JPH07224333A - 貴金属の溶解方法 - Google Patents

貴金属の溶解方法

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JPH07224333A
JPH07224333A JP1838994A JP1838994A JPH07224333A JP H07224333 A JPH07224333 A JP H07224333A JP 1838994 A JP1838994 A JP 1838994A JP 1838994 A JP1838994 A JP 1838994A JP H07224333 A JPH07224333 A JP H07224333A
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noble metal
acid
dissolving
fission
iodine
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JP1838994A
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Yukio Wada
幸男 和田
Munetaka Myochin
宗孝 明珍
Tsutomu Sugiura
勉 杉浦
Hidetoshi Kawabuchi
秀敏 川渕
Hiroyuki Nakazawa
博幸 中澤
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NIPPON TENNEN GAS KOGYO KK
Doryokuro Kakunenryo Kaihatsu Jigyodan
Power Reactor and Nuclear Fuel Development Corp
Original Assignee
NIPPON TENNEN GAS KOGYO KK
Doryokuro Kakunenryo Kaihatsu Jigyodan
Power Reactor and Nuclear Fuel Development Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 使用済核燃料の再処理工程で発生する不溶解
残渣中に含まれる核分裂生成貴金属合金を、液体金属抽
出等の前処理を経ることなく水溶液として高効率で溶解
させることができる新規な溶解方法を提供する。 【構成】 ルテニウム、ロジウム及びパラジウム等の白
金族元素を含有する核分裂生成貴金属合金を、ヨウ素
(I)単体を添加したヨウ化水素酸(HI)水溶液に浸
漬する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は硝酸、塩酸あるいはヨウ
化水素酸に難溶性の貴金属合金を溶解する方法に関し、
例えば使用済核燃料の再処理工程で発生する不溶解残渣
中に含まれる核分裂生成貴金属の溶解、あるいは廃宝飾
品、廃触媒、廃工業製品等に含まれる貴金属の溶解方法
に関する。
【0002】
【従来技術】原子力発電において発生する使用済核燃料
中には、種々の核分裂生成物とともに未燃焼のウラン2
35及び燃料中のウラン238より生成したプルトニウ
ム239をはじめとする超ウラン元素が混在している。
これらウラン及びプルトニウム等は再利用が可能であ
り、使用済燃料を細かくせん断した後、化学的処理を施
してウラン及びプルトニウムを核分裂生成物から分離、
回収する使用済燃料の再処理が行われる。この再処理工
程において核分裂生成物を含む高レベル放射性廃液が発
生する。核分裂生成物にはストロンチウム、セシウム等
の元素以外に貴金属元素であるルテニウム(Ru)、ロ
ジウム(Rh)及びパラジウム(Pd)が含まれ、その
含有量は全核分裂生成物の10分の1にも達する。核分
裂生成貴金属は、硝酸を用いた再処理工程を経ると、高
レベル放射性廃液と、硝酸に溶解し難い白金族元素を主
たる構成成分とする固体粒子(以下不溶解残渣と呼称す
る)との双方に含まれる。これらの核分裂生成貴金属を
高レベル放射性廃液及び不溶解残渣から選択的に分離す
る工業的方法が提案され、開発が行われている。
【0003】不溶解残渣より貴金属を単離し、精製する
には貴金属精錬の分野において一般に行われている溶媒
抽出法、イオン交換法、沈澱分離法等の湿式分離法が適
用される。この方法においてはまず原料貴金属を各種無
機酸等に溶解する必要がある。不溶解残渣の主成分であ
る核分裂生成貴金属合金はRu,Rh,Pd,Tc及び
Moから成る六方晶ε合金であることが知られている。
このε合金は硝酸に対して極めて難溶性であり、鉛抽出
法のような液体金属抽出を行い不溶解残渣中のε合金を
硝酸に溶解されやすい形態とする処理が必要である。し
かしながらこのような処理を施してもなお硝酸に溶解し
難い固体粒子が一部残留し、その後の回収工程を複雑な
ものとする、特にルテニウムはほとんど溶解せず、固体
粒子となって残留するため溶媒抽出法あるいはイオン交
換法で単離、精製を行うのは不可能である。
【0004】また、一般産業界においても、廃触媒、廃
工業製品、廃宝飾品等に含まれる貴金属の回収は、王水
等の無機酸、或いはシアン化合物により溶解する方法
(特開昭58−45125号)が一般に採用されている
が、王水では発生するニトロソガスの処理が困難を極
め、シアン化合物はその猛毒性の為、排水管理等に多大
な経費がかかるという問題が指摘されている。
【0005】またその他の方法として、ヨウ素とKI等
のヨウ素化合物を含有する溶液で金,白金族を溶解する
方法(特開昭59−76834号、特開昭64−178
26号)、臭素単体と食塩水の液で金を溶解する方法
(特開昭60−75531号)、対陰イオンがハロゲン
イオンである陽イオン性界面活性剤と、ハロゲン単体、
及び有機溶媒の溶解液で貴金属を溶解する方法(特開平
4−6229号)、ハロゲン単体、可溶性ハロゲン化
塩、及び水あるいは有機溶媒の溶解液で貴金属を溶解す
る方法(特開平4−21726号)等が提案されている
が、ヨウ素とヨウ素化合物の溶液を用いる方法や臭素と
食塩水の溶液を用いる方法は、溶解できる対象貴金属が
限定される問題がある他、溶解能力に限界があって、投
資設備あたりの効率があまり高く得られないという問題
があり、工業的には未だ改善すべき点が多い。ハロゲン
単体、及び有機溶媒の溶解液で貴金属を溶解する方法
や、ハロゲン単体、可溶性ハロゲン化塩、及び水あるい
は有機溶媒の溶解液で貴金属を溶解する方法は、種々の
金属、貴金属の溶解が可能であるという優れた特徴があ
るが、溶解力の点で、投資設備あたりの効率を高く維持
した溶解を行なうためには不十分であって、従来法に代
替して工業的規模で実施するためには更に改善が望ま
れ、いずれも工業的に実施されるに至っていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記欠点を解
決するものであり、上記の不溶解残渣の主成分である核
分裂生成貴金属合金を、選択的に分離する新規な溶解方
法を提供することを目的とするものである。
【0007】また本発明の別の目的は、使用済核燃料の
再処理工程で発生する不溶解残渣中に含まれる核分裂生
成貴金属合金を、液体金属抽出等の前処理を経ることな
く水溶液として溶解させることができ、これにより溶媒
抽出法等の湿式での分離精製を行うための原料液とする
ことができる新規な方法を提供するところにある。
【0008】更に又本発明の他の目的は、金,銀や、核
分裂生成貴金属以外のルテニウム、ロジウム、パラジウ
ム及び白金等の白金族元素を含有する廃宝飾品、廃触
媒、廃工業製品から、これを効率よく溶解させ、単離・
精製するための新規な溶解方法を提供するところにあ
る。
【0009】更に本発明は、廃宝飾品、廃触媒、廃工業
製品等から貴金属を溶解回収する際に、危険性の少ない
安全性に優れた処理が可能であり、また設備資金や排水
処理の費用が安価とできる経済的な新規な溶解方法を提
供するところにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成する本
発明の特徴の一つは、核分裂生成貴金属合金に含有され
るルテニウム、ロジウム及びパラジウム等の白金族元素
を溶解する方法であって、ヨウ素(I2 )単体を添加し
たヨウ化水素酸(HI)水溶液を溶解液として用いるこ
とろにある。この溶解液は、前記ヨウ化水素酸(HI)
の濃度は重量百分率で5%〜57%の範囲、添加するヨ
ウ素(I2 )単体の範囲がヨウ化水素酸(HI)の水溶
液1リットル当たり0.01mol〜0.5molであ
ることが好ましい。この上限値を超えてハロゲン単体を
添加しても該貴金属の溶解挙動に影響はなく、経済的で
はない。
【0011】また、核分裂生成貴金属合金に含有される
ルテニウム、ロジウム及びパラジウム等の白金族元素を
溶解する方法として、ヨウ素酸(HIO3 )水溶液を溶
解液として用いることもできる。この場合、ヨウ素酸
(HIO3 )の濃度は重量百分率で5%〜60%の範囲
であることが好ましい。この場合にはヨウ素単体の添加
は要しない。
【0012】本発明の他の特徴の一つは、金、銀、白金
族の少なくともいずれか一種を含有する核分裂生成貴金
属以外の一般産業における貴金属含有材料または貴金属
合金を溶解する方法であって、ヨウ素(I2 )又は臭素
(Br2 )の単体を添加したヨウ化水素酸(HI)又は
臭化水素酸(HBr)の水溶液を溶解液として用いると
ころにある。この溶解液は、ヨウ化水素酸(HI)又は
臭化水素酸(HBr)のハロゲン化水素酸濃度は重量百
分率で5%〜57%の範囲、添加するヨウ素(I2 )又
は臭素(Br2 )単体は該ハロゲン化水素酸水溶液1リ
ットル当たり0.01mol〜0.5molであること
が好ましい。この上限値を超えてハロゲン単体を添加し
ても該貴金属の溶解挙動に影響はなく、経済的ではな
い。なお上記の場合においてハロゲン化水素酸(HI,
HBr)とハロゲン単体(I2 ,Br2 )からなる溶解
液は、同種の元素の組み合わせ(例えばI2 とHI、あ
るいはBr2 とHBr)を用いることが望ましい。
【0013】また、核分裂生成貴金属以外の一般産業に
おける貴金属含有材料または貴金属合金を溶解する方法
として、ヨウ素酸(HIO3 )又は臭素酸(HBrO
3 )の水溶液を、上記溶解液に代えて用いることもでき
る。この場合、ヨウ素酸(HIO3 )又は臭素酸(HB
rO3 )の濃度は重量百分率で5%〜60%の範囲であ
ることが好ましい。この場合にはハロゲン単体の添加は
要しない。
【0014】以上の各溶解は適宜加温して行なうことが
できるが、一般的には60℃から沸点の範囲に加温して
行なうことが望ましい。
【0015】本発明の溶解方法は、ルテニウム、ロジウ
ム及びパラジウムを主成分とする貴金属合金、或いは貴
金属含有材料を溶解させる。
【0016】
【作用】上記構成によれば、ヨウ素は金、銀、白金族と
錯体を形成し易いやわらかいルイス酸であり、容易にヨ
ウ化金等を形成する。そして形成ヨウ化金はヨウ化水素
酸(HI)中で新たな錯体を形成して強酸であるHIに
効率よく溶解される。臭素の場合もこれに準じた作用で
優れた溶解性が発揮される。なおハロゲンである塩素は
その単体は常温で気体であると共にきわめて有毒である
などのために取り扱い性に難があり、本発明の溶解法に
は適当でない。
【0017】本発明の方法は、金、銀、白金族を含む貴
金属材料、貴金属合金の溶解に好適にもちいることがで
き、特に後述する実施例で明らかなように、他の溶解液
では殆ど溶解しないルテニウムを高効率で溶解させるこ
とできるという優れた作用が得られる
【0018】
【実施例】以下本発明の方法を、実施例に基づいて更に
説明する。
【0019】実施例1 本実施例において溶解対象とする核分裂生成貴金属合金
の組成は、核燃料の初期組成、燃焼度等によって相違す
るが、本例においては、ルテニウム(Ru)、ロジウム
(Rh)、パラジウム(Pd),モリブデン(Mo)、
及びテクネシウム(Tc)の各元素の比率(重量%)は
概略Ru:Rh:Pd:Mo:Tc=55:10:1
0:20:5とした模擬試料を用いた。
【0020】すなわち本実施例においては、ルテニウ
ム、ロジウム、パラジウム及びモリブデンの四元系のε
合金を作成し、これを粉砕し粒径5μm程度の微粉とし
たものを溶解試料とした。
【0021】該ε合金微粉29.9mgを、57%ヨウ
化水素酸にヨウ素を0.1mol/lの比率で添加した
水溶液10.0g中に浸漬し、沸点まで加熱し、該水溶
液中に溶解した該ε合金微粉中の各元素の量を誘導結合
プラズマ発光分析機により測定した。
【0022】この結果、2.5時間経過後、該水溶液中
にはルテニウム、ロジウム、及びパラジウムの初期量の
それぞれ45%,6.8%及び3.8%が溶解した。
【0023】実施例2 実施例1で述べたものと同様の核分裂生成貴金属合金を
模擬したε合金微粉を溶解試料とし、溶解実験を行っ
た。
【0024】該ε合金微粉2.1mgを、37%ヨウ素
酸にヨウ素を0.01mol/lの比率で添加した水溶
液6.7g中に浸漬し,70℃程度にまで加熱し、該水
溶液中に溶解した該ε合金微粉中の各元素の量を誘導結
合プラズマ発光分析機により測定した。
【0025】溶解時間は12時間とし、2.5時間、5
時間及び12時間経過後の該水溶液中に溶解した各元素
の量を測定した。その結果、2.5時間では、ルテニウ
ム、ロジウム及びパラジウム初期量のそれぞれ20%,
75%及び46%が溶解し、5時間では同じく43%,
77%及び48%が溶解し、12時間では同じく60
%,99%及び58%が溶解した。
【0026】実施例3 品位99.9%の金線を溶解試料として溶解実験をおこ
なった。この金線は核分裂生成貴金属以外の貴金属に当
たる(以下同様)。
【0027】この溶解試料を、57%ヨウ化水素酸10
gにヨウ素0.127gを添加した溶解液と、比較用に
57%ヨウ化水素酸単独の溶解液の2種類の溶解液を調
製し、直径0.2mmの金線0.0395gと0.03
93gをそれぞれ別々に浸漬し、いずれも110℃付近
で溶解実験を行った。
【0028】金線の重量を時間毎に秤量し測定したとこ
ろ、ヨウ化水素酸にヨウ素を添加した本発明実施例の溶
解液中の金線の溶解率は1分後に71.9%、2分後に
は100%溶解した。一方、比較例のヨウ化水素酸単独
系では金線の溶解率は1分後は10.9%、2分後は2
3.7%であり、22分経過後でもその溶解率は88.
3%であった。
【0029】本実施例と比較例の溶解試験により、ハロ
ゲン化水素酸の無機酸単独では金に対する溶解性能は低
くいが、これにハロゲン単体を添加することによって、
その添加効果が顕著に現れる事がしめされた。
【0030】実施例4 品位99.9%の金線を溶解試料として溶解実験をおこ
なった。
【0031】この溶解試料を、4.7%臭化水素酸10
gに臭素0.079gを添加した溶解液と、比較用に
4.7%臭化水素酸単独の溶解液の2種類の溶解液を調
製し、直径0.2mmの金線0.0400gをそれぞれ
別々に浸漬し、いずれも60℃で溶解実験をおこなっ
た。
【0032】金線の重量を時間毎に秤量し測定したとこ
ろ、4.7%臭化水素酸単独液は10分後でもその重量
は減少せず、溶解率は0%であった。一方4.7%臭化
水素酸に臭素を添加した溶解液中の金線の溶解率は1分
後に11.8%、5分後に45.3%、15分後には8
8.8%であった。
【0033】実施例5 品位99.9%のパラジウム線を溶解試料として溶解実
験をおこなった。
【0034】この溶解試料を、47%臭化水素酸10g
に臭素0.079gを添加した溶解液に直径0.2mm
のパラジウム線0.0214gを浸漬し、60℃で溶解
実験をおこなった。パラジウム線の重量を時間毎に秤量
し測定したところ、1分後の溶解率は30.8%で5分
後には100%溶解した。
【0035】実施例6 実施例3に準拠して調製したヨウ素を添加した5.7%
ヨウ化水素酸(HI)の溶解液に、品位99.9%の直
径0.2mmの金線0.0412gを浸漬し、金線の重
量を時間毎に秤量測定した。また比較のために、同様に
して調製したヨウ素を添加した5.7%ヨウ化カリウム
(KI)の溶解液に、同じ金線0.0412gを浸漬し
て金線の重量を時間毎に秤量測定した。結果を下記表1
に示した。
【0036】この結果から分かるように、ヨウ素添加の
ヨウ化水素酸(HI)の溶解能力は、ヨウ素添加のヨウ
化カリウム(KI)に比べて30〜40%の高い溶解率
を示した。
【0037】
【表1】
【0038】実施例7 実施例3に準拠して調製したヨウ素を添加した57%ヨ
ウ化水素酸(HI)の溶解液に、品位99.9%の直径
0.2mmの金線0.0412gを浸漬し、金線の重量
を時間毎に秤量測定した。また比較のために、同様にし
て調製したヨウ素を添加した57%ヨウ化カリウム(K
I)の溶解液に、同じ金線0.0388gを浸漬して金
線の重量を時間毎に秤量測定した。結果を下記表2に示
した。
【0039】この結果から分かるように、ヨウ素添加の
ヨウ化水素酸(HI)の溶解能力は、高濃度では、ヨウ
素添加のヨウ化カリウム(KI)に比べてより優れた高
溶解率が示された。
【0040】
【表2】
【0041】実施例8 実施例3に準拠して調製したヨウ素を添加した57%ヨ
ウ化水素酸(HI)の溶解液に、品位99.9%の直径
0.2mmのパラジウム線0.0218gを浸漬し、パ
ラジウム線の重量を時間毎に秤量測定した。また比較の
ために、同様にして調製したヨウ素を添加した57%ヨ
ウ化カリウム(KI)の溶解液に、同じパラジウム線
0.0216gを浸漬してパラジウム線の重量を時間毎
に秤量測定した。結果を下記表3に示した。
【0042】この結果から分かるように、ヨウ素添加の
ヨウ化水素酸(HI)のパラジウムに対する溶解能力
は、ヨウ素添加のヨウ化カリウム(KI)に比べて極め
て優れた高溶解率が示された。
【0043】
【表3】
【0044】
【発明の効果】上記実施例で示されるように、本発明の
方法によれば、使用済核燃料の再処理工程で発生する不
溶解残渣中に含まれる核分裂生成貴金属合金を液体金属
抽出等の前処理を経ることなく水溶液として溶解させる
ことができ、これにより溶媒抽出法等の湿式での分離精
製を行うための原料液とすることができるという効果が
得られる。
【0045】また貴金属を含有する廃宝飾品、廃触媒、
廃工業製品から貴金属を溶解回収する際に、危険性が高
く、経費がかかる王水、シアン化合物等を使用すること
なしに、安全性が高く、経済的に有利な貴金属の溶解を
行なうことができるという効果が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 杉浦 勉 千葉県千葉市緑区土気町1791番地1 (72)発明者 川渕 秀敏 千葉県八千代市勝田台6丁目10番9号 (72)発明者 中澤 博幸 千葉県茂原市緑町21番地2号

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ルテニウム、ロジウム及びパラジウム等
    の白金族元素を含有する核分裂生成貴金属合金を溶解す
    る方法であって、ヨウ素(I2 )単体を添加したヨウ化
    水素酸(HI)水溶液に該貴金属合金を浸漬することを
    特徴とする貴金属の溶解方法。
  2. 【請求項2】 ルテニウム、ロジウム、パラジウム等の
    白金族元素を含有する核分裂生成貴金属合金を溶解する
    方法であって、ヨウ素酸(HIO3 )水溶液に該貴金属
    合金を浸漬することを特徴とする貴金属の溶解方法。
  3. 【請求項3】 前記ヨウ化水素酸(HI)の濃度は重量
    百分率で5%〜57%の範囲で、添加するヨウ素(I
    2 )単体の範囲がヨウ化水素酸(HI)の水溶液1リッ
    トル当たり0.01mol〜0.5molである請求項
    1に記載の貴金属の溶解方法。
  4. 【請求項4】 前記ヨウ素酸(HIO3 )の濃度は重量
    百分率で、5%〜60%の範囲である請求項2に記載の
    貴金属の溶解方法。
  5. 【請求項5】 金、銀や、核分裂生成貴金属以外の白金
    族の少なくともいずれか一種を含有する貴金属含有材料
    または貴金属合金を溶解する方法であって、ヨウ素(I
    2 )又は臭素(Br2 )の単体を添加したヨウ化水素酸
    (HI)又は臭化水素酸(HBr)の水溶液に該貴金属
    材料または貴金属合金を浸漬することを特徴とする貴金
    属の溶解方法。
  6. 【請求項6】 金、銀や、核分裂生成貴金属以外の白金
    族の少なくともいずれか一種を含有する貴金属含有材料
    または貴金属合金を溶解する方法であって、ヨウ素酸
    (HIO3 )又は臭素酸(HBrO3 )の水溶液に該貴
    金属材料または貴金属合金を浸漬することを特徴とする
    貴金属の溶解方法。
  7. 【請求項7】 前記ヨウ化水素酸(HI)又は臭化水素
    酸(HBr)のハロゲン化水素酸濃度は、重量百分率で
    5%〜57%の範囲であり、添加するヨウ素(I2 )又
    は臭素(Br2 )単体は該ハロゲン化水素酸水溶液1リ
    ットル当たり0.01mol〜0.5molである請求
    項5に記載の貴金属の溶解方法。
  8. 【請求項8】 前記ヨウ素酸(HIO3 )又は臭素酸
    (HBrO3 )の濃度は重量百分率で5%〜60%の範
    囲である請求項6に記載の貴金属の溶解方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6586161B2 (en) 1999-08-31 2003-07-01 Hitachi, Ltd. Mass production method of semiconductor integrated circuit device and manufacturing method of electronic device

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