JP2002013164A - 建設機械 - Google Patents

建設機械

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JP2002013164A
JP2002013164A JP2000196923A JP2000196923A JP2002013164A JP 2002013164 A JP2002013164 A JP 2002013164A JP 2000196923 A JP2000196923 A JP 2000196923A JP 2000196923 A JP2000196923 A JP 2000196923A JP 2002013164 A JP2002013164 A JP 2002013164A
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frame
vibration
side bracket
viscoelastic
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JP2000196923A
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Takeshi Higuchi
武史 樋口
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 作業時等にフレームからキャブに伝わる振動
を低減する。 【解決手段】 旋回フレーム5上でキャブ13を懸架す
る防振マウント16をゴムばね22と、粘弾性材料から
なる粘弾性筒体23とによって構成し、旋回フレーム5
に固定したフレーム側ブラケット17と、キャブ13に
固定したキャブ側ブラケット19との間に、ゴムばね2
2と粘弾性筒体23とを並列に設ける。これにより、ゴ
ムばね22が上,下方向に伸縮変形しつつキャブ13の
荷重を受承し、粘弾性筒体23が上,下方向にせん断変
形しつつキャブ13の振動を減衰することにより、旋回
フレーム5からキャブ13に伝わる振動を低減すること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば油圧ショベ
ル等の建設機械に関し、特に、フレーム上に設けられた
キャブに伝わる振動を低減できるようにした建設機械に
関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、油圧ショベル等の建設機械は、
作業装置が取付けられるフレームと、フレーム上に設け
られオペレータが着席する運転席を有するキャブと、フ
レームとキャブとの間に設けられ、フレームからの振動
がキャブに伝わるのを抑制しつつキャブを支持する防振
マウントとを備えている。
【0003】そして、このような防振マウントとして、
例えば特開平6−257638号公報には、トラックの
フレームとキャブとの間に設けられた液体封入式マウン
トが開示されている。
【0004】ここで、上述の従来技術による液体封入式
マウントは、フレーム側に固定される有底筒状のケーシ
ングと、上端側がキャブ側に固定され下端側がケーシン
グ内へと延びるシャフトと、ケーシングの上端側を閉塞
する状態で該ケーシングとシャフトとの間に設けられた
ゴム部材と、ゴム部材によって閉塞されたケーシングの
液室内に封入された液体と、シャフトの下端側に固定さ
れケーシングの液室内に配設されたプレートとにより大
略構成されている。また、ケーシングの液室内には液体
と共に空気が封入されており、この空気量が少ないと液
体封入式マウントのばね定数が大きくなり、空気量が多
いと液体封入式マウントのばね定数が小さくなる。
【0005】そして、上述の液体封入式マウントは、フ
レームからキャブに伝わる振動をゴム部材の変形によっ
て低減すると共に、ゴム部材の変形に伴ってプレートが
ケーシングの液室内で移動するときに生じる液体の流動
抵抗により、キャブの振動を減衰することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上述した液体
封入式マウントにおいては、ゴム部材が変形すると、ケ
ーシングの液室内に封入された空気が圧縮されて該液室
内の圧力が上昇するため、例えばゴム部材のばね定数を
小さく設定したとしても、ゴム部材がフレームからの振
動に応じて変形することができず、フレームからキャブ
に伝わる振動を低減することができなくなるという問題
がある。
【0007】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、フレームからキャブに伝わる振動を確実
に低減できるようにした建設機械を提供することを目的
としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ため、本発明は、作業装置が取付けられるフレームと、
前記フレーム上に設けられオペレータが着席する運転席
を有するキャブと、前記フレームとキャブとの間に設け
られ、フレームからの振動がキャブに伝わるのを抑制し
つつキャブを支持する防振マウントとを備えてなる建設
機械に適用される。
【0009】そして、請求項1の発明の特徴は、前記防
振マウントは、前記キャブを弾性をもって支持するゴム
部材と、前記ゴム部材と並列に設けられ前記キャブの振
動を減衰する粘弾性部材とにより構成したことにある。
【0010】このように構成したことにより、ゴム部材
はフレームに対してばね作用と振動減衰作用をもってキ
ャブの荷重を受承し、粘弾性部材はフレームからキャブ
に伝わる振動とキャブが生じた振動を減衰する。これに
より、ゴム部材によってキャブを支持すると共に、粘弾
性部材によってキャブの振動を減衰することができ、両
者の機能を両立させつつキャブを懸架することができ
る。
【0011】請求項2の発明は、ゴム部材はフレームと
キャブとの間で主としてキャブの荷重を受け、粘弾性部
材はフレームとキャブとの間で主としてキャブの振動を
減衰する構成としたことにある。
【0012】このように構成したことにより、フレーム
が振動すると、ゴム部材はフレームとキャブとの間で引
張力、圧縮力を受けて伸縮変形を行いながら、キャブの
荷重を受承する。一方、粘弾性部材は、フレームとキャ
ブとの間でせん断力を受けてせん断変形を行いながら、
キャブの振動を吸収する。
【0013】請求項3の発明は、フレームには、該フレ
ームに固定されるフレーム側フランジ部と、該フレーム
側フランジ部から上,下方向に延びるフレーム側ロッド
部とを有するフレーム側ブラケットを設け、キャブに
は、該キャブに固定され前記フレーム側フランジ部と
上,下方向で対向するキャブ側フランジ部と、該キャブ
側フランジ部から上,下方向に延び前記フレーム側ロッ
ド部と径方向で対向するキャブ側ロッド部とを有するキ
ャブ側ブラケットを設け、ゴム部材は前記フレーム側フ
ランジ部とキャブ側フランジ部との間に設け、粘弾性部
材は前記フレーム側ロッド部とキャブ側ロッド部との間
に設ける構成としたことにある。
【0014】このように構成したことにより、フレーム
が振動してフレーム側ブラケットとキャブ側ブラケット
とが上,下方向に相対的に変位すると、ゴム部材は、フ
レーム側フランジ部とキャブ側フランジ部との間で上,
下方向に伸縮変形しながらキャブの荷重を受承し、粘弾
性部材は、フレーム側ロッド部とキャブ側ロッド部との
間で上,下方向にせん断変形しながらキャブの振動を減
衰する。
【0015】請求項4の発明は、フレーム側ブラケット
とキャブ側ブラケットのうち少なくとも一方のブラケッ
トには、粘弾性部材が発生する熱を放熱する放熱板を設
ける構成としたことにある。
【0016】このように構成したことにより、粘弾性部
材は、キャブの振動エネルギを熱エネルギに変換するた
めに発熱するが、この粘弾性部材が発生した熱を放熱板
によって大気中に放熱することができるので、粘弾性部
材による振動減衰特性を安定させることができる。
【0017】請求項5の発明は、ゴム部材は前記フレー
ムとキャブとの間で上,下方向に伸縮変形する位置に設
け、前記粘弾性部材は前記フレームとキャブとの間で
上,下方向および水平方向にせん断変形する位置に設け
る構成としたことにある。
【0018】このように構成したことにより、フレーム
が振動すると、ゴム部材は上,下方向に伸縮変形し、ば
ね作用と振動減衰作用をもってキャブの荷重を受承す
る。一方、粘弾性部材は、上,下方向にせん断変形する
だけでなく水平方向(前,後方向または左,右方向)に
もせん断変形するので、粘弾性部材によってキャブの
上,下方向の振動のみならず、水平方向の振動をも減衰
することができる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る建設機械の実
施の形態を油圧ショベルに適用した場合を例に挙げ、図
1ないし図12を参照しつつ詳細に説明する。まず、図
1ないし図5は本発明の第1の実施の形態を示してい
る。
【0020】図中、1は油圧ショベルで、該油圧ショベ
ル1は、クローラ式の走行体2と、該走行体2上に旋回
可能に搭載された旋回体3と、該旋回体3の前部中央に
俯仰動可能に設けられた作業装置4とにより大略構成さ
れ、旋回体3の前部左側には後述のキャブ13が設けら
れている。
【0021】5は旋回体3の底部を構成すると共に作業
装置4が取付けられる旋回フレームで、この旋回フレー
ム5は、図2および図3に示すように、厚肉の底板6と
該底板6に設けられられ前,後方向に延びる2枚の縦板
(図示せず)とからなるセンタフレーム7、該センタフ
レーム7の左,右両側に位置する左,右のサイドフレー
ム8(左側のみ図示)等により骨組構造をなしている。
また、底板6と左側のサイドフレーム8との間には、断
面コ字状をなす前,後の張出ビーム9,10が設けら
れ、底板6の前部左側には、前方に張出す張出ビーム1
1が設けられ、左側のサイドフレーム8の前端部と張出
ビーム11の前端部との間には、左,右方向に延びるフ
ロントフレーム12が設けられている。
【0022】そして、これらサイドフレーム8、各張出
ビーム9,10,11、フロントフレーム12は、後述
の防振マウント16を介してキャブ13を下側から支承
する支承部を構成し、フロントフレーム12には、図4
に示すように、防振マウント16を取付けるためのマウ
ント取付孔12Aが左,右に離間して形成され、張出ビ
ーム10にもこれと同様のマウント取付孔(図示せず)
が形成されている。
【0023】13は旋回フレーム5上に設けられたキャ
ブで、このキャブ13は、図2に示すように、例えば薄
肉の鋼板をプレス加工して溶接することにより、上面部
13Aと、前面部13Bと、後面部13Cと、左,右の
側面部13D(左側のみ図示)とから箱状に形成されて
いる。また、キャブ13の下部内側には床板取付板13
Eが設けられ、この床板取付板13Eにはキャブ13の
床面をなす床板14が固定されている。そして、床板1
4の上面側には、オペレータが着席する運転席15等が
配設され、床板14の下面側角隅部には、図4に示す如
く、マウント取付孔12Aと対応する位置に防振マウン
ト16を取付けるための円板状のボス14Aが溶接等に
よって固着されている。
【0024】16,16,…は旋回フレーム5とキャブ
13の床板14との間に設けられた4個の防振マウント
で、各防振マウント16のうち前側に位置する2個は、
旋回フレーム5のフロントフレーム12と床板14との
間に設けられ、各防振マウント16のうち後側に位置す
る2個は、旋回フレーム5の張出ビーム10と床板14
との間に設けられている。そして、防振マウント16
は、図4に示すように、後述のフレーム側ブラケット1
7、キャブ側ブラケット19、ゴムばね22、粘弾性筒
体23等により構成されている。
【0025】17は旋回フレーム5に固定されたフレー
ム側ブラケットで、このフレーム側ブラケット17は、
鋼材等により鍔付き円筒状に形成され、環状のフランジ
部17Aと、該フランジ部17Aから下方に延びる円筒
状のロッド部17Bとからなり、フランジ部17Aの上
側面は、後述のゴムばね22を介してキャブ13の荷重
を受ける荷重受け面17Cとなっている。
【0026】そして、フレーム側ブラケット17は、旋
回フレーム5のフロントフレーム12に穿設されたマウ
ント取付孔12Aにロッド部17Bを挿通した状態で、
フランジ部17Aをボルト18,18を用いてフロント
フレーム12に締結することにより、旋回フレーム5に
固定される構成となっている。
【0027】19はキャブ13に固定されたキャブ側ブ
ラケットで、このキャブ側ブラケット19は、鋼材等に
より鍔付き円筒状に形成され、キャブ13の床板14に
固定される環状のフランジ部19Aと、該フランジ部1
9Aから下方に延びる円筒状のロッド部19Bとからな
り、該ロッド部19Bはフレーム側ブラケット17のロ
ッド部17Bよりも小径に形成されている。
【0028】ここで、キャブ側ブラケット19のロッド
部19Bは、フレーム側ブラケット17のロッド部17
B内周側に同軸状に挿通され、ロッド部17Bとロッド
部19Bとは全周に亘って径方向で対向している。ま
た、キャブ側ブラケット19のフランジ部19Aとフレ
ーム側ブラケット17のフランジ部17Aとは上,下方
向で対向している。
【0029】そして、キャブ側ブラケット19は、後述
の放熱板24を介してロッド部19Bの内周側に挿通し
た長尺なボルト20を、ボス14A、床板14、キャブ
13の床板取付板13Eに順次挿通し、床板取付板13
Eの上面側に突出したボルト20にナット21を螺着す
ることにより、キャブ13に固定される構成となってい
る。
【0030】22は中空円錐台状に形成されたゴム部材
としてのゴムばねで、該ゴムばね22は、フレーム側ブ
ラケット17のフランジ部17Aとキャブ側ブラケット
19のフランジ部19Aとの間に設けられている。そし
て、ゴムばね22は、加硫処理によってキャブ13を支
持するに十分な弾性率、機械的強度をもって生成された
合成ゴム等のゴム材料を用いて形成され、そのばね定数
は、例えば400(N/mm)程度に設定されている。
【0031】ここで、ゴムばね22は、主としてキャブ
13の荷重を受承するもので、キャブ側ブラケット19
のフランジ部19Aに固着された上側面が上荷重受け面
22Aとなり、フレーム側ブラケット17のフランジ部
17Aに固着された下側面が下荷重受け面22Bとなっ
ている。
【0032】そして、ゴムばね22は、旋回フレーム5
が振動してフレーム側ブラケット17とキャブ側ブラケ
ット19とが上,下方向に相対変位したときに、フレー
ム側ブラケット17のフランジ部17Aとキャブ側ブラ
ケット19のフランジ部19Aとの間で引張力、圧縮力
を受けて上,下方向に伸縮変形し、このときにばね作用
と減衰作用とを発揮しつつキャブ13を弾性をもって支
持する構成となっている。
【0033】23は円筒状に形成された粘弾性部材とし
ての粘弾性筒体で、該粘弾性筒体23は、ゴムばね22
よりも下側に位置してフレーム側ブラケット17のロッ
ド部17Bとキャブ側ブラケット19のロッド部19B
との間に設けられている。ここで、粘弾性筒体23は、
例えば架橋剤(硫黄等)の配合量を低く抑えたアクリル
ゴム、天然ゴム、クロロプレンゴム、シリコンゴム、ニ
トリルゴム等からなる粘弾性材料を用いて形成されてい
る。そして、粘弾性筒体23の外周面はフレーム側ブラ
ケット17のロッド部17B内周面に固着され、内周面
はキャブ側ブラケット19のロッド部19B外周面に固
着されている。
【0034】ここで、粘弾性筒体23は、ゴムばね22
に比較して弾性率、機械的強度が低く、主としてキャブ
13の振動に対する減衰作用を発揮するもので、例えば
損失係数がη=1.0程度に設定され、せん断弾性係数
がG=1(N/mm2 )程度に設定されている。また、
粘弾性筒体23は、図4に示すように、例えば高さ寸法
がH=30(mm)、肉厚がT=10(mm)、肉厚の
中心位置での直径がD=40(mm)に設定され、ばね
定数は377(N/mm)程度に設定されている。
【0035】そして、粘弾性筒体23は、旋回フレーム
5が振動してフレーム側ブラケット17とキャブ側ブラ
ケット19とが上,下方向に相対変位したときに、フレ
ーム側ブラケット17のロッド部17Bとキャブ側ブラ
ケット19のロッド部19Bとの間でせん断力を受けて
上,下方向にせん断変形し、このときにキャブ13の振
動エネルギを熱エネルギに変換することにより、旋回フ
レーム5からキャブ13に伝わる振動、キャブ13が生
じた振動を減衰する構成となっている。
【0036】ここで、防振マウント16を構成するゴム
ばね22と粘弾性筒体23とは、フレーム側ブラケット
17とキャブ側ブラケット19との間に上,下方向に並
んで設けられているものの、実質的には、図5に示すよ
うに旋回フレーム5とキャブ13との間に並列に設けら
れている。これにより、ゴムばね22は主としてキャブ
13の荷重を受承し、粘弾性筒体23は主としてキャブ
13の振動を減衰する構成となっている。
【0037】24はキャブ側ブラケット19のロッド部
19B下端部に設けられた放熱板で、この放熱板24
は、例えば鋼材等によりフレーム側ブラケット17のロ
ッド部17Bよりも大径の円板状に形成され、キャブ側
ブラケット19のロッド部19B内に挿通されるボルト
20によって該ロッド部19Bの下端部に固着されてい
る。
【0038】そして、放熱板24は、粘弾性筒体23が
キャブ13の振動エネルギを熱エネルギに変換して熱を
発生したときに、この熱を大気中に放熱することによ
り、粘弾性筒体23の振動減衰特性を安定させるもので
ある。また、放熱板24は、キャブ13の振動によって
ゴムばね22が大きく変形したときにフレーム側ブラケ
ット17のロッド部17B下端部に衝合することによ
り、ゴムばね22、粘弾性筒体23等が過大な変形を生
じるのを抑えるストッパとしての機能も兼ねている。
【0039】本実施の形態による防振マウント16は上
述の如き構成を有するもので、以下、この防振マウント
16を介して旋回フレーム5上に支持されたキャブ13
に対する防振作用について述べる。
【0040】まず、例えば作業装置4を用いた掘削作業
時に旋回フレーム5が振動すると、防振マウント16の
フレーム側ブラケット17とキャブ側ブラケット19と
が上,下方向に相対変位する。
【0041】このとき、ゴムばね22は、上荷重受け面
22Aがキャブ側ブラケット19のフランジ部19Aに
固着され、下荷重受け面22Bがフレーム側ブラケット
17のフランジ部17Aに固着されているので、フレー
ム側ブラケット17のフランジ部17Aとキャブ側ブラ
ケット19のフランジ部19Aとの間で引張力、圧縮力
を受けて上,下方向に伸縮変形する。これにより、ゴム
ばね22は、ばね作用と振動減衰作用とを発揮し、旋回
フレーム5からの振動がキャブ13に伝わるのを抑えつ
つ該キャブ13を支持することができる。
【0042】一方、粘弾性筒体23は、外周面がフレー
ム側ブラケット17のロッド部17Bに固着され、内周
面がキャブ側ブラケット19のロッド部19Bに固着さ
れているので、フレーム側ブラケット17のロッド部1
7Bとキャブ側ブラケット19のロッド部19Bとの間
でせん断力を受けて上,下方向にせん断変形する。この
ときに、粘弾性筒体23は、キャブ13の振動エネルギ
を熱エネルギに変換することにより、旋回フレーム5か
らキャブ13に伝わる振動、キャブ13が生じた振動を
減衰する。
【0043】このように、防振マウント16を構成する
ゴムばね22と粘弾性筒体23とが、旋回フレーム5と
キャブ13との間に並列に設けられた状態でキャブ13
を懸架しているので、ゴムばね22によってキャブ13
の荷重を受承し、粘弾性筒体23によってキャブ13の
振動を減衰することができる。これにより、キャブ13
内の運転席15に着席したオペレータの乗心地を高める
ことができ、操作レバー等(図示せず)の操作性を向上
することができる。
【0044】また、粘弾性筒体23は、キャブ13の振
動エネルギを熱エネルギに変換するために発熱するが、
この粘弾性筒体23が生じた熱は、キャブ側ブラケット
19のロッド部19Bから放熱板24を通じて大気中に
放熱されるので、粘弾性筒体23の温度上昇を抑えるこ
とができる。このため、粘弾性筒体23の減衰特性が温
度上昇によって変化してしまうのを防止でき、粘弾性筒
体23によってキャブ13の振動を確実に減衰すること
ができる。
【0045】かくして、本実施の形態による防振マウン
ト16は、旋回フレーム5とキャブ13との間にゴムば
ね22と粘弾性筒体23とを並列に設けた状態でキャブ
13を懸架し、ゴムばね22によってキャブ13の荷重
を受承すると共に、キャブ13の振動を粘弾性筒体23
によって減衰する構成としている。従って、例えば特開
平6−257638号公報等に記載された従来技術によ
る液体封入式マウントのように、液室内の圧力上昇によ
ってばね定数が大きくなることがなく、例えばゴムばね
22のばね定数を小さく設定することにより、旋回フレ
ーム5からキャブ13に伝わる振動を十分に抑えること
ができ、キャブ13の重量等に応じて最適な防振特性を
得ることができる。
【0046】また、本実施の形態による防振マウント1
6は、ゴムばね22と粘弾性筒体23とを、フレーム側
ブラケット17とキャブ側ブラケット19との間に上,
下方向に並べて配設したので、防振マウント16の取付
スペースを小さくすることができる。例えば本実施の形
態による防振マウント16の大きさと、従来技術による
液体封入式マウントの大きさとを比較した場合、液体封
入式マウントを構成するケーシングの外径寸法は、通
常、80〜100(mm)であるのに対し、本実施の形
態による防振マウント16は、フレーム側ブラケット1
7のロッド部17Bの外径寸法が60(mm)以下とな
り、防振マウント16は液体封入式マウントに比較して
取付スペースを小さくすることができる。
【0047】次に、図6は本発明の第2の実施の形態を
示し、本実施の形態の特徴は、中実なロッド部を有する
キャブ側ブラケットにスタッドボルトを一体に設け、こ
のスタッドボルトを用いてキャブ側ブラケットをキャブ
に取付ける構成としたことにある。なお、本実施の形態
では、上述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同
一符号を付し、その説明を省略するものとする。
【0048】図中、31は第1の実施の形態による防振
マウント16に代えて本実施の形態に適用した防振マウ
ントで、この防振マウント31は、第1の実施の形態に
よる防振マウント16と同様に、フレーム側ブラケット
17、後述のキャブ側ブラケット32、ゴムばね22、
粘弾性筒体23等により構成されているものの、キャブ
側ブラケット32の構成が第1の実施の形態によるもの
とは異なっている。
【0049】32は第1の実施の形態に用いたキャブ側
ブラケット19に代えて本実施の形態に用いたキャブ側
ブラケットで、このキャブ側ブラケット32は、鋼材等
により鍔付き円柱状に形成され、キャブ13の床板14
に固定される円板状のフランジ部32Aと、該フランジ
部32Aから下方に延びる中実のロッド部32Bとを有
し、該ロッド部32Bは、フレーム側ブラケット17の
ロッド部17Bよりも小径に形成されている。また、フ
ランジ部32Aの上面には上スタッドボルト32Cが一
体に設けられ、ロッド部32Bの下面には下スタッドボ
ルト32Dが一体に設けられている。
【0050】ここで、キャブ側ブラケット32のロッド
部32Bは、フレーム側ブラケット17のロッド部17
B内周側に同軸状に挿通され、ロッド部17Bとロッド
部32Bとは全周に亘って径方向で対向している。ま
た、キャブ側ブラケット32のフランジ部32Aとフレ
ーム側ブラケット17のフランジ部17Aとは上,下方
向で対向している。
【0051】そして、ゴムばね22は、上荷重受け面2
2Aがキャブ側ブラケット32のフランジ部32Aに固
着され、下荷重受け面22Bがフレーム側ブラケット1
7のフランジ部17Aに固着されている。一方、粘弾性
筒体23は、外周面がフレーム側ブラケット17のロッ
ド部17B内周面に固着され、内周面がキャブ側ブラケ
ット32のロッド部32B外周面に固着されている。
【0052】また、キャブ側ブラケット32は、上スタ
ッドボルト32Cをボス14A、床板14、キャブ13
の床板取付板13Eに順次挿通し、床板取付板13Eの
上面側に突出した上スタッドボルト32Cにナット21
を螺入することにより、キャブ13に締結されている。
さらに、キャブ側ブラケット32のロッド部32B下端
部には、下スタッドボルト32Dに挿通された放熱板2
4がナット33によって締結されている。
【0053】本実施の形態による防振マウント31は上
述の如き構成を有するもので、その基本的作動について
は、第1の実施の形態によるものと格別差異はない。
【0054】然るに、本実施の形態によれば、キャブ側
ブラケット32に上スタッドボルト32C、下スタッド
ボルト32Dを一体に形成し、上スタッドボルト32C
を用いてキャブ側ブラケット32をキャブ13に締結
し、下スタッドボルト32Dを用いて放熱板24をキャ
ブ側ブラケット32に締結する構成としたので、第1の
実施の形態に用いた長尺なボルト20を不要にでき、部
品点数の削減を図ることができる。
【0055】次に、図7および図8は本発明の第3の実
施の形態を示し、本実施の形態の特徴は、粘弾性部材を
フレームとキャブとの間で上,下方向および水平方向に
せん断変形する位置に設ける構成としたことにある。な
お、本実施の形態では、上述した第1の実施の形態と同
一の構成要素に同一符号を付し、その説明を省略するも
のとする。
【0056】図中、41は本実施の形態による防振マウ
ントで、該防振マウント41は、後述のフレーム側垂直
ブラケット43、キャブ側ブラケット45、各ゴムばね
47,48、粘弾性板53等により構成されている。
【0057】42は第1の実施の形態に用いたフロント
フレーム12に代えて本実施の形態に用いたフロントフ
レームで、該フロントフレーム42は旋回フレーム5の
一部を構成するものである。そして、フロントフレーム
42は、水平面42Aと、水平面42Aの後端側から下
向きに垂下する垂直面42Bとを有し、水平面42Aに
は、後述のスペーサ50が挿通される透孔42Cが形成
されている。
【0058】43はフロントフレーム42の垂直面42
Bにボルト44,44を用いて固着された平板状のフレ
ーム側垂直ブラケットで、該フレーム側垂直ブラケット
43は、後述するキャブ側ブラケット45の垂直板部4
5Bと水平方向(前,後方向)で対向するものである。
【0059】45はキャブ13の床板14に固定された
キャブ側ブラケットで、該キャブ側ブラケット45は、
鋼板等をL字状に折曲げることにより形成され、ボルト
46を用いてキャブ13の床板14に固定される水平板
部45Aと、該水平板部45Aから下方に垂下し、フレ
ーム側垂直ブラケット43と水平方向で対向する垂直板
部45Bとを有している。
【0060】47,48は第1の実施の形態に用いたゴ
ムばね22に代えて本実施の形態に用いられるゴム部材
としての上,下のゴムばねで、各ゴムばね47,48
は、例えば第1の実施の形態に用いたゴムばね22と同
様のゴム材料により中空円板状に形成されている。ここ
で、上側のゴムばね47は、フロントフレーム42の水
平面42Aとキャブ13の床板14(ボス14A)との
間に配置され、下側のゴムばね48はフロントフレーム
42の水平面42Aと円板状のストッパ49との間に配
置されている。
【0061】50はフロントフレーム42の透孔42C
に挿通されると共に上,下のゴムばね47,48の内周
側に設けられた円筒状のスペーサで、該スペーサ50
は、その上端部がボス14Aに当接すると共に下端部が
ストッパ49に当接することにより、各ゴムばね47,
48の厚さ寸法を確保するものである。
【0062】そして、ストッパ49、スペーサ50、ボ
ス14A、床板14、キャブ13の床板取付板13Eに
ボルト51を順次挿通し、床板取付板13Eの上面側で
ボルト51にナット52を螺着することにより、キャブ
13が各ゴムばね47,48を介してフロントフレーム
42上に支持されている。
【0063】従って、旋回フレーム5が振動したときに
は、上側のゴムばね47は、フロントフレーム42とキ
ャブ13との間で上,下方向に伸縮変形し、下側のゴム
ばね48は、フロントフレーム42とストッパ49との
間で上,下方向に伸縮変形する構成となっている。
【0064】53は第1の実施の形態に用いた粘弾性筒
体23に代えて本実施の形態に用いられる粘弾性部材と
しての粘弾性板で、該粘弾性板53は、例えば第1の実
施の形態に用いた粘弾性筒体23と同様の粘弾性材料に
より平板状に形成され、フレーム側垂直ブラケット43
とキャブ側ブラケット45の垂直板部45Bとの対向面
間に固着して設けられている。
【0065】そして、粘弾性板53は、旋回フレーム5
の振動によってフレーム側垂直ブラケット43とキャブ
側ブラケット45とが上,下方向に相対変位したときに
は、この両者間で上,下方向にせん断変形することによ
りキャブ13の振動を吸収し、フレーム側垂直ブラケッ
ト43とキャブ側ブラケット45とが左,右方向に相対
変位したときには、この両者間で左,右方向(水平方
向)にせん断変形することによりキャブ13の振動を吸
収する構成となっている。
【0066】本実施の形態による防振マウント41は上
述の如き構成を有するもので、旋回フレーム5が振動す
ると、上側のゴムばね47はフロントフレーム42とキ
ャブ13との間で上,下方向に伸縮変形し、下側のゴム
ばね48はフロントフレーム42とストッパ49との間
で上,下方向に伸縮変形し、これらゴムばね47,48
は、ばね作用と減衰作用とを発揮しつつキャブ13を支
持する。
【0067】一方、粘弾性板53は、フレーム側垂直ブ
ラケット43とキャブ側ブラケット45の垂直板部45
Bとの間でせん断変形することにより、旋回フレーム5
からキャブ13に伝わる振動、旋回フレーム5上でのキ
ャブ13の振動を吸収する。
【0068】この場合、キャブ13が上,下方向に振動
したときには、粘弾性板53がフレーム側垂直ブラケッ
ト43とキャブ側ブラケット45の垂直板部45Bとの
間で上,下方向にせん断変形してキャブ13の振動を吸
収し、キャブ13が左,右方向に振動したときには、粘
弾性板53がフレーム側垂直ブラケット43とキャブ側
ブラケット45の垂直板部45Bとの間で左,右方向に
せん断変形してキャブ13の振動を吸収する。このた
め、粘弾性板53は、キャブ13の上,下方向の振動の
みならず、左,右方向の振動をも効果的に減衰すること
ができる。
【0069】次に、図9および図10は本発明の第4の
実施の形態を示している。なお、本実施の形態では、上
述した第1の実施の形態と同一の構成要素に同一符号を
付し、その説明を省略するものとする。
【0070】図中、61は本実施の形態による防振マウ
ントで、該防振マウント61は、後述のフレーム側ブラ
ケット63、キャブ側ブラケット66、ゴムばね69、
粘弾性板70等により構成されている。
【0071】62は第1の実施の形態に用いたフロント
フレーム12に代えて本実施の形態に用いたフロントフ
レームで、該フロントフレーム62は旋回フレーム5の
一部を構成するものである。そして、フロントフレーム
62は、水平板部62Aと、水平板部62Aの後端側か
ら下向きに垂下する垂直板部62Bとを有し、水平板部
62Aには、後述のスタッドボルト64が挿通される透
孔62Cが形成されている。
【0072】63はフロントフレーム62に固定された
フレーム側ブラケットで、該フレーム側ブラケット63
は、鋼板等を折曲げることによりL字状に形成され、
前,後方向に延びる水平板部63Aと、水平板部63A
の後端側から下方に垂下する垂直板部63Bとを有し、
水平板部63Aの下面側にはスタッドボルト64が下向
きに突設されている。
【0073】また、垂直板部63Bの左,右両端側に
は、後述するキャブ側ブラケット66の垂直板部66B
を左,右方向から挟むストッパ部63C,63Cが設け
られ、これら各ストッパ部63Cは、キャブ側ブラケッ
ト66の垂直板部66Bに衝合することによりキャブ側
ブラケット66の左,右方向の変位量を制限するもので
ある。
【0074】そして、フレーム側ブラケット63は、水
平板部63Aをフロントフレーム62の水平板部62A
に当接させてスタッドボルト64をフロントフレーム6
2の透孔62Cに挿通し、このスタッドボルト64にナ
ット65を螺着することにより、フロントフレーム62
に固定されている。
【0075】66はキャブ13に固定されたキャブ側ブ
ラケットで、該キャブ側ブラケット66は、鋼板等を折
曲げることによりL字状に形成され、フレーム側ブラケ
ット63の水平板部63Aと上,下方向で対向する水平
板部66Aと、水平板部66Aの後端側から下方に垂下
しフレーム側ブラケット63の垂直板部63Bと前,後
方向で対向する垂直板部66Bとを有し、水平板部66
Aの上面側にはスタッドボルト67が上向きに突設され
ている。
【0076】また、垂直板部66Bの下端側には、フレ
ーム側ブラケット63の垂直板部63B下端部と対向す
るストッパ部66Cが設けられ、該ストッパ部66C
は、フレーム側ブラケット63の垂直板部63B下端部
に衝合することにより、フレーム側ブラケット63の
上,下方向の変位量を制限するものである。
【0077】そして、キャブ側ブラケット66は、水平
板部66Aを床板14のボス14A下面に当接させた状
態で、スタッドボルト67をボス14A、床板14、キ
ャブ13の床板取付板13Eに順次挿通し、このスタッ
ドボルト67にナット68を螺着することにより、キャ
ブ13に固定されている。
【0078】69は第1の実施の形態に用いたゴムばね
22に代えて本実施の形態に用いられるゴム部材として
のゴムばねで、該ゴムばね69は、例えば第1の実施の
形態に用いたゴムばね22と同様のゴム材料により円板
状に形成され、フレーム側ブラケット63の水平板部6
3Aとキャブ側ブラケット66の水平板部66Aとの間
に固着して設けられることにより、キャブ13の荷重を
受承するものである。
【0079】そして、ゴムばね69は、旋回フレーム5
が振動したときには、フレーム側ブラケット63の水平
板部63Aとキャブ側ブラケット66の水平板部66A
との間で上,下方向に伸縮変形する構成となっている。
【0080】70は第1の実施の形態に用いた粘弾性筒
体23に代えて本実施の形態に用いられる粘弾性部材と
しての粘弾性板で、該粘弾性板70は、例えば第1の実
施の形態に用いた粘弾性筒体23と同様の粘弾性材料に
より平板状に形成され、フレーム側ブラケット63の垂
直板部63Bとキャブ側ブラケット66の垂直板部66
Bとの間に固着して設けられている。
【0081】そして、粘弾性板70は、旋回フレーム5
の振動によってフレーム側ブラケット63とキャブ側ブ
ラケット66とが上,下方向に相対変位したときには、
この両者間で上,下方向にせん断変形することによりキ
ャブ13の振動を吸収し、フレーム側ブラケット63と
キャブ側ブラケット66とが左,右方向に相対変位した
ときには、この両者間で左,右方向にせん断変形するこ
とによりキャブ13の振動を吸収する構成となってい
る。
【0082】本実施の形態による防振マウント61は上
述の如き構成を有するもので、旋回フレーム5が振動
し、フレーム側ブラケット63とキャブ側ブラケット6
6とが上,下方向に相対変位すると、ゴムばね69はこ
の両者間で上,下方向に伸縮変形し、ばね作用と減衰作
用とを発揮しながらキャブ13を支持する。
【0083】一方、粘弾性板70は、フレーム側ブラケ
ット63の垂直板部63Bとキャブ側ブラケット66の
垂直板部66Bとの間でせん断変形することにより、旋
回フレーム5からキャブ13に伝わる振動、旋回フレー
ム5上でのキャブ13の振動を減衰する。
【0084】この場合、粘弾性板70は、キャブ13が
上,下方向に振動したときにはフレーム側ブラケット6
3とキャブ側ブラケット66との間で上,下方向にせん
断変形し、キャブ13が左,右方向に振動したときには
フレーム側ブラケット63とキャブ側ブラケット66と
の間で左,右方向にせん断変形することができる。この
ため、粘弾性板70は、キャブ13の上,下方向の振動
のみならず、左,右方向の振動をも効果的に減衰するこ
とができる。
【0085】また、本実施の形態では、フレーム側ブラ
ケット63にキャブ側ブラケット66の左,右方向の変
位量を制限するストッパ部63Cを設け、キャブ側ブラ
ケット66にフレーム側ブラケット63の上,下方向の
変位量を制限するストッパ部66Cを設けたので、ゴム
ばね69、粘弾性板70等が過大な変形によって破損等
を生じるのを抑えることができる。
【0086】なお、上述した第2の実施の形態では、フ
レーム側ブラケット17を、フランジ部17Aと、上端
側から下端側にかけて一定の外径寸法を有するロッド部
17Bとによって構成し、このロッド部17Bとキャブ
側ブラケット32のロッド部32Bとの間に円筒状の粘
弾性筒体23を設けた場合を例に挙げている。
【0087】しかし、本発明はこれに限るものではな
く、例えば図11に示す変形例のように、フレーム側ブ
ラケット71を、フランジ部71Aと、外径寸法が上端
側から下端側に向けて徐々に小さくなる円錐状のロッド
部71Bとによって構成し、フレーム側ブラケット71
のロッド部71Bとキャブ側ブラケット32のロッド部
32Bとの間に円錐状の粘弾性筒体72を設ける構成と
してもよい。
【0088】また、例えば図12に示す他の変形例のよ
うに、フレーム側ブラケット81を、フランジ部81A
と、外径寸法が上端側から下端側に向けて徐々に小さく
なる円錐状のロッド部81Bとにより構成し、キャブ側
ブラケット82を、フランジ部82Aと、外径寸法が上
端側から下端側に向けて徐々に小さくなる円錐状のロッ
ド82Bと、上スタッドボルト82Cと、下スタッドボ
ルト82Dとにより構成し、フレーム側ブラケット81
のロッド部81Bとキャブ側ブラケット82のロッド部
82Bとの間に円錐状の粘弾性筒体83を設ける構成と
してもよい。
【0089】また、上述した第1,第2の実施の形態で
は、粘弾性筒体23を円筒状に形成した場合を例に挙げ
たが、本発明はこれに限らず、例えば多角形の断面形状
を有する筒状に形成してもよい。
【0090】また、上述した第3の実施の形態では、粘
弾性板53を上,下のゴムばね47,48の後方に配置
することにより、この粘弾性板53が、キャブ13の振
動に応じて上,下方向と左,右方向にせん断変形する構
成としているが、本発明はこれに限らず、例えば粘弾性
板53を各ゴムばね47,48の右方または左方に配置
する構成としてもよい。この場合には、粘弾性板53
が、キャブ13の振動に応じて上,下方向と前,後方向
にせん断変形することにより、キャブ13の上,下方向
の振動と前,後方向の振動とを減衰することができる。
このことは、第4の実施の形態に用いた粘弾性板70に
ついても同様である。
【0091】また、上述した各実施の形態では、キャブ
13を上面部13A、前面部13B、後面部13C、
左,右の側面部13Dによって箱状に形成するものとし
て述べたが、本発明はこれに限らず、床板14上に設け
られた運転席15等を覆うキャノピによってキャブを構
成してもよい。
【0092】さらに、上述した各実施の形態では、建設
機械として油圧ショベルを例に挙げて説明したが、本発
明はこれに限らず、例えばホイールローダや油圧クレー
ン等の他の建設機械にも適用することができる。
【0093】
【発明の効果】以上詳述した通り、請求項1の発明によ
れば、フレームとキャブとの間に設けられる防振マウン
トを、キャブを支持するゴム部材と、このゴム部材と並
列に設けられキャブの振動を減衰する粘弾性部材とによ
り構成したので、ゴム部材によってキャブの荷重を弾性
的に受承した状態で、粘弾性部材によってキャブの振動
を減衰することができ、作業時等におけるキャブの振動
を確実に低減することができる。この場合、粘弾性部材
はせん断変形によって減衰力を発生するので、例えばケ
ーシング内に封入された液体の流動抵抗によって減衰力
を発生する液体封入式マウントのように、液室内の圧力
上昇によってばね定数が大きくなることがなく、ゴム部
材のばね定数を広い範囲に設定することができ、キャブ
の重量等に応じて最適な防振特性を得ることができる。
【0094】また、請求項2の発明によれば、ゴム部材
はフレームとキャブとの間で引張力、圧縮力を受けて伸
縮変形を行いながらキャブの荷重を受承することがで
き、粘弾性部材は、フレームとキャブとの間でせん断力
を受けてせん断変形を行いながらキャブの振動を減衰す
ることができる。
【0095】また、請求項3の発明によれば、フレーム
には、フレーム側フランジ部とフレーム側ロッド部とを
有するフレーム側ブラケットを設け、キャブには、フレ
ーム側フランジ部と上,下方向で対向するキャブ側フラ
ンジ部と、フレーム側ロッド部と径方向で対向するキャ
ブ側ロッド部とを有するキャブ側ブラケットを設け、ゴ
ム部材はフレーム側フランジ部とキャブ側フランジ部と
の間に設け、粘弾性部材はフレーム側ロッド部とキャブ
側ロッド部との間に設ける構成としている。これによ
り、ゴム部材は、フレーム側フランジ部とキャブ側フラ
ンジ部との間で上,下方向に伸縮変形しながらばね作用
と減衰作用をもってキャブを支持することができ、粘弾
性部材はフレーム側ロッド部とキャブ側ロッド部との間
でせん断変形しながらキャブの振動を減衰することがで
きる。
【0096】しかも、ゴム部材と粘弾性部材とを、フレ
ーム側ブラケットとキャブ側ブラケットとの間に上,下
方向に配置することにより、防振マウントの取付けスペ
ースを小さくすることができる。
【0097】また、請求項4の発明によれば、フレーム
側ブラケットとキャブ側ブラケットのうち少なくとも一
方のブラケットには放熱板を設ける構成としたので、粘
弾性部材がキャブの振動エネルギを熱エネルギに変換し
て生じた熱を、放熱板によって大気中に放熱することが
できる。これにより、粘弾性部材の温度上昇を抑え、該
粘弾性部材の減衰特性を安定させることができる。
【0098】さらに、請求項5の発明によれば、ゴム部
材はフレームとキャブとの間で上,下方向に伸縮変形す
る位置に設け、粘弾性部材はフレームとキャブとの間で
上,下方向および水平方向にせん断変形する位置に設け
る構成としたので、粘弾性部材は、キャブの上,下方向
の振動によって弾性変形するだけでなく、キャブの水平
方向(前,後方向または左,右方向)の振動によっても
せん断変形することができ、この粘弾性部材によってキ
ャブの上,下方向の振動のみならず、水平方向の振動を
も減衰することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る建設機械の第1の実施の形態を示
す油圧ショベルの正面図である。
【図2】図1中のキャブ、旋回フレーム、防振マウント
等を示す一部破断の正面図である。
【図3】図2中の旋回フレーム、防振マウント等を矢示
III−III 方向からみた断面図である。
【図4】第1の実施の形態による防振マウント等を拡大
して示す拡大断面図である。
【図5】防振マウントのゴムばねと粘弾性筒体とが、旋
回フレームとキャブとの間に並列に設けられている状態
を示す等価構成図である。
【図6】第2の実施の形態による防振マウント等を拡大
して示す図4と同様の拡大断面図である。
【図7】第3の実施の形態による防振マウント等を拡大
して示す図4と同様の拡大断面図である。
【図8】防振マウント等を図7中の矢示VIII−VIII方向
からみた下面図である。
【図9】第4の実施の形態による防振マウント等を拡大
して示す図4と同様の拡大断面図である。
【図10】防振マウント等を図9中の矢示X−X方向か
らみた下面図である。
【図11】防振マウントの変形例を示す図4と同様の拡
大断面図である。
【図12】防振マウントの他の変形例を示す図4と同様
の拡大断面図である。
【符号の説明】
5 旋回フレーム(フレーム) 13 キャブ 16,31,41,61 防振マウント 17,63,71,81 フレーム側ブラケット 17A,71A,81A フランジ部(フレーム側フラ
ンジ部) 17B,71B,81B ロッド部(フレーム側ロッド
部) 19,32,66,82 キャブ側ブラケット 19A,32A,82A フランジ部(キャブ側フラン
ジ部) 19B,32B,82B ロッド部(キャブ側ロッド
部) 22,47,48,69 ゴムばね(ゴム部材) 23,72,83 粘弾性筒体(粘弾性部材) 53,70 粘弾性板(粘弾性部材) 24 放熱板

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 作業装置が取付けられるフレームと、前
    記フレーム上に設けられオペレータが着席する運転席を
    有するキャブと、前記フレームとキャブとの間に設けら
    れ、フレームからの振動がキャブに伝わるのを抑制しつ
    つキャブを支持する防振マウントとを備えてなる建設機
    械において、 前記防振マウントは、前記キャブを弾性をもって支持す
    るゴム部材と、前記ゴム部材と並列に設けられ前記キャ
    ブの振動を減衰する粘弾性部材とにより構成したことを
    特徴とする建設機械。
  2. 【請求項2】 前記ゴム部材は前記フレームとキャブと
    の間で主としてキャブの荷重を受け、前記粘弾性部材は
    前記フレームとキャブとの間で主としてキャブの振動を
    減衰する構成としてなる請求項1に記載の建設機械。
  3. 【請求項3】 前記フレームには、該フレームに固定さ
    れるフレーム側フランジ部と、該フレーム側フランジ部
    から上,下方向に延びるフレーム側ロッド部とを有する
    フレーム側ブラケットを設け、 前記キャブには、該キャブに固定され前記フレーム側フ
    ランジ部と上,下方向で対向するキャブ側フランジ部
    と、該キャブ側フランジ部から上,下方向に延び前記フ
    レーム側ロッド部と径方向で対向するキャブ側ロッド部
    とを有するキャブ側ブラケットを設け、 前記ゴム部材は前記フレーム側フランジ部とキャブ側フ
    ランジ部との間に設け、前記粘弾性部材は前記フレーム
    側ロッド部とキャブ側ロッド部との間に設ける構成とし
    てなる請求項1または2に記載の建設機械。
  4. 【請求項4】 前記フレーム側ブラケットとキャブ側ブ
    ラケットのうち少なくとも一方のブラケットには前記粘
    弾性部材が発生する熱を放熱する放熱板を設ける構成と
    してなる請求項3に記載の建設機械。
  5. 【請求項5】 前記ゴム部材は前記フレームとキャブと
    の間で上,下方向に伸縮変形する位置に設け、前記粘弾
    性部材は前記フレームとキャブとの間で上,下方向およ
    び水平方向にせん断変形する位置に設ける構成としてな
    る請求項1に記載の建設機械。
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