JPH07218103A - 冷蔵庫 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 観音開き式冷蔵庫における扉構造を大幅に変
更すること無く、隣り合う扉間の隙間寸法を見かけ上小
さくし、外観の優れた冷蔵庫を提供する。 【構成】 一方の扉３に、隣り合う扉の着磁面を形成す
る回転仕切体９を備え、この回転仕切体９に着磁する磁
石内蔵形パッキング１０，１１および鰭状部１３，１４
を隣り合う扉３，４に備え、各扉に扉外板５面より突出
する帯状ハンドル８を備え、隣り合う扉を観音開きに開
閉するようにした冷蔵庫において、帯状ハンドル８の把
手部８ａに、扉外板５より突出したところで、かつ、隣
り合う扉のパッキングの鰭状部１３，１４の回動軌跡Ｍ
に干渉しない範囲に、互いに隣り合うハンドルとの間隙
を狭くするふくらみ部Ｒを形成し、みかけ上の扉間隙間
寸法をＧ１からＧ２に縮めた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、冷蔵庫に係り、特に一
方の扉に、隣り合う扉の着磁面を有する回転仕切体を具
備し、この回転仕切体に着磁するシール用パッキングお
よび鰭状部を前記隣り合う扉に備え、各扉に帯状ハンド
ルを取り付け、これら隣り合う扉を観音開きに開閉する
ようにした冷蔵庫のハンドル形状の改良に関するもので
ある。

【０００２】

【従来の技術】この種、隣り合う扉の着磁面を形成する
回転仕切体を具備した冷蔵庫の従来例としては、例え
ば、特開平２−８５６８０号公報、あるいは実開平５−
１７４８０号公報記載の技術が知られている。これら
は、観音開き式の冷蔵庫において、隣接する扉間の隙間
を狭く見せる工夫をしたものである。上記従来例の前者
を図７ないし図９を参照して説明する。図７は、従来の
観音開き式冷蔵庫の外観を示す斜視図、図８は、図７の
冷蔵庫の扉の要部断面図、図９は、図８の扉のパッキン
グのシール構造を示す説明図である。

【０００３】図７〜図９において、２１は冷蔵庫本体、
２２，２３は、冷蔵庫本体２１が形成する庫内Ｐを外気
から密閉する扉である。この扉２２，２３は、観音開き
式のものであり、一方の扉２３には、隣り合う両扉２
２，２３のシール用パッキング２４，２５を着磁させる
回転仕切体２６を具備している。２７は、扉２３の庫内
側に取付けられた扉内板で、この扉内板２７に先の回転
仕切体２６は図８に示すように取り付けられている。

【０００４】２８は、上記回転仕切体２６を図８に示す
如く扉開閉に連動して回動させるガイドである。回転仕
切体２６の実線はシール用パッキング２４，２５を着磁
させた状態、破線は回転仕切体２６を畳み込んだ状態を
示す。通常、回転仕切体２６とガイド２８との間には、
図９に斜線で示した部分に間隙Ｑができる。この間隙Ｑ
は、庫内と庫外を連通してしまうものであるために、何
等かの方法でシールする必要がある。図９に示す従来例
においては、この間隙を先のシール用パッキング２４，
２５に具備された鰭状部２９，３０の重ね合わせによっ
て密封（シール）しているものである。

【０００５】この種構造の冷蔵庫にあっては、前記鰭状
部２９，３０の変形を防止する上でも扉２２，２３間に
は隙間Ｇを必要とする。この隙間Ｇは、図８からも明ら
かな如く、扉２３を回転軸３１を中心に回動させて開く
とき、鰭状部２９の先端ができるだけ扉２２側に干渉し
ないようにするためのものである。

【０００６】次に、従来例の後者を図１０を参照して説
明する。図１０は、従来の冷蔵庫における冷蔵庫本体と
扉とを示す略示断面図である。この例は、観音開き式冷
蔵庫において隣り合う扉間にできる隙間Ｇ２寸法を小さ
くする工夫をした冷蔵庫の例であり、左右扉の対向面の
隙間を、扉の後方で広くし、扉の前方で狭く形成したも
のである。

【０００７】図１０において、３２は冷蔵庫本体で、こ
の冷蔵庫本体３２は、その内部に庫内Ｐ１，Ｐ２を有し
ている。３３，３４は上記庫内Ｐ１，Ｐ２の前面開口部
を閉塞する扉である。この扉３３，３４は、肉厚方向で
図に示す如く、庫内Ｐ１，Ｐ２側に向かって傾斜し、隣
接部において、扉間寸法が Ｇ２＜Ｇ１ となるように
形成している。これは、扉３３，３４を回転軸３５，３
６を中心に回動させたとき、その軌跡の途中で扉端点３
３ａ，３４ａが互いに他側の扉に近づき当たるのを防止
するための工夫である。

【０００８】

【発明が解決しようとする課題】このような構成の従来
の冷蔵庫においては、次に示すような問題点があった。
まず、図７ないし図９に示す冷蔵庫において、鰭状部２
９，３０先端と回転軸３１との間を結ぶ回転半径Ｌ１
が、扉側縁と回転軸との間を結ぶ回転半径Ｌ２より長い
分、鰭状部２９の描く軌跡Ｍ（破線矢印）は、扉側縁よ
り飛び出す。このため、扉間隙間Ｇは、干渉防止のため
にも、例えば１０〜１５ｍｍ必要となり、外観を阻害す
るという問題があった。

【０００９】また、図１０に示す冷蔵庫においては、間
隙Ｇ２は１０ｍｍ以下と小さくできるが、扉３３，３４
を、前述のように、左右扉の対向面の隙間を、扉の後方
で広くし、扉の前方で狭く作るのに製作工数がかかると
いう問題があった。

【００１０】本発明は、上記従来技術の問題点を解決す
るためになされたもので、観音開き式冷蔵庫における扉
構造を大幅に変更すること無く、隣り合う扉間の隙間寸
法を見かけ上小さくし、外観の優れた冷蔵庫を提供する
ことを目的とする。

【００１１】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る冷蔵庫のもっとも基本的な構成は、扉
外面より突出する帯状ハンドルを備え、隣り合う扉を観
音開きに開閉するようにした冷蔵庫において、上記帯状
ハンドルの把手部に、互いに隣り合うハンドルとの間隙
を狭くするハンドル形状を形成したものである。

【００１２】また、上記目的を達成するために、本発明
に係る冷蔵庫のより具体的な構成は、一方の扉に、隣り
合う扉の着磁面を形成する回転仕切体を備え、この回転
仕切体に着磁するシール用パッキングおよび鰭状部を前
記隣り合う扉に備え、各扉に扉外面より突出する帯状ハ
ンドルを備え、隣り合う扉を観音開きに開閉するように
した冷蔵庫において、上記帯状ハンドルの把手部に、上
記扉外面より突出したところで、かつ、隣り合う扉の各
シール用パッキングの鰭状部の回動軌跡に干渉しない範
囲に、互いに隣り合うハンドルとの間隙を狭くするハン
ドル形状を形成したものである。

【００１３】より詳しくは、互いに隣り合うハンドルと
の間隙を狭くするハンドル形状として、隣り合う扉の方
向に厚みを増したふくらみ部を形成したもの、あるい
は、部分的な突起部を形成したものである。

【００１４】なお付記すれば、本発明は、ドア面（扉外
板面）り突出する帯状ハンドル（エンドピースを含む）
を隣接する扉側縁に取り付け、上記ドア面より突出した
所でハンドル部を互いに近接させるようにして、扉間隙
を見かけ上小さくしたものである。このとき、本発明に
おいては、発泡断熱材が充填されて作られる扉と別のハ
ンドル形状でこの隙間を小さくすることができるもので
あるから、従来の回転仕切体付きの冷蔵庫のように扉を
特別な形状に作る等の問題がない。

【００１５】

【作用】本発明は、回転仕切体とガイドとの間にできる
隙間部（従来例では図９のＱ）を閉塞するように設けた
鰭状部の回動軌跡に干渉しない範囲で、扉側端に取り付
けた帯状ハンドルの把手部を、互いに隣り合うハンドル
との間隙を狭くする方向にふくらませたものである。し
たがって、正面から見る扉間隙は小さくなり、扉開閉時
に鰭状部先端が扉に当り損傷することがない。このこと
により、見かけ上の扉間隙は縮小され、外観上優れた冷
蔵庫が得られるものである。

【００１６】

【実施例】以下、本発明の実施例を図１ないし図６を参
照して説明する。 〔実施例 １〕図１は、本発明の一実施例に係る冷蔵庫
の扉構造を示す要部断面図で、図２のＡ−Ａ矢視断面
図、図２は、本発明の一実施例に係る冷蔵庫の外観を示
す正面図、図３は、図１に示す扉の回動軌跡を示す要部
断面図、図４は、ハンドル構造を示す説明図、図５は、
図２の要部上面図である。

【００１７】まず、図１ないし図３において、１は冷蔵
庫本体で、この冷蔵庫本体１は、内部に冷凍室，冷蔵室
等の庫内２を形成している。３，４は、上記冷凍室の前
面開口部を閉塞する扉で、この扉３，４は、図１に示す
如く、扉外板５、扉内板６、およびこれら扉外板５，扉
内板６により構成される扉体内に発泡充填される断熱材
７等から構成されている。これら隣り合う扉３，４は、
回動ピン１２を中心に回動して開閉する観音開き式にな
っている。なお、扉外板５は、合成樹脂の合板等で作ら
れ、差し換え自在にしておくことにより、システムキッ
チン用冷蔵庫としての整合性を高めることができるもの
である。

【００１８】８は、扉外面５より突出する帯状ハンドル
で、このハンドル８は、扉３，４の両者の側端縁に後か
ら取付けられているものであり、先の断熱材７の充填時
には関係していないものである。また、各ハンドル８
は、ふくらみ部Ｒをもつ把手部８ａを有し、押出し成形
等により作られ帯状を成している。すなわち、このハン
ドルの把手部８ａは、扉外面５より突出したところより
外側で、互いに隣り合うハンドルとの間隙を狭くするハ
ンドル形状として、隣り合う扉の方向に厚みを増したふ
くらみ部Ｒを形成したものである。

【００１９】図３に示す９は、扉３の扉内板６に取り付
けられた回転仕切体で、この回転仕切体９は、図には示
していないが、ガイド等により図３の如く回動するもの
であり、先に説明した特開平２−８５６８０号公報記載
の従来技術、図７ないし図９で説明したものと同様の構
成のものである。また、１０，１１は、隣り合う扉３，
４に具備され、前記回転仕切体９に着磁する磁石内蔵形
パッキングである。１３，１４は、磁石内蔵形パッキン
グ１０，１１に設けられた鰭状部で、この鰭状部１３，
１４は、前記従来技術同様、回転仕切体９とガイド（図
示せず）との間にできる隙間から冷気が漏れるのを防止
するものである。

【００２０】かかる構成を有する冷蔵庫において、扉
３，４のいずれか一方を開くべく、ハンドル８をもって
扉３を開けようとすると、回転仕切体９は冷凍室の上下
端縁に取付けられたガイド（図示せず）により回動し、
破線に示す位置に折りたたまれる（図３参照）。この折
りたたまれた位置の軌跡は、図１に示す鰭状部１３の軌
跡Ｍ内に入る。したがって、この鰭状部１３の軌跡Ｍと
隣り合う扉４との位置関係が問題となる。

【００２１】扉３を開くときの鰭状部１３の描く軌跡は
図１に示す一点鎖線の矢印Ｍで示される。このとき、ハ
ンドル８は、扉外板５前面を通り過ぎた所から隣の反ハ
ンドル８側にふくらませてあるので、この回動軌跡Ｍと
は干渉しない。より詳しく説明すると、鰭状部１３，１
４先端と回動ピン１２との間を結ぶ回転半径Ｌ１は、扉
側縁と回動ピン１２との間を結ぶ回転半径Ｌ２より長い
ことから鰭先端が描く回動軌跡はＭとなる。

【００２２】ハンドル８のふくらみ部Ｒは、前記軌跡Ｍ
から外れた所に設けられているものである。換言する
と、ハンドルの把手部８ａのふくらみ量は、磁石内蔵形
パッキング１０，１１の鰭状部１３，１４の回動軌跡Ｍ
に当らない所までに限定される。このふくらみ量が、図
１に示すように、互いに隣り合うハンドルとの間隙を狭
くし、間隙寸法Ｇ１をＧ２まで小さくする寸法である。
このようにすることにより、扉３，４間寸法は、従来同
様の寸法Ｇ１にしておきながら、見かけ上の隙間寸法Ｇ
２は小さくなるものである。

【００２３】図４および図５は、扉３，４に取り付ける
ハンドル形状を説明する図である。図において、８は、
押出し成形等で作られたハンドルで、このハンドル８の
上下には、エンドピース１６，１７，１８，１９が取り
付けられている。このエンドピース１６，１７，１８，
１９も、ハンドル８形状と同形状に作られているもので
ある。

【００２４】本実施例によれば、外観上の隙間寸法は扉
全体（縦方向）で小さくなり、意匠的に優れた冷蔵庫と
なる。したがって、システムキッチン用の冷蔵庫に本構
造を採用すると、周りの家具との整合性も一段と良くな
るものである。また、扉外板５を合成樹脂の合板等に
し、かつ、差し換え自由な構造としておくことにより、
上記整合性は一段と向上するものである。

【００２５】〔実施例 ２〕図６は、本発明の他の実施
例に係る冷蔵庫のハンドルの略示断面図である。図中、
図１と同一符号のものは先の実施例と同等部分である。
なお、図６に図示していない扉構造は先の実施例と同等
であるので、その説明を省略する。図６に示すハンドル
８Ａは、互いに隣り合うハンドルとの間隙を狭くするハ
ンドル形状として、部分的な突起部１５を形成したもの
である。この突起部１５も先のふくらみ部Ｒと同じよう
に、帯状ハンドルの把手部８ａに、扉外面より突出した
ところで、かつ、隣り合う扉の各シール用パッキングの
鰭状部の回動軌跡に干渉しない範囲に、互いに隣り合う
ハンドル４，５との間隙を狭くするように設けたもので
ある。

【００２６】図６に示す実施例によれば、先の第一の実
施例と全く同様の効果を得ることができるもので、従来
の扉構造を大巾に変更することなく、見かけ上の扉間隙
が縮小され、意匠的に優れた冷蔵庫を提供することがで
きる。

【００２７】

【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、観音開き式冷蔵庫における扉構造を大幅に変更す
ること無く、隣り合う扉間の隙間寸法を見かけ上小さく
し、外観の優れた冷蔵庫を提供することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例に係る冷蔵庫の扉構造を示す
要部断面図である。

【図２】本発明の一実施例に係る冷蔵庫の外観を示す正
面図である。

【図３】図１に示す扉の回動軌跡を示す要部断面図であ
る。

【図４】ハンドル構造を示す説明図である。

【図５】図２の要部上面図である。

【図６】本発明の他の実施例に係る冷蔵庫のハンドルの
略示断面図である。

【図７】従来の観音開き式冷蔵庫の外観を示す斜視図で
ある。

【図８】図７の冷蔵庫の扉の要部断面図である。

【図９】図８の扉のパッキングのシール構造を示す説明
図である。

【図１０】従来の冷蔵庫における冷蔵庫本体と扉とを示
す略示断面図である。

【符号の説明】

１…冷蔵庫本体、２…庫内、３，４…扉、５…扉外板、
６…扉内板、７…断熱材、８，８Ａ…ハンドル、８ａ…
把手部、９…回転仕切体、１０，１１…磁石内蔵形パッ
キング、１３，１４…鰭状部、１５…突起部、Ｒ…ふく
らみ部。

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 扉外面より突出する帯状ハンドルを備
   え、隣り合う扉を観音開きに開閉するようにした冷蔵庫
   において、 上記帯状ハンドルの把手部に、互いに隣り合うハンドル
   との間隙を狭くするハンドル形状を形成したことを特徴
   とする冷蔵庫。
2. 【請求項２】 一方の扉に、隣り合う扉の着磁面を形成
   する回転仕切体を備え、この回転仕切体に着磁するシー
   ル用パッキングおよび鰭状部を前記隣り合う扉に備え、
   各扉に扉外面より突出する帯状ハンドルを備え、隣り合
   う扉を観音開きに開閉するようにした冷蔵庫において、 上記帯状ハンドルの把手部に、上記扉外面より突出した
   ところで、かつ、隣り合う扉の各シール用パッキングの
   鰭状部の回動軌跡に干渉しない範囲に、互いに隣り合う
   ハンドルとの間隙を狭くするハンドル形状を形成したこ
   とを特徴とする冷蔵庫。
3. 【請求項３】 互いに隣り合うハンドルとの間隙を狭く
   するハンドル形状として、隣り合う扉の方向に厚みを増
   したふくらみ部を形成したことを特徴とする請求項１ま
   たは２記載のいずれかの冷蔵庫。
4. 【請求項４】 互いに隣り合うハンドルとの間隙を狭く
   するハンドル形状として、部分的な突起部を形成したこ
   とを特徴とする請求項１または２記載のいずれかの冷蔵
   庫。