JPH072155A - スクータ型車両の物入れ装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 操向バーハンドルと運転シートとの間の下方
に略板状の足置台を有するスクータ型車両において、運
転シートを高くすることなく物入れ箱の大容量化を可能
にし、しかも荷物の出し入れをし易くする。 【構成】 足置台の後部下方から後輪上方へ延出する左
右一対の後部フレームと、運転シートの後方であって後
部フレームの後部に載置され車体前後方向の斜め上方を
指向して開口する物入れ箱と、物入れ箱の開口を閉じる
蓋体とを備え、物入れ箱の底板には両後部フレーム間か
ら下方へ陥没する凹部を形成し、この凹部をこの物入れ
箱の開口の下縁付近まで延在させた。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、後輪上方の車体後部に
物入れ箱を有するスクータ型車両の物入れ装置に関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】操向バーハンドルと運転シートとの間の
下方に略板状の足置台を備える２、３輪のスクータ型車
両が従来よりある。この種の車両で大容量の物入れ箱を
運転シートの下方に配設し、この物入れ箱を運転シート
により開閉するようにしたものが提案されている（例え
ば実開昭５９−２６０８９号）。

【０００３】

【従来技術の問題点】しかしこの既提案のものは、物入
れ箱の容量を大きくすると運転シートの位置が高くなる
という問題がある。このため運転シートを高くすること
なく物入れ箱を大容量化するのが困難であった。

【０００４】

【発明の目的】本発明はこのような事情に鑑みなされた
ものであり、運転シートを高くすることなく物入れ箱を
大容量化でき、しかも荷物の出し入れがし易くなるスク
ータ型車両の物入れ装置を提供することを目的とする。

【０００５】

【発明の構成】本発明によればこの目的は、操向バーハ
ンドルと運転シートとの間の下方に略板状の足置台を有
するスクータ型車両において、前記足置台の後部下方か
ら後輪上方へ延出する左右一対の後部フレームと、前記
運転シートの後方であって前記後部フレームの後部に載
置され車体前後方向の斜め上方を指向して開口する物入
れ箱と、前記物入れ箱の開口を閉じる蓋体とを備え、前
記物入れ箱の底板には両後部フレーム間から下方へ陥没
する凹部を形成し、この凹部を前記開口の下縁付近まで
延在させたことを特徴とするスクータ型車両の物入れ装
置、により達成される。

【０００６】

【実施例】図１は本発明の一実施例である２輪スクータ
の側断面図、図２は同じく平面図、図３は図１における
III − III線断面図、また図４は車体後部付近の斜視図
である。

【０００７】図１、２において符号１０はフレームであ
る。このフレーム１０は操向軸筒１２と、１本の前部フ
レーム１４と、この前部フレーム１４の下端から斜め上
後方へ延びる左右一対の後部フレーム１６（１６ａ、１
６ｂ）とを備える。操向軸筒１２に左右へ回動自在に保
持された操向軸には、１個の操向前輪１８および操向バ
ーハンドル２０が取付けられている。

【０００８】２２は後部フレーム１６の下方に位置する
動力ユニットであり、強制空冷式２サイクルエンジン２
４と、伝動ケース２６とが一体に組付けられている。動
力ユニット２２の前部は、リンク２８を介して前記後部
フレーム１６へ上下揺動可能に連結されている。伝動ケ
ース２６の後部は、緩衝ユニット３０によって弾力的に
支持されている。３２は、この伝動ケース２６の後部に
取付けられた後輪、３４は動力ユニット２２の右側面に
取付けられた空気清浄器、また３６は排気マフラーであ
る。

【０００９】後部フレーム１６ａ、１６ｂ間には、エン
ジン２４の前方に位置する電池３８、その上方に位置す
る潤滑油タンク４０、さらにこの潤滑油タンク４０の後
方に位置する燃料タンク４２がそれぞれ配設されてい
る。なおこの燃料タンク４２は鋼板性であって十分な剛
性を有し、後部フレーム１６に強固に固定されている。

【００１０】４４は運転シートであり、その後部から上
方へ隆起するよう段部４６が連続している。この運転シ
ート４４の前端部は前記後部フレーム１６ａ、１６ｂを
つなぐ弧状の支持ブラケット４８にヒンジ５０によって
開閉自在に取付けられている。また運転シート４４を閉
じた時にはその下面が前記燃料タンク４２の上面に貼着
されたゴム性の受座５２、５２（図２）に当接して支持
される。なおこの運転シート４４はこの閉じた位置にロ
ック装置（図示せず）によりロック可能となっている。

【００１１】操向バーハンドル２０と運転シート４４と
の間の下方には、前記前部フレーム１４の下部と後部フ
レーム１６の前部とを包む略板状の足置台５４が形成さ
れている。この足置台５４の前部は、操向軸筒１２、前
部フレーム１４等を前後から包むレッグシールド５６に
連なっている。

【００１２】５８は運転シート４４の後方の後部フレー
ム１６に載置された物入れ箱である。この物入れ箱５８
は、後部フレーム１６の後部に固定された底板６０と、
この底板６０の上縁に連続するように固着された物入れ
カバー６２とで形成され、その開口６４は斜め上前方を
指向している。この開口６４は段部４６の後面に対向
し、運転シート４４を起伏させることによりこの開口６
４を開閉することができる。すなわち運転シート４４の
後部に設けた段部４６の後面が開口６４の蓋体となって
いる。

【００１３】なおこの開口６４の周縁には雨水を下方へ
導く導水溝６６が形成され、前記運転シート４４は閉じ
た時にこの導水溝６６に密着して物入れ箱５８内への雨
水の流入を防いでいる。この物入れカバー６２の上後方
の角部は側面略台形に切欠かれ、ここに着色した透明板
６２ａが接着されている。このためこの透明板６２ａを
通して物入れ箱５８内の収容物を外から目視できるよう
になっている。

【００１４】６９（６８ａ、６８ｂ）はリヤカバーであ
り、運転シート４４および底板６０の下側方を覆うよう
に形成され、その前下部は前記足置台５４に連なってい
る。各リヤカバー６８ａ、６８ｂの後部上縁は図３に示
すように前記底板６０の上縁および物入れカバー６２の
下縁に接続されている。リヤカバー６８の後部には尾灯
７０が取付けられている。

【００１５】物入れ箱５８の上部を形成する物入れカバ
ー６２の上部は、開口６４の上縁を通りこの開口面に直
交する面Ａ（図１）より上方へ拡大している。また底板
６０には左右の後部フレーム１６ａ、１６ｂ間で下方へ
陥没する凹部７２が形成され（図３参照）、この凹部７
２は開口６４の下縁近傍まで延びている。このため物入
れ箱５８の下部は開口６４の下縁を通りこの開口面に直
交する面Ｂより下方へ拡大している。このため物入れ箱
５８の容積が拡大され、ヘルメットＣなどの大型の荷物
も収容可能となる。

【００１６】この実施例において運転シート４４を図１
で反時計方向へ開けば、物入れ箱５８の開口６４が開
く。従って荷物をこの開口６４から物入れ箱５８へ出し
入れできる。平面Ａ、Ｂに対し物入れ箱５８の上部およ
び下部が拡大されているので、ヘルメットＣなどの大型
の荷物も収容できる。特に底板６０には開口６４の下縁
付近までのびる凹部７２が形成されているので、荷物の
下縁を支持する指を荷物と共にこの凹部７２内へ差込む
ことができ、ヘルメットＣなどの荷物の出し入れがし易
くなる。

【００１７】

【発明の効果】本発明は以上のように、後部フレームの
後部に物入れ箱を載置し、その開口を車体前後方向の斜
め上方を指向させると共に、この底板には両後部フレー
ムの間から下方へ陥没する凹部を形成し、この凹部を開
口の下縁付近まで延在させたものである。このため運転
シートの高さを低くしても物入れ箱は上下に十分大きく
することができ、物入れ箱の大容量化が可能である。

【００１８】また物入れ箱の底板に凹部を設けたので物
入れ箱容量を一層増大できると共に、荷物の出し入れを
容易にすることができる。すなわち、開口から荷物の出
し入れを行う際に荷物を下から支える手の指を、この凹
部を利用して物入れ箱内へ容易に出し入れでき、特にこ
の凹部を利用して荷物を傾けて出し入れできるからであ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の一実施例である２輪スクータの側断面
図

【図２】同じく平面図

【図３】図１におけるIII −III 線断面図

【図４】車体後部付近の斜視図

【符号の説明】

１６ 後部フレーム ２０ 操向バーハンドル ４４ 運転シート ５４ 足置台 ５８ 物入れ箱 ６０ 底板 ６４ 開口 ７２ 凹部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 操向バーハンドルと運転シートとの間の
   下方に略板状の足置台を有するスクータ型車両におい
   て、前記足置台の後部下方から後輪上方へ延出する左右
   一対の後部フレームと、前記運転シートの後方であって
   前記後部フレームの後部に載置され車体前後方向の斜め
   上方を指向して開口する物入れ箱と、前記物入れ箱の開
   口を閉じる蓋体とを備え、前記物入れ箱の底板には両後
   部フレーム間から下方へ陥没する凹部を形成し、この凹
   部を前記開口の下縁付近まで延在させたことを特徴とす
   るスクータ型車両の物入れ装置。