JPH0722707B2 - 新規な触媒組成物、その製造及び利用の方法 - Google Patents

新規な触媒組成物、その製造及び利用の方法

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JPH0722707B2
JPH0722707B2 JP63298453A JP29845388A JPH0722707B2 JP H0722707 B2 JPH0722707 B2 JP H0722707B2 JP 63298453 A JP63298453 A JP 63298453A JP 29845388 A JP29845388 A JP 29845388A JP H0722707 B2 JPH0722707 B2 JP H0722707B2
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ユニオン、カーバイド、コーポレーシヨン
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は流動床クラツキングによる油のクラツキングを
促進するのに特異的に貢献する多成分多相の分子篩触媒
の製造及びこのようなクラツキング法に関する。
〔従来の技術〕
不均質触媒反応において迂回拡散と呼ばれる現象が存在
する。これは固体不均質触媒の多孔質構造の中にガス状
反応物または液体反応物並びに反応生成物の通路を包含
する。迂回拡散によつてそのガス状又は液状の反応成分
と反応生成物とがその触媒の多孔性構造の中で触媒剤と
接触し、そしてその接触時間は触媒床中の反応成分と反
応生成物との規定された滞留時間よりも長時間である。
この反応成分と反応生成物との触媒内部における接触時
間の長さはそれら空孔の多孔度と大きさとの複雑さに依
存する。表面積の大きな触媒は相当に大きな多孔度をも
たらし、そして反応成分や反応生成物はその触媒内部に
おいて計算上の滞留時間よりも長い比較的長時間にわた
り滞在する。もし各反応成分及び/又は反応生成物がこ
のような時間の経過の間に好ましくない生成物を作り出
すことができる場合には、その反応の効率の著しい低下
が現われる。この迂回拡散における負の影響を除く一つ
の方法は表面積の少ない触媒を作り出すことであり、す
なわち比較的少ない空孔を有してそれらの内のかなりの
ものが大型のものであるような固体触媒を作ることであ
る。しかしながらこれはすべての触媒について効果的に
行うことはできない。若干の場合には有効となり得ない
かまたは表面積の小さな構造としては存在し得ない。
フオジヤサイトは天然産のゼオライトである。このもの
ゝ諸性質、化学的挙動及び構造については多くの報告が
ある(例えばニユーヨーク、N.Y.のJohn Wiley & Sons
から出版されたBreckの「ゼオライト分子篩」の第49、9
2−107、145、218、254、625ページ参照)。別な型の種
々のゼオライトはフオジヤサイト型ゼオライトと呼ばれ
る。この型のものゝ代表的なものはX−合成ゼオライト
及びY−合成ゼオライトである(上記のブレツクの著書
49及び92−107頁参照)。
このブレツクの著書の92頁によれば、「X−、Y−ゼオ
ライト及びフオジヤサイトはそれぞれ特性的な差異を有
する明確なゼオライト種ではあるけれどもトポロジー的
に類似の珪酸アルミニウム骨格構造を有している」 と述べられている。
本発明の目的及び以下に述べる論議において結晶性で微
孔質であり、そしてトポロジー的にフオジヤサイトと類
似した骨格構造を有するそれらの分子篩を「フオジヤサ
イト型」と呼ぶことにする。
以下に詳細に述べるようにフオジヤサイト型として分類
することができるけれども組成的にゼオライトではない
ような種々の分子篩が存在する。これらも同様にフオジ
ヤサイトに含められる。
結晶性多孔質分子篩酸化物のいくつかの新しい群のもの
が最近特許されまたは特許出願されており(後記の表A
参照)、これらは結晶構造の骨格の中に燐酸アルミニウ
ムが存在するものである。これらの分子篩は実際にゼオ
ライトではなく、というのはそれらは珪酸アルミニウム
ではないからであり、そして多くのものは既知のゼオラ
イトに比して新規な結晶構造を有し、一方他のものはト
ポロジー的にある種のゼオライトと匹敵する骨格構造を
有している。〔雑誌Amer.Mineral Soc.Spec.Paper(196
3),281においてJ.V.Smithによれば「ゼオライトは大
きなイオンや水分子によって占められている多くの空洞
の内包する骨格構造を有するアルミノ珪酸塩であり、そ
れらイオンや水分子は共に相当に大きな移動の自由度を
有してイオン交換や可逆的脱水を許容する」。ワシント
ンD.C.のAmerican Chemial Societyより出版されたJ.Ra
boの“Zeolite Chemistry and Catalysis",ASCモノグラ
フ171(1979)の第1章第3頁(J.V.Smith)参照〕 簡便のためにこれらは以下において「非ゼオライト型分
子篩」と呼ぶことにするがこの群の分子篩をNZMSの略語
で呼ぶことにする。これらNZMSについての特許及び特許
出願並びにそれらの内容を後記の表Aに挙げてある。こ
れら新しい群の分子篩の製造方法が本発明の実施におい
て利用される。
それらの新しいNZMSの群が本発明にとつて重要であるた
めに、Y,Murakami,A.Iijima及びJ.W.Wardによつて編集
された“New Developments and Zeolite Science Techn
ologgy"の第7回国際ゼオライトコンフアレンスの会報
に発表されたFlanigen等による“燐酸アルミニウム分子
篩及び周期律表”と題する最近の文献を引用するが、特
にこれらの物質についての命名法に関して次のように挙
げられている: 「これらの物質はその構造のカチオン骨格部に含まれる
元素の数に基いて2成分(2)、3成分(3)、4成分
(4)5成分(5)及び6成分(6)の組成に分類され
る。標準化されたTO2の式が(ElxAlyPz)O2の組成(こ
の式においてElは用いられた元素であつてxy及びzはこ
の組成におけるそれぞれの元素のモル分率を表わす)に
おける骨格構造元素の相対的濃度を表わす。下記第1表
にその骨格構造組成を表わす略号が示されており、例え
ばSAPOは(Si,Al,P)O2を示す。その構造の型は組成略
号に続いて記載された整数によつて示されており、例え
ばSAPO−5は(Si,Al,P)O2の組成であつて第5型の構
造のものであることを意味する。この構造の型の数字は
任意であつて従来文献において用いられている構造の数
字例えばZSM−5等とは何等関係なく、そしてその燐酸
アルミニウムに基く分子篩に見出される構造を特定する
だけである。同じ構造番号が異つた骨格構造組成の共通
の構造型に対して用いられる。
本発明に従う各配合物のある特定の相がどの様につくら
れているかを明らかにするために上記の命名法を用い
る。例えばSAPO−37を作るための方法によつてある相が
作られている場合にはこの相はSAPO−37で表わす。
この明細書並びに特許請求の範囲においてNZMS−37が引
用されているがこれは第37構造を有する非ゼオライト型
分子篩の群を示すものである。このNZMSの群における第
37構造はフオジヤサイト構造を有するものに関連する。
これらのフオジヤサイト型物質の代表的なものとして下
記があげられる: SAPO−37 MeAPSO−37(Me=Co,Fe,Mg,Mn,Zn) ELAPO−37(EL=As,Be,B,Cr,Ga,Ge,Li,V,Ti) ELAPSO−37(EL=As,Be,B,Cr,Ga,Ge,Li,V,Ti) この技術分野においてゼオライト型分子篩の相対的酸性
度は稀釈された(2モル%)n−ブタンクラツキングに
おけるそれら分子篩の挙動によつて特徴づけ得ると言う
ことが認められている(Rastelli等、雑誌The Canadian
Journal of Chemical Engineering、60、1982年2月の
44−49頁参照)。このことはNZMSの群の分子篩について
は確かに当てはまる。〔Lok等、雑誌J.A.C.S106、6092
−6093(1984)参照〕。従つて本文及び特許請求の範囲
において分子篩の酸性度をあげている場合にこれは上記
Rastelli等の記述した稀釈n−ブタンクラツキング挙動
により求められたその物質のKAの値を意味する。より広
い意味で用いる場合に酸性度とは一般に酸によつて接触
される触媒反応における活性度を意味する。
後述の表Aにあげられている分子篩及び上記Flanigen等
の記述した分子篩は他の分子篩、特にゼオライト型分子
篩において見出されるものに比して特異的な接触的及び
吸着剤的性能を与える。それらの分子篩は広い範囲の活
性を有する。大部分の場合においてそれらは熱的及び加
水分解的な性質に関して望ましく且つ優れた安定性を有
する。それらは製造に比較的費用のかゝる物質であつて
というのはその製造に比較的高価な間入剤(テンプレー
ト剤)が用いられるからである。
後記の表Aにあげた関連特許文献の一つである米国特許
第4,440,871号公報の第8欄10ないし16行には、下記の
記載がある。
「SAPOの組成のものを合成するには、必ずしも必須では
ないけれども一般に、その反応混合物を撹拌したりまた
はその他の温和な混合を行うこと及び/又はその製造さ
れるべきSAPO型のものまたはトポロジー的に類似したア
ルミノ燐酸塩またはアルミノ珪酸塩の種子結晶をその反
応混合物に加えることにより結晶化過程の促進されるこ
とが見出されている。」 これに匹敵する表現は後記の表Aにあげた他の特許ある
いは特許出願の多くのものにおいても見出されるが、こ
れについては表Aの脚註を参照されたい。特にこの表A
において種子結晶の添加を用いる特許及び特許出願の諸
実施例が参照される。表Aにあげた多くの特許及び特許
出願が種々の分子篩の製造においてアルミニウム及び/
又は燐の供給源としてアルミノ燐酸塩含有分子篩の使用
を論じまた開示している。表Aの特許公報及び特許出願
のいずれもその多層複合物各相が相互に関して明確に異
なった不均一相であるような複合物あるいは多相組成物
の形成について言及しているものはない。
それらのいずれにおいてもその最終的に得られた分子篩
中でどれだけがその種子結晶であったのか、またはその
分子篩組成物にアルミニウム及び/又は燐を供給するの
に用いたアルミノ燐酸塩の組成がどれだけ保持されてい
るかについての示唆を与えていない。SAOP分子篩は微孔
性の結晶性珪酸アルミノ燐酸塩の一般的な群の一つであ
る。それらは1984年4月3日付で特許されている米国特
許第4,440,871号公報に記述されている。それらSAPO型
のものの内部空孔は約3Åよりも大きな呼称直径を有し
ている。それらの“本質的に経験的な組成”はmR・(Si
xAlyPz)O2であってここでRはその結晶間空孔系の中に
存在する少なくとも一つ以上の有機間入剤またはテンプ
レート剤(organic templating agent)を表わし、mは
0から0.3までの典型的な値を有して(SixAlyPz)O2
1モル当りに存在するRのモル数を表わし、x,y及びz
はそれぞれ、4面体構造の酸化物として存在する珪素、
アルミニウム及び燐のモル分率を表わす。これらのモル
分率の値は同特許公報の第1図の3元組成図のA,B,C,D
及びEの各点で定められる5角形組成範囲内に存在する
ような値であって好ましくはその特許の添付図面の第2
図のa,b,c,d及びeの各点で定められる5角形の範囲内
に存在するような値であるのがよい。SAPO分子篩は上記
の特許の第I、II、V、VII、IX、XI、XIII、XV、XVI
I、XIX、XXI、XXIIIまたはXXV表のいずれかにあげられ
ているd−間隔を少なくとも含んでいる。更に、この特
許の合成されたまゝの結晶性珪酸アルミノ燐酸塩はこの
ような合成の結果としてその結晶間空孔系中に存在する
有機間入剤の少なくとも幾つかを除去するのに充分な高
い温度において焼することができる。上記特許におい
てそれらの珪酸アルミノ燐酸塩は一般に一つのクラスと
して“SAPO"とあげてあるか、または“SAPO−n"で示さ
れている。こゝでnは整数であってこの特許に報告され
ているある特別な製造条件によって作られたSAPOである
ことを示している。この発明はSAPOの各種のもののうち
の一つ、特にフォジャサイト型のSAPO−37の利用方法を
含んでいる。それらSAPO型のものが石油のクラッキング
及びハイドロクラッキングにおいて有用であることは記
述されているけれども、それらを流動接触クラッキング
において使用することについては米国特許第4,440,871
号公報には示唆されていない。
流動接触クラツキングは米国におけるガソリン製造のた
めの主要源である。これは一般に供給原料、典型的には
真空ガスオイルと接触させながらそのクラツキング装置
のライザリアクタ部分において触媒を循環させることに
よつて行われる。このライザリアクタの温度は約500℃
である。この反応は数秒間以内に達成される。この反応
は供給原料と触媒とがリアクタの温度に達するまでの時
間の間に完了する。次に触媒をストリツパの中で生成物
の流れから分離し、そして次に再生器へ供給され、こゝ
で触媒は空気と水蒸気とによつて約760℃の温度に加熱
される。この再生された触媒は反応供給ラインに再び送
り込まれる。このクラツキング反応によつてガソリン、
軽質サイクル油、重質サイクル油、コークス及びガスが
形成される。生成物の約60容積%がガソリンであり、約
20容積%が軽質サイクル油であり、約10容積%が重質サ
イクル油であり、約4−6重量%がコークスであつて残
りがガスである。そのプロセスの選択率は反応成分とし
て導入された供給原料(真空ガスオイル)から作り出さ
れるガソリン又はガソリン+軽質サイクル油の割合によ
つて測定される。
本質的に今日用いられている流動接触クラツキング(FC
Cと略記する)用の触媒の大部分はゼオライトを含有し
ている。これらのゼオライトの約98%はゼオライト−Y
型のものである。ゼオライト−Yはフオジヤサイトの結
晶学的骨格構造を有する。これは原料物質としてのアル
ミン酸塩及び珪酸塩の水性結晶化によつて作り出される
珪酸アルミニウムである。これらの製造方法及びその性
能の詳細はワシントンD.C.のAmerican Chemical Societ
yによつて出版されたJ.Raboの“Zeolite Chemistry and
Catalycis"のASCモノグラフ171(1979)第11章、615−
664頁に記述されている。
市販のFCC用Y型ゼオライトの若干のものは相当量、す
なわち18重量%以上のか焼された稀土類酸化物を含有し
ている。これらは略記号CREYで知られている。もう一つ
の特に望ましいクラッキング触媒は安定化Y型であり、
これはUSYまたはY−82で知られている。
触媒を使用する過程においてその触媒は760℃以上に達
する温度において再生器中で典型的には空気の存在のも
とに相当な量の水蒸気による処理を受ける。この再生器
の温度は反応器中の温度よりもかなり高い。この水蒸気
と空気による処理の目的はクラッキング反応段階におい
て沈着したコークス状炭素を燃焼除去することによって
触媒を再生するのを助けることである。この触媒からコ
ークス分を効果的に除去することの必要性はその触媒が
熱的及び水熱的に著しく安定であることを要求する。こ
の過程の厳しい条件によって極端に頑丈な組成が要求さ
れる。それらの触媒は典型的には約3ないし6ヶ月の寿
命を有する。
FCC工程にとって極めて重要なのはその反応器内の滞留
時間及びその1−5ミクロンの粒度で約8Åの大きさの
空孔を有するゼオライト結晶の内部に現われる迂回拡散
の現象である。クラッキング過程はその触媒(ゼオライ
トY)の酸性結晶の存在のもとで高温度において行われ
る。もしも反応成分がこの触媒内で、又はこの触媒と一
緒にあまりに長い時間を過す場合には前述した種々の好
ましくない二次反応が起り、それによってコークスやガ
スの様な望ましくない副反応生成物が生ずる。加えて、
得られたガソリンのオクタン価に悪影響が及ぼされる。
触媒結晶内部での供給成分と反応生成物との迂回拡散は
存在する分子の大部分についてその接触時間を増加さ
せ、そしてそれによって技術者が明確に定義されたプロ
セスのパラメータとして対流時間を決定する手段の一つ
として用いるところの空間速度に依存する能力を低下さ
せる。触媒活性が触媒のガソリン生成を選択的に高める
全体としての能力に左右される性質はその触媒の酸性度
をその過程の例えば対流時間、触媒/油の比率などを含
めた種々の条件と関連させることによって僅かに部分的
にしか決定することができない。触媒のあるものはそれ
らの性質によってコークスの発生をより多くもたらす
が、他のものはより多くのガスを発生させる。この迂回
拡散の得られた結果に対する役割は関連する方法の各条
件での考慮を必要とする。
オクタン価は近年ガソリンの製造において重要な技術的
問題として浮かび上ってきている。米国における国民的
批判として無鉛のガスが取上げられるようになったのに
伴ってFCC工程において可能なもっとも高いオクタン価
を有するガソリンに達することが望まれるようになって
きた。
米国においてはFFCで製造されたガソリンがより多くオ
クタン価上昇のための混合用に用いられている。最近の
調査では米国において製造されたガソリンの約35%がFC
Cガソリンによって占められていることを示している。F
CCガソリンは約86.5ないし87.5のオクタン価を有する
が、一方米国における一般のガソリンは約85.9のオクタ
ン価を有している。このオクタン価の差は重要であると
見られている。従ってFCCガソリンは他の低オクタンガ
ソリンのオクタン価を高めるのに非常に有用である。EP
Aによって勧告された鉛の追放を達成するため及び米国
におけるストックガソリンのオクタン価を自動車工業の
要求に合致するように88以上に高めるためには例えばリ
フォーミング、アイソメリゼーション、アルキレーショ
ン及びFCCのような精製工程によって製造されるガソリ
ンのオクタン価上昇成分に著しく頼ることが必要である
と思われる。
通常的に用いられているオクタン価上昇用のFCC触媒な
典型的には水蒸気で安定化されたYゼオライト(しばし
ばUSYと呼ばれる)を含む触媒である。USYあるいはUS−
Yは超安定Yの英語綴りの頭文字からの略記号である。
それらゼオライト種の性質及び製造に関しては前にあげ
たRaboの文献の102,164,249及び318ないし329頁に記述
されている。USYをその性能について前述のか焼した稀
土類Y(CREY)のゼオライト、すなわち広くガソリン用
触媒として用いられているものと比較するならば、USY
はオクタン価の改善をもたらすのに加えてコークスの形
成を低下させる。USYはCREYよりもガソリンの選択性の
提供において効果的ではないようである。ガソリンの選
択性(収率)の損失は典型的にはガス分(液体と対比さ
れるもの)の発生の上昇を伴う。加えてUSYに基く触媒
は水蒸気、すなわちSCC触媒がガソリンの製造において
遭遇する環境条件において急速に活性を失う。そのため
にUSY触媒はCREY触媒よりも短時間で活性が低くなる。U
SY触媒の活性は触媒中のUSY濃度を高めることによって
改善することができるけれどもこれは高価格となりしか
も磨耗抵抗の低い触媒がもたらされる。他の技術的手段
は陽イオン交換によって少量の稀土類を適用することで
あるが、しかしながらそのような触媒は低オクタンのガ
ソリンを作り出す。
USY触媒はCREY触媒よりもそれらが著しくオレフィン類
含有量が多くて芳香族化合物分の低いガソリンを生ずる
ために優れている。オレフィン含有量の高いことはより
高いオクタン価をもたらす。FCC工程において用いるUSY
ゼオライトでの改善されたオレフィン価は酸性点濃度が
低いこと及び極性が低いことゝ結び合わされるものであ
ってCREYに基く触媒に比べて低い水素移動活性をもたら
す。水素移動によってオレフィン類が消費されてパラフ
ィン類と芳香族類が下記の式に従い形成される。
3(オレフィン)+1(ナフテン)→ 3(パラフィン)+1(芳香族) オレフィン類も芳香族類も共に高オクタンガソリンの成
分であるけれども3個のオレフィンが消費されて1個の
芳香族化合物を形成するためにこの水素移動反応による
合計のオクタン価は低下することになる。CREY含有触媒
はFCC工程の条件のもとでもっとも高い酸性点の濃度及
び反応成分濃度を有し、そのいずれ高いH-移動速度をも
たらす。そのFCC工程の条件に長時間曝されるのを反映
するように予め水蒸気処理されたUSYは酸性点の濃度に
おいても反応成分濃度においても極めて低いゼオライト
型分子篩に変換される。このUSY FCC触媒はこの2次的
ハイドライドシフト活性が存在しないことによってCREY
含有触媒を用いて製造されるものよりもオレフィン価が
高く且つオクタン価の高いガソリンを生ずる〔Raboの雑
誌Catal.Rev−Sci.Eng,23(1&2)PP293−313(198
1);“ゼオライトの化学及び触媒反応におけるユニフ
ァイイングの原理参照”参照〕。
〔発明が解決しようとする問題点〕
従来技術において用いられる安定化されたY型ゼオライ
トを含む触媒はその高い2次クラツキング活性のために
比較的低い収量で高オクタンガソリンを作り出すが、一
方焼された稀土類酸化物含有Y型ゼオライトの含まれ
る触媒はもう一つの2次反応である水素転移反応が促進
されるためにガソリン収量は比較的高いけれども低オク
タンとなる。これら両方の触媒の夫々の望ましい特徴を
達成すると共にそれら2次反応を制限することによつて
それらの欠点を除くことが望まれる。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明は上述の課題を解決する新規なFCC用触媒を提供
するものであり、この触媒は一種以上の異つたフオジヤ
サイト型の微孔質結晶性分子篩との接触的関連において
且つこのものとの組合せにおいて一つの相としてNZMS−
37(中でもSAPO−37)の結晶性微孔質多成分多相複合物
を含み、そしてこの複合物はその中のもう一方の相に対
して一方の相の組成的な明確な不均一性を有しているも
のである。
従つて本発明は一つの成分として微孔質結晶性多層の複
合された粒状物質を含有する新規なFCC用触媒を対象と
する。本発明に従うFCC用複合触媒は少なくとも50重量
%、好ましくは少なくとも75重量%、より好ましくは少
なくとも95重量%、そしてもつとも好ましくは(そして
通常的には)100%の多層複合物を含有し、そしてこれ
はそのいくつかの相として異つた種々の微孔質結晶性の
無機性分子篩複合物よりなり、その際少なくとも一つの
相はもう一方の相の存在のもとでの結晶成長によつて成
長し、その際 a)それら異つた各相は隣接していて共通の結晶骨格構
造を有しており、 b)少なくとも一つ以上の相がNZMS−37(中でもSAPO−
37)の組成及び構造のものであり、そして c)その複合物はその中の他方の相に対して一方の相が
組成的に明確な不均一性を有している ことよりなるものである。この組成の残部はこの組成物
の一つ以上の相の組成及び骨格構造よりなる分子篩で全
体が作られている独立した粒子を含む。
本発明のもう一つの対象はそれらの中の各相として異つ
た多孔質結晶性無機複合物、好ましくは分子篩組成物よ
りなる多層複合物であり、その際少なくとも一つ以上の
相がある析出基材の上に外側層としてもう一方の層が析
出しているものより成るか、または一緒に形成された
(例えばデイフアレンシヤル結晶化等により)複数相が
存在しており、その際 a)それら異つた相は互いに隣接していて共通の結晶骨
格構造を有しており b)少なくとも一つ以上の層がNZMS−37(中でもSAPO−
37)の組成と構造とを有するものであり、そして c)その析出基材を構成する相又はこの析出基材を構成
する一緒に形成された一つ以上の相がこの複合物を構成
する各相の全重量の少なくとも約20重量%以上を占める ものである。
上述の触媒組成物の中ではそれらの相の一方が他方の相
よりも酸性度が低いものが好ましい。
好ましい具体例の一つにおいてその複合物質は粒状構造
のものであり、それら異つたフオジヤサイト型結晶性微
孔質分子篩の少なくとも一つ以上がその反応条件のもと
でより低い酸性度を示す分子篩であつてその芯部成分を
構成し、そしてより酸性度の高いNZMS−37、例えばSAPO
−37がこの酸性度の低い芯部成分を鞘または外殻として
取り巻いている。より酸性度の高いNZMS−37、例えばSA
PO−37がその芯部成分を全体的に包囲しているというこ
とは勿論好ましいけれども必須条件ではない。好ましく
はその触媒組成物はそのクラツキング反応に対して比較
的不活性であつて触媒への拡散による到達性等をもたら
すような母材物質の中に埋め込まれているのがよい。
本発明はまた上述のような複合構造を作り出す方法及び
このものを中でもFCC触媒として使用する方法をも対象
とする。この複合構造を作り出す方法は他方の相の結晶
の存在のもとにそれぞれの相を構成する結晶構造の結晶
を成長させることを包含する。この方法はそのような相
を構成する結晶性のNZMS−37、中でもSAPO−37の成長を
異つたフオジヤサイト型微孔質結晶性分子篩の結晶の存
在のもとに、その異つたフオジヤサイト型微孔質結晶性
分子篩の相がその中にこの配合物の各相の合計の少なく
とも約20重量%の量で存在するようにそのような相の前
駆物を水熱的結晶化により処理することによつて行う。
〔作 用〕
以上のように本発明は従来のFCC触媒構造内部における
石油供給原料及び/又は反応生成物の迂回拡散によつて
生ずる目的以外の反応生成物の割合を低下させると信じ
られるような特殊なFCC触媒構造に関するものである
が、本発明においては供給原料がある特別な組成的相に
基本的に曝らされ得るようにその各相の組成を選び且つ
それらを触媒の構造の中に組込むことによつてその迂回
拡散のマイナス影響が除かれるような特殊な多成分多相
FCC触媒を作り出すことが目的である。
本発明のもう一つの目的は、触媒内部における各相の配
置がその相の組成の活性度に基くような特殊な触媒を作
り出すことである。本発明はまたその多成分多層複合物
の組成を触媒となる層の有効性が最大となるように設計
することをも目的とする。
本発明はその使用に先立ちまたはその使用の間において
完全に結晶性の複合構造を有するようなFCC触媒を対象
とするものである(水蒸気処理の間にその複合構造はそ
の骨格構造の一部を失い、その結果若干の結晶性成分は
失われるけれどもすべては失われない)。微孔質複合物
は物理的な意味において無定形物質と共に、すなわち共
有結合よりはむしろ接着結合により複合することがで
き、そしてこれも本発明の一部をなすものであるが、こ
の微孔質結晶性複合物はこの技術分野において理解され
ている用語に従えば全体的に“結晶性”であつてある一
体化された結晶構造をなしている。
本発明に従うこの結晶性複合物は多数の層を含み、これ
らの内の少なくとも一つ以上はその対象とする相の結晶
骨格構造の一部としてNZMS−37を含有し、そしてもう一
方はその対象とする相の結晶骨格構造の一部として異つ
た微孔質結晶性フオジヤサイト型分子篩を含んでいる。
本発明の複合構造は種々の相がフオジヤサイト型の微孔
質複合性分子篩組成よりなる点においてフオジヤサイト
型である。
本発明はNZMS−37、中でもSAPO−37の分子篩が従来技術
における他のNZMS−37分子篩を含めてもう一方の構造的
に相容性のある微孔質無機物質との一体的な格子結合状
態にある複合物を対象とする〔本発明の複合物のこのよ
うな一体的格子結合(すなわちエピタキシヤル配列)は
この複合物を構成する各相の間の直接の化学的結合を包
含すると信ぜられる〕。
本発明の結晶性複合物は多数の相よりなり、それらの中
の少なくとも一つ以上はその対象とする相の結晶骨格構
造の一部としてアルミニウムと燐とを含むNZMS−37の相
である。このことは、組成的な観点からこの相の結晶骨
格の中に下記 の構造が存在していることを意味する。
本発明の好ましい具体例において本発明の結晶性複合物
は複数の相よりなり、それらの中の少なくとも一つ以上
は対象とする相の結晶骨格構造の一部としてフオジヤサ
イト型のシリコアルミの燐酸塩を含有する。このことは
組成の点から言うならばこの相の結晶骨格の中に下記 の単位構造が存在していることを意味する。
本発明のもう一つの実施態様においてはその複合物の種
々の相が他方の結晶面から一つの結晶面がエピタキシヤ
ル成長によつて結晶成長し、それによつてこの複合物は
不均一な化学組成を有するにも拘らずそれらの各相の結
晶構造が共通の唯一つの結晶構造の複合物を与えるよう
になつている。この意味においてそれらの各相は結晶学
的には実質的に互いに区別されない。上に指摘したよう
にそれら複合物の各相は互いに一体的な格子結合状態で
存在している。これらの各相は直接の化学的結合によつ
て一緒に結合していると信ぜられる。本発明の複合物の
各相は第3成分によつてもたらされる接着力により互い
に結合されて本発明の複合物における各相の結晶学的特
徴及びそのエピタキシヤルな関係を満足させることがで
きないような単純な混合物又は物理的混合物ではない。
それらの各相の相互の関係はそれらがそれぞれ本質的に
同一のフオジヤサイト型結晶骨格構造を有するような関
係である。
実際においてはこのことはそれら多数の相の複合物につ
いてのX線回折パターンが本質的に同一である(2θの
値で)ということを意味する。各ピークの強度はそれら
相の組成に依存する。それらの相のそれぞれが異つたX
線回折パターンを有するということは可能であるけれど
も、それらの差異は充分に僅かであつて本質的な結晶学
的記述においてはそれらの異つた構造が両立的な骨格構
造であつてフオジヤサイトの類のものであることが認め
られるような程度である。これはそれら種々の相が骨格
構造のトポロジーの意味において互いに相手を模写する
ような結晶構造を有することを説明しようとするもので
ある。
本発明においては、それら種々の相の組成的な不均質性
を維持するようにあるNZMS−37の含まれる多相複合物の
中で充分な量の1つの相を使用するものである。他方の
相に対する析出基材として一つの相を用いる時にその析
出基材はその最終的な複合物の中で明確な組成的相とし
ての特異性を維持するような量で存在する必要があり、
言い換えれば、この複合物は互いに組成的に異質である
けれどもトポグラフ的には互いに近似性であるような各
相から明確に構成されているということである。これは
本発明の特徴付けにおいて、析出基材がその複合物を構
成する各相の全重量の少なくとも約20重量%を占めると
いうことを提供するものと認められる。言い換えるなら
ばこの少なくとも約20重量%という表現はその複合物の
中に存在する析出基材相の量がこの相にこの複合物の他
の層との明確な組成的不均質性を与えるのに充分な量で
あることを表現しようとするものである。この複合物中
のある一つの相の他の相への析出の形態はある一層の相
が他方の相の表面の上に析出する場合のそれであると信
ぜられる。このような表現においてその析出した層は
「外側層」と呼びそして析出表面を与える基材相は「析
出基材」と呼ぶ。この表現はその複合物の中に二つ以上
の相が存在しても適用される。結晶性の種々の分子篩
が、これらがゼオライトであるかまたはNZMSの一種であ
るかに関わりなく直径約0.1ミクロンから約75ミクロン
までの大きさの範囲、そして通常は0.1から10ミクロン
の範囲に包含される小さな結晶として形成される。すべ
ての分子篩について粒子サイズの広がりは直径約10ミク
ロンである。結晶性分子篩は球形ではなく、それらは直
角形ないし多くの結晶が示すような不規則な形状の構造
であることができる。多くはいくつかの結晶の集合体の
一部として形成される。この分子篩粒子の外側表面部
(外殻)においてNZMSの触媒としての利点の多くが実際
に達成されていることが認められている。副反応生成物
を形成するような非可逆的2次反応を生ずるような化学
反応における触媒としてNZMSを用いる場合にはその1次
反応の多くは外殻内で生じ、そしてその2次反応の多く
はその分子篩粒子の芯の部分において起る。この現象は
相当に大きな範囲まで、その吸着質のその分子篩粒子芯
部を通過する迂回拡散によるものと信ぜられ、これが各
吸着質の触媒との接触を高める。このような活性触媒層
との余分の接触が望ましくない2次反応の促進をもたら
す。
化学反応の効率あるいは選択率はその触媒が非可逆的な
(その反応の範囲における)2次反応生成物の形成を排
除または最小限にしながら1次反応生成物を作り出す能
力によつて与えられる。ここでは2次反応生成物はその
反応の望ましくない副反応生成物であると考えることに
する。
本発明の対象は望ましくない2次反応を最小限に保ちな
がら1次反応生成物をより効率よくまたは選択的にもた
らすような触媒を含有するNZMS−37、中でもSAPO−37を
提供することである。
本発明は粒子の種々異つた部分においてその内部で触媒
活性及び/又は選択性の差異を有するような吸収性粒状
のNZMS−37含有複合組成物を提供する。これはその複合
物の各相の組成の選択及びそれらがその複合物構造の中
で占める配置的性質によつてもたらされる。もしこの複
合物の芯部がこれを取り囲む相よりも活性が低い相でで
きている場合には、反応成分の芯部への迂回拡散による
反応生成物はその粒子の全体が上記の外側層の組成より
作られている場合よりも少ない2次反応生成物をもたら
すことになる。その結果は高い選択性である。
本発明の範囲においてはクラツキング反応と離れてその
一時反応は本発明の触媒を用いた結果として作り出され
たガソリンフラクシヨンのその組成物中における増分的
な変化である。このことを考慮してオクタンの富化をも
たらす化学反応の効率又は選択性は例えばガス状炭化水
素や水素化物シフト反応のような2次反応生成物の形成
を排除または最小限にしながらその触媒が1次反応生成
物を形成させる能力によつて与えられる。この関係にお
いて2次反応生成物はオクタン含有率を低下させ且つガ
ソリンの収量を低下させる傾向を示す望ましくない副反
応生成物と考えるべきである。
本発明はオクタン富化を阻害するであろうような2次反
応生成物を最小限に保ちながらそのガソリン生成物中の
オクタン比率を高めることをもたらすような1次反応生
成物の効率または選択性の上昇を達成する触媒及びその
製造方法を提供することを目的とする。
本発明のクラツキング触媒は多相複合物内でその各相の
組成物不均一性を維持するように例えばSAPO−37相のよ
うなNZMS−37相の充分な量を包含する。SAPO−37のよう
なもう一方の相のための析出基材として一つ以上の相を
用いる場合にはこの析出基材はその最終複合物中でこの
基材がその配合物内での明確な一つの層としての特異性
を保つような量で存在する必要があり、すなわちその複
合物は互いに不均一であるけれどもトポロジー的には互
いに近似性であるようないくつかの相から明確に構成さ
れていなければならない。このことは本発明の特徴にお
ける析出基材がその複合物を構成する各相の全重量の少
なくとも約20重量%を占めることをもたらすと認められ
る。言い換えるならばこの少なくとも約20重量%という
表現はその複合物中に存在する析出基材の量がこの複合
物のもう一方の層に対して異つた明確な不均一の組成的
特異性をもたらすのに充分な量であることを表わそうと
するものである。
本発明はまたオクタン富化用クラツキング触媒をも包含
するものであり、これは下記 A) 少なくとも一方の相が他方の相の存在のもとに結
晶成長によつて成長しており、その際 a) それら異つた各相が互いに隣接して配列しており
且つ共通の一つの結晶骨格構造を有しており、 b) それらの相の一つ、好ましくは外側層又は外殻相
が例えばSAPO−37のようなNZMS−37よりなり、そして c) その複合物がその中に含まれる一つの相の他方の
相に対する明確な組成的不均一性を有する ようなその複合物のそれぞれの相として異つた結晶性無
機分子篩組成物よりなる多相複合物と、 B) あまり密接には配列されておらず且つ上記の多相
複合物(A)と共通の結晶骨格構造を共有していないけ
れども上記(A)の多相複合物に結合されている結晶性
無機組成物と、または C) 前記(A)及び/又は(B)の多相複合物と結合
されている無定形組成物と の不均一混合物を包含する。
上述の不均一混合物はある無定形の触媒母材物質を含む
ことができ、これはその混合物の形態を効果的な接触ク
ラツキング過程に適した形とサイズとにすることを許容
する。
本発明の複合物の種々の相を表わすのに当該技術におい
て既に知られているそれぞれの化学組成を用いるが、こ
れはそれらの作られる各相(すなわち例えばSAPO−37)
がすでに作られているこのような化学組成より出発する
かまたは当該技術に従えばこのような公知の化学組成を
形成するであろうような製造方法を利用するからであ
る。このことはその複合物中で作り出される化学組成が
このような表現に完全に対応するということを意味する
ものではない。あるものがすでに形成されている既知の
組成より出発するかまたは既知の組成物を作り出そうと
する方法によつてある相を作り出すかどうかということ
は本発明の組成物中の得られる各相がその化学組成にお
いてはじめに出発した組成またはその方法が作り出すべ
く計画された目的とする組成物の組成と重大に異つてい
ると信ぜられる。この化学組成における差異は結晶構造
の変化に反映されない。重大な差異が各相の界面の化学
組成に存在する。その能力は分子篩の製造の間における
余剰の骨格カチオンの重大なイオン移動度に対して存在
する。これはイオン交換によつて重大な量のイオンの転
移が起ることをもたらす。ある組成物が異つた種類の他
方の組成物の上に析出する場合にはそのようなイオン交
換が起る傾向がより高まる。その上に一つの相が他方の
相の上に析出する間にその外側層の各成分によつてその
析出基材の一部が再溶解する傾向があり、これが名目上
は析出基材に属しているその界面の部分に化学変化をも
たらす。この界面におけるこのような変化はしばしば析
出している外側層と再溶解される析出基材との各成分の
間における化学的再配列をもたらす。こゝでは数原子の
層を扱つているのでその組成変化の程度は極めて小さく
且つ如何なる特定の相の組成の大きな変化をももたらさ
ない。従つてその骨格組成中にはある相の化学組成が例
えば核磁気共鳴(NMR)によつて一つの相の骨格中のい
くつかの位置における他の相との組成的な劇的変化を検
出することができる程に充分な変化はみられない。この
ような変化が起きたとしてもその結晶構造は予言でき、
そしてその析出基材のすでに知られている結晶構造と、
そしてその外側層に期待される結晶構造と一致する。し
かしながら本発明の触媒の複合物の各相の厳密な化学組
成を正確に表わすことはできない。
以上の記述は本発明に従う触媒の種々の複合物の各相の
間の組成的な差異を従来技術において特別に調製した組
成物から特徴付けるものである。すなわち本発明に従う
触媒のSAPO−37相は前述の米国特許第4,440,871号公報
の例42,43及び44に従って作られたSAPO−37と完全に同
一ではない。
上にいくつかのNZMS−37を記述したが、これらは下記の
組成を包含している: SAPO−37 MeAPSO−37、但しMe=Co、Fe、Mg、MnまたはZn ELAPO−37、但し、EL=As、Be、B、Cr、Ga、Ge、Li、
VまたはTi ELAPSO−37、但しEL=As、Be、B、Cr、Ga、Ge、Li、V
またはTi 反応条件のもとでより活性の高い外側層として用いるの
に上記の内でより好ましいものはSAPO−37、各種MeAPSO
−37及び各種のELAPSO−37のような珪酸アルミノ燐酸塩
である。下に本発明の好ましい具体例の一つにおいて指
摘するようにこの外側層よりも活性度の低い(より酸性
の)NZMS−37の如何なるものも析出基材相として使用す
ることができる。
本発明の好ましい具体例の一つにおいて、これらの相の
一つ、好ましくは外層相はそれに対する析出基材を構成
するところのフォジャサイト分子篩よりもより酸性度が
高いNZMS−37の組成を有している。それら各NZNMS−37
及びそれらフォジャサイトゼオライトの相対的酸性度は
その使用条件のもとでのkAの値を比較することによって
決定することができる。例えばYゼオライトの多くのも
のは例えばSAPO−37よりも相当に酸性度が高いけれども
しかしながらUSYのようなそれらYゼオライトをFCC工程
の水蒸気処理条件に曝らした場合にはそのものゝ酸性度
及び活性はSAPO−37のそれ以下の水準にまで実質的に低
下する。従ってその条件におけるSAPO−37は外側層であ
ってそのYゼオライトは析出基材として有効に用いられ
る。相組成がある一つの層と隣の相との間に酸性度の微
分的な差が存在するような本発明に従う多成分、多相複
合物よりなるFCC触媒を用いて得られた例示のオクタン
価の改善はそれら各相の一つ、特にその析出基材が迂回
拡散に伴う前述の種々の2次反応を低下させるためには
必ずしも不活性でなければならないことはないというこ
とを示している。しかしながら任意に置かれた種々の相
の間の酸性度の差が大きければ大きいほど迂回拡散によ
り形成される種々の二次反応の低下が大きいように思わ
れる。
従って本発明の特に好ましい具体例の一つは析出基材と
して比較的安価な結晶性分子篩を使用し、もう一つの相
としてより高価で高性能なNZMS−37の一つ、特にSAPO−
37分子篩を使用することを包含する。この複合物が相当
に低費用でそのより高価な成分の種々の性質を有すると
いうことが確認されている。ある場合にはNZMS−37の重
量について多くの点においてこのNZMS−37単独の場合よ
りもより優れた性能をこの複合物がもたらす。この複合
物はほとんどの点において単独のNZMS−37よりも優れて
おり、そしてほとんどすべての点においてそのより価格
の低い分子篩成分よりも優れているので、この複合物は
触媒、特にFCC触媒の分野において予想されなかった相
乗作用的利点をもたらす。
典型的な場合においてはその外側層はその析出基材より
もより少ない量を占める。これは本発明の場合において
その外側層がより活性の高いNZMS−37含有相を、それが
この複合物の最も操作しやすい触媒成分である場合に含
んでいることが望ましいからである。本発明の実用に際
しては比較的安価なゼオライト分子篩をより高価なNZMS
−37分子篩と組合せるのが好ましい。そのようなゼオラ
イト分子篩は大量に製造され、従ってその複合物を製造
するのに市販の(予備成形された)ゼオライトを使用す
るのが好ましい。従ってこれは析出基材のための論理的
選択の一つである。NZMS−37の外側層のより少ない量を
便利のために用いることによって得られたこの驚くべき
利点と組合わされる事実はより高価なNZMS−37含有相の
最小量を使用したいという希望に合致する。従って本発
明に従う好ましいFCC触媒の一つはその析出基材の重量
よりもより少ない重量の外側層を使用している。しかし
ながらNZMS−37相がこゝに記述する技術によって同等
の、またはより高価な日ゼオライト型分子篩の一つとエ
ピタキシャルに組合わされるか、または一つ以上のNZMS
−37と一つ以上のゼオライト分子篩及び/又は一つ以上
の非ゼオライト型分子篩とを含む三元又は四元複合物を
組合わせる場合に本発明がそのような組成物の形成を包
含することを認めなければならない。非ゼオライト型分
子篩のいくつかのものは優れた安定性を有し、そしてこ
のような性質はNZMS−37を含有する複合物の特異な寿命
特性を有するものをもたらし、それによってその比較的
高い製造経費を正当化する。
典型的な場合においてその触媒複合物は別に調整して予
備成形された非SAPO−37型フォジャサイト分子篩の粒子
から形成してその上にSAPO−37相の一つを水熱的結晶化
過程によって層の形で析出させる。これによって最初の
粒子が芯となってこれをSAPO−37が取り囲むような粒状
複合物がもたらされる。従ってSAPO−37は流動接触クラ
ッキングにおいて被処理石油が接触する最初の表面とな
る。そのような析出したSAPO−37が提供するところの、
全体がSAPO−37よりなる粒子に比してその触媒表面が比
較的小さいにも拘らずより活性が高いこと、SAPO−37相
とその他の相との間の触媒活性の差及びそれによっても
たらされるところの本発明に従う触媒粒子内部における
各吸着物質の迂回拡散に対する逆の影響の低下によっ
て、その析出させたSAPO−37による触媒作用はより効果
的であって且つより生産性が高い。
同じ一般的な効果が上述の典型的な場合におけるSAPO−
37の置換物としての別な活性NZMS−37を用いても達成す
ることができる。
本発明に従う複合物またはそのいずれかの相の結晶構造
はこの技術における標準的な分析操作に従って求めるこ
とができる。この技術はしばしばある分子篩を従来技術
から定義し、または区別するためにX線粉末回折法を用
いるが結晶構造を特徴付けることはこの分析技術のみに
よる必要はないということを認めるべきである。X線粉
末回折分析法がある結晶構造の存在を適切に特徴付ける
ために適したパターンを与えないような種々の場合が存
在する。これは決してその構造が結晶性でないというこ
とを意味するものではない。従って結晶構造の存在を示
すために他の種々の手段を用いることができる。実際に
ある結晶構造を特徴付けるのは典型的に多数の分析技術
に従って与えられ、その一つがX線粉末回折分析法であ
る。それらの技術には例としてあげるならば電子線回折
分析法、分子吸着データ及び等温吸着特性等があげられ
る。本発明に従う種々の複合物において用いられたいく
つかの相は結晶構造の確認に適した明確なX線粉末回折
パターンを示さない場合がある。このようにいくつかの
技術の組合せがその相の存在と結晶格子の性質の決定を
許容する。結晶構造がいくつかの技術の組合せによって
も定義し難いようないくつかの場合が存在するが、示さ
れた多くの証拠からそのような場合にも特別な構造と比
較することによって結晶性であることを確かめることが
できる。このような凝似結晶構造は本発明の目的及びそ
の理解のために結晶の一つと考える。
本発明において用いられる種々の複合物の各相はそれら
が本質的に同一の結晶骨格構造を有するので互いに関連
している。技術用語で言うならばこのことはその多相の
複合物のX線粉末回折パターン(または結晶性について
の他のデータ)が異なった骨格内カチオンの大きさの変
化によって影響を受けるものを除いて本質的な内容が等
しいということである。それらの各相が異なったX線回
折パターンを有するということは可能であるけれどもそ
の差異は本質的な種々の結晶学的項目においてそれら異
った構造を骨格的に一致していると認めることができる
ほどに僅かなものである。これは異った各相が骨格構造
のトポロジーの種々の項目において互いに類似している
結晶構造を有することを意味する。
本発明に従う複合物の、ある複合物の一つの相の与えら
れる組成物に対応する各単一組成物あるいはその複合物
のそれぞれの相に対応するそのようなそれぞれの単一組
成物の混合物に比しての利点はその複合物をFCC触媒と
して用いることによって到達するような優れた性能に存
在する。
析出基材またはその等価物を構成する本発明に従う複合
物の各相の一つがこの複合物の全重量の少なくとも20重
量%を含むのが好ましい。極めて有効なFCC触媒を例え
ばNZMS−37としてSAPO−37を選ぶことによりその製造費
用を低下させる目的で、またはこのSAPO−37からより効
果のよいFCC触媒を製造する目的で本発明を実際に適用
する場合に、このSAPO−37を含むその触媒の相が許容し
得る最低の量で存在していることが望ましい。極めて驚
くべきことに、全体がSAPO−37よりなる非ゼオライト型
分子篩と少なくとも匹敵する性能がこのSAPO−37非ゼオ
ライト型分子篩の実質的に僅かな量を用いることによ
り、そしてその組成中のこのものの代りにトポロジー的
に機能上で等価のゼオライト型分子篩物質をこの複合物
の析出基材として用いることによって本発明に従う種々
の複合物の組成において達成できることが確認されてい
る。その複合物がSAPO−37よりなる相を少なくとも一つ
以上、及びゼオライト型分子篩よりなる相を少なくとも
一つ以上含んでいるならばこの後者の前者に対する量は
その複合物を構成する各相の重量で主要量を占めるのが
好ましいということが確かめられており、というのはこ
の複合物のFCC触媒の性質における種々の利点がSAPO−3
7のみよりなるFCC触媒の性質よりも優れていてしかも実
質的な費用の低下を達成できるからである。
本発明のもう一つのアスペクトにおいて、その析出基材
相の量がその複合物の全重量の少なくとも約20重量%か
ら約98重量%までの範囲であってその外側層を構成する
他の相または他のいくつかの相の量がその複合物の全重
量の少なくとも80重量%から約2重量%までの範囲であ
るような複合物を作ることができる。
本発明の最も好ましい具体例の一つにおいてその析出基
材はその複合物の重量の少なくとも約10重量%を占め
る。更により好ましいものはその析出基材がその複合物
の重量の50重量%から約98重量%を占めるような複合物
である。実際に、析出基材がその複合物の約60から約98
重量%までを占めるようなSAPO−37含有複合物をFCC触
媒として使用するのが通常的である。その複合物の重量
の残りは勿論外側層である。特に好ましい具体例の一つ
においてその析出基材はフォジャサイト型ゼオライト分
子篩である。このような場合にはその外側層がその複合
物の全重量の約2から約40重量%までを占め、そして残
りの部分がゼオライト型分子篩のような低価格の分子篩
よりなるのが望ましい。
上にあげた量比は特に、もしもそれが外側層のための析
出基材よりも活性が高い場合にそのようなNZMS−37のい
ずれかを外側層として用いる場合に当てはまる。
本発明に従う種々の複合物はある結晶成長のための支持
面の存在のもとに種々の反応性ゲル先駆体の水熱反応的
結晶化によってその結晶構造を構成するように作られ
る。ゲル先駆体の選択はその作られるべき構造に依存す
る。アルミノ珪酸塩に基く結晶骨格構造の場合にはそれ
らの先駆体はそのようなアルミノシリケートを形成する
のに用いられる典型的なアルミン酸塩組成物や珪酸塩組
成物である。本発明の特徴の一つは各相がそれぞれの相
の組成を作り出すための通常的な方法によって作ること
ができるということである。
ある一つの相を別な層の存在のもとに形成させるために
は通常、新しい方法を用いなければ本発明の利益が達成
できないということはない。
極端に高いpH値の使用を必要とするような、例えば12以
上のpH値、そして典型的には例えば水酸化ナトリウムの
ような苛性試薬を用いる場合のような13−14のpH値範囲
で行われるゼオライト型分子篩の製造原料処方を用いて
作られる組成物の場合にはこのような原料混合物は析出
基材を作り出すのに用いるべきであって外側層を作り出
すのに使用するべきではない。このような反応混合物は
析出基材の分解をもたらし、そしてそれによってそれら
が外側層の形成に用いられたときにその複合物の基本的
な一体性をもたらす。ゼオライト型分子篩の外側層を形
成する場合にその反応混合物の苛性部分の少なくとも若
干を置換えるためにアンモニウム塩を用いてより低いpH
で操作するのが好ましい。
非ゼオライト型のアルミニウムと燐とに基づく分子篩の
群は典型的には、場合により追加的な骨格構造元素及び
ある種の有機間入剤を含むアルミニウムと燐との含まれ
た反応性ゲルを約50℃(122゜F)から約250℃(482゜
F)、好ましくは約110℃(212゜F)から約225℃(437
゜F)までの温度において水熱反応により結晶化させる
ことによって合成される。最適結晶化温度はその組成と
構造とに左右される。AlPO4及びSAPO物質は約125℃(25
7゜F)以下の温度において結晶化を生じない傾向を有
し、MeAPOの若干のものは約100℃(212゜F)において
容易に結晶化する。
本発明に従う種々の複合物が一つ以上のNZMS−37を組合
せて含むことができるということを認識する必要があ
る。本発明において用いられる種々の特別な群のNZMS及
びそれらの合成についてここで参照する種々の記述は下
記表Aにあげた種々の特許公報及び特許出願の中に見出
すことができる。
本発明に使用するNZMSs及びその製法の特許及び特許出
願の明細書を表Aに総括する。
上記表Aの種々の特許公報及び特許出願の中に示されて
いる種々のNZMSは全体としてこゝで本発明を説明しまた
特許請求するのに便利なようにQAPSOと表わすことにな
る。QAPSOは無水の基準で表わして下記式(I) mR・(QwAlxPySiz)O2 ……(I) の経験的な化学組成を有する分子篩として定義される
が、こゝでQは電荷nを有するQO2nの骨格構造酸化物単
位(但しnは−3、−2、−1、0または+1を表わ
す)として存在する少なくとも1つ以上の元素を表わし
Rはその結晶間空孔系の上に存在する少なくとも一つ以
上の有機間入剤を表わし、mは(QwAlxPySiz)O2の1モ
ル当たりに存在するRのモル数を表わし且つ0から約3
までの値を有し、そしてw、x、y及びzは骨格構造酸
化物単位として存在するQO2n、AlO2 -、PO2 +、及びSiO2
のそれぞれのモル分率を表わす。Qは4面体の酸化物構
造において約1.51Åと約2.06Åとの間の平均T−O間隔
を有する元素として特徴付けられる。このQは約125kca
l/g−atomと約310kcal/g−atomの間の陽イオン電子陰性
度を有し、そしてこのQは更に解離エネルギーが298゜
Kにおいて約59kcal/g−atomよりも大きなQ−O結合を
有する結晶性三次元酸化物構造の安定なQ−O−P、Q
−O−AlまたはQ−O−Q結合を形成することができ
(上記の表のEPC出願第019642号の8a,8b及び8c頁のEL及
びMの特徴付けに関する記述参照。これはRについても
同様)その際上記各モル分率は下記の組成範囲にある: w=0から98モル% y=1から99モル% x=1から99モル%及び z=0から98モル% 式(I)のQAPSO分子篩のQは4面体骨格構造の酸化物
を形成することができる少なくとも1つ以上の元素を表
わすものと定義することができ、そして砒素、ベリリウ
ム、硼素、クロム、コバルト、ガリウム、ゲルマニウ
ム、鉄、リチウム、マグネシウム、マンガン、チタン、
バナジウム及び亜鉛のうちの一つの元素であることがで
きる。
SAPO−37の製造についての記述を前記の米国特許第4,44
0,871号公報の例42,43及び44に見ることができる。そこ
には無水基準で下記式のものを含むと記されている: 0.066(TPA)・(Si0.12Al0.510.37)O2 0.10(TPA+TMA)・(Si0.125Al0.510.365)O2 SAPO−37は少なくとも下記の表BにあげたD間隔を含む
特性的なX線粉末回折パターンを有する。
表B 2θ d間隔 相対強度 6.1−6.3 14.49−14.03 vs 15.5−15.7 5.72−5.64 w−m 18.5−18.8 4.80−4.72 w−m 23.5−23.7 3.79−3.75 w−m 26.9−27.1 3.31−3.29 w−m SAPO−37分子篩のような各種NZMS−37は粗大空孔のアル
ミノ燐酸塩として分類される。それらの空孔は前記米国
特許第4,440,871号公報の第51欄、第37−39行に見られ
るように約6.2Åよりも大きな呼称直径を有し、そして
これら粗大空孔のものゝ空孔寸法は名目的には0.8nmで
ある。SAPO−37のような各種NZMS−37の骨格構造のトポ
ロジーはフォジャサイト構造に一致する。例えばSAPO−
37の「本質的に経験的な組成」は Rm′・(SixAlyPz)O2であってここでR′はその結晶間
空孔系中に存在する例えば上記米国特許第4,440,871号
公報の例42−44に示されているような(特別にあげられ
ているのはテトラ−n−プロピルアンモニウムヒドロキ
シド及びテトラ−n−プロピルアンモニウムヒドロキシ
ドとテトラメチルアンモニウムヒドロキシド5水和物と
の混合物であり、それぞれのイオンが間入剤であると考
えられている)少なくとも1つ以上の有機間入剤を表わ
し、mは0から0.3までの典型的な値を有してその(Six
AlyPz)O2の1モル当りに存在するR′のモル数を表わ
し、x,y、及びzは4面体酸化物として存在する珪素、
アルミニウム及び燐のそれぞれのモル分率を表わす。そ
れらのモル分率は上記特許公報の添付第1図の三元組成
図のA,B,C,D及びEの各点で表わされる5角形の組成領
域内により、そして好ましくはその第2図の各点a,b,c,
d及びeで画定される5角形組成領域内にあるような値
である。更にその合成されたまゝの結晶性SAPO−37はそ
の結晶間空孔系の中にそのような合成の結果として存在
する有機間入剤の少なくとも若干以上を除去するために
充分に高い温度においてか焼することができる。
NZMS−37はフォジャサイト構造の群のものであるので本
発明に従う多相の触媒複合物を製造するためにこの群の
他の如何なる1員とも組合せることができる。SAPO−37
以外のフォジャサイト型NZMS及びそれらの製造について
は前記の表Aの種々の特許公報及び特許出願中に記述さ
れており、この点に関してのそれらの記述内容は特にこ
の明細書において参照文献として引用する。
フォジャサイト構造を有する群の例としてあげられる各
種のゼオライト化合物は例えばフォジャサイト及びゼオ
ライトX及び同Yの多くの型のもののような天然または
合成の化合物である。フォジャサイト構造を有するゼオ
ライトの例としては下記があげられる。AgX、AgY、AlH
Y、アルキルアンモニウムX及び同Y、BaX、BaY、BeY、
Ca-ゲルマニック近フォジャサイト、Ca−HX、Ca−X,Ca
−Y、カルシウムNH4Y、CdX、CdY、CeY、CoX、CoY、Cr
Y、CsX、CsY、Cu−X、Cu−Y、ジメチルアンモニウム
Y、エチルアンモニウムY,Fe−X、Fe−Y、HY、KX、K
Y、L、La−X、La−Y、LiA、LiX、LiY、Lz−10、Lz−
210、MgNH4Y、MgHY、MgNaY、MgNaX、MgNH4Y、MgX、Mg
Y、MnX、MnY、Na−ゲルマニック近フォジャサイト、Na
−X、Na−Y、NH4−ゲルマニック近フォジャサイト、N
H4X、NH4Y、活性化されたNH4Y、Ni−X、Ni−Y、PdY、
稀土類X、稀土類Y、稀土類アンモニウムY、RbX、Rh
Y、SrX、SrY、水蒸気安定化されたYまたは超安定Y、
テトラメチルアンモニウムY、トリエチルアンモニウム
Y、X、Y、Zn−X、Zn−Y等。それらのいずれも析出
基材として用いることができるかまたは外側層析出物と
して用いることができる(こゝでNZMS析出基材に対する
pHの影響に関して注意すべきである。)フォジャサイト
型のものゝ多くは例えばX及びY型のゼオライトのよう
に大容積で製造され、そして上に指摘したようにそれら
は本発明に従う複合物を製造するのに用いられる種々の
成分の中で最も安価であるのでこれらは好ましい析出基
材となる。
本発明に従う触媒複合物は結晶成長のための析出基材
(支持表面)の存在のもとで反応性ゲル先駆体を水熱反
応により結晶化させることによって結晶構造にすること
により作られる。それらゲル先駆体は作られるべき組成
に左右される。アルミノ珪酸塩に基づく結晶骨格構造の
場合にはそれらゲル先駆体はこれらのアルミノ珪酸塩を
製造するために使用される典型的なアルミン酸塩組成物
及び珪酸塩組成物である。実際に本発明の特徴の一つは
その各相がそれぞれの相の組成を作るためのこの技術に
おける従来より行われる操作によって作ることができる
ということである。本発明の効果の達成のためにある一
つの相を別な相の存在のもとで作り出すための新しい方
法を使用することは一般に必要ではない。
非ゼオライト型のアルミニウム及び燐に基づく分子篩の
群は一般に、場合により追加的な骨格構造元素及び有機
間入剤を含む反応性のアルミニウム及び燐含有ゲルを約
50℃(122゜F)から約250℃(482゜F)まで、好まし
くは約100℃(212゜F)から225℃(437゜F)までの温
度において水熱反応による結晶化によって合成される。
その最適結晶化温度は組成と構造とによって左右され
る。AlPO4及びSAPO物質は約125℃(157゜F)以下の温
度において結晶化をもたらさない傾向を示すが、一方Me
APO群の幾つかのものは約100℃(212゜F)において容
易に結晶化をもたらす。
QAPSO組成物は一般に元素Q(任意)、珪素(任意)、
アルミニウム及び燐の活性的源と、好ましくは有機の間
入剤、すなわち構造指向剤であって好ましくは周期律表
の第VAの元素の化合物であるものと、及び場合によりア
ルカリ金属またはその他の金属とを含む反応混合物から
水熱反応による結晶化によって合成される。この反応混
合物は一般に密閉した圧力容器、好ましくは不活性の例
えばポリテトラフルオロエチレンのようなプラスチック
材料で内張りされた反応容器の中に入れて好ましくは約
100℃(212゜F)と約225℃(437゜F)との間、より好
ましくは約100℃(212゜F)と約200℃(424゜F)との
間の有効な温度において好ましくは自発的圧力のもとに
その特別な種類のQAPSO生成物の結晶が得られるまで、
通常は数時間から数週間に及ぶ有効結晶化時間にわたっ
て加熱される。一般に約2時間から30日までに及ぶ有効
結晶化時間が用いられ、典型的にはそのQAPSO生成物を
得るために4時間から約20時間までの時間が用いられ
る。この生成物は例えば遠心分離または濾過のようない
ずれかの好都合な方法によって回収される。
本発明の作用性QAPSO組成物を合成する場合にモル比で
下記式 aR・(QwAlxPySiz)O2・bH2O の組成式で表わされる反応混合組成物を使用するのが好
ましく、こゝでRは有機間入剤を表わし、aはこの有機
間入剤の量であって0から約6までの値を有し、そして
好ましくは0以上6以下の範囲内の有効な数値であって
bは0から約500まで、好ましくは約2から約300までの
値を有し、Qは前に記述したようにSiO2、AlO2 -及びPO2
+の4面体酸化物単位を含むTO2nの骨格構造酸化物単位
を形成することができるような少なくとも1つ以上の元
素を表わし、nは−3、−2、−1、0または+1の値
を表わしそしてw、x、y、及びzは前に定義したと同
じである。
反応組成物の上記の表現において各反応成分はそのw、
x、y、及びzの合計に関してw+x+y+z=1.00モ
ルとなるように選ばれ、一方、例においては反応混合物
中でP2O5のモル数で表わした酸化物モル比で表わしても
よい。この後者の形の値は各成分(間入剤及び水を含
む)のモル数を元素Q、アルミニウム、燐及び珪素の合
計モル数で割ることによって前者の値に容易に変換で
き、これは上記の各成分の合計モル数に基づく標準化さ
れたモル分率を与える。
実用可能なQAPSO分子篩を作るための反応混合物を形成
する場合に有機間入剤を使用するのが好ましく、そして
これは従来のゼオライト アルミノ珪酸塩の合成におい
て使用することがこれまでに提案されている如何なるも
のであってもよい。一般にこれらの化合物は元素の周期
律表の第VA族の元素、中でも窒素、燐、砒素及びアンチ
モン、好ましくは窒素または燐を含み、そしてもっとも
好ましくは窒素を含み、且つそれら化合物は1ないし8
個の炭素原子を有する少なくとも1つ以上のアルキル基
またはアリール基を含む。間入剤として使用するために
特に好ましい化合物はアミン類、第4級ホスホニウム化
合物及び第4級アンモニウム化合物であるが、この後者
の二つは一般にR′4X+の式で表わされ、こゝでXは窒
素または燐であってそれぞれのR′は1ないし8個の炭
素原子を含むアルキル基又はアリール基である。例えば
〔(C14H32N2)(OH2のような重合した形の第4級
アンモニウム塩(xは少なくとも2以上の値を有する)
も用いるに適している。モノアミン類、ジアミン類、及
びトリアミン類は単独で、または第4級アンモニウム化
合物あるいはその他の間入化合物と組合せて用いられ
る。二つ以上の間人剤の混合物は所望のQAPSO化合物を
作り出すか、または更に強い指向性を示す間入剤混合物
は、基本的にその反応ゲルのpH条件を確立する役目をす
る他方の間入剤との反応の経路を制御できる。ゲルの初
期p値はほとんどの場合に弱酸性であって各元素を加水
分解可能な金属カチオンの形でその骨格構造の中に取り
入れることを促進し、そして多孔性水酸化物または酸化
物としてそれらが沈澱するのを防止する。代表的な間入
剤は、例えばテトラメチルアンモニウム、テトラエチル
アンモニウム、テトラプロピルアンモニウム、テトラブ
チルアンモニウム及びテトラペンチルアンモニウムのよ
うなアンモニウムイオン及び例えばジ−n−プロピルア
ミン、トリプロピルアミン、トリエチルアミン、トリエ
タノールアミン、ピペリジン、シクロヘキシルアミン、
2−メチルピリジン、N,N−ジメチルベンジルアミン、
N,N−ジメチルエタノールアミン、コリン、N,N′−ジメ
チルピペラジン、1,4−ジアザビシクロ〔2・2・2〕
オクタン、N−メチルジエタノールアミン、N−メチル
エタノールアミン、N−メチルピペリジン、3−メチル
ピペリジン、N−メチルシクロヘキシルアミン、3−メ
チルピリジン、4−メチルピリジン、キヌクリジン、N,
N′−ジメチル−1,4−ジアザビシクロ〔2・2・2〕オ
クタン、ジ−n−ブチルアミン、ネオペンチルアミン、
ジ−n−ペンチルアミン、イソプロピルアミン、t−ブ
チルアミン、エチレンジアミン、ジエチレントリアミ
ン、トリエチレンテトラミン、ピロリジン、2−イミダ
ゾリドン等のようなアミン類を包含する。必ずしもすべ
ての間入剤がQAPSOの各々の化合物の形成に指向させる
ものではなく、すなわちある1つの間入剤はその反応条
件を適切に調節するならばいくつかのQAPSO組成物の形
成を導き、そしてある与えられたQAPSO組成物はいくつ
かの異なった間入剤を用いて作り出すことができる。有
機間入剤は重大な構造指向の役割を演ずるようである。
間入剤は結晶が生長するにつれてその構造のボイドの中
に取り込まれる。第1級、第2級、第3級及び環状アミ
ン類を含めて85種以上のアミン類及び第4級アンモニウ
ム塩類が結晶化間入剤として利用できることが示されて
いる。多くの場合に結晶構造の制御は例えば温度、間入
剤の濃度、ゲル酸化物の組成及びpHのような他の合成条
件によって実現される。間入剤の影響は立体的及び電子
的の両作用による。
珪素源はシリカゾルまたは煙霧化シリカの形のシリカ、
無定形固体の反応性沈澱シリカ、シリカゲル、珪素のア
ルコキシド、シリカ含有粘土、珪酸または珪酸のアルカ
リ金属塩またはそれらの混合物であることができる。
本発明に従う方法のために見出されるもっとも適当な燐
源は燐酸であるが、例え燐酸トリエチルのような有機ホ
スフェート類は満足であることが見出されており、そし
てまた米国特許第4,310,440号公報のAlPO4組成物のよう
な結晶性または無定形のアルミノ燐酸塩類も同様に満足
であった。例えばテトラブチルホスホニウムブロマイド
のような有機燐化合物は見掛上は反応性の燐源として用
い得ないけれども、これらの化合物は間入剤として作用
する。例えばメタ燐酸ナトリウムのような一般に用いら
れる燐の塩類は少なくとも部分的に燐源として使用する
ことができるけれどもそれらはあまり好ましくはない。
好ましいアルミニウム化合物は例えばアルミニウムイソ
プロポキシドのようなアルミニウムアルコキシドである
か、またはプソイドベーマイトである。燐源として適し
ている結晶性または無定形のアルミノ燐酸塩はもちろん
アルミニウム源としても適している。例えばジプサイ
ト、アルミニウム含有粘土、アルミン酸ナトリウム及び
3塩化アルミニウムのようなゼオライト合成に用いられ
る他のアルミニウム源も使用できるけれどもそれらはあ
まり好ましくはない。
元素Qは、例えばこの元素Qからある骨格構造酸化物を
形成するように反応活性の形の元素をその場で形成する
ことが許容されるような如何なる形でもその反応系の中
に加えることができる。使用可能な元素Qの化合物とし
ては酸化物、水酸化物、アルコキシド、硝酸塩、硫酸
塩、塩化物、カルボキシレート、及びそれらの混合物が
含まれる。使用可能な化合物の代表的なものは砒素及び
ベリリウムのカルボキシレート、塩化コバルト6水和
物、α沃化第一コバルト、硫酸第一コバルト、酢酸コバ
ルト、臭化第一コバルト、塩化第一コバルト、硼素アル
コキシド、酢酸クロム、ガリウムアルコキシド、酢酸亜
鉛、臭化亜鉛、蟻酸亜鉛、沃化亜鉛、硫酸亜鉛7水和
物、二酸化ゲルマニウム、酢酸第1鉄、酢酸リチウム、
酢酸マグネシウム、臭化マグネシウム、塩化マグネシウ
ム、沃化マグネシウム、硝酸マグネシウム、硫酸マグネ
シウム、酢酸マンガン、臭化マンガン、硫酸マンガン、
4塩化チタン、チタンカルボキシレート、酢酸チタン、
酢酸亜鉛、等である。QAPSO組成物の合成に必ずしも必
須ではないけれども、その反応混合物の攪拌その他の温
和な混合を行なうこと及び/又はその反応混合物にその
作り出されるべきQAPSO化合物か、またはトポロジー的
に類似したアルミノ燐酸塩、アルミノ珪酸塩またはその
他の分子篩組成の種子結晶を加えることによってその結
晶化過程は促進される。種子結晶の添加を行う場合にそ
の種子結晶の量はその時々の分子篩組成物の重大な割合
を占めるべきではない。一般にこの種子結晶の添加量は
その得られる分子篩の重量の約10重量%を越えないのが
よい。しかしながらもしその種子結晶がその複合物の一
つの相をなす時はこのものの作用は異なり、そして析出
基材のそれも異なり、従って比較的多量が必要となる。
結晶化のあとでそのQAPSO生成物は分離し、そして有利
には水で洗って空気中で乾燥させる。この合成されたま
ゝのQAPSOは一般にその内部空孔系の中にその形成に際
して用いた少なくとも一種類の型の間入剤を含んでい
る。多くの場合にこの有機間入剤に由来する有機成分は
有機物含有反応系から作られる合成されたまゝのアルミ
ノ珪酸塩ゼオライト類の場合に一般的に当てはまるよう
に少なくとも部分的に電荷均衡化カチオンとして存在し
ている。しかしながらこの有機物部分の一部または全部
がある特別なQAPSO化合物の中に挾雑された分子種であ
ることも可能である。一般的な規則としてこの間入剤、
また従って挾雑された有機化合物はそのQAPSO生成物の
空孔系を通って自由に移動するのには大き過ぎ、従って
そのQAPSOを200℃から700℃までの温度において焼いて
その有機化合物を熱的に分解することにより除去しなけ
ればならない。ある場合にはそのQAPSO組成物の内部空
孔は中でもその間入剤が小さな分子である場合にこれが
移動するのを許容するのに充分に大きく、従ってこのも
のの完全な、または部分的な除去は例えばゼオライトの
場合に行われるような通常の脱着操作によって達成する
ことができる。こゝで用いる「合成されたまゝの」とい
う語はその水熱反応的な結晶化過程の結果としてその結
晶間空孔系を占めている如何なる有機物部分もその組成
物の式すなわち mR・(QwAlxPySiz)O2 においてmの値が0.02よりも小さくなるほどに合成後の
処理によって取り除かれているようなQAPSO化合物の状
態を含むものではない。上記の式におけるその他の記号
は前に定義したと同じである。元素Q、アルミニウム、
燐及び/又は珪素の供給源としてアルコキシドを用いる
ような調製の場合にはその反応混合物中に対応するアル
コールが必然的に存在し、というのはこれがそのアルコ
キシドの加水分解生成物だからである。このアルコール
が間入剤の一つとしてその合成過程に関与しているかど
うかはまだ明らかにされていない。しかしながら本願発
明の目的のためにこのアルコールはもしもそれがその合
成されたまゝのQAPSO物質の中に存在していたとしても
間入剤の区分からは除いてある。
本発明に従うQAPSO組成物はAlO2 -、PO2 +、SiO2及びQO2n
の骨格構造酸化物単位であってそれぞれ−1、+1、0
及びn(nは−3、−2、−1、0または+1を表わ
す)の正味荷電を有するものからそれぞれ形成されるの
で陽イオン交換性の問題は、理想的にはAlO2 -の4面体
とそれら荷電均衡化カチオンとの間に化学量論的な関係
が存在するようなゼオライト型分子篩の場合よりも著し
く複雑である。本発明に従う組成物においては1個のAl
O2 -4面体は、1個のPO2 +の4面体と、または例えばアル
カリ金属陽イオンのような骨格外陽イオン、その反応混
合物中に存在する元素Qの陽イオン、または間入剤から
導かれる有機性陽イオンとの組合せによってバランスさ
れることができる。同様にして1個のQO2nの酸化物はい
くつかのPO2 +四面体、例えばアルカリ金属陽イオンのよ
うな骨格外陽イオン、金属Qの陽イオン、間入剤から導
かれた有機性陽イオンまたは外部源から導入された2価
または多価の金属陽イオンとの組合せによって電気的に
バランスされることができる。
QAPSO組成物はゼオライト型アルミノシリケートについ
て従来用いられているイオン交換技術によって分析する
場合には陽イオン交換容量を示し、そしてそれぞれの組
成物の格子構造に固有であって少なくとも3Å以上の空
孔直径を有する。QAPSO組成物のイオン交換は通常はそ
の合成の結果として存在する有機物部分がその空孔系か
ら除去されてしまった後でのみ可能である。その合成さ
れたままのQAPSO組成物中に存在する水を除去するため
の脱水は通常は少なくともある程度まで、上記の有機部
分の除去を行うことなく通常の方法で達成することがで
きるけれども、しかしながらこのような有機部分の存在
しない場合に吸着過程及び脱着過程が著しく促進され
る。
以下にあげる実施例においてステンレス鋼の反応容器を
用いたが、これは不活性のプラスチック材料であるポリ
テトラフルオロエチレンで内張りされてその反応混合物
が汚染されるのを防ぐようになっていた。一般にその複
合物の結晶化が行われる最終反応混合物は析出基材の添
加の前にすべての反応成分の混合物を形成した後に析出
基材を添加することによって調整される。反対に、析出
基材を反応容器に最初に加えた後、外側層を作り出すた
めのヒドロゲルの形成のための各反応試薬を加えてもよ
い。引続いて水熱反応的な結晶化が行われる。ある相の
反応剤が他の相の反応剤によって作り出されるものと異
なるような水熱反応的結晶化機構をもたらすような種々
の条件が存在する。このような場合には各反応剤を同時
に組合せることができ、そしてその結晶化機構の差は結
晶のための析出基剤を提供する。このような場合にこれ
を「微分差結晶化」と呼ぶことにする。ある場合にはそ
の添加混合された各反応剤がその中間混合物中でそれら
の夫々の固有の性質を保っており、そしてその他の場合
にそれらの反応剤の若干又はすべてのものが化学反応に
包含されて新しい反応剤を形成する。その両方の場合に
「混合物」の語が適用される。なお、特に言及しない限
り各々の中間混合物並びに最終反応混合物は実質的に均
一になるまで撹拌された。各反応生成物のX線パターン
は標準X線粉末回折技術を用いてX線分析により得られ
る。放射源は50KVおよび40mAで運転される高強度の銅タ
ーゲットX線管である。この銅のK−α放射線とグラフ
ァイトモノクロメータとからの回折パターンはX線スペ
クトロメーターシンチレーションカウンタ、パルス高検
出器及び連続チャートレコーダによって適当に記録され
る。平らにプレスした粉末試料を2秒の時定数により1
分間当り2゜(2θ)の移動角度で走査する。連続記録
チャートの上で見出されたブラッグ角度θの2倍の2θ
で表現される各回折ピークの位置から両間隔dがÅの単
位で得られる。強度はそれぞれの回折ピークの高さから
背景値を引算することによって与えられ、その際I゜は
最強回折線又は最高ピークの強度を表わし、そしてIは
その他のピークのそれぞれの強度を表わす。
それと異なってX線パターンはまた米国ニュージャージ
ー州チェリーヒルのジーメンスコーポレーションから入
手することができる、適当なコンピュータインターフェ
ースを備えてジーメンスK805型X線源使用のジーメンス
D−500X線粉末回折計を用いてコンピュータ支援技術に
よって銅K−α放射線から得ることができる。
この技術に習熟したものによって理解できるように、2
θのパラメータの決定には人的及び機械的な誤差が含ま
れ、これらは両者組合せてその各報告された2θの値に
ついて約±0.4゜の誤差を与え得る。この誤差はもちろ
んその2θの値から計算されるd間隔の記録値にも現わ
れる。この誤差は当該技術について一般的なものであっ
てそれら結晶物質を互いに区別するのを妨げるのに充分
なほど大きなものではない。報告されているX線パター
ンのいくつかのものにおいてそのd−間隔の相対強度は
vs、s、m、w及びvwの記号を付して示してある、これ
らはそれぞれ「非常に強い」、「中程度」、「弱い」及
び「非常に弱い」の略記号である。ある場合には合成さ
れた生成物の純度をX線粉末回折パターンによって評価
することができる。従って例えばもしもある試料が純粋
であると言われる場合に、これはその試料のX線パター
ンに結晶性不純物に起因する回折線が存在しないという
ことを意味するだけで無定形物質が存在しないことを示
そうとするものではない。
本発明に従う複合物を作るのに用いられる各ゼオライト
組成物はQAPSOを含む相との接触がないように、またはQ
APSO含有相の存在のもとで作ることができる。それらは
塩基性の条件のもとでアルミン酸塩及び珪酸塩の水熱的
結晶化によって作り出すことができる。それら各反応剤
の水性ゲルを約50℃(122゜F)から約300℃(572゜
F)まで、好ましくは約100℃(212゜F)から約250℃
(482゜F)の間の温度において加熱する。最適の結晶
化温度は組成と構造とに依存する。種々のゼオライトを
製造するためのそれぞれの方法の良好な特長付けは前に
挙げたRaboの文献の第11章及び前記Breckの文献の第4
章に見出すことができる。
本発明に従う種々の複合物はある一つの相の、他の相の
存在のもとでの水熱反応的結晶化によって好都合に形成
される。一般的に言うならば、その複合物中の各相はこ
のもののそれぞれの成分の、水性ゲルからの水熱反応的
結晶化によって導き出される。その複合物はこの複合物
の他の相を構成する析出基材の存在のもとで、ある目的
とする相の形成のための前駆体を水熱反応的に結晶させ
ることによって導き出される。この析出基材は本発明の
実施に当って完全に形成された組成物である必要はない
(すなわち例えば完全には結晶化されていないもの)。
すなわちある分子篩構造の製造を水熱反応的結晶化法に
よって開始させ、そしてその結晶構造が完全に形成され
てしまう前にこれに外側層形成用の各前駆体を添加する
ことにより析出基材として用いることができる。このよ
うな場合にこの析出基材を「グリーン」状態にあると呼
ぶ。析出基材からその表面に外側層を析出させた後で或
る1つの陽イオンまたは幾つかの陽イオンを除去するよ
うな場合があり得る。このような陽イオンの除去は析出
が完了して複合物構造が形成されてしまった後で行うこ
とができる。析出基材を析出させるもう一つの方法は両
方の相を作り出すような単一ゲルを用いて他方の相に先
立ち一方の相を微分差結晶により結晶化させる方法であ
る。このような方法は両方の相が共にNZMSであって両者
の基本的な違いがMeAPO、MeAPSO、ELAPO、又はELAPSOの
各組成物を作り出すようなMeまたはELの元素が存在する
かまたは存在しないことである場合に効果的に利用でき
る。
本発明に従う方法はその複合物の製造の間に、またはそ
の完成した複合物の中で一つの相と他方の相との間に明
確な境界線が存在することに依存するものではない。前
に指摘したように、各相の界面においてこの界面が2相
系における名目上の第3相を、または目的とする3相系
における第4または第5の相を構成し得るような態様で
現われる或る形態移行がしばしば存在する。実際に、各
相の間に存在するある勾配をもった組成変化として一つ
の相からの他の相への移行部を見出すことができるが、
但しこのような勾配はその界面付近において基本的に残
部の組成的により均一な各相と区別することができるよ
うなものであると信ぜられる。本発明に従う種々の複合
物の組成的な不均一性は各相の組成の差及びある一つの
相の他の相との、その境界における組成についての関係
の差によって示されるような広い意味に及ぶものであ
る。
その複合物を合成するための水熱結晶化の条件はその水
熱反応的結晶化を受ける相についての目的とするそれぞ
れの分子篩組成に関して前述したそれである。ある非ゼ
オライト型のアルミニウム及び燐に基づく分子篩の目的
とする析出のための析出基材として予め形成された、ゼ
オライト型分子篩を用いる場合にはもちろんゼオライト
型分子篩の存在のもとでアルミニウム及び燐の反応性ゲ
ルの水熱反応的結晶を用いなければならない。このこと
はその水熱反応結晶化による合成の目的とするような分
子篩の組成を完全に模倣するような相がその合成によっ
てもたらされるということを意味するものではない。そ
の形成される各組成は前に示唆したように界面において
現われる変化によって微妙に異なっているものと信ぜら
れるけれどもこれはそのような分子篩の組成の従来の特
長付けによって包含される程度には充分に類似してい
る。好ましくは析出基材として用いられる各相の一つは
完全に形成された結晶構造であるのがよい。
間入剤はその組成物が他方の相を形成させるために用い
られるような各成分と接触するに先立って本質的に除去
され、または除去されなくてもよい。析出基材は次に形
成される相(外側層)のための支持相であってエピタキ
シヤル成長のためのベースを提供する。一つの相がもう
一方の結晶相の存在のもとで結晶化される際に、この複
合物は更にもう一つの固相を作り出すための支持相とし
て用いることができる。この過程は所望の回数だけ繰り
返すことができ、あるいはまた組成が異なっているけれ
ども同一の結晶骨格構造を有して本質的に単一の結晶構
造の複合物をもたらすのに充分な数の分子篩が存在する
ようになるまで多数回繰り返すことができる。この技術
によれば、玉ねぎの皮のような形態であるが但し本発明
に従う複合物の場合にそれらの皮が化学的に互いに結合
されているような、異ったいくつかの分子篩の繰り返し
相を有する複合物が作り出される。それぞれ異った分子
篩の各成分を混合してその水熱反応的微分差結晶化を本
発明に包含される混合相組成物が形成されるように実施
することが望まれる場合がある。典型的な場合において
それら複合物は任意の結晶構造の既に形成されているか
または部分的に形成されている別な結晶性分子篩と接触
させた状態で或る分子篩形成用の混合物を水熱的に結晶
化させることによって形成される。
この複合物は一つの結晶が析出基材の表面の上でエピタ
キシャルに生長することによって形成されると信ぜられ
る。ある場合にこの結晶生長がその析出基材によって促
進されるような場合がそれである。このような場合にこ
れを「種子結晶添加」効果と呼ぶ。しかしながらこれは
ユニークで予期されない種々の性質を有する組成物の形
成における析出基材の役割に比べるならばそれほど重要
ではないであろう。このような結晶生長は基材の支持面
をもたらし、このものの上に結晶性分子篩の1層が析出
して水熱的結晶化の過程によってエピタキシャルに生長
して支持面の結晶骨格構造を作り出す。このようにして
芯のまわりが他の分子篩の膜あるいは層の外殻で取り囲
まれたものを得ることができる。芯の上にそれらの膜ま
たは他層が析出し、更にそれぞれ前に析出した層の上に
別な層を析出させることによって複合物の深さの方向に
異なった交換特性を有する種々の膜材を作ることができ
る。それぞれが異なった吸着特性あるいは異った触媒特
性を有するいくつかの層からなる、多面的な種々の性能
を有する複合物を作ることができる。
すでに形成されている別な相の存在のもとに一つの相を
水熱反応的に結晶化させる間に結晶化がある場合に複合
物を形成することなく、粒状物を生ずるような、言いか
えれば結晶化がその形成された相の表面では起こらない
と言う可能性が存在する。しかしながら今日までの経験
ではこのような型の独立的結晶化はほとんど起こらない
ということを示している。通常の場合にはその水熱反応
による結晶化により生じた生成物の約50重量%を超えな
い部分が複合物形成のないそのような粒子よりなる。よ
り好ましくはその水熱反応による結晶化の生成物の約25
重量%を超えない割合、最も好ましくは約5重量%を超
えない部分、そして最高に望ましい場合には(そして通
常的には)約0重量%が複合物形成のないそのような粒
子よりなる。複合物の形態は粒状であるが、しかしなが
らFCC触媒として用いる場合にそのような用途がその全
体としての形状を決定する。FCC触媒の範囲においてそ
の複合物はその形成されたままの形で使用することがで
きるか、あるいはまたそれらはバインダのない方法と、
またはその他の各成分の使用と組合せてその様な用途に
より適した構造のものに成形してもよい。それらの粒状
生成物は例えばスプレー乾燥、母材バインダによりそれ
らの粒子を結合すること等のこの技術分野においてよく
知られた多くの技術手段によって別な形態に成形するこ
とができる。触媒は反応の形態や反応器の形状に適合さ
せるように作られる。しかしながら本発明に従う複合物
の種々の構造を用いて特別ないくつかの効果を達成する
ことができる。例えばその外側層を複合物と母材結合媒
体との組合せに先立って析出表面の上に析出させる代わ
りにその析出器材を先づ最初スプレー乾燥又はその使用
目的に従い母材結合媒体と組合せることによって成形
し、次いでその析出器材または析出表面の含まれた成形
物を外側層形成用の各前駆体の混合物中で水熱反応的に
結晶化されることが可能である。外側層はそのようにし
てその成形物中で暴露されたままに残っている析出表面
の上に析出形成される。この方法は複合物/母材成形物
に必要な外側層の量を少なくすることができる。好まし
い具体例においてその複合物は析出物を含む成形物の形
成に先立って形成される。
本発明の複合組成物の特別な利点の1つはその複合物の
与えられたある相の層厚さが触媒としてのこの相の性能
特性を制御する機構を提供するということである。もし
もこの相が酸性度のあまりに高すぎる水準に基いて極め
て活性である場合には、その高い酸性度の有害的な特徴
(例えば種々の2次反応)を最小限に保ちながら高い触
媒活性水準を保持することができる。酸性であって従っ
て活性の高い触媒の有害的な挙動はその触媒の中で反応
剤が費やす滞留時間に依存するということが知られてい
る。反応剤に対して(外側層よりも)比較的不活性であ
る析出表面の上に活性相の薄層を析出させることによっ
て反応物質の触媒との接触時間、特にこの触媒の外側層
との接触時間がこの触媒の有害的挙動を極めて小さくす
る程の範囲まで低下する。1次反応生成物を分解して望
ましくない副反応生成物を形成する傾向を有する有用な
触媒がこのような反応を所望の触媒反応よりも低い速度
で生じさせることは公理的であり、もしそうでなければ
この触媒は利益をもたらさないことになる。活性触媒層
の厚さを減少させることによって迂回拡散による接触時
間もその活性触媒の中で低下する。このことはその触媒
の選択性を改善して所望の反応生成物を生じさせ、そし
て2次反応生成物を少なくする。本発明に従う層状複合
物触媒はその外側層の深さ、また従ってその迂回拡散を
制御することによりそのような利点をもたらして外側層
の活性を所望の反応並びに反応生成物に適合させること
をもたらす。
すなわち本発明に従い作られる複合物触媒を設計する場
合の一つの因子はその触媒によって影響を受ける種々の
反応を考慮することである。もしもその反応が単に の転化のみを包含する場合には、その外側層の量と寸法
とに関する選択性についてほとんど重要性はみられな
い。しかしながらもしもその反応によって非可逆的副反
応生成物(C)が下記の反応 の場合のように形成され、その際その2次反応k2及びk3
によって望ましくない副反応生成物Cが作り出される場
合には、その触媒内部における接触は外側のより活性の
高い層の深さまでに限定されてその重要な反応がk1であ
ってk2及びk3の反応はもしこれらを除くことができなか
ったとしても最小限となるようになるのが好ましい。こ
のように触媒の特性はこのような層状になった触媒の場
合に粒子全体が外側層の組成で占められるような内部の
均質な触媒粒子の場合よりもより選択性が高い。これは
複合されていないSAPO−37FCC触媒のFCC性能についての
データで示されている。複合されていないSAPO−37 FCC
触媒も複合されたSAPO−37 FCC触媒も共に供給される油
に対して本質的に同じ外側面を有しており且つ同一の空
孔率を有していたとしても、複合されていないSAPO−37
触媒は望ましくない副反応生成物を、複合されているSA
PO−37触媒よりもより多量に作り出す。ここに特徴とし
てあげる複合化は、望ましくない副反応生成物の形成を
低下させるための基礎を提供する。
このような本発明の種々の利点は微孔質の分子篩が結晶
構造の全体を通して延びている空孔を有するということ
の認識によって理解できる。その触媒表面積のほとんど
はこれらの空孔内部に存在する。この触媒の本質的にす
べての活性点を提供するのはこの空孔表面積である。原
料がこの触媒の内部に侵入した時にこれは迷路のよう
な、または廻り道をする経路をそのまま、またはその触
媒の中で反応生成物を形成しながら進行する。迂回拡散
はその与えられた充分な接触時間を制御し、1次反応生
成物のあるものはその触媒の空孔表面の上の活性点と反
応し、そしてこれは低分子量生成物の形成をもたらす。
最も活性の高い触媒種によって提供される迷路のような
通過経路の大きさを低下させることによって迂回拡散と
結び合わされる種々の問題は減少する。その結果、生成
物に対する選択性は上昇し、というのはその触媒のもっ
とも活性の高い部分の内部における接触時間が充分に制
御されて2次反応の形成を最小限にするからである。
成した触媒の形状はその複合物の製造の際に形成された
粒子の形状のものであってもよく、またその形成された
粒子が互いに直接に、またはある結合媒体を介して互い
に結合されてその触媒の使用目的を満足させるようなよ
り大きな触媒を形成することも可能である。最も一般的
な場合においては複合物粒子は例えばスプレー乾燥、ペ
レット化、押し出し等のような種々の技術によって互い
に結合される。典型的には不活性の結合剤を用いてそれ
ら複合物粒子を所望に応じ触媒の技術分野において通常
的な技術によりそれぞれ予め定められたペレット、スプ
レー乾燥粒子または押出し物の形にする。例えば複合物
粒子は母材物質、典型的にはその触媒過程における各反
応剤に対して不活性であるような材料と混合してスプレ
ー乾燥し、ペレット化しまたは押し出して所望の形状に
することができる。本発明に従う触媒をある特別な効果
の達成のために他の触媒と組合せ、そして本発明によっ
て更に効果を高めることが任意に実施できることは云う
までもない。本発明に従う複合物の形状はこの発明にと
って重要ではないけれども、これは特別なFCCにおける
利用に対しては重要な場合がある。
本発明の複合物はこの複合物を構成している各相のほと
んどすべてに関して優れたFCC触媒である。この性能上
の相乗作用はこの触媒のある構成成分相によってももた
らされる種々の利点を利用することを許容する。通常あ
る一つの成分相は別な成分相の同じ性質よりも優れた性
質を持つであろう。その優勢な性質はほとんどの場合
に、またその複合物の優勢な特性にもなる。多くの場合
にその対象とする複合物の性質は特に重量対重量の基準
で比較した場合にその優勢な性質を有する分子篩構造に
よって示される性質よりも更により好ましい。しかしな
がらこの相乗作用的条件がほとんどの場合であるのが望
ましいけれどもこのような相乗的効果が存在しないよう
な場合を予想することができる。
バインダを含む複合物粒子で作られたFCC触媒は典型的
には細かい複合物粒子と種々の触媒の調整のために従来
より用いられている無機酸化物の母材成分との物理的な
混合物であり、無定形の触媒的な無機酸化物、例えば触
媒活性を有する珪酸−アルミナ、粘土、シリカ、アルミ
ナ、シリカ−アルミナ、シリカ−ジルコニア、シリカ−
マグネシア、アルミナ−ボリヤ、アルミナ−チタニヤ等
及びそれらの混合物がそれに含まれる。複合物は通常は
上記の母材成分と混合した後、任意の形の触媒に成形さ
れる。
上記の無機酸化物母材成分、例えばアルミナ、シリカ、
粘土等はその完成した触媒の中でその全触媒重量につい
て約5ないし約99重量%、好ましくは約5ないし約95重
量%、そして更により好ましくは約10ないし約85重量%
の範囲の量で存在することができる。
この無機酸化物母材成分はゾルの形、ヒドロゲルの形、
あるいはゲルの形で存在することができ、そして典型的
には通常のシリカ−アルミナ触媒において用いられるよ
うなアルミナ、シリカ、粘土及び/又はシリカ−アルミ
ナの成分であり、それらのいくつかの型のもの及び組成
物は市販において入手することができる。母材成分はそ
れ自身である触媒効果をもたらすか、あるいはまたこれ
は本質的に不活性であることができる。ある場合にその
最終的な、すなわち完成した触媒は結合剤を必要とする
ことなく成形するか、またはスプレー乾燥することがで
きるけれども、その母材はある場合に結合剤の役目をす
ることも可能である。これらの物質はシリカとアルミナ
との共ゲル(cogel)として調整するか、または予め成
形し予備熟成されたヒドロゲルの上に沈着させたアルミ
ナとして調整することもできる。シリカはそのようなゲ
ルの中に存在する固体の中の1つの成分として、例えば
約5重量%から約40重量%まで、そして好ましくは約10
から約30重量%までの間の量で存在することができる、
シリカは約75重量%のシリカと約25重量%アルミナとよ
りなるか、または約87重量%のシリカと約13重量%のア
ルミナとよりなる共ゲルの形で使用することも可能であ
る。
アルミナ成分は例えばプソイドベーマイト等のような種
々のアルミナの不連続粒子よりなることができる。アル
ミナ成分はBrunauer、Emmett及びTellerの方法(BET
法)で測定して1g当り約20m2以上、好ましくは145m2/g
以上、例えば約145から約300m2/gの全表面積を有する不
連続粒子の形であることができる。アルミナ成分の空孔
容積は典型的には0.35ml/gよりも大きい。このアルミナ
の粒子の平均粒径は一般に10μよりも小さく、そして好
ましくは3μよりも小さい。アルミナは単独で母材とし
て、または例えばすでに述べたようにシリカのような他
の母材成分と複合させて使用することができる。アルミ
ナ成分は如何なる形のアルミナであってもよいが、好ま
しくは予め成形されていてその表面積及び空孔構造が安
定化されているような物理的形態で使用することができ
る。このことは、アルミナが不純物の混った相当量の残
存可溶性塩分の含まれている無機性ゲルに転化された時
にそれらの残存塩類がこのものの表面性質や空孔特性を
測定可能なほどに変化させず、またその予め成形されて
変化を受けるかも知れない多孔性アルミナに対する化学
的な侵蝕を促進もしないということを意味する。例えば
アルミナは適当な化学反応により形成し、スラリーの形
で熟成し、濾過し、乾燥し、残存塩が無くなるまで洗滌
した後、その揮発性成分の含有量を約15重量%よりも低
い値にまで低下させたアルミナであることができる。更
にまたアルミナヒドロゾルまたはヒドロゲルまたは含水
アルミナのスラリーをその触媒の調整に使用することも
可能である。
複合物粒子と無機母材との混合物を例えばスプレー乾
燥、ペレット化、押し出しその他の適当な通常的手段を
含む標準的な触媒形成技術によって触媒の最終形態に成
形することが可能である。FCC触媒をスプレー乾燥によ
って作るのがもっとも一般的であるが、その方法は触媒
調整の技術に習熟した者によく知られたものである。
本発明に従う複合物から触媒を製造する典型的な方法は
下記のようである。即ち、珪酸ナトリウムを硫酸アルミ
ニウムの溶液と反応させてシリカ/アルミナのヒドロゲ
ルのスラリーを形成させ、これを次いで熟成させて所望
の空孔特性のものにし、濾過して多量の異物質及び望ま
しくないナトリウムイオンや硫酸イオンを除去し、次い
でもう一度水に分散させてスラリーにする。アルミナは
アルミン酸ナトリウムの溶液と硫酸アルミニウムの溶液
とを適当な条件のもとで反応させ、生じたスラリーを熟
成させて所望のアルミナの空孔特性を生じさせ、これを
濾過し、乾燥し、再び水に分散させてスラリーを形成す
るとによりナトリウムイオンと硫酸イオンとを除去し、
そして乾燥させて揮発性物質の含有量を15重量%以下ま
で低下させることにより調整してもよい。このアルミナ
は次に水に分散させてスラリーとして不純なシリカ−ア
ルミナヒドロゲルのスラリと適当な量で混合することが
できる。次にこの混合物に複合物分子篩を加えることが
できる。所望の最終組成物を与えるためにそれぞれの成
分の充分な量を使用する。得られた混合物を次に濾過し
て残存する可溶性の異物塩類をこのものから除去する。
この濾過した混合物を次に乾燥させて乾燥固形物を作り
出す。この乾燥固形物を次いで水に分散させて再びスラ
リー状にし、そして引続いて望ましくない可溶性塩類が
なくなるまで洗滌する。次にこの触媒を約15重量%以下
の残存水分含量にまで乾燥させる。この触媒は典型的に
はか焼の後に再び回収される。
その最終的な触媒において上記の複合物及び無機酸化物
母材成分に加えて他の別な型のゼオライト、粘土、一酸
化炭素の酸化を促進する促進剤等を包含する種々の物質
を使用することも本発明の技術的範囲の中に含まれる。
ここで使用することのできる代表的母材系は1973年5月
2日に公告された英国特許第1,315,553号の明細書及び
米国特許第3,446,727号公報並びに同第4,086,187号公報
に開示されており、これらはこの明細書において参照文
献として採用される。
クラッキング反応を実施する条件は石油留分をクラッキ
ングして低沸点物質を作り出すための技術分野の文献に
記載されているものである。その温度は約350℃(662゜
F)から約700℃(1300゜F)までに及び、その際前に
記述した温度範囲が典型的な条件に該当する。クラッキ
ング反応における圧力は大気圧以下の圧力から過圧にま
で及ぶことができる。クラッキング反応はバッチ式に
も、また連続的にも行わせることができ、その際勿論後
者が好ましい。その接触的クラッキング過程は固定床に
おいて、移動床において、または流動床において実施す
ることができ、そして炭化水素供給原料はその通常の触
媒の流れに対して並流で、または向流で供給することが
できる。
本発明によりクラッキング反応を受ける炭化水素または
石油原料は一般に炭化水素類、そして特に常圧における
初期沸点が少なくとも200℃(390゜F)であり、同じく
常圧における50%点が少なくとも260℃(500゜F)であ
り、そして同じく常圧における最終沸点が少なくとも30
0℃(570゜F)であるような石油留分よりなる。そのよ
うな炭化水素留分はガスオイル、残存油類、サイクルス
トック類、全トッピングクルード及び石炭や頁岩油、タ
ール、ピッチ、アスファルト等の水添分解により導かれ
る種々の重質炭化水素留分を包含する。常圧において約
400℃(750゜F)以上の沸点を有する高沸点石油留分の
蒸留は熱分解を避けるために真空のもとに実施しなけれ
ばならないということを指摘する。
本発明をより詳細に説明するために特にそのいくつかの
具体例をあげる。これらの具体例は本発明の範囲に何等
の制限を加えるものではないことを理解すべきである。
本発明に包含される多数の触媒複合物の例として、別の
分子篩よりなる析出基材の上に一つの分子篩を水熱反応
的結晶化法によって外側層として析出させる上述のよう
な技術を用いて作られた2相複合物を下記の表Cに構造
の省略記号で示す。
表Cにあげた各複合物はこの表に記載した分子篩析出基
材と外側層とを用いたものである。それぞれの析出基材
は参照文献としてあげた従来技術の中に開示されている
種々の方法を用いて予め成形されたものである。外側層
は参照文献としてあげた従来技術に従って修飾される下
記の一般的方法に従って作られている。この一般的方法
は次の通りである。参照文献としてあげた従来技術の中
に引用されている間入剤の記載量を第1の容器の中で溶
解し、引続いて、もし使用する場合にはシリカ源の記載
量を加え、そしてこれを使用しない場合にはアルミニウ
ム及び燐源の記載量を引用参照文献に従って加えること
により調整する。シリカを用いる場合には次に第2の容
器の中で参照文献によって引用されている記載量の水和
酸化アルミニウム(例えばAl2O374.2重量%とH2O25.8重
量%とよりなるプソイドベーマイト相等)と、例えば燐
酸(85%濃度)等の記載量の燐源と、記載量の金属塩
と、及び特定量の水とを完全に混合する。次の段階にお
いて第1容器中の混合物を第2容器の中のアルミナと燐
酸と金属塩(使用する場合)とのスラリーに加え、そし
てその混合物を更にある一定時間撹拌して析出基材の処
理に用いられるゲルを形成させる。唯一の容器しか用い
ない場合にはその容器内容物をゲルが得られるまで適当
に撹拌する。
複合物を形成する際にはこのゲルと析出基材とを充分に
混合した混合物をポリテトラフルオロエチレンでライニ
ングした250ml容量のステンレス鋼反応器の中に装入し
て200℃において約5ないし24時間(撹拌器を運転する
ことなく)静かに熟成させる。この熟成された複合生成
物を冷却し、存在する上澄液を傾潟する。その固形生成
物を水で数回洗滌して最後に空気乾燥する。
表Cにあげた重量比は析出基材相の外側層に対する値で
ある。各複合物はFCC触媒として使用できるものであっ
た。
〔実施例〕 以下、本発明を種々の実施例によつて更に詳細に説明す
る。
例1 この例における複合物はY型分子篩を析出基材として用
い、そしてSAPO−37を外側層として用いる。この析出基
材として用いたY型分子篩はユニオンカーバイドコーポ
レーシヨン社より市販されているY−62分子篩の商品か
ら作られたものでこれは次のように処理した。
イ)そのNa2O含有量を2.24%から0.32%まで低下させる
ために数回アンモニウムで交換した。
ロ) このアンモニウム交換により得られたY−62を更
にテトラメチルアンモニウムクロライド(TMACl)によ
り更に次のように交換反応させた。すなわち60.0gのTMA
Clを600mlの水の中に溶解しそれによりpH4.6の溶液を作
つた。この溶液に充分な量の水酸化テトラメチルアンモ
ニウム5水和物(TMAOH・5H2O)を加えてpHを7.2まで上
昇させた。次に上記アンモニウムで交換させたY−62の
60.0g(無水物基準)をこの溶液に加えてそのスラリー
を室温において45分間撹拌した。このように処理したゼ
オライトを集めて洗滌し、次いでTMAOH・5H2Oの新しい
溶液を用いて更に2回イオン交換させた。この最終的に
TMAOH・5H2Oで交換したY型分子篩をTMAYと名付ける。
SAPO−37のゲルを次のようにして調製した。すなわちTM
AOH・5H2Oの5.5gを508.5gの水酸化テトラ−n−プロピ
ルアンモニウム(TPAOH)の溶液(水中40%濃度)の中
にNo.1の容器中で溶解した。次に商品名Cab−O−Sil E
H5の微粉末シリカ(SiO294.5重量%、H2O5.5重量%の1
9.05gを上記の溶液の中に加えて混合しそして約20分間
撹拌した。
水和酸化アルミニウム(疑似ベーマイト相、Al2O374.2
重量%、H2O25.8重量%)の68g、燐酸(85%濃度)の11
5.3g及び水84gをNo.2の容器中で充分に混合した。次に
容器No.1の溶液をこの容器No.2中のアルミナと燐酸との
スラリの中に加えてその混合物を更に30分間撹拌した後
で前記改質Y−62(TMAY)の処理に用いるためのSAPO−
37のゲルを形成させた。
TMAYの約14gを上述のSAPO−37のゲル200gと充分に混合
し、そしてこの混合物をポリテトラフルオロエチレンで
ライニングした内容250mlのステンレス鋼の耐圧容器中
に装入し、そして200℃において約2時間静かに熟成さ
せた。この熟成生成物を冷却し、そしてその上澄液を傾
瀉除去した。この固体生成物を水中で数回洗滌し、そし
て最後に空気乾燥した。
例2及び3 これらの例は上記例1において用いたSAPO−37ゲルが本
発明に従う複合物の2つ以上のバツチを作るために繰返
し使用できることを例示する。
例1におけると同様にして作つた新しいゲルを新しいTM
AYと共にスラリーにし、熟成し、そして複合物を形成さ
せた。この場合に特に、TMAYは反応を200℃において5
時間行なわせたことを除いて例1に記述したと同様にゲ
ルと反応させた。この反応混合物を冷却し、上澄液を傾
瀉し、そしてこの第1処理の複合物を集めて洗滌した
(例2の複合物)。次にこの上澄液165gを新鮮なTMAYの
11.6gと混合してこの混合物を200℃において20時間静か
に熟成させた。この反応混合物を冷却し、固型物を集め
て水で数回洗滌し、そしてこの第2処理の複合物を集め
て洗滌した(例3の複合物)。
例2及び例3を更に下記表Dにまとめるが、これには幾
つかの操作条件、得られた生成物の濃度或いは相対的X
線粉末回折パターンがあげられている。
例4−12 例4ないし12は例1にあげた方法に従つて実施したが、
但しその析出基材の組成、薬剤濃度及び操作条件を変化
させ、これらは下記の表Eにまとめてある。
下記の表Fに例1ないし12の複合物の化学分析結果及び
若干の結晶学的データ並びに析出基材組成をあげる。
註(1):非アンモニア窒素分%。
(2):出発析出基材の結晶化度に対する相対的なX線
粉末解折結晶化度。
X線粉末回折ピーク域=非焼材について得られた5つ
の水不感性主ピークの合計 (3):単位セル大きさは非焼材について求めた。
以上の表D、E及びFは例1ないし12のSAPO−37含有複
合物合成における詳細なデータ、対応する析出基材の組
成及びそれらの分析値の一部を総括する。合成において
用いたゲルの重量及び析出基材についての情報並びに得
られた生成物の量とX線的結晶性についてのデータとを
時間の関数としてあげてある。例1ないし10におけるゲ
ルの相対的量200g及び例1及び例3ないし9の析出基材
の相対的量約14gは析出基材を用いなかつたSAPO−37合
成における以前の経験に基づいて選んだものである。こ
の特別な比率においてそのSAPO−37相の予想最大収量は
用いた析出基材の重量と等しい。従つて予想されたSAPO
−37相の成長が起つたとすればその生成物は約50%の析
出基材と50%のSAPO−37相とを含むことになる。上記の
各表にあげられているこれらの例のデータを検討するな
らば、僅かに2時間後にのみ、その固体生成物の重量は
最初に用いた析出基材の量から変化しなかつたことを示
し(例1)、このことは殆んど成長が起らなかつたこと
を意味する。得られた生成物は僅か81.6%しかその出発
析出基材と同様の結晶性を示さず、このことは若干の析
出基材の分解か、又は無定形相の析出を意味する。5時
間熟成した後に得られた生成物(例3)は最初の析出基
材の重量から2.9g超過する重量増加によつて或成長の証
拠を示し、そしてX線分析によれば少量のSAPO−5の不
純物を含んで完全に結晶性であつた。純粋なSAPO−5に
ついてのピーク域に基づいてこの5時間後の試料はこの
ような不純物の約10%を含み、そして試料の残りはY−
ゼオライト及びSAPO−37の典型的なX線粉末回折パター
ンを示した。24時間熟成した生成物(例4)の収量は析
出基材に対して11gの重量増と共に著しい固体相の成長
を示唆した。この生成物も完全に結晶性であり、そして
同様に少量のSAPO−5不純物を含有していた。
5時間後の生成物(例2)中及び24時間後の生成物(例
4)中の少量のSAPO−5の存在はそれ以降の全ての調製
物(例5ないし12)が全てこの不純物を含んでいなかつ
たことからこのSAPO−37含有複合物の合成に典型的なも
のと考えられる。
上記の化学分析表は、2時間調製物(例1)の場合には
約6.42%の燐の存在及び析出基材の21.42%のアルミナ
含有量からその熟成生成物中における28.9%の含有量ま
でへのアルミナ含有量の上昇を示す。シリカの含有量は
61.3%から48.9%に低下した。より長い熟成時間ととも
に生成物の燐含有量は更に5時間後(例2)において1
4.4%へ、そして24時間後(例4)において19.1%まで
更に上昇した。5時間及び24時間の各熟成時間において
アルミナ含有量は約28%において一定に保たれたけれど
もシリカの含有量は40.4%及び35.5%へそれぞれ更に低
下した。
例1、2及び4のSAPO−37含有複合物の分析による検討
の結果は次のようにまとめることができる。SAPO−37ゲ
ルの中でTMA交換したソーダ分の低い析出基材を2時間
熟成させた後にはSAPO−37相の成長の明らかな証拠は存
在しない。X線分析は若干の結晶度の低下が起つている
ことを示し、そして赤外線による骨格構造のスペクトル
は存在する燐がゼオライトの結晶構造の中に導入された
という何等の証拠をも示していない。
5時間の熟成の後に最初の析出基材の重量に比しての僅
かの重量増加によつて若干の成長の証拠が見られる。こ
の熟成時間において析出基材は再び完全に結晶性となつ
た。各Y型析出基材の外側において明らかに若干のSAPO
−37の成長が起つており、と言うのはその物質のX線粉
末回折結果が少量のSAPO−5不純物を除いてY型分子篩
のパターンとSAPO−37のパターンとのみを示しているか
らである。
24時間の熟成の後に結晶性物質の著しい成長が起つてそ
の生成物は最初の析出基材の重量の約2倍の重量になつ
ている。このことは外側層又は外殻の厚さが熟成時間に
よつて変化し得ることを明らかに示すものであり、その
際24時間熟成した生成物は例えば5時間熟成した生成物
よりもこの層が厚くなる。
触媒の調製 以上の例1ないし例12及びこれらの例についての前記表
DないしFに記述した複合分子篩をマイクロ活性試験
(MAT)においてその触媒性能を標価するためにFCC触媒
に調製した。一般に触媒は全て極めて類似した態様にお
いて作製したが、これは分子篩と不活性母材、即ちカオ
リン粘土との混合物をシリカバインダによつて結合させ
ることを含んだ。この結合した混合物を典型的には1/1
6″の押出し成形物に押出し成形し、次いで乾燥し、砕
き、そして篩い分けして60ないし100メツシユの大きさ
の範囲の篩分された触媒粒子を得た。特別に記載しない
限り触媒は全て分子篩18%、カオリン母材62%、及びシ
リカバインダ20%を無水物基準で含むように作つた。SA
PO−37及びSAPO−37/Y型ゼオライト複合物(本発明に従
う)を含有する触媒の場合には全ての触媒をこれら分子
篩の焼されない形のものの使用のもとに作るのが極め
て重要であることが見出された。SAPO−37及びSAPO−37
/Y複合物はその焼されない形において水中で安定であ
り、従つて押出し成形物を形成するための水の使用をと
もなう触媒調製操作により損なわれることなく残留する
ことができる。しかしながらこれらは焼した形で外界
温度において水の存在によつて分子篩の分解がもたらさ
れる。その押出して乾燥し、篩分けしたSAPO含有触媒が
形成されてしまつたならば、その間入物(template)を
以下に記述するスチーミング処理によつてそのSAPO骨格
構造に殆んど又は全く障害を及ぼすことなく除去する。
FCC触媒の調製に含まれる諸操作を次の例に示す。
例13 触媒の基本材料をカオリン母材62重量%、シリカバイン
ダ20重量%及びSAPO−37含有の例1の複合物18重量%が
含まれるように調製した。このためにSAPO−37/TMAY複
合物の9.0g(無水物基準)を焼しない形で31.0gのカ
オリン粘土と混合した。Dupont社より市販されている4
0.0%のSiO2のゾルLudox LSの10gを10%濃度の水性酢酸
アンモンの溶液の少量の添加によつてゲル化させ、そし
てこのゲル化したシリカゾルを次に上記粘土/SAPO混合
物中に添加混合した。この混合物に約25mlの水を加えて
押出し可能なペースト状物を形成し、これを押出して1/
8″の押出成形物にした。この押出成形物を100℃におい
て乾燥し、次いで砕いて60ないし100メツシユ(米国メ
ツシユ)の粒度範囲の触媒粒子を得た。この粒度範囲の
触媒を4等分し、これらをMAT試験に先立つて種々の温
度において分解的にスチーミングすることによつて実用
のFCC再生器及びSAPO含有触媒の場合に経験されるよう
な水熱的環境をシミユレートしてこの時点までそのまま
留まつていた間入物を除去した。
この触媒調製のその他の詳細は下記の表Gの脚註にあげ
てある。表Gに記載した他の触媒は上述の操作に従つて
調製されたが、但しこの表にあげた操作によつて修飾さ
れている。
註(1):全ての触媒は分子篩18%、カオリン粘土62%
及びシリカバインダ20%を含むように調製した。
(2):前処理規準: A:空気中500℃で予備焼、1時間後所望の蒸気中分解
温度に上昇。
B:400℃から所望の蒸気中分解温度にする。
C:予備処理を行なわず、所望の蒸気中分解温度で触媒を
炉中に急激焙焼。
D:600℃で蒸気安定化、記載温度で分解的スチーミング
するに先立ち100%湿度で1時間保持。
触媒の予備水蒸気処理方法 FCC触媒はその寿命の90%以上をFCC装置の再生器区間中
で過ごし、この中でそれらの触媒は高温度の水熱的条件
に曝される。
従って触媒からコークス状析出物を除去する再生器は触
媒の経時変化、そして特にゼオライトの結晶化度低下を
まねく。この結晶化の低下には、市販の老化した触媒に
おける単位セルの大きさの重大な減少によって示される
ように、骨格構造中のアルミニウム含有量の低下を伴
う。この結晶化度の損失と骨格構造内アルミニウムの損
失とは共に重大なクラッキング触媒の低下をもたらす。
実際の触媒はそれらが最終的に新しい触媒と置き換えら
れるまでに多数回のクラッキング触媒作用過程及び再生
過程のサイクルを経過するので、本発明に従う触媒の実
際の活性はこのサイクル系において新しい触媒のそれか
ら著しく低下する。リファイニング装置にとってもっと
も重要な問題はこの活性低下した平衡状態の触媒混合物
の性能であり、と言うのはこれがそのリファイニング装
置によって作り出され得る生成物の品質を決定するから
である。FCC再生器の実際条件をシュミレートし、そし
てFCCにおいて使用する際の実験的な触媒の性能をより
良く評価するために、こゝに記述するすべての触媒はMA
Tの評価に先立って通常のスチーミング処理にかけた。
一般にスチーミング処理は篩分けした触媒を水平の混合
床中で所望の温度において100%の水蒸気中で約2時間
処理し、次いでこれを乾燥空気中で冷却することを含む
が、但しこの水蒸気処理操作について下記の副次的な三
つの変更を採用した。それらの変更は通常的スチーム処
理の直前にそれらの触媒を予備処理することに関連する
ものであった。それら採用した三つの変更は下記の通り
であった: 1. 500℃において1時間空気中で予備焙焼し、引続い
て所望の水蒸気の温度まで急激に上昇させる。
2. 水蒸気中の400℃の温度から所望の水蒸気処理温度
まで上昇させる。
3. 触媒を予備処理なく所望のスチーミング温度におい
て炉の中に投入する。
これらのスチーミング処理操作の変更はMATの評価にお
いてそのSAPO−37複合物触媒の性能にほとんど影響を持
たないものゝようであった。それらの間入剤を含む触媒
を使用する際にその間入剤が除去されてしまった時は、
それらの触媒は外気温度において湿分に曝されない限り
特別な注意は必要ないものゝ様である。実際のFCCでの
使用においてはそれらの間入剤はSAPO触媒がそのFCC装
置の再生器の区間に加えられる時に除去されるであろ
う。記述した全ての触媒の組成、前処理及び水蒸気処理
条件を表Hにまとめて示す。触媒の水蒸気処理に用いた
典型的な方法を説明するために次章において例1A−1D、
例2A−2D及び例3A−3Dをあげる。
前述のように粒度を調節した触媒を磁器製ボートの中に
入れた。約12ないし15gの触媒を一時に水蒸気処理し
た。次に各ボートを400℃で流れている水蒸気により平
衡化された水平管炉の中に入れた。次いでこの炉を760
ないし840℃の範囲の所望の分解的水蒸気温度まで温度
上昇させた。触媒をこの温度で2時間保持し、この時に
その水蒸気雰囲気を空気流で置き換え、そして炉と触媒
とを300℃に冷却した。300℃において触媒を炉から取出
し、熱にうちに瓶詰してMAT評価にまわした。各触媒は
環境条件で水によりもたらされる性能低下を避けるため
に乾燥空気中で冷却した。
MAT評価 全ての触媒はASTM D−3907に規定されているマイクロ
アクティビティーテスト方法によりFCC装置での性能を
評価した。触媒は全て900゜Fにおいて触媒/油 比3.0
で且つ重量時間基準空間速度(WHSV)約16で評価した。
この評価において用いた供給原料は真空ガスオイルで下
記の性質のものであった。
API比重(60/60) 24 全Nppm 700 塩基性Nppm 300 UOP K係数 11.8 シミュレート蒸留条件 (ASTM D−2887) 初期沸点 354゜F 50%沸点 745 〃 最終沸点 1077 〃 全ての試験操作はASTM D−3907に記載されたものと同じ
設計のリアクタで行なった。全ての生成物を捕集して分
析した。生成物の分析値は転化率、選択率及び収率の計
算をするのに下記に従い用いた。
但し 液状生成物は毛細管ガスクロマトグラフィー法で分析し
てそのガソリン領域の留分中のパラフフィン分、オレフ
ィン分及び芳香族分を求めた。
表Hの従来技術の触媒を含めて全ての触媒のMAT評価の
結果は表Jないし表Mにまとめるが、これらの表に各対
象とする生成物の%転化率、%選択率及び%収率はあげ
られている。
本発明に従う複合物FCC触媒の性能を比較するためにそ
れぞれSAPO−37と例1ないし例12において複合物作製に
用いた種々のY型ゼオライトとから一連の触媒を作っ
た。水蒸気処理を含めたそれら触媒調製条件は表Hに、
そしてそれらの分析組成は表Iにあげてある。表Jから
表Mまでに本発明に従うSAPO−37複合物触媒のMAT性
能、及びY−分子篩とSAPO−37分子篩とから作られた各
触媒のMAT性能についての比較データをあげる。
註(1):「静置」及び「撹拌」は水熱結晶化において
撹拌を用いたか否かを示す。例14−14、16−9、20−2
4、25、26−31を別バツチ。
(2):全ての触媒は分子篩18%、カオリン粘土62%及
びシリカバインダ20%を含むように調製した。
(3):前処理規準: A:空気中500℃で予備焼、1時間後所望の蒸気中分解
温度に上昇。
B:400℃から所望の蒸気中分解温度にする。
C:予備処理を行なわず、所望の蒸気中分解温度で触媒を
炉中に急激焙焼。
D:600℃で蒸気安定化、記載温度で分解的スチーミング
するに先立ち100%湿度で1時間保持。
添付の図面は上記の表JないしMにあげられたデータの
解析を簡単にするためのグラフである。これら第1ない
し第5図にあげたグラフの曲線は20時間及び24時間熟成
させた試料以外の触媒についての各データ及びそれによ
つて示される傾向の解析に基づく。第1図は広い転換率
範囲にわたるより高いガソリン選択性を示すが、これは
従来の超安定Y−ゼオライト型分子篩Y−62及びY−82
並びに複合されていないSAPO−37に比しての本発明に従
う触媒の優れたガソリン選択性を示している。第2図は
上記の超安定Y−ゼオライト型分子篩及び複合されてい
ないSAPO−37に比しての低いガス形成率を示す。第3図
は本発明に従うSAPO−37複合物が全ての転換率範囲にわ
たり実質的により低いコークス形成量を与えることを示
している。芳香族化合物の形成に関して、第4図はこの
SAPO−37複合物がY−82及び複合されていないSAPO−37
よりも少ない芳香族化合物を形成することを示してい
る。しかしながら第5図は実用の転換率の範囲において
上述のY−82及び複合されていないSAPO−37に比してSA
PO−37複合物が著しく高いナフテン系化合物とオレフイ
ン系化合物との含有量を作り出すことによつてオクタン
比率を著しく高める性能があることを示している。以上
は本発明に従うSAPO−37複合物のクラツキング触媒及び
オクタン富化触媒としての優秀性を示す。
例91 水和酸化アルミニウム(Al2O370.6重量%、赤熱減量29.
6重量%、疑似ベーマイト)の43.5gを、水119.3gの中に
57.5gの85%濃度の正燐酸が含まれる溶液の中にゆつく
りと加えて均一になるまで撹拌することによつて最初の
混合物を作つた。5.7gのTMAOHの中に12.2gのCab−O−S
ilEH5が含まれている溶液/40%濃度水性TPAOH197.4gの
溶液の懸濁液を前記の混合物に加えて均一になるまで撹
拌した。この反応混合物の組成は酸化物のモル比で下記
の通りであつた: 0.6TPA2O:0.05TMA2O:1.0Al2O3:0.8P2O5:0.6SiO2:50H2O 最後に36.6gのNH4Yゼオライトを加えて充分に混合し
た。この反応混合物を撹拌機付きの内容積0.6のステ
ンレス鋼の圧力反応器中に装入して撹拌しながら200℃
に1時間加熱し、そして200℃において5時間保つた。
固形物を遠心分離によつて回収し、水洗し、100℃にお
いて乾燥し、そして室温において50%の湿分含有量に再
び含湿させた。この回収された生成物の重量は77.2gで
あつた。このものゝ化学組成はAl2O326.4重量%、P2O52
0.5重量%、SiO224.7重量%、C9.3重量%、N2.7重量
%、及び赤熱減27.4重量%であることが見出され、これ
は(Al0.4250.237Si0.338)O2の化学組成(焼した
無水物基準)に相当するものであつた。
この固形物をX線分析し、そのX線粉末回折パターンは
充分に結晶化されたSAPO−37のY−ゼオライト複合物と
一致した。
次に本発明の実施態様を総括して示す。この場合請求項
は態様項と読み替えることとする。
(1) 油を分子篩触媒の存在のもとに熱的処理によつ
て流動接触クラツキングする方法において、 この方法の触媒として、このものゝ他方の成分相として
の異つたフオジヤサイト型結晶性微孔質分子篩との隣接
的関係において、この触媒の一方の相としての酸性NZMS
−37分子篩の結晶性微孔質多成分多相複合物を使用する
こと及びこの複合物はその中の一つの相が他の相に対し
て組成的に明確な不均質性を有していること よりなる改良。
(2) 結晶性の微孔質多成分多相複合物を含む流動接
触クラツキング用触媒において、このものゝ中の各相と
して異つた無機性の結晶性微孔質分子篩組成物を含み、
その際少なくとも一つ以上の相がもう一つの相の存在の
もとでの結晶成長によつて成長しており、その際 (イ)各異つた相は隣接していて共通の結晶骨格構造を
有し、 (ロ)少なくとも1つの相は酸性NZMS−37組成構造であ
り、そしてその構造は骨格構造中にアルミニウム及び燐
並びに4以下の原子価を有する他の元素を含有し、そし
て (ハ)その複合物はその中のもう一方の相に対する一つ
の相の組成的に明確な不均等性を有している ことよりなる、流動接触クラツキング用触媒。
(3) 上記請求項2の複合物よりなる、成形された流
動接触クラツキング触媒。
(4) 上記請求項3の複合物よりなる、スプレー乾燥
された流動接触クラツキング触媒。
(5) 多成分多相複合物よりなる流動接触クラツキン
グ触媒において、このものの各相として異つた無機性の
結晶性微孔質分子篩組成物を含み、その際少なくとも1
つの相が或る析出基材よりなり、その上に他の相が外側
層として析出しているか、又は複数の相が一緒に形成さ
れており、その際 (イ)それら各異つた相は隣接しており、そして共通の
結晶骨格構造を有し、 (ロ)少なくとも1つの相は酸性NZMS−37の組成構造の
ものであつて、これは 骨格構造中にアルミニウム及び燐並びに4以下の原子価
を有する他の元素を含有し、そして (ハ)その析出基材よりなるかまたはこの析出基材を構
成する一緒に形成されたいくつかの相の一つは前記複合
物を構成するそれぞれの相の合計重量の少なくとも約20
重量%を占める ことよりなる、流動接触クラツキング用触媒。
(6) その複合物が粒状構造であり、その際結晶性微
孔質フオジヤサイト型分子篩がその析出基材を構成し、
そして酸性NZMS−37が外側層をなしている、請求項5記
載の触媒。
(7) クラツキング反応に対して比較的不活性であつ
てその触媒への拡散到達性を与えるような母材物質中に
複合物が埋め込まれている、請求項6記載の触媒。
(8) 他方の成分相としての異つたフオジヤサイト型
微孔質結晶性分子篩との隣接的関係においてそのものゝ
一方の相としてSAPO−37の結晶性微孔質多成分多相複合
物を含み、そしてこの複合物がその中の他方の相に対す
る一方の相の組成的な明確な不均質性を有している、流
動接触クラツキング用触媒。
(9) クラツキング反応に対して比較的不活性であつ
てその触媒への拡散到達性をもたらすような母材物質の
中に複合物が埋め込まれている、請求項8記載の触媒。
(10) NZMS−37がSAPO−37であつて少なくとも下記の
ようなα−間隔を含む特性的X線粉末回折パターンを有
している請求項2記載の触媒。θ 相対強度 6.1−6.3 14.49−14.03 vs 15.5−15.7 5.72−5.64 w−m 18.5−18.8 4.80−4.72 w−m 23.5−23.7 3.79−3.75 w−m 26.9−27.1 3.31−3.29 w−m (11) 他方の成分相としての異つたフオジヤサイト型
の微孔質結晶性分子篩との接触的関係において一方の相
としてSAPO−37の結晶性微孔質多成分多相複合物を含む
流動接触クラツキング用触媒を製造するに当り、SAPO−
37の水熱反応による結晶化に際して異つた微孔質フオジ
ヤサイト型結晶性分子篩を使用し、そしてこのものゝ上
にSAPO−37の水熱反応による結晶化を行わせることより
なる、上記触媒の製造方法。
(12) 異つた微孔質フオジヤサイト型結晶性分子篩の
表面の上にSAPO−37相を析出させ、このSAPO−37の水熱
反応による結晶化をその上で行わせ、この複合物の粒子
を形成し、そしてそれら粒子をスプレー乾燥することよ
りなる、請求項11記載の方法。
(13) SAPO−37の中に存在するテンプレートの少なく
とも一部を取り除いて開放した微孔質網状組織をその中
に作り出す、請求項12記載の方法。
(14) 上記テンプレートがスプレー乾燥に先立つて除
去される、請求項13記載の方法。
(15) 異なつた微孔質フオジヤサイト型結晶性分子篩
がゼオライトである、請求項2記載の触媒。
(16) ゼオライトがY−型のものである、請求項15記
載の触媒。
(17) Y−型ゼオライトが蒸気安定化されたY、アン
モニウムY、活性化されたアンモニウムY又は焼され
た稀土類Y型である、請求項16記載の触媒。
(18) 上記Y−型ゼオライトが超安定Y型のものであ
る、請求項16記載の触媒。
(19) 異なつた微孔質フオジヤサイト型結晶性分子篩
が析出基材であつてその複合物の内部芯であり、そして
酸性NZMS−37が外側層であつてこの複合剤の内部芯を包
んでいる、請求項2記載の触媒。
(20) 析出基材が下記の群、すなわち蒸気安定化Y、
NH4Y、活性化されたNH4Y、CaNH4Y、MgNH4Y、稀土類NH
4Y、X、MgX、CaX、稀土類X、LZ−10、LZ−210、酸洗
したLZ−210、CoAPSO−37、MAPSO−37、MnAPSO−37、Zn
APSO−37、AsAPO−37、BeAPO−37、BAPO−37、CrAPSO−
37、GaAPO−37、LiAPO−37、VAPO−37、AsAPSO−37、Be
APSO−37、BAPSO−37、CrAPSO−37、GaOPSO−37、LiAPS
O−37及びVAPSO−37よりなる群から選ばれる一種であ
る、請求項19記載の触媒。
(21) 析出基材が外側層よりも低い酸性度を有してい
る、請求項19記載の触媒。
【図面の簡単な説明】
添付の第1図ないし第5図は本発明に従う触媒の術来技
術の触媒に対する触媒性能をそれぞれガソリン選択率、
ガス形成量、コークス形成量、芳香族化合物形成量及び
ナフテン系並びにオレフイン系化合物形成量について比
較したグラフである。
フロントページの続き (72)発明者 ジユール、アンソニー、ラボ アメリカ合衆国、ニユーヨーク州、10504、 アーモンク、ウインドミル・ロード 19番 (56)参考文献 特開 昭63−35412(JP,A)

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】油を分子篩触媒の存在のもとに熱的処理に
    よつて流動接触クラツキングする方法において、 この方法の触媒として、このものゝ他方の成分相として
    の異つたフオジヤサイト型結晶性微孔質分子篩との隣接
    的関係において、この触媒の一方の相としての酸性NZMS
    −37分子篩の結晶性微孔質多成分多相複合物を使用する
    こと及びこの複合物はその中の一つの相が他の相に対し
    て組成的に明確な不均質性を有していること よりなる改良。
  2. 【請求項2】結晶性の微孔質多成分多相複合物を含む流
    動接触クラツキング用触媒において、このものゝ中の各
    相として異つた無機性の結晶性微孔質分子篩組成物を含
    み、その際少なくとも一つ以上の相がもう一つの相の存
    在のもとでの結晶成長によつて成長しており、その際 (イ)各異つた相は隣接していて共通の結晶骨格構造を
    有し、 (ロ)少なくとも1つの相は酸性NZMS−37組成構造であ
    り、そしてその構造は骨格構造中にアルミニウム及び燐
    並びに4以下の原子価を有する他の元素を含有し、そし
    て (ハ)その複合物はその中のもう一方の相に対する一つ
    の相の組成的に明確な不均等性を有している ことよりなる、流動接触クラツキング用触媒。
  3. 【請求項3】上記請求項2の複合物よりなる、成形され
    た流動接触クラツキング触媒。
  4. 【請求項4】上記請求項3の複合物よりなる、スプレー
    乾燥された流動接触クラツキング触媒。
  5. 【請求項5】多成分多相複合物よりなる流動接触クラツ
    キング触媒において、このものの各相として異つた無機
    性の結晶性微孔質分子篩組成物を含み、その際少なくと
    も1つの相が或る析出基材よりなり、その上に他の相が
    外側層として析出しているか、又は複数の相が一緒に形
    成されており、その際 (イ)それら各異つた相は隣接しており、そして共通の
    結晶骨格構造を有し、 (ロ)少なくとも1つの相は酸性NZMS−37の組成構造の
    ものであって、これは 骨格構造中にアルミニウム及び燐並びに4以下の原子価
    を有する他の元素を含有し、そして (ハ)その析出基材よりなるかまたはこの析出基材を構
    成する一緒に形成されたいくつかの相の一つは前記複合
    物を構成するそれぞれの相の合計重量の少なくとも約20
    重量%を占める ことよりなる、流動接触クラツキング用触媒。
  6. 【請求項6】他方の成分相としての異つたフオジヤサイ
    ト型微孔質結晶性分子篩との隣接的関係においてそのも
    のゝ一方の相としてSAPO−37の結晶性微孔質多成分多相
    複合物を含み、そしてこの複合物がその中の他方の相に
    対する一方の相の組成的な明確な不均質性を有してい
    る、流動接触クラツキング用触媒。
  7. 【請求項7】他方の成分相としての異つたフオジヤサイ
    ト型の微孔質結晶性分子篩との接触的関係において一方
    の相としてSAPO−37の結晶性微孔質多成分多相複合物を
    含む流動接触クラツキング用触媒を製造するに当り、SA
    PO−37の水熱反応による結晶化に際して異つた微孔質フ
    オジヤサイト型結晶性分子篩を使用し、そしてこのもの
    ゝ上にSAPO−37の水熱反応による結晶化を行わせること
    よりなる、上記触媒の製造方法。
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