JPH0722047U - エンジンの排気ブレーキ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 高回転からの減速時にも、排気ブレーキを確
実に効かす。 【構成】 吸気通路２に介装した吸気絞弁５と、吸気絞
弁５と直列に配置した最高回転を制限する副絞弁６と、
これら吸気絞弁５と副絞弁６とを迂回して吸気を流すバ
イパス通路１２と、排気ブレーキの作動信号の発生時に
燃料供給を遮断する手段１１と、排気ブレーキの作動信
号の発生時にバイパス通路１２を開く開閉弁１３を備
え、排気シャッタ１５の閉弁時に、吸気絞弁５と副絞弁
６をバイパスして吸入空気をエンジンに送り込む。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は予混合エンジンの排気ブレーキ装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

ガス燃料を空気と混合して燃焼させるガスエンジンは、例えば特開平４−２５ ９６５２号公報、さらには実願平４−７９９７２号、実願平４−７９９７７号等 によって提案されているが、ガス燃料を混合器によってエンジン吸入空気と所定 の割合で混合し、この混合気をエンジンに供給し、燃焼室に設置した点火栓によ り所定の時期に点火燃焼させている。

【０００３】 このような予混合式のガスエンジンについて、排気ブレーキを効かすために排 気シャッタを装着すると、排気ブレーキ時に吸気系への逆流排気により、バック ファイヤを起こすことがある。そこで、本出願人により実願平４−７９９７１号 として、排気ブレーキ時に燃料の供給を遮断すると共に、吸気通路に残存燃料の 無いことを確認してから排気シャッタを閉じることにより、バックファイヤの発 生を防止するようにした装置が提案されている。

【０００４】

【考案が解決しようとする課題】

ところで、本出願人により実願平４−５７５６４号として、ガスエンジンの吸 気絞弁の下流にアクセルペダルと連動しない副絞弁を設け、吸気絞弁の全開付近 で、回転数を検出しながら副絞弁の開度を制御し、エンジン回転数が予め設定さ れた最大回転数を越えることのないように制御する装置が提案されている。

【０００５】 このようなエンジンに排気ブレーキを採用する場合、高速走行（高回転）状態 から排気シャッタを閉じて減速に移行するときなど、吸気絞弁が閉じると共に、 高回転により副絞弁が閉じていると、エンジンに吸入される空気量が極端に少な くなり、排気シャッタを閉じても排気通路の圧力が十分に上昇せず、排気ブレー キの効き具合が低下してしまう。

【０００６】 本考案はこのような問題を解決、つまり高回転からの減速時にも、排気ブレー キを確実に効かすことを目的とする。

【０００７】

【課題を解決するための手段】

そこで本考案は、排気通路に排気ブレーキ作動信号の発生により閉じる排気シ ャッタを備えたエンジンの排気ブレーキ装置において、吸気通路に介装した吸気 絞弁と、吸気絞弁と直列に配置した最高回転を制限する副絞弁と、これら吸気絞 弁と副絞弁とを迂回して吸気を流すバイパス通路と、排気ブレーキの作動信号の 発生時に燃料供給を遮断する手段と、同じく排気ブレーキの作動信号の発生時に バイパス通路を開く開閉弁とを備える。

【０００８】

【作用】

したがって、例えば、高速走行状態からの減速時など、排気ブレーキの作動信 号により、燃料が遮断される一方で、バイパス通路が開かれ、排気シャッタが閉 じる。排気ブレーキ時に、吸気絞弁や副絞弁が閉じていたとしても、このように して排気シャッタが閉じると共に、エンジンにはバイパス通路からの空気が吸入 されるので、エンジンのポンピングロスが大きくなり、排気ブレーキ（エンジン ブレーキ）を十分に効かすことができる。

【０００９】

【実施例】

図２の実施例において、１はガスエンジン本体、２は吸気通路、３は排気通路 であり、吸気通路２にはアクセルペダル４に連動する吸気絞弁５と、その下流に 位置して副絞弁６が設けられる。副絞弁６は後述する制御回路２０からの信号で 作動するモータ７によって駆動され、エンジン回転数が設定最大回転数を越えな いように吸入空気量を制御する。

【００１０】 ８は吸入空気量に対して一定の割合でガス燃料を混合する混合器で、図示しな い天然ガスの高圧ボンベからのガス燃料を、レギュレータ９で減圧し、ベンチュ リ部１０に発生する吸入空気流量に比例したベンチュリ負圧により混入する。

【００１１】 １１はエンジン停止時や排気ブレーキの作動時に、前記制御回路２０からの信 号で燃料の供給を遮断する燃料カットバルブである。

【００１２】 そして、吸気通路２の混合器８の上流から分岐し、吸気絞弁５と副絞弁６を迂 回してその下流に接続するバイパス通路１２が設けられ、このバイパス通路１２ には排気ブレーキ作動時に制御回路２０からの信号で開く開閉弁１３が設けられ る。

【００１３】 また、排気通路３には排気中の酸素濃度を検出する酸素センサ１４と、その下 流に排気通路３を排気ブレーキ作動時にアクチュエータ１６を介して閉じる排気 シャッタ１５が設けられる。

【００１４】 制御回路２０にはエンジン回転数センサ１７からの信号と、吸気絞弁５の開度 を検出する開度センサ１８、及び副絞弁６の開度を検出する開度センサ１９から の信号、排気通路３の酸素センサ１４からの信号、さらに排気ブレーキ操作スイ ッチ２１からの信号も入力し、これらに基づいて後述するように、前記開閉弁１ ３、燃料カットバルブ１１等の開度を制御する。

【００１５】 ここで、制御回路２０による制御動作を含めて全体の作用を説明する。

【００１６】 通常の運転時には、制御回路２０は燃料カットバルブ１１を開き、開閉弁１３ を閉じ、また、副絞弁６を全開に維持する。

【００１７】 アクセルペダル４に連動する吸気絞弁５の開度に応じて吸入空気量が制御され 、つまり混合器８で生成された混合気がエンジンに供給される。

【００１８】 吸気絞弁５の全開付近において、エンジン回転数が予め設定された最大回転数 を越えると、制御回路２０は副絞弁６の開度を所定の開度に減少させ、吸入空気 量を絞り、エンジン回転数を低下させ、過回転を防止する。なお、制御回路２０ は吸気絞弁５の作動不良など異常時にも副絞弁６を閉じ、エンジンの暴走等を回 避する。

【００１９】 次に、排気ブレーキの作動時、つまり排気ブレーキ操作スイッチ２１からの信 号が入力したときは、まず燃料カットバルブ１１を閉じ、次いで酸素センサ１４ の検出する酸素濃度を大気中の酸素濃度、すなわち、燃焼が行われないときの酸 素濃度と比較し、吸気通路２に燃料が存在しないことを確認する。

【００２０】 そして、この確認後に開閉弁１３を開くと共に排気シャッタ１５を閉じる。こ れにより、バイパス通路１２から吸気絞弁５と副絞弁６を迂回して、吸入空気が エンジン本体１に流れ、閉じた排気シャッタ１５がエンジン本体１から排出され る排気の流れを阻止し、これにより排気通路３の圧力が高まり、つまりエンジン のポンピングロスが大きくなり、十分に排気ブレーキを効かすことができる。

【００２１】 とくに高速走行から減速時など、エンジン回転数が最大回転数に達し、吸気絞 弁５に加えて副絞弁６が閉じているときでも、バイパス通路１２から吸入空気を 流すことで、排気ブレーキ（エンジンブレーキ）の効きを悪くする吸入負圧の増 大を防ぐことができるのである。

【００２２】

【考案の効果】

以上のように本考案は、排気通路に排気ブレーキ作動信号の発生により閉じる 排気シャッタを備えたエンジンの排気ブレーキ装置において、吸気通路に介装し た吸気絞弁と、吸気絞弁と直列に配置した最高回転を制限する副絞弁と、これら 吸気絞弁と副絞弁とを迂回して吸気を流すバイパス通路と、排気ブレーキの作動 信号の発生時に燃料供給を遮断する手段と、同じく排気ブレーキの作動信号の発 生時にバイパス通路を開く開閉弁とを備えたため、排気ブレーキ作動時に、吸気 絞弁と副絞弁をバイパスして吸入空気をエンジンに送り込むことができ、高回転 からの減速時にも、確実に排気ブレーキを効かすことができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示す概略構成図である。

【符号の説明】 １ エンジン本体 ２ 吸気通路 ３ 排気通路 ５ 吸気絞弁 ６ 副絞弁 ８ 混合器 １１ 燃料カットバルブ １２ バイパス通路 １３ 開閉弁 １５ 排気シャッタ １７ 回転数センサ ２０ 制御回路 ２１ 排気ブレーキ操作スイッチ

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)考案者 野津 育朗 埼玉県上尾市大字壱丁目一番地 日産ディ ーゼル工業株式会社内 (72)考案者 宮田 達司 埼玉県上尾市大字壱丁目一番地 日産ディ ーゼル工業株式会社内

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 排気通路に排気ブレーキ作動信号の発生
   により閉じる排気シャッタを備えたエンジンの排気ブレ
   ーキ装置において、吸気通路に介装した吸気絞弁と、吸
   気絞弁と直列に配置した最高回転を制限する副絞弁と、
   これら吸気絞弁と副絞弁とを迂回して吸気を流すバイパ
   ス通路と、排気ブレーキの作動信号の発生時に燃料供給
   を遮断する手段と、同じく排気ブレーキの作動信号の発
   生時にバイパス通路を開く開閉弁とを備えたことを特徴
   とするエンジンの排気ブレーキ装置。