JP2005054108A - 架橋ポリマー粒子およびその製造方法 - Google Patents

架橋ポリマー粒子およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】数平均粒子径が0.08〜0.9μmの範囲にあり、かつ粒子径分布が比較的狭く均一の粒子径を有し、さらに耐熱性や耐溶剤性に優れた架橋ポリマー粒子ならびにその製造方法を提供する。
【解決手段】、α−メチルスチレンダイマー、チウラムジスルフィド類、テルペン系炭化水素類の群から選ばれた少なくとも1種の存在下に乳化重合して、重量平均分子量が500〜15,000の範囲にあるポリマー粒子1重量部をシード粒子として含む水性分散体に、少なくともジビニルベンゼンを10重量%以上含む重合性モノマー2〜500重量部を添加し、シード粒子に重合性モノマーを吸収させながら乳化重合する。得られた架橋粒子ポリマーは、数平均粒子径が0.08〜0.9μm、数平均粒子径の±10%の範囲内の粒子径を有する粒子の含有率が50重量%以上である。
【選択図】なし

Description

本発明は、比較的粒子径が小さくかつ粒子径分布が狭く、さらに耐熱性、耐溶剤性の優れた架橋ポリマー粒子およびその製造方法に関する。
従来より、架橋度が高く優れた耐熱性を有する微小ポリマー粒子は、エンジニアリングプラスチックスやポリアミドにおける有機フィラーとして有用であり、樹脂フィルムの光沢や表面滑り特性の改質剤として要求されている。しかしながら、現在入手可能なポリマー粒子は、強度、耐熱性、粒子径および粒子径分布の点で充分満足できるものとは言えない。
従来、架橋ポリマー粒子は、以下に述べる方法によって製造されていた。
(1)通常行われる手段として、多官能ビニルモノマーなどの架橋性モノマーを多量に含むモノマー組成物を懸濁重合する技術が知られている。この方法によれば、数百μm〜数μmの範囲の粒子径分布が非常に広いポリマー粒子が得られる。
しかしながら、懸濁重合によって粒子径の小さいポリマー粒子を得ることは非常に困難である。粒子径が1μm以下のポリマー粒子を懸濁重合によって得るためには、モノマーをホモジナイザーなどにより非常に小さい粒子に微分散させる必要がある。
このようにすることにより、ポリマー粒子を1μm以下の粒子径のものとすることが可能であるが、粒子径分布は比較的狭いものが得られないのが現状である。
(2)一方、乳化重合によれば、1μm以下の粒子径を有し、かつ比較的狭い粒子径分布のポリマー粒子を得ることが可能である。しかしながら、乳化重合は、重合初期に微小な核が形成され、これがモノマーを吸収しながら成長するという重合機構であり、架橋度の高いモノマー組成では核のモノマー吸収能力が低いために重合が進行せず、核が過多に生成して重合系の安定性が大きく低下する。このために一般の乳化重合では架橋度の高いポリマー粒子を得ることが極めて困難である。
このように、1μm程度以下の粒子径を有し粒子径分布が狭く、かつ架橋度の高いポリマー粒子を得ることは、通常の方法では困難であった。
以上のような問題点を解決するために、以下に述べるような試みがなされている。
(i)懸濁重合によって得られたポリマー粒子を分級処理する。
しかしながら、現在の分級技術によれば、平均粒子径が1μm以下であり、かつ平均粒子径の±5%の範囲に90%以上の粒子が存在するようなポリマー粒子を得ることは困難である。
(ii)小粒子径の架橋ポリマー粒子を製造する方法として、いくつかのシード重合法が知られている。
これらの技術のうち代表的なものとして、特許文献1(特開昭61−225,208号公報)、特許文献2(特開昭62−223,201号公報)、特許文献3(特開昭62−223,202号公報)記載のものが知られている。
これらの技術においては、軽度に架橋されたシード粒子を用い、このシード粒子に架橋性モノマーを吸収させて重合するものである。この方法においては、架橋されたシード粒子を用いているため、シード粒子におけるモノマーの吸収能力が低く、このためポリマー粒子を特定の粒子径とするためには重合操作を繰返して行う必要があり、さらに得られるポリマー粒子の全体に対して架橋度の低いシードポリマーの占める組成割合が大きいために、ポリマー粒子の硬度ならびに耐熱性の点で限界がある。
また、特許文献4(特開昭61−241,310号公報)においては、乳化重合において重合収率が1〜40%に達した時点で架橋性モノマーを添加し、さらに重合を続ける方法が開示されている。しかしながら、この方法においても、上記特許文献1(特開昭61−225,208号公報)に開示された技術と同様に、全ポリマー粒子に対して占める架橋ポリマーの割合が小さく、その結果、ポリマー粒子の硬度ならびに耐熱性が不十分となる問題点がある。
また、特許文献5(特開昭63−72,713号)、特許文献6(特開昭63−72,715号公報)においては、シード重合法によって一定の粒子径を有する架橋ポリマー粒子および多孔性の架橋ポリマー粒子の製造方法が開示されている。
しかしながら、得られるポリマー粒子の粒子径は1〜30μmと大きく、そのため前述した有機フィラーとして適用することが難しいという問題を有する。また、この技術においては、シード粒子にモノマーを吸収させる工程を数段回に分けて行う必要があり、さらに吸収工程の第1段において用いられるモノマーの水に対する溶解度が制限されているなど、種々の制約がある。
また、特許文献7(米国特許第4,336,173号明細書)、特許文献8(米国特許第4,186,120号明細書)および特許文献9(米国特許第4,694,035号明細書)においては、シードポリマーのモノマー吸収能力を増大させるための技術が開示されている。しかしながら、これらの技術においては、大粒径のポリマー粒子を合成するためにモノマー/シード比率を増大させることを主目的としており、その比率が20〜500と極めて大きなものとなっている。
そのため、重合におけるポリマー粒子の粒子径のコントロールが難しいだけでなく、シード粒子に吸収しきれないモノマーが一部残存する。特に、本発明において対象としている架橋性モノマーを多量に用いる重合では、シード粒子に吸収されないモノマーの重合により系の重合安定性が悪化する傾向が大きいという問題がある。
これらの問題点を解決するために、特許文献10(特開平1−315454号公報)で開示されているように、特定のシード粒子と架橋性モノマーを用いて高架橋ポリマー粒子を製造する方法がある。しかしながら、近年、上記製造方法では実現が困難な、粒子径分布がさらに狭く、均一な粒子径が求められるようになった。
特開昭61−225,208号公報 特開昭62−223,201号公報 特開昭62−223,202号公報 特開昭61−241,310号公報 特開昭63−72,713号公報 特開昭63−72,715号公報 米国特許第4,336,173号明細書 米国特許第4,186,120号明細書 米国特許第4,694,035号明細書 特開平1−315454号公報
本発明の目的は、上述した技術の問題点を解決し、数平均粒子径が0.08〜0.9μm程度の範囲にあり、かつ粒子径分布が比較的狭く均一の粒子径を有し、さらに耐熱性や耐溶剤性に優れた架橋ポリマー粒子を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、上記架橋ポリマー粒子を比較的簡易なプロセスにより安定性よく工業的に有利に製造できる製造方法を提供することにある。
本発明は、数平均粒子径が0.08〜0.9μm、数平均粒子径の±10%範囲内の粒子含有率が50重量%以上(以下「粒子径分布」ともいう)であることを特徴とする架橋ポリマー粒子に関する。
ここで、本発明の架橋ポリマー粒子は、数平均粒子径の3倍以上の粒径を有する粒子の個数が10/100万以下であることが好ましい。
また、本発明の架橋ポリマー粒子は、熱重量分析による10%減量温度(T10)が350℃以上であることが好ましい。
本発明の架橋ポリマー粒子は、例えば、シード粒子を含む水性分散体に架橋性モノマーを必須成分とする重合性モノマーを吸収させながら乳化重合させて得られる。
ここで、上記シード粒子としては、α−メチルスチレンダイマー、チウラムジスルフィド類、およびテルペン系炭化水素類の群から選ばれた少なくとも1種0.01〜5重量部の存在下に非架橋性重合性モノマー100重量部を乳化重合して得られる、重量平均分子量500〜15,000のポリマーからなるポリマー粒子が好ましい。
また、上記架橋性モノマーを必須成分とする重合性モノマーとしては、ジビニルベンゼン10〜100重量%およびその他のモノマー90〜0重量%からなる単量体成分が好ましい。
さらに、架橋性モノマーを必須成分とする重合性モノマーの割合は、シード粒子1重量部に対し該重合性モノマー2〜500重量部が好ましい。
次に、本発明は、シード粒子1重量部を含む水性分散体に、ジビニルベンゼンを10〜100重量%およびその他のモノマー90〜0重量%からなる重合性モノマー2〜500重量部を添加し、シード粒子に該重合性モノマーを吸収させながら乳化重合して、数平均粒子径が0.08〜0.9μm、数平均粒子径の±10%範囲内の粒子含有率が50重量%以上である架橋ポリマー粒子の製造方法に関する。
本発明の架橋ポリマー粒子の製造方法では、架橋ポリマー中の数平均粒子径の3倍以上の粒径を有する粒子の個数は10/100万以下であることが好ましい。
また、本発明の架橋ポリマー粒子の製造方法では、架橋ポリマーの熱重量分析による10%減量温度(T10)が350℃以上であることが好ましい。
さらに、本発明の架橋ポリマー粒子の製造方法では、架橋性モノマーを必須成分とする重合性モノマーの添加方法としては、一括インクレ、分割インクレまたは連続インクレのいずれかである。
本発明によれば、数平均粒子径が0.08〜0.9μmの範囲にあり、かつ粒子径分布が比較的狭く均一の粒子径を有した架橋ポリマー粒子が容易に得られるようになった。
また、本発明の架橋ポリマー粒子は、極めて高度に架橋されたものであり、硬度、強度、耐熱性および耐溶剤性に非常に優れている。
このため、本発明の架橋ポリマー粒子は、樹脂、フィルム、繊維へのブレンド用粒子などにも利用でき、種々の用途において期待される特性が良好に発揮され、さらに新しい用途にも使用されることが期待される。
本発明の架橋ポリマー粒子は、数平均粒子径が0.08〜0.9μm、数平均粒子径の±10%範囲内の粒子含有率が50重量%以上であり、好ましくは、これに加えて、数平均粒子径の3倍以上の粒径を有する粒子の個数が10/100万以下であり、さらに好ましくは、これに加えて、熱重量分析による10%減量温度(T10)が350℃以上である、高架橋のポリマー粒子である。
このような本発明の架橋ポリマー粒子は、一般に、シード粒子を含む水性分散体に架橋性モノマーを必須成分とする重合性モノマーを吸収させながら乳化重合することによって得られる。
<シード粒子>
本発明の架橋ポリマー粒子の製造に用いられるシード粒子としては、α−メチルスチレンダイマー、チウラムジスルフィド類、テルペン系炭化水素類などが用いられるが、好ましくは、α−メチルスチレンダイマーと必要に応じて重合連鎖移動剤の存在下に、非架橋性重合性モノマー(架橋性モノマーを含まない重合性モノマーの総称)を乳化重合し特定の重量平均分子量を有するポリマーからなるシード粒子を用いることが比較的粒子径分布の狭い架橋粒子を得る点から好ましい。
本発明において用いるシード粒子は、重量平均分子量が、好ましくは500〜15,000、さらに好ましくは700〜12,000、特に好ましくは1,000〜10,000である。
本発明において、シード粒子について「重量平均分子量」とは、当該シード粒子の溶液の粘度測定あるいはゲルパーミエーションクロマトグラフィーなどの通常の方法で測定される重量平均分子量である。
シード粒子の重量平均分子量が15,000を超えると、当該シード粒子のモノマーの吸収能力が小さく、モノマーがシード粒子に吸収されないまま独自に重合するため、目的とするものとは異なる粒子径のポリマー粒子が多量に生成される。特に、これらの異粒子は、微小でコロイド的に不安定であるために重合反応系の安定性が悪くなり、重合時に凝固物が多量に発生するようになる。
一方、シード粒子の重量平均分子量が500未満のときには、その分子量が小さすぎるためにやはりポリマーのモノマーに対する吸収能力が小さく、上記と同様の問題が生ずる。
シード粒子の分子量は、α−メチルスチレンダイマー、チウラムジスルフィド類、テルペン系炭化水素類、および重合連鎖移動剤などの使用量により調整することができる。
また、シード粒子の粒子径および粒子径分布が、生成される架橋ポリマー粒子の粒子径および粒子径分布に影響を与える。したがって、シード粒子は、できるだけコントロールされて狭い粒子径分布を有する、粒子径の揃った粒子を用いることが好ましい。具体的には、数平均粒子径が0.05〜0.6μm、好ましくは0.1〜0.3μmのシード粒子であって、粒子径分布が狭いもの、例えばその変動係数が5%以下のものが好適に用いられる。
シード粒子の組成は、シード重合に用いる架橋性モノマーを必須成分とする重合性モノマーに溶解または膨潤するものであれば特に制限されないが、通常、オレフィン系モノマーの重合体であるオレフィン系ポリマーであって、重合に用いるポリマーと同系統のものであることが好ましい。具体的にはシード粒子としては、スチレン、メタクリル酸、アクリロニトリル、酢酸ビニル、メチルアクリレート、ブチルアクリレートなどのアクリル酸エステル、ブタジエン、イソプレンなどの非架橋性重合性モノマーを単独であるいは好ましくはこれらを2種以上組合わせて得られるポリマー粒子が好ましく用いられる。
かかるシード粒子を得る方法は、好ましくは、α−メチルスチレンダイマー、チウラムジスルフィド類、テルペン系炭化水素類、好ましくはα−メチルスチレンダイマーと、必要に応じて重合連鎖移動剤の存在下で、上記非架橋性重合性モノマーを比較的多量に用いた乳化重合法またはソープフリー重合法によって合成されるものである。
ここで、α−メチルスチレンダイマーとしては、異性体として(イ)2,4−ジフェニル−4−メチル−1−ペンテン、(ロ)2,4−ジフェニル−4−メチル−2−ペンテン、および(ハ)1,1,3−トリメチル−3−フェニルインデンがある。α−メチルスチレンダイマーとして好ましい組成は、(イ)成分が40重量%以上、(ロ)成分および/または(ハ)成分が60重量%以下、さらに好ましくは、(イ)成分が50重量%以上、(ロ)成分および/または(ハ)成分が50重量%以下、特に好ましくは(イ)成分が70重量%以上、(ロ)成分および/または(ハ)成分が30重量%以下である。(イ)成分の組成比率が高くなるに従って、連鎖移動効果に優れる。
α−メチルスチレンダイマーは、本発明の目的を損なわない範囲で、不純物、例えば未反応のα−メチルスチレン、上記(イ)、(ロ)、(ハ)成分以外のα−メチルスチレンオリゴマー、α−メチルスチレンポリマーを含むものであってもよい。α−メチルスチレンダイマーを使用する場合、その目的を損なわないものであれば、α−メチルスチレンダイマー合成後、これを未精製の状態で使用することもできる。
チウラムジスルフィド類は、テトラメチルチウラムジスルフィド、テトラエチルチウラムジスルフィド、テトラブチルチウラムジスルフィドなどが挙げられる。
テルペン系炭化水素は、ターピノーレン、α−テルピネン、γ−テルピネン、ジペンテンなどが挙げられる。
本発明におけるα−メチルスチレンダイマー、チウラムジスルフィド類、テルペン系炭化水素類の群から選ばれた少なくとも1種の割合は、シード粒子を構成する全モノマー(非架橋性重合性モノマーに相当する)100重量部に対して、好ましくは0.01〜5重量部、さらに好ましくは0.1〜4重量部、特に、好ましくは0.3〜3重量部である。
α−メチルスチレンダイマー、チウラムジスルフィド類、テルペン系炭化水素類の群から選ばれた少なくとも1種を用いないか、0.01重量部未満の場合は、粒子径分布が広くなり、数平均粒子径の±10%の範囲内粒子径(粒子径分布の狭い)を有するポリマー粒子が50重量%以上とはならない。すなわち、粗大粒子が多く、後の架橋ポリマー粒子に悪影響を及ぼす。一方、α−メチレンスチレンダイマーの使用量が5重量部を超えると、重合反応性が乏しく、粒子径分布の狭いシードポリマー粒子が得られない。
α−メチルスチレンダイマー、チウラムジスルフィド類、テルペン系炭化水素類の群から選ばれた少なくとも1種とともに、必要に応じて併用する他の重合連鎖移動剤としては、一般の乳化重合に使用されている重合連鎖移動剤が使用できる。具体的には、オクチルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン、n−ヘキサデシルメルカプタン、n−テトラドデシルメルカプタン、t−テトラデシルメルカプタンなどのメルカプタン類;ジメチルキサントゲンジスルフィド、ジエチルキサントゲンジスルフィド、ジイソプロピルキサントゲンジスルフィドなどのキサントゲンジスルフィド類;四塩化炭素、臭化エチレンなどのハロゲン化炭化水素類;ペンタフェニルエタンなどの炭化水素類;およびアクロレイン、メタクロレイン、アリルアルコール、2−エチルヘキシルチオグリコレートなどを挙げることができる。これらは単独でも、あるいは2種以上組み合わせて使用することができる。これらのうち、メルカプタン類、キサントゲンジスルフィド類などが好適に使用される。
連鎖移動剤の使用量は、0.01〜20重量部、さらに好ましくは0.1〜17重量部、特に、好ましくは0.3〜15重量部である。
なお、シード粒子の製造におけるラジカル開始剤としては、本発明の下記ポリマー粒子の製造に用いられると同様のラジカル開始剤が用いられる。シード粒子を乳化重合する際のラジカル開始剤の使用量は、0.1〜3重量部、さらに好ましくは0.15〜2重量部、特に、好ましくは0.2〜1.5重量部である。
以上のシード粒子の乳化重合においては、水の使用量は、100〜1,000重量部、さらに好ましくは150〜700重量部、特に、好ましくは200〜500重量部である。
また、この乳化重合における重合条件は、温度が60〜95℃、好ましくは70〜90℃、重合時間が2〜10時間、好ましくは3〜8時間程度である。
<架橋ポリマー粒子>
本発明の架橋ポリマー粒子は、例えば、以上のシード粒子を含む水性分散体に架橋性モノマーを必須成分とする重合性モノマーを吸収させながら、乳化重合することによって得られる。
架橋性モノマー;
上記架橋性モノマーとしては、好ましくは、ジビニルベンゼンが必須成分として用いられる。
その他の架橋性モノマーとしては、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレートに代表される多価アクリレート化合物などの、2個以上、好ましくは2個の共重合性二重結合を有する化合物を好ましく用いることができる。
本発明に使用することができる多価アクリレート化合物の例としては、次の化合物を挙げることができる。
すなわち、ジアクリレート化合物として、ポリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、2,2´−ビス(4−アクリロキシプロピロキシフェニル)プロパン、2,2´−ビス(4−アクリロキシジエトキシフェニル)プロパンなどが、トリアクリレート化合物として、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールエタントリアクリレート、テトラメチロールメタントリアクリレートなどが、テトラアクリレート化合物として、テトラメチロールメタンテトラアクリレートなどが、ジメタクリレート化合物として、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ジプロピレングリコールジメタクリレート、ポリプロピレングリコールジメタクリレート、2,2´−ビス(4−メタクリロキシジエトキシフェニル)プロパンなどが、トリメタクリレート化合物として、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレートなどが挙げられる。以上のうち、エチレングリコールジメタクリレートまたはトリメチロールプロパントリメタクリレートを用いることが好ましい。また、これらの架橋性モノマーは、単独あるいは2種以上を混合して用いることもできる。
本発明においては、架橋性モノマーのうち、ジビニルベンゼンの割合は、全モノマーに対して、好ましくは10〜100重量%、さらに好ましくは15〜100重量%、さらに好ましくは20〜100重量%である。
ジビニルベンゼンの割合が10重量%未満の場合には、得られる架橋ポリマー粒子は、硬度、耐熱性、耐溶剤性などの点で劣ったものとなる。
なお、架橋性モノマーの量は、希釈剤や他の不純物を除いた純品換算による。
本発明においては、架橋性モノマーを必須成分とする重合性モノマーは、架橋性モノマーのみからなることが好ましいが、重合性モノビニルモノマーを併用することも可能である。架橋性モノマーと共に用いられる重合性モノビニルモノマーとしては、スチレン、エチルビニルベンゼン、α−メチルスチレン、フルオロスチレン、ビニルピリジンなどの芳香族モノビニル化合物、アクリロニトリル、メタクリロニトリルなどのシアン化ビニル化合物、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルエチルアクリレート、グリシジルアクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルアクリレートなどのアクリル酸エステルモノマー、ブチルメタクリレート、2−エチルヘキシルメタクリレート、メチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、グリシジルメタクリレート、N,N−ジメチルアミノエチルメタクリレートなどのメタクリル酸エステルモノマー、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸などのモノまたはジカルボン酸およびジカルボン酸の酸無水物、アクリルアミド、メタクリルアミドなどのアミド系モノマーを用いることができる。また、重合速度および重合安定性の点で許容される範囲内において、ブタジエン、イソプレンなどの共役二重結合化合物や酢酸ビニルなどのビニルエステル化合物、4−メチル−1−ペンテン、その他のα−オレフィン化合物も使用できる。これらのうち、特にスチレン、エチルビニルベンゼンが好ましい。これらの重合性モノマーは2種以上を使用してもよい。
上記重合性モノビニルモノマーの使用量は、架橋性モノマーを必須成分とする重合性モノマー中に、通常、80重量%以下、好ましくは0〜50重量%である。
架橋性モノマーを必須成分とする重合性モノマーの使用量;
本発明において、上記架橋性モノマーを必須成分とする重合性モノマーの使用量は、シード粒子1重量部に対し、通常、2〜500重量部、好ましくは2〜200重量部、さらに好ましくは3〜19重量部、特に好ましくは4〜16重量部、最も好ましくは5〜12重量部である。この使用量が2重量部未満では、シード粒子の比率が大きすぎ、得られるポリマー粒子の機械的強度および耐熱性が不十分となる。一方、架橋性モノマーを必須成分とする重合性モノマーの使用量が500重量部を超えると、シード粒子のモノマー吸収能力が不足してシード粒子に吸収されないモノマー量が増えるため、粒子径のコントロールが困難となって幅広い粒子径分布を持つ粗大粒子が生成するか(油溶性開始剤を使用した場合)、多量の微小粒子が発生して重合系が不安定になる(水溶性開始剤を使用した場合)。
重合法;
本発明でモノマーを添加する方法としては、シード粒子の水性分散体に対してこれらを一時に投入する方法(一括インクレ)、重合を行いながら、モノマーを分割して添加する方法(分割インクレ)または連続的に添加する方法(連続インクレ)がある。本発明では、後者の方が好ましい。
本発明においては、シード粒子の量およびモノマーの量を調整することにより、最終的に得られる架橋ポリマー粒子の粒子径をコントロールすることができる。具体的には、シード粒子の重量をWs 、その数平均粒子径をDs、モノマー量をM、非反応性溶剤量をSとすると、得られる架橋ポリマー粒子の数平均粒子径Dは次の数1で示される式で推定することができ、実際上も比較的高い精度で実現される。
ここで、非反応性溶剤とは、トルエン、ジオクチルフタレートなどをいう。
Figure 2005054108
本発明で得られる架橋ポリマー粒子の粒子径は、上記のように用いるシード粒子の粒子径と使用するモノマーの量によってコントロールできる。
また、得られる粒子径の範囲は主として用いるシード粒子の粒子径の大小で定まるが、通常、数平均粒子径が0.08〜0.9μm、好ましくは0.1〜0.8μm、さらに好ましくは0.15〜0.5μmの範囲内において容易に合成できる。先に述べたように、この範囲の架橋ポリマー粒子を得るには、従来の通常の懸濁重合法では困難であり、従来法で合成したもののなかから分級分離するか、あるいはモノマーを高圧ホモジナイザーで微分散して重合するなどの特殊な生産性の悪い操作をせねばならなかった。
また、得られる架橋ポリマー粒子は、数平均粒子径の3倍以上の粒径を有する粒子の個数は、10/100万以下、好ましくは、5/100万以下である。この粒子個数は、シードポリマー粒子の重量平均分子量と粒子径分布により調整することができる。
本発明において、重合開始剤としては、一般の水溶性ラジカル重合開始剤あるいは油溶性のラジカル重合開始剤を用いることができるが、シード粒子に吸収されないモノマーが水相で重合を開始することの少ない点で水溶性の重合開始剤を用いることが好ましい。
水溶性のラジカル開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸アンモニウム、クメンハイドロパーオキサイド、過酸化水素、あるいはこれら還元剤の組み合わせによるレドックス系開始剤が挙げられる。
また、本発明に用いられる油溶性の重合開始剤としては、ベンゾイルパーオキサイド、α,α´−アゾビスイソブチロニトリル、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、3,5,5−トリメチルヘキサノイルパーオキサイドなどを挙げることができる。油溶性の重合開始剤のなかでは、α,α´−アゾビスイソブチロニトリルを好ましく用いることができる。
以上のラジカル重合開始剤の使用量は、0.01〜3重量部、さらに好ましくは0.05〜2重量部、特に、好ましくは0.1〜1.5重量部である。
なお、重合反応においては、重クロム酸カリウム、塩化第2鉄、ハイドロキノンなどの水溶性の重合禁止剤を少量添加すると、微小粒子の発生を抑制することができるので好ましい。
重合反応においては、重合反応系の安定性を高くするために、シード粒子の重合時に使われた乳化剤以外に、懸濁保護剤または界面活性剤を使用することも好ましいが、界面活性剤が多すぎる場合には、微小粒子が生成して重合安定性を低下させる場合があるので、その使用量はできるだけ少ないことが好ましい。
特に、水溶性重合開始剤を用いて重合を行う場合には、界面活性剤の濃度は臨界ミセル形成濃度(C.M.C.)以下とすることが好ましい。
一方、油溶性重合開始剤を用いて重合を行う場合には、モノマーおよび油溶性重合開始剤の水に対する溶解度が十分に低ければ、界面活性剤の使用量がC.M.C.以上の濃度であっても支障なく重合を行うことが可能である。
本発明において、界面活性剤としては通常のものを用いることができ、例えばドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ジアルキルスルホコハク酸ナトリウム、ナフタレンスルホン酸のホルマリン縮合物などのアニオン系乳化剤を例示することができる。
さらに、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールモノステアレート、ソルビタンモノステアレートなどのノニオン系界面活性剤を併用することも可能である。
また、本発明に用いることのできる好ましい懸濁保護剤としては、ポリビニルアルコール、カルボキシルメチルセルロース、ポリアクリル酸ナトリウムあるいは微粉末無機化合物などを挙げることができる。
本発明において、重合時の系の安定性を確保しながら目的の粒子径で粒子径分布の狭い架橋ポリマー粒子を再現性よくコントロールして得るための最も好ましい重合開始剤と安定化剤の組み合わせは、重合開始剤として水溶性重合開始剤を用い、安定化剤としてその重合系でのC.M.C.濃度以下でかつその近傍濃度(具体的にはC.M.C.濃度の0.3〜1.0倍)の界面活性剤を用いるものである。
なお、本発明の架橋ポリマー粒子は、公知の方法、例えば架橋ポリマー粒子をシードとしてモノマーを重合することにより、粒子表面を変性することもできる。
また、本発明の架橋ポリマー粒子は、窒素雰囲気下において熱天秤により昇温速度10℃/分でポリマー粒子を加熱したとき、ポリマー粒子の減量割合が10重量%に達する温度(T10)が好ましくは350℃以上、さらに好ましくは360〜400℃である。350℃以上にするには、架橋性モノマーの使用量により調整できる。
本発明の架橋ポリマー粒子において、上記減量割合に関する条件(T10が350℃以上)は、樹脂フィルムの光沢や表面滑り特性を改良するために、例えばエンジニアリングプラスチックスやポリアミドの有機フィラーとして用いる場合に要求されるものである。
以上の架橋ポリマー粒子の乳化重合においては、水の使用量は、シード粒子1重量部に対し、20〜100重量部、好ましくは30〜50重量部である。
また、この乳化重合における重合条件は、温度が60〜90℃、好ましくは70〜85℃、重合時間が2〜10時間、好ましくは3〜8時間程度である。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下の記載において「部」および「%」は、特に断らない限り、重量基準である。
なお、実施例における重量平均分子量・数平均粒子径、粒子径分布、数平均粒子径の3倍以上の粒径を有する粒子の含有量(粒子含有量)は、次のようにして測定した。
重量平均分子量
ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した。
数平均粒子径
電子顕微鏡写真(倍率5,000〜10,000倍)により、100個の粒子径から算出した。
粒子径分布
平均粒子径の±10%の範囲内に属する粒子の重量分率で算出した。
粒子含有量
Single Optical Particle Sensing(SOPS)法による個数カウント式粒度分布測定器(Particle Sizing Systems社製)にて測定した。
測定方法は、スラリーを粉体量相当、約0.002〜0.02g採取し、重量を高精度電子天秤で正確に秤量する。次に分散媒(蒸留水)にて正確に1000倍希釈して試料を作製する。作製した試料を上述した個数カウント式粒度分布測定器を用いて測定し、粉体量1g相当に換算して数平均粒子径の3倍以上の粒子を粗大粒子数として求める。
作製した試料を該粒子の数平均粒子径および密度を主として、粉体量1g相当の個数単位に換算し次式より粒子含有量を求める。なお、実施例では換算した粒子数100万個に対する粗大粒子数で表記する。
粗大粒子数=a/b
(式中、aは個数カウント式粒度分布測定器で得られる粉体量1g相当に換算して数平均粒子径の3倍以上の粒径を有する粗大粒子数、bは数平均粒子径および密度を主として粉体量1g相当の個数単位に換算した粒子数である。)
合成例1(シード粒子Aの合成)
スチレン97部、メタクリル酸3部、α−メチルスチレンダイマー0.5部、t−ドデシルメルカプタン5部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.8部、過硫酸カリウム0.4部、および水200部を、容量2Lのフラスコ中に入れ、撹拌しながら窒素ガス中にて80℃に昇温して6時間重合を行った。これにより、重合収率98%で数平均粒子径0.17μm、粒子径の標準偏差値が0.02μmのシード粒子Aを得た。ここに,数平均粒子径は,透過型電子顕微鏡写真により100個のポリマー粒子について計測した値の平均値である。このシード粒子Aは、トルエン溶解分98%、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定した分子量が、重量平均分子量 (Mw )=8,000、数平均分子量 (Mn )=6,100であった。 結果を表1に示す。
実施例1
上記シード粒子A(固形分換算)8部、ラウリル硫酸ナトリウム1.0部、過硫酸カリウム 0.5部、水 500部、およびジビニルベンゼン100部(市販品、純度55%、残余は1官能ビニルモノマー、純品としては55部、以下同様)を混合し、30℃で10分間撹拌してシード粒子にモノマーを吸収させた。なお、上記ラウリル硫酸ナトリウムの水に対する濃度は、25℃の水に対するその石ケンのC.M.C.の87%である。
次に、系を80℃に昇温して3時間重合を行ったところ、重合収率は97%であった。また、反応生成物において、200メッシュのフィルター上に残る重合凝固物は0.02%(対重合固形分)であり、重合安定性良好な架橋ポリマー粒子が得られた。
このポリマー粒子を走査型電子顕微鏡で観察したところ、数平均粒子径が0.38μm、数平均粒子径の±10%の範囲内に属する粒子が全粒子の77%存在し、かつ球形粒子であった。また、数平均粒子径の3倍以上の粒径を有する粒子の含有量(粒子含有量)は、2.1個であった。
この粒子1gをトルエン、シクロヘキサン、テトラハイドロフラン、クレゾール、メチルエチルケトンの各々100mlに入れ24時間観察したところ、粒子は全く溶解、膨潤の兆候を示さなかった。
さらに、上記ポリマー粒子の熱的性質を知るために、窒素ガス雰囲気下において熱天秤分析を行った。
熱天秤分析によれば、昇温速度10℃/分で加熱したときに、ポリマー粒子が10重量%減量する温度(以下、この減量開始温度を「T10」と表す)は415℃であった。以上の結果を表1〜2に示す。
実施例2
実施例1におけるジビニルベンゼン100部の代わりに、ジビニルベンゼン(純品換算)20部と、スチレン80部を用いた他は、実施例1と同様にして重合を行った。その結果、数平均粒子径が0.39μm、数平均粒子径の±10%の範囲内に存在する粒子は73重量%、数平均粒子径の3倍以上の粒径を有する粒子の個数は2.5個であった。また、ポリマー粒子の熱的性質を実施例1と同様に測定したところ、T10は395℃であった。
以上の結果を表1〜2に示す。
合成例2〜12(シード粒子B−Lの合成)
合成例1におけるシード粒子の製造におけるα−メチルスチレンダイマーおよびt−ドデシルメルカプタンの使用量を変量させた合計11種のシード粒子B〜Lを合成した。なお、シード粒子C、D、E、G、H、I、K、Lは本発明の実施例に属し、シード粒子B、F、Jは比較例に属する。
以上の重合反応の各々における重合凝固物の割合および重合収率、得られたシード粒子の数平均粒子径を表1に示す。
比較例1〜4
シード粒子Aの代わりに、上記合成例で得られたシード粒子の各々を用いたほかは実施例1と同様に重合し、架橋ポリマー粒子を製造した。
以上の重合反応の各々における重合凝固物の割合および重合収率、得られた架橋ポリマー粒子の数平均粒子径およびその±10%の範囲内に存在する粒子の重量割合、数平均粒子径の3倍以上の粒径を有する粒子の個数を表2に示す。
表2から明らかなように、比較例1、2、4では、得られたポリマー粒子の粒子径分布が広く重合中に反応系がゲル化した。
比較例2では、シード粒子の分子量が小さすぎてモノマーの吸収がかえって少なくなり、その結果重合安定性が悪く、重合系がゲル化した。
比較例3では、得られたポリマー粒子の粒子径分布が広い。
実施例3〜6
実施例1におけるシード粒子の製造に用いるα−メチルスチレンダイマーおよびt−ドデシルメルカプタンの使用量を変量して得られたシード粒子を変えたほかは、実施例1と同様にして重合を行い、数平均粒子径がそれぞれ0.26μm、0.36μm、0.37μmおよび0.31μmの架橋ポリマー粒子を得た。結果を表2に示す。
実施例7〜8
上記合成例で得られたシード粒子K,Lを用いて、実施例1同様に架橋ポリマー粒子を得た。結果を表2に示す。
実施例9
実施例1のジビニルベンゼン100部の代わりににスチレン60部とジビニルベンゼン(純品換算)40部とを用いた他は、実施例1と同様に重合を行い、表1に示す架橋ポリマー粒子を得た。
実施例10
実施例1の市販品ジビニルベンゼンの代わりにジビニルベンゼン(市販品、純度95%、残余は1官能ビニールモノマー)100部を用いた他は、実施例1と同様に重合を行い、表1に示す架橋ポリマー粒子を得た。結果を表2に示す。
実施例11
実施例1におけるジビニルベンゼンの代わりにスチレン90部およびジビニルベンゼン(純品換算)10部を用いた他は、実施例1と同様にして表2に示す架橋ポリマー粒子を得た。
実施例12
実施例に1におけるラウリル硫酸ナトリウムの使用量を2.0部に変えた他は、実施例1と同様にして重合を行った。このとき、ラウリル硫酸ナトリウムの水に対する濃度は、25℃におけるその石鹸のC.M.C.の170%である。
この例においては、重合時に用いる石ケン量が過剰なため、重合安定性が損われ、得られるポリマー粒子の粒子径分布がややブロードなものとなっている。
表2にその結果を示すように、本発明によれば従来困難であった小粒子径で均一径の架橋ポリマー粒子が安定性よく得られることが確認された。
なお、参考のために、各種高分子化合物における上記熱的特性T10値の値を表3に示す。対象とした高分子化合物は、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリイソプレン、ポリブタジエン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトニル、フェノール樹脂(ノボラック)、ベンゾグアナミン樹脂およびポリテトラフルオロエチレン(商品名:テフロン)である。
これによると、本発明の架橋ポリマー粒子は、ポリ塩化ビニリデンに匹敵するT10を有し、加熱時の重量減量割合においてはポリ塩化ビニリデンに勝り、テフロンに追随するものであることが分かる。












































Figure 2005054108

Figure 2005054108


Figure 2005054108
本発明の方法によって得られる架橋ポリマー粒子は、その架橋の程度が高く、したがって極めて高い硬度、強度、耐熱性ならびに耐溶剤性を有し、かつ従来得られなかった比較的粒子径分布の狭い均一な粒子径の架橋ポリマー粒子である。
そして、この架橋ポリマー粒子は、そのような特性を利用して、種々の分野において使用することができる。
本発明の架橋ポリマー粒子の用途の例を挙げると、滑材、スペーサ、ブロッキング防止剤、粉体の流動性改良剤、粉体潤滑剤、化粧品用粒子、研磨剤、ゴム配合剤、プラスチックピグメント、ろ材およびろ過助剤、離型剤、クロマトグラフィー用カラム充填剤、マイクロカプセル用粒子、合成繊維添加用粒子などである。
特に、本発明の架橋ポリマー粒子は、クロマトグラフィー用カラム充填剤、マイクロカプセル用粒子、徐放性担体、滑剤、スペーサ、ブロッキング防止剤、プラスチックピグメント、粉体の流動性改良剤、粉体膨潤剤、光沢調整剤、合成繊維添加剤、フィルム添加剤、フィルムコーティング剤、フィルムコーティング用添加剤、樹脂添加剤、塗料配合剤、ろ材およびろ過助剤、化粧品用粒子などとして有用である。

Claims (11)

  1. 数平均粒子径が0.08〜0.9μm、数平均粒子径の±10%範囲内の粒子含有率が50重量%以上であることを特徴とする架橋ポリマー粒子。
  2. 数平均粒子径の3倍以上の粒径を有する粒子の個数が10/100万以下である請求項1記載の架橋ポリマー粒子。
  3. 熱重量分析による10%減量温度(T10)が350℃以上である請求項1または2記載の架橋ポリマー粒子。
  4. シード粒子を含む水性分散体に架橋性モノマーを必須成分とする重合性モノマーを吸収させながら乳化重合させて得られる請求項1〜3いずれかに記載の架橋ポリマー粒子。
  5. シード粒子が、α−メチルスチレンダイマー、チウラムジスルフィド類、およびテルペン系炭化水素類の群から選ばれた少なくとも1種0.01〜5重量部の存在下に非架橋性重合性モノマー100重量部を乳化重合して得られる重量平均分子量500〜15,000のポリマーからなるポリマー粒子である請求項4記載の架橋ポリマー粒子。
  6. 架橋性モノマーを必須成分とする重合性モノマーがジビニルベンゼン10〜100重量%およびその他のモノマー90〜0重量%からなる請求項4または5記載の架橋ポリマー粒子。
  7. シード粒子1重量部に対し、架橋性モノマーを必須成分とする重合性モノマーの添加量が2〜500重量部である請求項4〜6いずれかに記載の架橋ポリマー粒子。
  8. シード粒子1重量部を含む水性分散体に、ジビニルベンゼンを10〜100重量%およびその他のモノマー90〜0重量%からなる架橋性モノマーを必須成分とする重合性モノマー2〜500重量部を添加し、シード粒子に該重合性モノマーを吸収させながら乳化重合して、数平均粒子径が0.08〜0.9μm、数平均粒子径の±10%範囲内の粒子含有率が50重量%以上となす架橋ポリマー粒子の製造方法。
  9. 架橋ポリマー中の数平均粒子径の3倍以上の粒径を有する粒子の個数が10/100万以下である請求項8記載の架橋ポリマー粒子の製造方法。
  10. 架橋ポリマーの熱重量分析による10%減量温度(T10)が350℃以上である請求項8または9記載の架橋ポリマー粒子の製造方法。
  11. 架橋性モノマーを必須成分とする重合性モノマーの添加方法が一括インクレ、分割インクレまたは連続インクレのいずれかである請求項8〜10いずれかに記載の架橋ポリマー粒子の製造方法。
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