JPH07228705A - 架橋ポリマー粒子の集合体 - Google Patents

架橋ポリマー粒子の集合体

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JPH07228705A
JPH07228705A JP3933994A JP3933994A JPH07228705A JP H07228705 A JPH07228705 A JP H07228705A JP 3933994 A JP3933994 A JP 3933994A JP 3933994 A JP3933994 A JP 3933994A JP H07228705 A JPH07228705 A JP H07228705A
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Japan
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polymer particles
crosslinked polymer
aggregate
particles
polymerization
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JP3933994A
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English (en)
Inventor
Toru Masukawa
亨 増川
Hideo Takami
秀夫 高見
Masayuki Hattori
雅幸 服部
Nobuyuki Ito
信幸 伊藤
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JSR Corp
Original Assignee
Japan Synthetic Rubber Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 第1の目的は、粗大な架橋ポリマー粒子を極
力含まない架橋ポリマー粒子の集合体を提供することに
ある。第2の目的は、樹脂フィルムにおけるブロッキン
グ防止剤・表面の易滑剤として良好な品質を有する架橋
ポリマー粒子の集合体を提供することにある。第3の目
的は、間隔制御性や走行安定性に優れ、スペーサ、感熱
紙等の走行性安定剤、トナー用添加剤などとして良好な
品質を有する架橋ポリマー粒子の集合体を提供すること
にある。 【構成】 本発明の架橋ポリマー粒子の集合体は、粒子
径が1μmを超える粗大架橋ポリマー粒子(A)1重量
%以下と、粒子径が0.02〜1μmの架橋ポリマー粒
子(B)99重量%以上とを有してなることを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、架橋ポリマー粒子の集
合体に関する。
【0002】
【従来の技術】例えば樹脂フィルムにおける耐ブロッキ
ング性や表面の滑り性を向上させるために、当該樹脂フ
ィルム中に改質剤として架橋ポリマー粒子を添加含有さ
せることが行われている。斯かる架橋ポリマー粒子とし
ては、耐ブロッキング性の向上を図る観点からその粒子
径が0.02μm以上であることが必要であると共に、
フィルム表面を平滑にし、かつフィルムの厚みを均一に
するという観点から、粒子径が1μmを超えるような粗
大な粒子を粒子集合体中において極力含まないことが必
要である。
【0003】一方、架橋ポリマー粒子は、スペーサ、感
熱紙等の走行性安定剤、トナー用添加剤などとして使用
することができる。そして、このような用途に供される
架橋ポリマー粒子についても、粒子径が1μmを超える
粗大な粒子を極力含まないことが必要である。1μmを
超える粗大な粒子が混在することによって間隔制御性や
走行安定性が損なわれる傾向がある。また、トナー用添
加剤として用いた場合には、粗大な粒子が感光体表面に
付着してこれを汚染したり、複写画像にカブリを発生さ
せたりする傾向がある。
【0004】上記のような各種用途に使用される、粒子
径が0.02〜1μmの範囲にある架橋ポリマー粒子
は、通常、懸濁重合法によって製造することができる。
また、特開平1−315454号公報に記載されている
ような、シードポリマー粒子の存在下で行われる特殊な
乳化重合法によっても製造することができる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
ような重合法によって架橋ポリマー粒子を製造する場合
には、得られる架橋ポリマー粒子の集合体中に、粒子径
が1μmを超える粗大な架橋ポリマー粒子が不可避的に
含まれてしまい、重合条件の調整によっても、数重量%
〜10重量%程度の割合で粗大な架橋ポリマー粒子が混
在してしまう。
【0006】このため、上記のような重合法により得ら
れる従来の架橋ポリマー粒子の集合体では、粗大な架橋
ポリマー粒子の混在に伴う上記の問題を解決することが
できず、樹脂フィルムにおけるブロッキング防止剤・表
面の易滑剤、スペーサ、感熱紙等の走行性安定剤、トナ
ー用添加剤などとして良好な品質を有するものではなか
った。
【0007】本発明は以上のような事情に基いてなされ
たものである。本発明の第1の目的は、粗大な架橋ポリ
マー粒子を極力含まない架橋ポリマー粒子の集合体を提
供することにある。本発明の第2の目的は、樹脂フィル
ムにおけるブロッキング防止剤・表面の易滑剤として良
好な品質を有する架橋ポリマー粒子の集合体を提供する
ことにある。本発明の第3の目的は、間隔制御性や走行
安定性に優れ、スペーサ、感熱紙等の走行性安定剤、ト
ナー用添加剤などとして良好な品質を有する架橋ポリマ
ー粒子の集合体を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の架橋ポリマー粒
子の集合体は、粒子径が1μmを超える粗大架橋ポリマ
ー粒子(A)1重量%以下と、粒子径が0.02〜1μ
mの架橋ポリマー粒子(B)99重量%以上とを有して
なることを特徴とする。
【0009】本発明の架橋ポリマー粒子の集合体におい
ては、当該集合体を構成する架橋ポリマー粒子の各々
が、少なくとも1種の架橋性モノマーを10重量%以上
含む重合性モノマーを重合してなることが好ましい。
【0010】本発明の架橋ポリマー粒子の集合体を製造
するに際しては、重合により得られた架橋ポリマーの粒
状物集合体から粗大架橋ポリマー粒子を物理的な粒子径
分別法によって取り除くことが好ましい。前記物理的な
粒子径分別法としては、遠心分離法、気流分級法、珪藻
土濾過法、フィルターまたはフィルターカートリッジを
用いた濾過法の何れかであることが好ましい。
【0011】以下、本発明について詳細に説明する。 <架橋ポリマー粒子の粒子径分布>本発明の架橋ポリマ
ー粒子の集合体は、粗大架橋ポリマー粒子(A)と、架
橋ポリマー粒子(B)とを有してなるものである。
【0012】本発明の集合体を構成する架橋ポリマー粒
子(B)の粒子径の範囲は、0.02〜1μmとされ、
好ましくは0.05〜1μm、更に好ましくは0.1〜
1μmとされる。粒子径が0.02μm未満である架橋
ポリマー粒子は、樹脂フィルムに添加含有しても当該樹
脂フィルムの耐ブロッキング性を十分向上させることが
できない。従って、集合体を構成する全ての架橋ポリマ
ー粒子の粒子径が0.02μm以上であることが好まし
い。
【0013】本発明の集合体を構成する粗大架橋ポリマ
ー粒子(A)は、1μmを超える粒子径を有する粒子で
ある。粗大架橋ポリマー粒子(A)が一定の割合を超え
て混在する粒状物を、樹脂フィルムにおけるブロッキン
グ防止剤・表面の易滑剤として用いた場合には、フィル
ムの厚さが不均一になると共にフィルム表面の平滑性が
劣る、という問題がある。また、トナー用添加剤として
用いた場合には、粗大な粒子が感光体表面に付着して汚
染したり、複写画像にカブリを発生させたりする、とい
う問題がある。更に、スペーサ、感熱紙等の走行性安定
剤として用いた場合には、表面平滑性に欠けるものとな
って間隔制御性や走行安定性が損なわれる、という問題
がある。
【0014】以上のような観点から、本発明において
は、粗大架橋ポリマー粒子(A)の割合ができるだけ少
なくなるようコントロールされている。具体的には、粗
大架橋ポリマー粒子(A)と架橋ポリマー粒子(B)と
の重量比率〔粗大架橋ポリマー粒子(A):架橋ポリマ
ー粒子(B)〕が0〜1:100〜99とされ、好まし
くは0〜0.5:100〜99.5、更に好ましくは0
〜0.1:100〜99.9、特に好ましくは0〜0.
005:100〜99.995とされる。
【0015】<架橋ポリマー粒子の集合体の製造方法>
本発明の架橋ポリマー粒子の集合体の好ましい製造方法
としては、例えば、以下に示すシード重合法を適用して
重合させた後、物理的な粒子径分別法によって粗大架橋
ポリマー粒子を取り除く方法を挙げることができる。
【0016】<架橋ポリマー粒子の合成(シード重合
法)>次に、架橋ポリマー粒子を合成するための好まし
い重合法であるシード重合法について説明する。
【0017】架橋ポリマー粒子を合成するためのシード
重合法においては、下記に示す範囲の重量平均分子量を
有するポリマー粒子をシードポリマー粒子として用いる
ことが好ましい。ここで、「重量平均分子量」とは、ポ
リマー粒子の溶液の粘度測定、またはゲルパーミエーシ
ョンクロマトグラフィーなどの通常の方法で測定される
重量平均分子量をいう。
【0018】シードポリマー粒子を構成するポリマーの
重量平均分子量としては、500〜30,000である
ことが好ましく、更に好ましくは700〜20,00
0、特に好ましくは7,000〜18,000とされ
る。重量平均分子量が30,000を超えるポリマーか
らなるシードポリマー粒子は、モノマーおよび後述する
非反応性溶剤の吸収能力が小さく、モノマーがシードポ
リマー粒子に吸収されないまま独自に重合するため、目
的とするものとは異なる粒子径のポリマー粒子が多量に
生成されると共に、これらの異粒子のために重合反応系
の安定性が悪くなり、重合時に凝固物が多量に発生する
ようになる。一方、重量平均分子量が500未満と低分
子量のシードポリマー粒子も、モノマーの吸収能力が小
さくて上記と同様の問題が生ずる。
【0019】また、シードポリマー粒子の粒子径および
粒子径分布が、生成される架橋ポリマー粒子の粒子径お
よび粒子径分布に影響を与えることから、用いるシード
ポリマー粒子は、できるだけコントロールされて狭い粒
子径分布を有する、粒子径の揃ったものであることが好
ましい。具体的には、粒子径が0.05〜0.8μmの
シードポリマー粒子であって粒子径分布が狭いもの、例
えばその変動係数が20%以下のものを好適に用いるこ
とができる。
【0020】シードポリマー粒子の組成は、重合に用い
るモノマーに溶解または膨潤するものであれば特に制限
されないが、通常、オレフィン系モノマーの重合体であ
るオレフィン系ポリマーであって、重合に用いるモノマ
ーと同系統のものであることが好ましい。具体的にはポ
リスチレン、メチルアクリレートやブチルアクリレート
などのアクリル酸エステル、ブタジエンなどのモノマー
を単独であるいは2種以上組み合わせて得られるポリマ
ー粒子を好適に用いることができる。
【0021】シードポリマー粒子を得る方法は特に制限
されるものではないが、例示するならば、メルカプタン
系の分子量調整剤を比較的多量に用いた乳化重合法また
はソープフリー重合法によって合成することができる。
このシードポリマー粒子の製造においても、その粒子径
をコントロールするために、シード粒子を用いたシード
重合法を利用することが好ましい。
【0022】架橋ポリマー粒子は、上記のシードポリマ
ー粒子の存在下で、架橋性モノマーを含む重合性モノマ
ーを重合することにより合成される。
【0023】重合性モノマー中の必須成分である架橋性
モノマーとしては、ジビニルベンゼンに代表される非共
役ジビニル化合物、トリメチロールプロパントリメタク
リレート、トリメチロールプロパントリアクリレートに
代表される多価アクリレート化合物などの、2個以上、
好ましくは2個の共重合性二重結合を有する化合物を好
ましく用いることができる。
【0024】本発明に使用することができる多価アクリ
レート化合物の例としては、次の化合物を挙げることが
できる。 〔ジアクリレート化合物〕ポリエチレングリコールジア
クリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレー
ト、1,6−ヘキサングリコールジアクリレート、ネオ
ペンチルグリコールジアクリレート、ポリプロピレング
リコールジアクリレート、2,2' −ビス(4−アクリ
ロキシプロピロキシフェニル) プロパン、2,2' −ビ
ス(4−アクリロキシジエトキシフェニル) プロパン
【0025】〔トリアクリレート化合物〕トリメチロー
ルプロパントリアクリレート、トリメチロールエタント
リアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレ
ート
【0026】〔テトラアクリレート化合物〕テトラメチ
ロールメタンテトラアクリレート、ペンタエリスリトー
ルテトラアクリレート、ジトリメチロールプロパンテト
ラアクリレート
【0027】〔ジメタクリレート化合物〕エチレングリ
コールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタ
クリレート、トリエチレングリコールジメタクリレー
ト、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3
−ブチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブチ
レングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサング
リコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジ
メタクリレート、ジプロピレングリコールジメタクリレ
ート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、
2,2' −ビス(4−メタクリロキシジエトキシフェニ
ル)プロパン
【0028】〔トリメタクリレート化合物〕トリメチロ
ールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタ
ントリメタクリレート
【0029】以上の化合物うち、特にジビニルベンゼ
ン、エチレングリコールジメタクリレートまたはトリメ
チロールプロパントリメタクリレートを用いることが好
ましい。また、これらの架橋性モノマーは2種以上を混
合して用いることもできる。
【0030】〔共重合性モノマー〕架橋ポリマー粒子を
合成するための重合性モノマーは、架橋性モノマーのみ
から構成されていることが好ましいが、当該架橋性モノ
マーと共重合可能な共重合性モノマーとにより重合性モ
ノマーが構成されていてもよい。共重合性モノマーとし
ては、スチレン、エチルビニルベンゼン、α−メチルス
チレン、フルオロスチレン、ビニルピリンなどの芳香族
モノビニル化合物、アクリロニトリル、メタクリロニト
リルなどのシアン化ビニル化合物、ブチルアクリレー
ト、2−エチルヘキシルアクリレート、メチルアクリレ
ート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、グリシジル
アクリレート、N,N' −ジメチルアミノエチルアクリ
レートなどのアクリル酸エステルモノマー、ブチルメタ
クリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、メチ
ルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレー
ト、グリシジルメタクリレート、N,N' −ジメチルア
ミノエチルメタクリレートなどのメタクリル酸エステル
モノマー、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イ
タコン酸などのモノまたはジカルボン酸およびジカルボ
ン酸の酸無水物、アクリルアミド、メタクリルアミドな
どのアミド系モノマーを用いることができる。また重合
速度および重合安定性の点で許容される範囲内におい
て、ブタジエン、イソプレンなどの共役二重結合化合物
や酢酸ビニルなどのビニルエステル化合物、4−メチル
−1−ペンテン、その他のα−オレフィン化合物も使用
することができる。これらのうち、特に、スチレン、エ
チルビニルベンゼンが好ましい。これらの共重合性モノ
マーは2種以上を混合して用いることができる。
【0031】重合性モノマーにおいて、架橋性モノマー
と共重合性モノマーとの重量比率〔架橋性モノマー/共
重合性モノマー〕としては、(10/90)以上である
ことが好ましく、更に好ましくは(20/80)以上、
特に好ましくは(30/70)以上とされる。架橋性モ
ノマーの割合を10重量%以上とすることにより、得ら
れる架橋ポリマー粒子は、架橋密度が大きくなり、高い
硬度および機械的強度、優れた耐熱性、耐溶剤性および
耐ブロッキング性を有するものとなる。ここで、架橋性
モノマーの量は希釈剤や他の不純物を除いた純品換算に
よる。
【0032】なお、このシード重合法において、上記重
合性モノマーとともに非反応性溶剤を用いることによ
り、多孔性の架橋ポリマー粒子を得ることができる。こ
のような非反応性溶剤は重合性モノマーと混合して用い
ることが好ましい。
【0033】非反応性溶剤としては、シードポリマー粒
子に吸収されるものであって、ラジカル重合に不活性
で、かつモノマーの重合を阻害しないものであればよ
い。非反応性溶剤の具体例としては、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンな
どの炭化水素化合物、シクロヘキサノール、オクタノー
ルなどのアルコール類、フタル酸ジブチル、フタル酸ジ
オクチルなどのエステル類、シクロヘキサンなどのケト
ン類などを挙げることができる。
【0034】一般に、重合ポリマーと親和性の高い非反
応性溶剤を用いると微小な孔径の多孔粒子が得られ、重
合ポリマーと親和性の低い非反応性溶剤を用いると大き
な孔径の多孔粒子が得られる。従って、目的とする孔径
に合わせて非反応性溶剤を選択すればよい。例えば、重
合ポリマーがジビニルベンゼン系である場合に、非反応
性溶剤として親和性の良いトルエンを用いると平均孔径
が50〜100Åの多孔粒子となり、非反応性溶剤とし
て親和性の低いシクロヘキサノールを用いると平均孔径
が500〜2000Åの大きな孔径の多孔粒子となる。
【0035】なお、非反応性溶剤は2種以上を混合して
使用することも可能であり、このようにすることは上記
ポリマーに対する非反応性溶剤の親和性をコントロール
する上で好都合である。
【0036】非反応性溶剤の使用量としては、重合性モ
ノマーに対する重量比率(非反応性溶剤/重合性モノマ
ー)で、0.1〜1の範囲とされ、好ましくは0.2〜
1、更に好ましくは0.3〜1の範囲とされる。非反応
性溶剤の量を調節することによって、得られる多孔粒子
の空孔率をコントロールすることができる。この比率が
0.1より少ないと、実質的に多孔粒子とはならず単な
る架橋粒子となる。一方、この比率が1を超えると多孔
粒子の形状維持が困難となる。なお、この非反応性溶剤
の使用量には、一部の架橋性モノマーの中に希釈剤や不
純物として含有されている溶剤や不活性成分の量も含ま
れる。
【0037】このシード重合法において、重合性モノマ
ーの使用量としては、シードポリマー粒子1重量部に対
して3〜19重量部であることが好ましく、更に好まし
くは4〜16重量部、特に好ましくは5〜12重量部で
ある。この使用量が3重量部未満である場合には、シー
ドポリマー粒子の比率が大きすぎ、得られる架橋ポリマ
ー粒子の機械的強度および耐熱性が不十分となる。一
方、重合性モノマーの使用量が19重量部を超える場合
には、シードポリマー粒子のモノマー吸収能力が不足し
てシードポリマー粒子に吸収されないモノマー量が増
え、このため、油溶性開始剤を使用した場合には粒子径
のコントロールが困難となって幅広い粒子径分布を有す
る粗大な粒子が生成し、水溶性開始剤を使用した場合に
は多量の微小粒子が発生して重合系が不安定になる傾向
がある。なお、重合性モノマーとともに非反応性溶剤を
用いる場合には、重合性モノマーと非反応性溶剤性溶剤
との総和量が、前記重合性モノマーの使用量の範囲とな
るように設定される。
【0038】重合性モノマー(非反応性溶剤を併用する
場合には、重合性モノマーおよび非反応性溶剤)を添加
する方法としては、シードポリマー粒子の水性分散体に
対してこれらを一時に投入する方法、重合を行いながら
重合性モノマーを分割してまたは連続的に添加する方法
がある。架橋ポリマー粒子を合成するに際しては、重合
が開始されてシードポリマー粒子中において実質的に架
橋が生ずる前にシードポリマー粒子に重合性モノマーを
吸収させることが好ましい。
【0039】重合の中期以降に重合性モノマーを添加す
ると、当該重合性モノマーがシードポリマー粒子に吸収
されないため、微小粒子が多量に生じて重合安定性が悪
くなり、重合反応を維持することができない。そのた
め、シードポリマー粒子に対してすべての重合性モノマ
ーを重合開始前に添加するか、重合収率が30%程度に
達する前にすべての重合性モノマーの添加を終了させて
おくことが好ましい。この重合法では、特に、シードポ
リマー粒子の水性分散体に重合性モノマーを加えて攪拌
し、シードポリマー粒子にこれを吸収させた後に重合を
開始することが好ましい。
【0040】このシード重合法においては、シードポリ
マー粒子の量および重合性モノマーの量を調整すること
により、最終的に得られる架橋ポリマー粒子の粒子径を
コントロールすることができる。具体的には、シードポ
リマー粒子の重量をWs、その数平均粒子径をDs、重
合性モノマーの量をM、非反応性溶剤量をSとすると、
得られる架橋ポリマー粒子の数平均粒子径Dは次の式で
計算され、実際上も比較的高い精度で実現される。
【0041】
【数1】
【0042】以上のように、得られる架橋ポリマー粒子
の粒子径は、シードポリマー粒子の粒子径および使用
量、重合性モノマーの使用量、非反応性溶剤の使用量に
よってコントロールすることができる。また、得られる
粒子径の範囲は、主として用いるシードポリマー粒子の
粒子径の大小で定まるが、架橋ポリマー粒子(B)の粒
子径範囲である0.02〜1μmの範囲内において容易
に合成することができる。
【0043】このシード重合法において用いることがで
きる重合開始剤としては、一般の水溶性のラジカル重合
開始剤あるいは油溶性のラジカル重合開始剤を挙げるこ
とができるが、シードポリマー粒子に吸収されないモノ
マーが水相で重合開始することの少ない点で油溶性の重
合開始剤を用いることが好ましい。
【0044】水溶性のラジカル重合開始剤としては、過
硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウ
ム、クメンハイドロパーオキサイド、過酸化水素、ある
いはこれらの還元剤の組合せによるレッドクス系開始剤
が挙げられる。
【0045】油溶性の重合開始剤としては、ベンゾイル
ペルオキシド、α,α' −アゾビスイソブチロニトリ
ル、t−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエー
ト、3,5,5−トリメチルヘキサノイルペルオキシド
などを挙げることができる。油溶性の重合開始剤の中で
は、α,α' −アゾビスイソブチロニトリルを好ましく
用いることができる。
【0046】なお、重合反応においては、重クロム酸カ
リウム、塩化第2鉄、t−ブチルカテコール、ハイドロ
キノンなどの水溶性の重合禁止剤を少量添加すると、微
小粒子の発生を抑制することができるので好ましい。
【0047】重合反応においては、重合反応系の安定性
を高くするために、懸濁保護剤または界面活性剤を使用
するとよい。しかしながら、界面活性剤を用いる場合に
は、微小粒子が生成して重合安定性を低下させる場合が
あるので、その使用量はできるだけ少ないことが好まし
い。特に水溶性重合開始剤を用いて重合を行なう場合に
は、界面活性剤の濃度は臨界ミセル形成濃度(C.M.
C.)以下とすることが好ましい。
【0048】一方、油溶性重合開始剤を用いて重合を行
なう場合には、モノマーおよび油溶性重合開始剤の水に
対する溶解度が十分に低ければ、界面活性剤の使用量が
C.M.C.以上の濃度であっても重合を行なうことが
可能である。
【0049】このシード重合法において用いることがで
きる界面活性剤としては通常のものを挙げることがで
き、例えばドデシルベンゼンスルホン酸塩、ラウリル硫
酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、ポリオキシエチレ
ンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキ
ルフェニルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキ
ルプロペニルフェニルエーテル硫酸塩、ナフタレンスル
ホン酸のホルマリン縮合物などのアニオン系乳化剤を例
示することができる(上記の塩としては、ナトリウム
塩、アンモニウム塩、カリウム塩などを挙げることがで
きる。)。
【0050】さらに、ポリオキシエチレンノニルフェニ
ルエーテル、ポリエチレングリコールモノステアレー
ト、ポリオキシエチレンアルキルプロペニルフェニルエ
ーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテ
ル、ソルビタンモノステアレートなどのノニオン系界面
活性剤を併用することも可能である。
【0051】また、一般に知られている反応性乳化剤や
高分子界面活性剤を単独あるいは上記の界面活性剤と併
用することができる。
【0052】このシード重合法において用いることので
きる好ましい懸濁保護剤としては、ポリビニルアルコー
ル、カルボキシルメチルセルロース、ポリビニルピロリ
ドン、ポリアクリル酸ナトリウムあるいは微粉末無機化
合物などを挙げることができる。
【0053】重合時の系の安定性を確保しながら目的の
粒子径で架橋ポリマー粒子を再現性よくコントロールし
て得るための最も好ましい重合開始剤と安定化剤の組合
せとしては、重合開始剤として水溶性重合開始剤を用
い、安定化剤としてその重合系でのC.M.C.濃度以
下でかつその近傍濃度(具体的にはC.M.C.濃度の
0.3〜1.0倍)の界面活性剤を用いるものである。
【0054】本発明において重合性モノマーとともに非
反応性溶剤を用いた場合には、得られる多孔性の架橋ポ
リマー粒子は、重合直後において、その粒子内部に非反
応性溶剤を含有したものとして得られる。そして、架橋
ポリマー粒子内部の非反応性溶剤はスチームストリッ
プ、減圧処理、乾燥、抽出などの操作によって除くこと
ができる。
【0055】<粗大架橋ポリマー粒子の除去>次に、本
発明の架橋ポリマー粒子の集合体を製造するに際して、
重合により得られる架橋ポリマーの粒状物集合体から粒
子径が1μmを超える粗大架橋ポリマー粒子を取り除く
ための物理的な粒子径分別法について説明する。
【0056】物理的な粒子径分別法としては、遠心分離
法、気流分級法、珪藻土濾過法、フィルター濾過法を挙
げることができ、これらの方法を組み合わせてもよい。
【0057】遠心分離法は、スラリー状の粒状物集合体
について遠心分離を行い、粗大粒子を沈降させて取り除
く方法である。この遠心分離法としては、1回毎に遠心
分離処理を行うバッチ式、連続的に粒状物集合体を処理
していく連続方式があるが、大量の粒状物集合体を処理
できることから連続方式が好ましい。
【0058】気流分級方法は、粒状物集合体を乾燥して
粉体状にした後、回転気流中に旋回分散させ、粒子の受
ける遠心力と流体抵抗を利用して分級する方法である。
【0059】珪藻土濾過法は、スラリー状の粒状物集合
体を、珪藻土やセルロースを濾過助剤として用いて濾過
処理することにより、粗大粒子を凝集させて取り除く方
法である。濾過助剤としては、粗大粒子を吸着させやす
いことから珪藻土が好ましい。
【0060】フィルター濾過法とは、フィルターまたは
フィルターカートリッジを用いる濾過方法である。好適
に用いることができるフィルター(カートリッジ)とし
ては、メンブランフィルター、メンブランフィルターカ
ートリッジ、プリーツフィルターカートリッジ、デプス
フィルターカートリッジ、セラミック膜フィルターなど
を挙げることができる。これらのうち、プリーツフィル
ターカートリッジおよびデプスフィルターカートリッジ
は、濾過精度が高いという観点から好ましく、デプスフ
ィルターカートリッジは、更に集塵能力が高いことから
特に好ましい。これらのフィルター(カートリッジ)は
単独で、あるいは組み合わせて使用することができる。
【0061】フィルター素材としては、セルロース、ナ
イロン、ポリプロピレン、ポリエチレン、エポキシ、ポ
リエステル、ポリ四フッ化エチレン等の樹脂、およびこ
れらの樹脂にグラスファイバーを含浸させたグラスファ
イバー補強樹脂、ステンレススチール等の金属、セラミ
ック、ガラス繊維等の無機物を挙げることができる。こ
れらのうち、樹脂およびグラスファイバー補強樹脂は、
ポリマー粒子集合体とのなじみ性が良好であることから
好ましく、特に、ナイロン、ポリプロピレン、ポリエチ
レン、エポキシ、ポリエステル、ポリ四フッ化エチレン
等の樹脂は、ポリマー粒子集合体とのなじみ性が特に優
れていることから好ましい。これらのフィルター素材は
熱融着等の手段により、単独あるいは組み合わせて使用
することができる。
【0062】上記のフィルター濾過法において、フィル
ターのポアサイズとしては、濾過処理される架橋ポリマ
ーの粒状物集合体の重量平均粒子径の1〜10倍である
ことが好ましく、更に好ましくは1〜5倍、特に好まし
くは1〜3倍である。
【0063】濾過処理方法としては、ポンプにより加圧
または減圧する方法を用いることができる。また、直接
窒素や空気によって加圧してもよい。濾過処理方法は、
バッチ式、または、連続式による循環方式を用いること
ができる。
【0064】以上説明した物理的な粒子径分別法のう
ち、粗大粒子の除去精度が最も高いことからフィルター
濾過法が最も好ましい。
【0065】<架橋ポリマー粒子の集合体の用途>本発
明の架橋ポリマー粒子の集合体は、粒子径が1μmを超
える粗大架橋ポリマー粒子(A)の割合ができるだけ少
なくなるようコントロールされており、このような粒子
径分布特性を利用して種々の分野において使用すること
ができる。本発明の架橋ポリマー粒子の集合体の用途と
しては、滑材、粉体の流動性改良剤、粉体潤滑剤、化粧
品用粒子、研磨剤、ゴム配合剤、プラスチックピグメン
ト、濾材および濾過助剤、離型剤、クロマトグラフィー
用カラム充填剤、マイクロカプセル用粒子、合成繊維添
加用粒子、徐放性担体、光沢調整剤、フィルム添加剤、
樹脂添加剤、塗料配合剤、標準粒子、抗原抗体反応検査
粒子、レオロジーコントロール剤、低収縮剤などを挙げ
ることができる。
【0066】本発明の架橋ポリマー粒子の集合体は、樹
脂フィルム用の改質剤(ブロッキング防止剤・表面の易
滑剤)として特に良好な品質を有するものである。この
ような用途に好適に用いられる理由としては、粒子径が
1μmを超える粗大架橋ポリマー粒子(A)の割合が1
重量%以下にコントロールされているため、樹脂フィル
ムの厚みが均一に保たれるからである。
【0067】ここで、樹脂フィルムとしては、ポリオレ
フィン系樹脂からなるものを挙げることができ、具体的
には、 エチレン、プロピレン、1−ブテン、1−ペ
ンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン等の
α−オレフィンの単独重合体、 これらのα−オレフ
ィンを2種以上組み合わせて共重合されたα−オレフィ
ン同士の共重合体、 α−オレフィンと、これと共重
合可能な共重合性単量体(例えば酢酸ビニル、マレイン
酸等)との共重合体、並びに これらの混合物よりな
るものを例示することができる。
【0068】また、本発明の架橋ポリマー粒子の集合体
は、スペーサ、感熱紙等の走行性安定剤としても特に良
好な品質を有するものである。このような用途に好適に
用いられる理由としては、粒子径が1μmを超える粗大
架橋ポリマー粒子(A)の割合が1重量%以下にコント
ロールされているために優れた間隔制御性、走行安定性
が発揮されるからである。
【0069】更に、本発明の架橋ポリマー粒子の集合体
は、電子写真用トナーの添加剤としても特に良好な品質
を有するものであり、例えばトナー粒子の製造時におい
て、結着樹脂および各種トナー添加剤とともに、本発明
の架橋ポリマー粒子の集合体を1〜10重量%添加(内
部添加)して溶融および破砕すると、破砕性が向上する
ことにより粉砕に要するエネルギーが減少し、また破砕
品の粒子径分布が狭いものとなり、分級等の工程が簡略
乃至省略されるなどの利点がある。また、トナーとして
の定着性と耐ブロッキング性とがバランスよく向上す
る。更に、本発明の架橋ポリマー粒子の集合体をトナー
に0.05〜5重量%の割合で乾式混合でブレンド(外
部添加)すると、トナーの耐ブロッキング性および流動
性の向上を図ることができ、感光体ドラム表面へのトナ
ー成分の付着量が低減して汚染が防止され、また、複写
画像におけるカブリの発生やトナーの経時的劣化による
画像濃度低下を防止することができる。
【0070】
【実施例】以下、本発明の実施例を説明するが、本発明
はこれらに限定されるものではない。なお、以下におい
て、「部」および「%」は、それぞれ「重量部」および
「重量%」を示す。
【0071】〔合成例1〕 シードポリマー粒子の調製 スチレン98部と、メタクリル酸2部と、t−ドデシル
メルカプタン10部と、ドデシルベンゼンスルホン酸ナ
トリウム1.2部と、過硫酸カリウム0.4部と、イオ
ン交換水200部とを、容量2リットルのフラスコに仕
込み、窒素ガス雰囲気下70℃で6時間重合を行うこと
によりポリマー粒子を得た。ここに重合転化率は98%
であった。以下、このポリマー粒子をシードポリマー粒
子(i)という。シードポリマー粒子(i)は、平均粒
子径(透過型電子顕微鏡による顕微鏡写真から、100
個の粒子について測定した値の平均値)が0.08μ
m、トルエン溶解分が98%、ゲルパーミエーションク
ロマトグラフィで測定した重量平均分子量(Mw)が
5,000であった。
【0072】 架橋ポリマーの粒状物の調製 次に、シードポリマー粒子(i)8部(固形分換算)
と、ラウリル硫酸ナトリウム1.2部と、過硫酸カリウ
ム0.5部と、イオン交換水500部と、ジビニルベン
ゼン(純度81%の市販品:エチルビニルベンゼン18
%および不純物1%を含有)100部とを混合し、30
℃で10分間攪拌することにより、シードポリマー粒子
(i)にモノマーを吸収させた。なお、上記ラウリル硫
酸ナトリウムのイオン交換水に対する濃度は、25℃に
おけるその石鹸のC.M.C.の87%である。次に、
この系を70℃に昇温して3時間重合を行ったところ、
重合安定性のよい架橋ポリマーの粒状物が得られた。こ
こに重合転化率は99%であった。以下、これを架橋ポ
リマー粒状物(I)という。この架橋ポリマー粒状物
(I)の粒子特性を後記表1に示す。なお、表1に示し
た各粒子径分布は、透過型電子顕微鏡により50,00
0個の架橋ポリマー粒子について測定し、重量に換算す
ることにより求めたものである。
【0073】〔合成例2〕t−ドデシルメルカプタンの
使用量を5部に変更し、ドデシルベンゼンスルホン酸ナ
トリウムの使用量を0.6部に変更したこと以外は合成
例1のと同様にしてポリマー粒子を得た。以下、この
ポリマー粒子をシードポリマー粒子(ii)という。シー
ドポリマー粒子(ii)は、平均粒子径(合成例1と同様
にして測定した100個の粒子の平均値)が0.45μ
m、ゲルパーミエーションクロマトグラフィで測定した
重量平均分子量(Mw)が15,000であった。次い
で、シードポリマー粒子(i)に代えて、シードポリマ
ー粒子(ii)を用いたこと以外は合成例1のと同様に
重合を行って重合安定性のよい架橋ポリマーの粒状物を
得た。以下、これを架橋ポリマー粒状物(II)という。
この架橋ポリマー粒状物(II)の粒子特性を後記表1に
併せて示す。
【0074】〔合成例3〕t−ドデシルメルカプタンの
使用量を3部に変更し、ドデシルベンゼンスルホン酸ナ
トリウムの使用量を0.2部に変更したこと以外は合成
例1のと同様にしてポリマー粒子を得た。以下、この
ポリマー粒子をシードポリマー粒子(iii)という。シー
ドポリマー粒子(iii) は、平均粒子径(合成例1と同様
にして測定した100個の粒子の平均値)が0.21μ
m、ゲルパーミエーションクロマトグラフィで測定した
重量平均分子量(Mw)が23,000であった。次い
で、シードポリマー粒子(i)に代えて、シードポリマ
ー粒子(iii) を用いたこと以外は合成例1のと同様に
重合を行って重合安定性のよい架橋ポリマーの粒状物を
得た。以下、これを架橋ポリマー粒状物(III) という。
この架橋ポリマー粒状物(III) の粒子特性を後記表1に
併せて示す。
【0075】
【表1】
【0076】〔実施例1〕架橋ポリマー粒状物(III) 中
に混在する粗大架橋ポリマー粒子を、タイラーメッシュ
500(孔径25μm)のステンレススチール製ふるい
で濾過処理することにより取り除き、本発明の架橋ポリ
マー粒子の集合体〔1〕を製造した。この架橋ポリマー
粒子の集合体〔1〕の粒子特性を後記表2に示す。な
お、表2に示した各粒子径分布は、透過型電子顕微鏡に
より50,000個の架橋ポリマー粒子について測定
し、重量に換算することにより求めたものである。
【0077】〔実施例2〕架橋ポリマー粒状物(III) 中
に混在する粗大架橋ポリマー粒子を、連続方式による遠
心分離機を用いて取り除き、本発明の架橋ポリマー粒子
の集合体〔2〕を製造した。この架橋ポリマー粒子の集
合体〔2〕の粒子特性を併せて後記表2に示す。
【0078】〔実施例3〕架橋ポリマー粒状物(III) 中
に混在する粗大架橋ポリマー粒子を、珪藻土濾過法で濾
過処理することにより取り除き、本発明の架橋ポリマー
粒子の集合体〔3〕を製造した。この架橋ポリマー粒子
の集合体〔3〕の粒子特性を併せて後記表2に示す。
【0079】〔実施例4〕架橋ポリマー粒状物(I)中
に混在する粗大架橋ポリマー粒子を、デプスフィルター
(フィルター素材:ポアサイズが0.5μmであるポリ
プロピレン)で加圧濾過処理することにより取り除き、
本発明の架橋ポリマー粒子の集合体〔4〕を製造した。
この架橋ポリマー粒子の集合体〔4〕の粒子特性を併せ
て後記表2に示す。
【0080】〔実施例5〕架橋ポリマー粒状物(I)中
に混在する粗大架橋ポリマー粒子を、デプスフィルター
(フィルター素材:ポアサイズが1μmであるガラス繊
維)で減圧濾過処理することにより取り除き、本発明の
架橋ポリマー粒子の集合体〔5〕を製造した。この架橋
ポリマー粒子の集合体〔5〕の粒子特性を併せて後記表
2に示す。
【0081】〔実施例6〕架橋ポリマー粒状物(II)中
に混在する粗大架橋ポリマー粒子を、気流分級機を用い
て分級処理することにより取り除き、本発明の架橋ポリ
マー粒子の集合体〔6〕を製造した。この架橋ポリマー
粒子の集合体〔6〕の粒子特性を併せて後記表2に示
す。
【0082】〔実施例7〕架橋ポリマー粒子(II)中に
混在する粗大架橋ポリマー粒子を、デプスフィルター
(フィルター素材:ポアサイズが2μmであるポリプロ
ピレン)で加圧濾過処理することにより取り除き、本発
明の架橋ポリマー粒子の集合体〔7〕を製造した。この
架橋ポリマー粒子の集合体〔7〕の粒子特性を併せて後
記表2に示す。
【0083】
【表2】
【0084】〔実験例〕ポリプロピレン(メルトインデ
ックス:2g/10分)100部と、ステアリン酸カル
シウム0.03部と、架橋ポリマー粒子の集合体〔1〕
〜〔7〕の各々0.5部とを混合し、この混合物を溶融
押出ししてペレット化した。それぞれのペレット状混合
物を押出機を用いてシート状フィルムを成形し、更に、
縦方向5倍、横方向10倍に延伸させることにより、厚
さ20μmの延伸フィルム(フィルム1〜7)を作製し
た。また、比較のため、複合架橋ポリマー粒子〔1〕に
代えて、合成例1で得られた架橋ポリマー粒状物(I)
を0.5部用いたこと以外は同様にして厚さ20μmの
延伸フィルム(フィルム8)を作製した。
【0085】以上のようにして作製したポリプロピレン
フィルムの各々について、透明性、耐ブロッキング性お
よび滑り性についての評価を行った。なお、評価方法
(物性の測定)は下記の方法によるものである。 (1)透明性 ASTM D−1003に準拠してヘイズ(%)を測定
した。 (2)耐ブロッキング性 2枚のフィルム片(80×120mm)を上端で20m
mずらして重ね合わせ(オーバーラップ面:80×10
0mm)、70g/cm2 の荷重を与えながら、50℃
の雰囲気中で24時間放置した後、引張試験機を用いて
剪断剥離強度(g/cm2 )を測定した。 (3)滑り性 ASTM D−1894に準拠して動摩擦係数を測定し
た。 以上の結果を後記表3に示す。
【0086】
【表3】
【0087】
【発明の効果】本発明の架橋ポリマー粒子の集合体は、
粒子径が1μmを超える粗大架橋ポリマー粒子(A)の
含有割合が1重量%以下と極めて小さいものであるの
で、樹脂フィルムなどへ添加した場合、当該樹脂フィル
ムに優れたブロッキング防止効果および滑り性を付与す
ることができる。また、優れた間隔制御性や走行安定性
を発揮することができ、スペーサ、感熱紙等の走行性安
定剤、トナー用添加剤などとしても良好な品質を有する
ものである。
【0088】本発明の架橋ポリマー粒子の集合体は、樹
脂フィルム用の改質剤(ブロッキング防止剤・表面の易
滑剤)、スペーサ、感熱紙等の走行性安定剤、トナー用
添加剤などの用途に限定されるものではなく、種々の分
野において使用することができ、例えば滑材、粉体の流
動性改良剤、粉体潤滑剤、化粧品用粒子、研磨剤、ゴム
配合剤、プラスチックピグメント、濾材および濾過助
剤、離型剤、クロマトグラフィー用カラム充填剤、マイ
クロカプセル用粒子、合成繊維添加用粒子、徐放性担
体、光沢調整剤、フィルム添加剤、樹脂添加剤、塗料配
合剤、標準粒子、抗原抗体反応検査粒子、レオロジーコ
ントロール剤、低収縮剤などとしても好適に用いること
ができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 伊藤 信幸 東京都中央区築地2丁目11番24号 日本合 成ゴム株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒子径が1μmを超える粗大架橋ポリマ
    ー粒子(A)1重量%以下と、粒子径が0.02〜1μ
    mの架橋ポリマー粒子(B)99重量%以上とを有して
    なることを特徴とする架橋ポリマー粒子の集合体。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002529564A (ja) * 1998-11-10 2002-09-10 バイエル アクチェンゲゼルシャフト 改良された機械的性質を有する熱可塑性成形用組成物
WO2012018087A1 (ja) * 2010-08-06 2012-02-09 大日本印刷株式会社 ハードコート層用硬化性樹脂組成物、ハードコートフィルムの製造方法、ハードコートフィルム、偏光板及びディスプレイパネル

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