JPH07224586A - 被破壊物の破壊装置および破壊方法 - Google Patents

被破壊物の破壊装置および破壊方法

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JPH07224586A
JPH07224586A JP1689894A JP1689894A JPH07224586A JP H07224586 A JPH07224586 A JP H07224586A JP 1689894 A JP1689894 A JP 1689894A JP 1689894 A JP1689894 A JP 1689894A JP H07224586 A JPH07224586 A JP H07224586A
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浩成 荒井
Hidehiko Maehata
英彦 前畑
Masanori Tsukahara
正徳 塚原
Motomitsu Suzuki
基光 鈴木
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 被破壊物(岩盤)H1に、本発明の破壊容器
2を装着するための装着穴20aを例えば鉛直方向に穿
ち、この装着穴20aに表面にゲル状物質を施した破壊
容器2を装着すると、このゲル状物質が破壊容器2と装
着穴20aに生じる隙間や装着穴20aの外周部に生じ
た凹凸部を埋める。 【効果】 破壊容器を被破壊物の装着穴に装着する際、
ゲル状物質によって破壊容器と装着穴との間の隙間や装
着穴の外周部の凹凸部を埋めるので、金属細線が溶融蒸
発して破壊用流動物質が気化する際の衝撃力が装着穴の
開放側に逃げるのを防止でき、従って、破壊効率を向上
することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、放電による衝撃エネル
ギーを用いた被破壊物の破壊装置および破壊方法に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来、図15に示すように、例えば岩盤
などの被破壊物50を破壊するための破壊装置51は、
一対の電極52,53の先端にCu,Al等からなる金
属細線54を接続し、この金属細線54に放電供給する
ために電源としてコンデンサー55を用いたものがあ
る。
【0003】そしてこの破壊装置51を用いて被破壊物
50を破壊する際は、被破壊物50の所定位置に装着穴
56を穿ち、この装着穴56に破壊用水57を満たし、
電極52,53および金属細線54を破壊用液57に浸
漬し、コンデンサー55に電気エネルギーを充電蓄積し
て金属細線54に放電供給する。すると、金属細線54
が急激に溶融蒸発化するとともに破壊用液57が気化し
てその衝撃力を受け、被破壊物50が破壊する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、被破壊
物50の上方から装着穴56を穿つ場合は、この装着穴
56に破壊用液57を満たすことができるが、同図に示
すように被破壊物50の破壊に適した位置がその側部で
あって水平な方向に装着穴56を穿つ必要がある場合
や、被破壊物50の破壊に適した位置がその下部であっ
て仰角方向に装着穴56を穿つ必要がある場合である
と、装着穴56に破壊用液57を満たすことができず、
被破壊物50の破壊が困難となる。
【0005】ところで近年、様々なイベントが開催され
るが、これに用いられるパビリオン等の仮施設的な構造
物は、多くの場合撤去期日が指定されている。そしてこ
れらの構造物を撤去する場合は、仮施設的な構造物であ
っても恒久的な構造物と同様の大がかりな規模の撤去工
事が必要であるし、またダイナマイトのように火薬を用
いた破壊方法は危険が伴う。
【0006】そこで本発明は上記課題を解決し得る被破
壊物の破壊装置および破壊方法の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明における課題を解
決するための手段は、コンデンサーに一対の電極が接続
され、該両電極が金属細線を介して互いに接続され、前
記コンデンサーに予め充電蓄積した電気エネルギーを前
記電極を介して短時間で金属細線に放電供給することに
より、金属細線を急激に溶融蒸発させ、その衝撃力で被
破壊物を破壊する破壊装置において、前記電極および金
属細線が破壊容器内に充填された破壊用流動物質に浸漬
されて破壊容器に封入され、該破壊容器が所定の厚みを
有するゲル状物質で被覆されたものである。
【0008】またコンデンサーに一対の電極が接続さ
れ、該両電極が金属細線を介して互いに接続され、前記
コンデンサーに予め充電蓄積した電気エネルギーを前記
電極を介して短時間で金属細線に放電供給することによ
り、金属細線を急激に溶融蒸発させ、その衝撃力で被破
壊物を破壊する破壊装置において、前記電極および金属
細線が破壊容器内に充填された破壊用流動物質に浸漬さ
れて破壊容器に封入され、該破壊容器は弾性材料によっ
て袋状に形成され、該破壊容器の開口に所定の長さを有
する筒状部材が内嵌固定され、該筒状部材に摺動自在に
内嵌されるとともに前記破壊用流動物質を破壊容器の奥
側に押圧するためのピストン部材が設けられたものであ
る。
【0009】被破壊物に、破壊用流動物質を充填した破
壊容器を装着するための装着穴を形成し、前記破壊用流
動物質に金属細線および該金属細線によって接続された
電極を浸漬し、該電極をコンデンサーに接続し、該コン
デンサーに電気エネルギーを充電蓄積し、該電気エネル
ギーを電極を介して短時間で金属細線に放電供給するこ
とにより、金属細線を急激に溶融蒸発させその衝撃力で
被破壊物を破壊する破壊方法において、前記装着穴に予
めゲル状物質を注入し、前記破壊容器を装着穴に装着す
ることによりゲル状物質で装着穴と破壊容器との間の隙
間を充填するものである。
【0010】
【作用】上記構成において、破壊容器の外周面にゲル状
物質を施し、被破壊物に破壊容器を装着するための装着
穴を穿ち、この装着穴に破壊容器を装着すると、ゲル状
物質が、被破壊物に装着穴を穿つ際に生じた凹凸部や破
壊容器と装着穴に生じる隙間を埋め、所定の容量の電気
エネルギーをコンデンサーに蓄積し、短時間の間に金属
細線に電気エネルギーを供給すると、金属細線が溶融蒸
発するとともに破壊用流動物質が気化し、その衝撃力を
装着穴の開放側に逃がすことなく被破壊物を破壊した
り、あるいは脆弱化させたりする。
【0011】また被破壊物に装着穴を形成し、この装着
穴に破壊容器を挿入し、ピストン部材を筒状部材内を破
壊容器の奥側に押圧すると、破壊用流動物質が押圧さ
れ、破壊容器の奥側に移動するとともに装着穴の直径方
向に広がり、筒状部材と破壊容器の間に入り込み、この
破壊容器の表面が装着穴の壁面に押圧されて、装着穴の
壁面の凹凸部に応じて密着し、この状態でコンデンサー
に予め充電蓄積した電気エネルギーを短時間の間に金属
細線に供給すると、金属細線が溶融蒸発するとともに破
壊用流動物質が気化し、その衝撃力を装着穴の開放側に
逃がすことなく被破壊物を破壊したり、あるいは脆弱化
させたりする。
【0012】また被破壊物に、破壊用流動物質を充填し
た破壊容器を装着するための装着穴を形成し、被破壊物
の装着穴に予めゲル状物質を所定量だけ注入することに
よってゲル状物質が破壊容器と装着穴との間の隙間が埋
められ、電極をコンデンサーに接続し、コンデンサーに
電気エネルギーを充電蓄積し、電気エネルギーを電極を
介して短時間で金属細線に供給すると、金属細線が溶融
蒸発するとともに破壊用流動物質が気化し、その衝撃力
を装着穴の開放側に逃がすことなく被破壊物を破壊した
り、あるいは脆弱化させたりする。
【0013】
【実施例】以下、本発明破壊装置および破壊方法の実施
例を図面に基づいて説明する。まず本発明の第一実施例
における破壊装置を、図1の破壊容器2の一部破断正面
図、図2の破壊容器2を被破壊物の装着穴20aに装着
した状態の使用状態図、図3の破壊容器2を被破壊物H
1に装着する前の正面図、図4および図5の破壊容器2
にゲル状物質Gを被覆する際の工程図、図6の破壊装置
1の全体構成図、図7の破壊容器2を被破壊物(岩盤)
H1に装着した状態の全体構成図に基づいて説明する。
【0014】図1および図6に示すように、本発明の第
一実施例に係る破壊装置1は、プラスチックゴム(合成
ゴム)や防水処理紙製の破壊容器2に破壊用流動物質3
(例えば水)が充填され、前記破壊容器2の天板2aに
一対の電極棒4,4(例えばCuからなる)が、貫通孔
2bから挿入され、前記両電極棒4,4は前記天板2a
にナットB1(又はかしめ)により固定されて破壊用流
動物質3に浸漬されるとともに破壊容器2に封入されて
いる。
【0015】この破壊容器2は、岩盤などの被破壊物H
1を破壊する際、その被破壊物H1に形成する装着穴2
0aに装着するものである。また前記両電極棒4,4
は、その途中が電極棒4,4を平行に保持するための保
持部材7,7で保持され、両電極棒4,4の先端部に
は、金属細線8(例えばCu,Alからなる)が、溶接
やかしめにより破壊容器2の深さ方向に直角な方向に平
行に取り付けられている。
【0016】そして前記両電極棒4,4が天板2aから
突出した部分が端子5,5とされ、前記天板2aに端子
5,5に絶縁皮膜が形成されるのを防止する端子カバー
6が取り付けられている。
【0017】前記金属細線8に電気エネルギーを供給す
るためのエネルギー供給回路9が設けられ、該エネルギ
ー供給回路9は、前記端子5,5に接続された電源装置
10と、該電源装置10と一方の端子5との間に直列接
続されて前記電源装置10に蓄積する電気エネルギー量
を制御するための制御回路11と、該制御回路11と一
方の端子5との間に接続された放電スイッチ12と、前
記電源装置10と両端子5,5との間に並列接続された
コンデンサー(エネルギー蓄積回路)13とから構成さ
れている。
【0018】そして前記破壊容器2は、天板2aを除く
全体が所定の厚みを有するゲル状物質(ゼラチンや寒天
が用いられる)Gで被覆されている。このゲル状物質G
で破壊容器2を被覆するには、図4に示すように、るつ
ぼRの凹部Raにゲル状物質Gを投入して加熱すること
によりゲル状物質Gを溶融し、この状態で破壊容器2を
るつぼRの凹部Raに挿入する。そうすると、ゲル状物
質Gは破壊容器2の外周面とるつぼRの凹部Raの隙間
の間に上昇して、この隙間を埋める。
【0019】この状態でゲル状物質Gを冷却して破壊容
器2の外周面にゲル状物質Gを付着させる。なおこのゲ
ル状物質Gの厚みと破壊容器2の径を加えた径は、被破
壊物H1の装着穴20aに破壊容器2を装着した際に、
この装着穴20aの径よりも大きくなるように設定され
ている。
【0020】次に本発明の第一実施例に係る破壊装置1
を用いて被破壊物H1を破壊する破壊方法を説明する。
上記のようにして破壊容器2の外周面にゲル状物質Gを
施し、図2、図3、図7に示すように、被破壊物(岩
盤)H1に、本発明の破壊容器2を装着するための装着
穴20aを例えば鉛直方向に穿ち、この装着穴20aに
破壊容器2を装着する。
【0021】なおこの装着穴20aを被破壊物H1に穿
つ際は、装着穴20aはその外周部に凹凸部が生じてし
まう。しかし、破壊容器2の外周面には、ゲル状物質G
が所定の厚みで施されているため、図2に示すように、
このゲル状物質Gが変形して破壊容器2と装着穴20a
に生じる隙間や装着穴20aの外周部に生じた凹凸部を
埋める。
【0022】そして上記のエネルギー供給回路9を端子
5,5に接続し、所定の容量の電気エネルギーをコンデ
ンサー13に蓄積し、放電スイッチ12をオンする。こ
うすることにより、短時間の間に金属細線8に電気エネ
ルギーが供給され、金属細線8が溶融蒸発するとともに
破壊用流動物質3が気化し、その衝撃力で被破壊物H1
を破壊したり、あるいは脆弱化させたりすることができ
る。
【0023】また図7に示すように、被破壊物H1の途
中部分(側部)を破壊する場合は、装着穴20aを水平
方向に穿ち、この装着穴20aに破壊容器2を側方から
装着し、上記と同様にして金属細線8に電気エネルギー
を供給して破壊する。
【0024】このように本発明の第一実施例によれば、
破壊容器2を被破壊物H1の装着穴20aに装着する
際、ゲル状物質Gによって破壊容器2と装着穴20aと
の間の隙間や装着穴20aの外周部の凹凸部を埋め、水
のように被破壊物H1にしみ込んでしまうこともなく、
金属細線8が溶融蒸発して破壊用流動物質3が気化する
際の衝撃力が装着穴20aの開放側に逃げるのを防止で
き、従って、破壊効率を向上することができる。
【0025】また一回目の破壊作業によって被破壊物H
1が破壊せず、装着穴20aにクラックが生じた場合、
二回目の破壊作業のために装着穴20aに破壊容器2を
装着する場合でも、破壊容器2の外周面にゲル状物質G
を施すことにより、クラックがゲル状物質Gで充填さ
れ、衝撃力がクラック中に伝わることを防止するので、
被破壊物H1の破壊効率を向上することができる。
【0026】さらに図7に示すように、被破壊物H1の
途中部分に水平方向に装着穴20aを穿っても、破壊装
置1の破壊容器2にはすでに破壊用流動物質3が充填さ
れているので、破壊用流動物質3が装着穴20aからこ
ぼれだすといったことがないとともに,破壊容器2の外
周面のゲル状物質Gは一定の粘性を有しているので、こ
れが装着穴20aから流出してしまうこともない。
【0027】従って本発明の第一実施例によれば、岩盤
に穿つ装着穴20aの方向がどのような方向であっても
対応できる。また本発明の第一実施例によれば、電気エ
ネルギーを供給しない限り破壊容器2が爆発することが
ないので、破壊容器2を予め被破壊物H1に埋設したと
しても、ダイナマイトのように被破壊物H1の振動によ
る爆発の心配がなく安全である。
【0028】なお広範囲の被破壊物を破壊する際、複数
個の破壊装置1に電気配線を接続してこれをまとめ、各
破壊装置に一度に又は順に電気エネルギーを供給するこ
とにより、効率のよい破壊が可能になる。
【0029】ところで、上記実施例では破壊容器2内に
破壊用流動物質3として水などを用いたが、本発明の破
壊装置1はこれに限定されるものではなく、水の代わり
にゼラチンや寒天などのゲル状物質を充填し、このゲル
状物質に電極棒4および金属細線8を浸漬するよう構成
してもよい。
【0030】この場合も上記実施例と同様に、岩盤H1
に装着穴20aを形成して、この装着穴20aに、水の
代わりにゲル状物質を充填した破壊容器2を装着し、所
定の容量の電気エネルギーをコンデンサー13に蓄積
し、放電スイッチ12をオンして短時間の間に金属細線
8に電気エネルギーを供給することにより被破壊物H1
を破壊することができる。
【0031】そして、このゲル状物質を用いる破壊装置
1の場合、ゲル状物質は衝撃力の伝達速度に優れている
ので、被破壊物H1を破壊する際の破壊エネルギー効率
が良好であり、またゲル状物質は破壊容器2に充填する
作業が容易であるので、破壊装置1を容易に製造するこ
とができる。
【0032】次に本発明の第二実施例に係る破壊装置1
を、図8の破壊容器2を被破壊物H1の装着穴20aに
装着している途中の状態を示す断面図、図9の破壊容器
2を被破壊物H1の装着穴20aに装着し終えた状態の
断面図に基づいて説明する。
【0033】本発明の第二実施例に係る破壊装置1は、
上記第一実施例と同様にコンデンサー13に一対の電極
4,4が接続され、該電極4,4が金属細線8を介して
互いに接続され、前記コンデンサー13に予め充電蓄積
した電気エネルギーを前記電極4,4を介して短時間で
金属細線8に放電供給することにより、金属細線8を急
激に溶融蒸発させ、その衝撃力で被破壊物H1を破壊す
るものである。
【0034】そして前記電極4,4および金属細線8が
破壊容器2に充填された破壊用流動物質(例えばゼラチ
ンや寒天あるいは水などが用いられる)3に浸漬されて
破壊容器2に封入され、該破壊容器2は薄肉のプラスチ
ックゴムによって袋状に形成され、該破壊容器2の開口
に所定の長さ(被破壊物H1の装着穴20aの半分程度
の長さ)を有する筒状部材Sが内嵌固定され、該筒状部
材Sに摺動自在に内嵌されるとともに前記破壊用流動物
質3を破壊容器2の奥側(装着穴20aの深さ方向)に
押圧するためのピストン部材Pが設けられ、該ピストン
部材Pにこれを破壊容器2の奥側に押圧するためのロッ
ドLが取付けられ、前記ピストン部材Pは電極4,4を
挿通した挿通孔部に固定されている。
【0035】また前記筒状部材Sの一側端部(破壊容器
2の開放側)に、該筒状部材Sと前記破壊容器2を固定
する環状体S1が外嵌されている。なお前記電極4,4
に接続されたエネルギー供給回路9の構成は、上記第一
実施例と同様であるので省略する。
【0036】次に、上記構成における破壊装置1を装着
穴20aに装着する方法および破壊装置1を用いて被破
壊物H1を破壊する方法を説明すると、被破壊物H1に
装着穴20aを形成し、この装着穴20aに破壊容器2
を所定の深さ(例えば環状体S1位置まで)挿入し、ロ
ッドLを破壊容器2の奥側に押圧する。すると、ピスト
ン部材Pが筒状部材S内を破壊容器2の奥側に移動し、
破壊用流動物質3が押圧され、破壊容器2の奥側に移動
するとともに装着穴20aの直径方向に広がって、図9
に示すように、筒状部材Sと破壊容器2の間に入り込
み、この破壊容器2の表面が装着穴20aの壁面に押圧
されて、装着穴20aの壁面の凹凸部に応じて密着す
る。
【0037】このようにして破壊容器2を被破壊物H1
の装着穴20aに装着した状態で、コンデンサー13に
予め充電蓄積した電気エネルギーを短時間の間に金属細
線8に供給すると、金属細線8が溶融蒸発するとともに
破壊用流動物質3が気化し、その衝撃力で被破壊物H1
を破壊したり、あるいは脆弱化させたりすることができ
る。
【0038】そして本発明の第二実施例によれば、破壊
容器2を装着穴20aに装着する際、ピストン部材Pを
破壊容器2の奥側に押圧することにより、破壊用流動物
質3が内側から破壊容器2を装着穴20aの壁面に押圧
するので、破壊容器2が装着穴20aの壁面に密着し、
従って、破壊用流動物質3の気化時の衝撃力を装着穴2
0aの開放側に逃げるのを防止できるので、破壊効率を
向上することができる。
【0039】またピストン部材Pを破壊容器2の奥側に
押圧することにより、破壊用流動物質3が内側から破壊
容器2を装着穴20aの壁面に押圧するので、破壊容器
2を装着穴20aに容易に装着することができる。
【0040】次に本発明の第三実施例における破壊方法
を、図10の被破壊物H1に形成した装着穴20a部分
の平面図、図11の装着穴20a部分の断面図、図12
の被破壊物H1に破壊容器2を装着した状態の平面図、
図13の破壊装置1に破壊容器2を装着した状態の断面
図、図14の破壊装置1の全体構成図に基づいて説明す
る。
【0041】まずこの破壊方法に用いられる破壊装置1
は、図14に示すように、プラスチックゴムや防水処理
紙製の破壊容器2に破壊用流動物質3(例えば水)が充
填され、前記破壊容器2の天板2aに一対の電極棒4,
4が、貫通孔2bから挿入され、前記両電極棒4,4は
前記天板2aにナット又はかしめにより固定されて破壊
用流動物質3に浸漬されるとともに破壊容器2に封入さ
れている。
【0042】また前記両電極棒4,4は、その途中が電
極棒4,4を平行に保持するための保持部材で保持さ
れ、両電極棒4,4の先端部には、金属細線8が溶接や
かしめにより破壊容器2の深さ方向に直角な方向に平行
に取り付けられている。
【0043】そして前記両電極棒4,4が天板2aから
突出した部分が端子5,5とされ、前記天板2aに端子
5,5に絶縁皮膜が形成されるのを防止する端子カバー
が取り付けられている。
【0044】また前記金属細線8に電気エネルギーを供
給するためのエネルギー供給回路9を有し、該エネルギ
ー供給回路9は、前記端子5,5に接続された電源装置
10と、該電源装置10と一方の端子5との間に直列接
続されて前記電源装置10に蓄積する電気エネルギー量
を制御するための制御回路11と、該制御回路11と一
方の端子5との間に接続された放電スイッチ12と、前
記電源装置10と両端子5,5との間に並列接続された
コンデンサー13とから構成されている。
【0045】そしてこのように構成された破壊装置1に
よる破壊方法は、被破壊物H1に、破壊用流動物質3を
充填した破壊容器2を装着するための装着穴20aを形
成し、被破壊物H1の装着穴20aに予めゲル状物質G
を所定量だけ注入し、前記破壊用流動物質3に金属細線
8および該金属細線8によって接続された電極4,4を
浸漬し、該電極4,4をコンデンサー13に接続し、コ
ンデンサー13に電気エネルギーを充電蓄積し、該電気
エネルギーを電極4,4を介して短時間で金属細線8に
放電供給することにより、金属細線8を急激に溶融蒸発
させる。
【0046】そうすると、金属細線8を溶融蒸発させる
際の衝撃力で、被破壊物H1が破壊したり脆弱化したり
することができる。そしてこの方法によれば、被破壊物
H1の装着穴20aに破壊容器2装着する前に予め、装
着穴20aにゲル状物質Gを注入するため、破壊容器2
を装着した際に破壊容器2と装着穴20aとの間の隙間
を埋め、また装着穴20aにクラックを生じていた場合
は、これがゲル状物質によって充填される。
【0047】従って、金属細線8を急激に溶融蒸発させ
る際の衝撃力が装着穴20aの開放側から逃げるのを防
止できるので、被破壊物H1の破壊効率を向上すること
ができる。
【0048】なお上記実施例では、破壊の対象を岩盤を
例にとって説明したがこれに限定されるものではなく、
例えばイベントに用いられるパビリオン等の仮施設的な
構造物やビルディングなどの破壊に対しても適応でき
る。
【0049】
【発明の効果】以上の説明から明らかな通り、本発明に
おける破壊装置は、破壊容器に破壊用流動物質を充填し
ているので、被破壊物に水平方向や仰角方向に装置装着
用の装着穴を穿つ必要がある場合であっても、破壊用流
動物質が装着穴からこぼれ出してしまうことがなく、あ
らゆる方向の装着穴に容易に装着することができる。
【0050】また破壊容器を被破壊物の装着穴に装着す
る際、破壊容器の表面に施したゲル状物質によって、破
壊容器と装着穴との間の隙間や装着穴の外周部の凹凸部
を埋めるので、金属細線が溶融蒸発して破壊用流動物質
が気化する際の衝撃力が装着穴の開放側に逃げるのを防
止でき、従って被破壊物の破壊効率を向上することがで
きる。
【0051】また装着穴に破壊容器を挿入し、ピストン
部材を筒状部材内を破壊容器の奥側に移動して破壊用流
動物質を押圧することにより、破壊用流動物質を破壊容
器の奥側に移動するとともに装着穴の直径方向に広げ
て、破壊容器の表面を装着穴の壁面に押圧し、装着穴の
壁面の凹凸部に応じて密着するよう構成したので、金属
細線が溶融蒸発して破壊用流動物質が気化する際の衝撃
力が装着穴の開放側に逃げるのを防止でき、従って被破
壊物の破壊効率を向上することができる。
【0052】また被破壊物に、破壊用流動物質を充填し
た破壊容器を装着するための装着穴を形成し、被破壊物
の装着穴に予めゲル状物質を所定量だけ注入した後、破
壊容器を装着穴に装着するので、ゲル状物質が破壊容器
と装着穴との間の隙間や装着穴の外周部の凹凸部を埋
め、金属細線が溶融蒸発して破壊用流動物質が気化する
際の衝撃力が装着穴の開放側に逃げるのを防止でき、従
って被破壊物の破壊効率を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第一実施例を示す破壊装置の一部破断
正面図である。
【図2】同じく破壊容器を被破壊物の装着穴に装着した
状態の使用状態図である。
【図3】同じく破壊容器を被破壊物に装着する前の正面
図である。
【図4】同じく別の被破壊物を破壊する場合の断面図で
ある。
【図5】同じく破壊容器にゲル状物質を被覆する際の工
程図である。
【図6】同じく破壊容器にゲル状物質を被覆する際の工
程図である。
【図7】同じく破壊容器を被破壊物に装着した状態の全
体構成図である。
【図8】本発明の第二実施例を示す破壊装置の破壊容器
を被破壊物の装着穴に装着している途中の状態を示す断
面図である。
【図9】同じく破壊容器を被破壊物の装着穴に装着し終
えた状態の断面図である。
【図10】本発明の第三実施例を示す破壊方法の被破壊
物に形成した装着穴の平面図である。
【図11】同じく装着穴の断面図である。
【図12】同じく破壊装置に破壊容器を装着した状態の
平面図である。
【図13】同じく破壊装置に破壊容器を装着した状態の
断面図である。
【図14】同じく破壊装置の全体構成図である。
【図15】従来の破壊装置の使用状態の断面図である。
【符号の説明】
1 破壊装置 2 破壊容器 3 破壊用流動物質 4 電極棒 5 端子 8 金属細線 9 エネルギー供給回路 10 電源装置 11 制御回路 12 放電スイッチ 13 コンデンサー 20a 装着穴 H1 岩盤 S 筒状部材 P ピストン部材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 鈴木 基光 大阪府大阪市此花区西九条5丁目3番28号 日立造船株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コンデンサーに一対の電極が接続され、
    該両電極が金属細線を介して互いに接続され、前記コン
    デンサーに予め充電蓄積した電気エネルギーを前記電極
    を介して短時間で金属細線に放電供給することにより、
    金属細線を急激に溶融蒸発させ、その衝撃力で被破壊物
    を破壊する破壊装置において、前記電極および金属細線
    が破壊容器内に充填された破壊用流動物質に浸漬されて
    破壊容器に封入され、該破壊容器が所定の厚みを有する
    ゲル状物質で被覆されたことを特徴とする被破壊物の破
    壊装置。
  2. 【請求項2】 コンデンサーに一対の電極が接続され、
    該両電極が金属細線を介して互いに接続され、前記コン
    デンサーに予め充電蓄積した電気エネルギーを前記電極
    を介して短時間で金属細線に放電供給することにより、
    金属細線を急激に溶融蒸発させ、その衝撃力で被破壊物
    を破壊する破壊装置において、前記電極および金属細線
    が破壊容器内に充填された破壊用流動物質に浸漬されて
    破壊容器に封入され、該破壊容器は弾性材料によって袋
    状に形成され、該破壊容器の開口に所定の長さを有する
    筒状部材が内嵌固定され、該筒状部材に摺動自在に内嵌
    されるとともに前記破壊用流動物質を破壊容器の奥側に
    押圧するためのピストン部材が設けられたことを特徴と
    する被破壊物の破壊装置。
  3. 【請求項3】 被破壊物に、破壊用流動物質を充填した
    破壊容器を装着するための装着穴を形成し、前記破壊用
    流動物質に金属細線および該金属細線によって接続され
    た電極を浸漬し、該電極をコンデンサーに接続し、該コ
    ンデンサーに電気エネルギーを充電蓄積し、該電気エネ
    ルギーを電極を介して短時間で金属細線に放電供給する
    ことにより、金属細線を急激に溶融蒸発させその衝撃力
    で被破壊物を破壊する破壊方法において、前記装着穴に
    予めゲル状物質を注入し、前記破壊容器を装着穴に装着
    することによりゲル状物質で装着穴と破壊容器との間の
    隙間を充填することを特徴とする被破壊物の破壊方法。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6457778B1 (en) * 1999-03-02 2002-10-01 Korea Accelerator And Plasma Research Association Electro-power impact cell for plasma blasting
KR100413201B1 (ko) * 1996-12-27 2003-12-31 히타치 조센 가부시키가이샤 방전충격파괴장치
JP2009119326A (ja) * 2007-11-12 2009-06-04 Takao Koiwa 破砕カートリッジおよび破砕カートリッジによる岩盤あるいはコンクリート構造物の破砕方法
CN111504147A (zh) * 2020-04-24 2020-08-07 华侨大学 一种非炸药模拟药卷动荷载加载装置及其试验方法

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