JPH072159B2 - 床用吸込具 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 （イ）産業上の利用分野 本発明は電気掃除機に使用する床用吸込具に関する。

（ロ）従来の技術 従来一般に用いられている床用吸込具として、スパイラ
ル状に刷毛状のブラシ毛を植設した回転ブラシ体を有
し、該回転ブラシ体を回転させることにより床面の塵埃
を巻き上げて電気掃除機に吸い込ませるように構成した
ものがあった。しかし乍らこの構成の床用吸込具は、回
転ブラシのブラシ毛に例えば糸クズ等の塵埃がからみ付
き易く、これにより塵埃の巻き上げ効果が低減するもの
であった。これを防止するために、特開昭62−161334号
公報に示されるように、回転体に合成ゴムあるいは軟質
塩化ビニールなどの弾性材料にて形成された薄板状摺接
片をスパイラル状に巻き付けて形成された清掃回転体を
使用した床用吸込具があるがこの清掃回転体の場合、薄
板状摺接片の床面への摺接部分が薄板のゴムベラ状であ
るため、長時間使用していると前記摺接部分に圧縮応力
が常に作用して前記摺接部分が形状的にへたってしま
い、清掃回転体の直径が小さくなって清掃能力が低下す
る欠点があった。

（ハ）発明が解決しようとする課題 本発明は上記欠点を解消するために成したもので、清掃
回転体に糸クズ等の塵埃がからみ付くことのないように
すると共に長時間使用しても床面への摺接部がへたらな
いようにし、以て長期にわたって塵埃の巻き上げ効果の
高い、清掃能力の高い床用吸込具を得ることを目的とし
ている。

（ニ）課題を解決するための手段 本発明は、本体ケースの底面に設けた吸込口に清掃回転
体の一部を臨ませて配置し、該清掃回転体を回転駆動源
の回転力により回転させる床用吸込具において、前記清
掃回転体の外周面に取付基部を固定して、清掃回転体の
長手方向にそって弾性材製摺接片を設け、該摺接片の非
掃除面に当接する摺接部には、摺接部から取付基部にわ
たって中空部を形成したことを特徴とする。

（ホ）作用 上記構成によれば、清掃回転体の回転により弾性材製摺
接片全体が連続して掃除床面の塵埃を巻き上げ、糸屑等
が摺接片に絡み付くことがない。また、摺接片の中空部
を摺接部から取付基部まで形成したので、掃除床面への
当接部分がたわんで掃除床面に確実に当接し、掃除床面
を傷付けることなく、塵埃の巻き上げ効果は向上すると
共に、摺接片は掃除床面に当接しなくなると、すぐに元
の形状に復元するので、摺接片が長期にわたってへたる
ことがない。

（ヘ）実施例 以下、本発明の床用吸込具の実施例を図面に基いて説明
する。

（１）は上ケース（２）と下ケース（３）とを連結して
形成される床用吸込具（４）の横長筐体状のケース本体
で、該ケース本体（１）の前部には底面に横長吸込口
（５）を備えた吸込室（６）を有し、後部には前記吸込
室（６）と連通する連結筒枢着室（７）を形成してい
る。さらに（８）は電気掃除機の吸込ホース（図示せ
ず）に接続する連結筒で、前記連結筒枢着室（７）に上
下方向に回動自在に枢支される、前部を開口した半円筒
状枢着体（９）と、該枢着体（９）に対し左右方向に回
動自在に軸着したベント管（10）から成る。

（11）は前部吸込口（５）から一部が臨むように、該本
体ケース（１）の吸込室（６）内に回転自在に軸支配設
した清掃回転体で、該清掃回転体（11）は本体ケース
（１）内に収納された回転駆動源としてのモータ（12）
の回転力をベルト（13）を介して伝達されて高速回転す
る。また（14）は前車輪、（15）は後車輪である。

前記清掃回転体（11）において、（16）は両端に軸支軸
（17）（17）を有した長軸状の回転軸体で、該回転軸体
（16）の外周面（18）に、前記回転軸体（16）の両端間
に長手方向に、スパイラル状に２本の嵌合長溝（19）
（19）を、回転軸心に対し対称的に穿設してある。

（20）は前記嵌合長溝（19）に装着されて前記回転軸体
（16）の外周面（18）に、該回転軸（16）の長手方向に
沿ってスパイラル状に設けた摺接片で、合成ゴムや軟室
塩化ビニール樹脂のような弾性材を成形して形成されて
おり、前記嵌合長溝（19）に嵌合する取付基部（21）
と、掃除床面（Ａ）への当接部分に断面円弧状当接面
（22）を有した断面涙滴型の棒状摺接部（23）とからな
り、該摺接部（23）の内面には前記摺接部（23）の外表
面に沿う断面涙滴型の中空部（24）が穿設してあり、該
中空部（24）の基端は前記取付基部（21）まで延長して
設けられている。

（25）は前記回転軸体（16）の一端部に軸着される回転
プーリーで、前記ベルト（13）が掛けられて、前記モー
タ（12）の回転力を伝達して前記清掃回転体（11）を高
速で回転する。

上記の構成により、床用吸込具（４）を走行させながら
清掃回転体（11）を高速回転させると前記摺接片（20）
がじゅうたん等の掃除床面（Ａ）にビーターとしての叩
き効果を与えるが、掃除床面（Ａ）への当接部分が断面
涙滴型の棒状摺接部（23）の断面円弧状当接面（22）で
あるので掃除床面（Ａ）を叩く力が強く且つ掃除床面へ
の当接部分が常に確実に当接し、従って掃除床面（Ａ）
の状態に拘らず、微細塵や糸クズ、毛髪等の塵埃を叩き
出し、高い塵埃の巻き上げ効果を得る。さらに前記摺接
片（20）は全体がまとまって床面の塵埃を巻き上げるの
で、塵埃は前記摺接片（20）にからみ付くことがなく、
全量が連結管（８）から電気掃除機に吸い込まれる。こ
のとき前記摺接部（23）が中空部（24）を有しているの
で、第３図（イ）に示すように掃除床面（Ａ）への当接
部分がたわむと共に、中空部（24）側に圧縮されて、掃
除床面（Ａ）により一層確実に当接して高い塵埃の巻き
上げ効果を得ることができ、またこのたわみにより掃除
床面（Ａ）を傷付けることもない。そして前記当接部分
が掃除床面（Ａ）に当接しなくなるとすぐに元の形状に
復元する。このとき特に中空部（24）と棒状摺接部（2
3）の表面との間の側面部（23a）の弾性力に付勢されて
元の形状への復元が素早く且つスムーズに行なわれる。
従って、前記摺接片（20）は掃除床面（Ａ）への当接の
毎に圧縮と元の形状への復元が繰り返されても常に元の
形状にもどり、長期間の使用によってもへたることがな
く、清掃能力を高く維持することができる。前記中空部
（24）は取付基部（21）まで穿設されているので、前記
たわみがよりよく行なわれ摺接片（20）が掃除床面へよ
り確実に当接して塵埃の巻き上げ効果が大きい。

さらに第４図は本発明の他の実施例を示すが同図におい
て掃除回転体（11）は、摺接片（26）の棒状摺接部（2
3）の円弧状当接面（22）の外周部に複数本の薄板状突
条（27）を形成してあり、該薄板状突条（27）によりさ
らに掃除床面との摩擦力が増え、細塵をより一層巻き上
げやすい効果がある。

（ト）発明の効果 本発明の床用吸込具は以上の如く構成しているので、清
掃回転体の弾性材製摺接片に糸クズ等の塵埃がからみ付
くことがなく、また前記摺接片に中空部を有しているの
で、掃除床面への当接部分がたわんで且つ圧縮されて確
実に掃除床面に当接し、掃除床面を傷付けることのな
い、しかも塵埃の巻き上げ効果の高い、清掃能力の高い
ものを得ることができる。さらに前記摺接片は、前記中
空部の存在により復元力が大きくなり、掃除床面へ当接
しなくなると、すぐに元の形状に復元するので、長期に
わたってへたることがなく、従って長期にわたって清掃
能力を高く維持できる床用吸込具を得ることができる。

【図面の簡単な説明】

図面は何れも本発明床用吸込具の実施例に関し、第１図
は断面図、第２図は清掃回転体の分解斜視図、第３図
（イ）（ロ）は夫々、清掃回転体の動作を説明する断面
図、第４図は他の実施例の清掃回転体の断面図である。 （１）…本体ケース、（５）…細長吸込口（吸込口）、
（11）…清掃回転体、（20）（26）…摺接片、（24）…
中空部。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】本体ケースの底面に設けた吸込口に清掃回
   転体の一部を臨ませて配置し、該清掃回転体を回転駆動
   源の回転力により回転させる床用吸込具において、前記
   清掃回転体の外周面に取付基部を固定して、清掃回転体
   の長手方向にそって弾性材製摺接片を設け、該摺接片の
   被掃除面に当接する摺接部には、摺接部から取付基部に
   わたって中空部を形成したことを特徴とする床用吸込
   具。