JP2016216939A - プレートコンパクタの防振装置 - Google Patents

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秀樹 森谷
田中 正道
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正道 田中
哉葵 眞下
Saiki Makka
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Abstract

【課題】緩衝部材の当接面と相手側部材との間に所期の間隙を確保した上で、落下等による衝撃を受けたときの上部構造体の傾動角を最小限にとどめて、防振ゴムの破損等の種々のトラブルを未然に防止できるプレートコンパクタの防振装置を提供する。
【解決手段】底板5上の後部の4箇所に防振ゴム4を配置し、底板5上の前部に加振装置6を配置して下部構造体2を構成する。防振ゴム4上にエンジン12等を搭載したエンジンベース11を支持して上部構造体3を構成し、ベルト23を介してエンジン12により起振装置6を駆動することで底板5を加振する。落下等の衝撃を受けたときの上部構造体3の前後方向の傾動中心点Pよりも前側位置で、底板5上にゴム製の緩衝部材7を固定して上方に延設し、その上端の当接面7aをエンジンベース11の下面に対して所定の間隙Cを介して相対向させる。
【選択図】図5

Description

本発明は、路面を締固めるプレートコンパクタに係り、詳しくは起振装置により加振された底板の振動が動力源側に伝達されるのを抑制する防振装置に関する。
この種のプレートコンパクタは、例えば特許文献1に記載のように、下部構造体の上方に防振ゴムを介して上部構造体を支持した全体構成を採っている。下部構造体は、底板上に起振装置及び防振ゴムを配設して構成され、その防振ゴム上に上部構造体のエンジンベースが支持され、エンジンベース上に動力源としてエンジンが搭載されている。エンジンによりベルトを介して起振装置が駆動されて下部構造体全体が加振され、底板の振動により路面の締固めが行われると共に、防振ゴムの弾性変形により上部構造体への振動の伝達が抑制されている。
プレートコンパクタは道路機械として比較的小型であることから、その運搬はクレーン等を使用せずに人力で行われる場合が多く、例えばトラックへの乗せ降ろしの際にプレートコンパクタを落下させてしまう場合もあり得る。落下等によってプレートコンパクタが強い衝撃を受けると、その衝撃は下部構造体と上部構造体とを弾性的に連結している防振ゴムに集中する。このため、限界を超えた防振ゴムの変形による破損、プーリからのベルト外れ、エンジン破損等のトラブルが発生してしまう。
このようなトラブルへの対策として、衝撃を受けたときの下部構造体と上部構造体との相対的な傾動(以下の説明では、上部構造体の傾動と表現する場合もある)を規制するために緩衝部材を備えたプレートコンパクタも存在する。図6は従来技術の防振装置を備えたプレートコンパクタを示す正面図、図7は同じくプレートコンパクタを示す平面図、図8は衝撃を受けて上部構造体が前方に傾動した状態を示す図6に対応する説明図である。
プレートコンパクタ101の下部構造体2の底板5上には四角形の頂点に対応する位置にそれぞれ防振ゴム4が配置され、これらの防振ゴム4を介して上部構造体3のエンジンベース11が支持されている。エンジンベース11の下面の各防振ゴム4の中央位置にはブラケット103が固定され、このブラケット103の下面にはゴム製の緩衝部材102が固定されている。緩衝部材102は円柱状をなして下方に延設され、その下端を当接面102aとしている。当接面102aと底板5の上面との間には間隙Cが形成され、プレートコンパクタ101の通常の稼働時には当接面102aが底板5の上面から常に離間している。
運搬時の落下等によってプレートコンパクタ101が強い衝撃を受けると、例えば図8に示すように、防振ゴム4を変形させながら下部構造体2に対して上部構造体3が前方に傾動する。このときの傾動は前後の防振ゴム4を結んだ仮想線の中間点(傾動中心点P)を中心として行われ、この傾動に伴って緩衝部材102の当接面102aの一側(前側箇所)が底板5上に当接して上部構造体3の傾動を規制する。
特開2013−53462号公報
プレートコンパクタ101の通常の稼働時に緩衝部材102の当接面102aが底板5の上面に接していると、緩衝部材102を介して上部構造体3側に振動が伝達されて防振ゴム4の防止作用が妨げられてしまう。当接面102aと底板5の上面との間の間隙Cは、このような事態の防止を目的としたものであり、さらに防振ゴム4の経年劣化に伴って間隙Cが次第に減少することを見込んで、間隙Cは予め大きめに設定する必要がある。
一方で、衝撃による上部構造体3の傾動は、緩衝部材102の当接面102aが底板5の上面に当接するまで継続し、それに応じて防振ゴム4の変形量が増大するため、上部構造体3の傾動角βを最小限にとどめることが望ましい。傾動角の縮小のために間隙Cを狭めることも考えられるが、上記の理由で所期の間隙Cは必要である。図6〜8に示す従来技術では、これらの相反する要求を両立できず、結果として上部構造体3の傾動角βがある程度増加しないと傾動規制できない。このため落下等による衝撃を受けたときに、防振ゴム4の破損等の種々のトラブルを確実に防止することができなかった。
本発明はこのような問題点を解決するためになされたもので、その目的とするところは、緩衝部材の当接面と相手側部材との間に所期の間隙を確保した上で、落下等による衝撃を受けたときの上部構造体の傾動角を最小限にとどめて、防振ゴムの破損等の種々のトラブルを未然に防止することができるプレートコンパクタの防振装置を提供することにある。
上記の目的を達成するため、本発明のプレートコンパクタの防振装置は、路面を締め固めるための底板、底板上に配設された防振部材、及び底板上の防振部材の前側に配設されて底板を加振する起振装置から構成される下部構造体と、防振部材を介して下部構造体の上方に支持されたユニットベース、ユニットベース上に搭載されてベルトを介して起振装置を駆動する動力源、及びユニットベースの後部から後方に向けて延設された操舵ハンドルから構成され、衝撃を受けたときに防振部材を弾性変形させながら傾動中心点を中心として前後方向に傾動する上部構造体と、底板の上面とユニットベースの下面との間において傾動中心点よりも前方位置に配設されると共に、相手側部材に対して間隙を介して当接面を相対向させ、衝撃による上部構造体の傾動に伴って当接面を相手側部材に当接させて弾性圧縮されながら上部構造体の傾動を規制する緩衝部材とを備えたことを特徴とする。
本発明のプレートコンパクタの防振装置によれば、起振装置と動力源との間に張架されたベルトにより上部構造体の後方への傾動が規制される。そして、衝撃により上部構造体が前方に傾動した場合には、傾動中心点を中心とした円弧状の軌跡を辿って緩衝部材の当接面が相手側部材へと接近して当接し、上部構造体の傾動を規制する。
緩衝部材の当接面が傾動中心点よりも前方に配置されることにより、傾動中心点から緩衝部材の当接面までの距離は長く、この距離を半径とした円弧状の軌跡を辿って緩衝部材の当接面が位置変位する。このため、上部構造体の傾動角が未だ小さい時点で間隙が0となって傾動規制され、上部構造体が大きく傾動したときの防振ゴムの破損等のトラブルを未然に防止することができる。
実施形態の防振装置を備えたプレートコンパクタを示す正面図である。 同じくプレートコンパクタを示す平面図である。 同じくプレートコンパクタを示す側面図である。 起振装置に対する緩衝部材の固定構造を表す図2のIV−IV線断面図である。 衝撃を受けて上部構造体が前方に傾動した状態を示す図1に対応する説明図である。 従来技術の防振装置を備えたプレートコンパクタを示す正面図である。 同じくプレートコンパクタを示す平面図である。 衝撃を受けて上部構造体が前方に傾動した状態を示す図6に対応する説明図である。
以下、本発明を具体化したプレートコンパクタの防振装置の一実施形態を説明する。
図1は本実施形態の防振装置を備えたプレートコンパクタを示す正面図、図2は同じくプレートコンパクタを示す平面図、図3は同じくプレートコンパクタを示す側面図、図4は起振装置に対する緩衝部材の固定構造を表す図2のIV−IV線断面図、図5は衝撃を受けて上部構造体が前方に傾動した状態を示す図1に対応する説明図である。以下の説明では、プレートコンパクタを基準として前後、左右及び上下の各方向を規定する。なお、図2では、防振ゴムと緩衝部材との位置関係を表すために上部構造体を省略している。
全体としてプレートコンパクタ1は、下部構造体2の上方に防振ゴム4(防振部材)を介して上部構造体3を支持して構成されている。下部構造体2は、底板5上に後述する起振装置6、防振ゴム4及び緩衝部材7を配設して構成され、起振装置6により底板5を加振するようになっている。底板5は鋼板を素材とした四角板状をなし、その前縁及び後縁はそれぞれ上方に湾曲形成され、前縁にはプレートコンパクタ1を運搬するための取っ手8が溶接されている。底板5上には前後方向に延びる鋼板製の補強材5aが配設され、この補強材5aは後方視で下方に凹状の断面形状をなし、その周囲全体を底板5上に溶接されて底板5を補強している。
図2,3に示すように、補強材5aの上面が実質的な底板5の上面として機能し、補強材5a上の後半分の領域には四角形の頂点に対応する位置にブラケット10がそれぞれ配設されている。各ブラケット10はアングル状をなし、その一側面を前後方向に沿わせた姿勢で他側面を補強材5a上に当接させて溶接されている。各ブラケット10の一側面には防振ゴム4の一端がそれぞれ固定され、各防振ゴム4の他端には、前後の防振ゴム4を連結するように左右一対の平板状のブラケット11aがそれぞれ固定されている。これらのブラケット11aは上部構造体3のエンジンベース11(ユニットベース、相手側部材)の一部を構成し、水平配置された四角板状をなすエンジンベース11の左右両端を下方に折曲することでブラケット11aが形成されている。
エンジンベース11上にはエンジン12(動力源)及びエアクリーナ13や燃料タンク14等の各種補機類が搭載され、エンジン12の出力軸12a(図3に示す)は左方に突出して駆動プーリ15が固定されている。エンジンベース11上の後部には図示しない緩衝部材を介して操舵ハンドル16の基端が連結され、操舵ハンドル16は上方斜め後方に向けて延設されている。締固め作業の際のオペレータは、この操舵ハンドル16を把持してプレートコンパクタ1の進路変更や姿勢調整等を行なうようになっている。なお、エンジンベース11上には吊りフック17が設けられ(図3に一部を図示)、プレートコンパクタ1の運搬時に利用される。
以上のように、下部構造体2の底板5上から4個の防振ゴム4を介して上部構造体3のエンジンベース11が支持され、起振装置6により底板5が加振されているときには、各防振ゴム4が弾性変形して下部構造体2から上部構造体3への振動の伝達を抑制し、これにより振動からのエンジン12の保護、及び操舵ハンドル16を操作しているオペレータの疲労軽減を果たしている。
ここで、底板5の補強材5aの上面とエンジンベース11の下面との間において、各防振ゴム4の上下位置は底板5寄りに設定されている(図1中にL1>L2で示す)。換言すると、補強材5aの上面とエンジンベース11の下面との間の上下方向の中間点よりも下方位置に防振ゴム4が配置されている。このような防振ゴム4の位置設定は、プレートコンパクタ1の安定した稼働を目的としたものであり、同時に上部構造体3の重量を受けた防振ゴム4の下方への撓みにより必然的に生じるものでもある。
重量物であるエンジン12等を上部構造体3に搭載したプレートコンパクタ1は重心位置が高く、しかも作業中には起振装置6からの振動を常に受けている。このような振動による影響を軽減するために、下部構造体2と上部構造体3との境界となる防振ゴム4を下方位置に配置し、これによりプレートコンパクタ1の安定した稼働を可能としている。
また、起振装置6を停止させた静止状態において各防振ゴム4は上部構造体3の重量を受けて下方に撓んでおり、結果として各防振ゴム4は底板5寄りに配置されることになる。
一方、底板5の補強材5a上の防振ゴム4よりも前側位置には、起振装置6のケーシング19が配設されている。ケーシング19は左右方向に延びる円筒状をなして前後にフランジ19aが一体形成され、それらのフランジ19aが左右一対のボルト20により補強材5a上にそれぞれ締結・固定されている。詳しくは、各ボルト20はケーシング19のフランジ19aを貫通して鋼板製の補強材5aに形成した雌ネジに螺合し、これによりケーシング19が固定されている。
ケーシング19内には左右方向に延びる起振軸21が回転可能に支持され、図示はしないが起振軸21には偏芯ウエイトが設けられている。起振軸21の左端はケーシング19内から外部に突出して被動プーリ22が固定され、この被動プーリ22とエンジン12側の駆動プーリ15との間にはベルト23が張架されている。プレートコンパクタ1の稼働時にはエンジン12の駆動力がプーリ15,22及びベルト23を介して起振軸21に伝達され、起振軸21の回転により下部構造体2全体が加振される。起振軸21の回転方向は図1において反時計方向に設定され、これにより底板5には上下方向の振動と共に前方への推進力が付与され、締固め作業中にはプレートコンパクタ1が前進しながら路面を締め固める。
ところで、[発明が解決しようとする課題]で述べたように、運搬の際の落下等によってプレートコンパクタ1が強い衝撃を受けると、防振ゴム4を弾性変形させながら下部構造体2に対して上部構造体3が傾動し、限界を超えた防振ゴム4の変形による破損、プーリ15,22からのベルト外れ、振動及び走行不能のトラブルが発生する。その対策として、図6〜8に示した従来技術のプレートコンパクタ101では、エンジンベース11の下面中央に緩衝部材102を配置し、衝撃により上部構造体3が傾動したときに緩衝部材102の当接面102aを底板5上に当接させて傾動規制したが、その傾動角βがある程度増加しないと傾動規制できないため問題解決には十分でなかった。
本発明者は、その要因を考察した結果、従来技術の問題は以下の点に起因していることを突き止めた。
例えば図8に示すように、衝撃を受けて上部構造体3が前方に傾動したとき、その傾動は前後の防振ゴム4を結んだ仮想線の中間点(以下、傾動中心点Pと称する)を中心として行われ、緩衝部材102の当接面102aも傾動中心点Pを中心とした円弧状の軌跡を辿って位置変位しながら底板5の上面との間の間隙Cを次第に縮小し、最終的に底板5の上面に当接して傾動規制の役割を果たす。このときの傾動中心点Pから当接面102aまでの距離r(換言すると当接面102aの旋回半径)が長いほど、上部構造体3の傾動角が同一であっても間隙Cはより大きく減少する。
図8の従来技術では、傾動中心点Pから当接面102aまでの距離rが非常に短いため、緩衝部材102の当接面102aが底板5の上面に当接するまでに上部構造体3が大きく傾動し、これが衝撃を受けたときの上部構造体3の傾動角βを増加させる要因となっている。従って、必要な間隙Cを確保した上で上部構造体3の傾動角βを最小限にとどめるには、傾動中心点Pから緩衝部材102の当接面102aまでの距離rを可能な限り長く設定すればよいことが判る。
さらに、本発明者は以下の点にも着目した。なお、従来技術の緩衝部材102及び当接面102aと区別するために、緩衝部材には7、当接面には7aの部材番号を付す。
1)起振装置6による振動は起振軸回りに発生し、それらの振動を効果的に吸収できるように、防振ゴム4は特に上下及び前後方向に弾性変形し易いように配置されている。このため、衝撃を受けたときの下部構造体2に対する上部構造体3の傾動は左右方向の場合よりも前後方向の場合の方が大となり、それに伴って防振ゴム4も大きく変形する。また、プーリ15,22からのベルト外れは、上部構造体3の前後方向への傾動で発生する。よって、上記諸問題を解決するには、特に上部構造体3の前後方向の傾動を規制することが重要となる。
2)上部構造体3側の駆動プーリ15と下部構造体2側の被動プーリ22とがベルト23で連結されることにより、上部構造体3の後方への傾動が規制されている。このため上部構造体3の後方への傾動規制は不要と見なせ、前方への傾動のみを規制すれば前後両方向への傾動規制を達成できる。結果として、上記した傾動中心点Pから当接面7aまでの距離rを長く設定すべきとの結論と考え合わせると、緩衝部材7の当接面7aの前後位置に関しては、傾動中心点Pよりも可能な限り前方に配置することが望ましい。
3)緩衝部材7は補強材5aの上面とエンジンベース11の下面との間のスペース内に配置され、補強材5aの上面に固定することも、エンジンベース11の下面に固定することも可能である。そして、上記のように防振ゴム4は補強材5aの上面とエンジンベース11の下面との上下方向の中間点よりも下方位置に配置され、必然的に傾動中心点Pも上面と下面との中間点よりも下方に位置している。このため傾動中心点Pから当接面7aまでの距離rを長くするために、緩衝部材7の当接面7aの上下位置に関しては、上記スペース内において傾動中心点Pよりも可能な限り上方に配置することが望ましい。
具体的には、補強材5aの上面に緩衝部材7を固定する場合には、緩衝部材7を上方に延設して当接面7aを相手側部材となるエンジンベース11の下面に対し間隙Cを介して相対向させることになる(以下に述べる「前者」に相当)。また、エンジンベース11の下面に緩衝部材7を固定する場合には、緩衝部材7の上下方向の長さを可能な限り短縮した上で、補強材5a上から相手側部材となるブラケットを上方に延設して緩衝部材7の当接面7aに対し間隙Cを介して相対向させることになる(以下に述べる「後者」に相当)。
4)項目3で述べた前者及び後者の何れの場合でも傾動中心点Pから当接面7aまで長い距離rを確保可能であるが、ここで重要なのは、緩衝部材7には単なる上部構造体3の回動規制だけでなく、その際に落下等による衝撃を吸収する機能が要求される点である。このときの衝撃吸収は、相手側部材への当接により緩衝部材7が上下方向に弾性圧縮されることで得られるため、緩衝部材7が上下方向に十分な長さを有する必要がある。
項目3で述べた後者では、緩衝部材7の当接面7aを上方に配置するためにブラケットにより補強材5aの上面を嵩上げしており、結果として緩衝部材7の上下方向の長さ(上下厚み)がごく僅かに制限され、それほど衝撃吸収が期待できない。これに対して項目3で述べた前者では、当接面7aの上方配置のために緩衝部材7を上方に延設しているため、緩衝部材7は上下方向に十分な長さを有して効果的に衝撃を吸収可能となる。よって、緩衝部材7は補強材5aの上面に固定することが望ましい。
以上の知見の下に、本実施形態では以下に述べるように緩衝部材7が構成・配置されている。
まず、スペースが限られた底板5上(補強材5a上)の後半分には防振ゴム4が配設され、前半分には起振装置6が配設されているため、緩衝部材7を固定できるのは防振ゴム4と起振装置6との間のごく狭いスペースに限られる。さらに防振ゴム4の周囲には脱着操作のためのスペースを確保しておく必要もある。そこで、本実施形態では、起振装置6のケーシング19を固定しているボルト20を利用して緩衝部材7のブラケット25を共締めしている。
詳しくは、ケーシング19の後側のフランジ19a上には緩衝部材7のブラケット25が重ねられて配置され、ブラケット25はフランジ19aと共に一対のボルト20で共締めされている。ケーシング19の強固な固定のために、ボルト20の先端は鋼板製の補強材5aに形成された雌ネジに螺合している。ブラケット25はフランジ19a上から後方に張り出し、ブラケット25上には弾性を有するゴム製の緩衝部材7が固定されている。緩衝部材7は円柱状をなして上方に延設され、その上端に相当する当接面7aはエンジンベース11の下面に対し間隙Cを介して相対向している。
結果として緩衝部材7が起振装置6の直後に固定されることにより、その当接面7aは傾動中心点Pから最大限に前方に配置されている。同時に、緩衝部材7がブラケット25上から上方に延設されることにより、その当接面7aはエンジンベース11の下面との間に所期の間隙Cを確保した上で最大限に上方に配置されている。
なお、緩衝部材7の形状や材質はこれに限るものではない。例えば、左右方向に長い断面長方形状をなす緩衝部材7としてもよいし、材質をエラストマーに変更してもよい。また、緩衝部材7を上下方向に延びる金属製の圧縮スプリングとしてもよい。
ところで、緩衝部材7を固定するために共締めを採用することなく、ケーシング19にタップで雌ねじを形成し、ボルトを螺合させて緩衝部材7のブラケット25を固定することもできる。しかし、鋳物のケーシング19に形成した雌ネジは振動を受けて破損し易いため、緩衝部材7の脱落等のトラブルを生じてしまう。また、ケーシング19に緩衝部材7のブラケット25を一体形成することも考えられるが、本実施形態のように後方に張り出す形状では強度とコストアップの問題がある。
本実施形態では、ブラケット25を共締めするボルト20が鋼板製の補強材5a上の雌ネジに螺合しているため、起振装置6からの振動を受けても雌ネジは破損することなくボルト20との螺合状態を保つ。よって、ケーシング19と共に緩衝部材7のブラケット25を強固に固定でき、緩衝部材7の脱落等のトラブルを未然に防止できる。また、ケーシング19に対してブラケット25を別体としているため、強度やコストアップの問題も未然に回避することができる。
次に、以上のように構成されたプレートコンパクタ1の防振装置の作用を説明する。
プレートコンパクタ1の通常の稼働時には、起振装置6により底板5を含む下部構造体2全体が加振され、底板5の振動によりプレートコンパクタ1が前進しながら路面を締固めている。このとき各防振ゴム4は弾性変形して下部構造体2から上部構造体3への振動の伝達を抑制しており、それに伴って下部構造体2と上部構造体3とは振動に同期した周期的な位置変位を繰り返している。緩衝部材7とエンジンベース11の下面との間に形成された間隙Cにより、緩衝部材7の当接面7aはエンジンベース11の下面から常に離間して防振ゴム4による防振作用を許容している。
一方、プレートコンパクタ1の運搬時の落下等によって強い衝撃を受けた場合、その衝撃に応じた方向に上部構造体3が傾動する。上記のような防振ゴム4の配置に起因して、上部構造体3は左右方向にはそれほど大きく傾動せず、また上部構造体3の後方への傾動はベルト23により規制されるため、これらの方向への上部構造体3の傾動がトラブルの要因になる可能性はほとんどない。これに対して上部構造体3を前方に傾動させる方向に衝撃が作用した場合、各防振ゴム4は衝撃に耐えきれずに大きく変形する。
図5に示すように、このときの上部構造体3は防振ゴム4を弾性変形させながら傾動中心点Pを中心として前方へと傾動し、それに伴ってエンジンベース11の下面が緩衝部材7の当接面7aへと接近し、両部材11,7の間に形成された間隙Cが次第に縮小する。上部構造体3と下部構造体2との位置変位は相対的なものであるため、下部構造体2の位置変位として表現すると、傾動中心点Pを中心とした円弧状の軌跡を辿って緩衝部材7の当接面7aがエンジンベース11の下面へと接近し、それに伴って間隙Cが次第に縮小することになる。そして、間隙Cが0になった時点で緩衝部材7の当接面7aがエンジンベース11の下面に当接して傾動規制し、続いて緩衝部材7が上下方向に弾性圧縮しながら落下等による衝撃を吸収する。
上記のように緩衝部材7の当接面7aが傾動中心点Pよりも可能な限り前方且つ上方に配置されることにより、傾動中心点Pから緩衝部材7の当接面7aまでの距離rは最大限に長く設定されている。そして、この距離rを半径とした円弧状の軌跡を辿って緩衝部材7の当接面7aが位置変位するため、上部構造体3が僅かに傾動しただけで間隙Cは大きく減少する。結果として上部構造体3の傾動角αが未だ小さい時点で間隙Cが0となり、上部構造体3の傾動が規制される。このため、緩衝部材7の当接面7aとエンジンベース11の下面との間に所期の間隙Cを確保した上で、落下等による衝撃を受けたときの上部構造体3の傾動角α(<β)を最小限にとどめることができ、これにより限界を超えた防振ゴム4の変形による破損、プーリ15,22からのベルト外れ、エンジン破損等の種々のトラブルを未然に防止することができる。
また、エンジンベース11の下面への当接直後から緩衝部材7は弾性圧縮して衝撃吸収作用を奏するが、上記のように補強材5aの上面に緩衝部材7を固定した結果、当接面7aの上方配置のために緩衝部材7が上方に延設されている。このため、緩衝部材7は上下方向に十分な長さを有し、その弾性圧縮により落下等による衝撃を効果的に吸収してプレートコンパクタ1の各部の破損を未然に防止することができる。
以上で実施形態の説明を終えるが、本発明の態様はこの実施形態に限定されるものではない。
例えば上記実施形態では、傾動中心点Pから緩衝部材7の当接面7aまでの距離rを最大限に長くすべく、緩衝部材7の当接面7aを可能な限り上方に配置したが、必ずしもこれに限るものではない。例えば緩衝部材7を上方に延設せずに、その当接面7aを補強材5aの上面とエンジンベース11の下面との上下方向の中間点付近に位置させてもよい。また、エンジンベース11の下面に補強材5aを固定して下方に延設してもよい。これらの場合であっても、緩衝部材7の当接面7aを傾動中心点Pよりも可能な限り前方に配置すれば、傾動中心点Pから緩衝部材7の当接面7aまでの距離rを十分に長く設定できる。
また上記実施形態では、プレートコンパクタ1の安定した稼働のために、補強材5aの上面とエンジンベース11の下面との間の上下方向の中間点よりも下方位置に防振ゴム4を配置したが、必ずしもこれに限るものではなく、上面と下面との間の中間点よりも上方位置に防振ゴム4を配置してもよい。この場合には傾動中心点Pも中間点よりも上方に位置することから、傾動中心点Pから緩衝部材7の当接面7aまでの距離rを最大限に長くするために、緩衝部材7の当接面7aを可能な限り下方に配置することが望ましい。よって、この場合には、エンジンベース11の下面に補強材5aを固定して下方に延設し、その下端の当接面7aを底板5の補強材5aの上面(相手側部材)に対し間隙Cを介して相対向させればよい。
また上記実施形態では、起振装置6のケーシング19に緩衝部材7のブラケット25を共締めしたが、必ずしもこれに限るものではなく、底板5の補強材5aの上面にボルトでブラケット25を締結してもよい。
また上記実施形態では、底板5と起振装置6のケーシング19とを別体としたが、必ずしもこれに限るものではなく、両部材5,19を一体としてもよい。
2 下部構造体
3 上部構造体
4 防振ゴム(防振部材)
5 底板
6 起振装置
7 緩衝部材
7a 当接面
11 エンジンベース(ユニットベース、相手側部材)
12 エンジン(動力源)
16 操舵ハンドル
23 ベルト

Claims (4)

  1. 路面を締め固めるための底板、該底板上に配設された防振部材、及び前記底板上の前記防振部材の前側に配設されて該底板を加振する起振装置から構成される下部構造体と、
    前記防振部材を介して前記下部構造体の上方に支持されたユニットベース、該ユニットベース上に搭載されてベルトを介して前記起振装置を駆動する動力源、及び前記ユニットベースの後部から後方に向けて延設された操舵ハンドルから構成され、衝撃を受けたときに前記防振部材を弾性変形させながら傾動中心点を中心として前後方向に傾動する上部構造体と、
    前記底板の上面と前記ユニットベースの下面との間において前記傾動中心点よりも前方位置に配設されると共に、相手側部材に対して間隙を介して当接面を相対向させ、前記衝撃による上部構造体の傾動に伴って前記当接面を前記相手側部材に当接させて弾性圧縮されながら該上部構造体の傾動を規制する緩衝部材と
    を備えたことを特徴とするプレートコンパクタの防振装置。
  2. 前記緩衝部材は、前記底板の上面または前記ユニットベースの下面の何れか一方に固定されると共に、前記相手側部材として前記底板の上面または前記ユニットベースの下面の他方に対して間隙を介して前記当接面を相対向させる
    ことを特徴とする請求項1に記載のプレートコンパクタの防振装置。
  3. 前記上部構造体は、前記底板の上面と前記ユニットベースの下面との間の上下方向の中間点よりも下方位置を傾動中心点として前後方向に傾動し、
    前記緩衝部材は、前記底板の上面に固定されて上方に延設されると共に、前記相手側部材として前記ユニットベースの下面に対して間隙を介して前記当接面を相対向させる
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のプレートコンパクタの防振装置。
  4. 前記緩衝部材は、前記底板の上面の前記起振装置の直後に固定された
    ことを特徴とする請求項3に記載のプレートコンパクタの防振装置。
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