JPH0722259U - 燃焼器ライナ構造体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 空気口が多く設けられたライナセグメントの
材力低下部分を補強してき裂の発生、進展を防止する。 【構成】 ライナセグメント１と冷却空気導入板８との
空間に冷却空気の流れに横断して突出し部分11を列状に
配置する。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は燃焼器ライナ構造体の改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】

近時のガスタービン燃焼器は、発電出力増加を求めて燃焼ガスを上昇させる一 途にある。このため燃焼器ライナ構造体は、超高温燃焼ガスにさらされて過酷状 態になっており、その解決策として、いわゆるフィルム冷却を巧みに利用して燃 焼器ライナを冷却する技術が、例えば特開昭59-119116 号公報等に見られるよう にすでに多くの提案がされている。

【０００３】 図３は、すでに公表されている燃焼器ライナ構造体の略示図である。燃焼器ラ イナ構造体は、横長筒に成形されたライナセグメント１である。このライナセグ メント１は、胴軸に横断して大小口径の異なる空気口３，４を備え、これらの空 気口３，４を経て図示しないコンプレッサから案内された空気により燃焼ガスを 生成している。また、ライナセグメント１は、燃焼ガスの後流側に空気希釈口６ を設け、ここから空気を与えてガスタービンの作動ガスに適する温度の燃焼ガス を生成している。なお、符号２は燃料に火炎を与える火炎伝播管である。

【０００４】 一方、ライナセグメント１の断面は、図４に示すように、階段状の折曲げ部分 ５，５…に成形し、この折り曲げ部分５，５…に空気口４を設けるとともに、平 坦部分５ａに沿って伸び、空気口４から案内された冷却空気がライナセグメント １の裏面に沿って流れるように冷却空気導入板８を備えている。 このようにしてライナセグメント１は、いわゆるフィルム冷却が巧みに利用さ れ、超高温燃焼ガスから受ける熱影響を防ぎ、材力低下を補っている。

【０００５】

【考案が解決しようとする課題】

ライナセグメント１の平坦部５ａは、ロウ付部９を介して冷却空気導入板８が 重ねられている二重構成であるため、材力強度を十分に保証しているものではあ っても、折曲げ部分５は、空気口４による材力低下をきたしており、くわえて温 度の異なる冷却空気が案内されている間に超高温燃焼ガスの熱衝撃が加わって伸 縮が激しい。とりわけ、折曲げ部分５の横断方向（紙面に直角方向）は図５にも あらわされているように、空気口３から次の空気口４に向ってき裂部分７が発生 し、さらに次の空気口４にもき裂部分７が進展し、ライナセグメント１は危険状 態に落ち入る心配があった。

【０００６】 この考案は、このような事情に照して改良を加えたものであり、ライナセグメ ントの材力低下の激しい部分にサポート部分を設けてき裂発生を抑える燃焼器ラ イナ構造体を公表することを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

この考案にかかる燃焼器ライナ構造体は、冷却空気と燃焼ガスとを区分けする ライナセグメントであって、このライナセグメントは階段状の折曲げ部分を形成 し、この折曲げ部分に冷却空気を案内する空気口を有する一方、ライナセグメン トの平坦部分から延び、上記空気口から案内された冷却空気がライナセグメント の裏面に沿って流れるように配設した冷却空気導入板を備えた燃焼器ライナ構造 体において、ライナセグメントと冷却空気導入板との空間に冷却空気の流れに横 断して突出し部分を列状に配置したものである。 その際、突出し部分はライナセグメントに対してロウ付部分を設けて固着した ものである。

【０００８】

【作用】

この考案にかかる燃焼器ライナ構造体は、図１に示すように、ライナセグメン ト１の空気口４近辺の伸縮の激しい部分にサポート用として冷却空気導入板８と 一体成形の突出し部分10を設け、この突出し部分10はライナセグメント１に対し てロウ付部分を設け固着したものである。

【０００９】 したがって、温度の異なる冷却空気が空気口４から案内され、この部分に伸縮 が生起しようとも突出し部分10により抑制されるので、き裂の発生は防ぐことが できる。

【００１０】

【実施例】

この考案にかかる燃焼器ライナ構造体の実施例について図面を参照して説明す る。 図１は、この考案にかかる燃焼器ライナ構造体の略示図である。

【００１１】 ライナセグメント１は、折曲げ部分５と平坦部分５ａとを交互に燃焼ガスの流 れに沿って階段状にせり上げていく筒体である。折曲げ部分５には横断方向（紙 面に直交する方向）に空気口４が数多く設けられている。また、平坦部分５ａの 裏面にはロウ付部分９を介して冷却空気導入板８が固着されており、この冷却空 気導入板８は空気口４から案内された冷却空気がライナセグメント１に沿って流 れるように長く延びている。

【００１２】 冷却空気導入板８の先端は、空気口４の近辺のライナセグメント１の比較的材 力低下の激しい部位に突出し部分11を一体的に設けておき、この突出し部分11は ライナセグメント１に対してロウ付部分11ａで固着されている。

【００１３】 冷却空気導入板８に一体成形した突出し部分11は、図２に示したように、列状 に配置され、列状配置の突出し部分11の空間11ｂを経て空気口４から案内された 冷却空気がライナセグメント１の裏面に沿って流れ、燃焼ガスから出る熱負荷を バリアする機能を果している。

【００１４】 したがって、ライナセグメント１は冷却空気により十分に冷却されるとともに 、伸縮の激しい部分を突出し部分11によりサポートするので、その材力も十分に 確保でき、従来のようなき裂部分の発生、進展を抑制することができる。

【００１５】

【考案の効果】

以上述べたように、この考案にかかる燃焼器ライナ構造体では、折曲げ部分に 設けたライナセグメントの空気口近辺の伸縮部分の激しい部分にサポート用とし て冷却空気導入板と一体成形の突出し部分を列状に設け、この突出し部分はライ ナセグメントに対してロウ付部分を設けて固着する構成になっているので、ライ ナセグメントはき裂の発生、進展を抑制し、高信頼性の運転をすることができる 。

【図面の簡単な説明】

【図１】この考案にかかる燃焼器ライナ構造体の略示
図。

【図２】図１のＡ−Ａ矢視方向切断の断面略示図。

【図３】従来の燃焼器の構成を示す全体略示図。

【図４】図３のＡ部分の拡大断面略示図。

【図５】ライナセグメントに設けた空気口間に生起した
き裂の発生、進展を示す模式図。

【符号の説明】

１ ライナセグメント ３，４ 空気口 ５ 折曲げ部分 ５ａ 平坦部分 ８ 冷却空気導入板 11 突出し部分 11ａ ロウ付部分

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 冷却空気と燃焼ガスとを区分けするライ
   ナセグメントであって、このライナセグメントは階段状
   の折曲げ部分を形成し、この折曲げ部分に冷却空気を案
   内する空気口を有する一方、ライナセグメントの平坦部
   分から延び、上記空気口から案内された冷却空気がライ
   ナセグメントの裏面に沿って流れるように配設した冷却
   空気導入板を備えた燃焼器ライナ構造体において、ライ
   ナセグメントと冷却空気導入板との空間に冷却空気の流
   れに横断して突出し部分を列状に配置したことを特徴と
   する燃焼器ライナ構造体。
2. 【請求項２】 ライナセグメントと冷却空気導入板との
   空間に冷却空気の流れに横断して列状に配置した突出し
   部分はライナセグメントに対してロウ付部分を設けて固
   着したことを特徴とする請求項１記載の燃焼器ライナ構
   造体。