JPH07218719A - 楕円偏光板 - Google Patents

楕円偏光板

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JPH07218719A
JPH07218719A JP3547794A JP3547794A JPH07218719A JP H07218719 A JPH07218719 A JP H07218719A JP 3547794 A JP3547794 A JP 3547794A JP 3547794 A JP3547794 A JP 3547794A JP H07218719 A JPH07218719 A JP H07218719A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、実装時の高温・高湿条件において
も位相差フィルムと偏光フィルムのズレが生じることな
く良好で、更には装着時の再剥離性や視野角にも優れた
楕円偏光板を提供する。 【構成】 粘着剤層(1)/保護層/ポリビニルアルコ
ール系位相差フイルム/保護層/粘着剤層(2)/偏光
フィルムからなる楕円偏光板において、粘着剤層(1)
の厚みd1と粘着剤層(2)の厚みd2をd1/d2=0.
1〜0.95とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はSTN型液晶ディスプレ
イの着色防止等に用いられる楕円偏光板に関する。
【0002】
【従来の技術】STN(Super Twisted
Nematic)型液晶の複屈折性を利用した高コント
ラストな液晶ディスプレイはパーソナルコンピューター
やワードプロセッサなどに用いられている。かかるディ
スプレイは液晶の複屈折性に基づくため表示が一般に青
色系統ないし黄色系統に着色する。そのためSTN型液
晶の複屈折による位相差を補償し、楕円偏光を直線偏光
に戻して着色を打ち消す手段が講じられている。その手
段として偏光板と複屈折性フイルムからなる位相差板と
からなる楕円偏光板を用いる方式が提案されている。こ
の方式はFTN方式などと呼ばれており、単層セルによ
る白黒表示を可能にして、それまでの別途の液晶セルを
重ね合わせるD−STN方式の嵩高や高重量問題を解消
している。
【0003】位相差板用の原材料には透明度、耐熱性、
光学的な均質性加工性などを備えたポリビニルアルコー
ル系、ポリカーボネート系、アクリル系、ポリエステル
系などが用いられており、特に単体透過率、加工性及び
白表示等に優れた性質を有し、又コストが安価であるポ
リビニルアルコール系位相差フイルムが広く用いられて
いる。
【0004】しかしながら、かかるポリビニルアルコー
ル系位相差フイルムは耐湿性に劣り、高湿度雰囲気下に
おいて位相差板の性質(リターデーション値(R値)、
フイルム又はシートの重量、寸法など)が大きく変動す
るため、位相差フイルムの片面又は両面には三酢酸セル
ロース、二酢酸セルロース等のセルロース系フイルム、
ポリカーボネート系フイルム、ポリメチルメタクリレー
ト系フイルム、ポリスチレン系フイルム、ポリエチレン
テレフタレート等のポリエステル系フイルム、ポリサル
ホン系フイルム等の高分子フイルムを保護層として形成
することが試みられており、楕円偏光板として用いられ
る際には、離型フイルム/粘着剤層/保護層/接着剤層
/ポリビニルアルコール系位相差フイルム/接着剤層/
保護層/粘着剤層/偏光フイルムを積層した構成を有し
ている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、該積層
体の場合、該保護層により位相差フィルムに対する外部
からの悪影響はある程度防げるものの、該粘着剤層に用
いられている粘着剤の特性により楕円偏光板の物性が大
きく影響を受けることは言うまでもないことである。そ
の影響の一つに該積層体の寸法安定性が挙げられる。つ
まり、該積層体を液晶セル等のガラス版に実装した場合
に、温度・湿度条件により位相差フィルムと偏光フィル
ムがそれぞれ異なった挙動を示し、その結果フィルム同
士のズレが生じる危険性がある。
【0006】
【課題を解決するための手段】しかるに本発明者等はか
かる課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、粘着剤層
(1)/保護層/ポリビニルアルコール系位相差フイル
ム/保護層/粘着剤層(2)/偏光フィルムからなる楕
円偏光板において、粘着剤層(1)の厚みd1と粘着剤
層(2)の厚みd2がd1/d2=0.1〜0.95であ
る楕円偏光板は、実装時の高温・高湿条件においても位
相差フィルムと偏光フィルムのズレが生じることなく良
好であり、更にはガラス面との貼着時における再剥離性
(ガラス面への糊残りが少なく、通常、剥離強度が1.
0kg/25mm未満のものが貼り直しが容易)にも優
れることを見出し、本発明を完成するに至った。尚、本
発明で言う粘着剤層の厚みとは、固形分換算での値を意
味し、揮発性成分を含有する粘着剤においては乾燥後の
厚みを言う。
【0007】以下本発明について詳述する。本発明の粘
着剤層に用いられる粘着剤としては、特に限定されずア
クリル系、ゴム系(SBR,SB,SIS,SBS,天
然ゴム,BR,EPR等)、ポリオレフィン系、シリコ
ーン系等の粘着剤が使用され得るが、本発明の如き光学
用途においては、アクリル系粘着剤が好ましい。該アク
リル系粘着剤は、通常、硬化剤との併用で粘着剤層に供
される。アクリル系粘着剤の具体的な構成成分として
は、ガラス転移温度の低く柔らかいモノマー成分やガラ
ス転移温度の高く硬いコモノマー成分、更に必要に応じ
少量の官能基含有モノマー成分が挙げられる。
【0008】前記の主モノマー成分としては、アクリル
酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸iso−
ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ラ
ウリル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸シクロヘキシ
ル等のアルキル基の炭素数2〜12程度のアクリル酸ア
ルキルエステルやメタクリル酸n−ブチル、メタクリル
酸iso−ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、
メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸ベンジル、メタク
リル酸シクロヘキシル等のアルキル基の炭素数4〜12
程度のメタクリル酸アルキルエステルなどが挙げられ、
前記のコモノマー成分としては、アクリル酸メチルやメ
タクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸
プロピル等のアルキル基の炭素数1〜3のメタクリル酸
アルキルエステル、酢酸ビニル、アクリロニトリル、メ
タクリロニトリル、スチレンなどが挙げられる。
【0009】前記以外に官能基含有モノマー成分として
は、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等のモノカ
ルボン酸、マレイン酸、フマール酸、シトラコン酸、グ
ルタコン酸、イタコン酸等の多価カルボン酸、及びこれ
らの無水物等のカルボキシル基含有モノマーや2−ヒド
ロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプ
ロピル(メタ)アクリレート、3−クロロ−2−ヒドロ
キシルプロピル(メタ)アクリレート、ジエチレングリ
コールモノ(メタ)アクリレート等やN−メチロールア
クリルアミド等のヒドロキシル基含有モノマー等の他に
(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチルメタク
リレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジ
ルエーテル等が挙げられる。
【0010】かかる官能基含有モノマー成分のうちで、
特にカルボキシル基含有モノマーの使用が好ましい。か
かる主モノマー成分の含有量は、他に含有させるコモノ
マー成分や官能基含有モノマー成分の種類や含有量によ
り一概に規定できないが、一般的には上記主モノマーを
50重量%以上含有させることが好ましい。
【0011】本発明のアクリル系樹脂は、主モノマー、
コモノマー、更に必要に応じて官能基含有モノマーを有
機溶剤中でラジカル共重合させる如き、当業者周知の方
法によって容易に製造される。
【0012】前記重合に用いられる有機溶剤としては、
トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、酢酸エチ
ル、酢酸ブチルなどのエステル類、n−プロピルアルコ
ール、iso−プロピルアルコールなどの脂肪族アルコ
ール類、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケト
ン、シクロヘキサノンなどのケトン類などが挙げられ
る。前記ラジカル重合に使用する重合触媒としては、通
常のラジカル重合触媒であるアゾビスイソブチロニトリ
ル、ベンゾイルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオ
キサイド、クメンハイドロパーオキサイドなどが具体例
として挙げられる。
【0013】かかるアクリル系粘着剤は、本発明の効果
をより顕著に発揮させるために0.001〜10重量
%、好ましくは0.01〜5重量%程度の硬化剤が混合
される。硬化剤としての代表的なものはイソシアネート
系化合物、エポキシ系化合物、アルデヒド系化合物、ア
ミン化合物、金属塩、金属アルコキシド、金属キレート
化合物、アンモニウム塩及びヒドラジン化合物等が例示
される。
【0014】硬化剤のうちイソシアネート系化合物とし
ては、トリレンジイソシアネート、水素化トリレンジイ
ソシアネート、トリメチロールプロパンのトリレンジイ
ソシアネートアダクト、トリメチロールプロパンのキシ
リレンジイソシアネートアダクト、トリフェニルメタン
トリイソシアネート、メチレンビス(4−フェニルメタ
ン)トリイソシアネート、イソホロンジイソシアネート
など、及びこれらのケトオキシムブロック物またはフェ
ノールブロック物などが挙げられる。
【0015】エポキシ系化合物としては、ビスフェノー
ルA・エピクロルヒドリン型のエポキシ樹脂、エチレン
グリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコ
ールジグリシジルエーテル、グリセリンジまたはトリグ
リシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシ
ジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジル
エーテル、ジグリシジルアニリン、ジグリシジルアミ
ン、N,N,N’,N’−テトラグリシジルm−キシレ
ンジアミン、1,3−ビス(N,N’−ジグリシジルア
ミノメチル)シクロヘキサンなどが挙げられる。
【0016】アルデヒド系化合物としては、グリオキザ
ール、マロンジアルデヒド、スクシンジアルデヒド、マ
レインジアルデヒド、グルタルジアルデヒド、ホルムア
ルデヒド、アセトアルデヒド、ベンズアルデヒドなどが
挙げられる。アミン化合物としては、ヘキサメチレンジ
アミン、トリエチルジアミン、ポリエチレンイミン、ヘ
キサメチレンテトラミン、ジエチレントリアミン、トリ
エチルテトラミン、イソフォロンジアミン、アミノ樹
脂、メラミン樹脂などが挙げられる。
【0017】金属塩としては、アルミニウム、鉄、銅、
亜鉛、スズ、チタン、ニッケル、アンチモン、マグネシ
ウム、バナジウム、クロム、ジルコニウムなどの多価金
属の塩化物、臭化物、硝酸塩、硫酸塩、酢酸塩などの
塩、たとえば、塩化第二銅、塩化アルミニウム、塩化第
二鉄、塩化第二スズ、塩化亜鉛、塩化ニッケル、塩化マ
グネシウム、硫酸アルミニウム、酢酸銅、酢酸クロムな
どが挙げられる。金属アルコキシドとしては、テトラエ
チルチタネート、テトラエチルジルコネート、アルミニ
ウムイソプロピオネートなどが挙げられる。
【0018】金属キレート化合物としては、アルミニウ
ム、鉄、銅、亜鉛、スズ、チタン、ニッケル、アンチモ
ン、マグネシウム、バナジウム、クロム、ジルコニウム
等の多価金属のアセチルアセトンやアセト酢酸エステル
配位化合物などが挙げられる。アンモニウム塩として
は、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、酢酸アンモ
ニウム、プロピオン酸アンモニウムなどが挙げられる。
ヒドラジン化合物としては、ヒドラジン、ヒドラジンヒ
ドラート、およびそれらの塩基塩、硫酸塩、リン酸塩等
の無機塩類、ギ酸、シュウ酸等の有機酸塩類が挙げられ
る。
【0019】本発明におけるポリビニルアルコール系位
相差フィルムとは、ポリビニルアルコール系(以下PV
A系と略する。)の一軸延伸フイルム又はシートが用い
られる。該フイルム又はシートを構成するPVA系の材
料としては、PVA、PVAを酸の存在下でアルデヒド
類と反応させた、例えばポリビニルブチラール樹脂、ポ
リビニルホルマール樹脂などのいわゆるポリビニルアセ
タール樹脂およびその他共重合によるPVA誘導体が挙
げられるが、これらに限定されるものではない。これら
のうちでは、耐熱性が良好であるという点から、高ケン
化度で高重合度のPVAが好ましい。即ち、ケン化度は
95モル%以上が好ましく、更には99モル%以上、特
には99.5モル%以上であって、重合度1000以
上、望ましくは1000〜3000のものが好ましい。
【0020】前記PVA系の一軸延伸フイルム又はシー
トとは、PVA系樹脂をキャスト法、押出法、カレンダ
ー法などの通常の方法で成膜した原反フイルム又はシー
トを1.1〜4倍、好ましくは1.1〜1.5倍程度一
軸延伸し、150〜250℃で10秒以上、好ましくは
200〜230℃で20秒以上熱処理して得られた厚さ
30〜60μm程度、好ましくは40〜50μm程度の
ものであり、物性的にはリターデーション値が30〜8
00nm程度で、未だ耐湿性を有しない基材である。
【0021】光学主軸が一定で、かつ光学的色斑が少な
い位相差板をうるためには原反フイルムまたはシート
は、厚さ精度が良好であり、できるだけ光学的に均質な
ものであるのが好ましい。フイルムまたはシートに成膜
時にダイラインなどが発生することは好ましくない。本
発明において光学的に色斑が小さい位相差フイルムをう
るためには、延伸前のフイルム幅Aと延伸後のフイルム
幅Bとから定義されるネックイン率(100×(A−
B)/A)を20%以下に抑えることが好ましい。
【0022】前記一軸延伸する方法としては、たとえば
多数のロールの間をフイルムを通過させることによって
フイルムの予熱を行い、ついで2対の延伸ロールにより
所定の倍率に延伸する方法、多数のロール間をフイルム
を通過させる間に予熱と段階的な延伸を併行して行いな
がら、所定の倍率にまでもっていく方法、テンター法に
より巾方向に延伸する横一軸延伸法などの方法が採用さ
れうる。
【0023】延伸は、目的とする位相差板の用途に応じ
て適宜に行われる。即ち、リターデーション値とは、主
延伸方向(MD方向)、およびこれに垂直な方向(TD
方向)における屈折率差(IIMD−IITD)と位相差フイル
ムまたはシートの厚さの(d)との積で定義され、直交
関係にある直線偏光が同位相で入射した場合の透過光の
位相差を意味するリターデーション値(R値)が、使用
光線の波長(λ)の例えば1/4の値となるように延伸
処理を行った場合には、1/4波長板が得られ、1/2
の値となるように延伸処理を行った場合には、1/2波
長板が得られることとなる。
【0024】使用光線が可視光線である場合、1/4波
長板としてのリターデーション値は95〜170nmの
範囲となる。従って、この範囲にある1/4波長板と直
線偏光子とを組合わせることによって、ある可視光線に
おける正確な円偏光が得られることになる。本発明によ
るPVA系位相差板には、紫外線吸収剤や安定剤などの
各種の添加剤が添加されていてもよい。また、延伸後に
行われる熱処理によりその分子配合が恒久的なものとさ
れる。
【0025】該位相差フィルムの両面に用いられる保護
層としては、セルローストリアセテートシート、ポリカ
ーボネートシート、ポリメチルメタクリレートシートを
はじめとする光等方性の透明シートが挙げられる。その
厚さは、20〜200μm程度である。
【0026】本発明における偏光フイルムは、特に限定
はなく、偏光素膜をそのまま用いることもできるが、通
常は偏光素膜の少なくとも片面(通常は両面)に保護層
を積層したものを用いる。ここで偏光素膜とては、ビニ
ルアルコール系重合体/ヨウ素系、ビニルアルコール系
重合体/2色性染料系、ビニルアルコール系重合体/ポ
リエン系、ポリハロゲン化ビニル/ポリエン系、ポリア
クリロニトリル/ポリエン系、ポリ(メタ)アクリレー
ト/ポリエン系、ポリカーボネート系などが挙げられ
る。上記中、ビニルアルコール系重合体とは、ポリビニ
ルアルコールやエチレン−ビニルアルコール共重合体な
どである。保護層としては、セルローストリアセテート
シート、ポリカーボネートシート、ポリメチルメタクリ
レートシートをはじめとする光等方性の透明シートが挙
げられる。その厚さは120〜200μm程度である。
【0027】本発明の最大の特徴は、上記の如き粘着剤
層、ポリビニルアルコール系位相差フィルム及び偏光フ
ィルムを用いた粘着剤層(1)/保護層/ポリビニルア
ルコール系位相差フイルム/保護層/粘着剤層(2)/
偏光フィルムからなる楕円偏光板において、粘着剤層
(1)の厚みd1と粘着剤層(2)の厚みd2をd1/d2
=0.1〜0.95にコントロールするところにあり、
粘着剤層(1)の厚みd1と粘着剤層(2)の厚みd2
上記の条件を外れると本発明の効果を得ることはできな
い。即ち、d1/d2が0.1よりも小さい場合は、耐久
時に剥離を生じ、逆に0.95よりも大きい場合は、偏
光板と位相差板にずれを生じるので不適当である。好ま
しくはd1/d2=0.2〜0.8で、更に好ましくはd
1/d2=0.4〜0.6である。
【0028】また、本発明の粘着剤層(1)と粘着剤層
(2)の粘着剤は、それぞれ異なった配合組成の粘着剤
を用いることも可能であるが、作業効率、コスト面等か
ら同一の粘着剤を用いたほうが好ましい。更に、粘着剤
層(1)の厚みは、1〜50μm、好ましくは5〜25
μmの範囲から好適に選択され、該厚みが1μm以下で
は粘着力が低下し、50μm以上では、粘着剤の凝集破
壊が見られ再剥離性が低下する傾向があり好ましくな
い。
【0029】本発明の楕円偏光板は、通常、粘着剤層
(1)/保護層/ポリビニルアルコール系位相差フイル
ム/保護層/粘着剤層(2)/偏光フィルムの積層体の
粘着剤層(1)の外側に離型フィルムを設けられて、離
型フィルム/粘着剤層(1)/ポリビニルアルコール系
位相差フイルム/粘着剤層(2)/偏光フィルムの積層
体とされる。かかる離型フイルムは、ポリエステルやポ
リオレフィン等のプラスチックフイルムの片面又は両面
を剥離剤で処理したものであり、一般的にポリエステル
フイルムにシリコーン系剥離剤をコーティングしたもの
を使用する。その厚さは30〜50μm程度である。
【0030】かかる楕円偏光板を液晶ディスプレイ等に
貼り付ける場合には離型フイルムを剥がして粘着剤層
(1)を液晶ディスプレイ等のガラス基板に貼り付け
る。かくして得られた楕円偏光板はSTN型液晶セル等
の複屈折性液晶セルを用いたディスプレイにおける位相
差による着色の打ち消しに好ましく用いられる。
【0031】
【作 用】本発明の粘着剤層(1)/保護層/ポリビ
ニルアルコール系位相差フイルム/保護層/粘着剤層
(2)/偏光フィルムからなる楕円偏光板は、粘着剤層
(1)の厚みと粘着剤層(2)の厚みの比が特定の値に
コントロールされているため、実装時の高温・高湿条件
においても位相差フィルムと偏光フィルムのズレが生じ
ることなく良好で装着時の再剥離性にも優れSTN型液
晶セル等の複屈折性液晶セルを用いたディスプレイに大
変有用である。
【0032】
【実施例】以下、本発明について実例を挙げ更に詳述す
る。尚、「部」及び「%」とあるのは重量基準である。 アクリル系粘着剤組成物(A) 還流管、温度計付きの重合反応缶に、酢酸エチル50部
と、重合触媒として、アゾビスイソブチロニトリル0.
03部を入れ、沸点まで昇温し、ブチルアクリレート6
7%、メチルアクリレート30%、アクリル酸3%を2
時間かけて滴下仕込みを行った。重合率95%になるま
で反応を行い、希釈溶剤として、酢酸エチルとトルエン
混合溶剤にて、希釈を行った結果、樹脂分30%、粘度
が4000cps/25℃の粘着剤を得た。この粘着剤
に対して硬化剤として、トリメチロールプロパントリレ
ンジイソシアネートアダクトの75%液を1.5部混合
して粘着剤組成物とした。
【0033】アクリル系粘着剤組成物(B) アクリル系粘着剤組成物(A)において硬化剤としてト
リメチロールプロパントリレンジイソシアネートアダク
トの75%液を0.5部配合した以外は同例に従って粘
着剤組成物を得た。 アクリル系粘着剤組成物(C) アクリル系粘着剤組成物(A)においてモノマー成分と
してブチルアクリレート67%、メチルアクリレート2
8.7%、アクリル酸4%、2−ヒドロキシエチルメタ
アクリレート0.3%を使用した以外は同例に従って重
合を行い粘着剤を得た。かかる粘着剤に硬化剤としてト
リメチロールプロパントリレンジイソシアネートの75
%液を1.5部混合して粘着剤組成物を得た。
【0034】実施例1 平均重合度2000、平均ケン化度99.7モル%の厚
さ60μmの一軸延伸ポリビニルアルコールフイルム
(R値=410nm、延伸倍率1.15倍、延伸後22
0℃で30秒間熱処理したもの)の両面に保護層として
厚さ80μmの三酢酸セルロースを積層した3層積層体
の片面に粘着剤層(2)としてアクリル系粘着剤組成物
(A)を厚さ30μm(固形分換算)になるように塗布
し、他の面にも同様にして粘着剤層(1)として厚さ1
5μm(固形分換算)になるようにアクリル系粘着剤組
成物(A)を塗布した。続いて厚さ30μmの塗布面に
にポリビニルアルコール系延伸フイルムをヨウ素で染色
処理してなる厚さ180μmの偏光フイルム(透過率4
1%、偏光度99.9%)をそれぞれの延伸軸のなす角
が45°となる様に積層貼着し、もう一方の厚さ15μ
mの塗布面に厚さ40μmのポリエステル系離型フイル
ムを積層して楕円偏光板を得た。
【0035】かかる楕円偏光板(200mm×200m
m)において、離型フイルムを剥がし粘着剤層(厚さ1
5μmの塗布面)に厚さ1.1mmのガラス基板(20
0mm×200mm)を積層したものを試験試料とし、
40℃×95%Rhの雰囲気中で25時間放置後の寸法
変化及びバビネ型コンペンセーター付の偏光顕微鏡(ニ
コンPOH−I型)に自在回転台を取り付け、サンプル
を位相差フイルムの延伸方向(MD)に50゜傾斜させ
て延伸方向(MD)及び幅方向(TD)の視野角を調べ
た。なお、視野角(α)は、(50゜傾斜時の測定値)
/(入射光に対して垂直時の測定値)より計算した値を
示す。更に、別途ガラス基板積層試験料を作製し、ガラ
ス基板貼着直後の剥離強度(再剥離性)を調べた。尚、
剥離速度は200mm/min。
【0036】実施例2〜6及び比較例1,2 実施例1において表1で示す如きアクリル系粘着剤及び
塗布厚み変化させた以外は同例に準じて測定を行った。
結果をまとめて表2に示す。
【0037】
【表1】 アクリル系粘着剤 粘着剤層の厚み(μm) 粘着剤層の比 粘着剤層(1) 粘着剤層(2) (1)/(2) 実施例1 (A) 15 30 0.5 〃 2 (A) 20 35 0.57 〃 3 (A) 10 25 0.4 〃 4 (B) 10 25 0.4 〃 5 (B) 10 17 0.6 〃 6 (C) 10 22 0.45 比較例1 (A) 25 25 1.0 〃 2 (A) 5 100 0.05
【0038】
【表2】 寸法変化 視野角(α) 剥離強度 MD TD (kg/25mm) 実施例1 0.5 1.17 0.84 0.6 〃 2 0.6 1.13 0.83 0.8 〃 3 0.7 1.15 0.86 0.4 〃 4 0.5 1.15 0.87 0.4 〃 5 0.7 1.16 0.86 0.4 〃 6 0.5 1.17 0.85 0.4 比較例1 端部に1mmのズレ発生 1.20 0.77 1.2 〃 2 端部に1.5mmのズレ発生 1.26 0.79 0.2
【0039】
【発明の効果】本発明の粘着剤層(1)/保護層/ポリ
ビニルアルコール系位相差フイルム/保護層/粘着剤層
(2)/偏光フィルムからなる楕円偏光板は、粘着剤層
(1)の厚みと粘着剤層(2)の厚みの比が特定の値に
コントロールされているため、実装時の高温・高湿条件
においても位相差フィルムと偏光フィルムのズレが生じ
ることなく良好で装着時の再剥離性にも優れSTN型液
晶セル等の複屈折性液晶セルを用いたディスプレイに大
変有用である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成7年3月13日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0034
【補正方法】変更
【補正内容】
【0034】実施例1 平均重合度2000、平均ケン化度99.7モル%の厚
さ60μmの一軸延伸ポリビニルアルコールフイルム
(R値=410nm、延伸倍率1.15倍、延伸後22
0℃で30秒間熱処理したもの)の両面に保護層として
厚さ80μmの三酢酸セルロースを積層した3層積層体
の片面に粘着剤層(2)としてアクリル系粘着剤組成物
(A)を厚さ30μm(固形分換算)になるように塗布
し、他の面にも同様にして粘着剤層(1)として厚さ1
5μm(固形分換算)になるようにアクリル系粘着剤組
成物(A)を塗布した。続いて厚さ30μmの塗布面に
ポリビニルアルコール系延伸フイルムをヨウ素で染色処
理してなる厚さ180μmの偏光フイルム(透過率41
%、偏光度99.9%)をそれぞれの延伸軸のなす角が
45°となる様に積層貼着し、もう一方の厚さ15μm
の塗布面に厚さ40μmのポリエステル系離型フイルム
を積層して楕円偏光板を得た。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粘着剤層(1)/保護層/ポリビニルア
    ルコール系位相差フイルム/保護層/粘着剤層(2)/
    偏光フィルムからなる楕円偏光板において、粘着剤層
    (1)の厚みd1と粘着剤層(2)の厚みd2がd1/d2
    =0.1〜0.95であることを特徴とする楕円偏光
    板。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US8399090B2 (en) 2005-10-18 2013-03-19 Nitto Denko Corporation Pressure-sensitive adhesive composition, pressure-sensitive adhesive layer, process for producing the pressure-sensitive adhesive layer, and optical member with pressure-sensitive adhesive

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