JPH07227709A - 切削加工装置 - Google Patents

切削加工装置

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JPH07227709A
JPH07227709A JP1920094A JP1920094A JPH07227709A JP H07227709 A JPH07227709 A JP H07227709A JP 1920094 A JP1920094 A JP 1920094A JP 1920094 A JP1920094 A JP 1920094A JP H07227709 A JPH07227709 A JP H07227709A
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cutting
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JP1920094A
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Koji Hino
功司 日野
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Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 切削工具を軸心まわりに回転させつつ、その
切削工具とワークとをワーク軸心まわりに相対回転させ
ることにより、ワーク軸心を中心としてワークの全周に
切削加工を行う切削加工装置において、ワーク軸心に直
角な面を加工する場合に切込み0となることを回避し、
工具寿命や加工精度を向上させる。 【構成】 フライス(切削工具)20の軸心である一中
心線Otをワーク10の軸心Owに対して傾斜させ、そ
の状態でフライス20を一中心線Otまわりに回転駆動
しつつワーク軸心Owまわりに公転させて、ワーク10
の端面36や円筒外周面40などを切削加工する。フラ
イス20の各チップ34a〜34fは、一中心線Otま
わりの回転に伴って上下に揺動させられ、その下降端付
近のみでワーク10に切削加工を行うため、ワーク軸心
Owに直角な端面36の加工に際しても加工面を切込み
0の状態で擦過することがない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、切削工具を一中心線ま
わりに回転させつつ、その切削工具とワークとをワーク
軸心まわりに相対回転させることにより、そのワーク軸
心を中心としてワークの全周に切削加工を行う切削加工
装置の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動車の足廻り部品、例えばキャリアや
ナックルなどの円筒面,端面加工に際しては、従来から
旋削加工が用いられているが、高能率加工を目指してコ
ンタリング加工と称する加工法が提案されている。これ
は、例えば図23に示すように、クランパ500によっ
てワーク502を位置固定に保持するとともに、そのワ
ーク502の軸心Owに対して総形フライス等の切削工
具504の中心線Otが平行で且つ所定距離だけオフセ
ットするように両者の位置関係を設定し、切削工具50
4を中心線Otまわりに回転(自転)させつつワーク軸
心Owまわりに回転(公転)させることにより、ワーク
軸心Owを中心としてワーク502の全周に切削加工を
行うもので、ワーク502の外周面および端面を同時に
加工できる。すなわち、切削工具504は中心線Otと
同心の有底円筒形状を成す工具本体505と、その工具
本体505の内側および先端開口部に取り付けられた複
数のチップ506a〜506fとを備えており、チップ
506a,506fによってワーク軸心Owに直角な端
面508および平面510が切削加工されるとともに、
チップ506b〜506eによって円筒外周面512や
テーパ外周面514が切削加工されるのである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、このよ
うなコンタリング加工では、ワークの軸心に直角な平面
や端面を切削加工する際に、一旦切削加工が行われた部
分を切れ刃が切込み0の状態で繰り返し通過させられる
ため、工具寿命が低下したり加工精度が損なわれたりす
る問題があった。前記チップ506a,506fによる
端面508,平面510の切削加工がこれに相当し、例
えば端面508の切削加工について図24を参照しつつ
具体的に説明すると、チップ506aによって一旦切削
加工が行われた端面508は弾性復帰によって若干盛り
上がるが、切削工具504の自転に伴ってその後にチッ
プ506aが通過する際には一点鎖線で示すように端面
508を弾性変形させながら擦過するだけで切り込むこ
とは殆どないため、端面508の弾性力によってチップ
506aの切れ刃に大きな背分力が作用する。この背分
力は、チップ506aがワーク502に切り込んで切削
加工を行う場合に比較して数倍〜数十倍であり、チッピ
ングが生じ易くなるとともに、切屑を殆ど排出しないた
め擦過による発熱がチップ506aの刃先に蓄積されて
チップ506aの摩耗を促進し、工具寿命が著しく低下
するのである。また、上記背分力は切削工具504の回
転(自転)に伴って周期的に作用するため、その背分力
によって切削工具504、更には加工装置全体が振動
(脈動)するようになり、端面508だけでなく円筒外
周面512などの他の加工面にもうねりが発生するなど
の加工不良を生じたり、チップ506aは勿論、他のチ
ップ506b〜506fについてもチッピングが生じ易
くなって工具寿命を一層低下させたりするのである。な
お、装置を大型化したり高剛性化したりすれば脈動の発
生を抑制できるが、高価で且つ大きな設置スペースが必
要となって好ましくなく、ワーク軸心に直角な平面加工
部の面積が大きい場合には実用化が困難であった。
【0004】一方、従来のコンタリング加工装置の工具
本体は工具軸心(中心線Ot)と同心の有底円筒形状を
成しているため、加工中に切屑が工具本体の内部に滞留
し易く、切屑詰まりによって切削性能が損なわれること
がある。これを防止するため、例えば図25に示すよう
に工具本体505の円筒状側壁部に複数の切欠520を
設け、その切欠520から遠心力によって切屑を排出す
るようになっているのが普通であるが、このような切欠
520を設けると工具本体505の剛性が低下するた
め、前記脈動が発生し易くなるなどの不都合がある。
【0005】本発明は以上の事情を背景として為された
もので、その第1の目的とするところは、ワーク軸心に
直角な平面を加工する場合でも優れた工具寿命が得ら
れ、且つ装置を大型化,高剛性化することなく高い加工
精度が得られるようにすることにある。また、第2の目
的は、工具本体に切欠を設けることなく切屑が良好に除
去されるようにすることにある。
【0006】
【課題を解決するための第1の手段】上記第1の目的を
達成するためには、切削工具の回転中心線をワーク軸心
に対して傾斜させ、ワーク軸心に直角な平面を加工する
場合でも切込み0の状態とならないようにすれば良く、
第1発明は、切削工具を一中心線まわりに回転させつ
つ、その切削工具とワークとをワーク軸心まわりに相対
回転させることにより、そのワーク軸心を中心としてワ
ークの全周に切削加工を行う切削加工装置であって、
(a)前記ワーク軸心まわりの回転可能に配設されて、
前記切削工具を前記一中心線が前記ワーク軸心に対して
傾斜する姿勢でその一中心線まわりの回転可能に支持す
る工具支持部材と、(b)前記切削工具を前記一中心線
まわりに回転させる自転駆動手段と、(c)前記工具支
持部材を前記ワーク軸心まわりに回転させる公転駆動手
段とを有することを特徴とする。
【0007】
【第1発明の作用および効果】このような切削加工装置
においては、回転中心線である一中心線がワーク軸心に
対して傾斜する姿勢で切削工具が工具支持部材によって
支持され、その切削工具が自転駆動手段によって一中心
線まわりに回転(自転)させられることにより、ワーク
に対して切削加工が行われる。また、その状態で工具支
持部材が公転駆動手段によってワーク軸心まわりに回転
させられることにより、切削工具もワーク軸心まわりに
回転(公転)させられ、ワーク軸心を中心としてワーク
の全周に円筒面や端面などの切削加工が行われる。その
場合に、上記切削工具はワーク軸心に対して傾斜した一
中心線まわりに回転させられるため、切削工具の切れ刃
は一中心線まわりの回転に伴ってワーク軸心方向へ揺動
させられ、ワーク軸心に直角な平面を切削加工する場合
でも、一旦切削加工が行われた部分をその後に切れ刃が
切込み0の状態で通過させられることがなくなり、切込
み0に起因する工具寿命や加工精度の低下が回避され
る。
【0008】
【課題を解決するための第2の手段】第2発明は、切削
工具を一中心線まわりに回転させつつ、その切削工具と
ワークとをワーク軸心まわりに相対回転させることによ
り、そのワーク軸心を中心としてワークの全周に切削加
工を行う切削加工装置であって、(a)前記切削工具を
前記一中心線が前記ワーク軸心に対して傾斜する姿勢で
その一中心線まわりの回転可能に支持する工具支持部材
と、(b)前記切削工具を前記一中心線まわりに回転さ
せる工具駆動手段と、(c)前記ワークを前記ワーク軸
心まわりに回転させるワーク駆動手段とを有することを
特徴とする。
【0009】
【第2発明の作用および効果】このような切削加工装置
においては、回転中心線である一中心線がワーク軸心に
対して傾斜する姿勢で切削工具が工具支持部材によって
支持され、その切削工具が工具駆動手段によって一中心
線まわりに回転させられることにより、ワークに対して
切削加工が行われるとともに、その状態でワークがワー
ク駆動手段によってワーク軸心まわりに回転させられる
ことにより、ワーク軸心を中心としてワークの全周に円
筒面や端面などの切削加工が行われる。その場合に、上
記切削工具はワーク軸心に対して傾斜した一中心線まわ
りに回転(自転)させられるため、切削工具の切れ刃は
一中心線まわりの回転に伴ってワーク軸心方向へ揺動さ
せられ、前記第1発明と同様の効果が得られる。また、
この第2発明ではワークをワーク軸心まわりに回転駆動
するようにしているため、第1発明のように切削工具を
自転させながらワーク軸心まわりに公転させる場合に比
較して、装置が簡単に構成されるとともに強度や剛性が
向上し、より高精度な切削加工を行うことが可能とな
る。
【0010】
【課題を解決するための第3の手段】第3発明は、前記
第1発明または第2発明の切削加工装置において、前記
一中心線と前記ワーク軸心との傾斜角度を変更する角度
調整手段を備えていることを特徴とする。
【0011】
【第3発明の作用および効果】この第3発明では、角度
調整手段によって一中心線とワーク軸心との傾斜角度、
すなわちワーク軸心を含む平面内の加工面形状を変更で
きるため、第1発明や第2発明の効果に加えて、各部の
寸法誤差や取付誤差などに拘らず目的とする加工面、例
えばワーク軸心と平行な円筒面や所定角度傾斜するテー
パ面、ワーク軸心と直角な端面などを高い精度で切削加
工できる。また、荒加工か仕上げ加工かなどの加工目的
や、端面の仕上げ加工か円筒面の仕上げ加工かなどの加
工部位などによって切削工具の設計はそれぞれ異なり、
上記傾斜角度も加工目的などによって変更される場合が
あるが、その場合でも角度調整手段によって傾斜角度を
変更するだけで対応できるため、傾斜角度に関する設計
が異なる複数種類の切削工具を使用できるなど、装置の
汎用性が向上する。言い換えれば、切削工具の設計に際
して、加工目的などに応じて傾斜角度を自由に設定でき
るのである。
【0012】なお、工具支持部材を回転して切削工具を
ワーク軸心まわりに公転させる第1発明の切削加工装置
においては、ワークの姿勢を変化させるとワーク軸心に
対して工具支持部材の回転中心がずれるため、工具支持
部材に対する切削工具の姿勢を変化させて上記傾斜角度
を変更する必要があるが、ワークをワーク軸心まわりに
回転させる第2発明の切削加工装置においては、ワーク
の姿勢を変化させるようにしても切削工具を支持してい
る工具支持部材の姿勢を変化させるようにしても良い。
【0013】
【課題を解決するための第4の手段】第4発明は、前記
第1発明乃至第3発明の何れかの切削加工装置におい
て、前記ワーク軸心と直角な方向における前記ワークと
前記切削工具との相対位置を変更する位置調整手段を備
えていることを特徴とする。
【0014】
【第4発明の作用および効果】この第4発明では、位置
調整手段によってワーク軸心と直角な方向におけるワー
クと切削工具との相対位置、すなわちワーク軸心から加
工面までの径寸法を変更できるため、第1発明〜第3発
明の効果に加えて、各部の寸法誤差や取付誤差、切削工
具の切れ刃の摩耗などに拘らず目的とする径寸法の円筒
面やテーパ面を高い精度で切削加工できるとともに、荒
加工や仕上げ加工などを同一の切削工具で行う場合に加
工目的に応じて加工面の径寸法を変更することができ
る。
【0015】なお、この第4発明においても、工具支持
部材を回転して切削工具をワーク軸心まわりに公転させ
る第1発明の切削加工装置においては、ワークの位置を
変化させるとワーク軸心に対して工具支持部材の回転中
心がずれるため、工具支持部材に対する切削工具の位置
を変更する必要があるが、ワークをワーク軸心まわりに
回転させる第2発明の切削加工装置においては、ワーク
の位置を変化させるようにしても切削工具を支持してい
る工具支持部材の位置を変化させるようにしても良い。
【0016】
【課題を解決するための第5の手段】第5発明は、前記
第1の目的と同時に第2の目的を達成するためのもの
で、前記切削工具が、先端側程拡開するテーパ円筒形状
の工具本体と、その工具本体の内側に配設されて前記ワ
ークの外周面に切削加工を行うチップとを有して構成さ
れている請求項1乃至4の何れかに記載の切削加工装置
において、前記一中心線まわりであって前記切削工具に
より前記ワークに切削加工を行う加工位置と反対側の位
置で且つ前記工具本体の先端開口部の近傍に配設され、
流体を噴射または空気を吸引することにより切屑を除去
するノズルを備えていることを特徴とする。
【0017】
【第5発明の作用および効果】すなわち、テーパ円筒形
状の工具本体の内側にチップが設けられてワークの外周
面に切削加工を行う切削工具は、チップによって切削さ
れた切屑が工具本体の内側に滞留し易いが、本発明で
は、流体を噴射または空気を吸引するノズルによって切
屑が除去されるため、そのような切屑の滞留が防止さ
れ、優れた切削性能が維持される。その場合に、本発明
では切削工具の回転中心である一中心線がワーク軸心に
対して傾斜しているとともに、上記工具本体は先端側程
拡開するテーパ円筒形状を成しているため、加工位置と
反対側ではワーク外周面との間に比較的大きな空間が形
成され、工具本体をできるだけ小さく維持しつつ上記ノ
ズルを良好に配設できるのである。また、上記のように
工具本体がテーパ円筒形状を成していることから、図2
3に示す従来の切削工具に比較して切屑は遠心力により
工具本体の先端開口側へ流出し易く、上記ノズルによる
切屑除去作用と相まって切屑が一層良好に除去される。
一方、このように切屑が良好に除去されることから、切
屑排出用の切欠を設けることが必ずしも必要でなく、高
い剛性が得られるようになって脈動の発生が抑制され、
加工精度や工具寿命が向上する。
【0018】なお、工具支持部材を回転して切削工具を
ワーク軸心まわりに公転させる第1発明の切削加工装置
においては、工具支持部材の回転に伴って加工位置もワ
ーク軸心まわりに回転するため、上記ノズルは工具支持
部材に一体的に配設すれば良く、ワークをワーク軸心ま
わりに回転させる第2発明の切削加工装置においては、
加工位置が一定であるため上記ノズルも位置固定に配設
すれば良い。
【0019】
【実施例】以下、本発明の実施例を図面に基づいて詳細
に説明する。図1は、第1発明の切削加工装置の一例で
あるアンギュラーフライス加工装置を示す縦断面図で、
円筒形状を成すワーク10は複数のクランパ12によっ
て軸心Owが略垂直となる姿勢でテーブル14上に位置
決め固定されるようになっている。テーブル14は、例
えば上下方向へ移動可能な1軸テーブルや、水平面内を
自在に移動できるとともに上下方向へも移動可能な3軸
移動テーブルなどに配設されており、ワーク10を図に
示す予め定められた第1位置と、その第1位置よりも下
方の第2位置とへ移動させるようになっている。第1位
置は、ワーク10に切削加工を行う位置で、第2位置は
ワーク10を着脱できる位置であり、以下の説明では特
別な場合を除いてワーク10が第1位置に保持されてい
る状態を基準として説明し、ワーク軸心Owもワーク1
0が第1位置に保持されている時の軸心位置を意味す
る。ワーク10は、鍛造や鋳造などによって得られたも
ので、目的とする製品と略同一形状を成しており、本実
施例のアンギュラーフライス加工装置は切削仕上げを行
うものであるが、円筒形状のパイプや円柱形状の棒材な
どをワークとして用いて図のような外周形状となるよう
に切削加工することもできる。
【0020】上記テーブル14の上方には、工具支持部
材としての偏向ドラム16が設けられている。偏向ドラ
ム16は円板形状を成しており、ワーク軸心Owと同じ
軸心まわりの回転可能に、一対のベアリングを介して位
置固定の支持フレーム18に配設されているとともに、
切削工具としてのフライス20を一対のベアリングによ
って一中心線Otまわりの回転可能に支持している。偏
向ドラム16の外周部にはリング状の噛合歯車22が設
けられてピニオン23と噛み合わされており、支持フレ
ーム18に配設された電動モータなどの公転駆動手段2
4によってピニオン23が回転駆動されることにより、
偏向ドラム16は上記ワーク軸心Owまわりに低速、例
えば1〜3rpm程度で回転させられる。図1では噛合
歯車22が偏向ドラム16に一体に設けられているが、
別体に構成して偏向ドラム16に固設するようにしても
良いし、組付性などを考慮して偏向ドラム16を複数の
部材にて構成することもできる。
【0021】上記フライス20は、一中心線Otと同心
のシャフト26および工具本体28を備えており、一中
心線Otがワーク軸心Owと角度θで交差する姿勢で偏
向ドラム16に配設されている。そして、このフライス
20はワーク軸心Ow、言い換えれば偏向ドラム16の
回転中心と同心上に位置固定に配設された電動モータな
どの自転駆動手段30に等速ジョイント32を介して連
結され、一中心線Otまわりに高速、例えば500〜1
000rpm程度で回転駆動されるようになっており、
このように一中心線Otまわりに高速で回転(自転)し
ながら偏向ドラム16と共にワーク軸心Owまわりに低
速で1回転以上回転(公転)させられることにより、ワ
ーク軸心Owを中心としてワーク10の全周に切削加工
が行われる。フライス20の自転方向は上から見て右ま
わりで公転方向は左まわりに設定されており、公転に伴
ってフライス20はワーク10の切削前の表面(黒皮)
に切り込んで良好な切削加工が行われるが、自転を左ま
わりで公転を右まわりにしても同様である。なお、本実
施例ではワーク軸心Owと一中心線Otとが角度θで交
差するようになっているが、両者がねじれの関係となる
ように配設しても差し支えない。また、上記自転駆動手
段30を偏向ドラム16すなわち工具支持部材に配設
し、シャフト26を直接回転駆動するように構成するこ
とにより、等速ジョイント32等の動力伝達装置を省略
することが可能である。
【0022】上記フライス20の工具本体28は、下方
の先端側程拡開するテーパ円筒形状(カップ形状)を成
しており、その内側に複数のチップ34a〜34g(以
下、特に区別しない場合には単にチップ34という)が
取り付けられている。フライス20が一中心線Otまわ
りに自転しつつワーク軸心Owまわりに公転させられる
ことにより、チップ34a,34dによってワーク軸心
Owに直角な端面36および平面38が切削加工され、
チップ34b,34c,34fによってワーク軸心Ow
と平行な円筒外周面40が切削加工され、チップ34e
によってワーク軸心Owに対して傾斜するテーパ外周面
42が切削加工され、チップ34gによって平面38と
円筒外周面40とのコーナ部44が切削加工される。工
具本体28の開き角度は前記交差角度θの略2倍に定め
られているとともに、各チップ34の形状や取付姿勢
は、それぞれ上記端面36,平面38,円筒外周面4
0,テーパ外周面42,コーナ部44を切削加工できる
ように設定されている。
【0023】このように、本実施例のアンギュラーフラ
イス加工装置においては、フライス20が自転駆動手段
30によって一中心線Otまわりに回転(自転)させら
れることにより、ワーク10の端面36や円筒外周面4
0等に対する切削加工が同時に行われ、その状態で偏向
ドラム16が公転駆動手段24によってワーク軸心Ow
まわりに回転させられることにより、フライス20もワ
ーク軸心Owまわりに回転(公転)させられ、ワーク軸
心Owを中心としてワーク10の全周に切削加工が行わ
れる。その場合に、上記フライス20はワーク軸心Ow
に対して角度θだけ傾斜した一中心線Otまわりに回転
させられるため、フライス20の各チップ34は一中心
線Otまわりの回転に伴ってワーク軸心Ow方向、すな
わち上下方向に揺動させられ、ワーク軸心Owに直角な
端面36や平面38を切削加工するチップ34a,34
dは、図1に示されているように下降端付近でワーク1
0に切削加工を行うことになる。このため、それ等のチ
ップ34a,34dは、一旦切削加工が行われた部分を
その後に切込み0の状態で通過させられることがなく、
切込み0に起因する工具寿命や加工精度の低下が回避さ
れる。特に、本実施例では自転方向と公転方向とが反対
であるため、各チップ34は1回転毎に非切削部分すな
わち黒皮部分に切り込むことになり、切削部分に切り込
む場合に比較して滑りが少なく良好な切削作用が得られ
る。
【0024】ここで、切込み0の状態にならないこと
を、図2に示すように、ワーク軸心Owと直角なワーク
50の上面52に、ワーク軸心Owに対して角度θだけ
傾斜した一中心線Otまわりに回転駆動されるチップ5
4によって切削加工を行うモデルを参照して具体的に説
明する。一中心線Otの右まわりに回転駆動されるチッ
プ54は、位置Aでワーク50の上面52に切り込み始
め、一中心線Otの傾斜方向である位置Bで最も深くな
り、位置Cでワーク50から離脱する。また、チップ5
4は、前記チップ34aや34dと同様にワーク軸心O
wに直角な平面を切削加工するもので、その切れ刃56
は一中心線Otに直角な平面から角度θだけ傾斜させら
れており、ワーク50に最も深く切り込む位置Bでは図
3の(b)に示すように上面52と平行になるが、位置
A,位置Bではそれぞれ図3の(a),(c)に示すよ
うに上面52に対して傾斜する。図4は、チップ54が
一中心線Otまわりに1回転させられた場合の切削形状
を示す図で、斜線部が切れ刃56による切削部分であ
る。そして、チップ54の回転中心である一中心線Ot
がワーク軸心Owの左まわりに公転させられると、チッ
プ54による切削位置は図5に示すように少しずつ移動
し、ワーク軸心Owまわりに1回転させられることによ
り、ワーク軸心Owを中心として図3の(b)の断面形
状の環状溝が形成される。図5は、その左側がチップ5
4による切削位置の移動方向であり、一中心線Otまわ
りの1回転毎の軌跡を重ねて示した図である。このよう
に、チップ54は一中心線Otまわりの1回転毎に上面
52に切り込んで切削加工を行うとともに、その切削位
置は公転に伴って少しずつ移動させられるため、一旦切
削加工した加工面上を切込み0の状態で通過することは
ないのである。
【0025】一方、フライス20の回転中心である一中
心線Otがワーク軸心Owに対して傾斜している本実施
例のアンギュラーフライス加工装置においては、フライ
ス10が一中心線Otまわりに回転してワーク10に切
削加工を行う際に、各チップ34の切削抵抗が滑らかに
変化し、負荷の立上りや立下がりが緩やかで脈動が低減
されるとともに、チッピングの発生が抑制される。例え
ば、円筒外周面40を切削加工するチップ34bについ
て具体的に説明すると、図1のように一中心線Otが右
側に傾斜している状態では、図6のようにワーク10の
右側外周面に切削加工が行われ、位置Aでワーク10の
外周面に切り込み始め、位置Bで最も深くなり、位置C
でワーク10から離脱するが、その場合の各位置A,
B,Cにおけるチップ34bの姿勢は図7の上段に示す
通りで、ワーク10の外周面に対して斜めに傾斜した姿
勢で切り込むとともに斜めに傾斜した姿勢で離脱し、そ
の切削抵抗は図8の(a)に示すように滑らかに変化す
る。これに対し、前記図23に示す従来のコンタリング
加工法では、切削工具の回転中心である一中心線Otが
ワーク軸心Owと平行であるため、上記位置A,B,C
におけるチップの姿勢は図7の下段に示すように常にワ
ークの外周面と平行であり、その切削抵抗は図8の
(b)に示すように切り込み開始位置Aで急に立ち上が
るとともに離脱位置Cで急に低下し、この切削抵抗の急
激な変化に起因して脈動やチッピングが生じ易いのであ
る。なお、図6の一点鎖線はチップ34bの切れ刃の回
転軌跡である。
【0026】また、本実施例のフライス20の工具本体
28は先端側程拡開するテーパ円筒形状を成しているた
め、チップ34によって切削された切屑は、図9の概略
図に示すように、フライス20が一中心線Otまわりに
回転駆動されることによって生じる遠心力Fにより工具
本体28の内周面に押し付けられるとともに、遠心力F
の分力Faによって工具本体28の先端開口側へ排出さ
れ、良好な切削性能が維持される。これに対し、図23
に示す従来のコンタリング加工装置においては、工具本
体505が一中心線Otと同心の円筒形状を成している
ため、切削された切屑は遠心力によって工具本体505
の内周面に押し付けられるだけで、開口側へ排出する作
用が得られない。このため、工具本体505には例えば
図25に示すように複数の切欠520が形成され、その
切欠520から切屑が排出されるようになっているのが
普通である。
【0027】上記切欠520は、図10の(b)に示す
ように、前記チップ506を工具本体505の内周面に
取り付ける際にねじ締め工具522の挿入空間としても
利用されるが、工具本体28がテーパ円筒形状を成す本
実施例においては、図10の(a)に示すように切欠を
利用することなくねじ締め工具522によってチップ3
4を取り付けることができる。このように、本実施例で
は切屑の排出やねじ締め工具522の挿入などを目的と
して工具本体28に切欠を設ける必要がないため、工具
本体28の剛性が向上し、断続切削による脈動の発生が
抑制されて加工精度が向上するとともに、チッピングが
軽減されて工具寿命が向上する。なお、上例ではチップ
34をフライス20の径方向内側からねじ止めする場合
について説明したが、チップ34を周方向からねじ止め
する場合など必要に応じて工具本体28に切欠を設ける
ことも可能で、その場合でも従来に比べて切欠を大幅に
縮小できる。
【0028】次に、本発明の他の実施例を説明する。な
お、以下の実施例において上記第1実施例と実質的に共
通する部分には同一の符号を付して詳しい説明を省略す
る。
【0029】図11は、第1発明を基本として第3発明
が適用された切削加工装置の一例であるアンギュラーフ
ライス加工装置の要部を示す縦断面図で、シャフト26
より下方部分および等速ジョイント32より上方部分を
省略した図であるが、それ等の省略部分は前記第1実施
例と同様に構成されている。シャフト26は、一対のベ
アリングを介して一中心線Otまわりの回転可能にチル
トテーブル60に配設されており、そのチルトテーブル
60は、ワーク軸心Ow上に位置する点Osを中心とし
て揺動自在に位置固定の支持フレーム62に配設されて
いる。チルトテーブル60は円板形状を成しているとと
もに、その外周面64は点Osを中心とする球面を成し
ている一方、支持フレーム62には点Osを中心とする
球面の支持穴66が設けられており、その支持穴66内
に外周面64が揺動可能に摺接する状態でチルトテーブ
ル60は支持されている。支持フレーム62は、支持穴
66内にチルトテーブル60を収容するため複数の部材
にて構成される。また、シャフト26は、その軸心であ
る一中心線Otが点Osを通る状態でチルトテーブル6
0に配設されており、その点Osでワーク軸心Owと交
差させられるとともに、その交差角度すなわち傾斜角度
θは、チルトテーブル60の点Osまわりの揺動に伴っ
て変化する。
【0030】上記チルトテーブル60の上方には、円板
形状の面板68がワーク軸心Owと同じ軸心まわりの回
転可能に、位置固定の支持フレーム70にベアリングを
介して配設されている。この面板68の外周部には前記
噛合歯車22が設けられており、支持フレーム70に配
設された公転駆動手段24によってワーク軸心Owまわ
りに低速で回転させられるようになっている。また、こ
の面板68には、図12から明らかなように、ワーク軸
心Owと直交する径方向に長い長穴72が設けられてお
り、その長穴72内を径方向への移動可能にブッシュ7
4が配設されている。ブッシュ74は円形の貫通孔を備
えており、その貫通孔内には等速ジョイント32のロッ
ド76が軸心まわりの回転可能かつ軸方向の移動可能に
嵌合されているとともに、そのロッド76には、前記シ
ャフト26に同心に一体に設けられたスプライン軸78
が軸方向の相対移動可能かつ軸心まわりの相対回転不能
にスプライン嵌合されている。これにより、シャフト2
6を有する前記フライス20は、前記自転駆動手段30
によって一中心線Otまわりに回転駆動されるととも
に、公転駆動手段24によって面板68がワーク軸心O
wまわりに回転させられることにより、フライス20も
チルトテーブル60を点Osまわりに揺動させながらワ
ーク軸心Owまわりに公転させられ、前記実施例と同様
にしてワーク10に切削加工が行われる。本実施例で
は、上記チルトテーブル60,面板68,およびブッシ
ュ74を含んで工具支持部材が構成されている。なお、
ブッシュ74に自転駆動手段30を配設してロッド76
を回転駆動するようにしたり、チルトテーブル60に自
転駆動手段30を配設してシャフト26を回転駆動した
りするように構成することもできる。
【0031】上記ブッシュ74は、図11と略直角な縦
断面を示す図13から明らかなように、面板68の下面
にガイドレール80を介してその面板68の径方向への
移動可能に配設されたスライド部材82に、一対のピン
84を介してその移動方向と直角で且つ一中心線Otと
直角、すなわち図11の状態では紙面に垂直な揺動中心
線Omまわりの揺動可能に配設されている。スライド部
材82にはねじ軸86が螺合されているとともに、その
ねじ軸86はサーボモータなどの駆動源88によって回
転駆動されるようになっており、このねじ軸86の回転
によってスライド部材82はガイドレール80に案内さ
れつつ面板68の径方向、すなわちワーク軸心Owと直
交する方向へ移動させられる。上記ブッシュ74は、ス
ライド部材82と共にワーク軸心Owと直交する方向へ
移動させられるとともに、その移動に伴って前記点Os
まわりに揺動させられるシャフト26の姿勢変化に伴っ
て揺動中心線Omまわりに揺動させられ、その貫通孔が
常にシャフト26の軸心である一中心線Otと同心とな
る姿勢に保持され、シャフト26とロッド76との連結
状態を維持する。また、このようにスライド部材82が
移動させられることにより、ワーク軸心Owと一中心線
Otとの傾斜角度θが変更され、且つ任意の角度で位置
決めされる。本実施例では、上記スライド部材82,ね
じ軸86,駆動源88を含んで、傾斜角度θを変更する
角度調整手段90が構成されている。なお、上記スライ
ド部材82の移動方向は、必ずしもワーク軸心Owと直
交する方向である必要はなく、少なくともブッシュ74
によりシャフト26とロッド76との連結状態を維持し
つつ傾斜角度θを変化させることができれば、スライド
部材82の移動方向や移動経路は適宜変更できる。
【0032】このように、本実施例のアンギュラーフラ
イス加工装置は、角度調整手段90によって傾斜角度
θ、すなわちワーク軸心Owを含む平面内の加工面形状
を変更できるため、各部の寸法誤差や取付誤差などに拘
らず目的とする加工面、例えばワーク軸心Owと平行な
前記円筒外周面40,所定角度傾斜するテーパ外周面4
2,ワーク軸心Owと直角な端面36,平面38などを
高い精度で切削加工できる。また、荒加工か仕上げ加工
かなどの加工目的や、端面36の仕上げ加工か円筒外周
面40の仕上げ加工かなどの加工部位などによって前記
フライス20の設計はそれぞれ異なり、上記傾斜角度θ
すなわち前記工具本体28の開き角度も加工目的などに
よって変更される場合があるが、その場合でも角度調整
手段90によって傾斜角度θを変更するだけで対応でき
るため、傾斜角度θに関する設計が異なる複数種類の切
削工具を使用できるなど、装置の汎用性が向上する。言
い換えれば、フライス20等の切削工具の設計に際し
て、加工目的などに応じて傾斜角度θ(工具本体の開き
角度)を自由に設定できるのである。
【0033】図14は、第1発明を基本として第3発明
が適用された切削加工装置の別の例であるアンギュラー
フライス加工装置の要部を示す縦断面図で、前記図11
に相当する図である。シャフト26は、一対のベアリン
グを介して一中心線Otまわりの回転可能にチルトテー
ブル100に配設されているとともに、そのチルトテー
ブル100は、ワーク軸心Owと一中心線Otとの交差
位置においてそれ等と直角に交差する揺動中心線Onま
わりの揺動可能に回転テーブル102に配設されてい
る。チルトテーブル100は一中心線Otと平行な方向
から見た形状が長方形であり、その一対の側面104は
揺動中心線Onを中心とする円筒面を成している一方、
回転テーブル102には揺動中心線Onを中心とする円
筒形状の一対の側壁面106を有する長方形の収容穴が
設けられており、その側壁面106に側面104が揺動
可能に摺接する状態でチルトテーブル100が配設され
ている。チルトテーブル100には、揺動中心線Onを
中心とする円弧に沿って噛合歯を有する噛合部材108
が設けられ、回転テーブル102に配設されたサーボモ
ータなどの駆動源110によって回転駆動されるウォー
ム112と噛み合わされており、これにより、チルトテ
ーブル100は揺動中心線Onまわりに揺動させられ、
傾斜角度θが変更されるとともに任意の角度で位置決め
される。また、回転テーブル102は円板形状を成して
いるとともに、その中心がワーク軸心Owと一致する姿
勢で一対のベアリングを介して位置固定の支持フレーム
114にワーク軸心Owまわりの回転可能に配設されて
おり、支持フレーム114に配設された公転駆動手段2
4により噛合歯車22を介してワーク軸心Owまわりに
回転駆動されるようになっている。本実施例では、上記
噛合部材108,駆動源110,およびウォーム112
によって角度調整手段116が構成されており、チルト
テーブル100および回転テーブル102を含んで工具
支持部材118が構成されている。
【0034】この実施例でも、角度調整手段116によ
って傾斜角度θを調整できるため、前記図11の実施例
と同様の効果が得られる。しかも、本実施例ではワーク
10に対する切削加工時に、回転テーブル102および
チルトテーブル100が一体的に回転(公転)させられ
るため、図11の装置のようにチルトテーブル60の外
周面64が支持フレーム62の支持穴66に摺接しなが
ら公転するとともに、ブッシュ74の貫通孔に摺接しつ
つロッド76が高速回転する場合に比較して、摩耗など
が低減されて装置の耐久性が向上する。特に、チルトテ
ーブル100は回転テーブル102に面接触しており、
その接触面を介して公転力が伝達されるため、高い耐久
性が得られる利点がある。また、前記面板68が不要と
なるため、装置が簡単かつコンパクトに構成される。
【0035】ここで、上記揺動中心線Onは必ずしもワ
ーク軸心Owと直交している必要はないし、ワーク軸心
Owと一中心線Otとが交差している必要もなく、何れ
の場合も両者がねじれの関係であっても良い。また、チ
ルトテーブル100は、ピンなどによって揺動中心線O
nまわりの揺動可能に回転テーブル102に取り付けら
れても良い。また、前記図11の装置の角度調整手段9
0や上記角度調整手段116は、何れも駆動源88,1
10によって自動で傾斜角度θを調整するようになって
いるが、ねじ軸86,ウォーム112にハンドルを設け
るなどして手作業で傾斜角度θを調整するようにしても
良い。また、チルトテーブル100に自転駆動手段30
を配設し、歯車などを介してシャフト26を回転駆動す
るように構成することもできる。
【0036】図15は、上記図14のアンギュラーフラ
イス加工装置に第4発明が適用された場合で、図14の
実施例に比較して、チルトテーブル100に一対のベア
リングを介して偏心カラー120を回転可能に設け、そ
の偏心カラー120に一対のベアリングを介してシャフ
ト26を一中心線Otまわりの回転可能に配設した点が
異なる。チルトテーブル100には、傾斜角度θが0°
の状態においてワーク軸心Owから所定寸法だけ揺動方
向、すなわち図15の左右方向へオフセットした位置O
aを中心として貫通孔122が設けられ、その中心Oa
まわりの回転可能に偏心カラー120を支持していると
ともに、偏心カラー120には中心Oaから所定寸法だ
け偏心した位置を中心として貫通孔124が設けられ、
その貫通孔124の中心である一中心線Otまわりの回
転可能にシャフト26を支持しているのである。図16
は、回転テーブル102,チルトテーブル100,およ
び偏心カラー120の組付状態を示す斜視図である。
【0037】上記偏心カラー120の下面外周部にはリ
ング状の噛合歯車126が設けられ、チルトテーブル1
00に配設されたサーボモータなどの駆動源128によ
って回転駆動されるピニオン130と噛み合わされてお
り、上記中心Oaまわりに回転させられるようになって
いる。これにより、その偏心カラー120に支持されて
いるシャフト26は中心Oaまわりに回転させられ、ワ
ーク軸心Owと直角な方向におけるフライス20の位置
が変更されるとともに所定位置に位置決めされる。本実
施例では、偏心カラー120,噛合歯車126,駆動源
128,ピニオン130を含んで、ワーク軸心Owと直
角な方向におけるワーク10とフライス20との相対位
置を変更する位置調整手段132が構成されており、回
転テーブル102,チルトテーブル100,偏心カラー
120を含んで工具支持部材134が構成されている。
【0038】このように、本実施例のアンギュラーフラ
イス加工装置は、位置調整手段132によってワーク軸
心Owと直角な方向におけるフライス20の位置、すな
わちワーク軸心Owから加工面までの径寸法を変更でき
るため、各部の寸法誤差や取付誤差、チップ34の切れ
刃の摩耗などに拘らず目的とする径寸法の円筒外周面4
0やテーパ外周面42を高い精度で切削加工できるとと
もに、荒加工や仕上げ加工などを同一のフライス20で
行う場合に加工目的に応じて加工面の径寸法を変更する
ことができる。しかも、本実施例では偏心カラー120
を回転させてフライス20の位置調整を行うようになっ
ているため、例えばガイドレールなどでフライス20を
直線移動可能に配設するとともにねじ軸などで直線往復
移動させる場合に比較して、高い剛性が得られるととも
に装置が簡単かつコンパクトに構成される。
【0039】ここで、位置調整手段132によってフラ
イス20の位置を変更すると、傾斜角度θに応じてフラ
イス20の高さが変わるため、必要に応じてワーク10
の高さ位置、すなわち前記第1位置におけるテーブル1
4の高さ位置を調整することになる。このテーブル14
の高さは、前記端面36や平面38が目的とする高さ寸
法で形成されるようにする場合にも調整される。また、
本実施例ではチルトテーブル100の貫通孔122もワ
ーク軸心Owからオフセットして設けられているが、こ
の貫通孔122はワーク軸心Owと同心に設けられても
良い。また、本実施例は回転テーブル102に角度調整
手段116が設けられるとともに、回転テーブル102
を回転駆動するようになっているが、前記図11の実施
例の角度調整手段90を採用したり、その角度調整手段
90が配設された面板68を回転駆動したりするように
しても良い。その場合には、シャフト26が中心Oaま
わりに回転させられるのに伴ってブッシュ74が図11
の紙面の表裏方向へ変位できるようにしておくことにな
る。また、本実施例では偏心カラー120を駆動源12
8で回転させてフライス20の位置調整を行うようにな
っているが、手動操作で偏心カラー120を回転させた
り、ガイドレールに支持されたフライス20をねじ軸な
どで直線往復移動させたりするなど、他の種々の位置調
整手段を採用することができる。また、偏心カラー12
0に自転駆動手段30を配設し、歯車などを介してシャ
フト26を回転駆動するように構成することもできる。
【0040】図17は、前記図1のアンギュラーフライ
ス加工装置に第5発明が適用された場合で、切屑除去装
置138が設けられている点が異なる。切屑除去装置1
38は、電動ポンプ等によって潤滑油剤,冷却油剤,切
削油剤などの液体を吐出する流体供給装置140と、そ
の流体供給装置140から供給された液体を噴射するノ
ズル142とを備えている。ノズル142は、前記一中
心線Otまわりであって前記フライス20によりワーク
10に切削加工を行う加工位置と反対側の位置、すなわ
ち図17の状態では左側の位置で、且つフライス20の
工具本体28の先端開口部の近傍において、流体供給装
置142から供給された液体を工具本体28の内周面に
向かって噴射するように、前記偏向ドラム16の下面に
取り付けられており、フライス20が一中心線Otまわ
りに回転(自転)させられることにより工具本体28の
全周に液体を噴射して切屑を除去するとともにチップ3
4を冷却する。
【0041】偏向ドラム16には外周面に開口する環状
溝144が設けられ、連通路146を介して上記ノズル
142に連通させられているとともに、環状溝144の
上下の両壁面にはそれぞれリング状の円板プレート14
8が固設されている。円板プレート148の外周部は偏
向ドラム16から外部に突き出して、支持フレーム18
に形成された環状溝150の内部に入り込んでおり、両
環状溝144,150を連通させているとともに、一対
の円板プレート148にはそれぞれ環状のシール部材1
52が取り付けられ、環状溝150との間を液密にシー
ルしている。シール部材152は環状溝150に摺接し
つつワーク軸心Owまわりに回転させられるが、偏向ド
ラム16の回転速度は例えば1〜3rpm程度と低速で
あるため、十分なシール作用,耐久性が得られる。環状
溝150には流体供給装置140から前記液体が供給さ
れるようになっており、その液体は一対の円板プレート
148の間を通って環状溝144へ流入し、連通路14
6を経てノズル142に供給される。このような流体供
給路により、偏向ドラム16の回転に拘らず位置固定の
流体供給装置140から偏向ドラム16と共に回転する
ノズル142に常時流体が供給される。
【0042】このような本実施例のアンギュラーフライ
ス加工装置においては、ノズル142から工具本体28
内に液体が噴射されるため、前記図9に示す遠心力Fに
よる切屑の流出作用と相まって切屑が一層効果的に除去
され、液体によるチップ34の冷却作用と合わせて優れ
た切削性能が良好に維持されるようになる。すなわち、
テーパ円筒形状の工具本体28の内側にチップ34が設
けられてワーク10の外周面に切削加工を行うフライス
20は、チップ34によって切削された切屑が工具本体
28の内側に滞留し易いが、本実施例によれば、切屑排
出用の切欠を設けることなく切屑の滞留が一層良好に回
避されるのである。また、工具本体28は先端側程拡開
するテーパ円筒形状を成しているとともに、その回転中
心である一中心線Otはワーク軸心Owに対して角度θ
で傾斜しているため、加工位置と反対側ではワーク10
の外周面との間に比較的大きな空間、すなわち工具本体
28の先端側に向かうに従って略角度2θで拡開する空
間が形成され、工具本体28をできるだけ小さく維持し
つつ上記ノズル142を良好に配設できる。
【0043】ここで、上例では図1の実施例に切屑除去
装置138を配設した場合について説明したが、例えば
前記図14や図15の実施例に対しても同様な切屑除去
装置を配設することが可能であり、チルトテーブル10
0や回転テーブル102にノズルを取り付ければ良い。
また、上記切屑除去装置138はノズル142から液体
を噴射するようになっていたが、圧縮空気などの気体を
噴射して切屑を除去することもできるし、真空ポンプな
どを備えた吸引装置によりノズル142から空気を吸引
して切屑を吸引除去することも可能である。また、上記
実施例では一対の円板プレート148により環状の連通
路が形成されているが、それ等の円板プレート148の
配設箇所に単一のリング状ブロックを配設して、径方向
に1または複数の貫通孔を設けるだけでも良い。
【0044】図18は、図1のアンギュラーフライス加
工装置において、等速ジョイント32を用いてフライス
20を回転駆動する代わりに、自転駆動手段30の出力
回転軸160に傘歯車162を取り付けるとともに、そ
の傘歯車162と噛み合う傘歯車164をフライス20
のシャフト26に取り付け、それ等の傘歯車162,1
64を介してフライス20を回転駆動するようにしたも
のであり、等速ジョイント32を用いる場合に比較して
装置が簡単且つ安価に構成される。なお、傘歯車16
2,164の歯数は必ずしも同じである必要はないし、
ユニバーサルジョイント等の他の動力伝達装置を採用す
ることも可能である。
【0045】図19は、第2発明を基本として第3発明
〜第5発明が適用された切削加工装置の一例であるアン
ギュラーフライス加工装置を示す縦断面図で、ワーク1
0を位置決めして固定するテーブル14は、クランパ1
2によってクランプされるワーク10の軸心Owと同心
に設けられた回転シャフト170を介して、電動モータ
や減速機等を備えたワーク駆動手段172によりワーク
軸心Owまわりに例えば1〜3rpm程度の低速で回転
駆動されるようになっている。また、それ等のワーク駆
動手段172やテーブル14は3軸移動テーブル174
上に配設されて、水平面内を自在に移動させられるとと
もに上下方向へも移動させられ、切削加工時には図に示
す第1位置に位置決めされる。一方、フライス20は工
具支持部材としてのスライダ176に一対のベアリング
を介して工具軸心である一中心線Otまわりの回転可能
に配設されており、電動モータ等の工具駆動手段178
により一中心線Otまわりに例えば500〜1000r
pm程度の高速で回転駆動される。スライダ176は、
一中心線Otが上記第1位置に保持されたワーク10の
軸心Owと交差するようにフライス20を保持している
とともに、その一中心線Otと平行な方向の移動可能に
揺動アーム180に配設され、ねじ軸やそのねじ軸を回
転駆動する電動モータなどを備えた軸方向移動手段18
2によって一中心線Otと平行な方向へ移動させられる
ようになっている。揺動アーム180は、上記ワーク軸
心Owおよび一中心線Otを含む平面に対して垂直、す
なわち図19の紙面に垂直な回動軸184まわりの回動
可能に位置固定の支持フレーム186に配設されてお
り、角度調整手段188によって回動軸184まわりに
回動させられることにより、ワーク軸心Owと一中心線
Otとの交差角度すなわち傾斜角度θが変更され、任意
の角度で位置決めされる。角度調整手段188は、例え
ば減速機やサーボモータを備えて揺動アーム180を直
接回動させたり、揺動アーム180と支持フレーム18
6とに跨がって配設されたねじ軸をサーボモータで回転
駆動して揺動アーム180を回動させたりするものな
ど、種々の手段が用いられ得る。また、一中心線Otま
わりであってフライス20によりワーク10に切削加工
を行う加工位置と反対側の位置、すなわち図19ではワ
ーク10の左側の位置で、且つフライス20の工具本体
28の先端開口部の近傍には、前記切屑除去装置138
のノズル142が位置固定に配設され、潤滑油剤等の液
体を工具本体28の内周面に向かって噴射するようにな
っている。
【0046】このようなアンギュラーフライス加工装置
においては、フライス20が工具駆動手段178によっ
て一中心線Otまわりに高速で回転駆動されることによ
り、ワーク10に対して切削加工が行われるとともに、
その状態でワーク10がワーク駆動手段172によって
ワーク軸心Owまわりに回転させられることにより、ワ
ーク軸心Owを中心としてワーク10の全周に前記端面
36や円筒外周面40等の切削加工が行われる。その場
合に、フライス20の回転方向とワーク10の回転方向
とを同じにすれば、チップ34がワーク10の非切削表
面に切り込んで良好な切削加工が行われる。また、フラ
イス20はワーク軸心Owに対して角度θだけ傾斜した
一中心線Otまわりに回転させられるため、切込み0に
起因する工具寿命や加工精度の低下が回避されるなど、
前記図1の実施例と同様の効果が得られる。
【0047】また、角度調整手段188によって傾斜角
度θを変更できるため、各部の寸法誤差や取付誤差など
に拘らず目的とする加工面を高い精度で切削加工できる
とともに、工具本体28の開き角度を加工目的などによ
って自由に設定できるなど、前記図11や図14の実施
例と同様の効果が得られる。
【0048】更に、3軸移動テーブル174によってワ
ーク10をワーク軸心Owと直角な方向、具体的には図
19の左右方向へ移動させることにより、ワーク軸心O
wから加工面までの径寸法を調整できるため、前記図1
5の実施例と同様に、各部の寸法誤差や取付誤差、チッ
プ34の切れ刃の摩耗などに拘らず目的とする径寸法の
円筒外周面40やテーパ外周面42を高い精度で切削加
工できるとともに、荒加工か仕上げ加工かなどの加工目
的に応じて加工面の径寸法を変更することができる。軸
方向移動手段182によってフライス20を一中心線O
tと平行な方向へ移動させても、フライス20は傾斜角
度θに応じて図19の左右方向へ移動するため、ワーク
軸心Owから加工面までの径寸法を調整でき、上記と同
様の効果が得られる。すなわち、上記3軸移動テーブル
174や軸方向移動手段182は、第4発明の位置調整
手段としても機能するのである。なお、これ等の3軸移
動テーブル174や軸方向移動手段182によって、端
面36や平面38の加工高さを調整することもできる。
【0049】また、ノズル142から工具本体28内に
向かって液体を噴射するようになっているため、切削さ
れた切屑が良好に除去されるなど、前記図17の実施例
と同様の効果が得られる。その場合に、本実施例ではノ
ズル142を位置固定に配設すれば良いため、前記流体
供給装置140からノズル142へ液体を導く流体供給
路を簡単に構成できる。
【0050】一方、この実施例では、ワーク10をワー
ク軸心Owまわりに回転駆動するようにしているため、
前述した各実施例のようにフライス20を自転させなが
らワーク軸心Owまわりに公転させる場合に比較して、
装置が簡単に構成されるとともに強度や剛性が向上し、
より高精度な切削加工を行うことが可能となる。
【0051】ここで、上記実施例ではワーク軸心Owと
一中心線Otとが交差するようになっているが、両者が
ねじれの関係となるように配設しても差し支えないし、
ノズル142から圧縮空気を噴射したりノズル142に
空気を吸引したりして切屑を除去するようにしても良い
など、第2発明の実施に際しても前記各実施例と同様に
種々の態様を採用できる。また、上記実施例では角度調
整手段188によってフライス20の角度を変更するよ
うになっているが、3軸移動テーブル174上に角度調
整手段を設けてテーブル14およびワーク駆動手段17
2を傾斜させて角度θを変更するように構成することも
可能である。また、ノズル142が位置固定に配設され
ていたが、揺動アーム180に取り付けることも可能で
ある。
【0052】図20は、前記各実施例に比較して切削工
具としてのフライス200の構成が異なる。すなわち、
このフライス200は、先端側程拡径するテーパ形状の
工具本体201の外周部や先端に複数のチップ202が
設けられ、軸心である一中心線Otまわりに回転駆動さ
れることにより、前記各実施例と同様にワーク204の
端面206や平面208,円筒外周面210,テーパ外
周面212を切削加工する。一中心線Otは、ワーク2
04の軸心Owに対して角度θで傾斜させられており、
フライス200がそのワーク軸心Owまわりに公転させ
られるか、ワーク204が軸心Owまわりに回転させら
れることにより、ワーク軸心Owを中心としてワーク2
04の全周に切削加工が行われる。その場合に、フライ
ス200を公転させる場合には、一中心線Otまわりの
自転方向と同じ方向へ公転させ、ワーク204を回転さ
せる場合には、フライス200の自転方向と逆方向へ回
転させることにより、それぞれワーク204の非切削表
面に切り込んで切削加工が行われる。本実施例でも、一
中心線Otがワーク軸心Owに対して傾斜させられてい
るため、切込み0に起因する工具寿命や加工精度の低下
が回避されるなど、前記図1の実施例と同様の効果が得
られる。
【0053】一方、上記フライス200には溝入れ加工
用のチップ214が取り付けられており、ワーク軸心O
wと平行な方向に凹んだ環状溝216も同時に加工する
ようになっている。このようなワーク軸心Owと平行な
方向の溝入れ加工は、ワーク軸心Owと一中心線Otと
が平行な図23に示す従来のコンタリング加工法では不
可能で、フライス200の回転中心である一中心線Ot
とワーク軸心Owとを傾斜させることによって初めて可
能となるのであり、加工能率が一層向上する。なお、図
21に示すように工具の外周側へ突き出すチップ220
を取り付ければ、径方向に凹んだ環状溝222を切削加
工することができるし、図22に示すように工具の外周
側および先端側へ突き出すチップ224を取り付けれ
ば、軸方向および径方向に凹んだ環状溝226を切削加
工することができる。このような溝入れ加工は、工具本
体28の内周部にチップ34が設けられる前記フライス
20においても同様に可能である。
【0054】また、このように外周部にチップ202,
214等が取り付けられるフライス200を用いる場合
には、円筒形状のワークの内周面に切削加工を行うこと
も可能である。
【0055】なお、上記フライス200は、チップ20
2が周方向からねじ止めされるようになっており、チッ
プ214,220,224が径方向外側からねじ止めさ
れるようになっているが、これ等のチップの取り付け方
法は適宜定められる。また、かかるフライス200を用
いたアンギュラーフライス加工装置においても、第3発
明の角度調整手段や第4発明の位置調整手段を設けるこ
とが可能であるし、必要に応じて切屑除去用のノズル1
42をフライス200の外周部近傍に配設することもで
きる。
【0056】以上、本発明の幾つかの実施例を図面に基
づいて詳細に説明したが、本発明は更に別の態様で実施
することもできる。
【0057】例えば、前記実施例の切削工具は何れも一
中心線Otを軸心とするテーパ形状を成していたが、一
中心線Otを軸心とするシャフトに対して傾斜角度θと
同じ角度で傾斜する方向に延び出す「く」の字形状の工
具本体を用いることもできるなど、切削工具の形状は適
宜変更され得る。
【0058】また、前記実施例の切削工具は何れもチッ
プが着脱可能に取り付けられるようになっていたが、切
れ刃を一体に備えたむくフライスなどを切削工具として
用いることも可能である。
【0059】また、前記実施例の切削工具はワーク軸心
Owと直角な面およびワーク軸心Owと平行な外周面な
どを切削加工するようになっていたが、それ等の一部を
切削加工する切削工具を用いることもできる。
【0060】また、前記実施例では切削工具の回転(自
転)速度が500〜1000rpm程度、公転速度或い
はワークの回転速度が1〜3rpm程度であったが、こ
れ等の回転速度は切削条件や加工目的などに応じて適宜
変更され得る。
【0061】その他一々例示はしないが、本発明は当業
者の知識に基づいて種々の変更,改良を加えた態様で実
施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1発明の切削加工装置の一例を示す縦断面図
である。
【図2】図1の実施例においてワーク軸心Owと直角な
面を切削加工する際の切削状態を説明する図である。
【図3】図2の位置A,B,Cにおけるチップの姿勢を
それぞれ示す図である。
【図4】図2の切削加工による切削部の形状を拡大して
示す図である。
【図5】図2の切削加工において切削工具をワーク軸心
Owまわりに公転させた場合の切削部位の変化を説明す
る図である。
【図6】図1の実施例においてワーク軸心Owと平行な
外周面を切削加工する際の切削状態を説明する図であ
る。
【図7】図6の位置A,B,Cにおけるチップの姿勢
を、従来のコンタリング加工の場合と比較して示す図で
ある。
【図8】図6の切削加工における切削抵抗の変化を、従
来のコンタリング加工の場合と比較して示す図である。
【図9】図1の実施例において切屑が遠心力により切削
工具の先端側へ流出することを説明する図である。
【図10】図1の実施例において工具本体にチップを取
り付ける際の作業を、従来のコンタリング加工の場合と
比較して示す図である。
【図11】第1発明を基本として第3発明が適用された
切削加工装置の一例を説明する縦断面図である。
【図12】図11の実施例の面板68およびブッシュ7
4付近を示す斜視図である。
【図13】図11の実施例において面板68に対するブ
ッシュ74の取付構造を示す縦断面図である。
【図14】第1発明を基本として第3発明が適用された
切削加工装置の別の例を説明する縦断面図である。
【図15】図14の実施例に第4発明が適用された場合
の一例を説明する縦断面図である。
【図16】図15の実施例の回転テーブル102および
チルトテーブル100付近を示す斜視図である。
【図17】図1の実施例に第5発明が適用された場合の
一例を説明する縦断面図である。
【図18】第1発明の切削加工装置の別の例を説明する
縦断面図である。
【図19】第2発明を基本として第3発明乃至第5発明
が適用された切削加工装置の一例を説明する縦断面図で
ある。
【図20】工具本体の外周部にチップが設けられた切削
工具を用いる場合の第1発明および第2発明の切削加工
装置の一例を説明する縦断面図である。
【図21】図20の実施例において径方向に凹む溝入れ
加工用のチップが取り付けられた場合を示す縦断面図で
ある。
【図22】図20の実施例において径方向および軸方向
に凹む溝入れ加工用のチップが取り付けられた場合を示
す縦断面図である。
【図23】従来のコンタリング加工装置の一例を説明す
る縦断面図である。
【図24】従来のコンタリング加工装置を用いてワーク
軸心と直角な面を切削加工する場合に、切れ刃が切込み
0の状態で繰り返し加工面上を擦過させられる状態を説
明する図である。
【図25】従来のコンタリング加工装置で用いられる切
削工具の一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
10:ワーク 16:偏向ドラム(工具支持部材) 20:フライス(切削工具) 24:公転駆動手段 28:工具本体 30:自転駆動手段 34a〜34g:チップ 60:チルトテーブル(工具支持部材) 68:面板(工具支持部材) 74:ブッシュ(工具支持部材) 90:角度調整手段 116:角度調整手段 118:工具支持部材 132:位置調整手段 134:工具支持部材 142:ノズル 172:ワーク駆動手段 174:3軸移動テーブル(位置調整手段) 176:スライダ(工具支持部材) 178:工具駆動手段 182:軸方向移動手段(位置調整手段) 188:角度調整手段 200:フライス(切削工具) 204:ワーク Ow:ワーク軸心 Ot:一中心線 θ:傾斜角度

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 切削工具を一中心線まわりに回転させつ
    つ、該切削工具とワークとをワーク軸心まわりに相対回
    転させることにより、該ワーク軸心を中心として該ワー
    クの全周に切削加工を行う切削加工装置であって、 前記ワーク軸心まわりの回転可能に配設されて、前記切
    削工具を前記一中心線が前記ワーク軸心に対して傾斜す
    る姿勢で該一中心線まわりの回転可能に支持する工具支
    持部材と、 前記切削工具を前記一中心線まわりに回転させる自転駆
    動手段と、 前記工具支持部材を前記ワーク軸心まわりに回転させる
    公転駆動手段とを有することを特徴とする切削加工装
    置。
  2. 【請求項2】 切削工具を一中心線まわりに回転させつ
    つ、該切削工具とワークとをワーク軸心まわりに相対回
    転させることにより、該ワーク軸心を中心として該ワー
    クの全周に切削加工を行う切削加工装置であって、 前記切削工具を前記一中心線が前記ワーク軸心に対して
    傾斜する姿勢で該一中心線まわりの回転可能に支持する
    工具支持部材と、 前記切削工具を前記一中心線まわりに回転させる工具駆
    動手段と、 前記ワークを前記ワーク軸心まわりに回転させるワーク
    駆動手段とを有することを特徴とする切削加工装置。
  3. 【請求項3】 前記一中心線と前記ワーク軸心との傾斜
    角度を変更する角度調整手段を備えている請求項1また
    は2に記載の切削加工装置。
  4. 【請求項4】 前記ワーク軸心と直角な方向における前
    記ワークと前記切削工具との相対位置を変更する位置調
    整手段を備えている請求項1乃至3の何れかに記載の切
    削加工装置。
  5. 【請求項5】 前記切削工具が、先端側程拡開するテー
    パ円筒形状の工具本体と、該工具本体の内側に配設され
    て前記ワークの外周面に切削加工を行うチップとを有し
    て構成されている請求項1乃至4の何れかに記載の切削
    加工装置において、 前記一中心線まわりであって前記切削工具により前記ワ
    ークに切削加工を行う加工位置と反対側の位置で且つ前
    記工具本体の先端開口部の近傍に配設され、流体を噴射
    または空気を吸引することにより切屑を除去するノズル
    を備えていることを特徴とする切削加工装置。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2011527949A (ja) * 2008-07-15 2011-11-10 オープン マインド テクノロジーズ アーゲー 機械加工されていない部品から加工した部品をフライス削り工具を用いて製造する方法
JP2012206228A (ja) * 2011-03-30 2012-10-25 Npo Green Network フライス工具
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