JPH0676203B2 - 微孔性結晶複合組成物及びその製造方法 - Google Patents

微孔性結晶複合組成物及びその製造方法

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JPH0676203B2 JP30109988A JP30109988A JPH0676203B2 JP H0676203 B2 JPH0676203 B2 JP H0676203B2 JP 30109988 A JP30109988 A JP 30109988A JP 30109988 A JP30109988 A JP 30109988A JP H0676203 B2 JPH0676203 B2 JP H0676203B2
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【発明の詳細な説明】 発明の簡約 本発明は相として異種の無機結晶性組成物、好ましくは
モレキユラーシーブ組成物より成り、この場合、少なく
とも1相は別の相の存在下に結晶の成長により成長する
ものである多成分多相複合物に関し、ここに (a)異なる相は隣接しており、かつ共通の結晶骨組構
造を有し; (b)一つの相は結晶骨組構造の一部としてリン及びア
ルミニウムを含有し; (c)複合物は該複合物中の別の相に対して一つの相の
明瞭な組成不均質性を示す。
また本発明は複合構造物を製造方法、特に別の相の存在
下における水熱結晶による該方法にも関する。
本発明の複合物は、同一の組成及び相構造を有するモレ
キユラーシーブと、そして一般的にモレキユラーシーブ
と比較した場合に独特な性能特性を有する。本発明の複
合物は触媒として独特な相乗的機能を示す。
発明の背景 先行技術 不均一系触媒においてはくねり(tortuous)分散として
特徴づけられる現象が存在する。その現象は固体不均一
系触媒の多孔網状構造における気体又は液体の反応物及
び生成物の通過を包含する。くねり分散は、触媒床にお
ける反応物及び反応生成物の定められた滞留時間よりも
長い時間にわたる、気体又は液体の反応物及び生成物と
多孔網状構造中の触媒剤との接触を意図するものであ
る。触媒内における反応物及び反応生成物の接触時間の
長さは多孔度の複雑さ及び細孔の大きさに関係する。大
きな表面積を有する触媒は実質的な多孔度を提供し、か
つ反応物及び反応生成物は計算された滞留時間よりも比
較的に長い滞留時間を有する。もし反応物及び/又は反
応生成物が上記の時間の経過と共に望ましくない生成物
を発生することがあれば反応効率のかなり低下が生ずる
であろう。くねり分散の悪影響を回避する一つの方法は
小さな表面積を有する触媒、すなわち比較的に少数の細
孔を有し、しかも該細孔の有意数のものが大きいもので
ある固体触媒を作り出すことである。しかしながらこれ
はすべての触媒について効果的に行うことはできない。
若干の触媒は効果的であること、又は低表面積構造とし
て存在することができない。
本明細書においては、不変の結晶性微孔構造を有する非
ゼオライト系モレキュラーシーブ触媒の特別の部類によ
り、くねり分散系数を調節するための根拠を与える新規
な触媒構造を記載する。
最近、新規な結晶性微孔モレキュラーシーブ酸化物の同
族体が特許され、又は提出されており(特許出願の出願
により)(下記表A参照)、それらは結晶構造の骨格中
におけるアルミニウム及びリンの存在に基づくものであ
る。これらのモレキュラーシーブはアルミノシリケート
ではないので、実際的にはゼオライトではなく多くのも
のが公知のゼオライトに比較して新規な結晶構造を有
し、一方において他のものは位相幾何学的に或る種のゼ
オライトに匹敵する骨格構造を有する。
ここにゼオライトは、Amer.Mineral Soc.Spec.Paper(1
963).1.281におけるJ.V.Smithによれば「ゼオライトは
大きなイオンと水分子とにより占められているキヤビテ
ィーを取り囲んでいる骨格構造を有するアルミノシリケ
ートであり、該大きなイオンと水分子とは、その両方が
かなりの運動の自由度を有し、イオン交換及び可逆脱水
ができるものである。」[米国ワシントンD.C.,America
n Chemical Society発行、J.Rabo著、Zeolite Chemistr
y and Catalysis.ASCモノグラフ171、1979年、第1章、
第3頁(J.V.Smith)参照]。
本明細書においては便宜上前記モレキュラーシーブを
「非ゼオライト系モレキュラーシーブ」の同族体の一員
として特徴づけており、該同族体は一般的に頭字語「NZ
MS」により表わす。或る種のNZMSを範囲内とする特許及
び特許出願の表、ならびにそれらの主題事項についての
記載を下記表Aに示す。これら新同族体の製造手順は本
発明の実施に採用される。
本発明に対するこのNZMSの新同族体の重要性の故に、こ
れらの物質の名称に関して第7回International Zeolit
e ConferenceのNew Development in Zeolite Science a
nd Tehcnology会報において公表され、Y.Murakami.A.Ii
jima及びJ.W.Wardにより編集されたAIuminophosphate M
olecular Sieves and the Periodic Tableの表題のFlan
igenらの論文を引用することが適当である。
該物質は任意の与えられた構造のカチオン骨格部位に含
有される元素を基準にして二元(2)、三元(3)、四
元(4)五元(5)及び六元(6)の各組成物に分類さ
れる。標準化されたTO2式は組成物(ElxAlyPz)O2(式
中Elは組み入れられた元素であり、x、y及びzは組成
物中におけるそれぞれの元素のモル分率である)中の骨
格元素の相対濃度を表わす。骨格組成を示す頭字語、例
えばSAPO=(i,l,O 2組成物を表1に示す。構造
の型は組成物的な頭字語の後に続く整数によって示さ
れ、例えばSAPO−5は第五の型の構造を有する(Si,Al,
P)O2組成物である。構造の型の番号づけは独断的であ
り、従来文献に使用されている構造番号、例えばZMS−
5とは無関係であり、アルミノホスフェートをベースと
するモレキュラーシーブにおいて見出される構造を確認
するのみである。
上記命名法によって本発明の組成物の個々の相の製造法
が特徴づけられる。例えば、もし相がSAPO−37の製造手
順によって製造されるならば該相はSAPO−37として特徴
づけられ;もし相がSAPO−31の製造手順によって製造さ
れるならば該相はSAPO−31として特徴づけられ、以下同
様である。
ゼオライト系モレキュラーシーブの相対酸度は希(2モ
ル%)n−ブタン クラッキング中におけるそれらモレ
キュラーシーブの性能によって特徴づけられる。(Rast
elliらのThe Canadian Journal of Chemical Engineeri
ng60、第44〜49頁、1982年2月号参照)これはモレキュ
ラーシーブのNZMS部類に対して真実である。(LokらのJ
ournal of the American Chemical Society、1984年、10
6、第6092〜6093頁参照)。本明細書及び特許請求の範
囲においてモレキュラーシーブの酸性度について言及す
る場合、該酸性度の特徴づけは、上記Rastelliらによる
前述の希n−ブタン クラッキング性能によって定めら
れるように物質のKAに関する。広義に言えば酸性度は一
般的に酸触媒による触媒反応における活性度を意味す
る。
表A及び前記Flanigenらの論文に記載されるモレキュラ
ーシーブは他のモレキュラーシーブ類、特にゼオライト
系モレキュラーシーブに見出されるものとは異なる独特
の触媒的及び吸着剤的な能力を示す、それらモレキュラ
ーシーブは広い範囲の活性を有する。大ていの場合に該
モレキュラーシーブは熱的性質及び水熱的性質について
非常に望ましく、かつすぐれた安定性を有する。
下記表Aの第8欄、第10〜16行に記載の特許明細書の一
つである米国特許第4,440,871号明細書は下記のように
述べている: SAPO組成物の合成に対てし必須ではないけれど、一般的
に反応混合物のかくはん又はその他の適度なかきまぜ及
び/又は生成すべきSAPO種又は位相幾何学的に類似のア
ルミノホスフェート組成物もしくはアルミノシリケート
組成物による種づけ(Seeding)は結晶化手順を容易に
することがわかった。
下記表Aに引用される他の特許明細書及び特許出願明細
書において類似の語句が見出される(表Aにおけるこの
点に関する注釈を参照のこと)。表Aに引用される特許
及び特許出願の各明細書における実施例が特に参照さ
れ、そこにおいては種づけが特に採用されている。表A
における多くの特許及び特許出願の各明細書が、モレキ
ュラーシーブの製造におけるアルミニウム及び/又はリ
ンの原料としてのアルミニウム含有モレキュラーシーブ
及びリン含有モレキュラーシーブの使用を検討し、かつ
開示している。複合物の形成、又は相が互に識別可能で
あり、かつ組成物に不均質である多組成的多相組成物の
形成について言及した表Aの特許明細書及び特許出願明
細書は一つもない。
1984年1月24日に特許された米国特許第4,427,577号明
細書及び1984年11月13日に特許された米国特許第4,482,
774号明細書は、「改質シリカと実質的に同一の結晶構
造を有するシリカ中心核」を被覆している「結晶性改質
シリカ」の「触媒組成物」及び該触媒を使用する「炭化
水素転換」法について記載している。該シリカ中心核
は、わずかに少数の酸部位のみを有し、すなわち被覆す
る改質シリカと対称的に殆んど触媒的に活性でないシリ
カ多形体(Polymorph)であることができる。「改質シ
リカ………はゼオライトであり」、かつ改質元素Al,B,G
a,Cr,Fe,V,Ti,Be,As,又はそれらの組合せを含有する。
好ましい改質シリカゼオライトはアルミノシリケート、
ボロシリケート又はガロシリケートである。実施例の全
構造物は中心核材料の結晶構造を示し、X線回折パター
ンはZSM−5の線の特徴を示した。該特許明細書には複
合物の組成が不均質であることを示す分析は示されてい
なかった。該特許の特許権者は「得られた複合ゼオライ
ト触媒は酸触媒による炭化水素転換において改質シリカ
ゼオライト単独又はシリカ単独と比較して利点を示すこ
とがわかった」ということを注釈している。米国特許第
4,394,251号、及び同第4,394,362号明細書は同一の技術
に関すと思われる。
米国特許第4,427,577号明細書は1種の結晶構造、すな
わちZSM−5のX線回折パターンを有する複合物のみの
製造法を示し、該特許組成物の製法及び範囲の限定され
た適用性を示唆した。このような示唆された限定は、中
心核に対して好適であるか又は好適であることのできる
当業界に公知の限定された入手可能なシリカ多形体にも
基づく。すなわち、上記特許明細書によって実施される
ような複合物の形成は、より大きい範囲の技術について
予言することのできなかった比較的に狭い技術である。
1968年2月13日に特許された米国特許第3,368,981号明
細書は無定形支持体上への結晶性アルミノシリケートの
析出について記載している。1969年9月23日に特許され
た米国特許第3,468,815号明細書においてはアルミナの
存在下に結晶性アルミノシリケートを形成し、該組合せ
を支持体上に提供している。1970年8月4日に特許され
た米国特許第3,523,092号明細書は不活性支持物質上へ
の結晶性アルミノシリケートの析出に関する。該不活性
支持物質は典型的には無定形構造である。1974年5月14
日に特許された米国特許第3,810,845号は、例えば脱活
したクラッキング用触媒上にアルミノシリケートを析出
させることにより製造された担持されたゼオライト触媒
に関する。
1980年5月20日に特許された米国特許第4,203,869号及
び1978年5月9日に特許された米国特許第4,088,605号
各明細書は外殻が同一結晶構造を有する「アルミニウム
を含有しないSiO2の外殻を有する結晶性アルミノシリケ
ート ゼオライト」を特許請求し、かつアルミノシリケ
ートの製造を開始し、次いで操作中にアルミニウムを見
掛(apparent)Al金属封鎖剤によって置き換えるか、又
は除去し、そして内部中心核上に結晶成長を継続させる
ことを記載している。内部の全体的結晶構造特性が形成
されたと主張されている。1980年9月16日に特許された
米国特許第4,222,896号及び1980年10月14日に特許され
た米国特許第4,428,036号各明細書は無定形マグネシア
−アルミナ−アルミニウム リン酸塩マトリクス中にゼ
オライトを複合させている。1984年6月12日に特許され
た米国特許第4,454,241号明細書は触媒を含有し、部分
的にカチオン交換され、か焼されたゼオライトのリン酸
二水素アニオン又は亜リン酸二水素アニオンによる処理
を開示している。リンが触媒と複合していると主張して
いるけれど、その意味について何も述べていない。
1986年8月12日に特許された米国特許第4,605,637号明
細書はZMS−5のようなゼオライトとAlPO4−5のような
AlPO4との密な微粒混合物を製造し、該混合物を水熱処
理に供している。該処理によって該混合物はより一層触
媒的に活性になった。1985年4月17日に出願したヨーロ
ッパ特許公告0161818号明細書はAlPO4−5とシリカを含
有する苛性溶液とを混合し、次いでか焼することを記載
している。該特許出願明細書はリン酸アルミニウム格子
構造中に金属酸化物を直接に混入することを理論づけて
いる。
1985年4月23日出願の米国特許第4,512,875号明細書は
或る種の炭素水素破砕化合物(carbon hydrogen fragme
ntation compound)を含有する原油供給物を転化させる
ための炭化水素クラッキング操作に対する慣用のゼオラ
イト触媒と組み合わせた非ゼオライトAlPO4、シリカラ
イト(silicalite)及びSAPOの使用を記載している。
1984年11月27日出願の同時係属米国特許出願通番675,28
3号明細書は原油供給原料をクラッキングするための触
媒としてのSAPOモレキュラーシーブの使用に関する。19
84年11月27日出願の同時係属米国特許出願通番第675,27
9号明細書は枝分れオレフィン対直鎖オレフィンの比、
及びイソパラフィン対ノルマルパラフィンの比を増加さ
せることによりガソリンのオクタン価を高めるための触
媒としてのゼオライト系アルミノシリケート モレキュ
ラーシーブと組み合わせたSAPOモレキュラーシーブの混
合物の使用に関する。1984年12月18日出願の同時係属米
国特許出願通番第682,946号明細書はSAPOモレキュラー
シーブと、水素化触媒と、随意には1種又はそれ以上の
伝統的な水素化分解用触媒との混合物の使用について記
載している。上記伝統的水素化分解用触媒に包含される
ものは慣用のゼオライト系アルミノシリケートである。
1984年12月18日出願の同時係属米国特許出願通番第683,
246号明細書は接触脱ろう(catalyticdewaxing)法及び
水素化脱ろう(hydrodewaxing)法に関し、かつSAPOモ
レキュラーシーブ触媒と混合されたゼオライト系アルミ
ノシリケートを含有する伝統的な脱隴触媒を使用してい
る。これら同時係属出願明細書の混合触媒は伝統的なゼ
オライト触媒に優る利点を与える。
発明の要約 本発明は、複合物の相として異種の無機微孔性結晶組成
物、好ましくはモレキユラーシーブ組成物を包含して成
り、この場合少なくとも一つの相は別の相の存在下に結
晶の成長と共に成長するものであり、ここに (a)異なる相は隣接しており、かつ共通の結晶骨組構
造を有し、 (b)少なくとも1相は触媒骨組構造の一部としてリン
及びアルミニウムを含有し、そして (c)複合物は該複合物中のもう一つの相に対して一つ
の相の組成における明瞭な組成物不均質性を示す。
発明は複合物の相として、異種の無機微孔結晶複合物、
好ましくはモレキユラーシーブ組成物の少なくとも50重
量%更に好ましくは少なくとも75重量%、最も好ましく
は少なくとも95重量%最も望ましくは(及び通常には)
100重量%を含有する微粒組成物に関し、この場合少な
くとも一つの相は別の相の存在下に結晶の成長により成
長するものであり、ここに (a)異なる相は隣接しており、かつ通常の結晶骨組構
造を有し、 (b)少なくとも1相は結晶骨組構造の一部としてリン
及びアルミニウムを含有し、そして (c)複合物はもう一つの相に対して一つの相の組成物
における明瞭な組成的不均質性を示し; 該組成物の残りは、該複合物の製造から誘導されるもの
として、該複合物の1個又はそれ以上の相の組成物及び
骨組構造を有するものであるモレキユラーシーブから全
体的に製造される独立した粒子を包含して成る。
本発明はもう一つの面において、複合物の相として異種
の無機微孔結晶組成物、好ましくはモレキユラーシーブ
組成物を包含し、この場合少なくとも一相は上面に外相
として別の相が析出しているか、又は同時に形成された
多相〔微分結晶(differencial crystallization)によ
るような〕が存在する析出基材を包含し、ここに (a)異なる相は隣接しており、且つ通常の結晶骨組構
造を有し、 (b)少なくとも1相は結晶骨組構造の一部としてリン
及びアルミニウムを含有し、そして (c)析出基材又は同時に形成されて析出基材を形成す
る相の一つは該複合物を形成する相の全重量の少なくと
も約20重量%を含有する。
また本発明は多相組成物の製造方法にも関し、該多相の
少なくとも2相は異種の無機結晶組成物、好ましくはモ
レキユラーシーブ組成物であつて隣接して整列し、かつ
共通の結晶骨組構造の一部としてリン原子及びアルミニ
ウム原子を含有するものである。これらの方法は(a)
類似の結晶位相幾何学を有するもう一つの上記の相の結
晶を包含する析出基材の存在下に結晶構造の一部として
リン原子及びアルミニウム原子を含有する一つの上記層
を構成する結晶構造の成長、(b)結晶構造の一部とし
てリン原子及びアルミニウム原子を含有するもう一つの
上記相と類似の位相幾何学を有する結晶を包含する析出
基材の存在下に一つの上記の相を構成する結晶構造の成
長、又は(c)結晶構造の一部としてリン原子及びアル
ミニウム原子を含有する一つの上記相を構成する類似の
位相幾何学を有する結晶の同時成長(微分結晶によるよ
うな)によつて一つの相は別の相に対する析出基材を構
成する。ここに(a)、(b)及び(c)のそれぞれの
場合、析出基材は相の全重量の少なくとも約20重量%の
量において存在する。複合物の結晶構造の成長は、微粒
組成物が得られ、該組成物は少なくとも約50重量%、更
に好ましくは少なくとも75重量%、最も好ましくは少な
くとも95重量%、そして最も望ましくは(及び通常に
は)100%の多組成多相複合物を含有し、そしてすべて
の残余分は粒子であり、それらの粒子のそれぞれは複合
物の相を構成するモレキユラーシーブにより全体的に製
造される。
本発明の複合物は先行技術の処方及び手順を使用して複
合物の種々の相を形成させるけれど、このようなことは
各相が当業界に公知の組成物と等価の組成物の相である
ことを示すものではない。本発明の複合物から製造され
る触媒の独特の活性の故に、相を複合化する作用がそれ
らの組成を若干変化させ、したがつて各相が新規な組成
物を構成することと思われる。該複合物の組成は公知組
成物の凝集物又は混合物ではない。このことは相の組成
物及び構造が先行技術の範囲外であるというのではな
い。相の結晶構造ではなく組成は先行技術において例証
される特定の組成に関して新規であると思われる。
したがつて本発明の種々の相及び複合物は当業界におけ
る新規な組成的改良を構成する。
発明の詳細 複合物を構成する個々のモレキユラーシーブを製造する
ための当業界に公知の手順の組合せから誘導される本発
明の複合物は下記の利点の一つ又はそれ以上を有するこ
とができる: ・より大きな吸着剤及び触媒的選択性 ・より大きな吸着剤及び触媒活性 ・より優れた熱的及び水熱的安定性 ・水熱処理を行うための長期露出後の活性の、より優れ
た保持 ・触媒反応中の煮沸に対する増大された安定性 ・より低い原料費 ・有意のコスト/性能利点。
本発明の複合物は単独で使用された場合に該複合物を構
成する個々の成分から誘導されることのできるものより
もより大きな利点を提供する。このようなことが問題で
ないならば複合物を製造する理由はない。なぜならば複
合物の製造により実質的製造コストが増加するからであ
る。本発明を考察する最も実際的方法において、本発明
の複合物は、製造コストがその使用を妨げない限り単独
又は混合物の状態における該複合物の任意の成分よりも
より大きな利益を与えなければならない。
本発明は表Aにおいて種類を特徴づけたモレキユラーシ
ーブが表Aのモレキユラーシーブを含めて、別の構造的
に融和性の無機物質と積分格子会合(integral lattice
association)している複合物に関する。
ここに本発明の複合物の積分格子会合(すなわちエピタ
キシャル配列)は該複合物を構成する相間の直接的化学
的結合を包含すると思われる。
本発明の複合物は実質的に単一の微孔結晶構造である。
該複合物は無定形又は異種の結晶物質と更に複合するこ
とができ、かつこのようなものもまた本発明の一部であ
るけれど該微孔性結晶複合物は、「結晶性」の用語が当
業界に理解されているように、そして更に下記で論ずる
ように「結晶性」であり、かつ一体化された結晶構造を
構成する。本発明の結晶複合物は多相を包含し、該相の
少なくとも1相は問題の相の結晶骨組構造の一部として
のアルミニウム及びリンを含有するNZMSである。このこ
とは組成の見地から該相の結晶骨組中に単位構造 が存在し得ることを意味する。
本発明のもう一つの見地から複合物の種々の相は、相の
結晶構造が、たとえ複合物が不均質化学組成を有すると
しても通常の単一結晶構造を生ずるように、別の相から
一つの結晶相の成長により互に積分的に結合しているこ
とがわかる。相は別の相から結晶学的に区別が困難であ
る。上記のように複合物の相は互に積分格子会合状態に
ある。相は互に直接化学結合により結合していると思わ
れる。本発明の複合物の相は、該相の結晶学的特徴づ
け、及び本発明の複合物における相のエピタキシヤル関
係を満足させることのできない、第三成分により生じた
接着力によつて互に結合している簡単なブレンド又は物
理的混合物ではない。最も好ましい実施態様において本
発明の複合物は外殻によつて包まれている核粒子を包含
し、この場合核及び外殻は互に接近して整列している異
相を構成し、しかもそれらの骨組構造は材料結晶学用語
において同一である。
結晶モレキユラーシーブはゼオライト製又は多様なNZMS
製のいずれであつても平均断面積において約0.1ミクロ
ン(0.4×10-5インチ)から約75ミクロン(0.003イン
チ)まで、通常には0.1〜10ミクロンの間の範囲にわた
る小結晶として形成される。任意の特定のモレキユラー
シーブに対する粒径の範囲は平均断面積において約10ミ
クロンである。結晶モレキユラーシーブは球状ではな
く、大部分の結晶の種類において規則型構造から不規則
型構造までの範囲にわたることができる。多くの場合に
結晶のアグロメレーシヨンの部分として形成される。
生成される結晶構造と共通の結晶構造を有する種づけ
(seeding)化合物をモレキュラーシーブ触媒を成長さ
せるために、成分のゲル中に混入することによりモレキ
ュラーシーブを製造することは当業界に周知である。典
型的には種の量は該モレキュラーシーブの無機酸化物成
分の10重量%までの範囲にわたる(例えば米国特許第4,
440,871号明細書の実施例51及び53参照)。このような
場合、次のことがわかる: ・種子(seed)は構造の特有の特色として特徴づけられ
ない。
・種づけ(seeding)技術によって製造された組成物の
特徴づけは該種子触媒の性質寄与をなんら示していな
い。
・種づけ技術は典型的には結晶の形成を容易にするため
と示されている。
種子触媒はゲルの濃度によって圧倒されるので最終のモ
レキュラーシーブは種子の使用によって性質が影響され
ないと推測される。該種子組成物は本発明の複合物の多
数の有用な(そして或る場合には独特な)性質を有する
とは思われない。
そのほか、多数の参考文献が、アルミニウム及びリンを
含有するモレキュラーシーブの製造に当って、リン又は
アルミニウムの好適な原料として、結晶性構造又は無定
形構造のいずれかとしてのアルミノシリケートの使用に
ついて述べている。得られた組成物は均質構造であり、
この場合アルミノホスフェート試薬の熟成は十分に達成
されていると思われるということの見地から、種子とし
て作用するもの、又は生成したモレキュラーシーブの性
質に強く影響するもののいずれも存在しないということ
が推測される。
種づけの能力を有するアルミノホスフェートがゲル中に
溶解して、NZMS型のモレキュラーシーブを製造するため
のアルミニウム及びリンの原料となることができるとい
うことの、この認識により、多量の種子が溶解してNZMS
組成物に対して試薬を供給することができるので、少量
の種子により種づけの多くを達成することができるとい
うことが立証される。種づけの利益が種子の微粒形状の
保持に関係するということは立証されていない。種づけ
及び試薬としてアルミノホスフェートの使用についての
開示を下記表Aに引用される特許明細書に見出すことが
できる。
種づけにはモレキュラーシーブの製造のコストを高くす
る。種づけは結晶の核化における誘導期間を短縮し、こ
れはコストを減縮させるけれど、製造工程が同様な核化
誘導期間を有する、該種子の製造コストは前記利点より
有意に重要である。したがって種づけは典型的には、或
る種のモレキュラーシーブの製造を容易にするための実
験室的手段である。種づけはモレキュラーシーブの製造
に対するコストを増加させるので、典型的には該種子は
モレキュラーシーブの最終固形物含量の小部分を表わ
す。モレキュラーシーブの「固形物含量」の用語はか焼
シーブへの前駆物質のか焼後に残留する無機酸化物を表
わす。種づけは製造のゲル段階における核化に効果があ
る。核化がどのように作用するかは完全に理解されてい
ない。しかしながら、種づけは種子の少量を使用して行
なわれるので、しかも種子表面の若干量はゲル触媒によ
り溶解されるので、種づけされた粒子における種子の最
終部分は、種づけに使用された粒子の指示部分よりも有
意に少ない。種子は生成物利益ではなく操作利益に寄与
する。
先行技術による、もう一つのモレキュラーシーブの生成
のための種子としてのモレキュラーシーブの使用は同一
組成を有するけれど上記種子を使用することなく製造さ
れたモレキュラーシーブから区別することが可能である
として特徴づけられない生成物を生成することに注目す
ることは重要である。
触媒又は吸着剤としてのNZMSの多くの利点は該シーブ粒
子の外表面部分(外被)において達成される。NZMSが、
副生物を生成する不可逆二次反応が生ずる化学反応にお
ける触媒として使用される場合に多くの一次反応が外側
の外被に生じ、多くの二次反応がモレキュラーシーブ粒
子の中心核領域において生ずる。この現象は大きな程度
において、モレキュラーシーブ粒子の中心核を通る吸着
質の該吸着質と触媒との接触を増加する、くねり分散の
結果であると思われる。この活性触媒相とのエクストラ
(extra)接触は望ましくない二次反応が促進される結
果をもたらす。
化学反応の効率又は選択性は、不可逆な(反応に関連し
て)二次反応生成物の生成を回避し、又は最小化しつつ
一次反応生成物を生成させる触媒の能力によって測定さ
れる。これに関連して二次反応生成物は反応の、望まし
くない副生物と思われることを評価すべきである。本発
明は有害な二次反応を最小化しつつ、一次反応生成物に
対する高められた効率、又は選択率を達成するNZMS触媒
を提供することを目的とする。
本発明は異なる部分における粒子内の吸着度又は触媒活
性及び/又は選択性において差異を有する吸着剤微粒複
合組成物を提供する。これは複合物の相組成の選択及び
複合物構造内におけるそれら相の配置の性質の選択によ
り達成される。もしも複合物の核が、それを取り巻く層
又は相よりも低活性である相から構成されているならば
核に対する反応物の曲りくねつた分散の反応生成物は、
全粒子が周囲層の組成物で構成されている場合よりも、
より少ない第二次反応生成物をもたらすであろう。すな
わち、より高い選択性が得られるのである。
本発明は多組成多相複合物内に、種々の相の組成的不均
質性が維持されるに十分な量の相の使用に関する。別の
相に対する析出基材として1相を使用する場合、析出基
材は複合物内の明瞭な相としての、その同一性を維持す
るような量において最終複合物中に存在しなくてはなら
ない。すなわち、複合物は、互に構造的に不均質性であ
るけれど互に位相的に融和性である相から構成されるこ
とが明らかである。このことは本発明を特徴づけるに当
つて、析出基材は組成物を構成する相の全重量の少なく
とも約20重量%を構成するということを示すと思われ
る。換言すれば「少なくとも約20重量%」の用語は複合
物中に存在する基材の量は複合物のその他の相に関して
別個の、かつ明瞭に区別される不均質な組成的同一性を
有するのに十分であることを意味する。
複合物中における他の相上への1相の析出の性質は別の
相の表面の直上における相の層の析出であると思われ
る。このような表現において本明細書では析出される層
を外層と称し、析出表面を提供する基材相を「析出基
材」と称する。この用語は複合物中に2以上の相が存在
しても適用される。
また本発明は (A)複合物の相として異なる無機結晶モレキユラーシ
ーブ組成物を包含し、この場合少なくとも1相は別の相
の存在下における結晶成長により成長するものである多
組成多相複合物であつて、ここに (a)該異なる相は互に隣接して整列し、しかも共通結
晶骨組構造を有し; (b)少なくとも1相は結晶の骨組構造の一部としてリ
ン原子及びアルミニウム原子を含有し; (c)複合物は該複合物内の別の相に対する1相の明瞭
に区別される組成的不均質性を示す、 ものである多組成多相複合物;及び (B)該多組成多相複合物(A)と隣接的に整列せず、
しかも共通の結晶骨組構造を共にしないけれど、該多組
成多相複合物(A)と結合している無機結晶組成物、又
は (C)多組成多相複合物(A)と結合している無定形組
成物、 を含有して成る不均質混合物をも包含する。
本発明の複合物は、該複合物を製造するに当つて使用さ
れる相のそれぞれの組成及び構造を実質的に有するモレ
キユラーシーブに対して、又はそのようなモレキユラー
シーブの物理的混合物に対して提案された種々の用途に
対する吸着剤及び触媒として典型的にすぐれている。そ
れら複合物は与えられた物質を吸着すること、又は与え
られた反応に対して触媒作用することについて、それら
の個々の相の片方又はそれらの個々の相の片方の物理的
混合物よりも通常にはより一層活性であり、かつ選択性
である。特に、本発明の触媒は、それらの触媒性能にお
いて、相のいずれか1相のみを含有する、比較可能な触
媒よりも少なくともより一層選択であるか、又はより一
層活性である。これは析出基材を包含する相が、複合物
を構成する相の全重量の少なくとも約50重量%に等しい
場合に真実である。
本発明のモレキユラーシーブ複合物は、該複合物を構成
するに当つて使用される相のそれぞれの組成及び構造を
実質的に有するモレキユラーシーブに対し、数個又は多
数の点において優れていることが注目される。性能にお
ける、この相乗作用により成分相によつて与えられる利
点を利用することができる。通常には成分相は他の成分
相の同一性質に対してすぐれた性質を有する。本発明の
複合物の場合、成分相の支配的な官能性は大ていの場合
において複合物の支配的官能性として支配的である。多
くの場合、特に重量対重量基準において比較した場合に
問題の複合物の性質は支配的な官能性を有するモレキユ
ラーシーブ構造によつて示される性質よりもより一層好
ましくさえもある。しかしながら、相乗的事態が典型的
な場合であることが期待されるけれど、この相乗作用が
行われない場合があることを予想することができる。
本発明の複合物は慣用のNZMSSにまさる利点を生ずる相
間における性能(複合物の触媒的活性又は吸収剤活性、
選択率又は効率、生成物収率、コスト効果、など)にお
いて差異を有する。この性能の差異は複合物の吸収性又
は触媒特性、及び該複合物の1相は吸収剤又は触媒とし
て、単独で、しかも複合物の成分としてではなく存在す
る場合の該複合物の相の最大の活性よりも、より大きな
吸収剤又は触媒としての活性を与える。そのことは本発
明の複合物が、複合物構造と無関係に存在する、複合物
における相を包含する任意の組成及び構造の、比較し得
る性能よりもより大きな、相中に潜在する性能を有する
ことを意味する。
上述の性能フアクターは典型的には吸収剤又は触媒とし
ての複合物の主要機能に関する。このことは下記により
説明することができる:SAPO−11及びAlPO4−11(SAPO−
11は外層であり、AlPO4−11は析出基材である)の複合
物の相の性能特性は下記に特定的に記載されるように複
合物の活性がFCC法におけるオクタン伝爆触媒としてよ
り一層活性である場合に立証される。このことは複合物
を、活性又は選択性における差異に対するFCC試験にお
いて、比較可能な触媒構造におけるSAPO−11自体及びAl
PO4−11に対して比較することにより定めることができ
る。優れた性能に対する要求は本発明の複合物に対する
すべての単独使用についてのみ存在する。この優れた性
能が、なにかの点において欠けている場合、一般的にそ
れは複合物構造における相の一つが過多であつて、その
相が予期される強められた性能を達成しないことを意味
する。典型的に、このことは複合物の外層が複合物組成
の実質的にすべてを、80重量%以上のように包含する場
合に生ずる。
特に本発明の複合物モレキユラーシーブは:複合物を構
成する個々のモレキユラーシーブに関して優れている極
めて活性かつ選択性の酸化触媒;迅速な吸着及び脱着に
おける多くの化学薬品の選択的吸着;独特のガソリン選
択(FCC)触媒;オクタン伝爆触媒添加物、特に活性な
オレフインオリゴマー化触媒;改良バイメタル触媒;改
良フリーデルクラフツ触媒;高度に選択性の遊離基触
媒;活性なキシレン異性化触媒;高度に選択性の縮合反
応触媒;減少されたホツトスポツテイグ(hot spottin
g)を有する酸化触媒;長寿命流動床触媒;低コーキン
グFCC触媒;などを提供する。
本発明は多組成多相微孔質モレキユラーシーブの使用を
包含し、この場合に少なくとも1相は式: mR:(QwAlxPySiz)O2 〔式中、Qは電荷nを有する骨組酸化物単位▲QOn 2
(式中nは−3、−2、−1、0又は+1である)とし
て存在する少なくとも1種の元素を表わし;Rは結晶内細
孔系上に存在する少なくとも1種の有機テンプレート剤
を表わし;mは(QwAlxPySiz)O2の1モル当り存在するR
のモル量を表わし;そしてw、x、y及びzは骨組酸化
物単位として存在する▲QOn 2▼、▲Al- 2▼、▲PO+ 2▼、
SiO2のモル分率をそれぞれ表わす〕により示される無水
物基準の実験的化学組成に包含されるモレキユラーシー
ブを包含する。Qは四面体酸化物構造における約1.51Å
と約2.06Åとの間の平均T−O間隔を有する元素として
特徴づけられる。Qは約125キロカロリー/g原子と約310
キロカロリー/g原子との間のカチオン電気陰性度を有
し、かつQは298゜K(EL及びMの特徴づけについての前
記EPC特許出願第0159624号明細書第8a、8b及び8c頁にお
ける論議参照。これらは本明細書において使用されるQ
と等価である。)において約59キロカロリー/g原子より
大きいQ−O結合解離エネルギーを有する結晶三元酸化
物構造における安定なQ−O−P、Q−O−Al又はQ−
O−Q結合を形成することができ;そして前記モル分率
は下記の限定組成値又は組成点内にある: wは0〜98モル%に等しく; yは1〜99モル%に等しく; xは1〜99モル%に等しく;そして zは0〜98モル%に等しい。
式(I)のQAPSOモレキユラーシーブのQは骨組四面体
酸化物を形成し得る少なくとも1種の元素を表わすもの
として定義することができ、しかもヒ素、ベリリウム、
ホウ素、クロム、コバルト、ガリウム、ゲルマニウム、
鉄、リチウム、マグネシウム、マンガン、チタン、バナ
ジウム、及びZnの元素のうちの1種であることができ
る。本発明はQを表わすものとして元素の組合せを意図
し、かつ上記組合せがQAPSOの構造中に存在する程度ま
で、それらは1〜99%の範囲におけるQ成分のモル分率
において存在することができる。式(I)はQ及びSiの
不存在をも意図することに注意すべきである。このよう
な場合において作用構造(operative structure)は上
記に論じたようにAlPO4である。zが正の値を有する場
合は該作用構造は上記に論じたようにSAPOである。すな
わち用語QAPSOは元素Q及びS(実際にはSi)が存在す
ることを必然的に表わすものではない。Qが多種の元素
である場合は、存在する元素がここに意図される程度ま
で、該作用構造はここに論ずるようにELAPSO又はELAPO
又はMeAPO又はMeAPSOである。しかしながら、QAPSO類の
モレキユラーシーブが発生され、この場合Qが別の元素
又は元素類であろうという予想において、本発明の実施
に対する適当なモレキユラーシーブとして上記を包含す
ることを意図するものである。
QAPSO組成物及び構造の説明は下記表Aに説明した特許
及び特許出願の明細書及びFlange等による上掲「アルミ
ノホスフエート モレキユラーシーブ及び周期律表」と
題する文献に記載された種々の組成物及び構造である。
表E 特許または特許出願番号 米国特許4,567,029号 特許または特許出願の対象 MeAPO類はMO2 -2,AlO2 -およびPO2 +の四面体単位の三次元
微孔骨組構造を有し、式 mR:(MxAlyPz)O2[式中、Rはその結晶円細孔系に存在
する少なくとも一種類の有機鋳型剤を示し、mは代表的
には0〜0.3の値をとり、(MxAlyPz)O2の1モル当り存
在するRのモル数を表わし、Mはマグネシウム、マンガ
ン、亜鉛またはコバルトを示し、x,yおよびzはそれぞ
れ四面体オキシドとして存在するM、アルミニウムおよ
びリンのモル分率を表わす。〕によって表わされた無水
基準の実験化学組成を有する結晶質金属アルミノフォフ
ェートである。前記モル分率は、この特許の図面の第1
図の点ABCおよびDによって規定された四角形の組成領
域中に入るような値である。
この特許は、第6欄において、アルミノフォスフェート
類のリン源(26〜28行)およびアルミニウム源(38〜40
行)としての利用、ならびに所望のモレキュラーシーブ
の結晶化助剤として種晶を利用すること(59〜63行)を
記載している。実施例85はMnAPO−36製造用種晶としてM
APO−36を使用することを示している。MnAPO−36の化学
組成はマグネシウムが少しでも存在することを示しては
いない。
特許または特許出願番号 米国特許4,440,871号 特許または特許出願の対象 SAPO系モレキュラーシーブは一般的な種類の微孔結晶質
シリコアルミノフォスフェート類である。細孔は約3Å
を越える呼称径を有する。「実質的な実験式」はmR:(S
ixAlyPz)O2であり、式中、Rはその結晶内細孔系に存
在する少くなくとも一種類のテンプレート剤(有機鋳型
剤)を示し、mは代表的には0〜0.3の値をとり、(Six
AlyPz)O2の1モル当り存在するRのモル数を表わし、
x,yおよびzはそれぞれ四面体オキシドとして存在する
ケイ素、アルミニウムおよびリンのモル分率を表わす。
これらのモル分率はこの特許の図面の第1図の3成分系
図の点A,B,C,D及びEによって規定された五角形の組成
領域、好ましくは、この特許の図面の第2図の点a,b,c,
dおよびeによって規定された五角形の組成領域中に入
るような値である。SAPO系モレキュラーシーブはこの特
許の表I,III,V,VII,IX,XI,XIII,XV,XVII,XIX,XXI,XXIII
およびXXVのいずれかの一表に記載されたd−間隔を少
くなくとも有する特徴的なX線粉末回折パターンを有す
る。さらに、この特許の合成されたままの結晶質シリコ
アルミノフォスフェート類をそのような合成の結果とし
て結晶内細孔系中に存在する有機鋳型剤の少くなくとも
一部を除去するのに十分な温度でか()焼することも
出来る。これらのシリコアルミノフォスフェート類は、
この特許中で、「SAPO」または「SAPO-n」(nは、その
製造がこの特許中に記載されているような特定のSAPOを
示す整数である)として総称されている。
この特許はSAPO類を生成するために種晶を用いることを
第8欄、12〜16行において言及している。この技術は実
施例22,51および53に記載されている。
特許または特許出願番号 米国特許出願番号600,312号
(対応ヨーロッパ出願は出願公開番号0159624を以って
公開。) 特許または特許出願の対象 ELAPSO系モレキュラーシーブはその骨組構造中にELO2 n,
AlO2 -,PO2 +およびSiO2単位を有し、式mR:(ELwAlxPyS
iz)O2[式中、ELは電荷n(但しnは−3、−2、−
1、0または+1をとりうる)を有する骨格オキシド単
位ELO2 nとして存在する少くなくとも一種類の元素を表
わし、Rはその結晶内細孔系中に存在する少くなくとも
一種類の有機鋳型剤を示し、mは(ELwAlxPySiz)O2
1モル当り存在するRのモル数を示し、0〜約0.3の値
をとり、w,x,yおよびzはそれぞれ骨格オキシド単位と
して存在するELO2 n,AlO2 -,PO2 +およびSiO2のモル分率を
表わす)で表わされる無水基準の実験化学組成を有す
る。ELは(a)四面体オキシド構造中で約1.51Å〜約2.
06Åの平均T−O距離、(b)約125kcal/グラム原子−
約310kcal/グラム原子の陽イオン電気陰性度、および
(c)298゜Kにおいて約59kcal/グラム原子を越えるm−
O結合解離エネルギーを有する結晶型3次元オキシド構
造において安定なM−O−P,M−O−AlまたはM−O−
M結合を形成する能力を有する元素として特徴づけられ
る。w,x,yおよびzはそれぞれ骨格オキシドとして存在
するEL,アルミニウム,リンおよびケイ素を示す。
ELは、骨格四面体オキシドを形成することの出来る少く
なくとも一種類の元素を表わし、好ましくは、砒素,ベ
リリウム,硼素,クロム,コパルト,ガリウム,ゲルマ
ニウム,鉄,リチウム,マグネシウム,マンガン,チタ
ン,および亜鉛から成る群より選択され、w,x,yおよび
zはそれぞれ四面体オキシドとして存在するEL,アルミ
ニウム、リンおよびシリコンを表わす。
ヨーロッパ公開公報は16ページにおいて、リンおよびア
ルミニウム源として結晶質および非晶型アルミノシリケ
ートを使用すること、ならびに17ページにおいて反応混
合物をスィーディング(播種)することを記載してい
る。実施例11A,12A,93A−103A,5B,6B,55B,58B,59B,50D
−56D,59D−62Dおよび12F〜15Fは種晶の使用を開示して
いる。
特許または特許出願番号 米国特許4,500,651号(特許
日1985年2月19日) 特許または特許出願の対象 TAPO系モレキュラーシーブは、無水基準でmR:(TixAlyP
z)O2〔式中、Rはその結晶内細孔系中に存在する少く
なくとも一種類の有機鋳型剤を示し、mは(TixAlyPz
O2の1モル当り存在するRのモル数を示し、0〜5.0の
値をとり、どに場合においても、最大値は前記鋳型剤の
分子の大きさとその特定のチタン系モレキュラーシーブ
の細孔系中の利用可能な空孔容積に依存し、x,yおよび
zはそれぞれ四面体オキシドとして存在するチタン,ア
ルミニウムおよびリンのモル分率を示す。〕で表わされ
る単位実験式を有するTiO2,AlO2およびPO2の3次元微孔
結晶質骨格構造から成るものである。
これらのTAPO系モレキュラーシーブは、一般に、4.6ト
ルおよび約24℃における結晶内水吸着力が約3.0重量%
であることも特徴とする。加水状態及び脱水状態の両方
において同じ必須骨格移相幾何(the same essential f
ramework topology)を保持しながら、水の吸着が完全
に可逆的であることが観察されている。この米国特許は
リンおよびアルミニウム源として結晶質・非晶質アルミ
ノフォスフェートを用いることを第8欄、65〜68行およ
び第9欄、15〜18行において開示している。第6欄、1
〜5行において、播種が結晶化工程を容易なものにする
と記載されている。比較例44は非晶質TiO2と95重量・%
AlPO4−18の組成物を記載しているが、その組成物がど
のように作成されたかについては記載がない。
特許または特許出願番号 米国特許出願番号600,179号
(対応ヨーロッパ出願は公開番号0161488を以って公
開) 特許または特許出願の対象 TiAPSO系モレキュラーシーブは式mR:(TiwAlxPySiz)O2
〔式中、Rはその結晶内細孔系中に存在する少くなくと
も一種の有機鋳型剤を示し、mは(TiwAlxPySiz)O2
モル当り存在するRのモル数を示し、0〜約0.3の値を
とり、w,x,yおよびzはそれぞれ四面体オキシドとして
存在するチタン,アルミニウム,リンおよびケイ素のモ
ル分率を表わし、それぞれ少くなくとも0.1の値を有す
る。〕で表された無水基準実験化学組成を有するTiO2,A
lO2 -,PO2 +およびSiO2四面体オキシド単位の3次元微孔
骨格構造を有する。モル分率w,x,yおよびzは一般に本
出願の第1図の3成分系図に関して定められる。
公開公報は結晶質又は非晶質アルミノシリケートをリン
およびアルミニウム源として用いることを13ページにお
いて記載し、反応混合物をスィーディングすることによ
って結晶化の作業が容易になることを14ページで指摘し
ている。
特許または特許出願番号 米国特許4,554,143号(特許
日:1985年11月19日) 特許または特許出願の対象 フェロアルミノフォスフェート類(FAPO類)が、本明細
書の一部1成すものとして引用した米国特許4,554,143
中に開示されており、それらはAlO2,FeO2およびPO2の四
面体単位の3次元微孔結晶質骨格構造を有し、無水基準
で、mR:(FexAlyPz)O2〔式中、Rはその結晶内細孔系
中に存在する少なくとも一種類の鋳型剤を表わし、mは
(FexAlyPz)O21モル当り存在するRのモル数を示し、
0〜0.3の値をとり、どの場合においても、その最大値
は前記鋳型剤の分子の大きさと対応する特定のフェロア
ルミノフォスフェートの細孔系中の利用可能な空孔容積
とに依存し、x,yおよびzはそれぞれ四面体オキシドと
して存在する鉄,アルミニウムおよびリンのモル分率を
表わす。〕の必須実験化学組成を有する。合成された場
合、上記式中のmの最小値は0.02である。
FeO2構造単位の鉄は2価または3価のイオン価状態をと
りうるが、これは専ら合成ゲル中の鉄源によって決まっ
てくる。従って、構造中のFeO2四面体は−1または−2
の合計分にを持つことが出来る。
この特許は、第5欄,43〜45行および54〜56行におい
て、結晶・非晶質アルミノシリケートがリンおよびアル
ミニウム源として使用可能であることを示し、第6欄、
1〜5行で、反応混合物のスィーディングが結晶化作業
を容易にすることを記載している。
特許または特許出願番号 米国特許出願番号600,173号
(対応ヨーロッパ出願は公開番号0161491を以って公
開。) 特許または特許出願の対象 FeAPSO系モレキュラーシーブは、無水基準で、式mR:(F
ewAlxPySiz)O2〔式中、Rはその結晶内細孔系中に存在
する少くなくとも一種類の有機鋳型剤を示し、mはFewA
lxPySiz)O2の1モル当り存在するRのモル数を示し、
0〜約0.3の値をとり、どの場合においても、その最大
値は前記鋳型剤の分子の大きさと対応する特定のモレキ
ュラーシーブの細孔系中の利用可能な空孔容積とに依存
し、w,x,yおよびzはそれぞれ四面体オキシドとして存
在する鉄,アルミニウム,リンおよびケイ素のモル分率
を表わす。〕の単位実験式を有する、FeO2 -2(および/
またはFeO2),AlO2,PO2およびSiO2四面体オキシド単位
の3次元微孔結晶質格組構造を有する。ヨーロッパ公開
公報は結晶化作業を容易にするために反応混合物をスィ
ーディングすることを12ページにおいて記載している。
18ページで、モレキュラーシーブを作成する際に結晶質
・非晶質アルミノフォスフェート類をリンおよびアルミ
ニウム源として利用することも前記ヨーロッパ公開公報
は記載している。
特許または特許出願番号 アメリカ出願番号600,170号
(対応ヨーロッパ出願は公開番号0158975を以って公
開) 特許または特許出願の対象 1984年4月13日出願の米国特許出願番号600,170のZnAPS
O系モレキュラーシーブは、無水基準で、式mR:(ZnwAlx
PySiz)O2〔式中、Rはその結晶内細孔系中に存在する
少くなくとも一種類の有機鋳型剤を示し、mは(ZnwAlx
PySiz)O2の1モル当り存在するRのモル数を示し、0
〜約0.3の値をとり、w,x,yおよびzはそれぞれ四面体オ
キシドとして存在する亜鉛,アルミニウム,リンおよび
ケイ素のモル分率を表し、それぞれ少くなくとも0.01の
値をとる。〕を有する、ZnO2 -2,AlO2 -,PO2 +およびSiO2
の骨格構造から成っている。
ヨーロッパ公開公報は13ページにおいて結晶質または非
晶質アルミノフォスフェートがリンまたはアルミニウム
源として使用可能であることを開示し、14ページにおい
て、前記結晶で反応混合物をスィーディングすることに
より結晶化作業が容易になることを示している。実施例
12〜15はスィーディング法を用いたと記載されている。
特許または特許出願番号 米国特許出願番号600,180号
(対応ヨーロッパ出願は公開番号0158348を以って公
開) 特許または特許出願の対象 MgAPSO4系モレキュラーシーブはMgO2 -2,AlO2 -,PO2 +およ
びSiO2四面体オキシド単位の3次元微孔骨格構造を有
し、無水基準で、式mR:(MgwAlxPySiz)O2〔式中、Rは
その結晶内細孔系中に存在する少なくとも一種類の有機
鋳型剤を示し、mは(MgwAlxPySiz)O2の1モル当り存
在するRのモル数を表わし、0〜約0.3の値をとり、w,
x,yおよびzはそれぞれ四面体オキシドとして存在する
マグネシウム,アルミニウム,リンおよびケイ素のモル
分率を表わし、好ましくはそれぞれ0.1以上の値をと
る。〕で表された実験化学組成を持つ。ヨーロッパ公開
公報はスィーディングによって製品を得ることを14ペー
ジならびに実施例5,6,55,58および59において示してい
る。
特許または特許出願番号 米国特許出願番号600,175号
(対応ヨーロッパ出願は公開番号0161490を以って公
開) 特許または特許出願の対象 1984年4月13日出願の米国特許出願番号600175のMnAPSO
系モレキュラーシーブは、無水基準で、式mR:(MnwAlxP
ySiz)O2〔式中、Rはその結晶内細孔系中に存在する少
なくとも一種類の有機鋳型剤を示し、mは(MnwAlxP
yiz)O2の1モル当り存在するRのモル数を表わして、
0〜約0.3の値をとり、w,x,yおよびzはそれぞれ四面体
オキシドとして存在するマンガン,アルミニウム,リン
およびケイ素元素のモル分率を示す〕によって表わされ
た実験化学組成を有する、MnO2 -2,AlO2 -,PO4 +およびSiO
2の四面体単位の骨格構造を有する。ヨーロッパ公開公
報は13ページにおいて結晶質または非晶質アルミノフォ
スフェートをリンまたはアルミニウム源として用いるこ
とを記載し、14ページにおいて、結晶化作業を容易にす
るために前記結晶を用いることを特徴として述べてい
る。実施例54〜56および59〜62はそのような結晶がMnAP
SO系製品の製造において使用されたことを記載してい
る。
特許または特許出願番号 米国特許出願番号600,174号
(対応ヨーロッパ出願は公開番号0161489を以って公
開) 特許または特許出願の対象 1984年4月13日出願のアメリカ特許出願番号600,174のC
oAPSO系モレキュラーシーブはCoO2 -2,AlO2 -,PO2 +および
SiO2四面体単位の3次元微孔格構造を有し、無水基準
で、式mR:(CowAlxPySiz)O2式中、Rはその結晶内細孔
系中って公に存在する少くなくとも一種類の有機型剤を
表わし、mは(CowAlxPySiz)O2の1モル当り存在する
Rのモル数を示し、0〜約0.3の値をとり、w,x,yおよび
zはそれぞれ四面体オキシドとして存在するコバルト,
アルミニウム,リンおよびケイ素のモル分率を表わし
て、それぞれ少なくとも0.01である。〕で表わされた実
験化学組成を持つ。
ヨーロッパ公開公報は13ページにおいて結晶質・非晶質
アルミノフォスフェートをリンおよびアルミニウム源と
して用いることを示し、14ぺージにおいて、反応混合物
をスィーディングすることによって結晶化作業が容易に
なることを述べている。実施例11,12,13,93および97−1
03は種晶の利用を記載している。
特許または特許出願番号 米国特許出願番号599,771号5
99,776号599,807号599,809号599,811号599,812号599,81
3号600,166号600,171号(それぞれ1984年4月13日出
願、対応ヨーロッパ出願は1985年10月23日公開番号0158
976を以って公開。) 特許または特許出願の対象 MeAPO系モレキュラーシーブは置換金属がマグネシウ
ム,マンガン,亜鉛およびコバルトから成る群の二種ま
たはそれ以上の二価金属の混合物のうちの1つである結
晶質微孔アルミノフォスフェート類であって、米国特許
4,567,028に開示されている。この新規な種類の組成物
はMO2 -2,AlO2 -およびPO2の3次元微孔結晶質骨格構造を
有し、無水基準で、mR:(MxAlyPz)O2〔式中、Rはその
結晶内細孔系中に存在する少くなくとも一種類の有機鋳
型剤を表わし、mは(MxAlyPz)O2の1モル当り存在す
るRのモル数を示して0〜0.3の値をとるが、どんな場
合でも最大値は鋳型剤の分子の大きさと対応する特定の
金属アルミノフォスフェートの細孔系中の利用可能な空
孔容積に依存し、x,yおよびzはそれぞれ四面体オキシ
ドとして存在する金属M(即ち、マグネシウム,マンガ
ン,亜鉛またはコバルト),アルミニウムおよびリンの
モル分率を示す。〕の本質的には実験化学組成を有す
る。合成された場合、上記式中のmの最小値は0.02であ
る。
合成したままの組成物でも、非晶化することなく、空気
中において、350℃のか焼に長時間、即ち、少くなくと
も2時間以上耐えることが出来る。
ヨーロッパ公開公報は14および15ページにおいて結晶質
および非晶質アルミノフォスフェートをリンおよびアル
ミニウム源として用いることを示し、15ページにおい
て、反応混合物をスィーディングすることによって結晶
化作業が容易になることを述べている。実施例8は結晶
のスィーディングを記載している。
特許または特許出願番号 ヨーロッパ出願85104386.9号
(1985年4月11日出願、1985年10月13日公開番号015897
6を以って公開)、およびヨーロッパ出願85104388.5号
(1985年4月11日出願、1985年10月16日公開番号158348
を以って公開) 特許または特許出願の対象 ELAPO系モレキュラーシーブは、3次元微孔骨格を形成
しうる少くなくとも1種類の元素がAlO2,PO2およびMO2
四面体オキシド単位の結晶骨格構造を形成している一連
の結晶質モレキュラーシーブであり、MO2は電荷n(n
は−3,−2,−1,0または+1をとりうる)を有する四面
体オキシド単位MO2として存在する少なくとも一種類の
異った(AlやP以外の)元素を表わす。この新規な種類
のモレキュラーシーブ組成物はAlO2,PO2およびMO2四面
体単位の結晶骨格構造を有し、無水基準で、式mR:(MxA
lyPz)O2〔式中、Rはその結晶内細孔系中に存在する少
なくとも一種類の鋳型剤を表わし、mは(MxAlyPz)O2
の1モル当り存在するRのモル数を示し、Mは骨格四面
体オキシドを形成しうる少なくとも一種類の元素を表わ
し、x,yおよびzはそれぞれ四面体オキシドとして存在
するM,アルミニウムおよびリンのモル分率を示す〕によ
って表わされた実験化学組成を有する。Mはモレキュラ
ーシーブがAlO2やPO2の他に少なくとも一種類の骨格四
面体単位を含むような少なくとも一種類の別の元素
(M1)である。Mは砒素,ベリリウム,硼素,クロム,
ガリウム,ゲルマニウムおよびリチウムから成る群から
選択される少なくとも一種類の元素でありMが2種類の
元素を表わす場合、第2の元素は上記したもののうちの
一種類の元素であって良く、および/またはコバルト,
鉄,マグネシウム,マンガン,チタンおよび亜鉛から成
る群から選択される少なくとも一種類の元素である。
ELAPO系モレキュラーシーブはこれらのヨーロッパ出願
中で、AlO2,PO2およびMO2四面体オキシド単位の骨格中
の一種またはそれ以上の元素Mを示すために頭文字即ち
ELAPOによって一般に言及されている。実際の個々のモ
レキュラーシーブの頭文字のELをMO2四面体単位として
存在する元素で置き換えることによって示される。
Mが2種類の元素を意味する場合、Mはコバルト,鉄,
マグネシウム,マンガン,チタンおよび亜鉛から成る群
より選択される少なくとも一種類の元素であっても良
い。例えば、各事例において、Mは第1のグループの元
素、例えば、As,Be等のうちの少なくとも一種類の元素
を示し、二種類またはそれ以上の種類の元素が存在する
場合には、2番目およびそれ以外の元素の第1のグルー
プの元素および/または第2のグループの元素から上述
のごとく選択することが可能である。
ELAPO系モレキュラーシーブはAlO2,PO2およびMO2四面体
単位の結晶質3次元微孔骨格構造を有し、無水基準で、
式mR:(MxAlyPz)O2〔式中、Rはその結晶内細孔系中に
存在する少なくとも一種類の鋳型剤を表わし、mは(Mx
AlyPz)O2の1モル当り存在するRのモル数を示して0
〜約0.3の値をとり、Mは砒素,ベリウム,硼素,クロ
ム,ガリウム,ゲルマニウムおよびリチウムから選択さ
れる、骨格四面体オキシドを形成することの出来る少な
くとも一種類の元素を示す〕によって表わされた実験化
学組成を有する。Mが別の元素をさらに含む場合、その
ような別の元素Mはコバルト,鉄,マグネシウム,マン
ガン,チタンおよび亜鉛から成る群より選択される少な
くとも一種類の元素であって良い。
一種類またはそれ以上の元素M、アルミニウムおよびリ
ンの相対的な比率は実験化学式(無水)mR:(MxAlyPz
O2〔式中、x,yおよびzは前記M、アルミニウムおよび
リンのモル分率をを示す〕で表わされる。(Mが2種類
以上の元素、M1,M2,M3,…を表わす場合の)個々のMの
モル分率はそれぞれx1,x2,x3,…によって表わすことが
出来、その場合、x1,x2,x3,…は前記の通りMに対する
元素M1,M2,M3,…の個々のモル分率を表わす。x1,x2,x3,
…の値は以下においてxに対して規定され、x1+x2+x3
…=xであり、x1,x2,x3,…はそれぞれ少なくとも0.01
以上てある。ELAPO系モレキュラーシーブは、無水基準
で、式mR:(MxAlyPz)O2〔式中、Rはその結晶内細孔系
中に存在する少なくとも一種類の鋳型剤を表わし、mは
(MxAlyPz)O2の1モル当り存在するRのモル数を示し
て、0〜約0.3の値をとり、Mは、上記のごとく、骨格
四面体オキシドを形成することの出来る少なくとも一種
類の異った(AlやP以外の)元素を示し、x,yおよびz
はそれぞれ四面体オキシドとして存在するM、アルミニ
ウムおよびリンのモル分率を示す〕によって表わされた
実験化学組成を有する、MO2,AlO2およびPO2四面体単位
の結晶質3次元微孔骨格構造を有する。
特許または特許出願番号 米国特許4,310,440号 特許または特許出願の対象 AlPO4類は結晶質アルミノフォスフェート系モレキュラ
ーシーブの基本的かつ持つも単純なものである。それら
はそれぞれオキシドのモル比で表わされる化学組成がAl
2O3:1.0±0.2P2O5である骨格構造を有し、各骨格構造は
細孔が均一で約3〜約10Åの範囲の呼称径と4.6トルお
よび24℃において少なくとも3.5重量パーセントの結晶
内吸水力を有し、水の吸収および放出は、加水および脱
水状態の両方において同じ必須骨格移相幾何を維持しつ
つ、完全に可逆的である。
特許または特許出願番号 米国特許出願番号600,168号6
00,181号600,182号600,183号(対応ヨーロッパ出願は19
85年10月16日に公開番号0158350を以って公開) 特許または特許出願の対象 SENAPSOは四面体オキシド単位MO2(n:−3,−2,−1,0又
は+1)およびAlO2 -,PO2 +,SiO2四面体オキシド単位を
有する少なくとも二種類の骨格構造を有し、無水基準
で、式mR:(MwAlxPySiz)O2〔式中、Rはその結晶内細
孔系中に存在する少なくとも一種類の鋳型剤を表わし、
mは(MwAlxPySiz)O2の1モル当り存在するRのモル数
を示して、0〜約0.3の値をとり、Mは砒素,ベリリウ
ム,硼素,クロム,コバルト,ガリウム,ゲルマニウ
ム,鉄,リチウム,マグネシウム,マンガン,チタン,
バナジウムおよび亜鉛から成る群より選択される少なく
とも二種類の元素を示し、nは上記の通りの意味を有
し、w,x,yおよびzはそれぞれ四面体オキシドとして存
在するM、アルミニウム,リンおよびケイ素原子のモル
分率を示してそれぞれ少なくとも0.01以上の値を有す
る〕表わされた実験化学組成を有する。ヨーロッパ公開
公報は、14〜15ページにおいて、反応混合物をスィーデ
ィングして所望の製品を形成することが概略記載されて
いる。
本発明の組成物の多数の相のうちで、それらの少なくと
も1相は骨格構造中にアルミニウム及びリンを含有す
る。本発明の好ましい実施態様において少なくとも1相
は上記式(I)のQAPSO構造を有する。他の相の残りの
組成物は式(I)に包含される異種のQAPSOか、又はゼ
オライト系もしくは非ゼオライト系のいずれかの別の結
晶性モレキュラーシーブ構造であることができる。ゼオ
ライト系の種類のモレキュラーシーブの代表例はキャバ
ザイト、ファウジヤサイト、レビナイト、リンデタイプ
A、ギスモンジン、エリオナイト、ソーダライト、リン
デタイプX及びY、アナルサイム、グメリナイト、ハー
モトーム、モルデナイト、エピスチルバイト、ヒューラ
ンダイト、スチルバイト、エディングトナイト、メソラ
イト、ナトロライト、スコレサイト、トムソナイト、ブ
リユーステライト、ラウモンタイト、フイリップサイ
ト、ZSM類[例えばZSM−5(米国特許第3,702,886号明
細書参照)、ZSM−20(米国特許第3,972,983号明細書参
照)、ZSM−12(米国特許第3,832,449号明細書参照)、
ZSM−34(米国特許第4,086,186号明細書参照)など]及
びベータ(米国特許第3,308,069号及び米国再発行特許
第28、341号各明細書参照)などである。本発明の実施
において使用することのできる好適なゼオライト系モレ
キュラーシーブの代表例は下記のとおりである: ゼオライト−A AgX、AgY、AlHY、アルキルアンモニウ
ムX及びY、BaX、BaY、BeY、Ca−A、Ca−ゲルマニッ
クニアーファウジャサイト、Ca−HX、Ca−X、Ca−Y、
カルシウムNH4Y、CdX、CdY、CeY、CoA、CoX、CoY、Cr
Y、CsL、CsX、CsY、Cu−X、Cu−Y、ジエチルアンモニ
ウムY、エチルアンモニウムY、Fe−X、Fe−Y、HY、
KL、KX、KY、L、La−X、La−Y、LiA、LiX、LiY、LZ
−10、LZ−210、MgNH4Y、MgHY、MgNaY、MgNH4Y、MgX、M
gY、MnX,MnY,Na−A,Na−ゲルマニックニアファウジヤサ
イト、Na−L、Na−X、Na−Y、NH4−ゲルマニック、N
H4L、NH4X、NH4Y、活性化NH4Y、Ni−A、Ni−X′、Ni
−Y、オメガ、PdY、希土類X、希土類Y、希土類アン
モニウムY、RbX、RhY、SrX、SrY、蒸気安定化Y又は超
安定Y、テトラメチルアンモニウムY、トリエチルアン
モニウムY、X、Y、Y−82、ZK−5、Zn−モルデナイ
ト、Zn−X、Zn−Y、上記ZSM類など。
その他の、非ゼオライト系統のモレキュラーシーブは米
国特許第4,061,724号明細書に記載されているシリカラ
イトのようなシリカモレキュラーシーブを包含する。
本発明の複合物の種々の相を特徴づけるに当っては当業
界に既知の特定の化学組成物が参照される。なぜなら
ば、それらの形成された相は上記の既に形成された化学
組成物のいずれかから出発するか、又は当該技術にした
がって上記のような公知の化学組成物を生成する製造方
法を使用するからである。このことは相の化学組成が上
記のような特徴づけに全く相当することを意味するもの
ではない。既に形成された公知の組成物から出発しよう
と、又は公知組成物を生成するように意図された手順に
よって相を生成しようとも、重要なことには、本発明の
複合物において得られる相は化学組成において最初の出
発組成物又は該手順により生成されるべき意図された組
成物のいずれとも異なると思われる。この化学組成にお
ける相違は結晶構造における変化に影響しない。重要な
相違は相の界面の化学組成に存在する。モレキュラーシ
ーブの製造中におけるエクストラ(extra)骨格カチオ
ンの有意のイオン移動度に対して容量が存在する。この
ことにより、イオン交換が行われることにより有為量の
イオン移動が生ずる。一つの組成物が異種のもう一つの
組成物上に析出される場合、上記のイオン交換が行われ
ることに対し大きな傾向が存在する。更にその上、他相
上への1相の析出中に、見かけ上析出基材に属する界面
の一部への化学変化をもたらす外層成分によって析出基
材の上記一部が再溶解する傾向がある。界面におけるこ
の変化は析出された外層成分と再溶解された析出基材と
の間の化学物質の再分配を生じさせることが屡々であ
る。これは原子層中において処理されているので組成的
な変化の程度は全く小さく、しかもすべての個々の相の
組成の大きな変化を生じさせない。したがって組成物中
において相の化学組成における該磁気共鳴(NMR)によ
って任意の相の骨格部位における顕著な組成的変化を検
出することのできるような十分な変化が認められない。
このような変化が起きたとしても、結晶構造は予測可能
であり、しかも析出基材の公知の結晶構造及び外層にた
いして予期される結晶構造と一致する。しかしながら本
発明の触媒の複合物の各相の正確な化学組成については
確言することはできなき。
例えば本発明の複合物におけるSAPO−37相、又はSAPO−
11相は米国特許第4,440,871号明細書の実施例42〜44に
よって製造されたSAPO−37又は米国特許第4,440,871号
明細書の実施例16〜22によって製造されたSAPO−11と全
く同一であるとは思われない。これらの実施例におい
て、それら組成物は本発明により具体化された複合物中
の界面において別のモレキュラーシーブ組成物と遭遇し
ている。
本発明の複合物又はその任意の相の結晶構造は当業界に
おける標準の分析手順により測定される。当業界におい
てはモレキュラーシーブを定義し、又は先行技術から区
別するためにはX線粉末回折分析が屡々信頼されるけれ
ど結晶構造の特徴づけは上記のようなタイプの分析のみ
に依存しないということが評価されるべきである。X線
粉末回折分析が、結晶構造の依存を適当に特徴づけるた
めの適当なパターンを生じない場合がある。このような
場合は構造が結晶でないことを意味しない。結晶構造の
存在を立証するために他の手順を使用することができ
る。結晶構造の特徴づけは典型的には多数の分析技術に
よって定められ、その一つがX線粉末回折分析である。
このような技術は例えば電子回折分析、分子吸着データ
及び吸着等温特性を包含する。本発明の複合物に使用さ
れる若干の相は結晶構造の特徴づけに適した明瞭なX線
粉末回折パターンを示さないことがある。他の技術を組
み合わせることにより、相が存在する結晶格子の性質を
測定することができる。技術の組み合わせによってさえ
も結晶構造の特定が不十分である場合があるけれど、集
められた証拠にしたがって、上記のような場合は特定構
造と比較することにより結晶として特徴づけることがで
きる。このような擬似結晶(pseudo−crystalline)構
造は本発明の目的とする結晶であり、かつ本発明を理解
するための結晶であると思われる。
本発明の複合物の各相は互いに実質的に同一の結晶骨格
構造を有するので相互に関係する。実際的に言えば、こ
のことは複数相の複合物に対するX線粉末回折パターン
(又は他の結晶の証拠)が、異種の骨格カチオンの大き
さの変化に影響されるもの以外の実質的な細目が同一で
あることを意味する。相のそれぞれが異なるX線回折パ
ターンを有することがあり得るけれど、その相違は本質
的な結晶学的見地から、骨格が一致する異なる構造とみ
なすには不十分であるべきである。このことは種々の相
が骨格位相幾何学的見地から互いに類似する結晶構造を
有することを意味する。
提案された、複合物の相の組成物に相当する単一組成物
又は該複合物の相に相当する上記単一組成物の混合物に
優る、本発明の組成物の有意な利点は触媒として、又は
吸着剤として該複合物の使用によって達成することがで
き、該単一組成物又はそのような組成物の混合物に比較
して優れた性能に存在するということを認識することが
重要である。
たとえそうであっても、本発明の特に望ましい実施態様
においては1相に対しては比較的に安価な結晶モレキュ
ラーシーブを使用し、もう一つの相に対しては高性能
で、より一層高価なQAPSOモレキュラーシーブを使用す
ることを包含する。非常に低いコストにおけるそれぞれ
の場合において該複合物が、より高価な成分の性質、又
はより高価な成分の性質よりも優れた性質を示すことが
確認された。或る場合には、該複合物は与えられたQAPS
O重量基準に対して、該QAPSO単独よりも実質的に良好な
性能を示す。所定重量の複合物を、該複合物を製造する
に当って使用されたモレキュラーシーブの最も優れた性
能に対して比較した場合に、コスト低減基準を超えてさ
えも、たしかに上記のような、より良好な性能が認めら
れる。該複合物は個々のQAPSOよりも大ていの面におい
て優れており、かつ、より安価なモレキュラーシーブ成
分よりも殆んどすべての面において優れているので該複
合物は触媒及び吸着の分野における全く予想外かつ独特
の相乗的利点を生じる。
本発明からもたらされるもう一つの確認は化学物質又は
化学反応に対して別のNZMS又はゼオライト系モレキュラ
ーシーブよりは、より一層活性であるNZMSが、それらNZ
MSが本発明にしたがって複合されることを条件として、
上記化学物質又は化学反応に関して、殆んどあたかもそ
の他のNZMS又はゼオライト系モレキュラーシーブが上記
のような化学物質又は化学反応に対して不活性であった
かの如く作用するということの認識である。その結果と
して、活性な合成ゼオライト系モレキュラーシーブは、
吸着質又は化学反応に対するNZMSの活性に悪影響を及ぼ
すことなく、より活性なNZMSの周囲に複合させることが
できる、このような場合においてはNZMSの腐食性浸食
(caustic attack)を回避するように注意しなければな
らない。このような複合物を、中心核を取り巻く1層又
はそれ以上の外被層として特徴づけられる層に取り巻か
れた中心核として眺めた場合に、上記の活性なゼオライ
ト系モレキュラーシーブはNZMSを取り巻く比較的に薄い
外被層を占拠すべきである。もし該ゼオライト外被層が
厚過ぎれば、ゼオライトの多孔質ラビリンス(迷路、la
byrinth)の範囲が広くなり、場合によっては吸着質又
は化学反応の、NZMS層又は中心核への接近が最低となる
ことができた。このようなことは化学物質又は化学反応
に対して十分に影響する、より活性なNZMSの能力を減少
させる。その結果、NZMSを、該NZMSの活性及び/又は選
択性から由来する全般的利点に悪影響を及ぼすことな
く、分解及び破砕から保護する目的で、比較的に安価な
モレキュラーシーブ製の外被を、より高価で、より効果
的で、かつ/又は選択的なNZMS製のもう一つの外被の周
りに付け加えることができる。
極めて効果的な非常ゼオライト系モレキュラーシーブの
製造に当ってコスト低下の見地から本発明を実施例する
場合には、NZMSを含有する複合物の相が最低許容量で存
在する複合物を製造することが望ましい。実質的に少量
のNZMSを使用し、かつ組成物中においてNZMS物質の代り
に位相幾何学的に官能性の当量のゼオライト系モレキュ
ラーシーブ(ZMS)物質を置換することにより、少なく
とも完全NZMSと等価の性能特性が本発明の複合物構造中
において達成できることが全く予想外にも確認された。
複合物がNZMSから成る相の少なくとも1相と、ZMSから
成る相の少なくとも1相とを含有するならばZMSは該複
合物を構成する相の重量の主要量を占めることが確認さ
れた。なぜならばNZMSの吸着特性及び触媒特性における
利点がコスト面における材料減少を伴って実質的に達成
されるからである。
本発明の利点は外層が複合物の80重量%以下を構成する
場合に達成される。大ていの場合に、外層が複合物の約
60重量%以下、更に好ましくは約50重量%以下を構成す
ることが望ましい。実質的に全部の場合でなければ大て
いの場合に、外層が占める複合モレキュラーシーブの重
量又は容量が少なければ少ないほど、二次反応の生成が
少ないことがわかった。外層が複合物の80重量%以上を
構成する場合には該複合物はそれが組成物及び外層構造
の100重量%であるかの如く挙動し、このようなものが
本発明において特徴づけられる触媒として使用される場
合に二次反応の生起がより一層顕著になる。このことに
より、外層の重量が減少するにつれて二次反応が低下す
る傾向となる。
本発明のもう一つの面において、複合物中の析出基材の
量が該複合物の全重量の少なくとも約20重量%から該複
合物の全重量の約98重量%までの範囲にわたりしかも単
数又は複数の外層相の量が該複合物の全重量の約80重量
%から該複合物の全重量の約2重量%までの範囲にわた
る複合物を製造することができる。本発明の好ましい面
において、複合物中の析出基材の量が該複合物の全重量
の少なくとも約40重量%から該複合物の全重量の約98重
量%までの範囲にわたり、しかも単数又は複数の外層相
の量が該複合物の全重量の約60重量%から該複合物の全
重量の約2重量%までの範囲にわたる複合物を製造する
ことができる。更に好ましい場合においては該複合物は
2相から成り、しかも該複合物中における析出基材の量
は該複合物の全重量の約50重量%から約95重量%までの
範囲にわたり、しかも外層が該複合物の約5ないし約50
重量%を構成する。
典型的な場合においては外層(外被)は析出基材層の厚
さよりも小さい厚さを有する。典型的な場合においは外
層は析出基材よりも小さい重量を有する。典型的な場合
におけるこの理由は、一般的に外層としてアルミニウム
及びリンを含有する相が選択使用されるという事実であ
る。本発明の実施においては比較的に安価なゼオライト
系モレキュラーシーブと、より高価なアルミニウム及び
リンを含有するモレキュラーシーブとを組み合わせるこ
とが望ましい。上記のようなゼオライト系モレキュラー
シーブは大きな容量の状態で製造されるので複合物を製
造するに当っては市販の予備合成されたゼオライトを使
用することが望ましい。
このようなことは析出基材に対して当然の選択である。
より高価で、かつより良好な性能を有する、アルミニウ
ム及びリンを含有する相の最小量を使用しようとする願
望と結合した上記の事実により、典型的には析出基材の
重量と比較して、より少ない重量の量の外層を使用する
結果となる。このような場合、外層が複合物の全重量の
約2ないし約50重量%、好ましくは約2ないし約40重量
%を含有し、残りの重量が、ゼオライト系モレキュラー
シーブのような、より安価なモレキュラーシーブ又はAl
PO4のようなより低活性のNZMSの重量であることが望ま
しい。
本発明の好ましい実施態様において複合物は平均断面積
において約0.2ないし約10ミクロンの範囲における小粒
子である。該粒子の好ましい実施態様においては該粒子
は1層又はそれ以上の外被によって囲まれた内部中心核
領域を包含する。もし1層よりも多い外被が存在するな
らば1層は他の相及び中心核に対して外層である。本明
細書及び特許請求の範囲に記載のように、本発明を記述
する目的に対して、中心核、随意的にもう一つの更に内
部の外被を囲む内部外被を、その外側の外被に対して中
心核という。互いに接触状態にある各外被は異なる化学
組成物から成り、接触状態にある各外被及び中心核は異
なる化学組成物から成る。該粒子は、上述の中心核/外
被関係を有するための、本発明の目的に対し球形である
必要はない。中心核は、その周囲に外被層が存在する粒
子の集合体であることができる。該粒子は典型的には、
その形態が多面体である。該粒子は樹脂状結晶及び/又
は球晶を含有することができる。最終粒子は粒子の集合
体の一部であることができる。
本発明のこれらの利点は微孔性モレキュラーシーブが結
晶構造全体にわたって拡がっている細孔を有することを
認識することによって評価することができる。触媒表面
積の大部分はこれらの細孔中に存在する。触媒活性部位
の実質的にすべてを提供するのは細孔表面積である。供
給原料が触媒内部に入った際に、該供給原料はそれ自体
として、又は触媒中に生成した反応生成物として迷路状
の、又は曲りくねった経路を進行する。くねり(tortuo
us)分散は、付与された十分な接触時間、第一次反応生
成物の若干が触媒の細孔表面上の活性部位と反応するこ
と、及びこのようなことにより一般的に低分子量生成物
及び燃焼生成物の形成がもたらされることを示す。最も
活性な触媒種によって提供された迷路状の経路の大きさ
を縮小することにより、くねり分散に結びつく問題点が
減少される。その結果として、一時生成物に対する選択
性が高められる。なぜならば触媒の最も活性な部分内に
おける接触時間の水準が十分に調節されて二次反応の発
生を最小化するからである。
本発明の複合物構造の特別の利点は、与えられた複合物
の相の層の深さが、触媒としての該相の性能特性を調節
する機構を提供する点にある。酸性度の過度な高水準に
起因して相が極端に活性である場合には高酸性度の有害
な特色(例えば二次反応)を最小化しつつ高水準の触媒
活性を保持することができる。酸性の、したがって活性
な触媒の有害な面は滞留時間、すなわち反応物が触媒中
において消費する時間に関係することが知られている。
反応物に対して(外層に対して)比較的に不活性である
析出基材上に活性層の小さな層を析出させることによ
り、反応物と触媒、特に外層との接触時間が、触媒の有
害な特色が最小化される程度にまで最小化される。一時
反応生成物を破壊し、望ましくない副生物を生成させる
傾向を有する有用な触媒は、所望の触媒反応よりも低い
速度において上記のとおりであり、さもなければ該触媒
は殆んど利点を生じないことは自明である。活性触媒に
おいては活性触媒層の厚さを減少させることにより、く
ねり分散接触時間もまた減少する。このことは触媒の選
択性を改良して所望の反応生成物を生成し、かつ二次反
応生成物を最小化する。本発明の積層された複合物触媒
は外層の深さ、したがってくねり分散を調節して外層の
活性を所望の反応及び反応生成物に対して適合させるこ
とにより上記の利点を提供している。
したがって、本発明により製造される複合物触媒の目的
におけるファクターは該触媒が作用することのある種々
の反応についての考慮である。もし該反応に単に: の転化を包含するならば、外層の量及び大きさにわたっ
ての選択性に関する臨界性は殆ど認められない。しかし
ながら、もし該反応が、 (この場合二次反応K2及びK3は望ましくない副生物Cを
生成する)の場合のように不可逆性副生物(C)を生成
するならば、主要反応がK1であり、反応K2及び/又はK3
はもし回避できないなら最小化されるように、触媒内に
おける接触が外側の、より活性な層の深さに十分に限定
されることが好ましい。この手段において触媒効果は、
外層組成物が粒子組成物のすべてである完全触媒粒子の
場合よりも、これら積層された触媒の場合において、よ
り一層選択性である。
このことは非複合SAPO−37 FCC触媒のFCC性能に対する
データにおいて例証されている。非複合SAPO−37 FCC触
媒及び複合SAPO−37 FCC触媒の両方が、油供給物に対て
実質的に同一の外観を示し、かつ同質の多孔性を有する
ことができるけれど、非複合ASPO−37は複合SAPO−37よ
りも、より一層好ましくない副生物を生成する。本発明
において特徴づけられるように、複合することは望まし
くない副生物の生成を最小化する根拠を与える。
本発明の複合物は、表面上における結晶成長のための支
持体表面の存在下に、反応性ゲル前駆物質の、結晶構造
への水熱結晶化により製造することができる。該ゲル前
駆物質は、構成される構造に関係する。アルミノシリケ
ートをベースとする結晶骨格の場合においては、該前駆
物質は上記アルミノシリケートの製造に対して使用され
る典型的なアルミン酸塩及びケイ酸塩の組成物である。
確かに、本発明の特徴は、個々の相の組成物を製造する
ための当業界に慣用の手順によって各相を製造すること
ができるということである。本発明の成果を享受するた
めには、別の相の存在下において一つの相を生成するた
めに新規な方法を使用する必要は一般的にない。
極めて高いpHの使用、例えば12又はそれ以上のpH、典型
的には水酸化ナトリウムのような苛性試薬の使用によっ
て生ずるようなより高い13〜14のpH範囲において操作す
ることが要求されるゼオライト系モレキュラーシーブ処
方物を使用して製造される複合物の場合、このような処
方を外部基材(outer substrate)ではなく析出基材(d
eposition substrate)の製造に使用することが必要で
ある場合がある。このような処方物は析出基材の分解を
生じさせ、したがってそれら処方物が外層を形成するの
に使用される場合に該複合物の基本保全性(fundamenta
l integrity)が喪失することがある。ゼオライト系モ
レキュラーシーブの外層を製造する場合にはアンモニウ
ム塩を使用し、処方物中の苛性化合物の少なくとも若干
を置き換えて低pHにおいて操作することが望ましい。
アルミニウム及びリンをベースとする非ゼオライト系モ
レキュラーシーブの部類は典型的には、反応性アルミニ
ウム及び反応性リンを含有し、随意的に追加の骨格元素
及び有機テンプレート剤を含有するゲルを約50℃(122゜
F)ないし約250℃(482゜F)、好ましくは約100℃(212゜
F)ないし約225℃(437゜F)の温度における水熱結晶化
によって合成される。最適の結晶化温度は組成及び構造
に関する。AlPO4物質及びSAPO物質は約125℃(257゜F)
以下の温度においては結晶化する傾向がなく、これに対
しMeAPO種の若干は約100℃(212゜F)において容易に結
晶する。
QAPSO組成物は活性の元素(類)Q源(随意的)、ケイ
素(随意的)、アルミニウム及びリン、好ましくは有機
テンプレート剤、すなわち好ましくは周期表の第VA族元
素の化合物である構造指示(structure−directing)剤
と随意的にアルカリ金属又はその他の金属とを含有する
反応混合物から水熱結晶によって一般的に合成される。
一般的に反応混合物を好ましくはポリテトラフルオロエ
チレンのような不活性プラスチック材料によって内張り
された密閉圧力容器に入れ、好ましくは自然圧力下に、
好ましくは約100℃(212゜F)と約225℃(437゜F)との
間、好ましくは100℃(212゜F)と200℃(424゜F)との間
である有効温度において特定の種々のQAPSO生成物の結
晶が得られるまで、通常には数時間から数週間までの有
効結晶化時間にわたって加熱する。一般的に、約2時間
ないし約30日の有効結晶化時間が使用され、典型的には
4時間ないし約20日が使用されてQAPSO生成物形式が得
られる。生成物は遠心分離又は濾過のような任意の慣用
方法によって回収される。
本発明に使用されるQAPSO組成物を合成するに当って、 下記: aR:(QwAlxPySiz)O2:bH2O (式中、Rは有機テンプレート剤であり;aは有機テンプ
レート剤Rの量であり、0ないし約6の値を有し、好ま
しくは0以上から約6までの範囲内の有効量であり;bは
0ないし約500、好ましくは約2と約300との間の値を有
し;QはSiO2、AlO2 -及びPO2 +の各四面体酸化物単位と共に
骨格酸化物単位QO2 nを形成することのできる前述のよう
な、少なくとも1種の元素を示し;nは−3、−2、−
1、0又は+1の値を有し、そしてw、x、y、zは上
記に定義されたとおりである)のモル比によって表わさ
れる反応混合組成物を使用することが好ましい。
反応組成物についての前記表示において反応物はw、
x、y及びzの合計に関しw+x+y+z=1.00モルで
あるように規格化され、これに対し反応混合物における
実施例においてはP2O5のモル数を基準にした酸化物モル
比に関して示される場合がある。後者の形態は元素Q、
アルミニウム、リン及びケイ素の合計モル数で各成分
(テンプレート剤及び水を含む)のモル数を除すること
により、上述の成分の合計モル数を基準とする標準化さ
れたモル分率が得られる定形的な計算により前者の形態
に容易に換算することができる。
QAPSOモレキュラーシーブを製造するための反応混合物
を形成するに当り、有機テンプレート剤を使用すること
が好ましく、該有機テンプレート剤は慣用のゼオライト
アルミノシリケートの合成において使用することが従来
提案されていた任意のものでよいけれど、いかなる場合
においても、選択されたテンプレート剤は当業界におい
て個々のQAPSOの製造に対して教示されたものである。
一般的にこれらの化合物は元素周期表の第VA族元素特に
窒素、リン、ヒ素及びアンチモン、好ましくは窒素又は
リン、最も好ましくは窒素を含有し、該化合物はまた炭
素原子1〜8個を有するアルキル基又はアリール基の少
なくとも1種をも含有する。テンプレート剤として使用
するための特に好ましい化合物はアミン類、第四級ホス
ホニウム化合物及び第四級アンモニウム化合物であり、
後の2種は一般的に式R4X+(式中xは窒素又はリンであ
り、そして各Rは炭素原子1〜8個を有するアルキル基
又はアリール基である)によって表わされる。式[(C14H
32N2)(OH)2]x(式中、xは少なくとも2の値を有する)
のような高分子第四級アンモニウム塩もまた好適に使用
することができる。モノアミン、ジアミン及びトリアミ
ンは単独で、又は第四級アンモニウム化合物もしくはそ
の他のテンプレート化合物との組合せにおける、いずれ
かにおいて有利に使用することができる。2種又はそれ
以上のテンプレート剤の混合物は特定のQAPSOの製造に
当って必要であるか、又は有用である。大ていの場合に
おける最初のゲルpHは弱酸性であり、加水分解性金属カ
チオン形態の元素の骨格構造への好結果の混入を容易な
らしめ、かつスプリアス(spurious、にせの)水酸化物
又は酸化物としてのそれらの沈でんを防止する。代表的
なテンプレート剤としては:テトラメチルアンモニウ
ム、テトラエチルアンモニウム、テトラプロピルアンモ
ニウム、テトラブチルアンモニウム、及びテトラペンチ
ルアンモニウムのようなアンモニウムイオン類;ならび
にジ−n−プロピルアミン、トリプロピルアミン、トリ
エチルアミン、トリエタノールアミン、ピペリジン、シ
クロヘキシルアミン、2−メチルピリジン、N,N−ジメ
チルベンジルアミン、N,N−ジメチルエタノールアミ
ン、コリン、N,N′−ジメチルピペラジン、1,4−ジアザ
ビシクロ(2,2,2)オクタン、N−メチルジエタノール
アミン、N−メチルエタノールアミン、N−メチルピペ
リジン、3−メチルピペリジン、N−メチルシクロヘキ
シルアミン、3−メチルピリジン、4−メチルピリジ
ン、キヌクリジン、N,N′−ジメチル−1,4−ジアザビシ
クロ(2,2,2)オクタン、ジ−n−ブチルアミン、ネオ
ペンチルアミン、ジ−n−ペンチルアミン、イソプロピ
ルアミン、t−ブチルアミン、エチレンジアミン、ジエ
チレントリアミン、トリエチレンテトラアミン、ピロリ
ジン、2−イミダゾリドンなどのようなアミン類を包含
する。すべてのテンプレート剤がすべてのQAPSOの種の
形成を目的とするものではない。すなわち1種のテンプ
レート剤が、反応条件の適切、巧妙な取扱いによって数
種のQAPSO組成物を形成することがあり、しかも特定のQ
APSO組成物が数種の異なるテンプレート剤を使用して生
成されることができる。
Flanigenらが前記Aluminophosphate Molecular Sieves
and the Periodic Tableの表題の論文において指摘した
ように: 有機テンプレート剤は臨界的な構造指示の役割をするも
のと思われる。テンプレート剤は結晶の成長につれて構
造空隙(structuralvoid)中に捕捉され、又は包接(cl
athrate)される。第一級、第二級、第三級及び環式の
各アミンならびにアルカノールアミンを含めて85種以上
のアミン及び第四級アンモニウム種が、結晶テンプレー
ト剤として好結果を以って使用された。テンプレート構
造の特異性(template−structure specificity)の程
度は23種のテンプレート剤に上るAlPO4−5の結晶か
ら、わずかに1種のみのテンプレート剤(17)によるAl
PO4−20の形成まで変動する。主要構造を形成する典型
的なテンプレート剤の要約である表6は多数の構造を形
成する1種のテンプレート剤(ジ−n−プロピルアミン
による11,31,41及び46)を詳細に説明する。この場合、
温度、テンプレート剤濃度、ゲル酸化物組成及びpHのよ
うな他の合成変数によって構造制御が行われる。テンプ
レート剤の影響は立体的と電子的の両方であり、典型的
にはAlPO4−5及び特許または11に対して説明されてい
る適切な化学量論及び空間充てん特性(space−filling
characteristics)を示す。
テンプレート剤の役割についての上記の記載はQAPSO同
族体の製造に関するテンプレート剤の一般的役割の特徴
である。
ケイ素源はシリカゾル又はフュームドシリカ(fumed si
lica)のいずれかとしてのシリカ、反応性固体無定形沈
降シリカ、シリカゲル、ケイ素のアルコキシド、シリカ
含有粘土、ケイ酸又はアルカリ金属ケイ酸塩及びそれら
の混合物であることができる。
アルミノホスフェートに対し従来発見された最適のリン
源はリン酸であるけれどトリエチルホスフェートのよう
な有機ホスフェートが十分に適していることがわかって
おり、かつ米国特許第4,310,440号明細書のAlPO4組成物
のような結晶又は無定形のアルミノホスフェートもまた
適することがわかっている。テトラブチルホスホニウム
ブロミドのような有機リン化合物は反応性リン源とし
て作用するとは思わないけれど、これらの化合物はテン
プレート剤として機能する。メタリン酸ナトリウムのよ
うな慣用のリン塩は少なくとも部分的にリン源として使
用することができるけれど好ましくはない。
好ましいアルミニウムはアルミニウム イソプロポキシ
ドのようなアルミニウム アルコキシド又はシュードベ
ーマイトのいずれかである。好適なリン源である結晶又
は無定形のアルミノホスフェートは勿論好適なアルミニ
ウム源でもある。ゼオライトの合成に使用される、ギブ
ス石(gibbsite)、アルミニウム含有粘土、アルミン酸
ナトリウム及び三塩化アルミニウムのような、その他の
アルミニウム源を使用することができるけれど好ましく
はない。
元素Qは、元素の反応性形態をその場で形成させ得る、
すなわち元素Qの骨格酸化物単位を形成するのに反応性
な、任意の形態において反応系に導入することができ
る。使用することのできる元素Qの化合物は酸化物、水
酸化物、アルコキシド、硝酸塩、硫酸塩ハロゲン化物、
カルボン酸塩及びそれらの混合物を包含する(しかし限
定されない)。使用することのできる代表的な化合物と
しては特に:ヒ素及びベリリウムのカルボン酸塩;塩化
コバルト6水和物、αヨウ化コバルト;硫酸コバルト;
酢酸コバルト;臭化コバルト塩化コバルト;ホウ素アル
コキシド;酢酸クロム;ガリウムアルコキシド;酢酸亜
鉛;臭化亜鉛;ギ酸亜鉛;ヨウ化亜鉛;硫酸亜鉛7水和
物;二酸化ゲルマニウム;酢酸鉄(II);酢酸リチウ
ム;酢酸マグネシウム;臭化マグネシウム;塩化マグネ
シウム;ヨウ化マグネシウム;硝酸マグネシウム;硫酸
マグネシウム;酢酸マグネシウム;臭化マンガン;硫酸
マンガン;四塩化チタン;カルボン酸チタン;酢酸チタ
ン;酢酸亜鉛などを包含する。
QAPSO生成物は結晶化後に単離し、次いで有利には水で
洗浄し、空気中で乾燥する。合成したままのQAPSOは一
般的にその内部細孔系内に、該QAPSOの形成に使用した
少なくとも1種の形態の任意のテンプレート剤を含有す
る。最も通常には、任意の有機テンプレート剤から誘導
される、この有機部分は有機物含有反応系から製造され
る合成したままのアルミノシリケート ゼオライトの場
合に一般的であるように、少なくとも部分的に電荷平衡
(charge−balancing)カチオンとして存在する。しか
しながら、特定のQAPSO種においては該有機部分の若干
又は全部が吸蔵分子種であることができる。通則として
テンプレート剤、したがって吸蔵有機種はQAPSO生成物
の細孔系を通って自由に移動するには大き過ぎるので、
200℃〜700℃において該QAPSOをか燒して有機部分を熱
的に劣化させることにより除去しなければならない。或
る場合においては、特にテンプレート剤が小分子である
場合において、QAPSO組成物の細孔はテンプレート剤の
移動を可能とするのに十分に大きく、したがってゼオラ
イトの場合に行われるような慣用の脱着手順によって該
テンプレート剤の完全な、又は部分的な除去を達成する
ことができる。本明細書に使用される用語「合成したま
ま」は、水熱結晶化操作の結果として結晶内細孔系を占
めている任意の有機部分が事後合成処理によって組成
式: mR:(QwAlxPySiz)O2 におけるmの値が0.02未満の値を有するように減少され
たQAPSO種の状態を含まないことが理解されるであろ
う。上式のその他の記号は上記に定義したとおりであ
る。元素Q、アルミニウム、リン及び/又はケイ素の原
料としてアルコキシドを使用した製剤においては、相当
するアルコールが反応混合物中に必然的に存在する。な
ぜならアルコールはアルコキシドの加水分解生成物であ
るからである。NZMS特許文献においてくり返し報告され
ているように、このアルコールが合成操作においてテン
プレート剤として関与しているか否かについては決定さ
れていない。しかしながら、本発明の目的に対しては、
たとえ合成したままのQAPSO原料中に該アルコールが存
在するとしても該アルコールはテンプレート剤の部類か
ら独断的に除外する。
本発明におけるQAPSO組成物は正味電荷−1、+1、0
及びn(nは−3、−2、−1、0又は+1である)を
それぞれ有するAlO2 -、PO2 +、SiO2及びQO2 n骨格酸化物単
位から形成されるのでカチオン交換性の問題は観念的に
AlO2 -四面体カチオンと電荷平衡カチオンとの間に化学
量論的関係が存在するゼオライト系モレキュラーシーブ
の場合よりも、かなりにより一層複雑である。本発明の
組成物においてAlO2 -四面体はPO2 +四面体か、又はアル
カリ金属カチオンもしくはプロトンのような単純カチオ
ン、反応混合物中に存在する元素Qのカチオン又はテン
プレート剤から誘導される有機カチオンかのいずれかと
会合させることにより電気的に平衡させることができ
る。同様にQO2 n酸化物はPO2 +四面体、アルカリ金属カチ
オンのような単純カチオン、金属Qのカチオン、テンプ
レート剤から誘導される有機カチオン又は外部から起源
して導入される他の2価もしくは多価の金属カチオンと
会合させることにより電気的に平衡させることができ
る。
QAPSO組成物は、従来ゼオライト アルミノシリケート
について採用されているイオン交換技術を使用して分析
した場合にカチオン交換能力を示すことがあり、しかも
それぞれの物質の格子構造に固有の、かつ直径が少なく
とも約3オングストロームである細孔直径を有する。合
成したままのQAPSO組成物中に存在する水を除去するた
めの脱水は通常には、有機部分を除去することなく通常
の方法で少なくとも或る程度まで達成できるけれど有機
種の不存在は吸着手順及び脱着手順を非常に容易にす
る。QAPSO物質は種々の程度の水熱安定性及び熱安定性
を有し、若干のものはこの点に関して全く顕著であり、
かつモレキュラーシーブ吸着剤及び炭化水素転換用触媒
又は触媒ベースとして機能する。
本発明の組成物を製造するのに使用されるゼオライト構
造物はQAPSO含有相と接触させることなく、又はゼオラ
イト ゲルのpHについての警告(caveat)を必要とする
QAPSO含有相の存在下に製造することができる。該ゼオ
ライト構造物は塩基性条件下におけるアルミン酸塩及び
ケイ酸塩の水熱結晶化によって発生させることができ
る。反応物の水性ゲルを約50℃(122゜F)から約200℃
(392゜F)まで、好ましくは約100℃(212゜F)から約175
℃(347゜F)までの範囲にわたる温度において加熱す
る。最適の結晶化合物温度は組成及び構造に関係する。
ゼオライトの製造方法の良好な特徴づけを、1974年米国
ニューヨーク州、ニューヨーク市、John Wiley & Son
社発行、Breck著、Zeolite Molecular Sievesの第4章
及び同上のMagee及びBlazek of Raboによる第11章に見
出すことができる。
本発明の複合物はその他の、又はもう一つの相の存在下
における1つの相の水熱結晶化によって好都合に形成さ
れる。広く言えば該複合物の各相は該相の成分の水熱結
晶化によって水性ゲルから誘導される。該複合物は該複
合物のもう一つの相を構成する析出基材の存在下に、所
期の相を形成する前駆物質の水熱結晶化から由来する。
本発明の実施に当り該析出基材は完全に形成された組成
物である必要はない(たとえば不十分に結晶化されたも
のでよい)。このように人々は水熱結晶化手順により、
しかも結晶構造が十分に形成されるに先立ってモレキュ
ラーシーブ構造物の製造を開始することができたが、上
記モレキュラーシーブ構造物は外層の製造に使用される
前駆物質を該モレキュラーシーブ構造物に転化すること
により析出基材として使用される。このような場合、該
析出基材は「グリーン(green)」状態にあると言われ
る。析出基材上に外層を析出させた後に該析出基材から
1種又は多種のカチオンを除去したいと思われる場合が
ある。このようなカチオンの除去は析出が完了し、かつ
複合物構造が形成された後に行うことができる。
両方の相を発生させる単一のゲルを使用する、他の相に
先立っての、1相の分別(優先)結晶(differential c
rystallization)は析出基材を形成するもう一つの方法
である。このような手順は両方の相がNZMSであり、しか
も両相がMeAPO、MeAPSO、ELAPO又はELAPSOの各組成物を
生成させるMe元素もしくはEL元素の存在又は不存在によ
って主として異なる場合に効果的に行われる。
本発明において使用される複合物は、該複合物の製造
中、又は完成された複合物中のいずれかにおいて、1相
と他の相の各骨格組成物間における明らかな境界区分が
存在することと無関係である。上記に示したように、界
面が、予期された2相系の名目的な第三の骨格相、又は
予期された三相系の第四もしくは第五の骨格相を構成す
るように見ることができるように、相間の界面に生ずる
変態が屡々存在する。たしかに1相の骨格組成物から他
の相の骨格組成物までの、相間に存在する一定勾配の組
成変化としての変態が注目されることがある。しかしな
がら、該勾配は界面付近において本質的に識別可能であ
り、相の残りはそれぞれより一層組成的に均質であると
思われる。本発明の複合物の組成的不均質性は、概念的
に、相の組成及び界面における骨格組成に関しての1相
と他相との関係における相違に起因して伸張する。
複合物の合成に対するヒドロ結晶化(hydrocrystalliza
tion)条件は、水熱結晶化に供される相に対して意図さ
れた特定のモレキュラーシーブ組成物について上記に引
用した条件である。予備成形したゼオライト系モレキュ
ラーシーブが、非ゼオライト系の、アルミニウム及びリ
ンをベースとするモレキュラーシーブの意図された析出
のための析出基材として使用される場合においては、勿
論、ゼオライト系モレキュラーシーブの存在下における
反応性のアルミニウム及びリンのゲルの水熱結晶化を採
用すべきである。このことは該合成により、上記水熱結
晶化合成が意図されるモレキュラーシーブの組成に全く
類似する相が生成されることを意味するものではない。
形成される組成物は上記に示したように界面に何が生ず
るかによって微妙に相違するけれど、上記のようなモレ
キュラーシーブの組成についての前記特徴づけに包含さ
れるのに十分に類似していると思われる。析出基材とし
て作用する相の一つが、十分に形成された結晶構造であ
ることが好ましい。組成物が、他の相を発生させるのに
使用される成分と接触する以前に、テンプレート剤を実
質的に除去してもよく、或いはなくてもよい。析出基材
は次に生成される相(外層)の支持体であり、かつエピ
タキシー成長の基礎となる。一たん一つの相が他の結晶
相の存在下に結晶すれば該複合物は更にもう一つの固相
の発生に対する支持体として使用される。この手順は所
望により、或いは実質的に単一の結晶構造を有する複合
物不を提供するのに十分な、異なる組成を有するけれど
同一の結晶骨格を有するモレキュラーシーブが存在する
ほどに多数回くり返すことができる。この技術により、
外皮(skin)が互に化学的に結合している本発明の複合
物の場合を除いて、オニオンスキン(onionskin)模様
の、異なるモレキュラーシーブの反復層を有する複合物
を生成することができる。別個のモレキュラーシーブ組
成物の成分を混合し、水熱分別結晶化(hydrothermal d
ifferential crystallization)を行って本発明に包含
される混合相組成物を形成することが所望される場合が
ある。典型的な場合においては、互に接触しているけれ
ど、適当な結晶構造の結晶モレキュラーシーブを既に形
成し、又は部分的に形成しているモレキュラーシーブ配
合物の水熱結晶化によって該複合物が形成される。
析出基材の表面上への結晶のエピタキシー成長によって
複合物が形成されると思われる。[或る場合にはこの成
長が析出基材によって助長されるのが実情である。この
ようなことを「種づけ(seeding)」効果という場合が
ある。しかしながらそのことは独特な、かつ予想外な性
質を有する複合物を形成するに当っての該析出基材の役
割に比較してあまり重要ではない考えである。]このよ
うな成長により基材支持体表面が生じ、該表面上には、
該支持体表面の結晶骨格への水熱結晶化操作中に結晶性
モレキュラーシーブ層が析出し、かつエピタキシー的に
グラフトする。このような方法において、他のモレキュ
ラーシーブの層、膜、もしくは外とうによって取り巻か
れ、又は包まれた中心核(core)を得ることができる。
複合物の深さにわたっての交換性の差を有する薄層が、
中心核上及び先に析出した各層上に析出したこれらの膜
の多層から製造することができる。それぞれが異なる吸
着特性及び触媒特性を有する複数の相により、多面の性
能を有する複合物を製造することができる。
既に形成された別の相の存在下における相の水熱結晶化
中に若干の結晶化が、複合物を形成しない粒子を生成す
ること、すなわち形成された相の表面上に結晶化が起ら
ないことの可能性が存在する。今までの経験によれば、
そのようなタイプの独立的な結晶化はたとえいくらか生
ずるとしても極くわずかであることは示されている。通
常の場合、水熱結晶化生成物の約50重量%以下が上記の
ような複合物を形成していない粒子から成る。更に好ま
しくは水熱結晶化生成物の約25重量%以下、最も好まし
くは約5重量%以下、そして最も望ましくは(そして通
常には)約0重量%が上記のような複合物を生成してい
ない粒子から成る。
下記に示すように、該複合物の形状は微粒状であるけれ
ど、触媒又は吸着剤として使用される場合には該複合物
が適用される用途により該複合物の全体的形状が定めら
れる。該複合物の形状は微粒状であるけれどFCC触媒と
して使用される場合には、そのような用途によって全体
的形状が決定される。FCC触媒の場合、該複合物は生成
時のままで使用することができ、あるいは無結合剤法に
よって、又は他の成分の使用によって組み合わせて、使
用に更に望ましい構造に形成することができる。該粒子
は噴霧乾燥、マトリクス結合剤による粒子の結合、など
のような当業界に周知の種々の技術によって他の形状に
形成することができる。触媒は反応器の形状又は反応の
態様に対して適当に形成することができる。しかしなが
ら、本発明の複合物構造によって或る種の特別の効果を
得ることができる。例えば複合物をマトリクス結合触媒
と会合させるに先立って析出表面上に外層を析出させる
よりは、むしろ噴霧乾燥により、又は用途にしたがって
マトリクス結合媒質と組み合わせることにより、まず析
出基材を成形し、次いで析出基材又は析出表面を含む成
形体を、外層を形成する前駆物質の配合物中において水
熱結晶化に供することができる。このようにして外層
が、成形体中において露出したままでいる析出面上に析
出する。この手順は複合物/マトリクス成形生成物に対
して必要な外層の量を最小化する。好ましい実施態様に
おいては、複合物が、該複合物を含む成形体の形成に先
立って形成される。
さきに指摘したように複合物から形成される最終の触媒
又は吸着剤の粒子の形状はそれらが適用される用途によ
って定められる。もし複合物が触媒用として望まれるな
らば該複合物は形成された粒子として使用することがで
き、あるいは、該形成された粒子は互に直接に、又は結
合媒質を通して間接的に結合して、意図される触媒用と
して満足されるように、より大きな成形触媒とすること
ができる。最も普通の場合、複合物粒子は噴霧乾燥、ペ
レット化、押出しなどによるような種々の技術により互
に結合される。触媒技術分野における慣用の技術を使用
して複合物粒子を予め定めた所望のペレット、噴霧乾燥
粒子又は押出物に成形するために典型的には結合剤を使
用する。例えば複合物粒子と典型的には接触法の反応物
に対して不活性であるマトリクス材料とを混合し、次い
で所望の形状にペレット化又は押出すことができる。
本発明の複合物の形状は本発明に対して臨界的ではない
けれど個々の用途に関して重要である場合がある。
本発明の複合物から製造される触媒は典型的には該複合
物と、任意の無機酸化物マトリクス成分でよい無機酸化
物マトリクス成分との物理的混合物であり、ここに該無
機酸化物マトリクス成分は例えば、無定形アルミノシリ
ケート及びゼオライトのような触媒的に活性なシリカ−
アルミナ、粘土、シリカ、アルミナ、シリカ−ジルコニ
ア、シリカ−マグネシア、アルミナ−ボリア、アルミナ
−チタニアなど、及びそれらの混合物のような無定形触
媒的無機酸化物を包含する触媒の処方に従来使用されて
いるものである。該複合物は通常にはマトリクス成分と
混合し、次いで適当な触媒形状に形成する。
例えば、アルミナ、シリカ、粘土などのような無機酸化
物マトリクス成分は最終触媒中に、全触媒重量を基準に
して約5重量%と約99重量%との間、好ましくは約5重
量%と約95重量%との間、更に好ましくは約10重量%と
約85重量%との間の範囲にわたる量において存在するこ
とができる。
該無機酸化物マトリクス成分は、ゾル、ヒドロゲル又は
ゲルの形態であることができ、かつ典型的にはアルミ
ナ、シリカ、粘土及び/又は慣用のシリカ−アルミナ触
媒に使用されるもののようなシリカ−アルミナ成分であ
り、そのいくつかの種類及び組成物は市販されている。
該マトリクス成分はそれ自体が触媒的効果を奏するか、
又は該マトリクス成分は実質的に不活性であることがで
きる。或る場合には該マトリクスは「結合剤」として作
用することがあるけれど、或る場合においては最終触媒
は噴霧乾燥させるか、又は結合剤を必要とすることなく
形成することができる。これらの物質はシリカとアルミ
ナとのコゲル(cogel)として、又は予備成形し、かつ
予備熟成したヒドロゲル上に沈でんしたアルミナとして
製造することができる。シリカは、上記のようなゲル中
に存在する固体中における成分として存在することがで
き、例えば約5重量%と約40重量%との間、好ましくは
約10重量%と約35重量%との間の量において存在するこ
とができる。またシリカはシリカ約75重量%とアルミナ
約25重量%、又はシリカ約87重量%とアルミナ約13重量
%とより成るコゲルの形態で使用することもできる。
アルミナ成分は例えばシュードベーマイトのような種々
のアルミナの不連続粒子から成ることができる。該アル
ミナ成分はブルナウエル(Brunauer)、エメット(Eme
t)及びテラー(Teller)の方法(BET)により測定して
1グラム当り約20平方メートル(m2/g)以上、好ましく
は145m2/g以上、例えば約145ないし約300m2/gの総面積
を有する不連続粒子の形態であることができる。アルミ
ナ成分の細孔容積は典型的には0.35cc/g以上である。該
アルミナ粒子の平均粒径は一般的に10ミクロン以下、好
ましくは3ミクロン以下である。アルミナはマトリクス
として単独で使用することができ、あるいは前述のよう
にシリカのような他のマトリクス成分と共に複合物とし
て使用することができる。アルミナ成分は任意のアルミ
ナでよく、しかも好ましくは予備成形して、その表面積
及び細孔構造が安定化するような、物理的形状とするこ
とができる。このことはアルミナが、かなりの量の残留
可溶性塩を含有する不純な無機ゲルに添加された場合に
該塩が表面及び細孔特性を測定可能に変化させず、かつ
それらの塩が、変化され得る予備成形多孔質アルミナに
対する化学的侵食を促進することもないということを意
味する。例えば該アルミナは適当な化学反応により形成
され、スラリー熟成(slurry−age)され、濾過され、
乾燥され、洗浄して残留塩が除去され、次いで加熱され
て該アルミナの発揮物含量が約15重量%以下に減少され
たアルミナであることができる。更に、触媒の製造に当
ってアルミナのヒドロゾルもしくはヒトロゲル、又は含
水アルミナ スラリーを使用することができる。
噴霧乾燥、ペレット化、押出し、及びその他の適当な慣
用の手段を包含する標準の触媒形成技術により、複合物
粒子と無機マトリクスとの混合物を触媒用の最終形態に
形成することができる。このような触媒は典型的には噴
霧乾燥によって製造され、このような手順は触媒製造に
ついての当業者に周知である。
本発明の複合物から触媒を製造する手順の例は下記のと
おりである:ケイ酸ナトリウムを硫酸アルミニウム溶液
と反応させてシリカ/アルミナ ヒドロゲル スラリー
を形成され、次いで該スラリーを熟成させて所望の細孔
特性を付与し、濾過して、かなりの量の、外来の、しか
も好ましくないナトリウム イオン及び硫酸イオンを除
去し、次いで水中にスラリー化する。該アルミナはアル
ミン酸ナトリウムと硫酸アルミニウムとを適当な条件下
に反応させ、スラリーを熟成させてアルミナの所望の細
孔特性を付与し、濾過し、乾燥し、水中に再スラリー化
してナトリウム イオン及び硫酸イオンを除去し、次い
で乾燥して揮発性物質の含量を15重量%以下に減少させ
ることにより製造することができる。該アルミナは次い
で水中にスラリー化し、適当量を不純シリカ−アルミナ
ヒドロゲルのスラリーと混合することができる。次い
でこの混合物に複合物のモレキュラーシーブを添加する
ことができる。所望の最終組成物を得るのに十分な量の
核成分を使用する。次いで、該得られた混合物を濾過し
て残留する外来の可溶性塩の一部を該混合物から除去す
る。次いで該濾過された混合物を乾燥して乾燥固体を生
成させる。該乾燥固体を次いで水中に更スラリー化し、
洗浄して、望ましくない可溶性塩を実質的に除去する。
次いで触媒を乾燥して残留水含量を約15重量%以下とす
る。触媒は典型的にはか燒後に回収する。
最終生成物において複合物及び無機酸化物マトリクス成
分のほかに種々の他の種類のゼオライト、粘土、一般化
炭素の酸化促進剤などを包含する、その他の物質を使用
することもまた本発明の範囲内である。
本発明において採用することのできる代表的なマトリク
ス系は1973年5月2日発行の英国特許明細書第1,315,55
3号ならびに米国特許第3,446,727号及び第4,086,187号
各明細書に開示されている。上記各特許明細書は参考と
して本明細書に組み入れる。
本発明を更に詳細に説明するために特に本発明の実施態
様を示す。これは本発明の範囲を限定するものではな
い。
実施例においてステンレス鋼製容器を使用した。該容器
は不活性なプラスチツク材、ポリテトラフルオロエチレ
ンで内張りして反応混合物の汚染を防止した。一般的に
複合物が結晶化される最終反応混合物は析出基材を添加
するに先立つて、すべての試薬の混合物を形成し、次い
で、析出基材を添加した。逆にまず析出基材を反応器に
添加し、次いで外層を生ずるヒドロゲルを形成させるた
めの試薬を添加することができる。次いで水熱結晶化が
行われる。相の試薬が他の相の試薬によつて生成するも
のと異なる水熱結晶化動力学となる条件が存在する。上
記情況において試薬が同時に組み合わされ、動力学にお
ける相違により結晶成長のための析出基材が提供され
る。これを本明細書においては「微分結晶(differenti
al crystallization)」という。下記実施例102はこの
技術を説明する。或る場合においては混合された試薬は
それらの同一性を中間混合物において保持し、その他の
場合において試薬の若干又はすべてが化学反応に包含さ
れて新規な試薬を生成する。用語「混合物」は両方の場
合に適用される。更に、特定しない限り、各中間混合物
ならびに最終反応混合物は実質的に均一になるまでかく
はんする。
下記表Bは本発明の範囲の複合物を製造するために組み
合わせることのできる異なる相の対の組合せを示す。
本発明に包含される広範囲の複合物の説明として、水熱
結晶化法による別のモレキユラーシーブの析出基材上の
外層としての、1種のモレキユラーシーブを析出する本
明細書記載の技術を使用した、構造還元(constructive
reduction)による2相複合物を下記表Cに説明する。
表Cの複合物は表に示したモレキユラーシーブ析出基材
と外層とを使用する。各析出基材は参照される先行技術
に開示されている手順を使用して予備成形した。外層は
下記の一般手順にしたがつて製造し参照した先行技術に
したがつて改変する。
ゲルは第一容器において参照先行技術において引用した
テンプレート剤の指示量を溶解することにより製造す
る。次いで、もしシリカ原料を使用するならばその指示
量を、もし使用しないならばアルミニウム及びリン原料
を先行技術にしたがつて添加する。もしシリカを使用す
るならば、次いで第二容器において、水和酸化アルミニ
ウム(シユードベーマイト相、Al2O374.2重量%、水25.
8重量%)の、参照先行技術において指示された量、及
びリン酸(85%)のようなリン源の指示量、金属塩の指
示量及び特定量の水を十分に混合する。次の工程におい
て、該第一容器中の混合物を、第二容器中のアルミナ、
リン酸及び金属塩(もし使用するならば)のスラリーに
添加し、次いで該混合物を追加の時間にわたつて混合し
て、析出基材の処理に使用されるゲルを形成させる。も
し1個のみの容器を使用するならばゲルの粘稠性が達成
されるまで内容物を適当に混合する。
複合物を形成するに当つては、ゲルと析出基材との十分
な混合物を250ccのポリテトラフルオロエチレンでライ
ニングしたステンレス鋼製反応器に入れ、静止的に(か
くはん操作なしに)約5〜24時間にわたり200℃におい
て蒸解する。蒸解の複合物生成物を冷却し、存在する上
澄液をデカントする。固体生成物を水で数回洗浄し、最
後に空気乾燥する。
表Cに示す重量比は析出基材相対外層の比である。個々
の複合物、又は複合物の群(各群は水平線により分離し
て示す)が有する孔径を基準にした孔径によつて特徴づ
けられる複合物に再して種々の使用効果が引用されてい
る。
実施例1 本実施例における複合物は析出基材としてYモレキユラ
ーシーブを、そして外層としてSAPO−37を使用する。析
出基材として使用されるYモレキユラーシーブはY−62
(ユニオン カーバイト社から発売される)モレキユラ
ーシーブの工業用ロツトから製造した。該モレキユラー
シーブは下記のように処理した: (a)数回アンモニウム交換してNa2O含量を2.24%から
0.32%までに低下させ; (b)得られたアンモニウム交換したY−62を下記のよ
うにしてテトラメチルアンモニウムクロリド(TMACl)
により更に交換した:60.0gのTMAClを60ccの水に溶解さ
せてpH4.9を有する溶液を生じさせ;この溶液に十分な
テトラメチルアンモニウムヒドロキシド5水和物(TMAO
H.5H2O)を添加しpHを7.2に上げた。次いで該アンモニ
ウム交換したY−62の60.0g(無水物基準)を上記溶液
に添加し、次いでスラリーを室温において45分間かきま
ぜた。処理されたゼオライトを採集し、洗浄し、次いで
新鮮な溶液を使用して更に2回TMAOH.5H2O交換に供し
た。最終TMACl.5H2O交換したYにTMAYの記号を付した。
SAPO−37ゲルを下記のようにして製造した:TMAOH.5H2O
の5.5gを容器NO.1におけるテトラ−n−プロピルアン
モニウムヒドロキシド(TPAOH)溶液(40%水溶液)50
8.5gに溶解させた。次いてヒユームドシリカ(Cab−O
−Sil EH5)(94.5重量%SiO2、5.5重量%H2O)19.05g
を上記溶液中においてスラリー化し、次いで、約20分間
かきまぜた。酸化アルミニウム水和物(シユードベーマ
イト相、74.2重量%Al2O3、25.8重量%水)68g、リン酸
(85%)115.3g及び水84gを容器NO.2中において完全に
混合した。次いで容器NO.1中の溶液を容器NO.2中のア
ルミナ及びリン酸のスラリーに添加し、該組合せを更に
追加の30分間混合して改質Y−62(TMAY)の処理に使用
されるSAPO−37を生成した。
TMAY14gを上記のSAPO−37ゲル200gと混合し、次いで該
混合物を250ccのポリテトラフルオロエチレンでライニ
ングしたステンレス鋼製ポンプに入れ、次いで約2時間
にわたり200℃においておだやかに蒸解した。この蒸解
生成物を冷却し、上澄液をデカントした。固体生成物を
数回水洗し、最後に空気乾燥した。
実施例2及び3 本実施例は実施例1において使用したSAPO−37ゲルをく
り返し使用して本発明の複合物の二つ又はそれ以上のバ
ツチを行うことができたことを立証する。
実施例1のようにして製造した新鮮なゲルを新鮮なTMAY
と共にスラリー化し、蒸解し、次いで複合物に形成し
た。特定的にはTMAYを実施例1に記載のようにして、た
だし反応を200℃において5時間行つた点を除いてゲル
と反応させた。反応混合物を冷却し、上澄液をデカント
し、第1回処理の複合物を採集し、洗浄した(実施例2
の複合物)。次いでこの上澄液165gを新鮮なTMAY11.6g
と混合し、該混合物を200℃において20分間にわたりお
だやかに蒸解した。反応混合物を冷却し、固体を採集
し、水で数回洗浄し、第2回処理の複合物を採集し、洗
浄した(実施例3の複合物)。
実施例2及び3を表Dにおいて更に特徴づける。表Dは
或る程度のプロセス条件、回収された生成物の濃度及び
相対X線粉末回折図形の見地による: 実施例4〜12 下記表Eに示される析出基材組成、試薬濃度及びプロセ
ス条件の変動を除いて実施例1の手順にしたがつて実施
例4〜12を行つた: 下記の化学分析表Fは上記実施例1〜12の化学分析と複
合物及び析出基材組成物について若干の結晶学的データ
を示す。
表D、EおよびFに、実施例1−12のSAPO−37を含有す
る組成物の合成、関係する付着基体組成物およびそれら
の分析の一部を要約する。その合成における付着基体お
よびゲル重量についての情報ならびに時間の関数として
得られる生成物の量およびX線結晶性についての情報が
提供される。実施例1−10のゲル、200グラムと実施例
1および3−9の付着基体、約14グラムの相対的な量比
は、付着基体を使用しないSAPO−37の合成についての以
前の経験にもとずいて選ばれた。指定の値において、SA
PO−37相の最大収量の期待値は、使用した付着基体の重
量に等しい。従って、予想されたSAPO−37相の成長が起
こるならば、生成物は約50%の付着基体と50%のSAPO−
37相を含有するはずである。表に示すこれらの実施例の
データを検討すれば、わずか2時間あとで、固体生成物
の重量(実施例1)は最初に使用した付着基体の重量か
ら変わっておらず、成長が僅かしか起こっていないこと
を示している。得られた生成物の結晶性は出発の付着基
体と同様僅かに81.6%であり、付着基体が少し分解して
いるか、無定型相が付着していることを示している。5
時間の熟成のあとに得られた生成物(実施例3)は、最
初の付着基体重量から2.9グラムの重量増加があること
から、若干の成長の証拠を示し、またX線分析により少
量のSAPO−5不純物を伴って完全に結晶性であった。純
粋のSAPO−5に比較したピーク面積にもとずいて、5時
間の試料は、この不純物を約10%含み、試料の残部は、
YゼオライトおよびSAPO−37の代表的なX線粉末回折パ
ターンを示した。24時間熟成生成物(実施例4)の収量
は、固相のかなりの成長があって付着基体に対して11グ
ラム以上の重量の増加があったことを示唆している。こ
の生成物はまた完全に結晶性であり少量のSAPO−5不純
物を含有していた。
5時間生成物(実施例3)および24時間生成物(実施例
4)中の少量のSAPO−5の存在はSAPO−37を含むこれら
の複合物の合成において変則的なものと考えられる。後
のすべての調製物(実施例5−12)はこの不純物を含ま
ないからである。
上記の化学分析表は、2時間の調製物(実施例1)の場
合、熟成生成物中に約6.42%の燐の存在と、付着基体に
対して21.42%から28.9%へのアルミニウム含有量の増
加を示している。シリカ含有量は61.3%から48.9%に減
少した。熟成時間が長いと、生成物の燐含有量は5時間
(実施例3)で14.4%、24時間(実施例4)で19.1%に
さらに増加した。5時間および24時間の熟成時間では、
アルミナ含有量は約28%と一定のままであったが、シリ
カ含有量は、それぞれ40.45%および35.5%とさらに低
下した。
実施例1、3および4のSAPO−37含有複合体生成物の分
析研究の結果は、次のように要約できる。SAPO−37ゲル
中で低ソーダTMA交換Y−62付着基体の2時間の熟成の
あと、SAPO−37相の成長の明確な証拠はなかった。X線
分析は若干の結晶の分解が起こったことを示唆してお
り、赤外スペクトルは存在する燐がゼオライトの結晶構
造内に組み込まれている証拠のないことを示している。
5時間の熟成のあと、付着基体の最初の重量に対するわ
ずかな重量増加で、若干の成長が証明される。この熟成
の長さでは、付着基体は完全にもとの結晶性に戻った。
明らかに、各Y付着基体の結晶の外側に若干のSAPO−37
の成長が起こっている。これはこの材料のX線粉末回折
が少量のSAPO−5不純物を除外してYとSAPO−37だけの
パターンを示すからである。
24時間の熟成のあと、結晶性物質のかなりの成長が起こ
り、生成物の重量はもとの付着基体に対して約2倍にな
った。このことは、外側の層すなわちマントルの厚さが
熟成時間によって変化し例えば24時間熟成の生成物は5
時間熟成の生成物より厚くなることを明確に示してい
る。
*** 流動接触分解は、米国でのガソリン生産の主な源泉であ
る。これは一般に分解塔のライザー反応器部分で原料、
例えば代表的には真空ガスオイルに触媒を接触させて循
環することによって実施する。ライザー反応器の温度は
約500℃(932゜F)である。反応は数秒以内に終わる。反
応は原料と触媒が反応器の温度に達成した時に完了して
いる。触媒はストリッパー内で生成物から分離され、再
生器に入り、ここで触媒は空気と水蒸気で約760℃(140
0゜F)に加熱される。再生された触媒は反応原料流に再
び加えられる。分解反応は次の生成物を造る:ガソリ
ン、軽質サイクルオイル、重質サイクルオイル、コーク
スおよびガス。生成物の約60容量%はガソリンであり、
約20容量%は軽質サイクルオイル、約10容量%は重質サ
イクルオイル、約4−6重量%はコークス、残りがガス
である。この方法の選択性は、反応原料として導入した
原料(真空ガスオイル)から造られるガソリンまたはガ
ソリンおよび軽質サイクルオイルで測定される。
現在使用されるFCC触媒はほとんど全部分解触媒として
ゼオライトを含んでいる。このゼオライトの約98%はゼ
オライト−Y型である。ゼオライト−Yは、ファウジャ
サイト結晶学的骨格を有する。これはアルミン酸結晶や
珪酸塩の原料の水添結晶化で製造する。その製造と性能
の特定の説明はラボの前記文献の第11章、615−664頁に
述べられている。
市販のFCC−Y型のゼオライトのうちの幾つかは18重量
%というかなりの量の焼成稀土類酸化物を含んでいる。
それらは頭字語“CREY"で知られている。他の特に望ま
しい分解触媒は、USYまたはY−82として知れている安
定化されたYである。
この触媒を使う方法においては、触媒は再生器内で、代
表的には空気の存在で760℃以上の温度で相当量の水蒸
気で処理する。再生器の温度は反応器の温度よりずっと
高い。水蒸気および空気による処理の目的は、クラッキ
ング反応工程で付着するコークスの燃焼による触媒の再
生を助けることである。
触媒から効率よくコークスを除く必要性は、触媒が優れ
た熱安定性と水熱安定性を有することを要求する。この
工程の厳しい条件は、極端に丈夫な組成物を要求する。
これらの触媒は、典型的に3ないし6か月の寿命を有す
る。FCC工程に極めて重要なのは、反応器内での滞留時
間と、約8Åの孔径をもつ1−5ミクロンの大きさのゼ
オライト微結晶の内部に存在する曲がりくねった拡散の
問題である。分解工程は、触媒の酸性の微結晶(ゼオラ
イトY)の存在で高温で行われる。反応原料が触媒とい
っしょにまたはその中で極めて長時間を過ごすと、前述
の好ましくない二次反応が起こり、コークスやガスのよ
うな不要な副生物を生成する。その上、ガソリンのオク
タン価が下がる。触媒の結晶のなかでの原料と反応生成
物の曲がりくねった拡散は、存在する分子の大部分の接
触時間を増し、明確に規定された工程パラメーターとし
ての滞留時間を確定する道具である空間速度に頼る能力
を減少させる。ガソリン製品を選択的に製造する触媒の
総合能力に対する触媒活性の敏感性は、滞留時間や触媒
/油の比を含む工程条件に触媒の酸性を関係づけること
によって一部分だけ決定できる。その特性によって、コ
ークスを多く造る触媒もあり、ガスを多く発生させるも
のもある。得られる結果に対する曲がりくねった拡散の
役割は、工程条件を関係づけることへの考慮を要求す
る。
最近、オンタン価はガソリンの製造において重要な技術
的問題になってきた。米国における国家的の基準として
の無鉛ガソリンの進展で、できるかぎりオクタン価の高
いガソリンをFCC法で造ることが望まれるようになって
きた。
FCCで造ったガソリンの大部分は、米国ではオクタン価
を上げるのに使用される。最近の調査で米国出生産され
るガソリンの約35%はFCC法によることがわかった。FCC
ガソリンは、約86.5−87.5のオクタン価をもち、米国ガ
ソリンのオクタン・プールは約85.9のオクタン価を有し
ている。このオクタン価の差は有意と見做される。その
結果、FCCガソリンは他の低オクタンガソリン原料のオ
クタン価を上げるのに極めて有用であることになる。EP
Aによって委任されている鉛の量を達成し、自動車の規
格に合うように米国ガソリンオクタン価を88以上に上げ
るためには、改質、異性化、アルキル化およびFCCのよ
うな精製工程で得られるガソリンのオクタン価を上げる
成分に強く依存する必要がある。
現在のオクタン価向上のためのFCC触媒は、水蒸気で安
定化した触媒を含むYゼオライト(しばしば“USY."と
呼ぶ。USYまたはUS−Yは超安定Yの頭字語である。そ
の性質および製造性は、前述のラボの102、164、249お
よび318−329頁に述べられている。)に頼っている。US
Yの性能を燒成稀土類Y(CREY)ゼオライトに比べた場
合、ガソリンの製造に使われる量の多いUSYの方が、オ
クタン価を上げると同時にコークスの生成量を下げる。
ガソリンの選択性を上げるのには、USYはCREYほど有効
ではないようである。ガソリン選択性(収率)は、典型
的にガス生成量の増加(液体に比べて)を伴う。その
上、USY系の触媒は、ガソリン製造に避けられない環境
条件である水蒸気中で急激に不活性化される。その結
果、USYは短時間でCREY触媒よりも活性が下がる。USYの
活性は触媒中で高濃度のUSYを使用することによって向
上できるが、これはコストが嵩み、耐摩耗性の低い触媒
になる。別の方法は、カチオン交換で少量の稀土類を適
用することである。しかし、そのような方法はオクタン
価の低いガソリンを与える。
USY触媒は、オレフィンがかなり多く芳香族が少し少な
いガソリンを生成するので、CREY触媒より優れている。
オレフィン分が多いと、オクタン価が高くなる。オレフ
ィン性の向上は、FFCC用途でのUSYゼオライトにおける
酸性部位の減少と極性低下を伴い、CREY系触媒に比べて
低い水素移動活性を与えることになる。水素の移動は、
下記の仕切に従ってオレフィンを消費しパラフィンおよ
び芳香族化合物を生成する。
3オレフィン+1ナフテン→3パラフィン+1芳香族化
合物。
オレフィンと芳香族化合物は高オクタンガソリン成分で
あるが、オレフィン3分子は破壊されて1分子の芳香族
化合物を生成するので、この水素移動反応によって、正
味のオクタン価の低下が起こる。CREYを含む触媒はFCC
の条件のおいて最高の酸性部位濃度および反応原料濃度
を有し、そのどちらもH-移動率を高くする。FCC条件へ
の露出の延長を反映するように予め水蒸気処理したUSY
は、ゼオライト系の分子篩製品に変成され、これは酸性
部位濃度も反応原料濃度も極めて“低い”。すなわち、
USY FCC触媒は、この二次水素化物移動活性を欠いてお
り、CREY含有触媒を使って造られるよりもオレフィン分
が多く、オクタン価の高いガソリンを得る。ラボの“ゼ
オライトの化学および触媒活性における統一原理“Cat.
Rev.-Sci.Eng.23(1&2)293−313頁(1981年)を参
照されたい。
USY含有触媒は二次分解活性の増加によって高オクタン
ガソリンを低収量で生産するが、CREY含有触媒はもう一
つの二次反応である水素移動の増加によって高収量で低
オクタンガソリンを得る。両方の二次反応を減らすこと
によってこれらの触媒の好ましい特性を利用し、かつそ
の欠点を利用しないことが望ましい。
本発明の触媒は、極めて優れた流動接触分解(FCC)触
媒である。さらに詳しくは、本発明の複合触媒は、オク
タン価向上剤として使用できる。本発明の複合体の或る
ものはオクタン価向上のための最も進歩したFCC触媒を
構成する。
ここに説明するのは、USY触媒とCREY触媒のそれぞれの
長所を作り上げ、USY触媒およびCREY触媒の使用で最も
有利と思われるものよりも典型的に優れた結果を与え、
しかもそれらの欠点を持ち越さない分子篩触媒である。
これは上記のような二次反応を最小にする本発明の複合
多相触媒の一つの使用によって達成される。
特に好ましい複合体の組み合わせは、SAPO−37と、Y−
82およびY−62のようなゼオライトY分子篩との組み合
わせである。SAPO−37とYゼオライトはファウジャサイ
ト構造を有する。この組み合わせは、後記するように流
動接触分解(FCC)において極めて優れた触媒性質をも
つ複合体を形成する。
本発明のこの特に好ましい複合体構造は、SAPO−37に隣
接して結合したゼオライトYの相から成る。SAPO−37の
調製に関する詳細は前記の米国特許第4,440,871号の実
施例42、43および44に記載されている。それには無水物
換算で下記の式を含めている: 0.066(TPA):(Si0.12Al0.51P0.37)O2 0.10(TPA+TMA):(Si0.125Al0.51P0.365O2 “合成したての"SAPO−37のX線粉末回折データは、米
国特許第4,440,871号の第52欄の表XVIに記載されてい
る。
SAPO−37は、孔径の大きいシリコアルミノ珪酸塩と呼ば
れる。米国特許第4,440,871号の第51欄の37−39行目に
示されているように、孔の名目上の孔径は約6.2オング
ストロームより大きく、孔の寸法は名目上0.8nmであ
る。SAPO−37の骨格位相は、ファウジャサイト構造に従
っている。“本質的に経験的な組成”は、mR:(SixAlyP
z)O2であり、ただしRは結晶内の孔の系中に存在する
例えば米国特許第4,440,871号42の実施例42−44に示さ
れる少なくとも一種の有機テンプレート剤を示し、mは
代表的に0ないし0.3の値をもち、(SixAlyPz)O2の1
モルあたり存在するRのモル数を示し、x、yおよびz
は正四面体酸化物として存在するそれぞれ珪素、アルミ
ニウムおよび燐のモル分率を示す。この分率は、本特許
の図面の第1図の三成分系図の点A、B、C、Dおよび
Eで定まる五角形の組成領域内42特に記載されているの
は、テトラ−n−プロピルアンモニウムヒドロキシドお
よびテトラ−n−プロピルアンモニウムヒドロキシドと
テオラメチルアンモニウムヒドロキシド五水和物の混合
物である。それぞれのイオンはテンプレート剤と見做さ
れる。
好ましくは第2図のa、b、c、dおよびeで定まる五
角形の組成領域内にあるようなものである。SAPO−37分
子篩は、米国特許第4,440,871号の表XVに示されるd−
面間隔を少なくとも含む特徴的なX線粉末回折パターン
を有する。さらに、合成したての結晶性SAPO−37は、そ
のような合成の結果として存在する少なくともいくつか
の有機テンプレート剤を除くのに充分な高温度で焼成し
てもよい。
SAPO−37はファウジャサイト構造族に属するので、本発
明の多相複合体を造るのにこの族の他の一員のいずれと
も結合できる。ファウジャサイト構造族の例示的な構成
員は、ファウジャサイトやゼオライトXおよびYの多く
の変形のような天然および合成の比較的安価なゼオライ
トである。ファウジャサイト構造を有するゼオライトの
例は下記の通りである:AgX、AgY、AlHY、BaX、BaY、Be
−Y、Ca−ゲルマニック近ファウジャサイト、CaHX、Ca
−X、Ca−Y、CdX、CdY、CeY、CoX、CoY、CrY、CsX、C
sY、Cu−X、Cu−Y、ジエチルアンモニウムY、エチル
アンモニウムY、Fe−X、Fe−Y、IAX群、IAY群、IIAY
群、HY、KX、KY、La−X、La−Y、LiX、LiY、LZ−10、
LZ−210、MgHY、MgNaX、MgNaY、MgNH4Y、MgX、MgY、Mn
X、MnY、Naゲルマニック近ファウジャサイト、Na−X、
Na−Y、NH4ゲルマニック近ファウジャサイト、NH4X、NH
4Y、Ni−X、Ni−Y、稀土類X、稀土類Y、RbX、RbY、
SrX、SrY、水蒸気安定化または超安定Y、テトラメチル
アンモニウムY、トリエチルアンモニウムY、X、Y、
Y−62、Y−82、Zn−XおよびZn−Y。これらのうちど
れでも付着基体または制御された条件下で付着した外側
層として働きうる。XおよびY族のゼオライトのような
ファウジャサイト系の多くは、前述のように大量生産さ
れ、また本発明の複合体の製造に使用される成分のうち
でいちばんコストが低いので、好ましい付着基体を示す
ものである。
触媒の調製 前記実施例1−12およびこれらの実施例に付随する表D
−Eに述べた複合分子篩を、ミクロン活性試験(MAT)
での触媒性を評価するためにFCC触媒に配合した。一般
に、すべての触媒は極めて類似した方法で調製したが、
それは分子篩、不活性マトリックスおよびカオリン粘土
の混合物をシリカ系結合剤で結合させるものである。結
合した混合物を押し出し、典型的には1/16″の押し出し
成形物とし、次に乾燥し、粉砕し、篩い分けて60ないし
100メッシュの範囲の触媒の粉砕粒子を得た。以下特記
しない限り、すべての触媒は、無水物換算で18%の分子
篩、62%のカオリンマトリッリクスおよび20%のシリカ
系結合剤を含むように調製された。(本発明の)SAPO−
37およびSAPO−37/Yゼオライト複合体を含む触媒の場
合、これらの分子篩の焼成されていない形を使用してす
べての触媒を調製するのが非常に重要であることがわか
った。焼成されていない形では、SAPO−37およびSAPO−
37/Yゼオライト複合体は水中で安定であり、押し出し成
形物の形成のために水の使用を含む触媒配合工程に耐え
ることができる。しかし、焼成した形では室温での水の
存在は、分子篩の分解をもたらす。押し出し物を成形
し、乾燥し、粉砕したSAPO含有触媒は、SAPO骨格に全く
またはほとんど損害を与えない下記の後続の水蒸気処理
工程で除去される。
FCC触媒の調製に含まれる方法を下記に説明する。
実施例13 触媒基材を、62重量%のカオリンマトリックス、20重量
%の珪素系結合剤および18重量%の上記実施例1のSAPO
−37含有複合体を含むように調製した。これを達成する
には、9.0グラム(無水物換算)のSAPO−37/TMAY複合体
を未焼成の形で31.0グラムのカオリン粘土と混合した。
LudoxTMLS(40%SiO2ゾル、デュポン販売)として珪素1
0グラムを少量の10%酢酸アンモニウム水溶液の添加で
ゲル化し、次にこのゲル化したシリカゾルを粘土/SAPO
混合物と混ぜた。これに約25ccの水を加えて押し出し可
能なペーストを作りこれを押し出して1/8″の押し出し
成形物を得た。押し出し成形物を100℃で乾燥し、粉砕
し篩い分けて60ないし100メッシュ(米国)の範囲の粒
度の触媒粒子を得た。この篩い分けた触媒の部分を4つ
の等重量の部分に分け、次にMAT試験に先立って種々の
温度で破壊的に水蒸気処理して工業的なFCC再生機で経
験する水熱環境をスティムレートし、またSAPO含有触媒
の場合はそれまでもとのまま残っていたテンプレート剤
を除去した。
この触媒の調製に関するさらに詳細は、下記の表Gの脚
注に述べる。表Gに記載した他の触媒は上記の方法でた
だし表に注記した改変法で調製した。
触媒の予備水蒸気処理法 FCC触媒は、その寿命の90%以上をFCC装置の再生機部分
で過ごし、その中で高温の水熱条件に曝される。すなわ
ち、再生機は触媒からコークス性の付着物を除くが、同
時に老化や特にゼオライトの結晶性の劣化をもたらす。
この劣化には、市販の老化した触媒の単位気泡寸法の著
しい減少で証明される骨格アルミニウム含有量の減少を
伴う。結晶性の低下も骨格アルミニウムの減少も分解活
性の著しい低下をもたらす。現実の結晶は、新しい結晶
で置き換えられるまでに分解と再生のサイクルを何回も
通るので、この循環系の在庫の触媒の実際の活性は新し
い触媒のそれよりかなり低い。この不活性化された平衡
触媒混合物の性能は精製業者にとって最も関心の深いも
のである。それはこれが精製業者が造りうる製品の品質
を決めるからである。FCC再生機の環境をスティムレー
トし、FCC用の実験的な触媒の性能をよりよく評価する
ために、ここに述べる触媒はすべてMATの評価の破壊的
な水蒸気処理にかけた。
一般に、この水蒸気処理は100%水蒸気中で所望の温度
の固定の水平床内で、破砕した触媒を約2時間処理し、
次に乾燥空気中で冷却することを含んでいた。しかし、
水蒸気処理には三つの僅かな変更が行われた。この変更
は、破壊的な水蒸気処理の直前に各触媒に与えられる予
備処理に関係がある。行われた三つの変更とは、 1.500℃で1時間予備焼成し、そのあと所望の破壊的水
蒸気処理温度に上げる。
2.水蒸気中で400℃から所望の破壊的水蒸気処理温度に
上げる。
3.予備処理なしに所望の破壊的水蒸気処理温度で炉のな
かへ触媒を押し込んで焼成する。
水蒸気処理工程におけるこれらの変更は、MAT評価にお
けるSAPO−37複合体触媒の性能にほとんで影響を与えな
いようである。テンプレート剤が一旦除かれてしまった
後は、常温で触媒が水分に曝されない限り、これらのテ
ンプレート剤含有触媒の使用においてなんら特別の注意
が要らないようである。FCCの工業的な使用では、SAPO
含有触媒はFCCユニットの再生機部分に添加されるので
テンプレート剤は除去されると期待される。すべての触
媒についての触媒組成、予備処理および水蒸気処理は、
前出の表Gに要約されている。さらに触媒の水蒸気処理
に使用された代表的な方法を説明するために、触媒の実
施例1A−D、2A−D、および3A−Dの水蒸気処理に使用
した特定の方法を次の章に示す。
前記のようにして調製した分級された触媒粒子を、磁製
のボートに入れた。1回約12ないし15グラムの触媒を水
蒸気処理した。これらのボートを次に、400℃の水蒸気
流で平衡化した水平管炉に入れた。次に、炉を760ない
し840℃の範囲の所望の破壊的水蒸気温度に上げた。触
媒をこの温度に2時間保ち、その後、蒸気雰囲気を空気
流で置き換えて炉と触媒を300℃に冷却した。300℃に保
ったまま、触媒を炉から取り出し、熱いまま瓶に入れ、
MAT評価に供した。常温で水によって起こる劣化を避け
るため、触媒を乾燥空気中で冷却した。
MAT評価 ASTMの方法D−3907に規定されたミクロ活性試験法に従
って、すべての触媒をそのFCC用途での性能について試
験した。すべての触媒は、900゜F、3.0の触媒/油分比、
および約16の重量時間あたり空間速度(WHSV)で評価し
た。この評価に使用した原料は、下記の性質をもつ真空
ガスオイルであった。
API重量(60/69) 24 合計N、ppm 700 塩基性N、ppm 300 UOP K因子 11.8 シミュレート蒸留(ASTM D−2887) IBP、゜F 354 50%、゜F 745 FBP、゜F 1077 すべての実験は、ASTM D−3907と同じ構造の反応器中で
実施した。すべての生成物を集めて分析した。生成物の
分析値を用いて、下記のように転化率、精製物の選択性
および収率を計算した。
液状生成物は毛細管ガスクロマトグラフィー法で分析し
て、ガソリン級の生成物のパラフィン、オレフィン、ナ
フテンおよび芳香族系の含有量を、定量した。
表GおよびHの先行技術の触媒を含むすべての触媒のMA
T評価の結果を、表IないしMに要約するが、それらに
は興味ある全生成物の転化率、選択性および収率が表に
してある。
本発明の複合FCC触媒の性能を比較するために、SAPO−3
7からまたは実施例1−12で複合剤を造るのに使用され
た種々のYゼオライトから一連の触媒を製造した。水蒸
気処理を含むそれらの調製法は表Hに示されており、そ
の分析値は表Iに示されている。表JないしMには、本
発明のSAPO−37複合触媒のMAT性能を示しYおよびSAPO
−37の分子篩から造った触媒のMAT性能に関する比較デ
ータを示している。
図面は前出の表JないしMのデータの解析を簡単にする
役目をする。図面の第1−5図に示す曲線は、20時間お
よび24時間の熟成時間の試料以外の触媒のデータ点の解
析およびそれによって示される傾向にもとずいている。
第1図は、広い範囲の転化率にわたる高いガソリン選択
性を示し本発明の触媒が従来の超安定Yゼオライト分子
篩すなわちY−62やY−82よりも、また複合体でないSA
PO−37よりも優れたガソリン選択性を有することを示し
ている。第2図は、前記の超安定Yゼオライト分子篩お
よび複合体でないSAPO−37の占める領域にわたって低い
ガス収率を示している。第3図は、本発明のSAPO−37複
合体が転化率の前範囲にわたって一定の低いコークス収
率を与えることを示している。芳香族化合物の生成に関
して、第4図はSAPO−37複合体がY−82や複合体でない
SAPO−37よりも、芳香族の生成が少ないことを示してい
る。しかし第5図には、Y−82や複合体でないSAPO−37
に比べて市販品の転化率の範囲よりもかなり高いナフテ
ンおよびオレフィンの含有量を得ることによってオクタ
ン価を有為に上げるSAPO−37複合体の能力を示してい
る。上記のことは、本発明のSAPO−37複合体の分解およ
びオクタン選択性の触媒としての優秀性に関連する。
実施例91 この実施例は、SAPO−11上にAlPO4を付着させた複合体
の製造を示す。6.87グラムの酸化アルミニウム水和物
(擬似ベーマイト相Al2O474.4重量%、H2O25重量%)を
11.53グラムの85重量%オルト燐酸(H3PO4)および3.0
グラムの蒸留水から成る希薄溶液に加えて、反応混合物
を調製した。これに5.06グラムのジイソプロピルアミン
を加えて、その溶液を充分に混合した。予め合成したSA
PO−11(米国特許第4310440号の実施例32−36参照)約2
2グラムを40ccの蒸留水中にスラリー化し、これをAlPO4
ゲルに加え、この混合物を高速攪拌器で15分間混合し
た。SAPO−11を含むAlPO4−11ゲルをポリテトラフルオ
ロエチレン張りの250ccの管状のボンベに入れた。この
ボンベを200℃に保ったオーブン中に置いて、200℃で24
時間熟成した。使用したゲルからのAlPO4−11の収率
は、SAPO−11の使用なしに造ったAlPO4−11の以前の調
製物にもとずいて約4.4グラムと期待された。熟成のあ
と、ボンベをオーブンから取り出し、放置して室温に冷
却した。反応混合物を高速で遠心分離し、固形物を捕集
した。固形物を蒸留水に再分散しもう一度遠心分離して
未反応物を除去した。この洗浄操作をもう一度繰り返
し、固形物を回収し100℃で乾燥した。
この調製に使用したSAPO−11付着基体を分析したとこ
ろ、無機酸化物固形分にもとずいて38.8%Al2O3、8.1%
SiO2および51.5%P2O5を含んでいた。得られたAlPO4−1
1/SAPO−11複合体生成物を分析したところ、同じ固形分
換算で41.9%Al2O3、3.7%SiO2および53.3%のP2O5を含
んでいた。生成物は、SAPO−11およびAlPO4−11に特有
なX線粉末回折パターンを有し、この生成物が出発材料
であるSAPO−11に比べて129%結晶性であることを示し
た。
実施例92 この実施例は、付着基体としてのAlPO4−5の粒子の上
にSAPO−5の外部層を付着させそれを包み込んだ複合体
の製造を示す。38.9グラムの微粉シリカ(カーボシルTM
EH5)を440.0重量%のテトラ−n−プロピルアンモニウ
ムヒドロキシド(TPAOH)513グラムと高速攪拌器で混合
して反応混合物を調製した。280グラムの蒸留水中229グ
ラムのオルト燐酸(H3PO4)の希薄溶液に135.8グラムの
酸化アルミニウム水和物(擬似ベーマイト相、74.4重量
%Al2O3、25.6重量%H2O)を加えて、別のゲルを調製し
た。このゲルを高速攪拌器で充分混合し、先に造ったシ
リカ/TPAOHスラリーに添加した。ゲルをホモジナイズし
たあと、143.3グラムのトリ−n−プロピルアミンのス
ラリーを加えて、15分間混合した。この反応混合物のpH
は7.6であり、ゲルの全重量は1340グラムであった。こ
の規模のゲル回分からの収率は約120グラムのSAPO−5
である。このゲルの1100グラムの分量を湿重量110グラ
ムのAlPO4−5と充分に混合してpHを6.8に下げた。この
ゲル/付着基体の比は、200℃で24時間の熟成のあと約5
0重量%SAPO−5/50重量%AlPO4−5の生成物組成を造る
ことができるものであった(反応が完結したと仮定し
て)。付着基体ゲルを五つに等分し、その各々を、ポリ
テトラフルオロエチレン張の250ccの管状のボンベに入
れた。このボンベを予め200℃に平衡化したオーブンに
それぞれ2、4、6、8および24時間入れた。付着基体
を含まない反応混合物(200gのゲル)の入った六つめの
ボンベをオーブンに入れ、200℃で24時間熟成した。各
ボンベに必要な熟成時間が終わったあと、ボンベを取り
出して放置して室温に冷却した。それぞれのボンベから
の反応混合物を別々に高速で遠心分離し、液体成分から
固形分を分離した。集めた固形分を蒸留水に再分散しも
う一度遠心分離した。2回めの遠心分離からの固形分を
集めた後、この洗浄操作を繰り返して未反応物を確実に
除去した。回収した固形分を100℃で乾燥した。
上記の調製の生成物およびもとのAlPO4−5付着基体を
分析し、無水および揮発分なしの換算で下記の成分を含
むことがわかった。
すべての生成物をX線粉末回折分析にかけ、AlPO4−5
とSAPO−5に特有の回折パターンを有することがわかっ
た。化学分析では、熟成時間が増すとともにSAPO−5の
存在量が増し、熟成時間が増すとSAPO−5外側層の厚さ
が増すことがわかった。
実施例93 a)133.2グラムのH2O中40.4グラムのオルト燐酸(H3PO
4)の溶液に、17.7グラムのジ−n−プロピルアミン(D
PA)および18.4グラムのジエタノールアミン(DEA)を
ゆっくり加えた。得たを混ざるまで攪拌し放置して室温
に冷却した。この溶液に、4.8グラムのハイシル(沈降
シリカ、88重量%SiO2、12重量%H2O)を混ぜ、次に25.
9グラムの水和アルミナ(擬似ベーマイト相、70重量%A
l2O3、30重量%H2O)を混合した。できた混合物を、均
一になるまで混ぜ合わせた。この混合物の元素組成を酸
化物のモル比で表すと1.0DPA:1.0DEA:0.4SiO2:Al2O3:P2
O5:50H2Oであった。
b)0.18DPA:Al2O3:P2O5:0.8H2Oの元素組成を有する合
成したてのAlPO4−11の48.4グラムを乳鉢と乳棒で静か
に磨り潰し100グラムのH2O中にスラリー化した。このAl
PO4−11のスラリーをa)の混合物に速やか加えた。さ
らに23グラムのH2Oを保有してすべてのAlPO4−11を最終
混合物に完全に移すのに使用した。酸化物のモル比で表
した最終混合物の元素組成は0.6DPA:0.5DEA:0.2SiO2:Al
2O3:P2O5:45H2Oであった。
最終混合物を、攪拌器のついたステンレススティール製
の圧力容器に入れ、175℃に2時間加熱した。反応混合
物を175℃に24時間保持しそれから冷却した。生成物を7
2時間放置して沈降させ上澄母液を傾瀉した。固形物を
新しい水に再懸濁させ1時間放置して沈降させた。濁っ
た上澄液を傾瀉し遠心分離で回収した。沈降した固形物
を濾過で回収した。
c)回収した生成物の重量は、 上澄液からの固形物 57.4グラム 沈降した固形物 20.3グラム 出発物のAlPO4−11の48.4グラムの上に29.9グラムの他
の物質が回収された。これはSAPO−11の外側層が複合体
構造の約38重量%であることを示した。二つの生成物分
画のX線分析は、沈降した固形物が純粋の11−型であり
(AlPO4−11上のSAPO−11の複合)、上澄液から回収し
た固形物が、痕跡の−41構造型を伴った主として11−型
(AlPO4−11上のSAPO−11の複合)デあることを示して
いる。
d)沈降した固形物の試料を空気中500℃で16時間焼成
し、前記の通りn−ブタン分解活性を試験した。それは
0.2のkAを示した e)沈降した固形物の試料は、重量%で表した下記の元
素分析を示した。
表 O Al2O3 37.2 P2O5 46.9 SiO2 1.9 炭素 5.3 窒素 1.0 強熱減量 13.8 f)沈降した固形物の試料を空気中600℃で3時間焼成
した。350℃での真空活性化のあと標準マックベイン−
ベイカー重量吸収装置で吸着能力を測定し、下記の結果
を得た。
g)最初の反応混合物に加えた合成したてのAlPO4−11
およびSAPO−11/AlPO4−11複合体の沈降した固形物につ
いて粒子径の分析を行った。AlPO4−11の粒径の中央値
は3.5ミクロンでありSAPO−11/AlPO4−11複合体の粒径
の中央値は4.8ミクロンであった。
実施例94 この実施例は付着基体としてのAlPO4−11の粒子の上に
付着しそれを包み込むSAPO−11の外側層の複合体の製造
を示す。101.2グラムの85重量%のオルト燐酸および79.
5グラムの蒸留水を混ぜ合わせてアルミノ燐酸塩先駆体
反応混合物を造り、これに69.8グラムの水和酸化アルミ
ニウム(擬似ベーマイト相、74.4重量%Al2O3、25.6重
量%H2O)を高速攪拌下に加えて均一なゲルを形成し
た。このゲルに、メタノール中25.0重量%のテトラ−n
−ブチルアンモニウムヒドロキシド(TBAOH)溶液500グ
ラム中に19.4グラムの微粉シリカ(92.8重量%SiO2、7.
2重量%H2O)を含む混合物を加えた。出来たシリコアル
ミノ燐酸塩ゲルの組み合わせを充分攪拌し、攪拌しなが
ら101.2グラムのジ−n−プロピルアミンを加えた。こ
の反応混合物の組成は、酸化物のモル比で、 2.0Pr2NH:0.5(TBA)2O:Al2O3:P2O5:0.6SiO2:16.75H2O:2
4.3CH3OH であった。ゲルの全重量は、約690グラムであり、pHは
9.4であった。ゲルは、それぞれ約137グラムの五つの回
分に分けた。このSAPO−11ゲルの137グラムずつの回分
のそれぞれに、各15グラムの未焼成のAlPO4−11分子篩
(固形分85%、水15%)の五つの等分量を加えた。つぎ
に各回分を攪拌してホモジナイズし、250ccのポリテト
ラフルオロエチレン張の管状ボンベに入れた。ゲル状の
反応混合物を含むこの新しい付着基体の各回分のpH(9.
5)はあまり変化しなかった。ボンベを予め200℃に平衡
化したオーブンに入れ、6時間の準備を重複させてそれ
ぞれ2、4、6および24時間熟成した。五つのボンベを
この方法で熟成させた。所望の熟成時間のあと、各ボン
ベをオーブンから取り出し、放置して室温に冷却した。
各ボンベの中の反応混合物を遠心分離して固形物を除
き、固形物を蒸留水に分散し遠心分離して未反応物を除
いた。この洗浄操作を繰り返し、洗浄された固形物を回
収し100℃で乾燥した。
添加したAlPO4−11およびできた複合体生成物を分析し
たところ、下記の組成を固形物換算で含むことがわかっ
た。
熟成時間を2時間から24時間に増やすに従って付着基体
に対するSiO2の含有量が増えることに注意されたい。こ
れは、シリカを含まないAlPO4−11付着相上へのSAPO−1
1外側層の付着量に相当する。
すべての生成物をX線粉末回折分析にかけたところ、Al
PO4−11およびSAPO−11に特有の回折パターンを持つこ
とがわかった。
実施例95 この実施例は、前記の実施例94によって造ったSAPO−11
/AlPO4−11複合体のエチレンのオリゴマー化における触
媒活性を示す。エチレンの重質のオレフィンへのオリゴ
マー化は下記の方法によってミクロ反応器中で行った。
実施例94の方法によって造った“4時間”のSAPO−11・
AlPO4−11複合体の一部を空気中で2時間以上、500℃を
越える温度、すなわち合成中に入れたテンプレート剤の
ほとんどすべてを除くのに充分な温度で焼成した。この
活性化した粉末状の複合体の1グラムを3グラムの石英
末と混合し、管状反応器に入れ、それを砂浴の熱源に入
れた。反応器の入口は、制御された圧力および流速で原
料流を供給できる原料供給系に連結した。反応器の出口
は、反応器を出るガスの容積を測る乾式試験計および関
心のある生成物のすべて(C1ないしC6のパラフィンおよ
びオレフィンの全部)を分析できるオンラインのガスク
ロマトグラフを含む生成物捕集系に連結した。反応器を
窒素でパージし350psigの反応圧に加圧し、427℃(800゜
F)の反応温度近くまで加熱した。反応温度に達した
時、窒素パージを止め、反応圧および反応温度を保持し
ながら窒素中14重量%のエチレンからなる原料を198cc/
分の流速で触媒上を通過させた。反応器の流出液を分析
し、オリゴマー化した生成物に転化したエチレンの%を
計算するのに用いた。比較の目的のため、米国特許第44
40871号によって調製したSAPO−11の試料を同じ条件で
試験した。両方の試験の結果を下記に要約する。
表 R 触 媒 SAPO−11 SAPO-11/AlPO4-11 %オリゴマー化 18.3 34.1 これらの結果は、この複合体がSAPO−11よりずっと活性
の高いオリゴマー化触媒であることを示している。
………………………… 近年、ガソリンのオクタン価上げる技術が発展してき
た。この技術の説明は、米国特許第4309279号、第43092
80号および第4289606号に述べられている。それは、こ
こでは“オクタン価向上”と呼ぶ。オクタン価向上は、
標準のFCC触媒または本発明の複合体からなる新しいFCC
触媒と一緒に少量の特殊分解触媒(以後、“オクタン価
向上剤”または“オクタン価向上触媒”と呼ぶ)を提供
することによって行う。換言すれば、ガソリンに高いオ
クタン価を与えるガソリン成分を高濃度に生成する別の
追加触媒(“オクタン価向上剤”または“オクタン価向
上触媒”)を流動接触分解中にFCC触媒と組み合わせて
出来たガソリンが高いオクタン価を得るようにするもの
である。FCC処理およびオクタン価向上触媒によるオク
タン価向上に関するる米国特許第4309279号の記載はこ
こに文献として引用される。
本発明の複合体の或るものはオクタン価向上触媒の活性
成分として働くことによってオクタン価を向上させるこ
とがわかった。特に、同じ構造を持つ別の中程度の孔径
のNZMSの上に付着した中程度の孔径のNZMS、例えばAlPO
4−11(上記実施例93および94に示した)のような同孔
径の分子篩上に付着させたSAPO−11は、オクタン価向上
触媒の活性成分であることがわかった。下記の例は、FC
Cで生成したガソリンのオクタン価の向上におけるその
ような複合体の能力を示す。
実施例96 この実施例は、実施例94の6時間熟成の方法で造ったSA
PO−11/AlPO4−11複合体を1重量%物理的混合で含むY
−82分子篩“対照"FCC分解触媒の混合物と、SAPO−11を
4重量%物理的混合で含むY−82分子篩“対照"FCC分解
触媒の混合物との比較を示す。どちらの混合物も、Y−
82“対照品”に比べて高品質のガソリンを与えたが、混
合物中4重量%のSAPO−11と同じ効果を与えるのにSAPO
−11/AlPO4−11はわずかに1重量%しか要らなかった。
対照の触媒は、18重量%のY−82、62重量%のカオリン
粘土および20重量%のシリカ結合剤を含み、外径1/16イ
ンチのペレット状に押し出され110℃で一夜乾燥した。
この触媒を次に60/100メッシュに磨り潰して500℃で1
時間焼成した。
オクタン価向上触媒は、無水重量%換算でsanでSAPO−1
1/AlPO4−11複合体およびSAPO−11をY−82対照触媒と
物理的に混合することによって調製した。複合体もSAPO
−11も550℃で2時間焼成してからY−82と混合した。
各触媒混合物は、次に100%水蒸気中で760℃で2時間水
蒸気処理し、ミクロ活性試験(MAT)に供した。試験条
件は、ASTM法に記載されている。
すぐ下の表にこの三つの触媒のMATおよびガソリン分析
結果を示す。SAPO−11/AlPO4−11複合体を含む触媒は、
オクタン価向上剤の量がわずか1/4でも、SAPO−11含有
触媒に匹敵す計算上のオクタン価の向上を示した。計算
された向上量は、芳香族濃度の明らかな上昇の結果とし
ての約2の計算43RON単位であった。どちらのSAPOの場
合も、ガソリン選択性の僅かな低下が見られた。
実施例97 この実施例は、1重量%の添加量におけるSAPO−11/AlP
O4−11複合体オクタン価向上触媒の優秀性を示す。Y−
82触媒は、18%のY−82、62%のカオリン粘土および20
%のシルカ結合剤を含み、実施例96に記したと同じ方法
で調製した。オクタン価向上剤を含む触媒は、SAPO−11
およびSAPO−11/AlPO4−11複合体を合成したての形で、
60/100メッシュのY−82触媒と、無水物換算で物理的に
混合することによって調製した。試料は空気中で1時間
500℃で焼成し、次いで、100%水蒸気中760℃または790
℃で2時間水蒸気処理した。43 すべてのガソリン成分の混合オクタン価の重量平均
値。
1%SAPO−11および1%SAPO−11/AlPO4−11複合体でオ
クタン価を向上させたFCC触媒についてのMAT評価の結果
を下記の表に示す。SAPO−11/AlPO4−11複合体を含む触
媒は、比較できる転化率においてSAPO−11含有触媒より
も1−3計算RONユニット高いオクタン価をもつ生成物
を与える。匹敵するMAT転化率におけるガソリン選択性
の比較では、ガソリン選択性の低下なしにRONの向上が
得られることがわかった。さらに、複合体を含む触媒は
SAPO−11だけのものに比べてFCC水蒸気処理の条件に曝
したあとずっと優れたオクタン価向上を示した。
実施例98 この実施例は、Y−82対照触媒中1重量%の水準でのオ
クタン価向上触媒としてのSAPO−11/AlPO4−11複合体の
性能をY−82対照触媒中3重量%の水準でのオクタン価
向上触媒としてのZSM−5に相当するゼオライト分子篩
と比較したものである。どちらの添加剤も、18%のY−
82、62%のカオリン粘土および20%のシリカ結合剤を含
むY−82対照触媒と混合し上記実施例96に記した方法で
調製した。オクタン価向上触媒、すなわちSAPO−11/AlP
O4−11複合体およびZSM−5に相当するゼオライト分子
篩は、550℃で2時間焼成してから、無水物換算にもと
ずいてY−82対照触媒と物理的に混合した。すべての混
合触媒の試料は100%水蒸気中790℃で2時間水蒸気処理
してMAT試験に供した。
MAT評価およびガソリン生成物の分析の結果を直ぐ下の
表に示す。1%SAPO−11/AlPO4−11複合体を含む触媒も
3%ZSM−5型分子篩を含む触媒も、ほぼ匹敵するMAT添
加率において対照触媒単独よりずっと大きい計算RO値の
向上を示す。ZSM−5型分子篩を含む触媒はSAPO−11/Al
PO4−11複合体を含む触媒には見られないかなりのガソ
リン選択性の低下を示した。この低下は、ガス生成の好
ましくない増加をもたらした。どちらの添加剤を含む触
媒も、パラフィン濃度の若干の低下とともに芳香族の含
有量の増加を示した。しかし、ZSM−5型分子篩を含む
触媒は、対照触媒に比べてパラフィン成分中のイソ/ノ
ルマル比の好ましくない低下を示した。これは、SAPO−
11/AlPO4−11複合体を含む触媒には見られなかった。こ
れらの結果は、SAPO−11/AlPO4−11複合体のオクタン価
向上剤を含む触媒が好ましくないガソリン選択性の低下
なしにZSM−5型分子篩を含む触媒に見られるのと同様
のRONの上昇を達成できることを示している。
実施例99 この実施例は、SAPO−31/AlPO4−11複合体の製造を示
す。
(a)75.7グラムの水中85%のオルト燐酸34.8グラム
に、21.7グラムの水和酸化アルミニウム(擬似ベーマイ
ト相、70.6重量%Al2O3、29.4重量%H2O)に加えて最初
の混合物を調製した。この最初の混合物に、18.1グラム
の水性シリカゾル(30.1重量%SiO2)を加え、つぎに2
2.8グラムのn−エチルブチルアミン(ETBUTN)を加え
た。この反応混合物は、酸化物モル比で下記の組成を有
していた。
1.5ETBUTN:1.0Al2O3:1.0P2O5:0.6SiO2:40H2O この反応混合物を三つの部分に等分した。これらのうち
の一つに4.0グラムの予備成形したAlPO4−31を混ぜた
が、これは反応混合物対AlPO4−31の重量比で14:1に当
たる。反応混合物を、ポリテトラフルオロエチレン張の
密封ステンレススティール圧力容器に入れ、オーブン中
で200℃で6時間加熱した。固形分を遠心分離で回収
し、蒸留水で洗い、100℃で乾燥した。反応で14.0グラ
ムの生成物を得、AlPO4−31対全生成物の重量比で4.0:1
4.0であった。固形物を化学分析したところ化学組成
は、36.6重量%Al2O3、45.2重量%P2O5、6.8重量%Si
O2、4.5重量%C、0.9重量%Nおよび11.5重量%LOIで
あった。
下記は分析した試料のX線粉末回折パターンのデータで
ある。
(b)上記(a)の固形分の一部を600℃で1時間焼成
し、標準マックベイン−ベーカー重量法吸着装置を使っ
た吸着能力研究に使用した。
360℃で一夜活性化の後、下記のデータが得られた。
焼成生成物の孔径は、6.2Åの動力学的直径をもつネオ
ペンタンの吸着によって示されるように6.2Åより大き
い。吸着研究に使用したSAPO−31試料のX線分析は、被
吸着種と接触してもX線回折パターンがほとんど変化し
ないことを示した。
(c)上記(b)の焼成物の一部を、炭化水素分解触媒
としての有用性を示すのに設計された試験に使用した。
1.64グラムを500℃、約50cm3/分(STP)の流速のヘリ
ウム中で2モル%n−ブタンと50分反応させた。プタン
消費の擬似一次速度定数(kA)は0.8であった。
実施例100 この実施例はSAPO−31/AlPO4−31複合体の製造を示す。
(a)100.8グラムの水中85%燐酸の46.8グラムを、28.
9グラムの水和酸化アルミニウム(擬似ベーマイト相、7
0.6重量%Al2O3、29.4重量%H2O)に加えて、最初の混
合物を調製した。この最初の混合物に、24.0グラムの水
性シリカゾル(ルドックスTM30.1重量%SiO2)を加え、
つぎに30.5グラムのn−エチルブチルアミン(ETBUTN)
を加えた。この反応混合物は、酸化物モル比で下記の組
成を有していた。
1.5ETBUTN:1.0Al2O3:1.0P2O5:0.6SiO2:40H2O この反応混合物40.0グラムを6.2グラムのAlPO4−31と混
合した。これは反応混合物対AlPO4−31の重量比で6.45:
1であった。
反応混合物を、ポリテトラフルオロエチレン張の密封ス
テンレススティール圧力容器に入れ、オーブン中で200
℃で3時間加熱した。固形分を遠心分離で回収し、水で
洗い、100℃で乾燥した。反応で12.9グラムの生成物を
得、付着基体対全生成物の重量比で6.2:12.9であった。
固形物を化学分析したところ化学組成は、37.2重量%Al
2O3、47.0重量%P2O5、4.5重量%SiO2、4.0重量%C、
0.8重量%Nおよび10.7重量%LOIであった。
分析した試料のX線粉末回折パターンのデータを下記に
示す。
(b)上記(a)の固形分の一部を600℃で1時間焼成
し、標準マックベイン−ベーカー重量法吸着装置を使っ
た吸着能力研究に使用した。
350℃で一夜活性化の後、下記のデータが得られた。
焼成生成物の孔径は、6.2Åの動力学的直径をもつネオ
ペンタンの吸着によって示されるように6.2Åより大き
い。吸着研究に使用したSAPO−31試料のX線分析は、被
吸着種と接触してもX線回折パターンがほとんど変化し
ないことを示した。
(c)上記(b)の焼成物の一部を、炭化水素分解触媒
としての有用性を示すのに設計された試験に使用した。
2.89グラムを500℃、約50cm3/分(STP)の流速のヘリ
ウム中で2モル%n−ブタンと50分反応させた。ブタン
消費の擬似一次時速度定数(kA)は0.3であった。
実施例101 下記の表は、実施例94のSAPO−11/AlPO4−11複合体触媒
(“COMP"で示す)の1−ヘキサン転化率(示した通り6
50゜F(343℃)および900゜F(482℃)で40psig、8cm3
流速で)をSAPO−11とAlPO4−11の物理的混合物、SAPO
−11そのままおよびZSMの上記相当品と、全1−ヘキセ
ン転化率、二重結合(D.B.)異性化率、骨格異性化率、
分解、オリゴマー化および他の転化率について比較した
ものである。
上の表は、この複合対触媒が全転化率、骨格異性化率、
分解およびオリゴマー化においてSAPO−11そのものおよ
びNZMS−11の混合品よりも優れていることを示す。
此の表は、その複合体がこの試験において二重結合およ
び骨格異性化の点でもZSM−5型の触媒よりすぐれてい
ることを示しており、これが前に述べたように優れたオ
クタン価向上性能の重要な因子であると考えられる。
実施例102 この実施例は、示差結晶化によるCoAPSO付着基体上への
SAPO−47外側層の形成を示す。
(a)128.5グラムの水に12.5グラムの酢酸コバルト四
水和物(Co(CH3CO2)2・4H2O)を溶かして調製し、これに
112.8グラムのアルミニウムイソプロポキサイド(Al(OC
3H7)3)を加えた。できた混合物に36.1グラムの水性シ
リカゾル(ルドックスTM30.1重量%SiO2)を加え、つぎ
予め混合した69.3グラムの85%オルト燐酸(H2PO4)12
8.7グラムの水および71.2グラムのジエチルエタノール
アミン〔(CH3CH2)2NCH2CH2OH〕の溶液を加えた。
この反応混合物は、酸化物モル比で下記の組成を有して
いた。
2.0Et2NEtOH:0.167CoO:0.917Al2O3:1.0P2O5:0.6SiO2:0.
33CH3COOH:5.5iPrOH:55H2O 反応混合物を0.6リットルのステンレススティール製圧
力反応容器に入れ、室温から150℃に一時間以上かけて
攪拌しながら加熱した。反応混合物は、150℃で内因的
な圧力のもとで攪拌しながら121.5時間熟成した。固形
物を遠心分離で回収し、水洗、濾過し室温で風乾した。
固形物の一部をX線および化学分析にかけた。X線粉末
回折パターンは下記の通りであった。
(b)全体分析による化学組成は、26.4重量%Al2O3、3
8.6重量%P2O5、5.0重量%CoO、5.5重量%SiO2、10.6重
量%C、2.1重量%Nおよび23.2重量%LOIであった。試
料の一部を従来のSEM(走査電子顕微鏡)、EDAX(X線
によるエネルギー分散分析)およびマウントしミクロト
ームにした断片で検査した。47構造の結晶形の特徴をも
った綺麗な結晶についてのEDAXの検討は、相対的なピー
ク高さにもとずいて、下記の分析値を示した。
分析したなかで一番小さい結晶を除いてどの結晶も中心
がCoに富み、周囲がSiに富んでいた。
(c)資料の一部の粒径を沈降計で測定した。同一のゲ
ル組成で反応時間だけが違う二種の試料を調製した。沈
降計の結果は、結晶化時間が増加したときの平均粒径の
著しい増加を示し、光学顕微鏡下でのエピタキシーの成
長やCo濃度勾配の所見その他の関連データとよく一致し
た。
(d)上記(a)の固形物の一部を500℃で焼成し、標
準のマックベイン−ベーカー重量式吸着装置による吸着
能力の研究に使用した。350℃における一夜の活性化の
あと、下記のデータが得られた。
(e)上記(d)の焼成物の一部を、炭化水素分解触媒
としての有用性を示すのに設計された試験に使用した。
2.17グラムを500℃、約50cm3/分(STP)の流速のヘリ
ウム中で2モル%n−ブタンと50分反応させた。ブタン
消費の擬似一次速度定数(kA)は17.2であった。上記
(a)で合成したての試料2.55グラムをヘリウム中500
℃で2時間その場で活性化し、次に500℃、約50cm3/分
(STP)の流速のヘリウム中で2モル%n−ブタンと50
分反応させた。ブタン消費の擬似一次速度定数(kA)は
2.4であった。
実施例103 この実施例は、SAPO−47が付着基体であるCoAPSO−47/S
APO−47複合体の製造を示す。
(a)80.0グラムの85%燐酸(H3PO4)、267.2グラムの
水および61.5グラムのメチルブチルアミン(MeBuNH)を
混合して最初の反応混合物を調製した。できた混合物
に、14.4グラムのSiO2(Hi−Sil)を加え、次に:水和
擬似ベーマイトアルミナ(70.6重量%Al2O3)を加え
た。
できた最終混合物は、酸化物モル比で下記の組成を有し
ていた。
2.0MeBuNH:0.6SiO2:1.0Al2O3:1.0P2O5:50H2O. 反応混合物を0.6リットルのステンレススティール製の
圧力容器に入れ、室温から200℃まで1時間以上かかっ
て攪拌しながら加熱した。反応混合物を200℃で攪拌し
ながら20時間熟成した。この時点で反応混合物を50℃に
冷却し、少量の試料を取り出した。固形物を遠心分離で
捕集し、真空濾過で洗浄し、室温で風乾した。
(b)残りの反応混合物に予め混合した13.9グラムの酢
酸コバルト四水和物(Co(CH3CO2)2:4H2O)を46.5グラム
の水に溶かした溶液を加えた。できた最終混合物は、酸
化物モル比で下記の組成を有していた。
2.0MeBuNH:0.6SiO2:1.0Al2O3:1.0P2O5:0.4CH3COOH:60H2
O. 反応混合物を攪拌しながら、1時間以上かけて150℃に
再加熱し、攪拌しながら150℃で45時間熟成した。小粒
子の固形物を回収して遠心分離で洗浄し、粗い粒子は沈
降で回収して真空濾過で洗い室温で風乾した。
(c)(a)および(b)で回収した生成物の一部をX
線および化学分析にかけた。X線粉末回折パターンを下
記に示す。
(d)試料のSAPO−47部分は全分析で36.6重量%Al
2O3、27.5重量%P2O5、14.1重量%SiO2、8.7重量%C、
2.0重量%N、20.6重量%LOIの化学組成を示した。SAPO
−47部分の上のCoAPSO−47は全分析で28.3重量%Al
2O3、35.3重量%P2O5、9.0重量%SiO2、4.9重量%CoO、
11.0重量%Cおよび21.0重量%LOIの化学組成を示し
た。
(e)CoAPSO層の結晶化の前後でのSAPO−47の沈降計に
よる粒度測定を行った。結果はエピタキシーの成長に一
致する平均粒径の増加を示した。
(f)上記(a)の固形物の一部を500℃で焼成して炭
化水素の分解の触媒としての有用性を示すのに設計され
た試験に使用した。1.64グラムを、500℃、約50cm3/分
(STP)の流速のヘリウム中2モル%のn−ブタンと50
分間反応させた。ブタンの消費の擬似一次速度定数
(kA)は1.6であった。上記(b)の固形物の一部を500
℃で焼成して炭化水素の分解の触媒としての有用性を示
すのに設計された試験に使用した。2.30グラムを、500
℃、約50cm3/分(STP)の流速のヘリウム中2モル%の
n−ブタンと50分間反応させた。ブタンの消費の擬似一
次速度定数(kA)は42.9であった。
実施例104 下記はCoAPO−31の調製である。
(a)230.6グラムの85%オルト燐酸(H3PO4)および59
3.0グラムの蒸留水を混ぜ、これに146.7グラムの水和酸
化アルミニウム(70.6重量%Al2O3、29.6重量%LOI、擬
似ベーマイト)を加えて最初の混合物を調製した。でき
た混合物に、152.0グラムのジ−n−プロピルアミン(C
6H15NH)を加え、次に5重量%(乾燥酸化物換算)のAl
PO4種結晶を加えた。次に、できた混合物をいくつかに
分けた。10.0グラムの酢酸コバルト四水和物(Co(CH3CO
2)2:4H2O)を66.9グラムの水に溶かして造った溶液を、
152.4グラムの上記の混合物に加えて酸化物モル比で下
記の組成をもつ最終反応混合物を形成した。
1.5(C6H15NH):0.2CoO:1.0Al2O3:1.0P2O5:0.4CH3COOH:5
8.5H2O. 反応混合物を密閉したテフロンTM張のステンレススティ
ール圧力容器に入れ、150℃で内因性の圧力下にオーブ
ン中で168時間加熱した。固形物を遠心分離で回収し、
水洗、濾過し、室温で風乾した。固形物の一部をX線お
よび化学分析にかけた。
生成物は混合物であったが、主な相は下記のデータで特
徴づけられるX線粉末回折パターンを示した。
表 FF 2−シータ α−面間隔 100I/Io 8.55 10.3 74 17.1 5.19 5 20.3 4.37 18 22.1 4.03 15 22.6 3.93 100 23.2 3.83 5 25.2 3.53 4 25.4 3.51 3 25.7 3.46 5 28.0 3.19 8 29.6 3.02 4 29.8 3.00 8 31.8 2.82 12 35.2 2.55 6 化学組成は、28.4重量%Al2O3、32.9重量%P2O5、6.1重
量%CoO、4.4重量%C、0.74重量%Nおよび31.8重量%
LOIであった。酸化物モル比(無水物換算)で表すと、
組成は、0.26C6H15N:0.37CoO:1.20Al2O3:1.00P2O5であ
り、下記の化学組成に相当する。
0.36C6H15N:(Co0.08Al0.50P0.42)O2. 実施例105 下記はCoAPSOの調製である。
ワーリングブレンダーに入れた18.0グラムのアルミニウ
ムイソプロポキシドに、29.1グラムの水中10.5グラムの
85%オルト燐酸(H3PO4)の溶液に加えた。この溶液
を、粘度が上がり均一になるまで混ぜ合わせた。この混
合物に、下記をこの順番に添加した。
1)6.2グラムのルドックスTM(コロイド状シリカ、水
中30重量%、デュポンより販売) 2)10.1グラムの水に溶かした2.5グラムの酢酸コバル
ト(Co(OAc)2・4H2O)および 3)10.1グラムのジ−n−プロピルアミン(n-Pr2N
H)。
ただし各添加のあと均一になるまで混合物を攪拌した。
最後に、1.8グラムの結晶性AlPO4−41の種結晶を加えて
攪拌した。反応混合物は酸化物モル比で下記の組成(種
結晶を除く)をもつていた。
2.0nPrNH:0.2CoO:0.6SiO2:0.9Al2O3:0.9P2O5:50H2O:0.4
HOAc:5.4iPrOH. 最終混合物をポリテトラフルオロエチレン張のステンレ
ススティール製の圧力容器に入れ、200℃で内因性の圧
力下で24時間加熱した。結晶性の生成物を濾過で回収
し、洗浄し100℃で乾燥した。生成物は混合物であった
が、主な生成物は下記のデータで特徴づけられるX線粉
末回折パターンを示した。
表 GG 2−シータ d(Å) 相対強さ 6.80 12.99 27 9.69 9.13 29 13.69 6.47 25 18.26 4.86 16 20.62 4.31 7 21.12 4.21 100 22.20 4.00 84 22.88 3.89 40 23.16 3.84 34 25.28 3.52 14 25.79 3.45 23 29.50 3.03 20 31.39 2.850 8 37.75 2.383 13 43.07 2.100 5 実施例106 この実施例は、前記の表Dに関連してCoAPSO−37の調製
を説明する。
(a)5.1グラムのH2O中11.6グラムの85%オルト燐酸
に、6.8グラムの水和酸化アルミニウム(70.6重量%Al2
O3、29.6重量%LOI、擬似ベーマイト)を徐々に加えて
最初の混合物を調製した。この混合物に、0.6グラムの
テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAOH)中2.0
グラムの微粉シリカ(94.5重量%SiO2、5.5重量%H2O)
カーボシルEH−5から成る懸濁物および50.9グラムの40
%テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド(TPOAH)
水溶液を加えた。次に、5.0グラムのH2Oに2.5グラムの
酢酸コバルト(Co(CH3CO2)2・4H2O)を溶かして造った溶
液を加えた。コバルト塩はさらに、1.0グラムのH2Oで洗
って流し込んだ。1.5グラムのSAPO−37の種結晶を加え
た。最終反応混合物は酸化物モル比で下記の組成をもつ
ていた。
1.0TPA2O:0.03TMA2O:1.0Al2O3:1.0P2O5:0.6SiO2:0.2Co
O:52H2O. 反応混合物をポリテトラフルオロエチレン張のステンレ
ススティール製の密閉圧力容器に入れ、200℃で24時間
加熱した。固形物を遠心分離で回収し、水洗し室温で風
乾した。固形物は混合物であったが、主な生成物は下記
のデータで特徴づけられるX線粉末回折パターンを示し
た。
固形物を化学分析したところ、化学組成は下記の通りで
あった。27.1重量%Al2O3、35.7重量%P2O5、7.5重量%
CoO、4.7重量%SiO2、8.2重量%C、1.4重量%Nおよび
24.3重量%LOIであった。酸化物モル比で表した組成
は、 0.06TPA2O:0.12TMA2O:0.38CoO:1.00Al2O3:0.95P2O5:0.2
9SiO2:1.13H2O. であった。これは下記の経験的化学組成に相当する。
.05TMAOH.03TPAOH:(Co0.082Al0.438P0.415Si0.064)O2. 固形物をX線分析に供し、二種の結晶性成分の混合物で
あることがわかった。主要成分であるCoAPSOは下記のデ
ータで特徴づけられるX線粉末回折パターンを有した。
生成物のSEM検査で主要な形態はCoAPSO−37と思われる
正八面体結晶の生成であることがわかった。小さな球形
に近い不純物の粒子も観察された。正八面体粒子のEDAX
ミクロプローブ分析は下記の相対的ピーク高さを与え
た。
元 素 スポツトプローブの平均 Co 0.03 Al 0.40 P 0.46 Si 0.11 (b)上記の(a)からの固形物を空気中で、600℃で
1−1/4時間焼成し、直接デシケーターに入れてN2中で
X線分析にかけた。得られたX線粉末回折パターンは、
実質的に上記の表と同じであった。
(c)上記(b)の焼成物の一部を、標準マックベイン
−ベーカー重量法吸着装置を使う吸着能力研究に使用し
た。約350℃での一夜の活性化のあと、下記のデータが
得られた。
この結果は、CoAPSO−37の生成物が少なくとも6.2Åの
焼成生成物の孔径をもった微孔性の分子篩であることを
示している。
上記(a)の物質の一部を炭化水素の分解の触媒として
の有用性を示すのに設計された試験に使用した。1.96グ
ラムを、その場で(空気中で600℃、1時間)焼成し、5
00℃、約50cm3/分(STP)の流速のヘリウム中2モル%
のn−ブタンと10分間反応させた。ブタンの消費の擬似
一次速度定数(kA)は、1.4であった。
実施例107 この実施例は、前記の表Dに関連するMnAPSO−37の調製
を示す。
(a)32.0グラムのH2O中46.1グラムの85%オルト燐酸
に、28.0グラムの水和酸化アルミニウム(70.6重量%Al
2O3、29.6重量%LOI、擬似ベーマイト)を徐々に加えて
最初の混合物を調製した。この混合物に2.2グラムのテ
トラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAOH)中7.6グ
ラムのカーボシルEH−5/203.3グラムの40%テトラプロ
ピルアンモニウムヒドロキシド(TPOAH)水溶液から成
る懸濁液を加えた。次に、15.5グラムのH2Oに9.8グラム
の酢酸マンガン(Mn(CH3CO2)2・4H2O)を溶かして造った
溶液を加えた。全反応混合物を四つに分けて、その一つ
に1.5グラムのSAPO−37の種結晶を加えた。最終反応混
合物は酸化物モル比で下記の組成をもつていた。
1.0TPA2O:0.03TMA2O:1.0Al2O3:1.0P2O5:0.6SiO2:0.2Mn
O:55H2O. 反応混合物の種結晶添加部分をポリテトラフルオロエチ
レン張のステンレススティール製の密閉圧力容器に入
れ、150℃で8日間加熱した。固形物を遠心分離で回収
し、水洗し室温で風乾した。固形物を化学分析したとこ
ろ、化学組成は下記の通りであった。34.0重量%Al
2O3、27.8重量%P2O5、5.4重量%MnO、6.9重量%SiO2
9.1重量%C、1.1重量%Nおよび24.4重量%LOIであっ
た。酸化物モル比で表した組成は、 0.08TPA2O:0.03TMA2O:0.23MnO:1.00Al2O3:0.59P2O5:0.3
4SiO2:1.50H2O. であった。これは下記の経験的化学組成(無水物換算)
に相当する。
.02TMAOH.04TPAOH:(Mn0.061Al0.534P0.314Si0.092)O2. 固形物をX線分析に供し、二種の結晶性成分の混合物で
あることがわかった。主要成分であるMnAPSO−37は下記
のデータで特徴づけられるX線粉末回折パターンを有し
た。
生成物のSEM検査で主要な形態はMnAPSO−37粒子と思わ
れる正八面体結晶の生成であることがわかった。小さな
球形に近い不純物の粒子も観察された。正八面体粒子の
EDAXミクロプローブ分析は下記の相対的ピーク高さを与
えた。
元 素 スポツトプローブの平均 Mn 0.02 Al 0.44 P 0.39 Si 0.15 (b)上記の(a)からの固形物の一部を空気中で、60
0℃で1−1/4時間焼成し、直接デシケーターに入れてN2
中でX線分析にかけた。
得られたX線粉末回折パターンは、実質的に上記の表B
と同じであった。
(c)上記(b)の焼成物の一部を、標準マックベイン
−ベーカー重量法吸着装置を使う吸着能力研究に使用し
た。約350℃での一夜の活性化のあと、下記のデータが
得られた。
この結果は、6.2Åの動力学的直径を持つネオペンタン
の吸着で示されるようにMnAPSO−37の生成物が少なくと
も6.2Åの焼成生成物の孔径をもった微孔性の分子篩で
あることを示している。
MnAPSO−37は、下記に示すように少なくともd−面間隔
を含む特徴的なX線回折パターンを持つ結晶性のシリコ
アルミノ燐酸マンガンである。
表 MM 2−シータ dÅ 相対強さ 6.0−6.2 14.22−14.60 vs 10.0−10.1 8.72−8.87 m 15.4−15.6 5.66−5.74 m 18.5−18.7 4.75−4.80 m 23.4−23.6 3.77−3.80 m 26.8−27.0 3.30−3.33 m 実施例108 この実施例は、前記の表Dに関連するZAPSO−37の調製
を示す。
(a)28.5グラムのH2O中46.3グラムの85%オルト燐酸
に、27.8グラムの水和酸化アルミニウム(70.6重量%Al
2O3、29.6重量%LOI、擬似ベーマイト)を徐々に加えて
最初の混合物を調製した。この混合物に2.3グラムのテ
トラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAOH)中7.6グ
ラムのカーボシルEH−5/203.8グラムの40%テトラプロ
ピルアンモニウムヒドロキシド(TPOAH)水溶液から成
る懸濁物を加えた。次に、20.0グラムのH2Oに8.8グラム
の酢酸亜鉛(Zn(CH3CO2)2・2H2O)を溶かして造った溶液
を加えた。全反応混合物を四つに分けた。最終反応混合
物は酸化物モル比で下記の組成をもつていた。
1.0TPA2O:0.03TMA2O:1.0Al2O3:1.0P2O5:0.6SiO2:0.2Zn
O:55H2O. 反応混合物の一部をポリテトラフルオロエチレン張のス
テンレススティール製の密閉圧力容器に入れ、オーブン
中で200℃で7日間加熱した。固形物を遠心分離で回収
し、水洗し室温で風乾した。固形物を化学分析したとこ
ろ、化学組成は下記の通りであった。25.0重量%Al
2O3、36.0重量%P2O5、4.5重量%ZnO、9.9重量%SiO2
11.8重量%C、1.4重量%Nおよび24.1重量%LOIであっ
た。酸化物モル比で表した組成は、 0.15TPA2O:0.06TMA2O:0.22ZnO:1.00Al2O3:1.04P2O5:0.6
7SiO2:1.00H2O. であった。これは下記の経験的化学組成(無水物換算)
に相当する。
.02TMAOH.04TPAOH:(Zn0.045Al0.403P0.416Si0.136)O2. 固形物をX線分析に供し、下記のデータで特徴づけられ
るX線粉末回折パターンを有することがわかった。
(b)上記の(a)で調製した反応混合物の一部を空気
中で、150℃で7日間熟成した。生成物を同様に処理し
たあと、固形物のX線粉末回折パターンは、実質的に前
出の表に示したのと同じであった。
生成物のSEM検査では、その形態は、形を決めるのが困
難な極微粒子(<1ミクロン)であることが分かった。
粒子のEDAX面積走査分析は下記の相対的ピーク高さを与
えた。元 素 スポツトプローブの平均 Zn 0.08 Al 0.38 P 0.32 Si 0.22 (c)上記(a)からの固形物の一部を600℃で1−1/4
時間、空気中で焼成し、直接デシケーターに入れて、N2
下X線分析にかけた。X線粉末回折パターンは、実質的
に前出の表に示したのと同じであった。
(d)上記(c)の焼成物の一部を、標準マックベイン
−ベーカー重量法吸着装置を使う吸着能力研究に使用し
た。約350℃での一夜の活性化のあと、下記のデータが
得られた。
この結果は、6.2Åの動力学的直径を持つネオペンタン
の吸着で示されるようにZAPSO−37の生成物が少なくと
も6.2Åの焼成生成物の孔径をもった微孔性の分子篩で
あることを示している。
ZAPSO−37は、下記に示すように少なくともd−面間隔
を含む特徴的なX線回折パターンを持つ結晶性のシリコ
アルミノ燐酸亜鉛である。
表 PP 2−シータ dÅ 相対強さ 6.1−6.2 14.34−14.42 vs 10.1 8.75−8.79 m 15.6 5.67−5.70 m 18.6 4.76−4.77 m 23.5−23.6 3.77−3.78 m 26.9−27.0 3.30−3.31 m 実施例109 この実施例はAlPO4−34の調製を示す。
(a)51.8グラムの85重量%オルト燐酸(H3PO4)と13
0.8グラムの燐酸モノアルミニウム(Al(H2PO4)3水溶
液、7.8重量%Al2O3、32.8重量%P2O5)を混ぜることに
よって反応混合物を調製し、これに368グラムの39.3重
量%テトラエチルアンモニウムヒドロキシド(TEAOH)
水溶液を加えて均一になるまで攪拌した。最終反応混合
物の組成は、酸化物モル比で下記の通りであった。
10.0TEAOH・Al2O3・5.3P2O5・177H2O. 反応混合物の一部(274.6グラム)をテフロンジャーに
入れて密封し、オーブン中で100℃で144時間加熱した。
液体を傾瀉し、残った固形物をH2Oで洗い、風乾した。
得られた固形物4.6グラムをX線粉末回折で分析し、米
国特許第4310440号の実施例46に記載されたようにAlPO4
であることがかった。傾瀉した液体をテフロンTMジャー
に入れて密封し、オーブン中100℃で269時間加熱した。
5.0グラムの焼成AlPO4−5を熱い反応混合物に加え均一
になるまで混合し、100℃で71時間加熱した。AlPO4−34
生成物を遠心分離で回収し、H2Oで洗い室温で風乾し
た。
上記に使用した焼成AlPO4−5は、85%オルト燐酸、水
和アルミナ(擬似ベーマント相)およびテトラエチルア
ンモニウムヒドロキシドおよびテンプレート剤のトリプ
ロピルアミンを使用して米国特許第4310440号の実施例
1−26に開示されたのと同様の方法で調製した。結晶化
は、攪拌付のステンレススティールオートクレーブ中で
150℃で内因性の圧力下で行った。乾燥した生成物のX
線粉末回折は、単一生成物としてAlPO4−5を示した。
合成したてのAlPO4−5を空気中で600℃で2.5時間焼成
し、次に室内条件で再水和した。
乾燥したAlPO4−5生成物の4.6グラムを分析し、下記の
化学分析値を得た。
重量% 炭素 10.8 窒素 1.4 Al2O3 28.5 P2O5 46.7 LOI* 25.5 *LOI=強熱減量 上記の化学分析値は酸化物モル比で下記の生成物組成に
相当する。
0.40TEAOH:Al2O3:1.18P2O5:177H2O. これは下記の経験的化学組成に相当する。
0.092TEAOH:(Al0.46P0.54)O2. AlPO4−34生成物のX線粉末回折パターンは下記の表の
データで特徴づけられた。
(b)(a)で得られたAlPO4−34生成物の一部を空気
中で31℃/時で600℃まで加熱し、600℃で4.5時間保持
することによって焼成した。室温に冷却し、室内空気中
で再水和したあと、焼成した固形物は下記の表のデータ
で特徴づけられるX線粉末回折パターンを有した。
焼成したAlPO4−34の一部を標準のマックベイン−ベー
カー重量法吸着装置に入れ、真空下に350℃で一夜活性
化した。そのあと下記の表のように吸着データを測定し
た。すべての被吸着物の取り替えのあいだに350℃での
真空活性化を実施した。
これらの結果は、AlPO4−34が少なくとも4.3Åで5.0Å
未満の孔径をもつ微細孔分子篩であることを示してい
る。
実施例110 (a)水和酸化アルミニウム(70.6重量%Al2O3、26重
量%LOIシユードベーマイト)43.5gをH2O119.3g中の85
%オルトリン滲出57.5g中に徐々に添加し、均一になる
までかきまぜて初期混合物を調製した。この混合物にテ
トラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAOH)5.7g/40
%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAOH)水
溶液197.4g中のCab−O−Sil EH5の12.2gより成る懸濁
液を添加し均質になるまでかきまぜた。
この反応混合物の組成は酸化物のモル比で示して 0.6TPA2O:0.05TMA2O:1.0Al2O3:0.8P2O5:0.6SiO2:50H2O であつた。最後にNH4Yゼオライトの36.6gを添加して十
分に混合した。反応混合物を0.6lのかくはん機付ステン
レス鋼製圧力反応器に入れ、かくはんしながら200℃に
おいて1時間加熱し、200℃において5時間保つた。遠
心分離により固体を回収し、水洗し100℃において乾燥
し、50%の湿度において室温で再水和した。化学組成は
Al2O326.4重量%、P2O520.5重量%、SiO224.7重量%、C
9.3重量%、N2.7重量%及びLOI27.4%であることがわか
つた。これは実験的化学組成(か焼した無水物基準) (Al0.455P0.237Si0.338)O2 に相当した。
該固体をX線分析に供した:X線粉末回折図形は十分に結
晶化されたSAPO−37/Yゼオライト複合物に相当した。
次に本発明の態様を総括して示す。この場合、請求項は
態様項と読み変えることとする。
1.多相多組成複合物であつて、それらの相として異種の
無機結晶性組成物を包含し、この場合少なくとも1相は
別の相の存在下における結晶成長によつて成長し、ここ
に: (a)異なる相は隣接し、かつ共通の結晶骨組構造を有
し; (b)1相は結晶骨組構造の一部としてリン原子及びア
ルミニウム原子を含有し;しかも (c)該複合物は複合物内の別の相に対して1相の明瞭
な組成的不均質性を示す、 ものである前記多相多組成複合物。
2.多相多組成複合物であつて、それらの相として異種の
無機結晶性モレキユラーシーブ組成物を包含し、この場
合少なくとも1相は析出基材を包含し、該析出基材上に
は別の相の存在下において結晶成長によりもう一つの相
が成長し;ここに: (a)異なる相は隣接し、かつ共通の結晶骨組構造を有
し; (b)1相は結晶の骨組構造の一部としてリン原子及び
アルミニウム原子を含有し;しかも (c)複合物は該複合物中のもう一つの相に対する1相
の明瞭な組成的不均質性を示す、 ものである前記多相多組成複合物。
3.多相多組成複合物であつて、それらの相として異種の
無機結晶組成物を包含し、この場合少なくとも1相は析
出基材を包含し、該析出基材上には別の相が析出してい
るか、又は共に形成された多相が存在し、ここに: (a)異種の相は隣接し、かつ共通の結晶骨組構造を有
し; (b)1相は結晶の骨組構造の一部としてリン原子及び
アルミニウム原子を含有し、しかも (c)析出基材と、共に形成され、該析出基材を構成す
る相の一つとを包含する相が複合物を構成する相の全重
量の少なくとも約20重量%に等しいものである前記多相
多組成複合物。
4.各相が相の結晶骨組構造の一部としてリン及びアルミ
ニウムを含有し、しかも1相が相の全重量の少なくとも
約20重量%を構成する請求項3記載の複合物。
5.多相多組成複合物であつて、その相として異種の無機
結晶モレキユラーシーブ組成物を包含し、この場合少な
くとも1相は析出基材を包含し、該析出基材上には別の
相が析出されるか、又は共に形成される多相が存在し、
ここに (a)異なる相は隣接し、しかも互に明瞭に区別されな
い共通の結晶骨組構造を有し; (b)1相は結晶の骨組構造の一部としてリン原子及び
アルミニウム原子を含有し;しかも (c)析出基材と、該析出基材を構成する、共に形成さ
れた1相とを包含する相が該複合物を構成する相の全重
量の少なくとも約20重量%に等しい、 ものである前記多相多組成複合物。
6.(a)複合物の相としての少なくとも2種の異なる無
機結晶モレキユラーシーブ組成物であつて、この場合少
なくとも1相は析出基材を包含し、該析出基材上には別
の相が析出しているか、又は共に形成された多相が存在
する前記少なくとも2種の異なる無機結晶モレキユラー
シーブ組成物; (b)異なるモレキラーシーブ相は隣接しており、しか
も互に明瞭に区別できない共通の結晶骨組構造を有し; (c)複合物の1相は結晶の骨組構造の一部としてリン
原子及びアルミニウム原子を含有し;しかも (d)析出基材と、共に形成され、析出基材を構成する
相の一つとを包含する相は複合物を構成する相の全重量
の少なくとも約20重量%に等しい、 ものである多相多組成複合物。
7.(a)複合物の相としての少なくとも2種の異なる無
機結晶モレキユラーシーブ組成物であつて、この場合、
少なくとも1相は析出基材を包含し、該析出基材上には
別の相が析出しているか、又は共に形成された多相が存
在する前記少なくとも2種の異なる無機結晶モレキユラ
ーシーブ組成物; (b)異なるモレキユラーシーブ相は互に構造的に融和
性である骨組であり、かつ互いに明瞭に区別されず; (c)複合物の1相は結晶の骨組構造の一部としてリン
原子及びアルミニウム原子を含有し;しかも (d)析出基材と、共に形成され、析出基材を構成する
相の一つを包含する相は複合物を構成する相の全重量の
少なくとも約20重量%に等しい、ものであることを包含
する多相多組成複合物。
8.(a)複合物の相として少なくとも2種の異なる無機
結晶モレキユラーシーブ組成物であつて、この場合少な
くとも1相は析出基材を包含し、該析出基材上には別の
相が析出しているか、又は共に形成された多相が存在す
る前記少なくとも2種の異なる無機結晶モレキユラーシ
ーブ組成物; (b)異なるモレキユラーシーブ相は互に積分格子会合
の状態にあり、互に明瞭に構造的に区別されず; (c)複合物の1相は結晶骨組構造の一部としてリン原
子及びアルミニウム原子を含有し;しかも (d)相は析出基材と該析出基材を構成する共に形成さ
れた相の一つを包含する相が複合物を構成する相の全重
量の少なくとも約20重量%に等しい、 ものである多相多組成複合物。
9.二つの相が存在し、一つは非ゼオライト系のモレキユ
ラーシーブの構造及び組成を包含し、上記相の他方はア
ルミノシリケートモレキユラーシーブの構造及び組成を
包含する請求項3記載の複合物。
10.二つの相が存在し、一つはアルミノホスフエート含
有モレキユラーシーブの構造及び組成を包含し、上記相
の他方はアルミノシリケートモレキユラーシーブの構造
及び組成を含有する請求項4記載の複合物。
11.二つの相が存在し、一つはアルミノホスフエート含
有モレキユラーシーブの構造及び組成を包含し、上記相
の他方はアルミノシリケートモレキユラーシーブの構造
及び組成を包含する請求項5記載の複合物。
12.二つの相が存在し、一つはアルミノホスフエート含
有モレキユラーシーブの構造及び組成を包含し、上記の
相の他方はアルミノシリケートモレキユラーシーブの構
造及び組成を包含する請求項6記載の複合物。
13.二つの相が存在し、一つはアルミノホスフエート含
有モレキユラーシーブの構造及び組成を包含し、上記相
の他方はアルミノシリケートモレキユラーシーブの構造
及び組成を包含する請求項7記載の複合物。
14.アルミノシリケートモレキユラーシーブがY−型ゼ
オライト系モレキユラーシーブである請求項9記載の複
合物。
15.アルミノシリケートモレキユラーシーブがY−型ゼ
オライト系モレキユラーシーブである請求項10記載の複
合物。
16.一つの相がSAPO組成物である請求項9記載の複合
物。
17.一つの相がSAPO組成物である請求項10記載の複合
物。
18.アルミノシリケートモレキユラーシーブがY−型ゼ
オライト系モレキユラーシーブである請求項16記載の複
合物。
19.アルミノシリケートモレキユラーシーブがY−型ゼ
オライト系モレキユラーシーブである請求項17記載の複
合物。
20.一つの相がCoAPSO組成物である請求項9記載の複合
物。
21.一つの相がCoAPSO組成物である請求項10記載の複合
物。
22.アルミノシリケートモレキユラーシーブがY−型ゼ
オライト系モレキユラーシーブである請求項20記載の複
合物。
23.アルミノシリケートモレキユラーシーブがY−型ゼ
オライト系モレキユラーシーブである請求項21記載の複
合物。
24.結晶の骨組構造の一部としてリン原子及びアルミニ
ウム原子を含有する相が式I: mR:(QwAlxPySiz)O2 により表わされる無水基準の実験的化学組成を有するモ
レキユラーシーブであり、ここに Qは (a)電荷nに有する骨組酸化物単位▲QOn 2▼ (式中nは−3、−2、−1、0又は+1であることが
できる)として存在する少なくとも1種の元素; (b)(i)約1.51Åと約2.06Åとの間の、四面体酸化
物構造における平均T−O間隔 (ii)約125キロカロリー/g原子〜約310キロカロリー/g
原子の間のカチオン電気陰性度、及び (iii)298゜Kにおいて約59キロカロリー/g原子よりも大
きいQ−O結合解離エネルギーを有する結晶性三元酸化
物構造において、安定なQ−O−P、Q−O−Al又はQ
−O−Q結合を形成する能力、 を有する元素 を表わし、; Rは結晶内細孔系上に存在する少なくとも1種の有機テ
ンプレート剤を表わし; mは(QwAlxPySiz)O2の1モル当り存在するRのモル量
を表わし、ゼロないし約0.3の値を有し;そしてw、
x、y及びzは骨組酸化物単位として存在する▲QO
n 2▼、▲AlO- 2▼、▲PO+ 2▼、SiO2のモル分率をそれぞ
れ;そして骨組酸化物として存在するQ、アルミニウ
ム、リン及びケイ素のモル分率をそれぞれ表わし;前記
モル分率は下記の限定組成値: wは0〜98モル%に等しく; yは1〜99モル%に等しく; xは1〜99モル%に等しく;そして zは0〜98モル%に等しい 以内にあるものとする請求項2記載の複合物。
25.別の相がゼオライト系アルミノシリケートモレキユ
ラーシーブである請求項24記載の複合物。
26.相のすべてが異なる組成であり、かつそれらのそれ
ぞれが式Iに包含される請求項24記載の複合物。
27.少なくとも2相が互にエピタキシヤルに整列した異
種の無機結晶組成物であり、該2相のうち少なくとも1
相は結晶骨組構造の一部としてリン原子及びアルミニウ
ム原子を含有する多相の複合物の製造方法において、
(a)結晶構造の一部としてリン原子及びアルミニウム
原子を含有する上記相の一つを構成する結晶構造の、上
記相の別の相の結晶を包含する析出基材の存在下におけ
る成長、(b)結晶構造の一部としてリン原子及びアル
ミニウム原子を含有する上記相の別の相の結晶を包含す
る析出基材の存在下における上記相の一つを構成する結
晶構造の成長、又は(c)結晶構造の一部としてリン原
子及びアルミニウム原子を含有する上記相の一つと、上
記相の別の相とを構成する結晶の共成長(joint growt
h)により該相の一つは別の相に対する析出基材を構成
し、ここに、いずれの場合にも析出基材相が相全体の少
なくとも約20重量%の量で存在することを特徴とする前
記方法。
28.他の相の結晶の存在下における相を構成する結晶構
造の成長が該相の前駆物質の水熱結晶化処理を包含する
請求項27記載の方法。
29.異種の無機結晶組成物を相として有する多相多組成
複合物を包含し、この場合少なくとも1相は別の相の存
在下に結晶成長により成長し、ここに (a)該異種の相は隣接しており、かつ共通の結晶骨組
構造を有し; (b)1相は結晶骨組構造の部分としてリン原子及びア
ルミニウム原子を含有し; (c)該複合物はその中の別の相に対する1相の明瞭な
組成的不均質性を示す、 ものである触媒組成物。
30.異種の無機結晶組成物を相として有する多相多組成
複合物を包含し、この場合少なくとも1相は別の相の存
在下に結晶成長により成長し、ここに (a)該異種の相は隣接しており、かつ共通の結晶骨組
構造を有し; (b)1相は結晶骨組構造の部分としてリン原子及びア
ルミニウム原子を含有し; (c)該複合物はその中の別の相に対する1相の明瞭な
組成的不均質性を示す、 ものである吸着剤組成物。
31.析出基材を包含する相が、複合物を構成する相の全
重量の少なくとも約50重量%に等しい請求項3記載の多
相多組成複合物。
32.析出基材を包含する相が複合物を構成する相の全重
量の50重量%以上に等しい請求項31記載の多相多組成複
合物。
33.請求項31記載の多相多組成複合物を包含する触媒。
34.請求項32記載の多相多組成複合物を包含する触媒。
35.析出基材を包含する相が、複合物を構成する相の全
重量の少なくとも約50重量%ないし約98重量%に等しい
請求項31記載の触媒。
36.触媒がその触媒的性能において、該触媒の任意の1
相を包含するように製造した比較可能な触媒よりも少な
くともより一層選択性であるか、又はより一層活性であ
る請求項2記載の多相多組成複合物を包含してなる触媒
組成物。
37.触媒がその触媒的性能において任意の1相のみを包
含するように製造した比較可能な触媒よりも少なくとも
より一層選択性であるか、又はより一層活性である請求
項33記載の触媒組成物。
38.多相多組成複合物であつて、それらの相として異種
の無機結晶性組成物を包含し、この場合少なくとも1相
は別の相の存在下における結晶成長により成長し、ここ
に (a)異種の相は隣接し、かつ共通の結晶骨組構造を有
し; (b)1相は結晶の骨組構造の一部としてリン原子及び
アルミニウム原子を含有し; (c)該複合物は、その中の別の相に対する1相の明瞭
な組成的不均質性を示し;しかも (d)触媒がその触媒的性能において、上記相の任意の
1相を包含するように製造した比較可能な触媒よりも少
なくともより一層選択性であるか、又はより一層活性で
ある、 ものである前記多相多組成複合物を包含して成る触媒組
成物。
39.複合物の相として異種の無機結晶性組成物を有する
多相多組成複合物を包含し、この場合少なくとも1相は
析出基材を包含し、該析出基材上には別の相が析出する
か、または共に形成された多相が存在し、ここに (a)異種の相は隣接しており、かつ共通の結晶骨組構
造を有し; (b)1相は結晶の骨組構造の一部としてリン原子及び
アルミニウム原子を含有し; (c)析出基材と、共に形成され該析出基材を構成する
相の一つとを包含する相が、複合物を構成する相の全重
量の少なくとも約50重量を含有し、しかも (d)触媒がその触媒的性能において、相の任意の1相
のみを包含するように製造された比較可能な触媒よりも
少なくともより一層選択性であるか、又はより一層活性
である。
ものである触媒組成物。
40.(A)複合物の相としての異種の無機結晶性モレキ
ユラーシーブ組成物を包含し、この場合少なくとも1相
は別の相の存在下における結晶成長によつて成長し、こ
こに (a)異種の相は隣接しており、しかも共通の結晶骨組
構造を有し; (b)1相は結晶の骨組構造の一部としてリン原子及び
アルミニウム原子を含有し; (c)該複合物はその中の別の相に対する1相の明瞭な
組成的不均質性を示す、 ものである多相多組成複合物;と (B)前記(A)の多相多組成複合物と、又は前記
(A)の複合物の相の多相多組成複合物と、隣接する共
通の結晶骨組構造を有しないけれど前記(A)の多相多
組成複合物に接着的に結合している無機結晶組成物と、 を包含する不均質混合物。
41.(A)複合物の相として異種の無機結晶性組成物を
包含し、この場合少なくとも1相は別の相の存在下にお
ける結晶成長によつて成長し、ここに (a)該異種の相は隣接しており、しかも共通の結晶骨
組構造を有し; (b)1相は結晶の骨組構造の一部としてリン原子及び
アルミニウム原子を含有し; (c)該複合物はその中の別の相に対する1相の明瞭な
組成的不均質性を示す、 ものである多相多組成複合物;と (B)前記(A)の多相多組成複合物に結合している無
定形複合物と、 を包含して成る不均質混合物。
42.複合物の相として異種の無機結晶性モレキユラーシ
ーブ組成物を包含し、この場合少なくとも1相は析出基
材を包含し、該析出基材上においては別の相の存在下に
おける結晶成長により別の相が成長し;ここに: (a)異種の相は隣接しており、しかも共通の結晶骨組
構造を有し; (b)1相は結晶の骨組構造の一部としてリン原子及び
アルミニウム原子を含有し; (c)該複合物はその中の別の相に対する1相の明瞭な
組成的不均質性を示し;しかも (d)該複合物は、その任意の相の比較可能な組成物よ
りも、より大きな活性を示す、 ものである多相多組成複合物。
43.その他の相がゼオライト及びNZMSより成る群から選
択されるものである請求項3記載の複合物。
44.析出基材を構成する相を析出基材相と称し、任意の
残りの相を外層と称し、ここに外層は結晶の骨組構造の
一部としてリン原子及びアルミニウム原子を含有する相
を包含する請求項3記載の複合物。
45.外層がAlPO4、SAPO、MeAPO、MeAPSO、ELAPO、ELAPSO
及びそれらの混合物の一つであるNZMSを含有するもので
ある請求項44記載の複合物。
46.SAPOがSAPO−5、SAPO−11、SAPO−31、SAPO−40、S
APO−41及びSAPO−47の一つである請求項45記載の複合
物。
47.MeAPOがCoAPO、ZAPO、MAPO及びMnAPOの一つである請
求項45記載の複合物。
48.析出基材が、SAPOと構造的に融和性であるAlPO4であ
る請求項46記載の複合物。
49.外層が中間孔径SAPOを含有する請求項45記載の複合
物。
50.析出基材が構造的に融和性のAlPO4を包含する請求項
49記載の複合物。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の多組成多相複合物から製造したFCC触媒
の予想外かつ望ましいMAT性能能力を、複合物に使用し
た相の組成及び構造を有するモレキユラーシーブから製
造したFCC触媒のMAT性能に対して、ガソリン選択性対転
化率(第1図)、ガス収率対転化率(第2図)、コーク
収率対転化率(第3図)、芳香族体収率対転化率(第4
図)ならびにナフテン類及びオレフイン類対転化率(第
5図)をグラフ的に示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 アルバート、レイモンド、スプリンガー アメリカ合衆国、ニユーヨーク州、10553、 マウント・バーノン、ウエスト・キングス ブリッジ・ロード 155番 (72)発明者 リチヤード、タドイツ、ガジエク アメリカ合衆国、コネチカツト州、06812、 ニユー、フエアフイールド、ホワイトホー ル・ロード 4番

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多相多組成複合物であつて、それらの相と
    して異種の無機結晶性組成物を包含し、この場合少なく
    とも1相は別の相の存在下における結晶成長によつて成
    長し、ここに: (a)異なる相は隣接し、かつ共通の結晶骨組構造を有
    し; (b)1相は結晶骨組構造の一部としてリン原子及びア
    ルミニウム原子を含有し;しかも (c)該複合物は複合物内の別の相に対して1相の明瞭
    な組成的不均質性を示す、 ものである前記多相多組成複合物。
  2. 【請求項2】多相多組成複合物であつて、それらの相と
    して異種の無機結晶性モレキユラーシーブ組成物を包含
    し、この場合少なくとも1相は析出基材を包含し、該析
    出基材上には別の相の存在下において結晶成長によりも
    う一つの相が成長し;ここに: (a)異なる相は隣接し、かつ共通の結晶骨組構造を有
    し; (b)1相は結晶の骨組構造の一部としてリン原子及び
    アルミニウム原子を含有し;しかも (c)複合物は該複合物中のもう一つの相に対する1相
    の明瞭な組成的不均質性を示す、 ものである前記多相多組成複合物。
  3. 【請求項3】多相多組成複合物であつて、それらの相と
    して異種の無機結晶組成物を包含し、この場合少なくと
    も1相は析出基材を包含し、該析出基材上には別の相が
    析出しているか、又は共に形成された多相が存在し、こ
    こに: (a)異種の相は隣接し、かつ共通の結晶骨組構造を有
    し; (b)1相は結晶の骨組構造の一部としてリン原子及び
    アルミニウム原子を含有し、しかも (c)析出基材と、共に形成され、該析出基材を構成す
    る相の一つとを包含する相が複合物を構成する相の全重
    量の少なくとも約20重量%に等しいものである前記多相
    多組成複合物。
  4. 【請求項4】二つの相が存在し、一つは非ゼオライト系
    のモレキユラーシーブの構造及び組成を包含し、上記相
    の他方はアルミノシリケートモレキユラーシーブの構造
    及び組成を包含する請求項3記載の複合物。
  5. 【請求項5】結晶の骨組構造の一部としてリン原子及び
    アルミニウム原子を含有する相が式I: mR:(QwAlxPySiz)O2 により表わされる無水基準の実験的化学組成を有するモ
    レキユラーシーブであり、ここに Qは (a)電荷nを有する骨組酸化物単位▲QOn 2▼ (式中nは−3、−2、−1、0又は+1であることが
    できる)として存在する少なくとも1種の元素; (b)(i)約1.51Åと約2.06Åとの間の、四面体酸化
    物構造における平均T−O間隔 (ii)約125キロカロリー/g原子〜約310キロカロリー/g
    原子の間のカチオン電気陰性度、及び (iii)298゜Kにおいて約59キロカロリー/g原子よりも大
    きいQ−O結合解離エネルギーを有する結晶性三元酸化
    物構造において、安定なQ−O−P、Q−O−Al又はQ
    −O−Q結合を形成する能力、 を有する元素 を表わし; Rは結晶内細孔系上に存在する少なくとも1種の有機テ
    ンプレート剤を表わし; mは(QwAlxPySiz)O2の1モル当り存在するRのモル量
    を表わし、ゼロないし約0.3の値を有し;そしてw、
    x、y及びzは骨組酸化物単位として存在する▲QO
    n 2▼、▲AlO- 2▼、▲PO+ 2▼、SiO2のモル分率をそれぞ
    れ;そして骨組酸化物として存在するQ、アルミニウ
    ム、リン及びケイ素のモル分率をそれぞれ表わし;前記
    モル分率は下記の限定組成値: wは0〜98モル%に等しく; yは1〜99モル%に等しく; xは1〜99モル%に等しく;そして zは0〜98モル%に等しい 以内にあるものとする請求項2記載の複合物。
  6. 【請求項6】少なくとも2相が互にエピタキシヤルに整
    列した異種の無機結晶組成物であり、該2相のうち少な
    くとも1相は結晶骨組構造の一部としてリン原子及びア
    ルミニウム原子を含有する多相の複合物の製造方法にお
    いて、(a)結晶構造の一部としてリン原子及びアルミ
    ニウム原子を含有する上記相の一つを構成する結晶構造
    の、上記相の別の相の結晶を包含する析出基材の存在下
    における成長、(b)結晶構造の一部としてリン原子及
    びアルミニウム原子を含有する上記相の別の相の結晶を
    包含する析出基材の存在下における上記相の一つを構成
    する結晶構造の成長、又は(c)結晶構造の一部として
    リン原子及びアルミニウム原子を含有する上記相の一つ
    と、上記相の別の相とを構成する結晶の共成長(joint
    growth)により該相の一つは別の相に対する析出基材を
    構成し、ここに、いずれの場合にも析出基材相が相全体
    の少なくとも約20重量%の量で存在することを特徴とす
    る前記方法。
  7. 【請求項7】異種の無機結晶組成物を相として有する多
    相多組成複合物を包含し、この場合少なくとも1相は別
    の相の存在下に結晶成長により成長し、ここに (a)該異種の相は隣接しており、かつ共通の結晶骨組
    構造を有し; (b)1相は結晶骨組構造の部分としてリン原子及びア
    ルミニウム原子を含有し; (c)該複合物はその中の別の相に対する1相の明瞭な
    組成的不均質性を示す、 ものである触媒組成物。
  8. 【請求項8】異種の無機結晶組成物を相として有する多
    相多組成複合物を包含し、この場合少なくとも1相は別
    の相の存在下に結晶成長により成長し、ここに (a)該異種の相は隣接しており、かつ共通の結晶骨組
    構造を有し; (b)1相は結晶骨組構造の部分としてリン原子及びア
    ルミニウム原子を含有し; (c)該複合物はその中の別の相に対する1相の明瞭な
    組成的不均質性を示す、 ものである吸着剤組成物。
  9. 【請求項9】(A)複合物の相としての異種の無機結晶
    性モレキユラーシーブ組成物を包含し、この場合少なく
    とも1相は別の相の存在下における結晶成長によつて成
    長し、ここに (a)異種の相は隣接しており、しかも共通の結晶骨組
    構造を有し; (b)1相は結晶の骨組構造の一部としてリン原子及び
    アルミニウム原子を含有し; (c)該複合物はその中の別の相に対する1相の明瞭な
    組成的不均質性を示す、 ものである多相多組成複合物;と (B)前記(A)の多相多組成複合物と、又は前記
    (A)の複合物の相の多相多組成複合物と、隣接する共
    通の結晶骨組構造を有しないけれど前記(A)の多相多
    組成複合物に接着的に結合している無機結晶組成物と、 を包含する不均質混合物。
  10. 【請求項10】(A)複合物の相として異種の無機結晶
    性組成物を包含し、この場合少なくとも1相は別の相の
    存在下における結晶成長によつて成長し、ここに (a)該異種の相は隣接しており、しかも共通の結晶骨
    組構造を有し; (b)1相は結晶の骨組構造の一部としてリン原子及び
    アルミニウム原子を含有し; (c)該複合物はその中の別の相に対する1相の明瞭な
    組成的不均質性を示す、 ものである多相多組成複合物;と (B)前記(A)の多相多組成複合物に結合している無
    定形複合物と、 を包含して成る不均質混合物。
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