JPH0721697U - フォークリフトアタッチメント - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 サイドシフト機能およびフォークポジショナ
機能を有するアタッチメントに適用される。フォークの
突出長さを短くできて、持ち上げ能力の低下を招かず、
またシリンダ類による視界の妨げが少なくて、フォーク
の先端が見易いものとする。 【構成】 上下のフィンガバー２，３にシフトフレーム
４を左右移動自在に取付ける。このシフトフレーム４に
一対のフォーク５，５を左右移動自在に取付ける。サイ
ドシフト用シリンダ１２は上側のフィンガバー２とシフ
トフレーム４間に連結し、上側のフィンガバー２の上方
に配置する。また、両フォーク５，５間にフォークポジ
ショナ用シリンダ１３を連結する。両フォーク５，５に
は互いに対向方向へ延びる一対のラック１８，１９を設
ける。これらラック１８，１９をシフトフレーム４に回
転自在に設置されたピニオン２３の上下部に各々噛み合
わせる。フォークポジショナ用シリンダ１３のピストン
ロッド１３ａはラック１８の真後ろとする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、サイドシフト機能およびフォークポジショナ機能を備えたフォー クリフトアタッチメントに関する。

【０００２】

【従来の技術および考案が解決しようとする課題】

従来、フォークリフトアタッチメントとして、一対のフォークを左右に駆動可 能として荷役作業の便利を図るサイドシフト機構や、荷物の大小に応じてフォー ク間の間隔を調整するフォークポジショナを設けたものがある。

【０００３】 図５，図６は従来の一般的なサイドシフト機構を示す。図６のフォーク５１が 取付けられたシフトフレーム５２は、上下のフィンガバー５３に左右移動自在に 設置され、フィンガバー５３にブラケット５４で連結されたサイドシフト用シリ ンダ５５により左右に駆動される。サイドシフト用シリンダ５５は、上下のフィ ンガバー５３，５３間の高さに配置されている。

【０００４】 このようなサイドシフト機構付きのアタッチメントにおいて、さらにフォーク ポジショナ機能を付加する場合、一対のフォーク５１を各々駆動する２本のフォ ークポジショナ用シリンダ５６は、サイドシフト用シリンダ５５との干渉を避け るために、同図に鎖線で示す配置となる。すなわち、サイドシフト用シリンダ５ ５の前方で上下に２本並べた配置となる。

【０００５】 しかし、このようにフォークポジショナ用シリンダ５６とサイドシフト用シリ ンダ５５とを前後に並べると、シフトフレーム５２の前後寸法Ｂが長くなり、そ れだけフォーク５１が車体から前方へ突出することになる。そのため、同じ重さ の荷物を載せても、フィンガバー５３に大きなモーメントが作用することになっ て、フォーク５１による持ち上げ能力が低下し、しかもフォークリフトの旋回半 径が大きくなる。

【０００６】 また、このように上下のフィンガバー５３，５３間に３本のシリンダ５５，５ ６が上下に並んで配置されると、同図のように運転者の目５７の高さ近くまでフ ォーク５１を上昇させたときに、これら３本のシリンダ５５，５６で視界が妨げ られ、角度Ａの範囲が死角となる。そのためフォーク５１の先端が見えず、荷役 作業が行い難くなる。

【０００７】 図７，図８は、サイドシフト機能およびフォークポジショナ機能を有する他の 従来例を示す。この例では、サイドシフト用シリンダ５５を上側のフィンガバー ５３よりも上方に配置し、フォークポジショナ用シリンダ５６を上下のフィンガ バー５３，５３間の高さに配置している。フォークポジショナ用シリンダ５６は 、ブラケット５８でフォーク５１に連結しており、２本のフォークポジショナ用 シリンダ５６，５６は、互いの干渉を避けるために前後に並べている。

【０００８】 この構成では、サイドシフト用シリンダ５５が上側のフィンガバー５３よりも 上方に位置し、２本のフォークポジショナ用シリンダ５６のみが上下のフィンガ バー５３，５３間に配置されているため、これらシリンダ５５，５６による視界 の妨げが比較的少ない。 しかし、２本のフォークポジショナ用シリンダ５６が前後に並ぶため、やはり シフトフレーム５２の前後寸法Ｂが長くなり、持上げ能力が小さくなる。

【０００９】 これらの問題を解消するものとして、本出願人は、図８の例と同様にサイドシ フトシリンダ（５５）を上方に配置し、かつ２本のフォークポジショナ用シリン ダ（５６）を前後に並べる代わりに上下に並べたものを提案した（実願平４−９ ０８７７号）。これによれば、図８の例に比べてフォーク突出長さを短くし、か つ視界の妨げも少なくできる。しかし、より一層のフォーク突出長さの短縮、お よび視界の妨げ防止が望まれる。

【００１０】 この考案の目的は、サイドシフト機能およびフォークポジショナ機能を有しな がら、フォークの突出長さを短くできて、持上げ能力の低下を招かず、またシリ ンダ類による視界の妨げが少なくて、フォークの先端が見易いフォークリフトア タッチメントを提供することである。

【００１１】

【課題を解決するための手段】

この考案のフォークリフトアタッチメントは、上下のフィンガバーにシフトフ レームを左右移動自在に取付け、このシフトフレームに複数のフォークを左右移 動自在に取付けた形式のものである。 この形式のアタッチメントにおいて、サイドシフト用シリンダを上側のフィン ガバーとシフトフレーム間に連結して前記上側のフィンガバーの上方に配置する 。また、両フォーク間、または片方のフォークとシフトフレームの間にフォーク ポジショナ用シリンダを連結する。両フォークには互いに対向方向へ延びる一対 のラックを設け、これらラックを前記シフトフレームに回転自在に設置されたピ ニオンの上下部に各々噛み合わせる。

【００１２】

【作用】

この構成によると、両フォークに設けたラックが同じピニオンに噛み合ってい るため、フォークポジショナ用シリンダを伸縮させることにより、両フォークが 連動して対称移動し、フォーク間の間隔が調整される。サイドシフト用シリンダ を伸縮させると、シフトフレームと共に一対のフォークが同じ方向に横移動する 。この場合に、サイドシフト用シリンダとフォークポジショナ用シリンダとが上 下に並ぶため、これらシリンダの前後の並び幅を狭くできる。また、フォークポ ジショナ用シリンダが１本で済むため、上下のフィンガバー間の間隔が狭くても 、これらフィンガバーの間にフォークポジショナ用シリンダを納めることができ る。そのため、シフトフレームの前後寸法を小さくできて、フォークの突出長さ をより短くでき、持上げ能力の低下が回避される。 また、サイドシフト用シリンダが上側のフィンガバーの上方に位置し、１本の フォークポジショナ用シリンダと２本のラックのみが上下のフィンガバー間の高 さに位置するため、フィンガバー間における視界の妨げが少ない。ラックは２本 設けられるが、シリンダに比べて細いもので済むため、あまり視界の妨げとなら ない。そのためフォークの先端が見易い。 また、ラックの配置をフォークポジショナ用シリンダのピストンロッドの後ろ 側とすれば、積荷でピストンロッドを傷つけることが防止できる。

【００１３】

【実施例】

この考案の一実施例を図１ないし図４に基づいて説明する。このアタッチメン ト１は、上下のフィンガバー２，３にシフトフレーム４を左右移動自在に取付け 、シフトフレーム４に一対のフォーク５，５を取付けてある。フィンガバー２， ３は、図４のフォークリフトトラック１００のマスト６に沿って昇降駆動される 昇降枠７に設けたものである。

【００１４】 シフトフレーム４は、上下の横枠材８，９と、その両端間および中央間を各々 接続した前後の縦枠材１０，１１とからなり、各横枠材８，９にフィンガバー２ ，３と係合する係合部材８ａ，９ａと、フォーク５を案内するフォーク案内部材 ８ｂ，９ｂとが設けてある。なお、両端の縦枠材１０，１１は図１（Ｂ）の正面 図ではフォーク５の裏側に位置する。

【００１５】 サイドシフト用シリンダ１２は、上側のフィンガバー２の上方に配置される。 また、１本のフォークポジショナ用シリンダ１３と、フォーク連動機構１４を構 成する２本のラック１８，１９とが上下のフィンガバー２，３間の高さに配置し てある。フォークポジショナ用シリンダ１３は、上下のフィンガバー２，３間に 一部が納まる前後位置に配置され、サイドシフト用シリンダ１２と略同じ垂直面 内に位置する。

【００１６】 サイドシフト用シリンダ１２は、上側のフィンガバー２の一端にボルト固定さ れたブラケット１５に連結ピン１６回りで回動自在にボトム部が連結され、かつ ピストンロッド１２ａの先端が、シフトフレーム４に設けられたブラケット１７ にピン連結されている。 フォークポジショナ用シリンダ１３は、ボトム部が片方のフォーク５にブラケ ット２０を介してピン連結され、かつピストンロッド１３ａの先端がもう片方の フォーク５のブラケット２１にピン連結されている。

【００１７】 前記２本のラック１８，１９は、基端が各フォーク５，５にラック固定具２２ で固定されて互いに対向方向に延び、同じピニオン２３の上下部に各々噛み合っ ている。ピニオン２３は、シフトフレーム４の中央の縦枠材１０に回転自在に取 付けたものである。また、この縦枠材１０には各ラック１８，１９の背面を各々 支持する２本のラック案内ピン２４が突設されている（図３）。フォークポジシ ョナ用シリンダ１３のピストンロッド１３ａは、上側のラック１８の真後ろに隠 れる位置とする。

【００１８】 上記構成の動作を説明する。サイドシフト用シリンダ１２を伸縮させると、２ 本のフォーク５，５がシフトフレーム４と共にフィンガバー２，３に沿って左右 に移動する。フォークポジショナ用シリンダ１３を伸縮させると、両フォーク５ ，５に設けたラック１８，１９が同じピニオン２３に噛み合っているため、両フ ォーク５，５が連動して対称移動し、フォーク間隔が変わる。

【００１９】 このアタッチメント１によると、サイドシフト用シリンダ１２とフォークポジ ショナ用シリンダ１３とが上下に並ぶため、これらシリンダ１２，１３の前後の 並び幅が短くなる。しかも、フォークポジショナ用シリンダ１３が１本で済むた め、フォークポジショナ用シリンダ１３をフィンガバー２，３間に納めることが できる。これらにより、シフトフレーム４の前後寸法Ｂ（図２）が短くでき、フ ォーク５の突出長さをより短くできる。これらのため持上げ能力の低下が回避さ れ、また旋回半径も標準フォークリフトと同等にできる。

【００２０】 また、サイドシフト用シリンダ１２が上側のフィンガバー２の上方に位置し、 １本のフォークポジショナ用シリンダ１３と２本のラック１８，１９のみが上下 のフィンガバー２，３間の高さに位置するため、フィンガバー２，３間における 視界の妨げが少なくなる。ラック１８，１９は２本設けられるが、シリンダに比 べて細いもので済むため、あまり視界の妨げとならない。そのためフォーク５の 先端が見易い。すなわち、上下のフィンガバー２，３と、フォークポジショナ用 シリンダ１３やラック１８，１９との間に多くの隙間が生じ、その隙間からフォ ーク５の先端が見える。そのため、運転者からフォーク５が見易く、荷役作業が 行い易い。しかも、フォークポジショナ用シリンダ１３が１本となるため、油圧 配管が少なくなる。

【００２１】 さらに、ラック１８がフォークポジショナ用シリンダ１３のピストンロッド１ ３ａの前方に位置するため、積荷でピストンロッド１３ａを傷つけることが防止 される。また、このフォークリフトアタッチメント１は組立式であるため、既販 のフォークリフトへの後付けや、パーツ交換、修理も簡単にできる。

【００２２】

【考案の効果】

この考案のフォークリフトアタッチメントは、サイドシフト用シリンダとフォ ークポジショナ用シリンダとを上下に配置し、またラックとピニオンで連動させ ることにより、１本のフォークポジショナ用シリンダでフォーク間隔の調整を可 能としたため、シリンダ類の前後の並び幅が狭く、フォークの突出長さを短くで きる。そのため、持ち上げ能力の低下が回避され、またフォークリフトの旋回半 径も小さくできる。また、サイドシフト用シリンダを上側のフィンガバーの上方 に配置し、１本のフォークポジショナ用シリンダと２本のラックのみを上下のフ ィンガバー間の高さに配置したため、フィンガバー間における視界の妨げが少な い。そのため、フォークの先端が見易く、荷役作業が行い易い。 さらに、ラックの後ろ側にフォークポジショナ用シリンダのピストンロッドを 配置すれば、積荷でピストンロッドが損傷することが防止できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】（Ａ）はこの考案の一実施例にかかるフォーク
リフトアタッチメントの左側面図、（Ｂ）は同正面図で
ある。

【図２】同右側面図である。

【図３】ラックとピニオンの関係を示す拡大破断正面図
および拡大破断側面図である。

【図４】同フォークリフトアタッチメントを装備したフ
ォークリフトの側面図である。

【図５】従来例の正面図である。

【図６】その破断側面図である。

【図７】他の従来例の正面図である。

【図８】その部分側面図である。

【符号の説明】

１…アタッチメント、２，３…フィンガバー、４…シフ
トフレーム、５…フォーク、１２…サイドシフト用シリ
ンダ、１３…フォークポジショナ用シリンダ、１３ａ…
ピストンロッド、１８，１９…ラック、２３…ピニオン

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 上下のフィンガバーにシフトフレームを
   左右移動自在に取付け、このシフトフレームに一対のフ
   ォークを左右移動自在に取付け、サイドシフト用シリン
   ダを上側のフィンガバーとシフトフレーム間に連結して
   前記上側のフィンガバーの上方に配置し、両フォーク間
   または片方のフォークとシフトフレームの間にフォーク
   ポジショナ用シリンダを連結し、両フォークに互いに対
   向方向に延びる一対のラックを設け、これらラックを前
   記シフトフレームに回転自在に支持されたピニオンの上
   下部に各々噛み合わせたフォークリフトアタッチメン
   ト。