JPH0721141B2 - ダイナミック駆動液晶表示装置用液晶組成物 - Google Patents

ダイナミック駆動液晶表示装置用液晶組成物

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JPH0721141B2
JPH0721141B2 JP60153228A JP15322885A JPH0721141B2 JP H0721141 B2 JPH0721141 B2 JP H0721141B2 JP 60153228 A JP60153228 A JP 60153228A JP 15322885 A JP15322885 A JP 15322885A JP H0721141 B2 JPH0721141 B2 JP H0721141B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、電気光学表示体に用いて有効な液晶組成物、
特にダイナミック駆動に適した高速応答液晶組成物に関
する。
〔従来の技術〕
従来、電気光学効果を用いた表示体には動的散乱効果、
ゲスト−ホスト効果、コレステリック−ネマチック相転
移効果及びSchadt−Helfrich効果(ねじれネマチック効
果)などのネマチック液晶組成物を用いたものが一般に
知られている。
これらの表示素子材料としての液晶に対して以下の特性
条件が一般に要求される。
光,熱,湿度などに対して化学的に安定であるこ
と。
室温を中心として広い温度範囲に於てネマチック相
またはコレステリック相が安定に存在すること。
誘電率異方性などをある範囲で調整することがで
き、適当な印加電圧により駆動できること。
応答速度が速いこと。
また、ダイナミック駆動により表示できる情報量を多く
するためには、更に以下の特性が要求される。
電圧−透過率曲線が、しきい値電圧付近から飽和電
圧付近にかけて急峻であること(以後本文中に於て、急
峻性と略記する)。
近年、液晶表示体は、その低消費電力性に加え表示装置
の厚みを薄くできるという長所から、CRT表示体に代わ
るものとして携帯あるいは卓上を問わず検討が成されて
いる。中でもコンピューター端末あるいはテレビなどの
情報機器への応用は栄んである。これらの分野に於ては
一画面に表示される情報量は少なくとも200行×500列、
即ち10万画素に上る。従ってダイナミック駆動によって
多くの情報を表示させるためには、液晶材料に前記の
特性が必要となる。
他方テレビなどの情報機器で動画を表示させようとすれ
ば前記の特性も必要となる。
〔発明が解決しようとする問題点〕
しかしながら、従来知られている単独の液晶化合物で、
上記の特性を満足するものはない。従って、広いネマチ
ック液晶温度範囲を得るため、あるいは適当な駆動電圧
を得るため、種々の液晶化合物を混合・調製してネマチ
ック液晶組成物を得る事が行なわれている。しかし、こ
れらのもので前記の液晶に要求される特性条件〜を
全て十分に満足するものはなく、特に特性条件、及び
を改良することは困難であった。
本発明は以上の問題点を解決するもので、その目的とす
るところは前記〜を具備し、かつ急峻性を向上させ
ることによりダイナミック駆動を可能にし(条件)、
加えて応答速度を速くし(条件)、表示性能に優れた
特性を持つネマチック液晶組成物を提供することにあ
る。
〔問題点を解決するための手段〕
本発明の液晶組成物は、少なくとも一般式が下記Aで表
わされるフェニルシクロヘキサン誘導体(以下、本文中
に於てn−PCH(L)と略記する)の少なくとも一種か
ら成ることを特徴とする。
但し、R1およびR2は直鎖アルキルを示し、R1およびR2
炭素数の合計は8以上である。
本発明に於てn−PCHは急峻性を向上させ、かつ応答速
度を向上させるために用いるものであり、10重量%未満
では効力がなくその含有量は多い程良い、しかし85重量
%を越えると共晶組成からのズレが大きく成り過ぎて凝
固点降下の効果が得られず低温に於て析出するため10〜
85重量%が望ましく、より望ましくは12〜84重量%であ
る。
また、本発明に於ては適当な駆動電圧を得るために、正
の誘電異方性を有する液晶性化合物(以後、本文中に於
てP型化合物と略記する)を含有して成っても良く、P
型化合物としては一般式が下記Bで表わされるP型化合
物(以後、本文中に於て化合物B、Cと略記する)が望
ましい。
但し、R3は炭素数2〜8個の直鎖アルキル基 R4は炭素数2〜8個の直鎖アルキル基 は、トランス−1、4−シクロヘキシレン、トランス−
1、3−ジオキサン2、5−ジイル1、4−フェニレ
ン、ピリミジン−2、5−ジイルを各々表している。
化合物B、Cの含有量の多少によりしきい値電圧を低く
または高くできる。しきい値電圧が低ければそれに比例
して液晶駆動用回路の最大定格出力電圧も低くて済み、
安価なICが使えるためコスト的に有利と成る。しかし化
合物B、Cの含有量が過度に多くなると急峻性などの電
気光学特性に関する性能が低下したり、あるいは液晶温
度範囲を狭くするなどの好ましくない影響が出る可能性
があるのでこの含有量は過度にしない方が良い。即ち化
合物B、Cは4〜37重量%が望ましい。
また、本発明に於て広いネマチック液晶温度範囲および
良好な急峻性を得るために、下記D、Eで表わされる化
合物(以下、本文中に於て化合物D、Eと略記する)を
含有して成っても良い。
但し、R5は炭素数1〜10個の直鎖アルキル基または直鎖
アルコキシ基または直鎖アシロキシ基、R6は炭素数1〜
10個の直鎖アルキル基または直鎖アルコキシ基、R7は炭
素数1〜10の直鎖アルキル基、R8は1〜15個の直鎖アル
キル基または炭素数1〜10個の直鎖アルコキシ基 トランス−1,4−シクロヘキシレンまたは1,4−フェニル 2、5−フェニルまたはトランス−2、5−二置換1,3
−ジオキサン を各々表わしている。
化合物D、Eは本発明に於ける他の化合物と液晶相に於
て相溶性が良く、しかも固相に於て全率固溶をし難いた
め、各々の物質が単独で示す融点よりかなり低い温度ま
で凝固せずネマチック相を示すことができる。しかも、
化合物Cは透明点が室温付近から摂氏60度前後にあり、
化合物Cの存在はネマチック液晶組成物の透明点を低下
させない。
よって、化合物D、Eの添加によりネマチック液晶相を
広くすることに有効である。また、化合物D、Eの添加
は急峻性の向上にも効果がある。
但し、液晶組成物への化合物D、Eの添加は正の誘電異
方性の減少または弾性定数の変化などをもたらし、しき
い値電圧を上昇させる。このため化合物D、Eの添加量
は過度にしない方が良い。
従って、通常の温度範囲、例えば摂氏0度〜摂氏40度で
使用され、しかも急峻性に対する要求が過酷でない場合
化合物D、Eの添加は必要ない。他方、上記以外の場合
に於ても化合物D、Eの含有量が重量%を越えるなど共
晶組成から組成比が離れ過ぎてその凝固点効果を失う。
よって化合物D、Eの含有量は0重量%〜80重量%が望
ましく、より望ましくは2重量%〜70重量%である。
更に、本発明に於けるネマチック液晶組成物は車載用な
ど特に広い温度範囲で使用される事を目的とする場合、
より広いネマチック液晶温度範囲を得るために、下記F
〜Jで表わされる化合物(以下本文中に於て化合物F〜
Jと略記する)を含有して成っても良い。
但し、 R11は炭素数1〜12個の直鎖アルキル基 R12は炭素数1〜12個の直鎖アルキル基 R13は炭素数1〜9個の直鎖アルキル基 R14は炭素数1〜9個の直鎖アルキル基 R15は炭素数1〜8個の直鎖アルキル基 R16は炭素数1〜8個の直鎖アルキル基 R17は炭素数1〜7個の直鎖アルキル基 R18は炭素数1〜7個の直鎖アルキル基 R19は炭素数1〜10個の直鎖アルキル基 R20は炭素数1〜10個の直鎖アルキル基 を各々表わす。
化合物F〜Jは分子形状が他の化合物と比較して長く、
高い透明点を有するものであり、これを添加することに
より液晶組成物の透明点を高くするのに効果がある。更
に化合物D、Eと同様の理由により低温での析出を押え
る効果が得られる。但し、化合物F〜Jの添加により、
駆動するために必要な印加電圧が高くなる傾向にあり、
これを低くするため化合物B、Cを更に添加しなければ
ならなくなる。従って化合物F〜Jも必要以上に添加し
ないことが望ましい。
〔実施例〕
以下、本発明について実施例に基づき詳細に説明する。
尚、液晶組成物の特性の測定は次の如く行った。
第1図は電気光学特性に対する測定系を表わしたもので
ある。測定セル3はガラス製基板の片面に蒸着などの操
作により酸化錫などの透明電極を設け、更にその面を有
機薄膜で覆い配向処理を施した上、液晶層が所望の厚み
と成るようにスペーサーの役割を兼ねたナイロン・フィ
ルム製の枠を間に挾んで液晶を封入した時2枚の該ガラ
ス基板を対向させて固定したものであり、該セルの両面
には各々1枚ずつの偏光板を電圧が印加されていない時
光が透過し、電圧が引加された時光が遮断されるように
偏光軸の向きを調整して貼付けてある。尚、本文中に於
てガラス基板とガラス基板の間隔(即ち、液晶層の厚さ
をセル厚と略記する)白色光源1から出た光線はレンズ
系2を通りセル3に垂直芳香から入射し、後方に設けら
れた検出器でその透過光強度が測定される。この時セル
3には駆動回路5によって任意の実効値電圧を持つ周波
数1キロ・ヘルツの交番矩形電圧を印加されている。第
1図の測定系を用いて液晶セルを測定した電圧−透過率
曲線が第2図である。第2図に於て透過率は非常の印加
電圧範囲で最も明るくなった時、及び最も暗くなった時
の透過率を各々100%及び0%として表わし印加電圧を
透過率100%の電圧から始めて徐々に上げてゆき透過率
が10%だけ変化した時の実効値電圧を光学的しきい値電
圧Vthまた更に印加電圧を上げて透過率が100%の時から
90%変化した時の実効値電圧を光学的飽和電圧Vsatと各
々定める。この時、電圧−透過率曲線の光学的しきい値
電圧付近の立ち上がり(即ち急峻性)は下式に於けるβ
値として定められる。
点燈時(マトリクス・セルに於て選択された時)の実効
値電圧(Vonと表わす)がVsatに等しく、非点燈時(非
選択時)の実効値電圧(Voffと表わす)がVthに等しい
電気信号が印加された時、各々透過率が90%及び10%と
成り、画素の点燈及び非点燈が認識される事と成る。更
に言えば、VonがVsatよりやや大きく、VoffがVthよりや
や小さければ各々の透過率は90%以上と10%以下と成
る。この時Von/Voff>Vsat/Vth=βである。これとは逆
にVonがVsatより小さく、VoffがVthより大きければ各々
の透過率は90%以下と10%以上と成り視認性が悪くなっ
てしまう。即ちVon/Voff<Vsat/Vth=βなる信号電圧が
印加された場合視認性が悪くなるのである。この様にβ
値が電気信号の実効電圧比Von/Voffより小されれば視認
性の良い画素表示が得られ、同じ画像表示を得るのにβ
値が小さい程Von/Voff比も小さく済む。単純マトリクス
表示体では走査線本数を多くする程Von/Voffが小さくな
るためβ値も小さい(1に近ずく)事が必要である。以
上β値はVon/Voffが許容される最小値を示すためマルチ
プレックス特性の指標となる。
印加電圧の変化に対する応答速度は次の通りとする。印
加する実効値電圧を瞬間的にVthから、Vsatへ切り換え
た時、定常状態での各々の実効電圧に対する透過率同志
の差の90%だけ透過率が変化するのに要する時間(即ち
透過率が90%から18%へ変化するのに要する時間)をミ
リ秒単位でTon表わし、同様にVsatからVthへ実効値電圧
を瞬間的に切り換えた時、定常状態での各々の実効電圧
に対する透過率同志の差の90%だけ透過率が変化するの
に要する時間(透過率が10%から82%へ変化するのに要
する時間)をミリ秒単位でToffと表わす。TonとToffを
足したT(ミリ秒単位)を以て応答速度の指標とする。
尚、一般に印加電圧を0から任意の電圧ν(V)へ瞬間
的に切り換えてから透過率が0の状態から90%へ変化す
るのに要する時間をton、印加電圧をνから0へ瞬間的
に切り換えてから透過率が100%の状態から10%変化す
るのに要する時間を、toffとすると下記の式で表わされ
る事が知られている(参考文献:M.Schadt.日本学術振興
会情報科学用有機材料第142委員会A部会((液晶グルー
プ))第11回研究回資料1978年)。
(ここでηはバルク粘度,εは真空誘電率,△εは相
対誘電率の異方性,Eは電場,Kは(K11+K22−2K22)/4な
る弾性定数項,dはセル厚を各々表わし、η,Δεおよび
Kは液晶組成物に固有である)。従ってton及びtoffは
共にd2に比例して長くなる。
本実施例で定義したTなる応答速度もセル厚と密接な関
係があり、定性的ではあるがセル厚が薄いとTは短か
く、セル厚が厚いと長い傾向を見出した。これらの関係
は当業者ならば納得するに難しくない。従って、同じ液
晶組成物を用いて液晶表示体を作った場合セル厚を薄く
する程応答速度を速くする事ができる。
一方、急峻性βはセル厚d(μ)と屈折率異方性△nの
積である△n・dが0.8〜1.0付近の時、最も小さくなる
(最良となる)事が見出されている(参考文献:山崎淑
夫,竹下 裕,永田光夫,宮地幸夫,Proceedings of th
e 3rd International Display Research Conference
“JAPAN DISPLAY′83",320頁:1983年,SID)。従って
コントラストを重視する場合セル厚dを△n・dが0.8
〜1.0付近に成る様に液晶表示体を作るのが最も得策で
あり、液晶組成物の急峻性の比較もこのセル厚で行うの
が最も妥当であると考えられる。応答時間も先に記した
如くセル厚と関係するため液晶送生物の応答時間を比較
するには適当な厚みで測定する事が必要である。
以上を鑑み、本実施例では急峻性,応答速度及び閾電圧
の測定は全て急峻性βが最小となるセル厚のセルを用い
て測定した。
年平均気温の平年値が東京で15℃、那覇で22℃である
(総理府統計局編「日本の統計」昭和55年度版6,7頁)
から室温を20℃と仮定し、電気光学測定は全て摂氏20度
に於て行った。また配向の均一性を高めるため本発明の
ネマチック液晶組成物に微量のコレステリック物質を添
加したものをセルに封止した。ネマチック液晶相の安定
性はセルに封入した状態で高温液晶性及び低温液晶性を
以て表わした。
セルを恒温槽に設置し、20℃を基準としてそれより更に
20℃または30℃高い温度(即ち40℃または50℃)に於て
ネマチック相が安定か否かを高温液晶と称することに
し、ネマチック相が安定なら○印、等方性液体(isotro
picliquid)ならIで表わす。低温液晶性はセルを設置
した恒温槽の温度を20℃から始め1日につき5℃ずつ下
げていった時、室温として仮定した20℃より20℃または
30℃低くなった時(即ち、恒温槽温度0℃または−10
℃)、ネマチック液晶相が安定か否かを低温液晶性と称
し、ネマチック相が安定なら○印を、固体状態を呈して
いるかまたは析出を生じていれば×印、スメクチック状
態ならSmを以って表わす。
〔実施例1〕 我々は、一般式 (RおよびR′は各々任意の炭素数のアルキルを表わ
す)で表わされる化合物(以後、本文中に於てn−PCH
と略記し、アルキルの炭素数を8以上に限定したn−PC
H(L)と区別をする)についてアルキルの炭素数とそ
の物性との関係を種々実験・観測した結果からn−PCH
の末端基であるアルキル及びアルコキシの炭素数の合計
のモル平均が長いもの程急峻性が優れていることを見い
出し、その成果を前に前記参考文献で発表した。更に種
々の考察を行った結果n−PCHについてはアルキル及び
アルコキシの炭素数の合計が8以上のもの、即ちn−PC
H(L)が特に急峻性に優れていることを見出した。
第1表は、n−PCH(L)のみより構成された組成物の
組成を表わし、該組成物をM−Iと称する。他方、第2
表に示した組成物はアルキル基及びアルコキシの炭素数
の合計が7以下のn−PCHのみより構成されたものであ
り、M−IIと称する。該M−IおよびM−2を含有して
成る組成物の例であり、実施例1はM−Iを76.7重量%
含有するものであり急峻性は1.28と良好である。これに
対して比較例1はM−Iを3.3重量%だけ含有するもの
であり、急峻性は1.32と劣る。しきい値電圧は各々2.45
Vと23.0Vでありほぼ同じであり、摂取40度に於ける高温
液晶性および摂氏0度に於ける低温液晶性は両液晶組成
物とも十分である。
以上より、急峻性に対してn−PCH(L)が有効である
ことは明白である。
〔実施例2〜7〕 本発明に於て、適当な駆動電圧を得るために添加するP
型化合物としては化合物Bが特に望ましく、その一般式
は下記Bで表わされる。
但し、 R3は炭素数2〜8個の直鎖アルキル基 R4は炭素数2〜8個の直鎖アルキル基 トランス−1、4−シクロヘキシレン、トランス−1、
3−ジオキサン2、5−ジイル1、4−フェニレン、ピ
リミジン−2、5−ジイルを各々表している。
化合物B、Cを添加した液晶組成物の例が第4表〜第8
表の実施例2〜6である。また、従来例として一般式 で表わされる化合物を主成分とし、これに一般式 を添加した液晶成物を第9表に示す。
しきい値電圧はいつも2ボルト台である。化合物B、C
の添加量の増減により、しきい値電圧の低くすることも
高くすることも容易である。即ち、実施例2,3に於て化
合物B、Cの添加量を16重量%から24重量%に増加させ
た時、しきい値電圧は2.74ボルトから2.26ボルトへと低
くできる。
急峻性は1.26〜1.27であり、従来例1の1.29よりかなり
向上している。
また応答時間Tは155〜201ミリ秒の間であり従来例1の
346ミリ秒と比較して応答時間が改良され極めて速く成
っている。
摂氏50度に於ける高温液晶性および零下10度に於ける低
温液晶はともに十分であり、比較的広い温度範囲で駆動
または保存が可能である。
以上、本発明に於てP型化合物として化合物B、Cを用
いれば電気光学特性に優れ、使用可能な温度範囲の広い
液晶組成物が得られる。この際、実施例7で示す如く構
造式が全く異なる化合物B、Cを同時に添加して用いて
も良好な特性を示す。
〔実施例8〜11〕 本発明に於て、液晶温度範囲を広くし、かつ急峻性を向
上させるために添加する化合物としては化合物D、Eが
特に望ましく、その一般式は下記Cで表わされる。
但し、R5は炭素数1〜10個の直鎖アルキル基または直鎖
アルコキシ基または直鎖アシロキシ基、R6は炭素数1〜
10個の直鎖アルキル基または直鎖アルコキシ基、R7は炭
素数1〜10の直鎖アルキル基、R8は1〜15個の直鎖アル
キル基または炭素数1〜10個の直鎖アルコキシ基 トランス−1,4−シクロヘキシレンまたは1,4−フェニル 2、5−フェニルまたはトランス2,5−二置換1,3−ジオ
キサン を各々表わしている。
化合物D、Eを添加した液晶組成物の例が実施例8〜11
であり、それらの組成と特性を第10〜13表に示す。
しきい値電圧は全て2ボルト台である。
急峻性は1.22〜1.25であり極めて優れている。即ち従来
例1の液晶組成物を用いて単純マトリクスパネルを作製
した場合、透過率が選択時に10%以下、非選択時に90%
以上となるようにするためには、その駆動できる走査本
数は16本であったのに対して本実施例、例えば実施例9
を用いれば25本と成り表示可能な情報量を飛躍的に増加
させることができる。
化合物D、Eを添加すると上記の如く急峻性が向上する
反面、応答速度は多少遅くなるため、その添加量は過度
にしないことが望ましい。しかし、実施例で見る如く従
来の液晶組成物と比較した場合その応答速度は依然とし
て速い。
摂氏50度に於ける高温液晶性および摂氏零下10度に於け
る低温液晶性も全て十分である。
〔実施例12〜14〕 本発明に於て透明点を高めるために添加する化合物とし
ては化合物F〜Jが特に望ましく、その一般式は下記F
〜Jで表わされる。
但し、 R11は炭素数1〜12個の直鎖アルキル基 R12は炭素数1〜12個の直鎖アルキル基 R13は炭素数1〜9個の直鎖アルキル基 R14は炭素数1〜9個の直鎖アルキル基 R15は炭素数1〜8個の直鎖アルキル基 R16は炭素数1〜8個の直鎖アルキル基 R17は炭素数1〜7個の直鎖アルキル基 R18は炭素数1〜7個の直鎖アルキル基 R19は炭素数1〜10個の直鎖アルキル基 R20は炭素数1〜10個の直鎖アルキル基 を各々表わす。
化合物F〜Jを添加した液晶組成物の例が実施例12〜14
であり、第14表(C)に示す。n−PCH(L)としては
第14表(a)に示す組成物Iを、化合物D、Eとしては
第14表(b)に示す組成物IIを用いた。
しきい値電圧は1.86〜2.39ボルトであり、急峻性は1.25
〜1.27であり良好である。応答時間も183〜243ミリ秒で
あり、かなり速い。ネマチック液晶範囲も広い。
比較例2は透明点を高める化合物として一般式 で表わされる化合物を用いた例であり、実施例12〜14と
比較して急峻性が、1.28と劣る上、応答時間も243ミリ
秒と44〜60ミリ秒も遅くなっており、本発明に於ける透
明点を高める化合物として化合物F〜Jの方が優れてい
る事は明白である。
化合物F〜Jの他の例が実施例15,16であり、その組成
と特性を第15,16表に示す。本実施例中急峻性が最も優
れているものであり、28本の走査線を駆動しても透過率
が選択的に10%以下、非選択時に90%以上となる。また
ネマチック液晶温度範囲も広く、摂取60度の高温から摂
取零下20度の温度範囲で駆動および保存が可能である。
〔実施例17〕 急峻性に優れ、かつ低温液晶が最も優れている液晶組成
物が実施例17であり、その組成と特性を第17表に示す。
しきい値電圧は約2ボルトと近く、しかも急峻性は1.23
と本実施例中実施例15に次いで優れている。透明点は摂
氏61度であり摂氏60度に於ける高温液晶性は十分であ
る。また低温に於いても摂氏零下35度以下でもネマチッ
ク相が安定であり、極めて低温液晶性が良く、摂氏零下
20度は勿論、零下35度でも駆動できる。摂氏零下40度で
はスメクチック相を呈するが、この温度に於いて保存す
ることが可能である。
以上、実施例17は急峻性に優れるのみならず室温を摂氏
20度と仮定した場合、室温より40度高い温度から室温よ
り55度低い温度まで極めて広い温度範囲で駆動できる。
〔実施例18〜21〕 実施例18、19は透明点を高め、かつしきい値電圧を下げ
るために、一般式 で表される化合物を添加した例である。
実施例20、21は急峻性を向上させるために、一般式 で表される化合物を添加した例である。実施例18〜21の
急峻性βは1.23〜1.25であり極めて良好であり、応答時
間も187ミリ秒以下であり非常に速い。
尚、実施例20、21は摂氏零下10度でスメクチック相を示
すため、この温度では駆動することは不可能である。し
かし、析出は起こらないので配向性や特性への履歴性の
影響はなく保存は可能である。摂氏0度ではネマチック
相であり、摂氏0度〜摂氏50度で駆動することができ
る。
他に、しきい値電圧及び粘性を下げる目的に対しては、
一般式 などで表わされる含フッ素化合物も有効である。
〔発明の効果〕 以上の如く、本発明のダイナミック駆動液晶表示装置用
液晶組成物は、 下記の一般式(A)で表される化合物の1種と、下記の
一般式(B)及び/または(C)で表される化合物の1
種とからなり、 (但し、R1及びR2は直鎖アルキル基を示し、R1及びR2
炭素数の合計は8以上である。) (但し、R3、及びR4はそれぞれ炭素数2〜8個の直鎖ア
ルキル基、 トランス−1、4−シクロヘキシレン、トランス−1、
3−ジオキサン2、5−ジイル1、4−フェニレン、ピ
リミジン−2、5−ジイルである。) 特に上記一般式(A)で表される化合物の両末端のアル
キル基の炭素数の合計が8以上にしたから、急峻性に優
れたハイデューティのダイナミック駆動を可能にし、か
つ、広い温度範囲で駆動することができ、応答速度も速
く、しきい値電圧も自由に変えられるダイナミック特性
に優れた液晶組成物を得ることができる。
更に、上記液晶組成物に、下記一般式(D)または
(E)で表される化合物の1種を含ませることにより、 (但し、R5は炭素数1〜10個の直鎖アルキル基または直
鎖アルコキシ基または直鎖アシロキシ基、R6は炭素数1
〜10個の直鎖アルキル基または直鎖アルコキシ基、R7
炭素数1〜10の直鎖アルキル基、R8は1〜15個の直鎖ア
ルキル基または炭素数1〜10個の直鎖アルコキシ基、 トランス−1、4−シクロヘキサン、または1、4−フ
ェニル、 2、5−フェニル、またはトランス−2、5−二置換
1、3−ジオキサンである。) より急峻性の優れたハイデューティのダイナミック駆動
を可能にした液晶組成物を得ることができる。
本発明による液晶組成物を用いればツイストネマチック
モードをはじめ、染料分子を添加することによりゲスト
ホスト効果モード、あるいはコレステリック物質を添加
することによってコレステリックネマチック相転移モー
ドなどダイナミック駆動液晶表示装置に於て優れた表示
を得るのに多大の効果がある。
【図面の簡単な説明】
第1図は実施例に於いて用いた測定装置を表わすブロッ
ク図。 第2図は該測定装置を用いて一般的に得られる相対透過
率−実効電圧のグラフ。 1……光源 2……光線 3……レンズ及びフィルター系 4……セル 5……受光部(光電増培管)
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 飯島 千代明 長野県塩尻市大字広丘原新田80番地 エプ ソン株式会社内 (72)発明者 和田 啓志 長野県塩尻市大字広丘原新田80番地 エプ ソン株式会社内 (56)参考文献 特開 昭58−194972(JP,A) 特開 昭57−190071(JP,A) 特開 昭58−13531(JP,A) 特開 昭58−29876(JP,A)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記の一般式(A)で表される化合物の1
    種と、下記の一般式(B)及び/または(C)で表され
    る化合物の1種とからなることを特徴とするダイナミッ
    ク駆動液晶表示装置用液晶組成物。 (但し、R1及びR2は直鎖アルキル基を示し、R1及びR2
    炭素数の合計は8以上である。) (但し、R3、及びR4はそれぞれ炭素数2〜8個の直鎖ア
    ルキル基、 トランス−1、4−シクロヘキシレン、トランス−1、
    3−ジオキサン2、5−ジイル1、4−フェニレン、ピ
    リミジン−2、5−ジイルである。)
  2. 【請求項2】下記の一般式(A)で表される化合物の1
    種と、下記の一般式(B)及び/または(C)で表され
    る化合物の1種と、及び下記一般式(D)または(E)
    で表される化合物の1種とからなることを特徴とするダ
    イナミック駆動液晶表示装置用液晶組成物。 (但し、R1及びR2は直鎖アルキル基を示し、R1及びR2
    炭素数の合計は8以上である。) (但し、R3、及びR4はそれぞれ炭素数2〜8個の直鎖ア
    ルキル基である。) (但し、R5は炭素数1〜10個の直鎖アルキル基または直
    鎖アルコキシ基または直鎖アシロキシ基、R6は炭素数1
    〜10個の直鎖アルキル基または直鎖アルコキシ基、R7
    炭素数1〜10の直鎖アルキル基、R8は1〜15個の直鎖ア
    ルキル基または炭素数1〜10個の直鎖アルコキシ基、 トランス−1、4−シクロヘキサン、または1、4−フ
    ェニル、 2、5−フェニル、またはトランス−2、5−二置換
    1、3−ジオキサンである。)
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