JPH0721776Y2 - シリンダ錠 - Google Patents

シリンダ錠

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JPH0721776Y2
JPH0721776Y2 JP1989131340U JP13134089U JPH0721776Y2 JP H0721776 Y2 JPH0721776 Y2 JP H0721776Y2 JP 1989131340 U JP1989131340 U JP 1989131340U JP 13134089 U JP13134089 U JP 13134089U JP H0721776 Y2 JPH0721776 Y2 JP H0721776Y2
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Description

【考案の詳細な説明】 [考案の目的] (産業上の利用分野) 本考案はキーロータのタンブラ挿入孔に2個のハーフタ
ンブラが挿入されたシリンダ錠に関する。
(従来の技術) シリンダ錠では、キーを用いないで解錠する所謂ピッキ
ングと称せられる不正行為に対して、キーロータに摺動
可能でシリンダ本体のロック用係合溝に係合するタンブ
ラの個数を増加すればその防止の効果が向上するが、キ
ーロータに設けるタンブラの配設ピッチを過度に小さく
することができないから、タンブラの個数はキーロータ
及びキーの長さから決まってしまう。そこで、従来1つ
のタンブラ挿入孔に2個のハーフタンブラを挿入する事
によってキーロータ及びキーの長さを変えずにタンブラ
の総数を増加させて不正な解錠に対処するものが供され
ている。
(考案が解決しようとする課題) ところで、タンブラ挿入孔に2個のハーフタンブラを挿
入することによってタンブラの総数を増加させても、従
来のものは、片方のハーフタンブラをピッキングしてキ
ーロータを若干回動させた状態で残るもう片方のハーフ
タンブラをピッキングすれば、ピッキングは完了するも
のであり、ピッキングに要する時間や手間が掛かるよう
にしているが、ピッキングを確実に防止することは不可
能であった。
従って、本考案の目的は、不正な解錠即ちピッキングを
一層確実に防止できるシリンダ錠を提供するにある。
[考案の構成] (課題を解決するための手段) 本考案は、内周面にロック用係合溝を有するロータ挿入
孔が設けられたシリンダ本体を設け、このシリンダ本体
のロータ挿入孔にキー差込孔を有するキーロータを回動
可能に設け、このキーロータのキー差込孔に直交して両
端部が該キーロータの外周に貫通するタンブラ挿入孔を
設け、このタンブラ挿入孔に2個を並べてハーフタンブ
ラを摺動可能に配設し、キーが挿入されていない状態で
はこのハーフタンブラがばね部材により夫々一方向に移
動付勢されて端部に夫々設けられた各係合部が双方とも
単一の前記ロック用係合溝に挿入係合して前記キーロー
タの回動を阻止するようにし、これらハーフタンブラに
前記キー差込孔にキーが差込まれた時にキー山に係合し
て前記係合部を前記ロック用係合溝から係合解除させる
ように該ハーフタンブラを移動させるキー係合部を設
け、前記ハーフタンブラの一方がキー以外の何等かの手
段で移動されて前記係合部が前記ロック用係合溝から係
合解除されて前記キーロータが所定角度回動された時に
他方のハーフタンブラを通常時よりも前記ロック用係合
溝に深く係合させるガイド部を設け、前記ロックプレー
トが通常時よりも前記ロック用係合溝に深く係合された
時に前記キー係合部を隠蔽するように前記キーロータに
凸部を設けられた凸部を設けたことを特徴とするもので
ある。
(作用) 上記した手段では、ハーフタンブラの一方がキー以外の
何等かの手段で移動されて端部に設けられた係合部が前
記ロック用係合溝から係合解除されて前記キーロータが
所定角度回動された時に他方のハーフタンブラを通常時
よりも前記ロック用係合溝に深く係合させ、この状態で
キーロータに設けられた凸部が他方のハーフタンブラの
キー係合部を隠蔽するから、ピッキング工具をその部分
に係合させて該他方のハーフタンブラを移動することが
困難であり、従って、キーを用いないで解除する所謂ピ
ッキングの行為を確実に防止できる。
(実施例) 以下本考案の一実施例について図面を参照して説明す
る。筒状のシリンダ本体1の内面にはロータ挿入孔2が
設けられ、このロータ挿入孔2にはその中心線を挟んで
互いに対向する位置関係でロック用係合溝3及び4が設
けられている。ロータ挿入孔2に回動可能に設けられた
キーロータ5には、後述するキーを差込み可能な断面形
状で該キーロータ5の中心に沿って伸びるキー差込孔6
が設けられ、このキー差込孔6の内面には、キーに設け
られた後述する凹部に係合する凸部7,8が設けられてい
る。キーロータ5にはキー差込孔6に直角に交差して連
通状態を呈するスリット状のロックプレート挿入孔9が
所要個数(本実施例では8個)設けられている。これら
ロックプレート挿入孔9には1個おきに第4図に示す形
状のフルタンブラ10が摺動可能に配設され、キーが差込
まれていない状態では、それの一端部に設けられた係合
部10aが、コイルばね11の弾発力でロック用係合溝3又
は4に係合状態を呈している。このフルタンブラ10の中
央部に設けられたキー挿入孔12には、後述のキーが挿入
された時にキー山が係合するキー係合部12aが設けられ
ている。そして、残りのロックプレート挿入孔9には、
夫々2個のハーフタンブラ13,14が摺動可能に配設され
ている。これらのハーフタンブラ13,14はキーが差込ま
れていない状態では、第3図に示すようにそれらの一端
部に設けられた係合部13a,14aの双方が、コイルばね15,
15の弾発力で単一のロック用係合溝3に係合状態を呈し
ている。なお、キーロータ5の回転角度位置によって
は、係合部13a,14の双方が単一のロック用係合溝4に係
合する。これら2個のハーフタンブラ13,14は左右対称
のロックプレート挿入孔9の中心線上で端縁部同志が互
いに当接するようにして配設されている。これらハーフ
タンブラ13,14のキー挿入孔12に対応する部分には、キ
ー挿入用の凹状部16,17が設けられ、ここに後述するキ
ー山が係合するキー係合部16a,17aを設けるとともに、
後述するキーの主部と対応する面取り部16b,17bが夫々
設けられている。また、ハーフタンブラ13,14のばね受
け凸部13b,14bのロータ挿入孔2の内周部に対応する部
分にはこのロータ挿入孔2から離間するように傾斜した
ガイド部18,18が設けられている。
第6図及び第7図には、上記したシリンダ錠に用いるキ
ー19を示しているが、断面が矩形状の主部20にはキー差
込孔6の凸部7,8を逃げる形状の凹条部20a,20bが設けら
れており、この主部20に連続させて形成されたキー山形
成部21は、キー山をプレスによる打抜きが可能なように
主部20の厚さよりも薄く設定されている。そして、キー
ロータ5のキー差込孔6は、キー山形成部21に形成され
る第6図に示す最も高い山を通過させ得るようにその寸
法が設定されている。
次に上記構成の作用について説明する。キーロータ5の
キー差込孔6に正規のキー19が差込まれると、キー山形
成部21に形成された山部がフルタンブラ10のキー係合部
12a及びハーフタンブラ13,14のキー係合部16a,17aに係
合状態を呈して夫々コイルばね11及び15に抗して矢印A
方向に移動され、係合部11a,13a及び14aの各先端部分が
キーロータ5の外周と面一な状態になってロック用係合
溝3,4から外れるから、キー19を回動してキーロータ5
を回動して得る状態になる(第5図参照)。
次に正規のキーを用いないでピッキング工具によるピッ
キングが行われた場合の作用について説明する。例え
ば、全てのフルタンブラ10と右側に位置された全てのハ
ーフタンブラ13のピッキングに成功してキーロータ5が
矢印B方向に約26°回動された状態が第1図に示されて
いる。即ち、この状態の時には右側のハーフタンブラ13
の係合部13a及びフルタンブラ10の係合部10aは、ロータ
挿入孔2の外周と面一な状態を呈しており、キーロータ
5の回動を阻止する作用は無いが、この状態では左側の
ハーフタンブラ14はロック用係合溝3の開口端3aにガイ
ド部18が対向する事によりそのロック用係合溝3に第3
図に示す通常の状態(第1図に二点鎖線で示す状態)よ
りもコイルばね15で反矢印A方向に寸法d移動されて深
く係合した状態になる。そして、この状態では、ハーフ
タンブラ14に設けられたキー係合部17aが通常の状態よ
りも反矢印A方向に寸法d移動されるためにキー差込孔
6に設けられた凸部8に隠蔽された状態を呈し、従っ
て、ピッキング工具をキー係合部17aに係合させてその
ハーフタンブラ14を矢印A方向に移動させることが困難
となり、これによりピッキングの行為は確実に防止され
る。
第1図に示す状態でピッキングの行為が中止されれば、
ロックは解除されず、従って不正な解錠が防止される
が、このままの状態ではハーフタンブラ14に設けられた
キー係合部17aがキー差込孔6に設けられた凸部8に隠
蔽された状態を呈しているためキー19をキー差込孔6に
充分に差込むことは不可能である。しかし、キー19の先
端部をキー差込孔6に差込めば、キーロータ5を反矢印
B方向に回動させることは可能であり、この様に回動さ
せると、ハーフタンブラ13,14は第8図に示す状態にな
る。この状態では、ハーフタンブラ14のガイド部18がロ
ック用係合溝3の開口端3aから外れて、そのハーフタン
ブラ14のロック用係合溝3に対する係合の深さが第3図
に示す通常の状態と同じ深さに戻るからキー19をキー差
込孔6に差込むと該キー19の主部20が面取り部17bに当
ってそのハーフタンブラ14を第8図に矢印Cで示す方向
に変位させてそのキー19をキー差込孔6に充分に差込む
ことが可能になり、キー19を該キー差込孔6に差込むと
ハーフタンブラ14は第5図に示す状態に戻るから、通常
の通りロックの解除が可能な状態に戻される。
上記した実施例では、2個のハーフタンブラ13,14の係
合部13a,14aを単一のロック用係合溝3(あるいは4)
に挿入係合させる構成としているから、換言すれば、ロ
ック用係合溝3,4は夫々一つの連続したもので中間に仕
切等を有していないから、ロック用係合溝3あるいは4
自体の製作が容易で、しかも、キー19のキー山形成部21
は薄肉で良く、このためにキー山形成部21にプレスの打
抜きによってキー山を形成することが可能であり、キー
山を切削で形成するものに比べて安価に製作できる。
従来、上記した実施例のロック用係合溝3,4の中間の位
置に仕切壁が設けられてハーフタンブラが別々のロック
用係合溝に係合する構成のものも供されているが、この
ものでは、シリンダ本体の型抜きの関係でフルタンブラ
を設ける位置とハーフタンブラを設ける位置が区分され
て上記した実施例のように一つおきに設けるようなこと
が困難で、ピッキングに対する予防の効果が低くなる。
また、ロック用係合溝自体の製作が面倒で、シリンダ錠
の製作が面倒となる。さらに、キー山形成部の部分も厚
くなるから、プレス打抜きによるキー山の形成も困難で
切削でキー山を形成しなければならないから、キーの製
作費も高くなるが、上記した実施例では、即ち、係合部
13a,14aの双方を、単一のロック用係合溝3(あるいは
4)に係合させる構成であるから、換言すれば、仕切壁
に相当するものが無いから、ピッキングに対する予防効
果が優れており、しかも、シリンダ錠及びキーの双方を
安価に製作できる。
また、このように仕切壁が設けられたものでは、仮に上
記実施例のガイド部18に相当するものを設けたとして
も、本願のようにハーフタンブラをピッキングの途中で
通常よりもロック用係合溝に深く係合させることが困難
で、このためにキー係合部を上記した実施例のように凸
部に隠蔽させることが困難で、従って上記した実施例の
ものに比べてピッキングに対する予防効果が低くなる。
[考案の効果] 本考案は以上の説明から明らかなように、内周面にロッ
ク用係合溝を有するロータ挿入孔が設けられたシリンダ
本体を設け、このシリンダ本体のロータ挿入孔にキー差
込孔を有するキーロータを回動可能に設け、このキーロ
ータのキー差込孔に直交して両端部が該キーロータの外
周に貫通するタンブラ挿入孔を設け、このタンブラ挿入
孔に2個を並べてハーフタンブラを摺動可能に配設し、
キーが挿入されていない状態ではこのハーフタンブラが
ばね部材により夫々一方向に移動付勢されて端部に夫々
設けられた各係合部が双方とも単一の前記ロック用係合
溝に挿入係合して前記キーロータの回動を阻止するよう
にし、これらハーフタンブラに前記キー差込孔にキーが
差込まれた時にキー山に係合して前記係合部を前記ロッ
ク用係合溝から係合解除させるように該ハーフタンブラ
を移動させるキー係合部を設け、前記ハーフタンブラの
一方がキー以外の何等かの手段で移動されて前記係合部
が前記ロック用係合溝から係合解除されて前記キーロー
タが所定角度回動された時に他方のハーフタンブラを通
常時よりも前記ロック用係合溝に深く係合させるガイド
部を設け、前記ロックプレートが通常時よりも前記ロッ
ク用係合溝に深く係合された時に前記キー係合部を隠蔽
するように前記キーロータに凸部を設けたことを特徴と
するものであるから、ピッキング工具を他方のハーフタ
ンブラのキー係合部の部分に係合させて該他方のハーフ
タンブラを移動することが困難であり、従って、キーを
用いないで解錠する所謂ピッキングの行為を確実に防止
できしかも、ロック用係合溝には仕切壁がなくて各ハー
フタンブラの係合部が単一のロック用係合溝に挿入係合
する構成であるから、ロック用係合溝の製作が容易とな
るとともに、キーのキー山の厚みを薄くしても差し支え
がなく、総じて、シリンダ錠及びキーの双方を安価に製
作できるという優れた効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
図面は本考案の一実施例を示すものであり、第1図はピ
ッキングの防止状態を示す縦断面図、第2図は一部を破
断して示す全体の側面図、第3図は第2図のIII-III線
に沿う断面図、第4図は第2図のIV-IV線に沿う断面
図、第5図は第3図と異なる作用状態を示す第3図相当
図、第6図はキーの側面図、第7図は第6図のVII-VII
線に沿う断面図、第8図は第1図と異なる作用状態の縦
断面図、第9図は第8図のIX-IX線に沿う断面図であ
る。 図面中、1はシリンダ本体、2はロータ挿入孔、3,4は
ロック用係合溝、5はキーロータ、6はキー差込孔、7,
8は凸部、9はロックプレート挿入孔、13,14はハーフタ
ンブラ、16a,17aはキー係合部、18はガイド部、19はキ
ーである。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】内周面にロック用係合溝を有するロータ挿
    入孔が設けられたシリンダ本体と、このシリンダ本体の
    ロータ挿入孔に回動可能に設けられキー差込孔を有する
    キーロータと、このキーロータのキー差込孔に直交して
    両端部が該キーロータの外周に貫通するタンブラ挿入孔
    と、このタンブラ挿入孔に2個を並べて摺動可能に配設
    されキーが挿入されていない状態ではばね部材により夫
    々一方向に移動付勢されて端部に夫々設けられた各係合
    部が双方とも単一の前記ロック用係合溝に挿入係合して
    前記キーロータの回動を阻止するハーフタンブラと、こ
    れらハーフタンブラに設けられ前記キー差込孔にキーが
    差込まれた時にキー山に係合して前記係合部を前記ロッ
    ク用係合溝から係合解除させるように該ハーフタンブラ
    を移動させるキー係合部と、前記ハーフタンブラの一方
    がキー以外の何等かの手段で移動されて前記係合部が前
    記ロック用係合溝から係合解除されて前記キーロータが
    所定角度回動された時に他方のハーフタンブラを通常時
    よりも前記ロック用係合溝に深く係合させるガイド部
    と、前記ロックプレートが通常時よりも前記ロック用係
    合溝に深く係合された時に前記キー係合部を隠蔽するよ
    うに前記キーロータに設けられた凸部とを具備してなる
    シリンダ錠。
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