JPH07216171A - 塩化ビニル系樹脂組成物 - Google Patents

塩化ビニル系樹脂組成物

Info

Publication number
JPH07216171A
JPH07216171A JP681394A JP681394A JPH07216171A JP H07216171 A JPH07216171 A JP H07216171A JP 681394 A JP681394 A JP 681394A JP 681394 A JP681394 A JP 681394A JP H07216171 A JPH07216171 A JP H07216171A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
vinyl chloride
chloride resin
molecular weight
resin composition
block copolymer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP681394A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshiyuki Miyaki
義行 宮木
Yoshihiko Sugiura
嘉彦 杉浦
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tosoh Corp
Original Assignee
Tosoh Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tosoh Corp filed Critical Tosoh Corp
Priority to JP681394A priority Critical patent/JPH07216171A/ja
Publication of JPH07216171A publication Critical patent/JPH07216171A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Compositions Of Macromolecular Compounds (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 加工性や機械的特性に優れ、撥水性が高く、
成形時に良好な外観を与え得るポリ塩化ビニル系樹脂組
成物を提供する。 【構成】 塩化ビニル系樹脂およびポリシロキサン系ブ
ロックとポリメタクリル酸エステル系ブロックとからな
るブロック共重合体からなる塩化ビニル系樹脂組成物で
あり、ポリシロキサン系ブロックの含有量が組成物全体
の0.01〜10重量%であることを特徴とする塩化ビ
ニル系樹脂組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、加工性に優れ、撥水性
を有し、成形時に良好な外観を与え得る塩化ビニル系樹
脂組成物に関する。本組成物は、ポリシロキサンの効果
により、撥水性のほか、低摩擦性、剥離性(離型性)に
特徴を有し、農業用被覆材、壁材、床材などに好適に用
いられる。
【0002】
【従来の技術】塩化ビニル系樹脂にオルガノポリシロキ
サンを添加することにより、その成形品に撥水性、汚れ
防止、耐候性、耐摩耗性が付与されることは従来知られ
ている(特開昭63−94503号公報、特開昭63−
6045号公報、特開昭63−6044号公報など)。
しかし、ポリ塩化ビニルとオルガノポリシロキサンは、
元来非相溶性であり、両者を単に混合しただけではロー
ル粘着性が悪く、加工が困難となったり、得られる成形
品の透明性や機械的特性が損なわれたり、成形品表面か
らのオルガノポリシロキサンの浸出が生じ、効果の持続
性がないなどの欠点があった。
【0003】また、末端にアクリル基を有するポリオル
ガノシロキサンと塩化ビニルとの共重合やマクロアゾ開
始剤を用いてオルガノポリシロキサンと塩化ビニルをブ
ロック共重合することにより上記の欠点を改良する試み
も行われた(特開平4−135749号公報、特開平4
−39315号公報など)が、これらの手法では、樹脂
のコストが高くなったり、機械的特性が低下するなどの
欠点がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の状況に
鑑みなされたものであり、その目的は加工性や機械的特
性に優れ、撥水性が高く、摩擦係数が低い成形品を与
え、さらに外観や製造コストに問題のないポリ塩化ビニ
ル系樹脂組成物を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記の課
題を解決するために鋭意検討した結果、ポリ塩化ビニル
系樹脂にオルガノポリシロキサンとポリメタクリル酸エ
ステルとのブロック共重合体を適量添加したところ、撥
水性や低摩擦性などポリシロキサンが有する性質をポリ
塩化ビニル系樹脂に付与できるばかりでなく、予期せぬ
ことに、オルガノポリシロキサンとポリ塩化ビニルのブ
ロック共重合体をポリ塩化ビニル系樹脂に添加する場合
に比べて、透明性の低下が少なく、また、機械的な強度
が低下せず、むしろポリ塩化ビニル系樹脂よりも高くな
ることを見いだし、本発明を完成するに至った。
【0006】すなわち本発明は、塩化ビニル系樹脂およ
び下記一般式(1)
【0007】
【化2】
【0008】(式中、R1,R2,R3およびR4は各々独
立して、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリー
ル基、ハロゲン化炭化水素基を示し、mおよびnはそれ
ぞれ3〜1000の整数である)で表されるポリシロキ
サン系ブロックとポリメタクリル酸エステル系ブロック
とからなるブロック共重合体(以下、ポリシロキサン・
MMA系ブロック共重合体と略す)とからなる塩化ビニ
ル系樹脂組成物であり、ポリシロキサン系ブロックの含
有量(%)が組成物全体の0.01〜10重量%である
ことを特徴とする塩化ビニル系樹脂組成物である。
【0009】以下に本発明を詳しく説明する。本発明に
使用するポリ塩化ビニル系樹脂には、ポリ塩化ビニル単
独重合体のほか、塩化ビニルを主成分とする他のモノマ
ー、例えばα−オレフィン、酢酸ビニル、プロピオン酸
ビニル、ビニルエーテル、マレイン酸エステル、N−ア
ルキルマレイミド、N−アリールマレイミド、塩化ビニ
リデン等との共重合体が含まれ、また、これらと他の高
分子とがブレンドされたものも含まれる。
【0010】本発明で使用するポリシロキサン系ブロッ
クとポリメタクリル酸エステル系ブロックとからなるブ
ロック共重合体とは、ポリメタクリル酸メチルのほか、
メタクリル酸メチルを主成分とする他のラジカル重合性
のモノマーとの共重合体と一般式(1)で表されるポリ
シロキサン系ブロックとが結合したブロック共重合体で
ある。このブロック共重合体のポリシロキサン系ブロッ
クの含有量は1〜30重量%である。
【0011】ここで、ポリメタクリル酸エステル系ブロ
ックを構成する成分は、メタクリル酸メチルがモノマー
モル比で70%以上であるものが好ましく、また他の共
重合モノマーとしては、アクリル酸メチル、(メタ)ア
クリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メ
タ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸−2−エチ
ルヘキシル、(メタ)アクリル酸ラウリル、スチレン、
α−メチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、
ジメチルスチレン、ビニルトルエン、(メタ)アクリル
アミド、ブトキシ(メタ)アクリルアミド、N−メチロ
ール(メタ)アクリルアミド、2−ヒドロキシエチル
(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メ
タ)アクリレート、3−ヒドロキシブチル(メタ)アク
リレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレー
ト、3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル(メタ)アク
リレート、ジ−2−ヒドロキシエチルフマレート、モノ
−2−ヒドロキシエチル−モノブチルフマレート、ポリ
エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプ
ロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジメチ
ルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノ
エチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリ
ル、酢酸ビニル、マレイン酸ジエチル、マレイン酸ジブ
チル、フマル酸ジブチル、イタコン酸ジエチル、イタコ
ン酸ジブチルなどが挙げられ、さらにα,β−エチレン
性不飽和カルボン酸または酸無水物、(メタ)アクリル
酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸、フマル酸な
ども例示することができる。
【0012】ポリシロキサン系ブロックとポリメタクリ
ル酸エステル系ブロックとからなるブロック共重合体の
ポリスチレン換算重量平均分子量は、10000〜30
0000であり、ポリ塩化ビニル系樹脂のポリスチレン
換算重量平均分子量は、50000〜1000000で
あることが好ましい。これらの分子量範囲外の場合は、
ブロック共重合体をポリ塩化ビニル系樹脂と均一に混合
することが困難になるおそれがある。
【0013】このようなブロック共重合体の合成方法と
しては、例えば、一般式(1)で表される連鎖を有する
ポリシロキサン系化合物とアゾ化合物とが結合してなる
開始剤(マクロアゾ開始剤)を用いて、メタクリル酸メ
チルまたはメタクリル酸メチルを主成分とする上記のモ
ノマーの混合物を重合する方法が挙げられる。
【0014】また、このマクロアゾ開始剤は、反応性の
官能基を2個と一般式(1)で表される連鎖を有するポ
リシロキサン系化合物とアゾ化合物を化学結合させるこ
とにより合成される。例として、アミノ基または水酸基
(フェノール基を含む)を2個有するポリシロキサン系
化合物とアゾ基を有するジカルボン酸(例えば、4,
4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸))の縮合体、
カルボキシル基を2個有するポリシロキサンとアゾ基を
有するジオール(例えば、2,2’−アゾビス(2−シ
アノプロパノール)など)との縮合体、アミノ基または
水酸基(フェノール基を含む)を2個有するポリシロキ
サンとアゾ基を有するジオール(例えば、2,2’−ア
ゾビス(2−シアノプロパノール)、4,4’−アゾビ
ス(4−シアノペンタノール)など)をジカルボン酸ハ
ライド(例えば、セバシン酸クロリド、アジピン酸クロ
リドなど)またはジイソシアナート(例えば、トリレン
ジイソシアナート、4,4’−ジフェニルメタンジイソ
シアナート、ヘキサメチレンジイソシアナートなど)と
結合させたものがある(文献例、高分子加工、41巻7
号24ページ)。
【0015】上述のマクロアゾ開始剤の合成に使用され
るポリシロキサン系化合物は、両末端あるいはその近傍
に反応性官能基を有していることが望ましく、この数平
均分子量は500〜30000が好ましく、さらに好ま
しくは1000〜25000である。また、マクロアゾ
開始剤の数平均分子量は2000〜300000が望ま
しく、さらに望ましくは5000〜150000であ
り、1つの分子内にアゾ基を2以上もつものが望まし
い。
【0016】本発明の組成物において、ポリシロキサン
ブロックとポリメタクリル酸エステル系ブロックとから
なるブロック共重合体に由来するポリシロキサンの組成
物全体に対する含有量は0.01〜10重量%であり、
好ましくは0.01〜5重量%である。この含有量が
0.01重量%より少ない場合は、ポリシロキサンによ
る効果が十分ではなく、10重量%より多い場合は、加
工性、外観、機械的特性などに悪影響を及ぼす。
【0017】本発明の組成物には、オルガノポリシロキ
サンが上記ブロック共重合体に由来するポリシロキサン
の含有量の3倍を越えない範囲で含まれていてもよい。
このようなオルガノポリシロキサンは、下記一般式
(2)
【0018】
【化3】
【0019】(式中、R5,R6,R7,R8,R9
10,R11,R12,R13およびR14は各々独立して、水
素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ハロ
ゲン化炭化水素基を示し、xとyは各々粘度によって変
化する任意の整数である)で表され、25℃における粘
度が100〜100000CSのもので、これらは1種
で、もしくは2種以上の混合物として使用される。
【0020】本発明の組成物には、前記の成分のほか、
塩化ビニル樹脂に通常使用される可塑剤、充填剤、安定
剤、改質剤、顔料、滑剤等を添加することができる。こ
の場合、樹脂の使用目的、要求される性能やコストによ
って添加物の種類や量は適宜選択される。
【0021】この可塑剤としては、例えばフタル酸エス
テル類、リン酸エステル類、セバシン酸エステル類、ア
ゼライン酸エステル類、エポキシ化大豆油を挙げること
ができる。また安定剤としては、例えば有機スズ化合物
系、金属石けん系、エポキシ化合物系、有機亜リン酸エ
ステル系、ベンゾトリアゾール系(紫外線吸収剤)、ア
ルキルフェノール系(抗酸化剤)のものなどがある。さ
らに、充填材は増量、電気絶縁性、耐老化性、熱膨張な
どの調節を目的として添加され、カルシウム、チタン
白、クレーなどがある。また改質剤としては、例えば耐
衝撃付与剤があり、MBS樹脂、ABS樹脂、ニトリル
ゴム、塩素化ポリエチレン、EVA−PVCグラフト重
合体などを挙げることができ、滑剤としては、例えばス
テアリン酸、ステアリルアルコール、ステアリン酸ブチ
ル、低分子量ポリエチレン、他のワックス類がある。
【0022】本発明の組成物および上記した添加剤は、
リボンブレンダーや高速ミキサで混合し、続いてバンバ
リミキサ、混練ロール、押出機などで混練し、押出機、
カレンダロール、射出成形機などによって成形され製品
となる。
【0023】また、本発明の組成物において、20倍重
量のn−ヘキサンを用いて、常圧で還流下、8時間抽出
処理した時、n−ヘキサン中に抽出されるポリシロキサ
ン系化合物は、組成物に元々含まれるポリシロキサン系
ブロック成分全量の75重量%以下である。
【0024】本発明の塩化ビニル系樹脂組成物におい
て、オルガノポリシロキサンをポリ塩化ビニル樹脂に添
加する方法としては、オルガノポリシロキサンを含有
するポリシロキサン・MMA系ブロック共重合体を用い
る、オルガノポリシロキサンを含有するポリ塩化ビニ
ル樹脂を用いる、別途オルガノポリシロキサンを添加
する等の方法がある。およびの方法においては、ポ
リシロキサン・MMA系ブロック共重合体やポリ塩化ビ
ニルを得る際、モノマーや重合開始剤などとともにオル
ガノポリシロキサンを仕込むことにより操作が簡略化さ
れ、また均一な組成物を得る上で最も好ましい。この
時、オルガノポリシロキサンはそのまま添加しても、モ
ノマーや有機溶媒に溶解したり、水などの媒体に分散さ
せて添加してもよい。の方法においては、重合後のス
ラリー中、スラリー脱水後のケーキ中、乾燥後の重合体
粉体中あるいは成形直前の重合体粉体中などいずれの段
階で仕込んでもよい。
【0025】
【実施例】以下、本発明を実施例、参考例、比較例によ
り具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定さ
れるものではない。参考例1〜5には、本発明で使用し
たポリシロキサンブロックとポリメタクリル酸メチルブ
ロックとからなるブロック共重合体の合成例を示す。
【0026】参考例1 乾燥した4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)
5.6gを仕込み、ジクロロメタン140mlに分散
させ、これに1,1’−カルボニルジイミダゾール
7.1gを加え、室温で1時間攪拌した後、アミノ変性
ポリジメチルシロキサン(信越化学工業(株)、X−2
2−161C、数平均分子量約4400)90gを加
え、室温で5時間反応させた。反応終了後、副生物のイ
ミダゾールをメタノールで抽出して除去した後、室温で
溶媒を減圧下留去して、ほぼ無色の粘性体93g(収率
98%)を得た。生成物がポリシロキサンとアゾ化合物
とが結合してなるマクロアゾ開始剤であることの確認
は、IR吸収スペクトル測定およびNMR測定により行
った。また、GPCにより測定した重量平均分子量は8
4000、数平均分子量は34000(いずれも、ポリ
スチレン換算)であった。
【0027】参考例2 乾燥した4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)
2.8gを仕込み、ジクロロメタン250mlに分散
させ、これに1,1’−カルボニルジイミダゾール
3.5gを加え、室温で1時間攪拌した後、アミノ変性
ポリジメチルシロキサン(信越化学工業(株)、KF−
8008、数平均分子量11000)120gを加え、
室温で10時間反応させた。反応終了後、副生物のイミ
ダゾールをメタノールで抽出して除去した後、室温で溶
媒を減圧下留去して、ほぼ無色の粘性体118g(収率
97%)を得た。生成物がポリシロキサンとアゾ化合物
とが結合してなるマクロアゾ開始剤であることの確認
は、IR吸収スペクトル測定およびNMR測定により行
った。また、GPCにより測定した重量平均分子量は1
27000、数平均分子量は52000(いずれも、ポ
リスチレン換算)であった。
【0028】参考例3 1lのステンレス製耐圧容器内で、参考例1のマクロア
ゾ開始剤12.5gをメタクリル酸メチル250gに溶
解させた後、この容器に純水500g、ポリビニルアル
コール系分散安定剤(日本合成化学製 ゴーセノールK
H−20)の3%水溶液を17ml、ドデカンチオール
(連鎖移動剤)2gを投入し、70℃に昇温し、重合を
開始した。5時間後、重合系を冷却し、重合を停止し
た。得られた重合体粒子を脱水、60℃で減圧乾燥し、
195gの粉体(サンプル名:CS−1)を得た。
【0029】GPCにより測定した得られたポリマーの
重量平均分子量は50000、数平均分子量は2700
0(いずれも、ポリスチレン換算)であり、ポリジメチ
ルシロキサン含量は6.0重量%であった。また、n−
ヘキサンによるソックスレー抽出を8時間行ったとこ
ろ、樹脂100gに対し、0.1gのシリコーンが抽出
されたのみであった。これらの結果およびIR吸収スペ
クトルの測定結果より、得られたポリマーはポリジメチ
ルシロキサンとポリメタクリル酸メチルのブロック共重
合体であることが確認された。
【0030】参考例4 1lのステンレス製耐圧容器内で、参考例2のマクロア
ゾ開始剤25gをメタクリル酸メチル250gに溶解さ
せた後、この容器に純水500g、ポリビニルアルコー
ル系分散安定剤(日本合成化学製 ゴーセノールKH−
20)の3%水溶液を17ml、ドデカンチオール(連
鎖移動剤)0.5gを投入し、80℃に昇温し、重合を
開始した。8時間後、重合系を冷却し、重合を停止し
た。得られた重合体粒子を脱水、60℃で減圧乾燥し、
234gの粉体(サンプル名:CS−2)を得た。
【0031】GPCにより測定した得られたポリマーの
重量平均分子量は180000、数平均分子量は850
00(いずれも、ポリスチレン換算)であり、ポリジメ
チルシロキサン含量は9.6重量%であった。
【0032】参考例5 1lのステンレス製耐圧容器に、参考例1のマクロアゾ
開始剤15g、メタクリル酸メチル250g、純水50
0g、ポリビニルアルコール系分散安定剤(日本合成化
学製 ゴーセノールKH−20)の3%水溶液を17m
l仕込み、室温で30分間予備溶解させた後、70℃に
昇温し、重合を開始した。2時間後、重合系を冷却し、
重合を停止した。得られた重合体粒子を脱水、60℃で
減圧乾燥し、235gの粉体(サンプル名:CS−3)
を得た。
【0033】GPCにより測定した得られたポリマーの
重量平均分子量は350000、数平均分子量は203
000(いずれも、ポリスチレン換算)であり、ポリジ
メチルシロキサン含量は6.0重量%であった。
【0034】参考例6 3lステンレス製耐圧容器に、参考例1のマクロアゾ開
始剤46.3g、水1500g、ポリビニルアルコール
系分散剤(日本合成化学製 ゴーセノールKH−20)
の3%水溶液を39g仕込み、減圧・窒素置換を数回繰
り返した後、塩化ビニル770gを導入した。室温で3
0分間予備溶解させた後、回転数1100rpmで撹拌
下、66.8℃に昇温し、重合を開始した。重合圧力が
8kg/cm2Gになった時、冷却を開始し、重合を停
止した。得られた重合体スラリーは脱モノマー槽へ移液
し、70℃で10分、−130mmHgで処理した後、
脱水した。60℃で流動乾燥し、580gの粉体(サン
プル名:B−700)を得た。
【0035】GPCにより測定した得られたポリマーの
重量平均分子量は95000、数平均分子量は4400
0(いずれも、ポリスチレン換算)であり、ポリジメチ
ルシロキサン含量は6.4重量%であった。また、ジエ
チルエーテルによるソックスレー抽出を8時間行ったと
ころ、樹脂100gに対し、0.5gのシリコーンが抽
出されたのみであった。これらの結果およびIR吸収ス
ペクトルの測定結果より、得られたポリマーはポリジメ
チルシロキサンと塩化ビニルのブロック共重合体である
ことが確認された。
【0036】実施例1〜5、比較例1〜4 表1および表2に示すように、参考例3および4で得た
ポリジメチルシロキサン・ポリメタクリル酸メチルブロ
ック共重合体、参考例6で得たポリジメチルシロキサン
・ポリ塩化ビニルブロック共重合体およびポリジメチル
シロキサン(信越化学工業(株)、KF96−100)
のうちのいずれか1つとポリ塩化ビニルホモポリマー
(東ソー(株)、TH−800)および安定剤を異なる
配合量で配合して各種組成物を調製した。これらの試料
は、ロールにより混練し、プレスにより板状に成形し
た。ここで、ロールによる混練は、ロール間隔は1mm
で、150℃にて10分間とし、プレスは180℃,1
00気圧で300秒、冷却は100気圧で200秒であ
った。板の厚さは、接触角,静摩擦係数,ヘーズの測定
用には0.5mm、引張強度,引張伸び,シャルピー衝
撃強度測定用には4mmとした。
【0037】ポリ塩化ビニルホモポリマーとポリジメチ
ルシロキサン(ホモポリマーあるいはブロック共重合
体)を含む組成物(実施例、比較例)では、ポリ塩化ビ
ニルホモポリマー組成物(比較例1)に比べて、接触角
が増加し、静摩擦係数が減少した。これらのうち、ポリ
塩化ビニルとポリジメチルシロキサン・ポリメタクリル
酸メチルブロック共重合体の組成物において、ポリジメ
チルシロキサンによる効果が最も大きく現れた。また、
ヘーズは、ポリジメチルシロキサン・ポリメタクリル酸
メチルブロック共重合体を含有する組成物が最も小さな
値であり、ポリジメチルシロキサン・ポリ塩化ビニルブ
ロック共重合体を含有する組成物、ポリ塩化ビニルとポ
リジメチルシロキサンとの組成物の順に大きくなった。
また、引張強度は、ポリ塩化ビニルとポリジメチルシロ
キサン・ポリメタクリル酸メチルブロック共重合体の組
成物が最も大きな値を示し、ポリジメチルシロキサン含
量が比較的少ない領域では、ポリ塩化ビニルの値よりも
高い値を示したが、ポリ塩化ビニルとポリジメチルシロ
キサンとの組成物およびポリ塩化ビニルとポリジメチル
シロキサン・ポリ塩化ビニルブロック共重合体の組成物
は、塩化ビニル樹脂が元来有する値よりかなり低い値を
示した。
【0038】
【表1】
【0039】
【表2】
【0040】比較例5 参考例5で得たブロック共重合体、ポリ塩化ビニルホモ
ポリマーおよび安定剤を実施例1と同様に配合して、ロ
ールで混練したが、ブロック共重合体は均一にポリ塩化
ビニルと混じらなかった。
【0041】
【発明の効果】本発明により、撥水性が大きく、表面の
摩擦係数が小さいポリ塩化ビニル系組成物が提供され
る。本発明の組成物は、機械的強度に優れ、成形時に良
好な外観(透明性)を与え、加工性も良好であり、射出
成形、カレンダー成形、押出成形などによる各種製品の
製造に有用である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塩化ビニル系樹脂および下記一般式(1) 【化1】 (式中、R1,R2,R3およびR4は各々独立して、水素
    原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ハロゲ
    ン化炭化水素基を示し、mおよびnはそれぞれ3〜10
    00の整数である)で表されるポリシロキサン系ブロッ
    クとポリメタクリル酸エステル系ブロックとからなるブ
    ロック共重合体からなる塩化ビニル系樹脂組成物であ
    り、ポリシロキサン系ブロックの含有量が組成物全体の
    0.01〜10重量%であることを特徴とする塩化ビニ
    ル系樹脂組成物。
  2. 【請求項2】塩化ビニル系樹脂のポリスチレン換算重量
    平均分子量が50000〜1000000であり、ブロ
    ック共重合体のポリスチレン換算重量平均分子量が10
    000〜300000であることを特徴とする請求項1
    に記載の塩化ビニル系樹脂組成物。
  3. 【請求項3】ポリシロキサン系ブロックの数平均分子量
    が500〜30000であることを特徴とする請求項1
    または2に記載の塩化ビニル系樹脂組成物。
  4. 【請求項4】ブロック共重合体のポリシロキサン系ブロ
    ックの含有量が1〜30重量%であることを特徴とする
    請求項1〜3のいずれかに記載の塩化ビニル系樹脂組成
    物。
  5. 【請求項5】ポリメタクリル酸エステル系ブロックがメ
    タクリル酸メチルを主体とするモノマーの重合体であ
    り、メタクリル酸メチルがモノマーモル比で70%以上
    であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載
    の塩化ビニル系樹脂組成物。
JP681394A 1994-01-26 1994-01-26 塩化ビニル系樹脂組成物 Pending JPH07216171A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP681394A JPH07216171A (ja) 1994-01-26 1994-01-26 塩化ビニル系樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP681394A JPH07216171A (ja) 1994-01-26 1994-01-26 塩化ビニル系樹脂組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH07216171A true JPH07216171A (ja) 1995-08-15

Family

ID=11648648

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP681394A Pending JPH07216171A (ja) 1994-01-26 1994-01-26 塩化ビニル系樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH07216171A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000032690A1 (fr) * 1998-12-03 2000-06-08 Kaneka Corporation Composition elastomere et composition de resine thermoplastique la contenant
JP2016060905A (ja) * 2014-09-12 2016-04-25 理研ビタミン株式会社 塩化ビニル系樹脂組成物及びその成形品
JP2018024845A (ja) * 2016-08-09 2018-02-15 エルジー・ケム・リミテッド アクリル系加工助剤及びこれを含む塩化ビニル系樹脂組成物

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000032690A1 (fr) * 1998-12-03 2000-06-08 Kaneka Corporation Composition elastomere et composition de resine thermoplastique la contenant
US6534594B1 (en) 1998-12-03 2003-03-18 Kaneka Corporation Elastomer composition and thermoplastic resin composition containing the same
JP2016060905A (ja) * 2014-09-12 2016-04-25 理研ビタミン株式会社 塩化ビニル系樹脂組成物及びその成形品
JP2018024845A (ja) * 2016-08-09 2018-02-15 エルジー・ケム・リミテッド アクリル系加工助剤及びこれを含む塩化ビニル系樹脂組成物
KR20180017371A (ko) * 2016-08-09 2018-02-21 주식회사 엘지화학 아크릴계 가공조제 및 이를 포함하는 염화비닐계 수지 조성물
US10150831B2 (en) 2016-08-09 2018-12-11 Lg Chem, Ltd. Acrylic processing aid and vinyl chloride resin composition comprising the same

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2530334B2 (ja) 高い切欠き衝撃強度を有するグラフト重合体類
US7745536B2 (en) Composition of acryl-silicone complex, preparing method and use thereof
CN101218295A (zh) 甲基丙烯酸类树脂组合物
JP7305615B2 (ja) ポリ(メチルメタクリレート)樹脂組成物
CN1167783A (zh) 复合橡胶粒子及复合橡胶系接枝共聚物粒子
JP3992772B2 (ja) メタクリレート樹脂ブレンド
CN1147516C (zh) 乳液聚合硅氧烷-丙烯酸酯橡胶冲击改性剂、热塑性共混物及制备方法
JPH0826160B2 (ja) 高分子材料用表面改質剤
JP7005990B2 (ja) ゴム質重合体、グラフト共重合体および熱可塑性樹脂組成物
US5654366A (en) Thermoplastic resin composition
JPH07216171A (ja) 塩化ビニル系樹脂組成物
JP3535666B2 (ja) ポリ塩化ビニル系樹脂組成物
JP3254375B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JPH0718140A (ja) 塩化ビニル系樹脂組成物
US5171786A (en) Pvc-silicone rubber molding compounds showing toughness at low temperatures
US20090054591A1 (en) Polyorganosiloxane-containing graft copolymer and vinyl chloride resin compositions containing the copolymer
US4871801A (en) Reactive polyvinyl chloride and polymer products made therefrom
JPH10310616A (ja) シリコーン変性アクリルゴム粒子、シリコーン変性アクリルゴム系グラフト共重合体粒子および熱可塑性樹脂組成物
JP2000264936A (ja) 塩化ビニル系樹脂及び塩化ビニル系樹脂の製造方法
JPH0331353A (ja) 軟質シート用重合体混合物
JPH05331242A (ja) ワックス組成物とその製法および樹脂用改質剤
JPS6354017B2 (ja)
JP3616156B2 (ja) 熱可塑性樹脂組成物
JP2003253082A (ja) ポリ塩化ビニル系樹脂組成物
US4988769A (en) Reactive polyvinyl chloride and polymer products made therefrom