JP5916221B2 - 変圧器用減震装置及び該変圧器用減震装置の取付方法 - Google Patents
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Description
また、該変圧器用減震装置を、キュービクル等の狭い建屋内の変圧器にも設置できるよう小型化を図ることに関する。
すなわち、図43の(a)に示す通り、架台90上に取付けられた変圧器91は、架台90底面に設けられた防振ゴムより成る防振材92を介して床面93に設置されている。この結果、変圧器91は防振材92で弾性支持されるため、変圧器91の振動騒音が上記防振材92で吸収され床面93への伝播が遮断されるようになっている。
尚、高電圧を受電する変圧器91は危険であるため、周囲に安全柵94等を設置して人の立入りを制限することが行われている。
このため、大地震時に架台90がナット97,97に接触するほど揺れた場合においては、変圧器91の上部は、上記隙間98,98の塔状比倍(約5倍以上)の変位量でロッキングすると共に、変圧器91のロッキングの周波数が、地震の共振周波数域(例えば数ヘルツ以下)と一致した場合には揺れが大きく増幅される事態を生じることとなる。
防振材で弾性支持されて成る変圧器用減震装置であって、該変圧器用減震装置は、ボルトアームと該ボルトアームの先端に取付られた第1の弾性材を有する一対のアブソーバ部と、該アブソーバ部のボルトアームの後端側を揺動自在に支持する支持部材を備えており、
上記一対のアブソーバ部の第1の弾性材は、所定間隙を設けて水平方向に対向配置されており、上記一対のアブソーバ部の第1の弾性材で変圧器の上部を支持することを特徴とする。
上記アブソーバ部の第1の弾性材を所定量圧縮した状態で、変圧器の上部を弾性支持することを特徴とする。
上記一対のアブソーバ部を連結フレームを介して連結したことを特徴とする。
上記支持部材が支柱で構成されていると共に、該支柱の貫通孔に上記アブソーバ部のボルトアームの後端が挿通されており、また、
上記アブソーバ部の第2の弾性材の貫通孔にボルトアームが挿通した状態で、上記第2の弾性材が支柱に取付られていることを特徴とする。
防振材で弾性支持されて成る変圧器に取付けて使用する変圧器用減震装置であって、 該変圧器用減震装置は、アームの先端又は後端に弾性材を取付けて成る3個のアブソーバ部と、該アブソーバ部のアームの後端側を揺動自在に支持する支持部材と、上記アブソーバ部の弾性材又はアームの先端が接続されると共に変圧器の上部に取付けられるブラケットを有する一対の減震体を備えており、
各減震体を構成する2個のアブソーバ部の弾性材又はアームの先端によって、上記ブラケットを介して変圧器の上部を短手方向から支持し、また、
一方の減震体を構成する1個のアブソーバ部の弾性材又はアームの先端、及び他方の減震体を構成する1個のアブソーバ部の弾性材又はアームの先端によって、上記ブラケットを介して変圧器の上部を長手方向から支持することを特徴とする。
防振材で弾性支持されて成る変圧器に取付けて使用する変圧器用減震装置であって、 該変圧器用減震装置は、アームの先端又は後端に弾性材を取付けて成る2個のアブソーバ部と、該アブソーバ部のアームの後端側を揺動自在に支持する支持部材と、弾性材より成る衝撃緩衝部と、上記アブソーバ部の弾性材又はアームの先端が接続されると共に変圧器の上部に取付けられるブラケットを有する一対の減震体を備えており、
各減震体を構成する2個のアブソーバ部の弾性材又はアームの先端によって、上記ブラケットを介して変圧器の上部を短手方向から支持し、また、
変圧器に長手方向の振動が加わった場合に、上記衝撃緩衝部と衝突する衝突部を上記ブラケットに設けたことを特徴とする。
防振材で弾性支持されて成る変圧器に取付けて使用する変圧器用減震装置であって、
該変圧器用減震装置は、アームの先端又は後端に弾性材を取付けて成る2個のアブソーバ部と、該アブソーバ部のアームの後端側を揺動自在に支持する支持部材と、上記アブソーバ部の弾性材又はアームの先端が接続されると共に変圧器の上部に取付けられるブラケットを有する一対の減震体を備えており、
一方の減震体を構成する2個のアブソーバ部の弾性材又はアームの先端、及び他方の減震体を構成する2個のアブソーバ部の弾性材又はアームの先端によって、上記ブラケットを介して変圧器の上部を、該変圧器の長手方向及び短手方向に対して45度の角度で変圧器内方側に向かって4方向から支持することを特徴とする。
請求項1〜4の何れかに記載の変圧器用減震装置の取付方法であって、
所定間隙を設けて水平方向に対向配置された一対のアブソーバ部の第1の弾性材を、所定量圧縮させた状態で変圧器の上部を弾性支持するようにして変圧器に取付けることを特徴とする。
請求項5に記載の変圧器用減震装置の取付方法であって、
各減震体を構成する2個のアブソーバ部の弾性材又はアームの先端を、変圧器上部に取付けたブラケットに接続することにより、該ブラケットを介して変圧器の上部を短手方向から支持し、また、一方の減震体を構成する1個のアブソーバ部の弾性材又はアームの先端、及び他方の減震体を構成する1個のアブソーバ部の弾性材又はアームの先端を、変圧器上部に取付けたブラケットに接続することにより、該ブラケットを介して変圧器の上部を長手方向から支持するよう取付けることを特徴とする。
請求項6に記載の変圧器用減震装置の取付方法であって、
各減震体を構成する2個のアブソーバ部の弾性材又はアームの先端を、変圧器上部に取付けたブラケットに接続することにより、該ブラケットを介して変圧器の上部を短手方向から支持し、また、弾性材より成る衝撃緩衝部とブラケットの衝突部とが、変圧器に長手方向の振動が加わった場合に衝突するよう取付けることを特徴とする。
請求項7に記載の変圧器用減震装置の取付方法であって、
一方の減震体を構成する2個のアブソーバ部の弾性材又はアームの先端、及び他方の減震体を構成する2個のアブソーバ部の弾性材又はアームの先端を、変圧器上部に取付けたブラケットに接続することにより、該ブラケットを介して変圧器の上部を、該変圧器の長手方向及び短手方向に対して45度の角度で変圧器内方側に向かって4方向から支持するよう取付けることを特徴とする。
従って、通常時において、変圧器を弾性支持する防振材が変圧器の振動を受けて上下方向へ振動すると、ボルトアームも上下方向に揺動するため、通常時の防振効果を維持することができる。
また、地震の振動による変圧器上部の水平方向の変位量が弾性材の圧縮量の範囲内であれば、第1の弾性材と変圧器上部とが離間することがないので、効果的に地震の振動の吸収及び回転剛性の強化を実現することができる。
またこのように、変圧器の回転剛性が強化され、変圧器上部のロッキング(回転)が抑制されることから、地震の共振周波数域を回避することができる。
さらに、アームの後端側は支持部材で揺動自在に支持されているので、通常時において、変圧器を弾性支持する防振材が変圧器の振動を受けて上下方向へ振動すると、アームも上下方向に揺動するため、通常時の防振効果を維持することができる。
またこのように、変圧器の回転剛性が強化され、変圧器上部のロッキング(回転)が抑制されることから、地震の共振周波数域を回避することができる。
さらに、アームの後端側は支持部材で揺動自在に支持されているので、通常時において、変圧器を弾性支持する防振材が変圧器の振動を受けて上下方向へ振動すると、アームも上下方向に揺動するため、通常時の防振効果を維持することができる。
またこのように、変圧器の回転剛性が強化され、変圧器上部のロッキング(回転)が抑制されることから、地震の共振周波数域を回避することができる。
さらに、アームの後端側は支持部材で揺動自在に支持されているので、通常時において、変圧器を弾性支持する防振材が変圧器の振動を受けて上下方向へ振動すると、アームも上下方向に揺動するため、通常時の防振効果を維持することができる。
図1は第1の変圧器用減震装置10を変圧器11に取り付けた状態を示す斜視図、図2は同正面図、図3は同平面図、図4は同側面図、図5は本発明に係る第1の変圧器用減震装置10を示す斜視図、図6は同正面図、図7は同平面図、図8は同側面図である。
上記変圧器11は、該変圧器11下側の適宜箇所に配置された防振ゴム等より成る複数の防振材12によって弾性支持されており、変圧器11駆動時に発生する上下方向の振動を防振材12が吸収するようになっている。
尚、第1の変圧器用減震装置10の設置数は、適用する変圧器11の大きさや使用状況等に応じて適宜変更可能である。
上記押さえプレート22及び特殊ワッシャー23は、第1の弾性材19に加わる荷重を分散させ、第1の弾性材19の全面で荷重を受けるようにするために設置されるものである。
尚、図10に示すように、図9に示したアブソーバ部13と対になる他方のアブソーバ部13においては、連結フレーム17の屈曲部17aとワッシャー27との間に遊びとしての隙間Sが設けられており、斯かる隙間Sの範囲内で連結フレーム17は移動可能となっている。
弾性支持材30の先端部30bには、特殊ワッシャー31及びワッシャー32が介装された状態で調整ナット33及び3種ナット34が取付られている。
上記特殊ワッシャー31は、弾性支持材30に加わる荷重を分散させるために設けられたものである。
上記第2の弾性材35は、支柱14の貫通孔14aを挿通したボルトアーム18を貫通孔35aに挿通させた状態で、支柱14の外側に取付けられている。尚、支柱14の貫通孔14aに挿通されたボルトアーム18の後端は、第2の弾性材35の貫通孔35aを通って外部へ導出されている。
上記第2の弾性材35の後端面には、後端面全面を覆う押さえプレート36が取付けられており、特殊ワッシャー37及びワッシャー38が介装された状態で、1種ナット39及び3種ナット40が上記押さえプレート36に取付られている。
上記押さえプレート36及び特殊ワッシャー37は、第2の弾性材35に加わる荷重を分散させ、第2の弾性材35の全面で荷重を受けるようにするために設置されるものである。
尚、弾性支持材30に代えて、上記第2の弾性材35を支柱14の内側に取付けるようにしても良い。
先ず、図11に示すように、アブソーバ部13Aの第1の弾性材19と、アブソーバ部13Bの第1の弾性材19の間に変圧器11の上部11aを配置させ、アブソーバ部13Aの第1の弾性材19の先端面及びアブソーバ部13Bの第1の弾性材19の先端面を変圧器11の上部11aに当接支持させる。
尚、アブソーバ部13Aにおける連結フレーム17の屈曲部17aとワッシャー27との間の隙間S(図10参照)は例えば1mmに設定される。
従って、通常時において、変圧器11を弾性支持する防振材12が変圧器11の振動を受けて上下方向へ振動すると、ボルトアーム18も上下方向に揺動するため、通常時の防振効果を維持することができる。
また、連結フレーム17は隙間S(1mm)の範囲内で図中左側へ移動する。
尚、変圧器11に水平右方向の振動が加わった場合は、上記と反対の動作が行われる。
またこのように、変圧器11の回転剛性が強化され、変圧器上部11aのロッキング(回転)が抑制されることから、地震の共振周波数域(例えば数ヘルツ以下)を回避することができる。
上記フレーム64は平面略コ字状の角パイプで構成されており、一端を一方の支柱62の上端に接続すると共に、他端を他方の支柱62の上端に接続することにより、該フレーム64を介して一対の支柱62が連結されている。
一般に、変圧器54には、該変圧器54を吊り上げて所定の場所に設置するため、変圧器上部54aに、吊りボルト挿入用のネジ穴(図示省略)で構成された吊り部が形成されており、本実施例においては、ボルト68を吊り部を構成するネジ穴に螺合することによりブラケット65の接続部65dを変圧器54に取付けているものである(図15参照)。このように、ブラケット65を吊り部を介して変圧器上部54aに接続することにより、変圧器54自体に新たな加工を施すことなく、ブラケット65を変圧器上部54aに取付けることができるのである。尚、変圧器54の吊り部の構造は上記した構造以外にも複数存在するが、何れの場合にも、変圧器54の吊り部を介してブラケット65を変圧器上部54aに取付けるよう構成する。
またブラケット65が導電性の場合には、は変圧器54との絶縁性を確保するため、絶縁シート(図示省略)等を介して変圧器54に取付ける。
上記アブソーバ部60cは、長尺なボルトアーム56の先端に絶縁性のゴム材より成る円盤状の弾性材58を取付けて構成されており、アブソーバ部60cの弾性材58の先端面が上記ブラケット65の接続部65cに当接接続すると共に、ボルトアーム56の後端側はフレーム64を貫通している。
また、上記弾性支持材69の先端部69bには、特殊ワッシャー70及びワッシャー71,72が介装された状態で調整ナット73及び3種ナット74が取付られている。上記特殊ワッシャー70は、弾性支持材69に加わる荷重を分散させるために設けられたものである。
アブソーバ部60aのボルトアーム56の後端は、支柱62の貫通孔、弾性支持材69、特殊ワッシャー70、ワッシャー71,72、調整ナット73、3種ナット74を貫通して外部へ導出されているのである。
尚、アブソーバ部60bは、上記したアブソーバ部60aと同じ構造で支柱62に取付けられており、アブソーバ部60cもアブソーバ部60aと同じ構造でフレーム64に取付けられている。
また、アブソーバ部60aとアブソーバ部60bは、変圧器54の短手方向Yにおいて同一平面上に配置されており、アブソーバ部60aの弾性材58の先端面がブラケット65の接続部65aに当接接続すると共に、アブソーバ部60bの弾性材58の先端面がブラケット65の接続部65bに当接接続している。この結果、変圧器上部54aの吊り部68に取付けられたブラケット65を介して、変圧器の上部54aが、アブソーバ部60a,60bの弾性材58によって短手方向Yから支持されることとなる。
先ず、各減震体51A,51Bのアブソーバ部60aの弾性材58の先端面をブラケット65の接続部65aに当接接続しておくと共に、アブソーバ部60bの弾性材58の先端面をブラケット65の接続部65bに当接接続しておく(図20)。
また、各減震体51A,51Bのアブソーバ部60cの弾性材58の先端面をブラケット65の接続部65cに当接接続しておく。
尚、図示は省略するが、上記第1の変圧器用減震装置10の場合と同様に、調整ナット73を回動させることにより、弾性材58を所定量圧縮させた状態でブラケット65の接続部65a,65b,65cに当接接続しても良い。
従って、通常時において、変圧器54を弾性支持する防振材52が変圧器54の振動を受けて上下方向へ振動すると、ボルトアーム56も上下方向に揺動するため、通常時の防振効果を維持することができる。
尚、変圧器54に水平右方向の振動が加わった場合においては、アブソーバ部60bの弾性材58が弾性変形することにより、地震時の水平右方向の振動が吸収されると共に、変圧器54の上部54aが右回転方向へ動くことが抑制され、変圧器54の回転剛性が強化される(図示省略)。
また、図示は省略するが、地震が発生して変圧器54に、該変圧器54の長手方向X(図15参照)の振動が加わった場合においては、上記した短手方向Yの振動が加わった場合と同様に、一方の減震体51Aのアブソーバ部60cの弾性材58又は他方の減震体51Bのアブソーバ部60cの弾性材58が弾性変形することにより、変圧器54の長手方向Xの振動が吸収されると共に、変圧器54の上部54aが回転方向へ動くことが抑制され、変圧器54の回転剛性が強化されるのである。
またこのように、変圧器54の回転剛性が強化され、変圧器上部54aのロッキング(回転)が抑制されることから、地震の共振周波数域(例えば数ヘルツ以下)を回避することができる。
尚、衝撃緩衝部76の先端面とブラケット65の衝突部77との間隙は、想定する地震の大きさに応じて適宜設定されるものである。
尚、各減震体101A,101Bを構成する一対の支柱108の上端部と下端部同士はブレース112を介して連結されていると共に、上端部同士はフレーム114を介して連結されている。
また、一方の減震体101Aと他方の減震体101Bの対向する支柱108の上端部と下端部同士はブレース112を介して連結されていると共に、上端部同士はフレーム114を介して連結されている。
この結果、変圧器54が、4本の支柱108、支柱108間に配されたブレース112及びフレーム114で囲繞されることとなる。
また、上記弾性支持材116の先端部116aには、特殊ワッシャー118及びワッシャー120,122が介装された状態で調整ナット124及び3種ナット126が取付られている。
アブソーバ部106aのボルトアーム102の後端は、支柱108を構成する板材108bの貫通孔、弾性支持材116、特殊ワッシャー118、ワッシャー120,122、調整ナット124、3種ナット126を挿通すると共に、支柱108の空間S内に配置されたゴムワッシャー128、 特殊ワッシャー118、ワッシャー120,122、調整ナット124、3種ナット126を貫通して空間S内に配置されている。
また、各減震体101A,101Bを構成するアブソーバ部106aとアブソーバ部106bは、変圧器54の短手方向Yにおいて同一平面上に配置されている。
さらに、一方の減震体101Aのアブソーバ部106aと他方の減震体101Bのアブソーバ部106b、一方の減震体101Aのアブソーバ部106bと他方の減震体101Bのアブソーバ部106aは、変圧器54の長手方向Xにおいて同一平面上に配置されている。
従って、変圧器上部54aの吊り部68に取付けられたブラケット110を介して、変圧器の上部54aが、一方の減震体101Aのアブソーバ部106a,106bの弾性材104,104及び他方の減震体101Bのアブソーバ部106a,106bの弾性材104,104によって、変圧器54の長手方向X及び短手方向Yに対して45度の角度で変圧器54内方側に向かって4方向から支持されることとなる。
先ず、各減震体101A,101Bを構成するアブソーバ部106aの弾性材104の先端面をブラケット110の接続部110aに当接接続しておくと共に、アブソーバ部106bの弾性材104の先端面をブラケット110の接続部110bに当接接続しておく(図24)。尚、調整ナット124を回動させることにより、弾性材104を所定量圧縮させた状態でブラケット110の接続部110a,110bに当接接続しても良い。
従って、通常時において、変圧器54を弾性支持する防振材52が変圧器54の振動を受けて上下方向へ振動すると、ボルトアーム102も上下方向に揺動するため、通常時の防振効果を維持することができる。
また、変圧器54の長手方向X(図24参照)に右から左への振動Bが加わった場合においては、図24において左側に配置された減震体101Bのアブソーバ部106a,106bの弾性材104,104が弾性変形することにより、地震時の長手方向Xの振動Bが吸収されると共に、変圧器54の上部54aが回転方向へ動くことが抑制され、変圧器54の回転剛性が強化される。
また、該変圧器54の短手方向Yに図24の下から上の振動Dが加わった場合においては、一方の減震体101Aのアブソーバ部106bの弾性材104及び他方の減震体101Bのアブソーバ部106aの弾性材104が弾性変形することにより、地震時の短手方向Yの振動Dが吸収されると共に、変圧器54の上部54aが回転方向へ動くことが抑制され、変圧器54の回転剛性が強化される。
またこのように、変圧器54の回転剛性が強化され、変圧器上部54aのロッキング(回転)が抑制されることから、地震の共振周波数域(例えば数ヘルツ以下)を回避することができる。
さらに、第3の変圧器用減震装置100の構成とすることにより、減震装置の幅を狭くすることができるので、キュービクルのような狭い建屋内の変圧器に対しても、取付けることができる。
上記フレーム212は平面略コ字状の角パイプで構成されており、一端を一方の支柱210の上端に接続すると共に、他端を他方の支柱210の上端に接続することにより、該フレーム212を介して一対の支柱210が連結されている。
また、アブソーバ部208cは、長尺なボルトアーム204の先端をブラケット214の接続部214cに接続すると共に、ボルトアーム204の後端はフレーム212の貫通孔212a(図29及び図33参照)を貫通させてフレーム212外へ導出しており、フレーム212外へ導出されたボルトアーム204の後端に絶縁性のゴム材より成る円盤状の弾性材206を挿通させて取付けて成り、上記弾性材206は、その先端面がフレーム212に密着した状態で、フレーム212の外側に配置されている。
尚、支柱210の貫通孔210a及びフレーム212の貫通孔212aは、ボルトアーム204が上下方向に揺動できるようボルトアーム204の径より大径と成されている。
また、角パイプで構成された支柱210の外側の貫通孔に、弾性材206の凸部206aが挿入された状態で、弾性材206は支柱210の外側に取付られており、該弾性材206の後端面には、特殊ワッシャー228及びワッシャー230,232が介装された状態で調整ナット234及び3種ナット236が取付られている。
尚、アブソーバ部208bは、上記したアブソーバ部208aと同じ構造で支柱210に取付けられており、アブソーバ部208cもアブソーバ部208aと同じ構造でフレーム212に取付けられている。
また、アブソーバ部208aとアブソーバ部208bは、変圧器54の短手方向Yにおいて同一平面上に配置された状態でアブソーバ部208aのボルトアーム204の先端がブラケット214の接続部214aに接続すると共に、アブソーバ部208bのボルトアーム204の先端がブラケット214の接続部214bに接続している。この結果、変圧器上部54aの吊り部68に取付けられたブラケット65を介して、変圧器の上部54aが、アブソーバ部208a,208bのボルトアーム204によって短手方向Yから支持されることとなる。
先ず、各減震体202A,202Bのアブソーバ部208a,208bのボルトアーム204の先端を、それぞれブラケット214の接続部214a,214bに接続しておくと共に、支柱210の貫通孔210aを貫通させて導出したボルトアーム204の後端に挿通させた弾性材206を支柱210の外側に取付けておく(図35)。
また、各減震体202A,202Bのアブソーバ部208cのボルトアーム204の先端を、それぞれブラケット214の接続部214cに接続しておくと共に、フレーム212の貫通孔212aを貫通させて導出したボルトアーム204の後端に挿通させた弾性材206をフレーム212の外側に取付けておく。
従って、通常時において、変圧器54を弾性支持する防振材52が変圧器54の振動を受けて上下方向へ振動すると、ボルトアーム204も上下方向に揺動するため、通常時の防振効果を維持することができる。
同じく、変圧器54に、該該変圧器54の短手方向Yである水平右方向の振動が加わった場合においては、アブソーバ部208aを構成するボルトアーム204に引張り荷重が加わることにより、支柱210の外側に取付けられた弾性材206が支柱210に押付けられて弾性変形し、地震時の水平右方向の振動が吸収されると共に、変圧器54の上部54aが右左回転方向へ動くことが抑制され、変圧器54の回転剛性が強化される(図示省略)。
また、図示は省略するが、地震が発生して変圧器54に、該変圧器54の長手方向X(図30参照)の振動が加わった場合においては、上記した短手方向Yの振動が加わった場合と同様に、一対の減震体202A,202Bのアブソーバ部208cを構成するボルトアーム204に引張荷重が加わることにより、フレーム212の外側に取付た一方の減震体202Aのアブソーバ部の弾性材206又は他方の減震体202Bのアブソーバ部の弾性材206がフレーム212に押付けられて弾性変形し、変圧器54の長手方向Xの振動が吸収されると共に、変圧器54の上部54aが回転方向へ動くことが抑制され、変圧器54の回転剛性が強化されるのである。
またこのように、変圧器54の回転剛性が強化され、変圧器上部54aのロッキング(回転)が抑制されることから、地震の共振周波数域(例えば数ヘルツ以下)を回避することができる。
本発明に係る第4の変圧器用減震装置200は、第1の変圧器用減震装置10〜第3の変圧器用減震装置100とは異なり、アブソーバ部208a,208b,208cを構成するボルトアーム204の先端をブラケット214に接続し、ボルトアーム204の後端を支柱210を貫通して導出すると共に、ボルトアーム204の後端に取付けた弾性材206を支持部材である支柱210及びフレーム212の外側に配置して成るので、ボルトアーム204に引張荷重が作用した際に地震時の振動を吸収できる構造であり、大きな振動に対する強度が極めて高いものである。
尚、衝撃緩衝部282の先端面とブラケット214の衝突部284との間隙は、想定する地震の大きさに応じて適宜設定されるものである。
尚、各減震体302A,302Bを構成する一対の支柱310の上端部と下端部同士はブレース314を介して連結されていると共に、上端部同士はフレーム316を介して連結されている。
また、一方の減震体302Aと他方の減震体302Bの対向する支柱310の上端部と下端部同士はブレース314を介して連結されていると共に、上端部同士はフレーム316を介して連結されている。
この結果、変圧器54が、4本の支柱310、支柱310間に配されたブレース314及びフレーム316で囲繞されることとなる。
尚、支柱310を構成する板材310bの貫通孔は、ボルトアーム304が上下方向に揺動できるようボルトアーム304の径より大径と成されているものである。
アブソーバ部308a,308bのボルトアーム304の先端と、ブラケット312の接続部312a,312bとの接続構造、弾性材306と支柱310の板材310bとの接続構造の詳細は、上記第4の変圧器用減震装置200の図34に示す接続構造と同じである。
また、各減震体302A,302Bを構成するアブソーバ部308aとアブソーバ部308bは、変圧器54の短手方向Yにおいて同一平面上に配置されている。
さらに、一方の減震体302Aのアブソーバ部308aと他方の減震体302Bのアブソーバ部308b、一方の減震体302Aのアブソーバ部308bと他方の減震体302Bのアブソーバ部308aは、変圧器54の長手方向Xにおいて同一平面上に配置されている。
従って、変圧器上部54aの吊り部68に取付けられたブラケット312を介して、変圧器の上部54aが、一方の減震体302Aのアブソーバ部308a,308bのボルトアーム304及び他方の減震体302Bのアブソーバ部308a,308bのボルトアーム304によって、変圧器54の長手方向X及び短手方向Yに対して45度の角度で変圧器54内方側に向かって4方向から支持されることとなる。
先ず、各減震体302A,302Bのアブソーバ部308a,308bのボルトアーム304の先端を、それぞれブラケット312の接続部312a,312bに接続しておくと共に、支柱310を構成する板材310bを貫通して支柱310の空間S内に配置したボルトアーム304の後端に挿通させた弾性材306を、板材310bの外側に取付けておく(図39)。
従って、通常時において、変圧器54を弾性支持する防振材52が変圧器54の振動を受けて上下方向へ振動すると、ボルトアーム304も上下方向に揺動するため、通常時の防振効果を維持することができる。
また、変圧器54の長手方向X(図39参照)に右から左への振動Bが加わった場合においては、図39において右側に配置された減震体302Aのアブソーバ部308a,308bを構成するボルトアーム304に引張荷重が加わることにより、支柱310を構成する板材310bの外側に取付けられた弾性材306が板材310bに押付けられて弾性変形し、地震時の水平左方向の振動が吸収されると共に、変圧器54の上部54aが左回転方向へ動くことが抑制され、変圧器54の回転剛性が強化される。
また、該変圧器54の短手方向Yに図39の下から上の振動Dが加わった場合においては、一方の減震体302Aのアブソーバ部308aを構成するボルトアーム304及び他方の減震体302Bのアブソーバ部308bを構成するボルトアーム30に引張荷重が加わることにより、支柱310を構成する板材310bの外側に取付けられた弾性材306が板材310bに押付けられて弾性変形し、地震時の短手方向Yの振動Dが吸収されると共に、変圧器54の上部54aが回転方向へ動くことが抑制され、変圧器54の回転剛性が強化される。
またこのように、変圧器54の回転剛性が強化され、変圧器上部54aのロッキング(回転)が抑制されることから、地震の共振周波数域(例えば数ヘルツ以下)を回避することができる。
既に設置されている変圧器に本発明の変圧器用減震装置を取付ける場合には、架台プレートを用いることなく、変圧器用減震装置の支柱を地面や建物の床面に直接取付けることにより、設置済みの変圧器を移動させることなく、変圧器用減震装置の取付作業を行うことができる。
一方、新規に変圧器及び本発明の変圧器用減震装置を設置する場合には、工場等で予め架台プレートに変圧器用減震装置を取付けた状態で設置現場に搬入することにより、現場での取付作業が容易となる。
11 変圧器
12 防振材
13 アブソーバ部
14 支柱
15 架台プレート
16 ブレース
17 連結フレーム
18 ボルトアーム
19 第1の弾性材
20 ワッシャー
21 1種ナット
22 押さえプレート
23 特殊ワッシャー
24 ワッシャー
25 1種ナット
26 3種ナット
27 ワッシャー
28 1種ナット
29 3種ナット
30 弾性支持材
31 特殊ワッシャー
32 ワッシャー
33 調整ナット
34 3種ナット
35 第2の弾性材
36 押さえプレート
37 特殊ワッシャー
38 ワッシャー
39 1種ナット
40 3種ナット
50 第2の変圧器用減震装置
51A,51B 減震体
52 防振材
54 変圧器
54a 変圧器の上部
56 ボルトアーム
58 弾性材
60a,60b,60c アブソーバ部
62 支柱
65 ブラケット
68 吊り部
75 第2の変圧器用減震装置の変形例
76 衝撃緩衝部
77 衝突部
100 第3の変圧器用減震装置
101A,101B 減震体
102 ボルトアーム
104 弾性材
106a,106b アブソーバ部
108 支柱
110 ブラケット
200 第4の変圧器用減震装置
202A,202B 減震体
204 ボルトアーム
206 弾性材
208a,208b,208c アブソーバ部
210 支柱
212 フレーム
214 ブラケット
280 第4の変圧器用減震装置の変形例
282 衝撃緩衝部
284 衝突部
300 第5の変圧器用減震装置
302A,302B 減震体
304 ボルトアーム
306 弾性材
308a,308b アブソーバ部
310 支柱
312 ブラケット
Claims (11)
- 防振材で弾性支持されて成る変圧器用減震装置であって、該変圧器用減震装置は、ボルトアームと該ボルトアームの先端に取付られた第1の弾性材を有する一対のアブソーバ部と、該アブソーバ部のボルトアームの後端側を揺動自在に支持する支持部材を備えており、
上記一対のアブソーバ部の第1の弾性材は、所定間隙を設けて水平方向に対向配置されており、上記一対のアブソーバ部の第1の弾性材で変圧器の上部を支持することを特徴とする変圧器用減震装置。 - 上記アブソーバ部の第1の弾性材を所定量圧縮した状態で、変圧器の上部を弾性支持することを特徴とする請求項1に記載の変圧器用減震装置。
- 上記一対のアブソーバ部を連結フレームを介して連結したことを特徴とする請求項1又は2に記載の変圧器用減震装置。
- 上記支持部材が支柱で構成されていると共に、該支柱の貫通孔に上記アブソーバ部のボルトアームの後端が挿通されており、また、
上記アブソーバ部の第2の弾性材の貫通孔にボルトアームが挿通した状態で、上記第2の弾性材が支柱に取付られていることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の変圧器用減震装置。 - 防振材で弾性支持されて成る変圧器に取付けて使用する変圧器用減震装置であって、 該変圧器用減震装置は、アームの先端又は後端に弾性材を取付けて成る3個のアブソーバ部と、該アブソーバ部のアームの後端側を揺動自在に支持する支持部材と、上記アブソーバ部の弾性材又はアームの先端が接続されると共に変圧器の上部に取付けられるブラケットを有する一対の減震体を備えており、
各減震体を構成する2個のアブソーバ部の弾性材又はアームの先端によって、上記ブラケットを介して変圧器の上部を短手方向から支持し、また、
一方の減震体を構成する1個のアブソーバ部の弾性材又はアームの先端、及び他方の減震体を構成する1個のアブソーバ部の弾性材又はアームの先端によって、上記ブラケットを介して変圧器の上部を長手方向から支持することを特徴とする変圧器用減震装置。 - 防振材で弾性支持されて成る変圧器に取付けて使用する変圧器用減震装置であって、 該変圧器用減震装置は、アームの先端又は後端に弾性材を取付けて成る2個のアブソーバ部と、該アブソーバ部のアームの後端側を揺動自在に支持する支持部材と、弾性材より成る衝撃緩衝部と、上記アブソーバ部の弾性材又はアームの先端が接続されると共に変圧器の上部に取付けられるブラケットを有する一対の減震体を備えており、
各減震体を構成する2個のアブソーバ部の弾性材又はアームの先端によって、上記ブラケットを介して変圧器の上部を短手方向から支持し、また、
変圧器に長手方向の振動が加わった場合に、上記衝撃緩衝部と衝突する衝突部を上記ブラケットに設けたことを特徴とする変圧器用減震装置。 - 防振材で弾性支持されて成る変圧器に取付けて使用する変圧器用減震装置であって、
該変圧器用減震装置は、アームの先端又は後端に弾性材を取付けて成る2個のアブソーバ部と、該アブソーバ部のアームの後端側を揺動自在に支持する支持部材と、上記アブソーバ部の弾性材又はアームの先端が接続されると共に変圧器の上部に取付けられるブラケットを有する一対の減震体を備えており、
一方の減震体を構成する2個のアブソーバ部の弾性材又はアームの先端、及び他方の減震体を構成する2個のアブソーバ部の弾性材又はアームの先端によって、上記ブラケットを介して変圧器の上部を、該変圧器の長手方向及び短手方向に対して45度の角度で変圧器内方側に向かって4方向から支持することを特徴とする変圧器用減震装置。 - 請求項1〜4の何れかに記載の変圧器用減震装置の取付方法であって、
所定間隙を設けて水平方向に対向配置された一対のアブソーバ部の第1の弾性材を、所定量圧縮させた状態で変圧器の上部を弾性支持するようにして変圧器に取付けることを特徴とする変圧器用減震装置の取付方法。 - 請求項5に記載の変圧器用減震装置の取付方法であって、
各減震体を構成する2個のアブソーバ部の弾性材又はアームの先端を、変圧器上部に取付けたブラケットに接続することにより、該ブラケットを介して変圧器の上部を短手方向から支持し、また、一方の減震体を構成する1個のアブソーバ部の弾性材又はアームの先端、及び他方の減震体を構成する1個のアブソーバ部の弾性材又はアームの先端を、変圧器上部に取付けたブラケットに接続することにより、該ブラケットを介して変圧器の上部を長手方向から支持するよう取付けることを特徴とする変圧器用減震装置の取付方法。 - 請求項6に記載の変圧器用減震装置の取付方法であって、
各減震体を構成する2個のアブソーバ部の弾性材又はアームの先端を、変圧器上部に取付けたブラケットに接続することにより、該ブラケットを介して変圧器の上部を短手方向から支持し、また、弾性材より成る衝撃緩衝部とブラケットの衝突部とが、変圧器に長手方向の振動が加わった場合に衝突するよう取付けることを特徴とする変圧器用減震装置の取付方法。 - 請求項7に記載の変圧器用減震装置の取付方法であって、
一方の減震体を構成する2個のアブソーバ部の弾性材又はアームの先端、及び他方の減震体を構成する2個のアブソーバ部の弾性材又はアームの先端を、変圧器上部に取付けたブラケットに接続することにより、該ブラケットを介して変圧器の上部を、該変圧器の長手方向及び短手方向に対して45度の角度で変圧器内方側に向かって4方向から支持するよう取付けることを特徴とする変圧器用減震装置の取付方法。
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