JPH0722464Y2 - 窓装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本考案は、家屋のコーナー部に形
成された窓や、出窓に適用される窓装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来の窓装置には、一対の横枠部と一対
の縦枠部により構成された主枠と、この主枠に支持され
るとともに一対の横枠部と一対の縦枠部により構成され
た補助枠と、この補助枠に嵌め込まれたガラス板（透明
板）とを備えたものがある。詳述すると、主枠を構成す
るサッシには支持溝が形成されている。他方、補助枠を
構成する型材には、主枠と対向する側に長手方向に延び
る突起部が形成され、この突起部がサッシの支持溝に収
容されて支持されている。さらに、補助枠の型材には主
枠と反対側にガラス板の厚さに対応した支持溝が形成さ
れており、この支持溝にガラス板の縁部が収容されて支
持される。このように、補助枠を用いることにより、種
々の厚さのガラス板を用いることができる。

【０００３】上記のような窓装置を、家屋のコーナー部
に形成された窓や、出窓に適用する場合には、上記主枠
の一対の横枠部の各々は、少なくとも２つの直線的に延
びるサッシを有しており、これらサッシの端部を例えば
直角に突き合わせることによってコーナー部が形成され
ている。他方、上記補助枠の一対の横枠部の各々は、主
枠の横枠部の２つのサッシにそれぞれ支持される直線的
に延びる型材を有しており、これら型材の端部の突き合
わせによってコーナー部が形成されている。２つの型材
に形成された直線的に延びる支持溝の端部は、コーナー
部において連なっている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】上記従来構成の窓装置
では、平板形状のガラス板を２枚用いなくてはならな
い。上記２枚のガラス板は、上記コーナー部で互いの側
縁が若干の隙間を介して対峙しており、この隙間にシリ
コーン等の気密材が充填されている。すなわち、ガラス
板の側縁を突き合わせただけでは、気密を保持できない
ので、積極的に僅かな隙間を形成させて、気密材を充填
させているのである。しかし、この気密材が線となって
現れるため外観が悪く、しかも気密材の劣化に伴い気密
性が低下する欠点もあった。気密材を用いないようにす
るには、２つの平板部を有する１枚のガラス板を用いれ
ばよいが、例えば直角をなすコーナー部を有するガラス
板を製造することは、現状では極めて困難であった。

【０００５】

【課題を解決するための手段】請求項１の考案は、上記
課題を克服するためになされたものであり、その要旨
は、一対の横枠部と一対の縦枠部により構成された主枠
と、この主枠に支持されるとともに一対の横枠部と一対
の縦枠部により構成された補助枠と、この補助枠に嵌め
込まれた透明板とを備えた窓装置において、上記主枠の
一対の横枠部の各々は、少なくとも２つの直線的に延び
るサッシを有するとともに、これらサッシの端部の突き
合わせによってコーナー部が形成されており、上記補助
枠の一対の横枠部の各々は、主枠の横枠部の２つのサッ
シにそれぞれ支持される直線的に延びる型材と、これら
型材とは別体をなすとともに主枠のコーナー部に支持さ
れるコーナー部材とを有し、これら補助枠の型材には型
材の長手方向に延びる支持溝が形成され、コーナー部材
には、湾曲形状をなし両端がこれら型材の支持溝と連な
る支持溝が形成されており、上記透明板は少なくとも２
つの平板部とこの平板部を連ねる湾曲したコーナー部を
有し、平板部の上下縁部は補助枠の型材の支持溝に収容
されて支持され、平板部のコーナー部の上下縁部は補助
枠のコーナー部材の支持溝に収容されて支持されること
を特徴とする窓装置にある。請求項２の考案は、上記主
枠の２つのサッシには、サッシに沿って延びる支持溝が
形成され、これら支持溝は上記主枠のコーナー部におい
て連なり、上記補助枠のコーナー部材は、直線的に延び
る２つの突起部を有し、これら突起部が上記主枠の２つ
のサッシの支持溝にそれぞれ収容されて支持されている
ことを特徴とする窓装置にある。

【０００６】

【作用】請求項１の考案では、コーナー部材の透明板支
持用の支持溝が湾曲しているので、湾曲したコーナー部
を有する１枚の透明板を用いることができる。１枚の透
明板を用いるため、２つの透明板を用いてその側縁間に
気密材を介在させる窓装置に比べて、外観が良好にな
る。また、この気密材の劣化に伴う気密性の低下を防止
することができる。請求項２の考案では、コーナー部材
の２つの突起部が主枠の支持溝に収容されて支持される
ので、コーナー部材を安定して支持することができる。

【０００７】

【実施例】以下、本考案の一実施例を図面を参照して説
明する。図１に示すように、家屋のコーナー部に形成さ
れた窓開口１０に本考案の窓装置が取り付けられてい
る。窓装置は、窓開口１０に取り付けられた主枠２０
と、この主枠２０に支持された補助枠３０と、補助枠３
０に支持された１枚のガラス板４０（透明板）とを備え
ている。

【０００８】上記窓開口１０は、水平をなす上縁１１，
下縁１２と、垂直をなす左側縁１３，右側縁１４を有し
ている。上縁１１と下縁１２はともに２つの直線からな
り、これら２つの直線が直角に交差することによりコー
ナー部１１ｘ，１２ｘがそれぞれ形成されている。この
コーナー部１１ｘ，１２ｘは互いに上下に対峙して配置
されている。

【０００９】上記主枠２０は、窓開口１０の上縁１１，
下縁１２に沿って配置された一対の横枠部２１，２１
と、窓開口１０の左側縁１３，右側縁１４に沿って配置
された互いに同形状をなす一対の縦枠部２３，２３とを
備えている。各横枠部２１は、窓開口１０の上縁１１ま
たは下縁１２の２つの直線に沿って延びるアルミニウム
または樹脂の押出型材からなるサッシ２１ａ，２１ｂに
より構成され、これらサッシ２１ａ，２１ｂの突き合わ
せ部がコーナー部２１ｘとなる。各縦枠部２３は、直線
的に延びる１本のサッシ２３ａからなる。

【００１０】上記補助枠３０は、主枠２０の一対の横枠
部２１，２１にそれぞれ支持された互いに同形状をなす
一対の横枠部３１，３１と、主枠２０の一対の縦枠部２
３，２３にそれぞれ支持された互いに同形状をなす一対
の縦枠部３３，３３とを備えている。各縦枠部３３は、
主枠２０のサッシ２３ａに沿って延びる１本の型材３３
ａ（アルミニウムまたは樹脂の押出型材）からなる。各
横枠部３１は、主枠２０のサッシ２１ａ，２１ｂに沿っ
てそれぞれ延びる２つの型材３１ａ，３１ｂと、主枠２
０のコーナー部２１ｘに配置されたコーナー部材５０に
よって構成されている。

【００１１】次に、窓装置Ａの各部を詳細に説明する。
図２，図３に示すように、補助枠３０の型材３１ａ，３
１ｂ，３３ａは、互いに等しい断面形状を有しており、
ベース部３５と、ベース３５の主枠２０に対向する側に
形成された突起部３６と、主枠２０の反対側に形成され
た一対の壁３７を有している。この突起部３６は一対の
互いに平行な壁３６ａ，３６ａからなり、主枠２０のサ
ッシ２１ａ，２１ｂ，２３ａに形成された支持溝２５に
それぞれ収容され、ガスケット６０，６１を介して支持
されている。上記一対の壁３７間には、ガラス板４０を
支持するための支持溝３８が形成されている。この支持
溝３８は、主枠２０の支持溝２５より幅が広い。

【００１２】補助枠３０の各横枠部３１のコーナー部材
５０は、例えば鋳物からなり、図２，図４〜図６に示す
ように、Ｌ字形の板形状のベース部５５と、このベース
部５１の主枠２０に対向する側に形成され直線的に延び
る一対の突起部５６，５６と、ベース部５５において主
枠２０の反対側に形成された円弧形状の一対の壁５７，
５７とを有している。各突起部５６は、一対の互いに平
行な壁５６ａ，５６ａにより構成されている。上記一対
の突起部５６，５６はベース部５５の角部で互いに９０
°の角度をなして連なる。上記一対の壁５７，５７間に
は、上記ガラス板４０を支持するための円弧形状の支持
溝５８が形成されている。さらに、外側の壁５７の外周
面からベース部５５の角部にわたって、水切りのための
傾斜面５９が形成されている。

【００１３】各コーナー部材５０は、主枠２０の横枠部
２１のコーナー部２１ｘに配置され、一方の突起部５６
が、主枠２０の一方のサッシ２１ａに形成された支持溝
２５の端部に収容されるとともにガスケット６０，６１
を介して支持されており、他方の突起部５６が、主枠２
０の他方のサッシ２１ｂに形成された支持溝２５の端部
に収容されるとともにガスケット６０，６１を介して支
持されている。上記コーナー部材５０の両端部の断面形
状は、補助枠３０の型材３１ａ，３１ｂの断面形状とほ
ぼ等しく、コーナー部材５０の両端面はそれぞれ型材３
１ａ，３１ｂの端面に突き合わされており、これによ
り、コーナー部材５０のベース部５５が型材３１ａ，３
１ｂのベース部３５に連なり、コーナー部材５０の突起
部５６が型材３１の突起部３６と連なり、コーナー部材
５０の湾曲した支持溝５８の両端が、型材３１ａ，３１
ｂの支持溝３８に連なっている。コーナー部材５０のベ
ース部５５には、両端から突出する一対の板形状の連結
部５４が形成されており、この連結部５４は、上記型材
３１ａ，３１ｂのベース部３５の端部にねじ５４ａで固
定され、これにより、コーナー部材５０が型材３１ａ，
３１ｂに連結されている。

【００１４】ガラス板４０は図２，図３に示すように複
層タイプのものであり、図１，図２に示すように、２つ
の平板部４１，４２と、これら平板部４１，４２を連ね
る横断面円弧をなす湾曲形状のコーナー部４３を有して
いる。ガラス板４０の左側縁，右側縁は、補助枠３０の
型材３３ａ，３３ａの支持溝３８に収容され、バックア
ップ材６４，コーキング材６５により支持されている。
また、平板部４１の上下縁および平板部４２の上限縁
は、それぞれ型材３１ａ，３１ｂの支持溝３８に収容さ
れ、バックアップ材６４，コーキング材６５により支持
されている。

【００１５】ガラス板４０の湾曲したコーナー部４３の
上下縁は、一対のコーナー部材５０，５０の支持溝５８
にそれぞれ収容され、バックアップ材６４，コーキング
材６５により支持されている。

【００１６】上述したように、湾曲部４３を有する１枚
のガラス板４０が用いられるので、従来の窓装置のよう
に２枚のガラス板間に配置される気密材が不要となる。
本考案は上記実施例に制約されず、種々の態様が可能で
ある。例えば、主枠，補助枠の横枠部はコ字形をなして
もよい。この場合には、３つの平板部と２つの湾曲部を
有するガラス板が用いられる。主枠のコーナー部は直角
でなくてもよい。ガラス板は、複層タイプに制約され
ず、単板タイプや合わせ板タイプのものを用いてもよ
い。コーナー部材の支持溝は、全体が湾曲してもよく、
中央が湾曲していて両端部が真っすぐでもよい。補助枠
の支持溝は、主枠の支持溝より狭いか等しい場合もあ
る。

【００１７】

【考案の効果】以上説明したように、請求項１の考案で
は、補助枠に、透明板支持用の湾曲した支持溝を有する
コーナー部材を用いることにより、湾曲したコーナー部
を有する１枚の透明板を用いることができ、２つの透明
板を用いてその側縁間に気密材を介在させる窓装置に比
べて、外観を良好にすることができる。また、この気密
材の劣化に伴う気密性の低下を防止することができる。
請求項２の考案では、コーナー部材の２つの直線的に延
びる突起部が主枠の支持溝に収容されて支持されるの
で、コーナー部材を安定して支持することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の窓装置の概略を示す斜視図である。

【図２】図１中IIーII線に沿う断面図である。

【図３】図１中IIIーIII線に沿う断面図である。

【図４】コーナー部材の斜視図である。

【図５】コーナー部材の一部を図４においてV方向から
見た斜視図である。

【図６】コーナー部材の底面図である。

【符号の説明】

２０ … 主枠 ２１ … 横枠部 ２１ａ，２１ｂ … サッシ ２３ … 縦枠部 ２５ … 支持溝 ３０ … 補助枠 ３１ … 横枠部 ３１ａ，３１ｂ … 型材 ３３ … 縦枠部 ３８ … 支持溝 ４０ … 透明板（ガラス板） ４１，４２ … 平板部 ４３ … 湾曲部 ５０ … コーナー部材 ５６ … 突起部 ５８ … 支持溝

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】（イ）一対の横枠部と一対の縦枠部により
   構成された主枠と、この主枠に支持されるとともに一対
   の横枠部と一対の縦枠部により構成された補助枠と、こ
   の補助枠に嵌め込まれた透明板とを備えた窓装置におい
   て、 （ロ）上記主枠の一対の横枠部の各々は、少なくとも２
   つの直線的に延びるサッシを有するとともに、これらサ
   ッシの端部の突き合わせによってコーナー部が形成され
   ており、 （ハ）上記補助枠の一対の横枠部の各々は、主枠の横枠
   部の２つのサッシにそれぞれ支持される直線的に延びる
   型材と、これら型材とは別体をなすとともに主枠のコー
   ナー部に支持されるコーナー部材とを有し、これら補助
   枠の型材には型材の長手方向に延びる支持溝が形成さ
   れ、コーナー部材には、湾曲形状をなし両端がこれら型
   材の支持溝と連なる支持溝が形成されており、 （ニ）上記透明板は少なくとも２つの平板部とこの平板
   部を連ねる湾曲したコーナー部を有し、平板部の上下縁
   部は補助枠の型材の支持溝に収容されて支持され、平板
   部のコーナー部の上下縁部は補助枠のコーナー部材の支
   持溝に収容されて支持されることを特徴とする窓装置。
2. 【請求項２】 上記主枠の２つのサッシには、サッシに
   沿って延びる支持溝が形成され、これら支持溝は上記主
   枠のコーナー部において連なり、上記補助枠のコーナー
   部材は、直線的に延びる２つの突起部を有し、これら突
   起部が上記主枠の２つのサッシの支持溝にそれぞれ収容
   されて支持されていることを特徴とする窓装置。