001〜0.5重量%であることが必要であり、好
ましくは0.002〜0.2重量%、特に好ましくは
0.005〜0.2重量%である。アルキルコハク酸及
びその誘導体の配合割合は、0.01〜0.5重量%で
あることが必要であり、好ましくは0.03〜0.2重
量%であり、さらに好ましくは0.03〜0.15重量
%である。本発明のガスタービン油組成物においては、
基油である鉱油に上記添加剤を上記配合割合で配合する
ことにより、高温条件下においても非常に高い酸化安定
性を示すと共に、スラッジの発生が極めて少なく色安定
性に優れ、長期に亘り酸化安定性を有するガスタービン
油組成物を得ることができる。
【0024】なお、本発明のガスタービン油組成物に
は、所望によりさらに各種添加剤を配合してもよい。各
種添加剤としては、例えばスチレン−ブタジエン水添加
共重合体、エチレンプロピレン共重合体、ポリイソブチ
レン、ポリメタクリレートなどの流動点降下剤、ポリア
クリレート、ポリジメチルシロキサンなどの消泡剤、エ
チレンオキシド−プロピレンオキシド共重合体などの抗
乳化剤などが挙げられる。
【0025】本発明のガスタービン油組成物は、上記添
加剤を基油である鉱油又は合成油に配合することにより
製造することができる。基油及び添加剤の混合方法及び
添加方法は、特に制限されるものではなく、種々の方法
により行うことができ、混合順序及び添加順序も種々の
混合順序及び添加順序で行うことができる。例えば、基
油に各添加剤を順次添加してもよいし、予め各添加剤を
混合しておいて鉱油に添加してもよい。本発明のガスタ
ービン油組成物は、種々のガスタービンに、使用するこ
とができるが、特にコンバインドサイクル発電の中核と
なるガスタービンに有効である。
【0026】
【実施例】次に、本発明を実施例によりさらに具体的に
説明する。なお、本発明は、これらの例によって何ら制
限されるものではない。実施例及び比較例における評価
方法は、次の方法に従って行った。
【0027】酸化安定性の評価方法 (1)RBOT(分) 潤滑油の酸化防止性能を評価する方法の一つで、JIS
K2514に制定されている回転ボンベ式酸化安定度
試験によるもの。 (2)COST後の全酸価増加(mgKOH/g)、粘
度変化率(%)、スラッジ生成量(mg/100m
l)、色相(ASTM) COSTは、航空用潤滑油の評価方法の一つで、FTM
−791b−5308−6に制定されている。本実施例
においては、MIL−L−223699に従い、試験
片、試験温度を変更して試験を実施した。すなわち、試
験片はカドミウムメッキ鋼の代わりに銀を使用し、試験
温度は175℃にした。また、試験時間についても、規
定の72時間に加えてさらに長い96時間についても試
験を実施し、油の長期にわたる酸化安定性について確認
した。そして、調製したタービン油組成物についての試
験後の全酸価増加、粘度変化率(@37.8℃)、スラ
ッジ生成量を比較評価した。全酸価増加、粘度変化率、
スラッジ生成量が少ないほど酸化安定性に優れたガスタ
ービン油あり、特にガスタービン油としての実用性の面
からスラッジ生成の少ないものが好ましい。また、色相
についても、ASTMD−1500により測定し、比較
を行った。
【0028】(3)TOST後の全酸価増加、RBOT
(分)、色相(ASTM) TOSTは、潤滑油の酸化防止性能を評価する方法の一
つで、JIS K2514に制定されているタービン油
酸化安定度試験法によるもので、規定された試験時間後
の全酸価にて試験結果を表す。JIS K2514に
は、規定されていないが、試験後のガスタービン油のR
BOT、色相(ASTM)についても測定、比較を行っ
た。これらが優れているほど、長期にわたる酸化安定性
を有するタービン油であることを示している。
【0029】次に、実施例及び比較例において使用した
鉱油及び各添加剤を以下に示す。 鉱油(基油) 基油A〜Dは、減圧蒸留留出油をフルフラールで溶剤抽
出し、メチルエチルケトンで溶剤脱ろう後、さらに水素
化精製した基油で、粘度がISO VG32のものであ
り、基油に含まれる芳香族分はASTM D3238の
環分析法(n−d−m)による測定結果である。 アルキルジフェニルアミン 一般式(1)において、R1、R2が、水素原子、−C4
9、−C817のいずれかの組み合わせの混合物。
【0030】アルキル化フェニル−α−ナフチルアミン 一般式(2)において、R3が、−C817のもの。 ベンゾトリアゾール 一般式(4)で表されるベンゾトリアゾール。 ヒンダードフェノール 下記構造のもの。
【0031】
【化6】
【0032】アルキルコハク酸誘導体(1) 一般式(5)において、R6が炭素数12のアルケニル
基であり、R7が炭素数5のアルキル基であるのもの。
【0033】アルキルコハク酸誘導体(2) 一般式(6)において、R8が炭素数12のアルキル基
であり、R9が炭素数12のアルキル基であるのもの。
【0034】実施例1 基油Aに、アルキル化ジフェニルアミン、アルキル化フ
ェニル−α−ナフチルアミン、トリイソオクチルフォス
ファイト、ベンゾトリアゾール、アルキルコハク酸誘導
体(1)及び消泡剤を、表1に示される配合割合で配合
し、ガスタービン油組成物を調製した。ガスタービン油
組成物の評価を行い、その結果を表1に示した。
【0035】実施例2 実施例1において、トリイソオクチルフォスファイトの
代わりにジフェニルイソデシルフォスファイトを使用
し、アルキルコハク酸誘導体(1)の代わりにアルキル
コハク酸誘導体(2)を使用した以外は実施例1と同じ
成分を表1に示される配合割合で配合し、ガスタービン
油組成物を調製した。
【0036】実施例3 実施例1において、トリイソオクチルフォスファイトの
代わりにトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フ
ォスファイトを使用し、さらにアルキルコハク酸誘導体
(1)と共にアルキルコハク酸誘導体(2)を使用した
以外は実施例1と同じ成分を表1に示される配合割合で
配合し、ガスタービン油組成物を調製した。
【0037】実施例4 実施例1において、トリイソオクチルフォスファイトの
代わりにトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フ
ォスファイトを使用した以外は実施例1と同じ成分を表
1に示される配合割合で配合し、ガスタービン油組成物
を調製した。
【0038】実施例5 実施例1において、トリイソオクチルフォスファイトの
代わりにトリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フ
ォスファイトを使用し、さらにアルキルコハク酸誘導体
(1)の代わりにアルキルコハク酸誘導体(2)を使用
した以外は実施例1と同じ成分を表1に示される配合割
合で配合し、ガスタービン油組成物を調製した。
【0039】比較例1 基油Aに、トリイソオクチルフォスファイトを添加せ
ず、アルキルコハク酸誘導体(1)に代えてアルキルコ
ハク酸誘導体(2)を添加した以外は実施例1と同じ成
分を、表2に示される配合割合で配合し、ガスタービン
油組成物を調製した。ガスタービン油組成物の評価を行
い、その結果を表2に示した。
【0040】比較例2 基油Aに、トリイソオクチルフォスファイトの代わりに
トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォスファ
イトを使用し、アルキルコハク酸誘導体(1)に代えて
アルキルコハク酸誘導体(2)を使用し、ベンゾトリア
ゾール誘導体を添加しなかった以外は実施例1と同じ成
分を、表2に示される配合割合で配合し、ガスタービン
油組成物を調製した。ガスタービン油組成物の評価を行
い、その結果を表2に示した。
【0041】比較例3 基油Aの代わりに基油Bを使用した以外は、実施例5と
同様にしてガスタービン油組成物を調製した。ガスター
ビン油組成物の評価を行い、その結果を表3に示した。
【0042】比較例4 基油Aの代わりに基油Cを使用した以外は、実施例5と
同様にしてガスタービン油組成物を調製した。ガスター
ビン油組成物の評価を行い、その結果を表3に示した。
【0043】比較例5 基油Aの代わりに基油Dを使用した以外は、実施例5と
同様にしてガスタービン油組成物を調製した。ガスター
ビン油組成物の評価を行い、その結果を表3に示した。
【0044】比較例6 基油Bに、アルキル化ジフェニルアミン、ヒンダードフ
ェノール、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)
フォスファイト、ベンゾトリアゾール、アルキルコハク
酸誘導体(1)及び消泡剤を、表3に示される配合割合
で配合し、ガスタービン油組成物を調製した。ガスター
ビン油組成物の評価を行い、その結果を表3に示した。
【0045】比較例7 市販の鉱油系ガスタービン油を比較評価した。その結果
を表3に示した。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】
【表3】 なお、表1、表2及び表3において、フォスファイト欄
の英字は、次のものを意味する。 a:トリイソオクチルフォスファイト b:ジフェニルイソデシルフォスファイト c:トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)フォス
ファイト
【0049】
【発明の効果】本発明のガスタービン油組成物は、高温
条件下においても非常に高い酸化安定性を示すと共に、
スラッジ発生が極めて少なく色安定性に優れ、長期に亘
り酸化安定性を示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C10M 133:44 137:02) C10N 30:08 30:10 40:12 (72)発明者 林 健司 埼玉県幸手市権現堂1134−2 株式会社コ スモ総合研究所研究開発センター内 (72)発明者 細矢 愼一郎 埼玉県幸手市権現堂1134−2 株式会社コ スモ総合研究所研究開発センター内 (72)発明者 矢野 法生 埼玉県幸手市権現堂1134−2 株式会社コ スモ総合研究所研究開発センター内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 芳香族分含有量0.5重量%以下、硫黄
    含有量5ppm以下、粘度指数100以上の鉱油又は合
    成油を基油とし、その基油にアルキル化ジフェニルアミ
    ンを0.1〜2重量%、アルキル化フェニル−α−ナフ
    チルアミンを0.1〜3重量%、フォスファイトを0.
    1〜1重量%、ベンゾトリアゾール及びその誘導体の少
    なくとも1種を0.001〜0.5重量%の割合で配合
    してなることを特徴とするガスタービン油組成物。
JP4177894A 1994-02-17 1994-02-17 ガスタービン油組成物 Pending JPH07228882A (ja)

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