JPH0118788Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、スペーサを介して重ね合わせた複層
ガラスを框内に納めてなる複層ガラス障子に関す
る。

近年、ガラス障子において断熱及び遮音効果を
挙げるため複層ガラスが使用されるようになつて
きているが、この複層ガラスは、複層ゆえに見込
幅が大きくなつて、特殊なアタツチメントを使用
しなければ通常の框に納め得ないという欠点があ
つた。しかも複層ガラスの成形工程において、ガ
ラス四周部には固定支持する箇所がないため、ス
ペーサをガラス端部に接着する作業に多大の手数
を要するという欠点を有していた。

本考案は上記点に鑑みてなされたもので、ガラ
ス間に接着取付けされるスペーサに、ガラス端部
より四周に突出する突片を設けるよに構成するこ
とにより、該突片を用いることによつて、複層ガ
ラスを特殊なアタツチメントを使用することなく
通常の框に納め得るようにすると共に、スペーサ
をガラスに接着する接着作業においては、上記突
片をスペーサの固定支持用に利用してガラスとの
接着を行なうことにより、スペーサ接着作業を容
易になし得るようにし、しかもスペーサを露出さ
せずガラス全面を露出させると共に、ガラス表面
の周囲に不透明部を設けてスペーサを隠蔽し得る
複層ガラス障子を提案するものである。

以下図面に示す本考案の一実施例を詳細に説明
する。第１図は複層ガラス障子の正面図、第２図
は第１図のAA拡大断面図、第３図は複層ガラス
の部分斜視図である。

上記各図において本実施例の複層ガラス障子
は、スペーサ３を介して重ね合わせた複層ガラス
１を框５内に納めてなるもので、スペーサ３は、
ガラス２，２間の四周に設けられて各ガラス端部
に接着され、このスペーサ３には、ガラス端部よ
り四周に突出する突片４を設け、且つ該突片４を
グレージングチヤンネル６を介して框５に嵌合し
てなる。

上記複層ガラス１は、第２・３図に示すよう
に、二枚のガラス２，２をスペーサ３を介し所定
の間隔を設けて接着固定し、且つスペーサ３の端
部をガラス２，２の端部より四周に突出させて突
片４を設けてなる。

上記スペーサ３は、中空状の本体７の両側隅部
に補強部材８を設け、本体７の端部を補強部材８
の端部から側方に突出させて突片４を形成し、こ
れをガラス２，２間の四周端縁部に接着剤にて接
着するようにしてなる。上記本体７は、中空部を
ガラス２の端部に位置せしめ、その一端に、例え
ばガラス２と略同厚さの板状の突片４を形成して
なる。上記本体７は、主としてアルミニウム等の
金属で押出し成形してなる。また補強部材８は、
軟質合成樹脂等にて成形される。上記した本体７
と補強部材８の接触部及びこれらと各ガラス２，
２との接触部を強力接着剤にて接着してある。上
記補強部材８を隅部に用いることにより、スペー
サ３とガラス２の接着を良好に行なえるようにし
てある。

なお、本体７の両側部には窪部９を設け、多く
の接着剤が充填されるようにして、ガラス２，２
との接着力を一層向上せしめてある。また、本体
７の中空内部には必要により乾燥剤を充填して、
複層ガラス１内の結露防止を一層図つている。

上記したスペーサ３の突片４は、複層ガラス１
の四周端面の中央より適宜長さ突出してなり、隅
部にあつては第３図に示すように、端部を45度切
断して接合するようにしてなる。

上記した突片４にグレージングチヤンネル６を
被着するもので、すなわち突片４をグレージング
チヤンネル６の凹部１２に装着し、次に突片４を
グレージングチヤンネル６とともに框５の嵌合溝
１０に嵌着する。グレージングチヤンネル６の凹
部１２には補助片１４，１４が設けられており、
上記突片４はこの補助片１４に摺接して凹部１２
内に装着される。またグレージングチヤンネル６
の両側部に設けられた溝部１３，１３に框５の端
縁部１１，１１が係合して、グレージングチヤン
ネル６の框５への取付け固定がなされる。なお、
複層ガラス１の各ガラス２，２の端面は、グレー
ジングチヤンネル６を介在して框５の端縁部１１
に当接してある。

上記した複層ガラス１の各ガラス２，２の周端
部には、第１・２図に示すように、すりガラス状
の不透明部１５，１５を設けて、内部のスペーサ
３が透視されないようにしてある。

次に第４図及び第５図の他の実施例について説
明する。

第４図の実施例にあつては、グレージングチヤ
ンネル６の凹部１２をスペーサ３の突片４に適合
する形状としてあり、また表面部には底浅の凹所
１６を形成して複層ガラス１に対し良好な装着が
なされるようにしてあり、更に両側部には段部１
７，１７を設けて、突片４をグレージングチヤン
ネル６とともに框５の嵌合溝１０に嵌合した際、
上記段部１７，１７に框５の端縁部１１，１１が
係合するようにしてある。

次に第５図の実施例にあつては、スペーサ３を
アルミニウム等の押出し型材からなる本体７のみ
から構成してあり、この本体７の外側面に突片４
を設けてある。すなわち、本体７は中空の方形体
からなり、この本体７に該本体７より幅狭の突片
４を設けてある。上記本体７を各ガラス２，２に
対し、接着剤により直接接着するようにしてあ
る。その他グレージングチヤンネル６等は、第２
図のものと基本的に同一構造にて構成される。

本考案は以上のように、複層ガラスを構成する
スペーサにガラス端部より四周に突出する突片を
設け、該突片をグレージングチヤンネルを介して
框に嵌合するように構成したことから、上記スペ
ーサの突片によつて、複層ガラスを特殊なアタツ
チメントを使用することなくグレージングチヤン
ネルを介して通常の框に納めることができ、しか
もスペーサとガラスの接着作業においては、上記
スペーサの突片を固定支持することにより、取付
は位置決めが的確になされてスペーサの接着作業
を容易になし得る効果がある。

また、ガラスの端面をグレージングチヤンネル
に当接させるため、ガラスの周囲にスペーサの縁
が露出せず、ガラス全面を露出させることができ
るという効果がある。

更に、ガラス表面の周囲に不透明部を設けるこ
ととしたため、スペーサを隠蔽することができる
という効果がある。

【図面の簡単な説明】

第１図は複層ガラス障子の正面図、第２図は第
１図のAA拡大断面図、第３図は複層ガラスの部
分斜視図、第４図及び第５図は他の実施例断面図
である。 １……複層ガラス、２……ガラス、３……スペ
ーサ、４……突片、５……框、６……グレージン
グチヤンネル、７……本体、１０……嵌合溝。

Claims (1)

1. 【実用新案登録請求の範囲】 スペーサを介して重ね合わせた複層ガラスを框
   内に納めてなる下記要件を備えたことを特徴とす
   る複層ガラス障子。 (イ) スペーサは、ガラス間の四周に設けられて各
   ガラス端部に接着される。 (ロ) スペーサには、ガラス端部より四周に突出す
   る突片を設け、この突片をグレージングチヤン
   ネルを介して框に嵌合する。 (ハ) 上記ガラスは端面をグレージングチヤンネル
   に当接させ、ガラス表面全面を露出させてな
   る。 (ニ) 上記ガラス表面の周囲には上記スペーサに相
   当する幅の不透明部を設けてなる。