JP3858215B2 - 床用吸込具 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、電気掃除機に接続されて使用される回転ブラシを有する床用吸込具に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図12は例えば特開平11−123167号公報に示された従来の床用吸込具の断面図、図13は回転ブラシの断面図である。図において、51は下面に吸込口52を有する吸込具本体、53は吸込具本体51内に形成される回転ブラシ収納室、54は吸込口52に臨ませた状態で回転ブラシ収納室53に回転自在に収納され、芯体55とその外周に翼片56を配設した回転ブラシである。57は吸込具本体51に形成された回転ブラシ54の翼片56に向かって外気を案内する案内口である。翼片56は、芯体55に螺旋状に形成された溝55aに基部58aを挿入して装着される一対のブラシ体58(第1のブレード)と芯体55の溝55aに合成樹脂をモールドして構成される基部59aを挿入して装着される一対のブレード59(第2のブレード)から構成されている。また、第2のブレード59は基部59aと難通気性の布状体59bと布状体59bの他端部に縫い付けられた刷毛状体59cから構成されており、第2のブレード59は布状体59bに刷毛状体59cを縫いつけることにより、布状体59bが引きつって回転ブラシ54の回転方向の後方側に湾曲するようになっている。
【0003】
また、第1のブレード58及び第2ブレード59は回転ブラシ54が停止状態においては、被清掃面に接触しないようになっているが、第2ブレード59は回転ブラシ54の回転方向(反時計方向)に対して後方側に湾曲しているので、回転ブラシ54が回転すると、回転に伴う遠心力により起立状態となるようになっている。60は吸込具本体51に回転自在に転結される継ぎ手管で、図示しない掃除機本体に可撓性ホース及び延長管を介して着脱自在に接続されるようになっている。60aは前記継ぎ手管60の入り口である。
【0004】
次に、動作について説明する。
被清掃面を掃除する際には、吸込口52から吸込まれた空気が翼片56に衝突し、回転ブラシ54を回転させている。そのとき、第2のブレード59は回転ブラシ54の回転が高速になってくると起立状態となり、床面や畳等に接触するようになる。また、絨毯等の掃除においては、吸込口52が絨毯で塞がれるため、案内口57から吸引される空気により回転ブラシ54は回転する。その際、被掃除面が抵抗となり、回転ブラシ54の回転数が低下するが、第2のブレード59が回転方向に湾曲し、被清掃面との接触抵抗が低下することで、再び回転ブラシ54の回転数が上昇する。したがって、第2のブレード59が起立、湾曲を繰り返すことにより、回転ブラシ54の回転数を一定に保とうとしている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような構成の床用吸込具では、回転ブラシの回転中心部分に芯体が配置されているため、芯体と翼片が障害となり、吸い込んだ空気の流れを低下させ、ゴミ取り性能が低下してしまう恐れがあった。また、翼片が継ぎ手管の入り口を塞ぐ場合があり、大きいゴミの取り残しが生じていた。
【0006】
この発明は、上記のような課題を解決するものであり、ゴミ取り性能のよい床用吸込具を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明に係る床用吸込具は、吸込口を有する吸込具本体と、該吸込具本体の前記吸込口に臨ませた状態で回転可能に設けられた回転ブラシとを備え、回転ブラシは、被清掃面と当接し、前記吸込具本体の移動に伴なって回転する一対のブラシホルダーと、前記ブラシホルダー間に跨って配置されると共に、前記ブラシホルダーの周部にそれぞれ設けられ、前記ブラシホルダーに対して回転可能な複数の清掃体とを有し、前記清掃体の周部には、略円錐状に形成された複数の突起又は螺旋状に形成された複数の清掃子が設けられているものである。
【0008】
また、回転ブラシの中心部分の空間は、その開口断面積の和が清掃体の断面積の和よりも大きくなるように形成されているものである。
【0009】
また、ブラシホルダーの外周には、滑り止めが一体的に形成されているものである。
【0011】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1〜図5はこの発明の実施に形態1を示すものである。図1は床用吸込具を床・畳上に載置した状態を示す断面図、図2は床用吸込具を絨毯上に載置した状態を示す断面図、図3は床用吸込具の回転ブラシを示す断面図、図4は床用吸込具の回転ブラシを示す縦断面図、図5は床用吸込具の上ケースを外した状態を示す上面図である。図において、1は吸込具本体、2は吸込具本体1の下ケースであり、下面に吸込口3が形成されている。4は上ケースであり、下ケース2と共に、後述する回転ブラシが収納される略円筒形状の回転ブラシ収納室5を形成している。6は下ケース2と上ケース3に回転自在に連結される継ぎ手管で、図示しない掃除機本体に可撓性ホース及び延長管を介して着脱可能に接続されている。6aは継ぎ手管6の入り口、7は回転ブラシ収納室5の開口部両側に設けられた軸受である。8は吸込具本体1の前部に設けられた前車輪、9は吸込具本体1の後部に設けられた後車輪である。
【0012】
10は吸込口2に臨ませた状態で回転ブラシ収納室5内に配設され、軸受7に回転自在に軸支された回転ブラシであり、一対のブラシホルダー11と、該ブラシホルダー11に設けられ、軸受7と当接する回転軸12と、一対のブラシホルダー11間に回転可能に跨って配置された清掃体である複数の清掃軸13により構成されている。14はブラシホルダー11に形成された回転軸12を固定するための固定穴、15はブラシホルダー11の固定穴14とは反対側の面に設けられ、複数の清掃軸13を回転可能に挿入する軸挿入穴である。また、回転ブラシ10により継ぎ手管6の入り口6aを塞がないようにするため、清掃軸13は回転ブラシ10の回転中心部分に空間Aを形成するように、回転軸12からある一定の長さ(半径)で設けられている。さらに、図4に示すとおり、清掃軸13同士間に形成される空間Aの開口断面積の和をB、清掃軸13の断面積の和をCとすると、BがCよりも大きく(B>C)なるように形成されているので、空間Aへ空気がスムーズに流れ込み、継ぎ手管6へスムーズに導かれるように構成されている。
なお、図中、矢印は空気(ごみ)の流れを示すものである。
【0013】
また、清掃軸13は硬い芯部13aと、被清掃面に接触した際に被接触面を傷つけないように設けられたゴム等の軟質部材13bとで一体的に形成されている。また、16はブラシホルダー11の外周に一体的に形成された滑り止めであり、摩擦抵抗の大きい部材、例えばゴム等から構成されている。また、滑り止め16の表面には、被清掃面とブラシホルダー11がスリップしないように凹部16aと凸部16bが形成されている。また、回転ブラシ10はブラシホルダー11の回転に伴ない回転するようになっており、吸込具本体1を前進させたときは反時計方向に回転し、後退させたときは時計方向に回転する。
【0014】
次に動作について説明する。
図示しない掃除機本体に可撓性ホース(図示せず)及び延長管(図示せず)を介して継ぎ手管6を接続し、掃除機本体を駆動すると、吸込口3から空気が吸引される。そして、床用吸込具1を被清掃面上で動かすとブラシホルダー11が被清掃面と接触するので回転ブラシ10が回転する。被清掃面が床・畳等の場合は、回転ブラシ10の回転中心部分に空間Aが形成されているため、吸込口3と継ぎ手管6の入り口6aまでの風路において障害物がないので、吸引された空気と共に大きいゴミもスムーズに流れる。また、被清掃面が絨毯の場合は、回転ブラシ10が回転することにより、清掃軸13が絨毯のゴミを掻き出し、床・畳等の場合と同様に吸引された空気と共にゴミが吸い込まれていく。さらに、床・畳や絨毯上において、髪の毛や糸くず等を吸い込む場合は、清掃軸13自体が回転するので、吸い込んだ髪の毛等が清掃軸13にからまずにスムーズに吸い込まれていく。また、ブラシホルダー11の外周には滑り止め16が形成されているので、被掃除面とスリップすることを防止するため、回転ブラシ10は確実に回転する。
【0015】
実施の形態1によれば、回転ブラシ10の開口断面積の和Bと清掃軸13の断面積の和Cの関係を、B>Cとすると共に、回転ブラシの中心部分に芯体や翼片等の障害物が配置されていないので、吸い込んだ空気の流れが低下せず、大きいゴミを吸い込むことができる。したがって、ゴミ取り性能を向上させることができる。また、清掃軸に髪の毛や糸屑がからまないので、メンテナンス性が向上する。
【0016】
なお、絨毯等で髪の毛や糸屑をさらに取りやすくするため、清掃軸13の軟質部材13bに先端が尖った形状、例えば図6、図7に示すような略円錐状の突起13cを設けてもよい。
【0017】
実施の形態2.
図8、図9はこの発明の実施に形態2を示すものである。図8は床用吸込具を床・畳上に載置した状態を示す断面図、図9は床用吸込具を絨毯上に載置した状態を示す断面図である。実施の形態1では、清掃軸を設けていたが、実施の形態2では、清掃軸に複数の清掃子(ブレード)を設け、小回転ブラシとしたものである。図において、実施の形態1と同一の構成には同じ符号を付し、説明を省略する。21は吸込具本体であり、その内部には回転ブラシ22が収納される回転ブラシ収納室5が形成されている。回転ブラシ22は吸込口2に臨ませた状態で軸受7に回転自在に軸支されて、回転ブラシ収納室5内に配置されている。23は一対のブラシホルダー11に跨って配置された複数の小回転ブラシであり、ブラシホルダー11の軸挿入穴15に回転可能に挿入されている。また、小回転ブラシ23は、回転ブラシ22の回転中心部に空間Aを形成するように、回転軸12からある一定の長さ(半径)で設けられている。また、小回転ブラシ23は堅い芯部23aと、被掃除面に接触した際に被掃除面を傷つけないように設けられたゴム等の軟質部材23bとで形成されている。さらに、軟質部材23bには螺旋状に形成された清掃子(ブレード)23cが設けられている。
【0018】
動作については実施の形態1とほぼ同様であるので詳細な説明を省略する。
実施の形態2によれば、回転ブラシ22が回転すると共に、小回転ブラシ23のブレード23cに吸引された空気が衝突することにより小回転ブラシ23が回転する。そして、小回転ブラシ23は、回転しながら接触するので、床・畳等においては、ごみ取り効果の他、磨き効果も得られる。さらに,絨毯においては絨毯の奥の方までゴミを掻き出すことができ、ゴミ取り効率が向上する。
【0019】
なお、絨毯等の被掃除面で髪の毛や糸屑をさらに取りやすくするため、ブレード23cの表面上に先端が尖った形状の、例えば図10及び図11に示すような略円錐状の複数の小突起23dを設けてもよい。
【0020】
また、清掃子として、軟質部材に螺旋状に複数のブレードを設けたが、植毛ブラシを軟質部材に設けるようにしてもよい。
【0021】
また、実施の形態1及び実施の形態2では被清掃面にブラシホルダーが接触することで回転ブラシを回転させていたが、これに限るものではなく、回転ブラシの駆動源としてファンやモータを用いても同様の効果が得られる。その際、駆動源の抵抗とならないように、ブラシホルダーの滑り止めを設けないようにしたり、被清掃面に接触しないように設けてもよい。
【0022】
【発明の効果】
以上のように、この発明は、吸込口を有する吸込具本体と、該吸込具本体の前記吸込口に臨ませた状態で回転可能に設けられた回転ブラシとを備え、回転ブラシは、被清掃面と当接し、前記吸込具本体の移動に伴なって回転する一対のブラシホルダーと、前記ブラシホルダー間に跨って配置されると共に、前記ブラシホルダーの周部にそれぞれ設けられ、前記ブラシホルダーに対して回転可能な複数の清掃体とを有し、前記清掃体の周部には、略円錐状に形成された複数の突起又は螺旋状に形成された複数の清掃子が設けられているので、回転ブラシの回転中心部分に障害物となるものが配置さていないので、吸い込んだ空気の流れが低下せず、ゴミ取り性能を向上させることができる。また、清掃体は回転可能なので、髪の毛や糸屑がからんでしまうことを防止でき、メンテナンス性が向上する。
【0023】
また、回転ブラシの中心部分の空間は、その開口断面積の和が清掃体の断面積の和よりも大きくなるように形成されているので、回転ブラシの回転中心部分に障害物となるものがなく、ゴミ取り性能を向上させることができる。
【0024】
また、ブラシホルダーの外周には、滑り止めが一体的に形成されているので、回転ブラシを確実に回転させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1を示す床用吸込具を床・畳上に載置した状態の断面図である。
【図2】 この発明の実施の形態1を示す床用吸込具を絨毯上に載置した状態の断面図である。
【図3】 この発明の実施の形態1を示す床用吸込具の回転ブラシの断面図である。
【図4】 図3に示す回転ブラシの縦断面図である。
【図5】 この発明の実施の形態1を示す床用吸込具の上ケースを外した状態の上面図である。
【図6】 回転ブラシの清掃軸の他の例を示す断面図である。
【図7】 図6に示す清掃軸の要部拡大図である。
【図8】 この発明の実施の形態2を示す床用吸込具を床・畳上に載置した状態の断面図である。
【図9】 この発明の実施の形態2を示す床用吸込具を絨毯上に載置した状態の断面図である。
【図10】 この発明の実施の形態2を示す床用吸込具の回転ブラシの清掃子(小回転ブラシ)の他の構成を示す断面図である。
【図11】 図10に示す清掃子の要部拡大図である。
【図12】 従来の床用吸込具を示す断面図である。
【図13】 従来の床用吸込具の回転ブラシを示す断面図である。
示す断面図である。
【符号の説明】
1 吸込具本体、2 下ケース、3 吸込口、4 上ケース、
5 回転ブラシ収納室、6 継ぎ手管、6a 入り口、7 軸受、8 前車輪、
9 後車輪、10 回転ブラシ、11 ブラシホルダー、12 回転軸、
13 清掃軸、13a 芯部、13b 軟質部材、14 固定穴、
15 軸挿入穴、16 滑り止め、16a 凹部、16b 凸部、
21 吸込具本体、22 回転ブラシ、23 小回転ブラシ、23a 芯部、
23b 軟質部材、23c 清掃子(ブレード)、23d 小突起、

Claims (3)

  1. 吸込口を有する吸込具本体と、該吸込具本体の前記吸込口に臨ませた状態で回転可能に設けられた回転ブラシとを備え、回転ブラシは、被清掃面と当接し、前記吸込具本体の移動に伴なって回転する一対のブラシホルダーと、前記ブラシホルダー間に跨って配置されると共に、前記ブラシホルダーの周部にそれぞれ設けられ、前記ブラシホルダーに対して回転可能な複数の清掃体とを有し、
    前記清掃体の周部には、略円錐状に形成された複数の突起又は螺旋状に形成された複数の清掃子が設けられていることを特徴とする床用吸込具。
  2. 回転ブラシの中心部分の空間は、その開口断面積の和が清掃体の断面積の和よりも大きくなるように形成されていることを特徴とする請求項1記載の床用吸込具。
  3. ブラシホルダーの外周には、滑り止めが一体的に形成されていることを特徴とする請求項1記載の床用吸込具。
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