JPH0718140A - 塩化ビニル系樹脂組成物 - Google Patents

塩化ビニル系樹脂組成物

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JPH0718140A
JPH0718140A JP16108793A JP16108793A JPH0718140A JP H0718140 A JPH0718140 A JP H0718140A JP 16108793 A JP16108793 A JP 16108793A JP 16108793 A JP16108793 A JP 16108793A JP H0718140 A JPH0718140 A JP H0718140A
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JP
Japan
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polyvinyl chloride
vinyl chloride
polydimethylsiloxane
organopolysiloxane
block copolymer
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Application number
JP16108793A
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English (en)
Inventor
Yoshiyuki Miyaki
義行 宮木
Yoshihiko Sugiura
嘉彦 杉浦
Yusaku Suenaga
勇作 末永
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Tosoh Corp
Original Assignee
Tosoh Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 加工性に優れ、撥水性が高く、摩擦係数が低
いポリ塩化ビニル系樹脂組成物を提供する。 【構成】 塩化ビニル系樹脂、ポリシロキサン系ブロッ
クとポリ塩化ビニル系ブロックとからなるブロック共重
合体およびオルガノポリシロキサンからなる塩化ビニル
系樹脂組成物であり、ポリシロキサン系ブロックの含有
量w1(%)が組成物全体の0.01〜15重量%であ
り、オルガノポリシロキサンの含有量が0.1w1〜3
1(%)であることを特徴とする塩化ビニル系樹脂組
成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は加工性に優れ、撥水性を
有し、良好な外観を与える塩化ビニル系樹脂組成物に関
する。また、本発明の組成物は、撥水性のほか、低摩擦
性、剥離性(離型性)に特徴を有し、農業用被覆材、壁
材、床材などに好適に用いられる。
【0002】
【従来の技術】塩化ビニル系樹脂にオルガノポリシロキ
サンを添加することにより、その成形品に撥水性、汚れ
防止、耐候性、耐摩耗性が付与されることは知られてい
る(特開昭63−94503号公報、特開昭63−60
45号公報、特開昭63−6044号公報など)。しか
し、ポリ塩化ビニルとオルガノポリシロキサンは、元来
非相溶性であり、両者を単に混合した場合、ロール粘着
性が悪く、加工が困難となったり、得られる成形品の透
明性が損なわれたり、成形品表面からのオルガノポリシ
ロキサンの浸出が生じ、効果の持続性がないなどの欠点
があった。
【0003】また、末端にアクリル基を有するポリオル
ガノシロキサンと塩化ビニルとの共重合やマクロアゾ開
始剤を用いてオルガノポリシロキサンと塩化ビニルをブ
ロック共重合することにより上記の欠点を改良する試み
も行われている(特開平4−135749号公報、特開
平4−39315号公報など)が、これらの手法では、
樹脂のコストが高くなり実用性に問題がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の状況に
鑑みなされたものであり、加工性に優れ、撥水性が高
く、摩擦係数が低いポリ塩化ビニル系樹脂組成物であっ
て、外観や製造コストに問題のない組成物を提供するこ
とを目的とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題
を解決するために鋭意検討した結果、ポリ塩化ビニル系
樹脂にオルガノポリシロキサンと塩化ビニルとのブロッ
ク共重合体およびオルガノポリシロキサンを適量添加す
ることにより、目的とする組成物が得られることを見出
し、本発明に到達した。
【0006】すなわち本発明は、塩化ビニル系樹脂、下
記一般式(1)
【0007】
【化2】
【0008】(式中、R1〜R4は同一または異なってい
てもよく、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリ
ール基、ハロゲン化炭化水素を示し、nおよびmはそれ
ぞれ3〜1000の整数である)で表されるポリシロキ
サン系ブロックとポリ塩化ビニル系ブロックとからなる
ブロック共重合体およびオルガノポリシロキサンからな
る塩化ビニル系樹脂組成物であり、ポリシロキサン系ブ
ロックの含有量w1(%)が組成物全体の0.01〜1
5重量%であり、オルガノポリシロキサンの含有量が
0.1w1〜3w1(%)であることを特徴とする塩化ビ
ニル系樹脂組成物に関する。
【0009】以下に本発明を詳しく説明する。
【0010】本発明に使用するポリ塩化ビニル系樹脂と
しては、ポリ塩化ビニルのほか、塩化ビニルを主成分と
する他の単量体、例えば、α−オレフィン、酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニル、ビニルエーテル、マレイン酸
エステル、N−アルキルマレイミド、N−アリールマレ
イミド、塩化ビニリデン等との共重合体が含まれ、ま
た、これらと他の高分子とがブレンドされたものも含ま
れる。
【0011】本発明で使用するポリシロキサン系ブロッ
クとポリ塩化ビニル系ブロックとからなるブロック共重
合体とは、ポリ塩化ビニルのほか、塩化ビニルを主成分
とする他の単量体、例えば、α−オレフィン、酢酸ビニ
ル、プロピオン酸ビニル、ビニルエーテル、マレイン酸
エステル、N−アルキルマレイミド、N−アリールマレ
イミド、塩化ビニリデン等との共重合体と一般式(1)
で表されるポリシロキサンとが結合したブロック共重合
体である。また、このブロック共重合体のゲルパーミエ
ーションクロマトグラフィー(GPC)法で測定される
数平均分子量はポリスチレン換算で2500〜2000
00が好ましく、さらに好ましくは5000〜1000
00であり、ポリシロキサン系ブロックの数平均分子量
は500〜50000が好ましく、さらに好ましくは1
000〜25000である。
【0012】このようなブロック共重合体の合成方法と
しては、例えば一般式(1)で表されるポリシロキサン
系化合物とアゾ化合物とが結合してなるマクロアゾ開始
剤を用いて、塩化ビニルまたは塩化ビニルを主成分とす
る上記の単量体の混合物を重合する方法が挙げられる。
【0013】このマクロアゾ開始剤は、反応性の官能基
を2個と一般式(1)で表される連鎖を有するポリシロ
キサン系化合物とアゾ化合物を化学結合させることによ
り合成される。例として、アミノ基または水酸基を2個
有するポリシロキサン系化合物とアゾ基を有するジカル
ボン酸(例えば、4,4’−アゾビス(4−シアノペン
タン酸))の縮合体、カルボキシル基を2個有するポリ
シロキサンとアゾ基を有するジオール(例えば、2,
2’−アゾビス(2−シアノプロパノール)など)との
縮合体、アミノ基または水酸基(フェノール基を含む)
を2個有するポリシロキサンとアゾ基を有するジオール
(例えば、2,2’−アゾビス(2−シアノプロパノー
ル)、4,4’−アゾビス(4−シアノペンタノール)
など)をジカルボン酸ハライド(例えば、セバチン酸ク
ロリド、アジピン酸クロリドなど)またはジイソシアナ
ート(例えば、トリレンジイソシアナート、4,4’−
ジフェニルメタンジイソシアナート、ヘキサメチレンジ
イソシアナートなど)と結合させたものなどがある(高
分子加工、41巻 7号 24ページなど)。
【0014】上述のマクロアゾ開始剤の合成に使用され
るポリシロキサン系化合物は、両末端あるいはその近傍
に反応性官能基を有していることが望ましく、この数平
均分子量は500〜50000が好ましく、さらに好ま
しくは1000〜25000である。また、マクロアゾ
開始剤の数平均分子量は2000〜300000が望ま
しく、さらに望ましくは5000〜150000であ
り、1つの分子内にアゾ基を2以上もつものが望まし
い。
【0015】ポリシロキサン系化合物とアゾ化合物とが
結合してなるマクロアゾ開始剤を用いて塩化ビニルを重
合した時、生成物中には、ポリシロキサン系ブロックと
ポリ塩化ビニル系ブロックからなるブロック共重合体以
外に、マクロアゾ開始剤の分解物であり、ポリ塩化ビニ
ルに結合しないポリシロキサン系化合物が含まれること
がある。このような非結合のポリシロキサン系化合物の
含有量は、ポリシロキサン系化合物を溶解し、塩化ビニ
ル系重合体を溶解しない溶剤(例えば、ジエチルエーテ
ルやn−ヘキサン)を用いてソックスレー抽出を数時間
行うことにより求めることができる。本発明で使用可能
なブロック共重合体は、このような非結合のポリシロキ
サン系化合物が、重合生成物中に含まれるポリシロキサ
ン全量の70重量%以下であればよい。
【0016】本発明で用いるオルガノポリシロキサン
は、下記一般式(2)
【0017】
【化3】
【0018】(式中、R5〜R14は同一または異なって
いてもよく、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、ア
リール基、ハロゲン化炭化水素を示し、xとyはそれぞ
れ粘度によって変化する任意の整数である)で示され、
25℃における粘度が100〜100000のもので、
この1種もしくは2種以上の混合物として使用される。
【0019】本発明の組成物において、ポリシロキサン
ブロックとポリ塩化ビニル系ブロックとからなるブロッ
ク共重合体のポリシロキサンの組成物全体に対する含有
量(w1)は0.01〜15重量%であり、オルガノポ
リシロキサンは組成物全体に対してw1の0.1〜3倍
である必要がある。これらの含有量がこの範囲より少な
い場合は、ポリシロキサンあるいはオルガノポリシロキ
サンを添加することによる効果が十分ではなく、多い場
合は加工性、外観、機械的特性などに悪影響を及ぼす。
【0020】本発明の組成物には、前記の成分のほか、
塩化ビニル樹脂に通常使用される可塑剤、充填剤、安定
剤、改質剤、顔料、滑剤等を添加することができる。こ
の場合、樹脂の使用目的、要求される性能やコストによ
って、添加物の種類や量は適宜選択される。この可塑剤
としては、例えばフタル酸エステル類、リン酸エステル
類、セバシン酸エステル類、アゼライン酸エステル類、
エポキシ化大豆油などを挙げることができる。安定剤と
しては、例えば有機スズ化合物系、金属石けん系、エポ
キシ化合物系、有機亜リン酸エステル系、ベンゾトリア
ゾール系(紫外線吸収剤)、アルキルフェノール系(抗
酸化剤)などが挙げられる。また、充填材は増量、電気
絶縁性、耐老化性、熱膨張などの調節を目的として添加
され、カルシウム、チタン白、クレーなどが挙げられ
る。改質剤としては、例えば耐衝撃付与剤があり、MB
S樹脂、ABS樹脂、ニトリルゴム、塩素化ポリエチレ
ン、EVA−PVCグラフト重合体などを挙げることが
できる。さらに滑剤としては、例えばステアリン酸、ス
テアリルアルコール、ステアリン酸ブチル、低分子量ポ
リエチレン、他のワックス類などが挙げられる。
【0021】本発明において、計量された樹脂や添加剤
は、リボンブレンダーや高速ミキサーで混合し、続いて
バンバリミキサー、混練ロール、押出機などで混練さ
れ、押出機、カレンダロール、射出成形機などによって
成形され製品となる。
【0022】本発明の組成物を20倍重量のジエチルエ
ーテルを用いて、常圧で還流下、8時間抽出処理した
時、ジエチルエーテル中に抽出されるポリシロキサン系
化合物は、組成物にもともと含まれるポリシロキサン系
ブロック全量の9〜75%である。
【0023】オルガノポリシロキサンをポリ塩化ビニル
樹脂に添加する方法としては、重合仕込時に水性媒体、
モノマー、懸濁剤、マクロアゾ開始剤、さらに必要に応
じてアゾ化合物や過酸化物などの通常のラジカル重合開
始剤などとともにあらかじめ仕込むことが、操作が簡略
化され、また均一な組成物を得る上で最も好ましいが、
重合中または重合後のスラリー中、スラリー脱水後のケ
ーキ中、あるいは乾燥後の重合体粉体中、あるいは成形
直前の重合体粉体中などいずれの段階で仕込んでもよ
い。この時、オルガノポリシロキサンをそのまま添加し
ても、モノマーや有機溶媒に溶解したり、水などの媒体
に分散させて添加してもよい。
【0024】
【実施例】以下、本発明を参考例、実施例、比較例によ
り具体的に説明するが、本発明は下記の実施例に限定さ
れるものではない。なお、参考例1〜3には本発明で使
用したポリシロキサンブロックとポリ塩化ビニル系ブロ
ックとからなるブロック共重合体の合成例を示す。
【0025】参考例1 乾燥した4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)
5.6gを仕込み、ジクロロメタン140mlに分散さ
せ、これに1,1’−カルボニルジイミダゾール7.1
gを加え、室温で1時間攪拌した後、アミノ変性ポリジ
メチルシロキサン(信越化学工業(株)製、X−22−
161C、分子量約4500)90gを乾燥した後に加
え、室温で5時間反応させた。反応終了後、副生物のイ
ミダゾールをメタノールで抽出して除去した後、室温で
溶媒を減圧下留去して、ほぼ無色の粘性体93g(収率
98%)を得た。生成物がポリシロキサンとアゾ化合物
とが結合してなるマクロアゾ開始剤であることの確認
は、IR吸収スペクトル測定およびNMR測定により行
った。また、GPCにより測定されたマクロアゾ開始剤
の重量平均分子量は84000、数平均分子量は340
00(いずれもポリスチレン換算)であった。
【0026】参考例2 乾燥した4,4’−アゾビス(4−シアノペンタン酸)
2.8gを仕込み、ジクロロメタン140mlに分散さ
せ、これに1,1’−カルボニルジイミダゾール3.5
gを加え、室温で1時間攪拌した後、アミノ変性ポリジ
メチルシロキサン(信越化学工業(株)製、KF−80
08、分子量約9000)90gを乾燥した後に加え、
室温で10時間反応させた。反応終了後、副生物のイミ
ダゾールをメタノールで抽出して除去した後、室温で溶
媒を減圧下留去して、ほぼ無色の粘性体90g(収率9
7%)を得た。生成物がポリシロキサンとアゾ化合物と
が結合してなるマクロアゾ開始剤であることの確認は、
IR吸収スペクトル測定およびNMR測定により行っ
た。また、GPCにより測定されたマクロアゾ開始剤の
重量平均分子量は127000、数平均分子量は370
00(いずれもポリスチレン換算)であった。
【0027】参考例3 3lのステンレス製耐圧容器に、参考例1のマクロアゾ
開始剤46.3g、水1500g、ポリビニルアルコー
ル系分散剤(日本合成化学(株)製、ゴーセノールKH
−20)の3%水溶液39gを仕込み、減圧・窒素置換
を数回繰り返した後、塩化ビニル770gを導入した。
室温で30分間予備溶解させた後、回転数1100rp
mで撹拌下、66.8℃に昇温し、重合を開始した。重
合圧力が8kg/cm2になった時、冷却を開始し、重
合を停止した。得られた重合体スラリーは脱モノマー槽
へ移液し、70℃で10分、−130mmHgで処理し
た後、脱水した。60℃で流動乾燥し、580gの粒子
を得た(収率75%)。
【0028】GPCにより測定された得られたポリマー
の重量平均分子量は95000、数平均分子量は440
00(いずれもポリスチレン換算)であり、ポリジメチ
ルシロキサン含有量は6.4重量%であった。また、ジ
エチルエーテルによるソックスレー抽出を8時間行った
ところ、樹脂100gに対し、0.5gのシリコーンが
抽出されたのみであった。これらの結果およびIR吸収
スペクトルの測定結果より、得られたポリマーはポリジ
メチルシロキサンと塩化ビニルのブロック共重合体であ
ることが確認された。
【0029】実施例1〜3,比較例1〜3 表1に示すように、参考例3で得られたブロック共重合
体、ポリ塩化ビニル(東ソー(株)製、TH−800)
ポリジメチルシロキサン(信越化学工業(株)製、KF
96−100CS)および安定剤を異なる配合量で配合
して各種組成物を調製した。これらの試料は、ロールに
より混練し、プレスにより板状に成形した。ここで、ロ
ールによる混練は、ロール間隔は1mmで、150℃に
て10分間とし、プレスは180℃,100気圧で30
0秒、冷却は100気圧で200秒であった。板の厚さ
は、水接触角、静摩擦係数、ヘーズの測定用には0.5
mm、引張強度、引張伸び、シャルピー衝撃強度測定用
には4mmとした。
【0030】ポリ塩化ビニル、ポリジメチルシロキサン
・ポリ塩化ビニルブロック共重合体あるいはポリジメチ
ルシロキサンを含む組成物(実施例1〜3,比較例2〜
3)では、ポリ塩化ビニル組成物(比較例1)に比べ
て、水接触角が増加し、静摩擦係数が減少したが、ポリ
ジメチルシロキサン・ポリ塩化ビニルブロック共重合体
を含有する組成物は、ポリ塩化ビニルとポリジメチルシ
ロキサンとの組成物に比べてヘーズは比較的小さな値で
あった。また、機械的性質についても塩化ビニル樹脂が
元来有する性能を損なうことはなかった。
【0031】
【表1】
【0032】実施例4〜5,比較例4〜5 表2に示すように、参考例3で得られたブロック共重合
体、ポリ塩化ビニル(東ソ−(株)製、TH−80
0)、ポリジメチルシロキサン(実施例4,比較例4で
は信越化学工業(株)製、KF96−100CS、実施
例5,比較例5では信越化学工業(株)製、KF96H
−100000)および安定剤を異なる配合量で配合し
て各種組成物を調製した。これらの試料は、実施例1〜
3と同様にロールにより混練し、プレスにより板状に成
形した。
【0033】ポリジメチルシロキサン・ポリ塩化ビニル
ブロック共重合体およびポリジメチルシロキサンを含有
する実施例4と5の組成物は、ポリ塩化ビニルとポリジ
メチルシロキサンとの組成物に比べてヘーズは比較的小
さな値であった。
【0034】
【表2】
【0035】実施例6〜7,比較例6〜7 表3に示すように、参考例3で得られたブロック共重合
体、ポリ塩化ビニル(東ソー(株)製、TH−80
0)、ポリジメチルシロキサン(信越化学工業(株)
製、KF96−100CS)および安定剤を異なる配合
量で配合して各種組成物を調製した。これらの試料は、
実施例1〜3と同様にロールにより混練し、プレスによ
り板状に成形した。ただし、ヘーズ測定用のサンプルは
厚さ0.1mmとした。
【0036】ポリジメチルシロキサン・ポリ塩化ビニル
ブロック共重合体およびポリジメチルシロキサンを含有
する実施例6と7の組成物は、ポリ塩化ビニルとポリジ
メチルシロキサンとの組成物に比べてヘーズは比較的小
さな値で、外観も良好であった。
【0037】
【表3】
【0038】実施例8〜9,比較例8〜10 表4に示すように、参考例3で得られたブロック共重合
体、ポリ塩化ビニル(東ソー(株)製、TH−100
0)、ポリジメチルシロキサン(実施例8,比較例8で
は信越化学工業(株)製、KF96−100CS、実施
例9では信越化学工業(株)製、KF96H−1000
0)、安定剤および可塑剤を異なる配合量で配合して各
種組成物を調製した。これらの試料は、実施例1〜3と
同様にロールにより混練し、プレスにより板状に成形し
た。
【0039】軟質系の配合においても、ポリ塩化ビニ
ル、ポリジメチルシロキサン・ポリ塩化ビニルブロック
共重合体あるいはポリジメチルシロキサンを含む組成物
(実施例8,9,比較例8,10)では、ポリ塩化ビニ
ルホモポリマー組成物(比較例9)に比べて、水接触角
が増加したが、ポリジメチルシロキサン・ポリ塩化ビニ
ルブロック共重合体を含有する組成物は、ポリ塩化ビニ
ルとポリジメチルシロキサンとの組成物に比べてヘーズ
は比較的小さな値であった。
【0040】また、クラフトテープを実施例8と比較例
10で得られたプレス成形板の表面に貼り、2日間放置
した後に剥離して、その剥離性を評価したところ、実施
例8で得られたプレス成形板の場合は、クラフトテープ
は容易に剥がれ、剥離性は良好であったが、比較例10
で得られたプレス成形板の場合は、クラフトテープが板
の表面に付着し、実施例8に比べて剥離性に劣ってい
た。
【0041】
【表4】
【0042】実施例10 3lのステンレス製耐圧容器に、参考例2のマクロアゾ
開始剤2.3g、ベンジルパーオキサイド3.2g、ポ
リジメチルシロキサン(信越化学工業(株)製、KF9
6−200CS)2.6g、水1500g、部分ケン化
ポリビニルアルコール(日本合成化学(株)製、KH−
20)の3%水溶液39gを仕込み、減圧・窒素置換を
数回繰り返した後、塩化ビニル770gを導入した。室
温で30分間予備溶解させた後、回転数1100rpm
で撹拌下、66.8℃に昇温し、重合を開始した。重合
圧力が5kg/cm2になった時、冷却を開始し、重合
を停止した。得られた重合体スラリーは脱モノマー槽へ
移液し、70℃で10分、−130mmHgで処理した
後、脱水した。60℃で流動乾燥し、620gの粒子を
得た(収率80%)。生成物のポリジメチルシロキサン
含有量は0.60重量%であり、ジエチルエーテルによ
るソックスレー抽出を8時間行ったところ、樹脂100
gに対し、0.33gのシリコーンが抽出された。これ
より、生成物中に含まれるポリジメチルシロキサンのう
ち45重量%がポリ塩化ビニルと結合し、55重量%が
結合していないことが分かった。
【0043】得られた樹脂100重量部に対して、Sn
系安定剤4.5重量部とリン酸エステル系安定剤0.5
重量部を添加し、混練して得た組成物から0.5mm厚
の板を作製した。この板の水接触角は91度、静摩擦係
数は0.19、ヘーズは19であった。このように、ポ
リ塩化ビニルに比べて水接触角は増加し、静摩擦係数は
減少したが、ヘーズは比較的小さな値で、外観も良好で
あった。
【0044】実施例11 1lのステンレス製耐圧容器に、参考例2のマクロアゾ
開始剤22.1g、ポリジメチルシロキサン(信越化学
(株)製、KF96−200CS)13g、水520
g、部分ケン化ポリビニルアルコール(日本合成化学
(株)製、KH−20)の3%水溶液30gを仕込み、
減圧・窒素置換を数回繰り返した後、塩化ビニル260
gを導入した。室温で60分間予備溶解させた後、回転
数1100rpmで撹拌下、66.8℃に昇温し、重合
を開始した。重合圧力が5kg/cm2になった時、冷
却を開始し、重合を停止した。得られた重合体スラリー
は脱モノマー槽へ移液し、70℃で10分、−130m
mHgで処理した後、脱水した。60℃で流動乾燥し、
242gの粒子を得た(収率82%)。生成物のポリジ
メチルシロキサン含有量は14.0重量%であり、ジエ
チルエーテルによるソックスレー抽出を8時間行ったと
ころ、樹脂100gに対し、5.1gのシリコーンが抽
出された。これより、生成物中に含まれるポリジメチル
シロキサンのうち64重量%がポリ塩化ビニルと結合
し、36重量%が結合していないことが分かった。
【0045】得られた樹脂組成物2gをテトラヒドロフ
ラン50mlに溶解して得た溶液から、溶媒蒸発法によ
り厚さ約0.1mmのフィルムを得た。このフィルムは
白く濁っていたが、大きなポリジメチルシロキサンの塊
は見られず、外観は良好であった。
【0046】比較例11 ポリ塩化ビニル樹脂1.72gとポリジメチルシロキサ
ン(信越化学工業(株)製、KF96−200CS)
0.28gをテトラヒドロフラン50mlに溶解して得
た溶液から、溶媒蒸発法により厚さ約0.1mmのフィ
ルムを得た。このフィルムには大きなポリジメチルシロ
キサンの塊が存在し、外観は不均一で、不良であった。
【0047】
【発明の効果】本発明によれば、撥水性が大きく、表面
の摩擦係数が小さいポリ塩化ビニル系組成物が得られ
る。本発明の組成物は、良好な外観を有し、加工性も良
好であり、射出成形、カレンダー成形、押出成形などに
よる各種製品の製造に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】 参考例1で得られた高分子開始剤のIRスペ
クトルを示す。
【図2】 参考例1で得られた高分子開始剤のNMRス
ペクトルを示す。
【図3】 参考例3で得られたブロック共重合体のIR
スペクトルを示す。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】塩化ビニル系樹脂、下記一般式(1) 【化1】 (式中、R1〜R4は同一または異なっていてもよく、水
    素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アリール基、ハロ
    ゲン化炭化水素を示し、nおよびmはそれぞれ3〜10
    00の整数である)で表されるポリシロキサン系ブロッ
    クとポリ塩化ビニル系ブロックとからなるブロック共重
    合体およびオルガノポリシロキサンからなる塩化ビニル
    系樹脂組成物であり、ポリシロキサン系ブロックの含有
    量w1(%)が組成物全体の0.01〜15重量%であ
    り、オルガノポリシロキサンの含有量が0.1w1〜3
    1(%)であることを特徴とする塩化ビニル系樹脂組
    成物。
JP16108793A 1993-06-30 1993-06-30 塩化ビニル系樹脂組成物 Pending JPH0718140A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2006500449A (ja) * 2002-09-26 2006-01-05 チバ スペシャルティ ケミカルズ ホールディング インコーポレーテッド 向上したメルトフロー及び相溶性を持つ熱可塑性組成物
JP2016060905A (ja) * 2014-09-12 2016-04-25 理研ビタミン株式会社 塩化ビニル系樹脂組成物及びその成形品
US10829505B2 (en) 2016-04-20 2020-11-10 Dow Silicones Corporation Lithium alkylsiliconate composition, coating, and method of making same

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JP2016060905A (ja) * 2014-09-12 2016-04-25 理研ビタミン株式会社 塩化ビニル系樹脂組成物及びその成形品
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