JPH072252Y2 - ラバースプリング - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 ［産業上の利用分野］ 本考案は、車輛用板ばね装置に取付けるラバースプリン
グに関する。

［従来の技術］ 従来、車輛用サスペンションとして、板ばね装置の上部
にラバースプリングを設け、フレームの一部に接触させ
て、車輛が段差を乗越した場合などにおいて、板ばね装
置に過大な入力がないように、また車軸と他の部分（エ
ンジン等）との干渉が発生しないようにした形式のもの
がある（第３図）。

このラバースプリングの取付は、第３図およびそのＹ−
Ｙ線断面を示す第４図に説明するように、接着面13によ
りラバースプリングが接着されているクリッププレート
５を板ばね装置の上に置き、溝部７をＵボルトの位置決
めとし、板ばね装置と共に車軸に締結される。

一方、板ばね装置は板ばねの表面を保護するため樹脂パ
ッド９およびこれを押える鋼製パッド11を有することが
多く、この鋼製パッドは板ばねと共にセンターボルト10
とナット12により固着されている。

［考案が解決しようとする課題］ 第４図に見るように従来のラバースプリングの取付構造
では、センターボルトのナット12がクリッププレート５
と干渉しないように、クリッププレートをかなり厚くす
る必要があり、その結果ラバースプリング１がフレーム
に近くなり十分なバンプストロークを確保することが困
難となっていた。

また、鋼製パッド11の使用も同様のバンプストロークを
小さくすることになり、さらに重量を増加させる原因と
もなっていた。

こうしたことに加えて、ラバースプリングの交換時は、
Ｕボルトをはずす必要があり、作業が煩雑であった。

本考案は、こうした実情に鑑み、サスペンションに要求
されるバンプストロークを十分に確保できると共に、交
換作業を簡略化でき、さらに鋼製パッドを要せず、サス
ペンション全体の軽量化も可能なラバースプリングを提
供することを目的とするものである。

［課題を解決するための手段］ 本考案者らは、前記した課題を解決すべく、従来より検
討を重ねてきた結果、板ばね装置を一体化するためのセ
ンターボルトのナットの機能を有する部材をラバースプ
リングと一体化することで解決し得ることを知得し、本
考案に至った。

すなわち、本考案は、ラバースプリングが板ばね装置の
一部材となっていることを特徴とするラバースプリング
である。

本考案のラバースプリングにおけるラバー部材とナット
機能部材との一体化は、接着剤によるか、あるいは融着
などによって行うことができる。

本考案のラバースプリングの板ばね装置への取付にあた
っては、クリッププレートを介して、ラバースプリング
に一体化されたナット機能部材をセンターボルトにより
締結することにより行われ、さらに該ナット機能部材は
板ばね装置のセンターボルトのナットとしても機能す
る。またクリッププレートには、センターボルトに対応
するようにめねじ部６を設けることが好ましい。

上記ラバースプリングを有する板ばね装置はＵボルトに
より車軸へ締結される。

［作用］ 本考案は、上記したようにセンターボルトのナットをラ
バー部材と一体化したことにより、クリッププレートを
薄くすることができる。また従来のラバースプリングの
構造（図４）では、鋼製パッドがないと、ナット締め付
け時に樹脂パッド９がナットの面圧と回転によって破損
し、また輸送中にも他のものに引っかかったりして破損
するおそれがあるが、本考案のラバースプリングの構造
（図２）ではこれをクリッププレートを介して板ばね装
置に取付ける際にクリッププレート自体が樹脂パッドを
保護する機能を有することになる。そのため樹脂パット
を保護する鋼製パッドを要しないため従来のラバースプ
リング取付構造に比してバンプストロークを十分に確保
できる。

また、ラバースプリングの交換にあたっては、ラバース
プリングと一体化されているナット機能部材のみを取外
すことにより可能となり、従来のようにＵボルトまで取
外す必要はないので、交換作業が著しく合理化できる。

また、この場合、クリッププレートにもセンターボルト
に対応するようにめねじ部を設けておけば、Ｕボルト締
結状態でのラバースプリング交換作業の際センターボル
トの回止めの効果もある。

［実施例］ 次に本考案の実施例を図面に基づいて説明する。

第１図は、車輛用板ばね装置に取付けられた本考案のラ
バースプリングを説明するもので、第２図は、第１図Ｘ
−Ｘ線での断面図である。

１はラバー部材２と該ラバー部材と一体化されたナット
機能部材３からなるラバースプリングである。４はラバ
ー部材とナット機能部材との一体化面、５はクリッププ
レート、６はめねじ部、７はクリッププレート上のＵボ
ルト位置決め溝、８はナットめねじ部、９は樹脂パッ
ド、10はセンターボルトである。

また、第５、６図は本考案の別の実施例を示すもので、
ラバー部材が高機能スプリングである場合を説明するも
のである。

［考案の効果］ 以上説明したように、本考案の構成によるラバースプリ
ングは、ナット機能部材を一体化したことにより、サス
ペンションに要求されるバンプストロークを十分確保で
き、鋼製パッド等の部品を不要とし、軽量化、省力化す
ると共に、ラバースプリング交換時の作業も合理化する
ことができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は板ばねに取付けられた本考案のラバースプリン
グを説明する図、第２図は第１図Ｘ−Ｘ線での断面図、
第３図は板ばねに取付けられた従来のラバースプリング
を説明する図、第４図は第３図Ｙ−Ｙ線での断面図、第
５図は本考案の高機能ラバースプリングを板ばねに取付
けた場合を説明する図、第６図は第５図Ｚ−Ｚ線での断
面図。 １……ラバースプリング、２……ゴム部材、３……ナッ
ト機能部材、４……一体化面、５……クリッププレー
ト。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】車輌用板ばね装置用ラバースプリングにお
   いて、ラバー部材と、板ばね装置のセンターボルト用ナ
   ットとして機能するナット機能部材とを一体化したこと
   を特徴とするラバースプリング。