JPH07215922A - 1−アミノ−2−インダノール類の光学分割法 - Google Patents
1−アミノ−2−インダノール類の光学分割法Info
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Abstract
アミノ−2−インダノール類(式中、R1、R2、R3及びR4
は、それぞれ独立して、水素原子、C1-C4アルキル基、C
1-C4アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基、又はニト
ロ基を意味する。)を式[(+)-III]又は式[(-)-III]で表
される光学活性カルボン酸と反応させた後、生成するジ
アステレオマー塩を分離することを特徴とする式[(±)-
I]又は式[(±)-II]で表される1−アミノ−2−インダ
ノール類の光学分割法。 【化1】 【効果】 この方法は、1−アミノ−2−インダノール
類の光学分割法として優れ、特に医薬品及びその製造中
間体の光学活性体の工業的製造法として有用である。
Description
て有用な光学活性1−アミノ−2−インダノール類の光
学分割法及び分割の過程で生成するジアステレオマー塩
に関する。
[(±)-I]又は式[(±)-II]で表される1−アミノ−2−
インダノール類(式中、R1、R2、R3及びR4は、それぞれ
独立して、水素原子、C1-C4アルキル基、C1-C4アルコキ
シ基、ハロゲン原子、シアノ基又はニトロ基を意味す
る。)は、それぞれ2個の不斉炭素を有しており、それ
ぞれ2種の光学異性体が存在する([(+)-I]、[(-)-I]、
[(+)-II]及び[(-)-II]と表記する。)。
の異なることの多い医農薬、とりわけ医薬の合成中間体
として有用であり、例えばJ. Med. Chem. 1992年, 35
巻, 1685 - 1701 頁の文献には光学活性シス−1−アミ
ノ−2−インダノールの重要性が示されている。同文献
によれば、シス体はトランス体の反転法(反応式1を参
照)により合成されるため、光学活性トランス−1−ア
ミノ−2−インダノールも又重要な合成中間体である。
ボニル-L-(又は-D-)フェニルアラニンを、HO-BTは、1-
ヒドロキシベンゾトリアゾールを、TFAはトリフルオロ
酢酸を表す。]
ミノ−2−インダノールの光学分割法を反応式1に示し
た。光学活性フェニルアラニン誘導体とのジアステレオ
マーを利用する方法であるが、クロマト分離するなど、
工業的かつ経済的な方法とはいい難い。具体的に説明す
れば、既知の方法により2−ブロモ−1−インダノール
から容易に得られるトランス−1−アミノ−2−インダ
ノールをベンゾイル化した後、チオニルクロリドを作用
させて得られるオキサゾール環化合物を硫酸により加水
分解し、アミノ基を保護したL−フェニルアラニンとの
縮合の後に脱保護すれば、シリカゲルの低圧カラムクロ
マトグラフィーにより分離し得るジアステレオマー混合
物となることを特徴とする方法である。この化合物は分
離後、L−フェニルアラニン部分をはずすことによって
目的とする(−)−シス−1−アミノ−2−インダノー
ルに変換できる。
な製造技術の確立を目指し、式[(±)-I]又は式[(±)-I
I]で表される1−アミノ−2−インダノール類(式中、
R1、R2、R3及びR4は、上記に同じ。)の光学分割剤を探
索したところ、農薬(除草剤)の製造原料として大量か
つ安価に入手可能な光学活性カルボン酸(式[(+)-III]
又は式[(-)-III])を見いだし、本発明を完成するに至
った。
又は式[(±)-II]で表される1−アミノ−2−インダノ
ール類(式中、R1、R2、R3及びR4は、上記に同じ。)を
式[(+)-III]又は式[(-)-III]で表される光学活性カルボ
ン酸と反応させた後、生成するジアステレオマー塩を分
離することを特徴とする式[(±)-I] 又は式[(±)-II]で
表される1−アミノ−2−インダノール類の光学分割法
及び分割の過程で生成するジアステレオマー塩に関す
る。
物[(+)-I]及びその対掌体[(-)-I]を得る方法について説
明する(反応式2参照)。この方法は化合物[(±)-II]
を光学分割する際にも同様に適用することができる。化
合物[(±)-I]は、上記の文献J. Med. Chem. 1992年, 35
巻, 1685 - 1701 頁に記載された方法に従い、容易に合
成することができる。又、光学分割剤である化合物[(+)
-III]又は式[(-)-III]は、特開昭61−83144号に
記載した方法に従い合成することができる。
[(±)-I]に対して、光学分割剤である化合物[(+)-III]
を反応させ、晶析を行なうとジアステレオマー塩[(-)-I
・(+)-III]を容易に結晶として得ることができる。この
時、使用する溶媒(例えば、アセトン)によっては、そ
れ自身が、結晶溶媒としてジアステレオマー塩に取り込
まれることがあるが、光学分割に支障はない。化合物
[(+)-I]及び[(-)-I]の旋光度の符号[(+)、(-)]はエタノ
ール中での測定結果をもとにしている。同様に、光学分
割剤として化合物[(-)-III]を用いるとジアステレオマ
ー塩[(+)-I・(-)-III] を得ることができる。従って、
光学分割剤を選択することにより、化合物[(±)-I] の
所望の光学異性体を容易に得ることができる。
ないが、アセトン、メチルイソブチルケトンなどのケト
ン系の溶媒が好ましい。反応温度は−20〜100℃の
範囲、好ましくは10〜30℃の範囲がよい。晶析温度
は−20〜50℃の範囲、好ましくは−10〜20℃の
範囲がよい。必要であれば晶析したジアステレオマー塩
を再結晶して、さらに光学純度の高い結晶性のジアステ
レオマー塩を得ることもできる。
性のジアステレオマー塩[(-)-I・(+)-III]に、炭酸水素
ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸
カリウム、水酸化ナトリウム及び水酸化カリウム等から
選ばれるアルカリ水溶液を作用させてエタノール中での
旋光度が左旋性を示す目的の光学活性アミン[(-)-I]を
晶析させるか、又は有機溶媒で抽出することができる。
あるいは酸処理の後、光学活性カルボン酸を有機溶媒抽
出により除去した後に、水層をアルカリ性にすることに
より目的の光学活性アミン[(-)-I]を晶析させるか、有
機溶媒で抽出することもできる。。
アネートと反応させて式[IV]のウレア化合物に誘導した
後、光学異性体分離用の液体クロマトグラフィーカラム
(ダイセル社、キラルセルOC等)を用いて分析するこ
とにより測定することができる。同様にして化合物[(+)
-I]の光学純度も測定することができる。
I] 又は式[(±)-II]で表される1−アミノ−2−インダ
ノール類の置換基であるR1、R2、R3及びR4は、それぞれ
独立して、水素原子、C1-C4アルキル基、C1-C4アルコキ
シ基、ハロゲン原子、シアノ基、又はニトロ基を意味す
る。C1-C4アルキル基として、メチル、エチル、プロピ
ル、i−プロピル、ブチル、i−ブチル、sec−ブチ
ル及びt−ブチルが挙げられる。
トキシ、プロポキシ、i−プロポキシ、ブトキシ、i−
ブトキシ、sec−ブトキシ及びt−ブトキシが挙げら
れる。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、
臭素原子及びヨウ素原子が挙げられる。
アミノ−2−インダノール類として、好ましくは、R1、
R2、R3及びR4が水素原子であるトランス−1−アミノ−
2−インダノール又はシス−1−アミノ−2−インダノ
ールを挙げることができる。
明する。
2−インダノール(化合物[(±)-I] ) 2.98 g( 20.0 m
mol ) 及び (-)−2−(4−ヒドロキシフェノキシ)プ
ロピオン酸(化合物[(-)-III])3.70 g ( 20.3 mmol )
をアセトン 14.9 g に懸濁し、撹拌しながら加熱、還流
させた。還流中にジアステレオマー塩の結晶が析出した
のを確認した後、水冷して室温( 18℃)付近まで冷却
し、撹拌下に30分間晶析させた。さらに撹拌を止めて
冷蔵庫中( 5℃)に5時間放置した。析出した結晶を吸
引濾過し、冷アセトン 7.0 gで洗浄後、減圧下室温で乾
燥すると、無色結晶のジアステレオマー塩アセトン溶媒
和物([(+)-I・(-)-III・アセトン] )3.25 g ( y 42% )が
得られた。 IRスペクトル(cm-1): 3273, 1682, 1581, 1508, 145
6, 1406, 1288, 1261, 1223, 1134, 1093, 1043, 829,
756
マー塩アセトン溶媒和物([(+)-I・(-)-III・アセトン] )
3.00 g ( 7.70 mmol )にクロロホルム 100 ml 、水 100
ml 、炭酸ナトリウム 1.00 g( 9.43 mmol )、塩化ナト
リウム 20.0 g を加えて振とうし、静置後、分液した。
水層は、さらにクロロホルム 70 mlずつ2回で抽出し、
クロロホルム層は合わせて無水硫酸ナトリウム( 30 g )
と無水炭酸カリウム( 1.5 g )を加えて乾燥した。固形
物は濾過し、溶媒留去することによって、無色の (+)−
トランス−1−アミノ−2−インダノール 1.09 g ( y
95 % )を得た。
ンダノール 15 mgを取り、塩化メチレン 0.2 ml 中に懸
濁し、メチルイソシアネートを一滴(約 20 mg)加えて
2分間振とうした。さらに5分間放置した後、メタノー
ル 5 ml を加えて加熱、溶解し、光学純度分析用のサン
プルとした。 (光学純度分析) 光学異性体分離用カラム:キラルセルOC(ダイセル
社) 溶離液:ヘキサン−イソプロパノール(4/1) カラム温度:40℃ 流量:0.7 ml/ min 検出方法:UV ( 254 nm ) 保持時間:(+)体 14.9 min、(−)体 17.5 min 分析結果:97 %e.e.
Claims (4)
- 【請求項1】 式[(±)-I]又は式[(±)-II]で表される
1−アミノ−2−インダノール類(式中、R1、R2、R3及
びR4は、それぞれ独立して、水素原子、C1-C 4アルキル
基、C1-C4アルコキシ基、ハロゲン原子、シアノ基又は
ニトロ基を意味する。)を式[(+)-III]又は式[(-)-III]
で表される光学活性カルボン酸と反応させた後、生成す
るジアステレオマー塩を分離することを特徴とする式
[(±)-I]又は式[(±)-II]で表される1−アミノ−2−
インダノール類の光学分割法。 【化1】 - 【請求項2】 請求項1記載の式[(±)-I] 又は式[(±)
-II]で表される1−アミノ−2−インダノール類を式
[(+)-III]又は式[(-)-III]で表される光学活性カルボン
酸と反応させた後に生成するジアステレオマー塩。 - 【請求項3】 式[(±)-I]のR1、R2、R3及びR4が水素原
子であるトランス−1−アミノ−2−インダノール又は
シス−1−アミノ−2−インダノールを光学分割する請
求項1記載の方法。 - 【請求項4】 式[(±)-I]のR1、R2、R3及びR4が水素原
子であるトランス−1−アミノ−2−インダノール又は
シス−1−アミノ−2−インダノールを式[(+)-III]又
は式[(-)-III]で表される光学活性カルボン酸と反応さ
せた後に生成する請求項2記載のジアステレオマー塩。
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JP1044194A JP3552260B2 (ja) | 1994-02-01 | 1994-02-01 | 1−アミノ−2−インダノール類の光学分割法 |
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JPH07215922A true JPH07215922A (ja) | 1995-08-15 |
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1146029A1 (en) * | 2000-04-13 | 2001-10-17 | Nissan Chemical Industries Ltd. | Method for optical resolution of piperidine carboxylic acid derivative |
-
1994
- 1994-02-01 JP JP1044194A patent/JP3552260B2/ja not_active Expired - Fee Related
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EP1146029A1 (en) * | 2000-04-13 | 2001-10-17 | Nissan Chemical Industries Ltd. | Method for optical resolution of piperidine carboxylic acid derivative |
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