JP3733417B2 - パラジウム及びセシウムを含有する硝酸酸性溶液からのパラジウム及びセシウム分離回収方法 - Google Patents

パラジウム及びセシウムを含有する硝酸酸性溶液からのパラジウム及びセシウム分離回収方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、パラジウムとセシウムを含む硝酸酸性溶液中よりパラジウムとセシウムを効率よく分離するためのものであり、特に使用済み核燃料の再処理施設から発生する高レベル放射性廃液、使用済み核燃料の再処理においてウランとプルトニウムを分離する前の溶液等高濃度の硝酸を主成分とする溶液中のパラジウム及びセシウムの分離、回収方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
遷移金属系の不溶性ヘキサシアノ鉄(II)酸塩は、セシウム選択性の高いイオン交換体として公知であるが、セシウム選択性の高いことが逆に脱着を困難とし、繰り返し使用ができないため二次廃棄物の発生量が多く実用性に乏しかった。しかし、最近、銅系不溶性ヘキサシアノ鉄(II)酸塩については、結晶母体に固有な電子交換機能を利用することにより繰り返し使用が可能なプロセスが見いだされ、その有用性は高まっている(特開平5−254828号公報)。しかし、この公知の方法は、パラジウムが共存するとセシウム吸着処理時にパラジウムも吸着され、しかも吸着したパラジウムはセシウムの脱着処理時脱着されないため、吸着を繰り返し使用すると次第にパラジウムが蓄積されてセシウム吸着能低下するという欠点があった。
【0003】
さらに、この公知の方法は、セシウムの脱着処理に際して、銅系不溶性ヘキサシアノ鉄(II)酸塩の酸化によって生成するヘキサシアノ鉄(III)酸銅結晶の空洞内に存在する銅イオンが、わずかではあるが無視できない程度に溶出して結晶を徐々に崩壊させ、繰り返しの回数が多いとセシウム吸着能を低下させる傾向があった。
【0004】
一方、使用済み核燃料を硝酸に溶解した溶液は、極く弱いβ線を出すものの大部分は安定同位体であるパラジウムをかなり含んでおり、これを効率よく分離できれば触媒等への利用価値が高くなることが予想される。従来、不溶性ヘキサシアノ鉄(II)酸塩や不溶性ヘキサシアノ鉄(III)酸塩がパラジウムに対して吸着能を有することは公知である(Hydrometallurgy、第32巻、345頁、1993年)が、これまではセシウムを共存しない貴金属の湿式精錬工程液からの分離を対象として検討されており、再処理のために使用済み核燃料を硝酸に溶解した溶液や再処理後に発生する高レベル廃液のように、多量のセシウムを共存する高濃度硝酸溶液からパラジウムとセシウムを効率よく相互分離する方法は知られていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、このような従来方法のもつ欠点を克服し、パラジウムとセシウムを含む高レベル廃液のような硝酸濃度の高い酸性廃液から、パラジウム、セシウム効率よく分離するとともに、パラジウム分離に用いた吸着をセシウムの分離に繰り返し使用することができ、かつ、繰り返し使用に際して吸着の減損を起こしにくい実用的なパラジウムとセシウムの分離回収方法を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、酸化型のヘキサシアノ鉄(III)酸銅はセシウムをほとんど吸着せず、パラジウムを選択的に吸着すること、また、このヘキサシアノ鉄(III)酸銅の場合、パラジウムの吸着を亜硝酸を共存させない条件下で行い、続いて還元処理を施したのちにセシウム分離用吸着剤として使用すると、セシウム吸着能の低下を招くことなく繰り返し使用が可能であり、かつ繰り返し処理に際して吸着剤の減損が生じにくい効果をもたらすことを見出した。
【0007】
本発明は以上の効果を巧みに利用して到達したものであり、銅系不溶性ヘキサシアノ鉄(II)酸塩の酸化処理物又はヘキサシアノ鉄(III)酸銅とパラジウム及びセシウム含有硝酸酸性溶液とを亜硝酸の不存在下で十分な時間をかけて接触させ、該溶液からパラジウムを選択的に吸着分離する処理を行い、次いでパラジウムを吸着、担持させた固形分の一部を還元処理してセシウム吸着剤を調製し、これをパラジウムを除去したセシウム含有溶液と接触させてセシウムを選択的に吸着分離し、さらにセシウムを吸着させた吸着剤を亜硝酸を含む硝酸溶液で酸化処理してセシウムを脱着させてセシウムを分離回収する一方、このセシウムを脱着した吸着剤を還元処理してセシウム吸着剤として再生するとともに、パラジウムを吸着担持させた固形分の残部を熱処理後、王水で抽出してパラジウムを分離回収するものである。
【0008】
すなわち、本発明は、パラジウム及びセシウム含有硝酸酸性溶液からパラジウム及びセシウムを分離回収する方法であって、
(イ)パラジウム及びセシウム含有硝酸酸性溶液に銅系不溶性ヘキサシアノ鉄(II)酸塩の酸化処理物又はヘキサシアノ鉄(III)酸銅を接触させてパラジウムを選択的に吸着させたのち、固液分離処理してパラジウムを吸着した固形分セシウム含有溶液から分取する工程、
(ロ)(イ)工程で得たパラジウムを吸着した固形分の一部を還元処理してセシウム分離剤を調製する工程、
(ハ)(イ)工程で得たセシウム含有溶液を()工程で調製したセシウム分離剤と接触させてセシウムを吸着させたのち、これを溶液から分離する工程、
(ニ)(ハ)工程で得たセシウムを吸着したセシウム吸着剤を亜硝酸を含む硝酸溶液で酸化処理してセシウムを脱着させ回収する工程、
(ホ)(ニ)工程で得たセシウムを脱着したセシウム吸着剤を還元処理して再生する工程、
(ヘ)(イ)工程で得たパラジウムを吸着した銅系不溶性ヘキサシアノ鉄(II)酸塩の酸化処理物又はヘキサシアノ鉄(III)酸銅のセシウム吸着剤の調製に使用した部分以外の残部を熱処理してシアン化物を分解したのち、王水で金属を抽出し、その抽出液中よりパラジウムを回収する工程
を含むことを特徴とするパラジウム及びセシウム分離回収方法を提供するものである。
本発明において、銅系不溶性ヘキサシアノ鉄(II)酸塩としてはヘキサシアノ鉄(II)酸銅(Cu[CuFeII(CN)6]と記す。[ ]内は骨格原子、[ ]外の元素記号Cuは結晶内空洞に存在する銅イオンを表す。以下同様。)及び結晶内空洞の銅イオンの一部が一価の陽イオンと置換された複塩型ヘキサシアノ鉄(II)酸塩(例えば、K2Cu[CuFeII(CN)62)が用いられる。これらの塩は単独でも使用できるが、好ましくはこれらの塩を公知の方法(特開平11−257803号公報)でシリカゲルに担持して固液分離性を改善したものが用いられる。また、銅系不溶性ヘキサシアノ鉄(II)酸塩の酸化処理物は、亜硝酸を少量含む高濃度の硝酸溶液(4〜6M)で該塩を公知の方法(九州工業技術研究所報告第54号、7頁、1995年)により酸化処理したもので、ヘキサシアノ鉄(III)酸銅(Cu[CuFeIII(CN)62と記す)を主成分としており、これは単独でも用いることができるがシリカゲルに担持したもの(特開平11−257803号公報)が好ましく用いられる。
【0009】
系不溶性ヘキサシアノ鉄(II)酸塩の酸化処理物とヘキサシアノ鉄(III)酸銅のパラジウム吸着能を、公知の銅系不溶性ヘキサシアノ鉄(II)酸塩と比較すると、銅系不溶性ヘキサシアノ鉄(II)酸塩>銅系不溶性ヘキサシアノ鉄(II)酸塩の酸化処理物>ヘキサシアノ鉄(III)酸銅の順に大きく、シリカゲルに担持しても各成分のパラジウム吸着能は変化しないことが分った。ここで、銅系不溶性ヘキサシアノ鉄(II)酸塩の酸化処理物がヘキサシアノ鉄(III)酸銅よりも若干パラジウム吸着量が高いのはヘキサシアノ鉄(II)酸イオンが若干残留するためである。パラジウムの吸着処理時間は、吸着速度が比較的低いため、48時間以上、好ましくは72時間以上に設定するとよい。
なお、セシウムは、銅系不溶性ヘキサシアノ鉄(II)酸塩により速やかに吸着されるが、セシウムに対して当量以上のパラジウムが共存すると、セシウム次第にパラジウムで置換され、十分に時間が経過して平衡状態になると、セシウムはほとんど脱着されてパラジウムのみ吸着され、しかもこの吸着されたパラジウムは高濃度の硝酸溶液によるセシウム脱着処理時には脱着されない。
銅系不溶性ヘキサシアノ鉄(II)酸塩とヘキサシアノ鉄(III)酸銅のパラジウム吸着能の差異は次式の反応が進行するとして説明可能である(A:一価の陽イオン)。
【0010】
銅系不溶性ヘキサシアノ鉄(II)酸塩の場合:
(4-2x)Cux[CuFeII(CN)62 + 2Cs+ → Cs2Cu[CuFeII(CN)62 + (4−2X)A+ + (X−1)Cu2+ (1)
Cs2Cu[CuFeII(CN)62 + 2Pd2+ → 2Pd[CuFeII(CN)6] + 2Cs+ + Cu2+ (2)
ヘキサシアノ鉄(III)酸銅の場合:
Cu[CuFeIII(CN)62+ Pd2+ → Pd[CuFeIII(CN)62 + Cu2+ (3)
【0011】
(2)式で生成するPd[CuFeII(CN)6]は極めて安定であり、酸化処理によってPdを脱着させることはできないので、銅系不溶性ヘキサシアノ鉄(II)酸塩はパラジウムに対する一回限りの吸着としてしか利用できない。しかし、Pd吸着容量が非常に大きく、高価なパラジウムを回収、利用する便益の方が勝るので不利とはならない。一方、(3)式で生成するPd[CuFeIII(CN)62は、これ還元処理すると(4)式の反応により複塩型のA2Pd[CuFeII(CN)62に転換され、これは(5)式の反応により公知のA2Cu[CuFeII(CN)62とほとんど変わらないセシウム吸着能を有し、(ハ)工程のセシウム吸着として利用される。
Pd[CuFeIII(CN)62 + 2A+ + 2e- → A2Pd[CuFeII(CN)62 (4)
2Pd[CuFeII(CN)6]2 + 2Cs+ → Cs2Pd[CuFeII(CN)62 + 2A+ (5)
【0012】
Cs2Pd[CuFeΙΙ(CN)62からのセシウムの脱着は、Cs2Cu[CuFeΙΙ(CN)62 からのセシウム脱着と同じ公知の酸化方法を適用して、(6)式により達成される。その際、吸着はPd[CuFeΙΙΙ(CN)62に変わるので、(4)式により再生すると繰り返し使用できる。
Cs2Pd[CuFeΙΙ(CN)62 → Pd[CuFeΙΙΙ(CN)62 + 2Cs+ + 2e- (6)
【0013】
本発明において、Pd[CuFeIII(CN)62を還元処理してセシウム用吸着として使用する際の特筆すべき効果は、Cu[CuFeIII(CN)62 を還元して用いる公知の方法に比べて、(4)式の還元反応と(6)式の高濃度硝酸溶液中での酸化反応に際して、結晶内空洞に存在するPdがCuに比べて全く溶出しないので、結晶崩壊による吸着の減損を生じにくいことである。
しかし、(イ)工程において、通常の条件ではCu[CuFeIII(CN)62からPd[CuFeIII(CN)62への転化を再現性よく行うことは難かしく、明らかでない不安定要因のためしばしばPd[CuFeII(CN)6]が副生し、(ハ)工程でのセシウム吸着能を低下させることがった。Pd[CuFeII(CN)6]の副生は、亜硝酸を介した何らかの酸化還元反応が関与しているらしく、その防止には亜硝酸の除去が有効であった。しかし、ヒドラジニウムイオンのような強い還元作用のあるものは、かえってPd[CuFeII(CN)6]を生成しやすいため好ましくなく、スルファミン酸のような還元作用を呈しないかその作用の弱い亜硝酸除去剤が好適である。
【0014】
以上、銅系不溶性ヘキサシアノ鉄(II)酸塩、銅系不溶性ヘキサシアノ鉄(II)酸塩の酸化処理物、ヘキサシアノ鉄(III)酸銅の各成分の特徴を考慮すると、(イ)工程でのPd吸着剤としては銅系不溶性ヘキサシアノ鉄(II)酸塩を有効成分とするものが好ましく用いられ、銅系不溶性ヘキサシアノ鉄(II)酸塩の酸化処理物とヘキサシアノ鉄(III)酸銅は、溶液中のPd含有量がCsに対比してかなり低い場合やセシウム分離用のPd担持吸着の調製に必要とする量だけPd除去用に使用するのに適している。
【0015】
(ハ)工程でのセシウムの吸着には、公知の方法では、硝酸による銅系不溶性ヘキサシアノ鉄(II)酸塩の酸化防止のため、インヒビターとしてヒドラジニウムイオンなどの亜硝酸除去剤を添加する必要があったが、Pd[CuFeIII(CN)62を還元して得られるA2Pd[CuFeII(CN)62を用いる場合には、おそらく結晶空洞内のCuがPdと置換されていくらか酸化されにくくなっていることと、還元処理時にヒドラジニウムイオンがA+の一部と置換されて残留しているため、被処理液である硝酸酸性溶液の状態にもよるが、亜硝酸濃度が十分低いときにはインヒビターを添加する必要はない。
【0016】
一方、(ニ)工程でのセシウムの脱着では、Cs2Pd[CuFeII(CN)62がCs2Cu[CuFeII(CN)62よりも酸化されにくいため、脱着剤として使用する硝酸溶液中の亜硝酸濃度は公知の方法よりも高めに設定する必要がある(5M硝酸の場合、10-2M前後が好ましい)。
【0017】
(ホ)工程の再生処理は、公知の方法を適用でき、再生剤としてはヒドラジンの希硝酸溶液が好ましく用いられる。
【0018】
高レベル廃液からパラジウムとセシウムを分離した溶液は、両元素を含む処理前の廃液と性状がほとんど変わらないため、高レベル廃液に対する公知の方法をそのまま適用することができる。すなわち、脱硝後カ焼して酸化物に転換したのち、シリカ、ソーダ灰、酸化硼素等のガラス形成剤を加えてガラス固化する等固化処理を支障無く行うことができる。
【0019】
一方、セシウムの脱着処理液は、主成分が硝酸セシウムであり、不純物としてZrのほかに、Mo、Rb、Cu、Feを若干含む高濃度硝酸(濃度5M前後)溶液であり、硝酸を蒸発、凝縮することにより、亜硝酸を含有する比較的高濃度の硝酸水溶液として回収され、脱着剤として再利用できる。硝酸の蒸留除去を溶液がゲル化する付近まで十分に行ったのち、水を添加して溶解し、所定の硝酸セシウム濃度まで濃縮する。熱間ろ過し、若干白濁する不溶分をろ別してガラス固化処理に供する。ろ液は冷却して硝酸セシウムを晶析させる。母液は、再度濃縮、冷却して硝酸セシウムを晶析させる操作を繰り返す。硝酸セシウムの再結晶に適さなくなった母液は、セシウム分離前の高レベル廃液に合流させることができるので、脱着処理に伴って新たな廃棄物を生み出すことはない。
【0020】
再生処理後の処理液は、ヒドラジン及びその分解生成物を主成分とする硝酸酸性溶液であり、セシウム分離前の硝酸酸性溶液に合流させるか、濃縮後、加熱分解して鉄及び銅の酸化物としてガラス固化工程に送る。
【0021】
(ヘ)工程においては、再生に利用しない使用済み吸着剤を熱処理してシアン化物を分解する前処理を行ったのち、硝酸又は王水で処理し、パラジウム、銅、鉄を主成分とする硝酸水溶液又は王水溶液とシリカゲルとの混合物とする。熱処理温度は高すぎると担体のシリカとシアン化物が反応して、着色物(おそらく、重金属珪酸塩、炭化珪素、窒化珪素の類と考えられる)を生成しやすくなり、熱王水で処理しても金属が抽出されにくく、ガラス化処理も困難となる。一方、熱処理温度が低すぎると、熱王水でも溶解し難い金属のシアン化物が残留しやすくなる。最適の熱処理温度は反応時間にもよるが、400〜500℃で1〜2時間熱処理するのが好ましい。この条件で熱処理すると、パラジウムを含まない場合には、常温の濃硝酸によって容易に鉄と銅を抽出可能である。しかし、パラジウムを含むと王水でなければ十分抽出されにくく、特に熱王水が処理時間を短縮するうえで、好ましく用いられる。この(ヘ)工程においては、所望に応じ(ロ)工程で得られるパラジウムを吸着した銅系不溶性ヘキサシアノ鉄(II)酸塩からのパラジウム回収を行う こともできる。
固液分離後、シリカゲルはガラス形成剤として使用する。王水中のパラジウムは、蒸発乾固して塩化物イオンを除去したのち、乾固物を水又は希硝酸に溶解したのち、次の二通りの方法により系全体の廃棄物量を増やさないで回収することができる。
一つは金属として回収する方法であり、パラジウムイオンは還元剤の添加又は電解によって容易に還元され、生成金属を母液から分離する。母液は、セシウム分離後の廃液と合体させる。
もう一つは、乾固物が意外にも濃硝酸に難溶で、銅と鉄の硝酸塩はよく溶けることを利用する。この乾固物の形態は不明であるが、濃硝酸で鉄と銅の硝酸塩を抽出し、残留物としてパラジウム成分を容易に回収できる。
【0022】
以上のように、本発明において、パラジウム及びセシウム分離用吸着としてシリカゲルを担体とする複合体が好ましく用いられるが、使用済み吸着の主要部分を占めるシリカゲル成分は、ガラス形成剤として利用できるので、高レベル廃液の一括ガラス固化方式を比較基準とした場合には廃棄物の増大要因にならないという利点がある。唯一廃棄物の増大要因となるのは、不溶性ヘキサシアノ鉄酸塩に由来する部分であるが、セシウムの吸脱着処理に繰り返し使用する回数が多いほど、その寄与を低く抑えることができる。また、高レベル廃液中の放射性セシウムの除去によって、ガラス固化体に移行する高レベル廃棄物の発熱量とガンマー線が、それぞれ50、90%近く低減するので、ガラス形成剤に対する廃棄物仕込み量の比率を増やすことができ、不溶性ヘキサシアノ鉄酸塩に起因するガラス固化体の体積増大分を十分相殺することができる。一方、使用済み核燃料の再処理において、ピューレックス法等溶媒抽出法によりウランとプルトニウムを分離する前の高濃度硝酸溶液に本発明によるパラジウムとセシウム分離法を適用することにより、高レベル廃液に対する場合とほぼ同様な効果が期待できるうえに、ガンマー線による溶媒の損傷をかなり軽減する効果がもたらされる。
【0023】
【発明の効果】
本発明によれば、銅系不溶性ヘキサシアノ鉄(II)酸塩の酸化処理物又はヘキサシアノ鉄(III)酸銅吸着剤として用いることにより、高レベル放射性廃液等硝酸酸性溶液から高価なパラジウム及びセシウムを効率よく分離、回収できるとともに、パラジウム分離に用いた吸着剤をセシウム分離用に再生することにより、パラジウムが除かれた溶液からのセシウムの分離、回収に繰り返し使用できる。
【0024】
【実施例】
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
【0025】
なお、シリカゲルに銅系ヘキサシアノ鉄(II)酸銅を担持した吸着としては、富士シリシア化学(株)製シリカゲルMB−5Dに公知の方法(特開平11−257803号公報)でヘキサシアノ鉄(II)酸銅を担持した複合体(以下、ヘキサシアノ鉄(II)酸銅/MB−5D複合体と記す)を使用した。 比較のため、公知の方法で調製したヘキサシアノ鉄(II)酸銅とヘキサシアノ鉄(III)酸銅の各風乾試料(特公平7−42106号公報)を用いた。
【0026】
また、本実験で用いた模擬溶液は、特に断らない限り、使用済み核燃料を硝酸に溶解し、再処理工程に導入する溶液からウランとプルトニウムが除かれた主要元素含有溶液を想定し、表1の組成のものを使用した。なお、本模擬溶液は、テルル溶解時に多量の亜硝酸を生成することがったので、含有亜硝酸と当量のヒドラジン水和物溶液(以下ヒドラジンと略記)を添加して予めこれを除去する前処理を施したものである。
【0027】
【表1】
Figure 0003733417
【0028】
また、以下の説明において、銅系不溶性ヘキサシアノ鉄(II)酸塩風乾物とその酸化処理物及びヘキサシアノ鉄(III)酸銅風乾物の各使用量は、すべて無水ヘキサシアノ鉄(II)酸銅に換算した重量で表示する。また、Pd担持量は、特に断らない限り、ヘキサシアノ鉄(II)酸銅に換算して1g当に担持されているPdのミリモル数(mmol)で表示するものとする。さらに、濃硝酸、濃塩酸と記している溶液は、いずれも日本工業規格特級試薬で、それぞれ濃度61,36%のものである。
【0029】
分析法については、セシウムとルビジウム以外の元素はICP発光分析法又は原子吸光法、セシウムは原子吸光法、ルビジウムは炎光光度法によった。ロジウム以外の元素分析については、蛍光X線法を併用した。なお、セシウムについては塩の状態で吸蔵する傾向が若干認められたので、セシウム吸着率と脱着率の算出において、水洗液に含まれるセシウムは、脱着率には加算したが、吸着率では除外した。
【0030】
実施例1
ヘキサシアノ鉄(II)酸銅/MB−5D複合体(担持量:シリカゲル1g当0.252g)をヘキサシアノ鉄(II)酸銅に換算して0.06gを三角フラスコ(容量30ml)に秤取し、少量の水を加えたのち、水流ポンプで減圧下におき、気泡がほとんど発生しなくなるまで十分脱気した。次に、直径25mmメンブランホルダー(容量15ml)に装着した四フッ化エチレン製メンブランフィルターを用いて減圧ろ過(以下単に「ろ過」と略記)して固液分離した。
続いて、1リットル中に5モルの硝酸と10-3モルの亜硝酸(亜硝酸ナトリウムとして添加。以下、同様)を含む水溶液10mlでメンブランホルダーを洗いながら粒子を全て三角フラスコに移して、24時間、25℃で振り混ぜてヘキサシアノ鉄(II)酸銅を酸化した。ろ液と洗液を分析した結果、酸化処理後の組成はCu/Fe=1.60と推定された。
次に、表1の組成の模擬高レベル廃液にスルファミン酸を1リットル中5×10-4モルとなるように添加した溶液30mlを用いてメンブランホルダーを洗いながら、すべてを共栓付き三角フラスコ(容量:50ml)に移して、72時間パラジウムを吸着させたのち、ろ過、水洗した。ろ液と洗液を分析した結果、パラジウム吸着率は98.9%、セシウム残留率は99.2%であった。また、処理後の吸着に含まれる元素を半定量的に蛍光X線法により調べた結果、Pd以外はほとんど吸着されていないことが確認された。
続いて、1リットル中に4.5×10-2モルのヒドラジン(ヒドラジン水和物として添加。以下同様)と0.1モルの硝酸を含む水溶液10mlをメンブランホルダーに添加して還元処理を行った(液を落下させないために漏斗の先端に栓をした。以下、同様)。約1時間後気泡がほとんど発生しなくなるまでときどきかき混ぜ、さらに30分間放置したのち、ろ過水洗した。このようにして調製したパラジウム担持銅系フェロシアン化物/シリカゲル複合体を下記のような手順で表1の模擬高レベル廃液(パラジウム不含のものを使用)からのセシウムの分離に7回繰り返し使用した。
すなわち、まず、表1の模擬高レベル廃液(パラジウム不含のものを使用)10mlでメンブランホルダーを洗いながら粒子を全て共栓付き三角フラスコ(容量:30ml)に移して1時間、25℃で振り混ぜてセシウムを吸着させた。ろ過、水洗し、ろ液と洗液はセシウム分析に供した。
いで、1リットル中に5モルの硝酸と10-2モルの亜硝酸を含む水溶液10mlでメンブランホルダーを洗いながら粒子を全て共栓付き三角フラスコ(容量:30ml)に移して、24時間、25℃で振り混ぜてセシウムを脱着させた。ろ過、水洗し、ろ液と洗液はセシウム等含有元素の分析に供した。
続いて、1リットル中に4.5×10-2モルのヒドラジンと0.1モルの硝酸を含む水溶液10mlをメンブランホルダーに添加して再生処理を行った(液を落下させないために漏斗の先端に栓をした。以下、同様)。再生処理後第2回目以降の吸脱着再生操作は上記と同様にして行った。各操作について、ろ液と洗液の分析を行った結果、第1回目から第7回目までの各回のセシウム吸着率と脱着率は表2に示す通りであった。このように、吸脱着再生操作を7回程度繰り返した結果からは、吸脱着率の低下は認められなかった。
に、7回目の脱着操作後、水洗した試料について、水分を蒸発し、風乾試料0.3236gを得た。この風乾試料について、実体顕微鏡で観察した結果、粒子は球状を保ち、破砕粒子の増加はごくわずかであった。この風乾試料0.1755gを石英坩堝に秤取し、石英製蓋をして電気炉で420℃、2時間加熱処理したのち、室温まで放冷した。王水2mlを添加し、時計皿で蓋をしてホットプレート上で、沸点近くまで加熱した。1時間加熱後、放冷し、ろ過、水洗した。固体は無色透明のシリカゲルとして回収され、ろ液は飴色を呈した。
蛍光X線による分析の結果、シリカゲルの純度は99.3%であった。ろ液と洗液を合わせた溶液中の含有金属を分析した結果、パラジウム、銅、鉄、ジルコニウム、モリブテン、セシウム、ナトリウム、ニッケル、ルテニウムが、各6.78、3.00、3.07、0.64、0.06、0.04、0.15、0.01、0.20ミリグラム含まれていた。この結果から、パラジウム回収率は97.2%と算出され、7回の吸脱着再生処理を通じて、パラジウムはほとんど脱着しないことが認められた。
【0031】
【表2】
Figure 0003733417
【0032】
実施例2
ヘキサシアノ鉄(II)酸銅/MB−5D複合体(担持量:シリカゲル1g当0.252g)をヘキサシアノ鉄(II)酸銅に換算して0.02gを三角フラスコ(容量30ml)に秤取し、少量の水を加えたのち、水流ポンプで減圧下におき、気泡がほとんど発生しなくなるまで十分脱気した。次に、直径25mmメンブランホルダー(容量15ml)に装着した四フッ化エチレン製メンブランフィルターを用いて減圧ろ過して固液分離した。
次に、表1の組成の模擬高レベル廃液20mlを用いてメンブランホルダーを洗いながら、すべてを共栓付き三角フラスコ(容量:50ml)に移して、72時間、25℃で振り混ぜてパラジウムを吸着させたのち、ろ過、水洗した。ろ液と洗液を分析した結果、パラジウム吸着率は98.7%、セシウム残留率は98.9%であった。
また、処理後の吸着に含まれる元素を半定量的に蛍光X線法により調べた結果、Pdと少量のジルコニウム以外はほとんど吸着されていないことが確認された。パラジウム吸着試料は風乾後、石英坩堝に移し、石英製の蓋をして電気炉で420℃、1時間加熱処理したのち、室温まで放冷した。王水2mlを添加し、時計皿で蓋をしてホットプレート上で、沸点近くまで加熱した。1時間加熱後、放冷し、いでろ過、水洗することにより、実施例1と同様にパラジウム、鉄、銅を主成分とする飴色の王水溶液と無色透明のシリカゲルとに固液分離できた。
以上の結果、ヘキサシアノ鉄(II)酸銅/MB−5D複合体は、高レベル廃液からのセシウム分離のための前処理としてパラジウムの除去、回収用に好適であることが認められた。
【0033】
参考例1
ヘキサシアノ鉄(II)酸銅/MB−5D複合体(担持量:シリカゲル1g当0.252g)をヘキサシアノ鉄(II)酸銅に換算して0.02gを三角フラスコ(容量30ml)に秤取後、実施例1と同様に脱気処理した。いで、実施例1と同様にして酸化処理を行ったのち、1リットル当2.2×10-3〜5.4×10-3モルの硝酸パラジウムと3モルの硝酸を含む水溶液10mlを添加し、72時間、25℃で振り混ぜてパラジウムを吸着させたのち、ろ過した。ろ液中のパラジウムを分析し、図1に示す吸着等温線(図中の△印)を測定した。比較のため、ヘキサシアノ鉄(II)酸銅風乾物とその酸化処理物、及びヘキサシアノ鉄(III)酸銅についても、同様のパラジウム吸着処理を行って吸着等温線を測定した(図1において、各●、○、□印)。
図1の結果から、パラジウム吸着能は、ヘキサシアノ鉄(II)酸銅>ヘキサシアノ鉄(II)酸銅の酸化処理物>ヘキサシアノ鉄(III)酸銅の順に高く、シリカゲル担体による影響は受けないことが認められる。ヘキサシアノ鉄(II)酸銅の酸化処理物の吸着能がヘキサシアノ鉄(III)酸銅に比べて高いのは未酸化のヘキサシアノ鉄(II)酸イオンの残留による。
【0034】
参考例2
ヘキサシアノ鉄(II)酸銅風乾物0.02gを共栓付き三角フラスコ(容量30ml)に秤取し、1リットル当2×10-3モルの硝酸セシウム、3.23×10-3モルの硝酸パラジウム、10-3モルのヒドラジン及び3モルの硝酸を含む水溶液10mlを添加して振り混ぜ時間を変えて処理したときの25℃でのセシウム吸着率とパラジウム吸着率を比較した。その結果、1時間では、各54.1、29.6%、72時間で各4.2、99.4%となり、セシウムの方が吸着速度は大であるが、吸着セシウムは次第にパラジウムによって置換され、セシウムとパラジウムが共存する場合には処理時間を十分長くとることによりパラジウムが選択吸着されることが認められた。
【0035】
参考例3
ヘキサシアノ鉄(III)酸銅風乾物をヘキサシアノ鉄(II)酸銅に換算して0.02gを共栓付き三角フラスコ(容量30ml)に秤取後、1リットル当4.3×10-3〜5.4×10-3モルの硝酸パラジウムと3モルの硝酸を含み、所定量のスルファミン酸を添加した溶液10mlを添加して25℃で72時間振り混ぜてパラジウムを吸着させたのち、ろ過、水洗し、ろ液と洗液はパラジウムの分析に供した。
続いて、1リットル中に1.5×10-2モルのヒドラジンと0.1モルの硝酸を含む水溶液10mlをメンブランホルダーに添加して実施例1と同様に還元処理後、ろ過、水洗した。
いで、1リットル当2×10-3モルの硝酸セシウム、10-4モルのヒドラジン及び3モルの硝酸を含む水溶液10mlを添加して25℃で1時間振り混ぜたのちろ過、水洗し、ろ液と洗液はセシウムの分析に供した。1リットル当のスルファミン酸の添加量が10-4、2×10-4、4×10-4、5×10-4モルのとき、ヘキサシアノ鉄(II)酸銅に換算して1グラム当のパラジウム担持量とセシウム吸着率は各(1.17ミリモル、96.3%)、(1.09ミリモル、95.7%)、(1.04ミリモル、98.0%)、(1.04ミリモル、97.9%)となった。
このように、一定のスルファミン酸添加のもとでは100%に近いほぼ一定のセシウム吸着率を示し、パラジウム担持量も一定していた。スルファミン酸にかわり尿素を1リットル当10-3モル以上添加しても同様であった。一方、スルファミン酸の代わりに1リットル当10-3モルの亜硝酸ナトリウムを添加した場合には、各1.53ミリモル、48.7%であった。
なお、スルファミン酸の代わりに何も添加しない場合には、セシウム吸着率の変動幅が大きく、パラジウム担持量とセシウム吸着率との間に一定の関係はみられなかった。この場合、セシウム吸着率低下の原因は明らかでないが、パラジウム吸着に際して、亜硝酸が関与した何らかの不安定要因により、ヘキサシアノ鉄(II)酸塩の状態に還元されてセシウム吸着サイトにパラジウムが吸着されるためであり、スルファミン酸の添加は亜硝酸の除去に有効と説明することができる。
【0036】
参考例4
ヘキサシアノ鉄(III)酸銅風乾物をヘキサシアノ鉄(II)酸銅に換算して0.02gを共栓付き三角フラスコ(容量30ml)に秤取後、1リットル当り0〜3.23×10-3モルの硝酸パラジウム、5×10-4Mのスルファミン酸及び3モルの硝酸を含む水溶液10mlを添加して25℃で72時間振り混ぜたのち、ろ過、水洗し、ろ液と洗液はパラジウムの分析に供した。
続いて、1リットル中に1.5×10-2モルのヒドラジンと0.1モルの硝酸を含む水溶液10mlをメンブランホルダーに添加して実施例1と同様に還元処理後、ろ過水洗した。いで、1リットル当2×10-3モルの硝酸セシウム、10-4モルのヒドラジン及び3モルの硝酸を含む水溶液10mlを添加して25℃で1時間振り混ぜたのちろ過、水洗し、ろ液と洗液はセシウムの分析に供した。パラジウムとセシウムの分析結果からパラジウム担持量とセシウム吸着率を算出し、両者の関係を図2の(1)のグラフに示した。
比較のために、ヘキサシアノ鉄(II)酸銅風乾物0.02gを三角フラスコ(容量30ml)に秤取し、1リットル当0〜6.46×10-3モルの硝酸パラジウム、5×10-4Mのスルファミン酸及び3モルの硝酸を含む水溶液10mlを添加して25℃で72時間振り混ぜたのち、ろ過、水洗し、ろ液と洗液はパラジウムの分析に供した。
続いて、1リットル中に5モルの硝酸と10-3モルの亜硝酸を含む水溶液10mlでメンブランホルダーを洗いながら粒子を全て三角フラスコに移して、24時間、25℃で振り混ぜて残留ヘキサシアノ鉄(II)酸銅を酸化した。
次に、1リットル中に1.5×10-2モルのヒドラジンと0.1モルの硝酸を含む水溶液10mlをメンブランホルダーに添加して実施例1と同様に還元処理後、ろ過、水洗した。
最後に、1リットル当2×10-3モルの硝酸セシウム、10-4モルのヒドラジン及び3モルの硝酸を含む水溶液10mlを添加して25℃で1時間振り混ぜたのちろ過、水洗し、ろ液と洗液はセシウムの分析に供した。パラジウムとセシウムの分析結果からパラジウム担持量とセシウム吸着率を算出し、両者の関係を図2の(2)のグラフに示した。以上、図2のグラフ(1)と(2)の比較から、ヘキサシアノ鉄(III)酸塩の状態で担持したパラジウムはセシウム吸着能を低下させないことがった。
【0037】
参考例5
ヘキサシアノ鉄(III)酸銅風乾物をヘキサシアノ鉄(II)酸銅に換算して0.02gを共栓付き三角フラスコ(容量30ml)に秤取後、1リットル中に3.23×10-3モルの硝酸パラジウム、5×10-4モルのスルファミン酸及び3モルの硝酸を含む溶液10mlを添加して25℃で72時間振り混ぜたのち、ろ過、水洗し、ろ液と洗液はパラジウムの分析に供した。
続いて、1リットル中に1.5×10-2モルのヒドラジンと0.1モルの硝酸を含む水溶液10mlをメンブランホルダーに添加して実施例1と同様に還元処理後、ろ過、水洗した。分析の結果、パラジウム担持量は、ヘキサシアノ鉄(II)酸銅1グラム当に換算して0.97ミリモルであった。このようにして調製したパラジウム担持銅系フェロシアン化物を使用し、下記のような手順で、再生処理を1回挟み、セシウムの吸脱着を2回繰り返す処理を行った。
すなわち、まず、1リットル中に2×10-3モルの硝酸セシウム、10-4モルのヒドラジン及び3モルの硝酸を含む水溶液10mlでメンブランホルダーを洗いながら沈殿を全て共栓付き三角フラスコ(容量:30ml)に移して1時間、25℃で振り混ぜてセシウムを吸着させた。ろ過、水洗し、ろ液と洗液はセシウム、銅、鉄の分析に供した。いで、1リットル中に5モルの硝酸と10-3モルの亜硝酸を含む水溶液10mlでメンブランホルダーを洗いながら沈殿を全て共栓付き三角フラスコ(容量:30ml)に移して、24時間、25℃で振り混ぜてセシウムを脱着させた。ろ過、水洗し、ろ液と洗液はセシウム、鉄、銅の分析に供した。
続いて、1リットル中に1.5×10-2モルのヒドラジンと0.1モルの硝酸を含む水溶液10mlをメンブランホルダーに添加して実施例1と同様に再生処理後、ろ過、水洗し、ろ液は鉄と銅の分析に供した。再生処理後第2回目の吸脱着操作は上記と同様にして行った。その結果、第1回目と第2回目のセシウム吸着率は各97.8、98.1%、同じくセシウム脱着率は各89.8、95.0%であった。
また、第1回目と第2回目の吸着処理液中の鉄分濃度は各0.3、0.5ppm、同じく銅濃度は各0.4、0.5ppm、第1回目と第2回目の脱着処理液中の鉄分濃度は各0.6、0.5ppm、同じく銅濃度は各1.4、1.2ppm、再生処理液中の鉄分と銅濃度は各0.3ppm、不検出であった。なお、パラジウムは各吸脱着再生処理液とも検出されなかった。
一方、比較のため、ヘキサシアノ鉄(III)酸銅風乾物をヘキサシアノ鉄(II)酸銅に換算して0.02gを三角フラスコ(容量30ml)に秤取後、1リットル中に1.5×10-2モルのヒドラジンと0.1モルの硝酸を含む水溶液10mlを添加して室温で時々振り混ぜて90分間還元処理後、ろ過、水洗した。
このようにして調製した銅系フェロシアン化物を上記と同様な手順で、再生処理を1回挟み、セシウムの吸脱着を2回繰り返すために使用した。その結果、第1回目と第2回目のセシウム吸着率は各99.8、99.0%、同じくセシウム脱着率は各83.4、94.0%であった。
また、第1回目と第2回目の吸着処理液中の鉄分濃度は各0.5、0.4ppm、同じく銅濃度は各1.4、1.2ppm、第1回目と第2回目の脱着処理液中の鉄分濃度は各1.6、1.0ppm、同じく銅濃度は各10.7ppm、11.7ppm、再生処理液中の鉄分と銅濃度は各1.8ppm、不検出であった。ヘキサシアノ鉄(III)酸銅の状態でパラジウムを吸着、担持することにより、セシウム脱着処理時と再生処理時における結晶の崩壊が吸着処理時と同程度のほとんど無視できるレベルまで起こりにくくなる効果がもたらされた。
【0038】
参考例6
ヘキサシアノ鉄(II)酸銅/MB−5D複合体(担持量:シリカゲル1g当0.242g)をヘキサシアノ鉄(II)酸銅に換算して0.0242gを三角フラスコ(容量30ml)に秤取後、実施例1と同様に脱気処理した。
に、1リットル中に2×10-3モルの硝酸セシウム、10-3モルのヒドラジン及び3モルの硝酸を含む水溶液10mlでメンブランホルダーを洗いながら粒子を全て共栓付き三角フラスコ(容量:30ml)に移して1時間、25℃で振り混ぜたのち、ろ過、水洗し、セシウムを担持させた複合体(セシウム担持量:ヘキサシアノ鉄(II)酸銅に換算して1グラム当0.542ミリモル)を調製した。これを、白金製容器にとり、白金製の蓋をして電気炉で995℃、2時間熱処理した。試料は黒色を呈していた。熱処理中のセシウム揮発率は7.9%であった。
石英坩堝に試料を移し、硝酸2ml添加し、時計皿で蓋をしてホットプレート上で2時間以上加熱したのち、ろ過、水洗した。ろ液と洗液中に移行したセシウム、鉄、銅の比率は、各2.0、0.70、23.7%となり、1000℃での熱処理は、セシウムが固定されるため、セシウムの回収を目的とする場合には好ましくないことがった。試料は黒色のままで変化がなく、硝酸1mlと塩酸1mlを添加して、さらに加熱を続けたが変化は認められなかった。
【0039】
参考例7
参考例6と同じ手順で、450℃、2時間熱処理した試料を調製した。熱処理後の試料は暗褐色を呈していた。熱処理中のセシウム揮発率は、5.3%であった。石英坩堝に試料を移し、濃硝酸1ml添加し、時計皿で蓋をし、ホットプレート上で加熱した。暗褐色成分は昇温中に速やかに溶出し、無色透明のシリカゲルが回収された。2時間加熱したのち、ろ過、水洗した。回収シリカゲル中のセシウム、鉄と銅を分析した結果、各0.32、0.02、0.17重量%であった。
すなわち、熱処理後に熱濃硝酸で抽出しても担持セシウムの12.1%がシリカゲル中に残留固定されることがった。それ故、セシウムの分離に繰り返し使用された使用済み吸着の熱処理はセシウムの脱着処理後に行うのが好ましい。一方、ろ液を濃縮、乾固して赤外吸収スペクトルを測定した結果、主成分が金属の硝酸塩であることを確認した。
【0040】
参考例8
参考例6と同じ手順でセシウムを担持した試料を調製した。これを石英坩堝に移し、王水2ml添加し、時計皿で蓋をし、ホットプレート上で加熱した。褐色に着色したヘキサシアノ鉄酸銅の部分は沸点付近まで温度を上げて2時間以上加熱しても褪色しなかった。このように、不溶性ヘキサシアノ鉄酸銅は、濃硝酸はもとより、熱王水によっても分解しにくく、これらを抽出剤として含有金属をシリカゲルから分離回収することは極めて困難であった。
【0041】
参考例9
ヘキサシアノ鉄(II)酸銅/MB−5D複合体(担持量:シリカゲル1g当0.242g)をヘキサシアノ鉄(II)酸銅に換算して0.0242gを三角フラスコ(容量30ml)に秤取後、実施例1と同様に脱気処理した。続いて、1リットル当5モルの硝酸と10-3モルの亜硝酸を含む水溶液10mlでメンブランホルダーを洗いながら粒子を全て三角フラスコに移して、24時間、25℃で振り混ぜて残留ヘキサシアノ鉄(II)酸銅を酸化処理したのち、ろ過水洗した。
に、1リットル当3.23×10-3モルの硝酸パラジウム及び3モルの硝酸を含む溶液10mlを添加して25℃で72時間振り混ぜたのち、ろ過、水洗し、ろ液と洗液はパラジウムの分析に供した。分析の結果、パラジウム担持量は、ヘキサシアノ鉄(II)酸銅に換算して1g当1.61ミリモルであった。
いで、1リットル中に1.5×10-2モルのヒドラジンと0.1モルの硝酸を含む水溶液10mlをメンブランホルダーに添加して実施例1と同様に還元処理後、ろ過、水洗した。このようにして調製したパラジウム担持銅系フェロシアン化物/シリカゲル複合体を使用し、下記のような手順でセシウムの吸脱着処理を1回行った。
すなわち、まず、1リットル中に2×10-3モルの硝酸セシウムと3モルの硝酸を含む水溶液10mlでメンブランホルダーを洗いながら沈殿を全て共栓付き三角フラスコ(容量:30ml)に移して1時間、25℃で振り混ぜてセシウムを吸着させた。ろ過、水洗し、ろ液と洗液中のセシウム分析結果から、セシウム吸着率は87.6%であった。
いで、1リットル中に5モルの硝酸と10-2モルの亜硝酸を含む水溶液10mlでメンブランホルダーを洗いながら沈殿を全て共栓付き三角フラスコ(容量:30ml)に移して、24時間、25℃で振り混ぜてセシウムを脱着させた。ろ過、水洗し、ろ液と洗液中のセシウム分析結果から、セシウム脱着率は93.7%であった。
セシウム脱着処理後、ろ過、水洗、風乾した試料を、石英坩堝に移し、蓋をして、電気炉で450℃、2時間加熱処理した。放冷後、濃硝酸2ml添加後、時計皿で蓋をしてホットプレート上で加熱した。一定の状態まで速やかに溶液が着色するが、黒く着色した部分は沸点ちかくまで温度を上げて2時間以上加熱しても変化しなかった。ろ過、水洗、乾燥後、蛍光X線分析法で調べた結果、黒色部分はパラジウムであった。
以上の操作にかわって、電気炉で加熱処理するまでは同様にして調製した試料に、放冷後、濃硝酸の替わりに王水2mlを添加した場合には、沸点付近で2時間加熱することにより、完全に脱色されたシリカゲルとパラジウムの溶解を示す濃い飴色の溶液とに分離できた。
【0042】
参考例10
ヘキサシアノ鉄(II)酸銅/シリカゲル複合体を使用して、パラジウムを含有しない表3の組成の模擬高レベル廃液から公知の方法でセシウムを繰り返し7回分離し、7回目の脱着処理後にろ過、水洗して得られた試料(特開平11−257803号公報)を、石英坩堝に移し、蓋をして、電気炉で450℃、2時間加熱処理した。放冷後、濃硝酸2ml添加後、時計皿で蓋をしてホットプレート上で加熱した。暗褐色成分は昇温中に速やかに溶出し、鉄と銅を主成分とする飴色の王水溶液と無色透明のシリカゲルとに固液分離できた。
【0043】
【表3】
Figure 0003733417
【0044】
参考例11
実施例1の脱着処理液の組成に近い模擬溶液(実施例1の脱着処理液中には亜硝酸ナトリウムとして添加したナトリウムを含むが、実廃液では亜硝酸は気体で導入できるので、このナトリウムは考慮しなかった)として、1リットル中に硝酸セシウム4.83ミリモル、硝酸ジルコニウム1.32ミリモル、モリブテン酸ナトリウム0.25ミリモル、硝酸ルビジウム0.67ミリモル、硝酸銅0.21ミリモル、硝酸鉄0.08ミリモル、及び硝酸5モルの濃度で含む溶液3リットルをビーカーにとり、ホットプレート上で、溶液がゲル化する約2.5mlまで濃縮して、大部分の硝酸を駆逐したのち、水を加えて加熱、再溶解し、約10mlとした(若干の白濁が認められる)。
G4ガラスフィルターで熱間ろ過し、ろ液を冷蔵庫中(約4℃)で冷却した。析出した結晶を濾別後、エタノールで洗浄し、105℃で乾燥して、純度90.1%の硝酸セシウム2.24gを得た(回収率71.4%)。ろ液と洗浄液(加熱して予めエタノールを分離したもの)を合体し、約4mlに加熱、濃縮した(若干の白濁が認められる)。
G4ガラスフィルターで熱間ろ過し、ろ液を冷凍庫(約零下17℃)で冷却した。析出した結晶を濾別後、エタノールで洗浄し、105℃で乾燥して、純度81.0%の硝酸セシウム0.44gを得た(回収率12.6%)。回収硝酸セシウム中の不純物元素含有量は、第1回目と第2回目について、ルビジウム各2.80、5.66%、ジルコニウム各1.30、0.73%、モリブテン各0.22、0.28%、銅と鉄は0.01%以下の痕跡程度であった。
また、第1回と第2回の熱間ろ過時の不溶分収量は合計で0.090g、金属元素組成(重量比)はモリブテン60.4%、ジルコニウム33.6%、セシウム3.6%、ルビジウム1.3%、銅0.7%、鉄0.4%であった。
【0045】
参考例12
硝酸パラジウム14.88mg、硝酸第二銅11.06mg、硝酸第二鉄14.27mg含有する王水溶液約2ml(濃塩酸1.34mlと濃硝酸0.66mlの混合液)を蒸発乾固したのち、濃硝酸2mlを添加して蒸発、乾固する操作を3回繰り返して塩化物イオンを駆逐した。
いで、水約10mlで溶解後、硝酸とヒドラジン(パラジウムの2倍モル)の水溶液を加えて、1リットル当ヒドラジンを6.5×10-3モル含む所定濃度の硝酸酸性溶液20mlによる還元処理を行った。析出したパラジウム黒をろ過、水洗した。ろ液とパラジウム黒の成分分析を行い、表4の結果を得た。硝酸濃度が低いほど還元速度が速くパラジウム回収率が高まるが、不純物として銅を混入しやすい傾向があり、硝酸のモル濃度は0.1前後に設定するのが好適であった。
【0046】
【表4】
Figure 0003733417
【0047】
参考例13
硝酸パラジウム14.88mg、硝酸第二銅11.06mg、硝酸第二鉄14.27mg含有する王水溶液約2ml(濃塩酸1.34mlと濃硝酸0.66mlの混合液)を蒸発乾固したのち、濃硝酸2mlを添加して蒸発、乾固する操作を3回繰り返して塩化物イオンを駆逐した。いで、濃硝酸で可溶分を抽出しながら、ろ過した。ろ液の成分分析から、濃硝酸中で難溶な成分の収量は金属パラジウム換算で6.23mg(回収率90.7%)であった。また、沈殿の金属組成(重量比)は、蛍光X線法による分析結果から、パラジウム97.0%、銅2.9%、鉄0.1%であった。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ヘキサシアノ鉄(II)酸銅とその酸化処理物、ヘキサシアノ鉄(III)酸銅、及びヘキサシアノ鉄(II)酸銅/シリカゲル複合体によるパラジウム担持量と残留パラジウム濃度との関係を示すグラフ。
【図2】 (1) ヘキサシアノ鉄(III)酸銅にパラジウムを吸着、担持後に還元処理したものと、(2)ヘキサシアノ鉄(II)酸銅にパラジウムを担持後に残留ヘキサシアノ鉄(II)酸銅を酸化処理し、(1)と同じ条件で還元処理したものをそれぞれセシウム吸着として使用し、セシウム吸着処理を行った場合について、パラジウム吸着量とセシウム吸着率の関係を示すグラフ。

Claims (7)

  1. パラジウム及びセシウム含有硝酸酸性溶液からパラジウム及びセシウムを分離回収する方法であって、
    (イ)パラジウム及びセシウム含有硝酸酸性溶液に銅系不溶性ヘキサシアノ鉄(II)酸塩の酸化処理物又はヘキサシアノ鉄(III)酸銅を接触させてパラジウムを選択的に吸着させたのち、固液分離処理してパラジウムを吸着した固形分セシウム含有溶液から分取する工程、
    (ロ)(イ)工程で得たパラジウムを吸着した固形分の一部を還元処理してセシウム分離剤を調製する工程、
    (ハ)(イ)工程で得たセシウム含有溶液を()工程で調製したセシウム分離剤と接触させてセシウムを吸着させたのち、これを溶液から分離する工程、
    (ニ)(ハ)工程で得たセシウムを吸着したセシウム吸着剤を亜硝酸を含む硝酸溶液で酸化処理してセシウムを脱着させ回収する工程、
    (ホ)(ニ)工程で得たセシウムを脱着したセシウム吸着剤を還元処理して再生する工程、
    (ヘ)(イ)工程で得たパラジウムを吸着した銅系不溶性ヘキサシアノ鉄(II)酸塩の酸化処理物又はヘキサシアノ鉄(III)酸銅のセシウム吸着剤の調製に使用した部分以外の残部を熱処理してシアン化物を分解したのち、王水で金属を抽出し、その抽出液中よりパラジウムを回収する工程
    を含むことを特徴とするパラジウム及びセシウム分離回収方法。
  2. (ホ)工程で再生したセシウム吸着剤を(ハ)工程で再使用する請求項1記載のパラジウム及びセシウム分離回収方法。
  3. (イ)工程におけるパラジウム及びセシウム含有硝酸酸性溶液と銅系不溶性ヘキサシアノ鉄(II)酸塩の酸化処理物又はヘキサシアノ鉄(III)酸銅との接触を48時間以上行う請求項1又は2記載のパラジウム及びセシウム分離回収方法。
  4. (イ)工程を亜硝酸分解剤の存在下で行う請求項1、2又は3記載のパラジウム及びセシウム分離回収方法。
  5. 亜硝酸分解剤として、硝酸酸性溶液1リットル当り10-4モル以上のスルファミン酸を用いる請求項記載のパラジウム及びセシウム分離回収方法。
  6. (イ)工程における銅系不溶性ヘキサシアノ鉄(II)酸塩の酸化処理物又はヘキサシアノ鉄(III)酸銅シリカゲルに担持させて用いる請求項1ないしのいずれかに記載の方法。
  7. )工程の熱処理を400〜500℃において1〜2時間行う請求項1ないしのいずれかに記載の方法。
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