JPH0721643Y2 - キャブ用ダイナミックダンパ - Google Patents

キャブ用ダイナミックダンパ

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JPH0721643Y2
JPH0721643Y2 JP6679290U JP6679290U JPH0721643Y2 JP H0721643 Y2 JPH0721643 Y2 JP H0721643Y2 JP 6679290 U JP6679290 U JP 6679290U JP 6679290 U JP6679290 U JP 6679290U JP H0721643 Y2 JPH0721643 Y2 JP H0721643Y2
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JP
Japan
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cab
vibration
dynamic damper
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shaft
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JP6679290U
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JPH0426257U (ja
Inventor
正一 畑
昌宏 中山
正隆 川口
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新キャタピラー三菱株式会社
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Description

【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は、油圧ショベル、ホイールローダ等の建設機械
その他のキャブに制振装置として用いられるダイナミッ
クダンパに関する。
〔従来の技術〕 第9図は従来の油圧ショベルの側面図で油圧ショベルに
は運転者(オペレータ)が機械を運転する際の安全確
保,騒音防止等を目的としてキャブ1が設置されてい
る。キャブ1はフレーム2上に通常、防振ゴムを介して
設置されているものの稼動時の機体振動、機体揺動の影
響を受け、キャブ本体ならびに運転者は常時、苛酷な振
動にさらされている。
近年、運転者の作動環境改善の観点から種々改良は進め
られているが、振動源である機体振動や揺動のレベルを
下げることは技術的に困難でキャブ振動レベルを下げる
実際的な手段の見当たらないまま今日に至っているのが
現状である。
〔考案が解決しようとする課題〕
上記従来の油圧ショベルには解決すべき次の課題があっ
た。
即ち、上記した通り、従来の油圧ショベル等は不快な振
動を生じる。たとえば第7図は従来の油圧ショベル機体
前方から見た図であるが、稼動時、防振ゴム3を介して
設置したキャブ1は破線1Aで示すような防振モード(ロ
ーリング振動)を形成し、通常の大きさでは約10Hzの低
周波で振動する。また、第8図は従来の油圧ショベルを
機体側方から見た図であるが、第7図と同様に、キャブ
1は振動モード1A(ピッチング振動)のように概ね15Hz
程度で振動する。
これらのキャブ振動を制振する手段として、ダイナミッ
クダンパを振動方向に設置するという対策が試みられて
いる。ところが通常、ダイナミックダンパのばね−減衰
系はコイルばねと油ダンパ(ショックアブソーバ)で構
成されるため、取付手段および施工方法が複雑となり、
製品化する上で致命的なコスト高となるという問題があ
る。また、ダイナミックダンパは設計の時点で対象とす
る固有振動に合わせて、ばね定数、質量および減衰定数
が決定されるので、通常はこれらの数値が固定される。
しかし、実際のキャブは運転者保護のための鋼製ガー
ド、金網等の付加物が設置されることが多く、キャブ振
動特性が変化するので、上記諸数値を固定したダイナミ
ックダンパではダイナミックダンパの製振効果が発揮さ
れなくなるという問題がある。
〔課題を解決するための手段〕
本考案は上記課題の解決手段として、キャブの振動に対
して応動可能に設けられた質量体と、同質量体の応動方
向の両側に当接する高減衰ゴム材よりなる弾性体と、上
記質量体と弾性体とを応動方向に遊合状に貫通すると共
にその両端をキャブ側に固定可能なシャフトと、同シャ
フトに設けられたネジに螺合すると共にねじ回転によっ
て上記質量体と両弾性体とを緩緊可能に押圧するナット
とを具備してなることを特徴とするキャブ用ダイナミッ
クダンパを提供しようとするものである。
なお、ここに、『その両端をキャブ側に固定可能なシャ
フト』とは、シャフトがキャブ側に直接固定される必要
はなく、適切な部材を介して固定される場合も含むもの
である。
〔作用〕
本考案は上記のように構成されるので、次の作用を有す
る。
即ち質量体がキャブの振動に応動し、シャフトを案内と
してナットにより移動を拘束された弾性体間を往復運動
しようとする。その際一方の弾性体は質量体に押されて
圧縮を受け、他方のものは逆に展長する。そして、次の
行程ではこの逆の運動となる。このようにして質量体は
振動(往復運動)の何れの行程でも絶えず弾性体に圧さ
れるので振動は制振される。即ち質量体は弾性振動する
際に、ばねによる振動作用とダンパーによる減衰作用と
の特性を兼ね備えた高減衰ゴム材により一定の振動特性
を有し従って固有振動数を持つことになる。この振動特
性すなわち固有振動数を変えたい場合、質量体の質量お
よび高減衰ゴム材の形状(大きさ)はすでに定まったも
のであるから変更不能であるので、ナットを回すことに
より高減衰ゴム材の圧する力を変えることで、即ち、シ
ャフト上のナットの位置を変化させることで、質量体の
運動に対する作用力が変化するので結果としてこの振動
系のばね定数が変更されたのと同等となる。即ち上記構
成によって或る範囲で容易に固有振動数の変更可能な弾
性振動体が得られる。制振対象であるキャブの固有振動
数を予め知り、それに対応させて上記構成の質量体の質
量、高減衰ゴム材の形状を決め、これにキャブを固設す
ればキャブは強く制振される。
〔実施例〕
本考案の第1実施例について第1図ないし第4図により
説明する。第1図ないし第3図において、スプラインブ
ッシュ8を両端に挿入され、円柱形をなした鉛等の高比
重の金属よりなる質量体6の両側に、円柱形の高減衰ゴ
ム材7が当接され、さらに同高減衰ゴム材7の両外端に
各ゴム受け9が当接されてそれらの中心を、シャフト5
が直線上に貫通している。シャフト5は長い丸棒で一端
はねじが施され、遊合されたゴム受け9を外側からナッ
ト11で緩緊可能に圧して高減衰ゴム材7の弾性定数、即
ちばね定数を変更可能に構成されている。他端にはサポ
ート10およびゴム受け9一枚がそれぞれ固着されてい
る。ここに質量体6は、スプラインブッシュ8によりシ
ャフト5に対し、自由振動できるよう摺動自由に遊合さ
れている。シャフト5は支持台4の両端をなす受け台15
に両端を固定される。
即ち、シャフト5を受け台15の溝にはめ込み、その上よ
り、押え具13でシャフト5を押え、さらにボルト14で押
え具13を締付け、支持台4、受け台15に対し、振動時の
脱落を防止する。なお、受け台15は後述する通り、本実
施例のダイナミックダンパをキャブへ装着する際、位置
を微調整できるよう支持台4に対し、移動可能に固定さ
れている。予想される振動状況によってはさらに、シャ
フト5のナット12により、受け台15を両側より締め付け
てより確実に強固に固定されるものでダイナミックダン
パのぐらつきを除くことにより大きく、キャブの制振効
果を高める。
次に上記構成の作用について説明する。第4図は上記実
施例のダイナミックダンパをキャブ1に装着した斜視図
で、シャフト5の軸心方向の振動を制振する。即ち、キ
ャブ1に対して、質量体6及び高減衰ゴム材7は自由振
動系を構成するので、キャブ1のモーダル質量、モーダ
ル剛性等固有振動に関わる振動特性値を予め調べてお
き、これに対応するよう質量体6の質量及び高減衰ゴム
材7のばね定数及び減衰係数を定め、固有振動のマッチ
ングを図ればキャブ1は著しく制振される。その際、マ
ッチングが必ずしも最適に行なわれていない場合はダイ
ナミックダンパのナット11を緩緊することによって高減
衰ゴム材7に対する圧縮力を変え、ばね定数等を変更し
て調整する。
因みにキャブ1とダイナミックダンパとの制振関係はよ
く知られているようにダイナミックダンパ取付位置での
キャブ1振動のモーダル質量をM、モーダル剛性をKと
し、ダイナミックダンパの質量体6の質量をm、高減衰
ゴム材7のばね定数をk、減衰係数をCとすると、最適
同調および最適減衰は次のように表わされる。
ここに、 である。以上の条件を満足するようにm,k,cを定める
と、所望の制振効果が得られる。
第6図は標準的なキャブに上記第1実施例に係るダイナ
ミックダンパを装着した場合と、装着しない場合との制
振効果即ち、周波数に対する振動レベルを比較して示し
たキャブの振動特性図で、ダイナミックダンパを装着し
た場合に振動レベルが著しく低くなることを示してい
る。
以上は弾性振動体をなす質量体6,高減衰ゴム材7,シャフ
ト5等をキャブ1に支持台4及び受け台15等を介して装
着した例で説明したが、支持台4や受け台15の使用を条
件にするものではなく、要するに制振したいキャブの振
動方向に、たとえば第2図に示すような構成の弾性振動
体が質量体6の振動自由に、かつ、ナット11による高減
衰ゴム材7の押圧可能に装着される構成であればよい。
第5図はその一例として示した支持台4を用いない第2
実施例の斜視図で、弾性振動体を構成するシャフト5,質
量体6,高減衰ゴム材7及びそれらを一体的にシャフト5
の軸方向に押圧するナット11等が、キャブ1に予め装着
された2個の軸受ブロック16間に弾性振動体固設用バン
ド17によって着脱可能に取付けられている。キャブ1の
振動とのマッチングの調整は第1実施例と同様ナット11
を緩緊して行なう。
なお、上述の通り、第1,第2実施例とも高減衰ゴム材7
は質量体6を両側から挟んで、一自由度振動系を形成す
るものであるが、因みに高減衰ゴム材7を選んだ理由は
次の通りである。即ち、キャブ1の制振に必要な弾性体
としては計算上、減衰を表わす損失係数ηが0.4〜0.5の
範囲にあるものが求められた。ところが最も一般的な天
然ゴムではη=0.1程度に留まり、減衰不足を生じる。
一方、高減衰ゴム材では一般市販品でもη=0.4〜2.0と
非常に減衰が高く目的に合致したためである。
以上の通り第1,第2実施例によれば減衰係数の高い高減
衰ゴム材7を弾性体とし、その高減衰ゴム材7の作用力
をナット11によって容易に調整可能に構成して全体とし
てのばね定数を可変とし、質量体6を実質的に自由振動
させるので、これをキャブ1の振動方向に設置してナッ
ト11の調整のみにより最適な制振を容易に果たすことが
できるという利点がある。さらに、キャブ1への着脱
は、支持台4を介して、あるいは軸受ブロック16等によ
って所要のボルトその他の止め具で簡便に行なえるとい
う利点がある。
〔考案の効果〕
本考案は上記のように構成されるので次の効果を有す
る。
即ち,たとえば油圧ショベル稼動時に発生するキャブの
ローリング振動に対しては本考案のダイナミックダンパ
をキャブ本体の左右方向に、また、ピッチング振動に対
しては前後方向にそれぞれ設置することによって著しい
制振効果が得られる。また、キャブに様々な付加物(防
護ガード、金網等)が設置され、キャブ振動が変化した
場合に対してもナットを回わして高減衰ゴム材に対する
作用力を調整することより、固有振動のマッチングを図
れば容易に高い制振効果が得られる。また、高減衰ゴム
材を弾性体としてダイナミックダンパが構成されること
により、従来のコイルばねと油ダンパの組み合せによる
ダイナミックダンパに較べ、仕様は簡素化され取り扱い
方法も単純化されるため、本考案のダイナミックダンパ
は低コストで得られる。また、これによりダイナミック
ダンパの普及にも役立つ効果も併わせ有する。さらに、
その単純な構成からキャブへの着脱が自由なので支持台
のみを有する多数の建設機械等にわずか数個のダイナミ
ックダンパを持ちまわりで使用することができ且つ、ア
タッチメント形式で後日追加取付することもでき、ニー
ズに合わせて高頻度利用ができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本考案の第1実施例に係るダイナミックダンパ
の図で(A)は正面図、(B)は側面図、第2図は上記
第1実施例の弾性振動体部分の図で(A)は正面図(但
し一部断面で示す)、(B)は側面図、第3図は上記第
1実施例の支持台の図で(A)は正面図、(B)は側面
図、第4図は上記第1実施例をキャブに取り付けた状態
を示す斜視図、第5図は本考案の第2実施例をキャブに
取り付けた状態を示す斜視図、第6図は上記実施例のダ
イナミックダンパを装備した場合と、しない場合(従来
例と同様)のキャブの振動特性図、第7図は従来例の油
圧ショベルの機体部を前方から見た図、第8図は従来例
の油圧ショベルの機体部を側方から見た図、第9図は従
来の油圧ショベルの全体の側面図である。 4……支持台,5……シャフト,6……質量体,7……高減衰
ゴム材,8……スプラインブッシュ,9……ゴム受け,10…
…サポート,11,12……ナット,13……押え具,14……ボル
ト,15……受け台,16……軸受ブロック,17……バンド。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】キャブの振動に対して応動可能に設けられ
    た質量体と、同質量体の応動方向の両側に当接する高減
    衰ゴム材よりなる弾性体と、上記質量体と弾性体とを応
    動方向に遊合状に貫通すると共にその両端をキャブ側に
    固定可能なシャフトと、同シャフトに設けられたネジに
    螺合すると共にねじ回転によって上記質量体と両弾性体
    とを緩緊可能に押圧するナットとを具備してなることを
    特徴とするキャブ用ダイナミックダンパ。
JP6679290U 1990-06-26 1990-06-26 キャブ用ダイナミックダンパ Expired - Lifetime JPH0721643Y2 (ja)

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JP5916221B2 (ja) * 2012-02-27 2016-05-11 特許機器株式会社 変圧器用減震装置及び該変圧器用減震装置の取付方法

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