JPH06220454A

JPH06220454A - 液晶組成物

Info

Publication number: JPH06220454A
Application number: JP1100093A
Authority: JP
Inventors: Naoko Ota; 尚子太田; Etsuo Nakagawa; 悦男中川; Shinichi Sawada; 信一沢田
Original assignee: Chisso Corp
Current assignee: JNC Corp
Priority date: 1993-01-26
Filing date: 1993-01-26
Publication date: 1994-08-09

Abstract

(57)【要約】（修正有）【構成】一般式（Ｉ）具体的には、例えばで表される化合物及び、一般式（II）具体的には、例えばで表される化合物を含有することを特徴とする液晶組成
物。【効果】高品位な動画表示、マウスやスクロールに対
応可能であり、バッテリー駆動が容易なＯＡ用液晶表示
装置を提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明はネマチック液晶組成物お
よび液晶表示素子に関し、さらに詳しくは高信頼性を要
するアクティブマトリックス方式の液晶表示用ネマチッ
ク液晶組成物およびこれを用いる液晶表示素子に関す
る。

【０００２】

【従来の技術】ＬＣＤ（液晶表示装置）の開発テーマ
は、（１）は高精細（高コントラスト）、（２）高速応
答の２点が挙げられ、表示方式も含め検討されてきた。
そのなかでも、ＴＦＴ（薄膜トランジスター）等のアク
ティブマトリックスＬＣＤ（ＡＭ−ＬＣＤ）はカラー
化、高精細化が進み、将来フラットパネルディスプレイ
の本命として期待されている。しかし、ディスプレイの
なかで現在もっとも普及しているＣＲＴと比べると、な
お、精細さ、応答速度、画面サイズ、視野角などで大き
く劣っている。そこで、駆動回路、スイッチング素子、
カラーフィルターなどＡＭ−ＬＣＤを構成するさまざま
な要素について活発な研究が行なわれている。また、液
晶材料に対しては、ビフェニル系、ＰＣＨ系といったシ
アノ基を有する従来の材料系では満足できない特性が要
求されている。

【０００３】本発明者らは、すでに特開平２−２８９６
８２号公報（澤田ら）に開示されているごとく従来のシ
アノ基を有する化合物の末端基または側鎖のシアノ基
が、表示素子内に存在するイオン性不純物と何らかの相
互作用を持つことにより、電流値、比抵抗値、ひいては
表示コントラストに悪影響を及ぼしていると考えてい
る。このシアノ基を有する化合物の欠点は、素子におけ
る信頼性の低下として２端子、３端子スイッチ素子の駆
動電流と相まって、消費電流の増大、比抵抗率の低下を
導き、表示特性的には表示むら、コントラスト低下を引
き起こすことである。

【０００４】例えば、図１に示すＴＦＴ液晶表示素子に
おけるコントラストは、その信号電圧保持特性と密接に
関係している。液晶表示素子の信号電圧保持特性とは、
所定のフレーム周期内において液晶を含むＴＦＴ画素に
印加される信号電圧の低下の度合いを示す。この信号電
圧の低下がない場合はコントラスト低下は発生しない。
また、表示素子の信号電圧保持特性は、液晶と並列に設
けられる蓄積容量（Ｃｓ）および液晶（ＬＣ）の比抵抗
または信号電圧保持率が低くなるほど相乗的に悪くな
る。特に液晶の比抵抗または信号電圧保持率がある下限
値以下になると指数関数的に表示素子の信号電圧保持特
性が劣化し、極端なコントラスト低下をもたらす。また
ＴＦＴ製造工程簡略化等の理由により蓄積容量を付加し
ない場合においては、蓄積容量の寄与を期待できないだ
けに特に比抵抗または信号電圧保持率の高い液晶組成物
が必要となる。

【０００５】ここで、液晶表示素子の信号電圧保持特性
に大きな影響を及ぼす液晶組成物の信号電圧保持率およ
びその測定について述べる。図２に示す保持率測定回路
を用い液晶組成物を封入したセルの信号電圧保持率を測
定する。液晶セルは、透明電極、配向膜を有するガラス
製基板を用いて作成する。次に測定時の波形を図３に示
す。Ｖｄの斜線部分が実際の観測波形である。信号電圧
保持率は、図の斜線部分（Ｖ₁−ｔ₁−ｔ₂−Ｖ₂）、
およびソース電圧（Ｖ₁）と印加時間（ｔ₁−ｔ₂）の
積〔（Ｖ₁）×（ｔ₁−ｔ₂）〕との比で表わされる。

【０００６】・信号電圧保持率＝（Ｖ₁−ｔ₁−ｔ₂−
Ｖ₂）／〔（Ｖ₁）×（ｔ₁−ｔ₂）〕シアノ基を有する化合物は、前述のような欠点を有する
ため、シアノ基を有しない化合物のみで構成されたＡＭ
−ＬＣＤ用液晶組成物が前述の特開平２−２８９６８２
号公報に開示されている。また、特開昭６３−６１０８
３号公報（斉藤ら）に開示されているＴＮ組成物に包含
される組成物の中で、特にシアノ基を有しない化合物の
みで構成された組成物が、ＡＭ−ＬＣＤ用として多く用
いられている。

【０００７】表示コントラストや視野角は、屈折率異方
性（以下、Δｎと表示する。）とセル厚（以下、ｄと表
示する。）との積Δｎ・ｄに大きく影響されるが、これ
らの組成物は一般にΔｎが小さく、ｄの変化に応じた適
度なΔｎを提供するのは困難である。そして、これらの
組成物を用いたＬＣＤは、しきい値電圧が高く低電圧駆
動に適さないため、５Ｖ単一駆動が困難であり、バッテ
リー駆動である携帯用機器のディスプレイとして不十分
である。また、これらの組成物は粘度が高くそのため応
答速度が遅いゆえ、動画表示において表示品位を低下さ
せ、ＯＡ用途においてマウスやスクロークに対応できな
い、といった欠点も有している。

【０００８】以上より、これまでのＡＭ−ＬＣＤにおい
ては、その特徴である高信頼性、高コントラストを保つ
ため、低消費電流、高比抵抗でありながら、バッテリー
駆動に十分な低いしきい値電圧、そして高品位動画表
示、高速応答ＯＡ用ディスプレイに十分な速い応答速度
を達成することは困難である。

【０００９】

【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、前述
したように高比抵抗、低消費電流を保ちながら比較的低
粘度、低しきい値電圧、そしてセル厚ｄの変化に応じて
適度なΔｎを与える液晶組成物、ならびにこれを用いた
高コントラスト、高信頼性かつ比較的応答速度が速く低
電圧駆動が可能な液晶表示装置を提供することにある。

【００１０】

【課題を解決するための手段】本願の第１の発明は、一
般式

【００１１】

【化１５】

【００１２】（式中、Ｒ₁はアルキル基またはアルコキ
シ基を示し、Ｓ₁、Ｓ₂、Ｓ₃は各々独立に−Ｈ、−Ｆ
または−Ｃｌを表し、少なくとも１つは−Ｃｌであり、
Ｚ₁、Ｚ₂は−Ｚ₃−Ｃ−Ｚ₄−、−ＣＨ₂ＣＨ₂−、
−ＣＨ＝ＣＨ−、−Ｃ≡Ｃ−、−ＣＯＯ−または単結合
を表し、Ｚ₃、Ｚ₄は、−ＣＨ₂ＣＨ₂−、−ＣＨ＝Ｃ
Ｈ−、−Ｃ≡Ｃ−、−ＣＯＯ−または単結合を表し、−
Ａ−、−Ｂ−、−Ｃ−は各々独立に

【００１３】

【化１６】を表し、ｌ、ｍは各々独立に０か１を表す）で表される
化合物を少なくとも１つ含有する第一成分、および一般
式

【００１４】

【化１７】

【００１５】（式中、Ｒ₂はアルキル基またはアルコキ
シ基を示し、Ｑ₁、Ｑ₃は各々独立に−Ｈ、−Ｆ、−Ｃ
Ｆ₃、−ＯＣＦ₃、−ＣＨＦ₂または−ＯＣＨＦ₂を、
Ｑ₂は−Ｆ、−ＣＦ₃、−ＯＣＦ₃、−ＣＨＦ₂または
−ＯＣＨＦ₂を表し、Ｚ₁、Ｚ ₂は−Ｚ₃−Ｃ−Ｚ
₄−、−ＣＨ₂ＣＨ₂−、−ＣＨ＝ＣＨ−、−Ｃ≡Ｃ
−、−ＣＯＯ−または単結合を表し、Ｚ₃、Ｚ₄は、−
ＣＨ₂ＣＨ₂−、−ＣＨ＝ＣＨ−、−Ｃ≡Ｃ−、−ＣＯ
Ｏ−または単結合を表し、−Ａ−、−Ｂ−、−Ｃ−は各
々独立に

【００１６】

【化１８】

【００１７】であり、ｌ、ｍは各々独立に整数０か１を
表す）で表される化合物を少なくとも１つ含有する第二
成分を含有することを特徴とする液晶組成物に関する。
本願の第２の発明は、一般式（Ｉ）のＳ₂が−Ｃｌであ
り、かつ一般式（II）のＱ₁、Ｑ₃が各々独立に−Ｈま
たは−Ｆである上記第１の発明に記載の液晶組成物に関
する。本願の第３の発明は、一般式

【００１８】

【化１９】

【００１９】（式中、Ｒ₁は炭素数１〜１０のアルキル
基またはアルコキシ基を示し、Ｓ₄は−Ｈ、−Ｆ、−Ｃ
ｌを表し、Ｚ₅は、−Ｚ₆−Ｄ_n−Ｚ₇−、−ＣＨ₂Ｃ
Ｈ₂−、−ＣＨ＝ＣＨ−、−Ｃ≡Ｃ−、−ＣＯＯ−また
は単結合を表し、Ｚ₆、Ｚ₇は、−ＣＨ₂ＣＨ₂−、−
ＣＨ＝ＣＨ−、−Ｃ≡Ｃ−、−ＣＯＯ−または単結合を
表し、−Ｄ−は

【００２０】

【化２０】

【００２１】を表し、ｎは０か１または２を表す。ただ
しｎが２のとき、Ｚ₆、Ｚ₇は単結合、または−ＣＯＯ
−である）で表される化合物を少なくとも１つ含有する
第一成分、および、一般式

【００２２】

【化２１】

【００２３】（式中、Ｒ₂は炭素数１〜１０のアルキル
基またはアルコキシ基を示し、Ｑ₄、Ｑ₆は各々独立に
−Ｈ、−Ｆを表し、Ｑ₅は−ＣＦ₃、−Ｆ、−ＯＣ
Ｆ₃、−ＣＨＦ₂、−ＯＣＨＦ₂を表し、Ｚ₅は−Ｚ₆
−Ｄ_n−Ｚ₇−、−ＣＨ₂ＣＨ₂−、−ＣＨ＝ＣＨ−、
−Ｃ≡Ｃ−、−ＣＯＯ−または単結合を表し、Ｚ₆、Ｚ
₇は、−ＣＨ₂ＣＨ₂−、−ＣＨ＝ＣＨ−、−Ｃ≡Ｃ
−、−ＣＯＯ−または単結合を表し、−Ｄ−は

【００２４】

【化２２】

【００２５】を表し、ｎは０か１または２を表す。ただ
しｎが２のとき、Ｚ₆、Ｚ₇は単結合である）で表され
る化合物を少なくとも１つ含有する第二成分を含有する
ことを特徴とする液晶組成物に関する。本願の第４の発
明は、一般式（IIIa）のＱ₅が−ＣＦ₃である上記第３
の発明に記載の液晶組成物に関する。

【００２６】本願の第５の発明は、一般式（IIIa）のＱ
₅が−Ｆである上記第３の発明に記載の液晶組成物に関
する。本願の第６の発明は、一般式

【００２７】

【化２３】（式中、Ｒ₁は炭素数１〜１０のアルキル基またはアル
コキシ基を示し、Ｓ₄は−Ｈ、−Ｆ、−Ｃｌを表す。Ｚ
₅は、−ＣＯＯ−、−ＣＨ₂ＣＨ₂−、

【００２８】

【化２４】の場合、Ｓ₄は−Ｆを、Ｚ₅が−ＣＯＯ−の場合、Ｓ₄
は−Ｃｌを表す）で表される化合物を少なくとも１つ含
有する第一成分、および、一般式

【００２９】

【化２５】

【００３０】（式中、Ｒ₂、Ｚ₅、Ｑ₄、Ｑ₅およびＱ
₆は上記第３の発明と同じ意味である）で表される化合
物を少なくとも１つ含有する、第二成分を含有すること
を特徴とする上記第３の発明に記載の液晶組成物に関す
る。本願の第７の発明は、一般式（IIIa）のＱ₅が−Ｃ
Ｆ₃である上記第６の発明に記載の液晶組成物に関す
る。

【００３１】本願の第８の発明は、一般式（IIIa）のＱ
₅が−Ｆである上記第６の発明に記載の液晶組成物に関
する。本願の第９の発明は、一般式

【００３２】

【化２６】（上記第６の発明の一般式（Ｉａ）に同じ）で表される
化合物を少なくとも１つ含有する第一成分、および一般
式

【００３３】

【化２７】

【００３４】（式中、Ｒ₂は炭素数１〜１０のアルキル
基またはアルコキシ基を示す。Ｑ₄、Ｑ₆は各々独立に
−Ｈ、−Ｆを表し、Ｑ₅は−ＣＦ₃、−Ｆ、−ＯＣ
Ｆ₃、−ＣＨＦ₂、−ＯＣＨＦ₂を表す。Ｚ₅は−Ｚ₆
−Ｄ_n−Ｚ₇−、−ＣＨ₂ＣＨ₂−、−ＣＯＯ−または
単結合を表し、Ｚ₆は−ＣＨ₂ＣＨ₂−、−ＣＯＯ−、
−ＣＨ＝ＣＨ−または単結合を、Ｚ₇は、−ＣＨ₂ＣＨ
₂−、−ＣＯＯ−、−Ｃ≡Ｃ−、または単結合を表し、
−Ｄ−は

【００３５】

【化２８】を表し、ｎは０か１である）で表される化合物を少なく
とも１つ含有する第二成分を含有することを特徴とする
液晶組成物に関する。

【００３６】本願の第１０の発明は、一般式（IIIa）の
Ｑ₅が−ＣＦ₃である上記第９の発明に記載の液晶組成
物に関する。本願の第１１の発明は、一般式（IIIa）の
Ｑ₅が−Ｆである上記第９の発明に記載の液晶組成物に
関する。

【００３７】本願の第１２の発明は、上記第１〜第１１
の発明のいずれかに記載の液晶組成物を用いたセル厚２
〜１０μｍである液晶表示素子に関する。本発明の液晶
化合物を構成する化合物について説明する。本発明の一
般式（Ｉ）で表わされる化合物として好ましくは

【００３８】

【化２９】

【００３９】

【化３０】

【００４０】

【化３１】

【００４１】

【化３２】

【００４２】

【化３３】

【００４３】

【化３４】

【００４４】（以下、本明細書すべてを通して、

【化３５】をＭＦＣ、

【００４５】

【化３６】をＤＦＣ、

【００４６】

【化３７】をＤＣＰ、

【００４７】

【化３８】をＴＣＰと表す。また、Ｒ₁は前述の意味を表す。）を
あげることができる。また、より好ましくは、

【００４８】

【化３９】

【００４９】

【化４０】

【００５０】

【化４１】をあげることができる。さらに好ましくは、次の化合物
をあげることができる。

【００５１】

【化４２】

【００５２】ここで、より好ましくはＲ₁は炭素数１〜
１０のアルキル基またはアルコキシ基である。これらの
化合物の物性値について述べると、式（Ｉａ１Ｅ）（Ｉ
ａ１Ｌ）のＲ ₁が炭素数３のアルキル基である化合物を
Ｉａ１Ｅ₃、Ｉａ１Ｌ₃とし、これらを市販のジフルオ
ロフェニルジシクロヘキサン系液晶ＦＢ−Ｏｌ（チッソ
（株）製）〔以下ＦＢ−Ｏｌと略す〕にそれぞれ１５重
量％溶解したときの物性値（外挿値）を表１に示す。

【００５３】

【表１】これらの化合物は、特開昭５７−２２２６号公報や特開
昭５７−１１４５３１号公報に開示されているように広
い範囲で液晶相を示し、低粘で適度な屈折率異方性を示
す。また、熱、光などに対する安定性もよい。

【００５４】本発明の一般式（III)で表わされる化合物
として好ましくは、

【００５５】

【化４３】

【００５６】

【化４４】

【００５７】

【化４５】

【００５８】

【化４６】

【００５９】（以下、本明細書すべてを通して、

【化４７】をＴＯＰ、

【００６０】

【化４８】をＤＯＰと表す。また、Ｒ₂は前述の意味を表す。）

【００６１】

【化４９】

【００６２】などをあげることができる。また、さらに
好ましくは

【００６３】

【化５０】

【００６４】などをあげることができる。ここで好まし
くは、Ｒ₂は炭素数１〜１０のアルキル基またはアルコ
キシ基である。本発明の一般式（IV）で表わされる化合
物として好ましくは、

【００６５】

【化５１】

【００６６】

【化５２】

【００６７】（以下、本明細書すべてを通して、

【化５３】をＴＭＰ、

【００６８】

【化５４】をＴＤＰと表す。また、Ｒ₂は前述の意味を表す。）ま
た、より好ましくは、

【００６９】

【化５５】

【００７０】などをあげることができる。ここで好まし
くは、Ｒ₂は炭素数１〜１０のアルキル基またはアルコ
キシ基である。本発明の一般式（Ｖ）で表わされる化合
物として好ましくは、

【００７１】

【化５６】

【００７２】

【化５７】

【００７３】

【化５８】

【００７４】（以下、本明細書すべてを通して、

【化５９】をＤＦＰ、

【００７５】

【化６０】をＴＦＰと表す。また、Ｒ₂は前述の意味を表す。）を
あげることができる。また、より好ましくは、

【００７６】

【化６１】

【００７７】

【化６２】

【００７８】などをあげることができる。また、さらに
好ましくは

【００７９】

【化６３】

【００８０】ここで好ましくは、Ｒ₂は炭素数１〜１０
のアルキル基またはアルコキシ基である。これらの化合
物の物性値について述べると、式（ＶａＪ）、（Ｖａ
Ｌ）、（ＶａＰ）のＲ₂が炭素数３のアルキル基である
化合物をそれぞれＶａＪ₃、ＶａＬ ₃、ＶａＰ₃とし、
これらを市販のジフルオロフェニルビシクロヘキサン系
液晶ＦＢ−Ｏｌ（チッソ（株）製）〔以下ＦＢ−Ｏｌと
略す〕にそれぞれ１５重量％溶解したときの物性値（外
挿値）を表２に示す。

【００８１】これらの化合物は、特開平２−２３３６２
６号公報、特開昭５７−１５４１３５号公報、ＤＥ４
０２７８４０、ＵＳ４８２０４４３に開示されている
ように、粘度が低く、比較的誘電異方性が大きいという
共通した性質を示すが、さらに置換基がフッ素のみの場
合、透明点が高く、広い液晶範囲をもつことがわかる。

【００８２】

【表２】本発明の液晶組成物は使用される液晶表示素子の目的に
応じて、上記一般式（Ｉ）ないし（Ｖ）で表わされる化
合物で示される化合物のほか、電圧ー透過率特性におけ
るしきい値電圧、液晶温度範囲、屈折率異方性、誘電率
異方性、粘度等を調整する目的でほかの液晶化合物また
は液晶組成物を本発明の目的を害さない範囲で適当量含
有することができる。このような化合物の例として以下
のものをあげることができる。

【００８３】

【化６４】

【００８４】

【化６５】

【００８５】（ここで、ＲおよびＲ´は炭素数１〜１０
のアルキル基、アルコキシ基を表す。）上記化合物は適
宜２種以上を組み合わせて使用することもできる。本発
明の液晶組成物の具体例としては、一般式（Ｉ）で表わ
される化合物の少なくとも１つからなる第一成分と、一
般式（II）ないし（Ｖ）で表わされる化合物の少なくと
も１つからなる第二成分とを含有する液晶組成物をあげ
ることができる。この液晶組成物における第一および第
二成分の使用割合は、組成物の全重量基準で、それぞれ
１５〜８０重量％および２５〜７０重量％であり、第一
および第二成分の合計含量は少なくとも６５重量％が望
ましい。

【００８６】本発明の液晶組成物はアクティブマトリッ
クス方式の液晶表示素子に好ましく用いられる。後記の
実施例で明らかなように、本発明の液晶組成物は比較的
低い粘性および低消費電流、適度なΔｎをもつという特
徴を示すと同時に、信頼性および表示コントラストが高
く、比較的応答速度が速く、そしてしきい値電圧および
駆動電圧の低い液晶表示素子を与える。

【００８７】

【実施例】以下に実施例により本発明を詳述するが、本
発明はこれらの実施例に限定されるものではない。本発
明において、電圧透過率特性のしきい値電圧とは、ディ
スプレイ表示面に対して垂直な光軸方向の光の透過率が
９０％になるときの電圧（吸収率１０％）をいい、Ｖ_th
で表す。液晶の信号電圧保持率は、前述のように図２に
示す回路を用い、液晶組成物を封入したセルを使用して
測定する。測定時の波形は図３に示されたとおりであ
り、Ｖ_dの斜線部分が実際の観測波形である。電圧保持
率は、図の斜線部分（Ｖ₁−Ｔ₁−Ｔ₂−Ｖ₂）、およ
びソース電圧（Ｖ₁）と印加時間（Ｔ₁−Ｔ₂）の積
〔（Ｖ₁）×（Ｔ₁−Ｔ₂）〕との比で表わされる。

【００８８】信号電圧保持率＝（Ｖ₁−Ｔ₁−Ｔ₂−Ｖ
₂）／〔（Ｖ₁）×（Ｔ₁−Ｔ₂）〕比較例として、特開昭６３−６１０８３号公報（斉藤
ら）に開示されている３，４−ジフルオロフェニルビシ
クロヘキシル系液晶を用いた組成物、特開平２−２８９
６８２号公報（澤田ら）に開示されている３，４−ジフ
ルオロフェニルエタン系液晶、３，４−ジフルオロフェ
ニルシクロヘキシルエタン系液晶を用いた組成物、独国
特許ＤＥ４０２７８４０Ａｌ（Reiffenrath ら）に
開示されている３，４，５−トリフルオロフェニル系液
晶および４−トリフルオロメトキシフェニルビシクロヘ
キシル系液晶を用いた組成物を用い、実施例と比較し
た。以降、すべての比較例、実施例は同一の処方に基づ
いて調整された。なお、組成比は重量％をもって表わさ
れる。

【００８９】実施例１一般式（Ｉ）の化合物として

【００９０】

【化６６】

【００９１】一般式（II）の化合物として

【００９２】

【化６７】

【００９３】

【化６８】からなる液晶組成物を調整し、その特性を測定した。そ
の結果を表３に示す。

【００９４】実施例２一般式（Ｉ）の化合物として

【００９５】

【化６９】

【００９６】一般式（II）の化合物として

【００９７】

【化７０】

【００９８】その他の化合物として

【００９９】

【化７１】からなる液晶組成物を調整し、その特性を測定した。そ
の結果を表３に示す。

【０１００】実施例３一般式（II）の化合物として

【０１０１】

【化７２】

【０１０２】一般式（II）の化合物として

【０１０３】

【化７３】

【０１０４】

【化７４】からなる液晶組成物を調整し、その特性を測定した。そ
の結果を表３に示す。

【０１０５】実施例４一般式（Ｉ）の化合物として

【０１０６】

【化７５】

【０１０７】一般式（II）の化合物として

【０１０８】

【化７６】からなる液晶組成物を調整し、その特性を測定した。そ
の結果を表３に示す。

【０１０９】実施例５一般式（Ｉ）の化合物として

【０１１０】

【化７７】

【０１１１】一般式（II）の化合物として

【０１１２】

【化７８】

【０１１３】

【化７９】

【０１１４】その他の化合物として

【０１１５】

【化８０】からなる液晶組成物を調整した。

【０１１６】実施例６一般式（Ｉ）の化合物として

【０１１７】

【化８１】

【０１１８】一般式（II）の化合物として

【０１１９】

【化８２】

【０１２０】その他の化合物として

【０１２１】

【化８３】からなる液晶組成物を調整した。

【０１２２】比較例１一般式（II）の化合物として

【０１２３】

【化８４】からなる液晶組成物を調整し、その特性を測定した。そ
の結果を表３に示す。

【０１２４】比較例２一般式（II）の化合物として

【０１２５】

【化８５】

【０１２６】

【化８６】

【０１２７】からなる液晶組成物を調整し、その特性を
測定した。その結果を表３に示す。

【０１２８】

【表３】

【０１２９】

【発明の効果】本発明によれば、主にＡＭ−ＬＣＤの液
晶表示素子に用いられる液晶組成物において、低消費電
流、低粘度を保ちながら低しきい値電圧化を達成し、適
度なΔｎを与えるとともに、これらの液晶組成物を用い
た高コントラスト、高信頼性、速い応答速度、かつ低電
圧駆動の液晶表示素子を得ることができる。またこれに
伴い本発明の液晶表示素子は高品位な動画表示、マウス
やスクロールに対応可能であり、バッテリー駆動が容易
なＯＡ用液晶表示装置を提供することが可能である。

【図面の簡単な説明】

【図１】ＴＦＴ表示素子の等価回路を示す図。

【図２】液晶セルの信号電圧保持率測定回路を示す図。

【図３】液晶セルの信号電圧保持率測定時における駆動
波形および測定波形を示す図。

【符号の説明】

Ｇ…ゲート電極、Ｓ…ソース電極、Ｄ…ドレイン電極、
Ｃｓ…蓄積容量、ＬＣ…液晶、Ｖ_G…走査信号、Ｖｓ…
表示信号、Ｖｃ…直流電圧。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.⁵ 識別記号庁内整理番号ＦＩ技術表示箇所Ｃ０９Ｋ 19/30 9279−4ＨＧ０２Ｆ 1/13 ５００

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】一般式【化１】（式中、Ｒ₁はアルキル基またはアルコキシ基を示し、
Ｓ₁、Ｓ₂、Ｓ₃は各々独立に−Ｈ、−Ｆまたは−Ｃｌ
を表し、少なくとも１つは−Ｃｌであり、Ｚ₁、Ｚ₂は
−Ｚ₃−Ｃ−Ｚ₄−、−ＣＨ₂ＣＨ₂−、−ＣＨ＝ＣＨ
−、−Ｃ≡Ｃ−、−ＣＯＯ−または単結合を表し、
Ｚ₃、Ｚ₄は、−ＣＨ₂ＣＨ₂−、−ＣＨ＝ＣＨ−、−
Ｃ≡Ｃ−、−ＣＯＯ−または単結合を表し、−Ａ−、−
Ｂ−、−Ｃ−は各々独立に【化２】を表し、ｌ、ｍは各々独立に０か１を表す）で表される
化合物を少なくとも１つ含有する第一成分、および一般
式【化３】（式中、Ｒ₂はアルキル基またはアルコキシ基を示し、
Ｑ₁、Ｑ₃は各々独立に−Ｈ、−Ｆ、−ＣＦ₃、−ＯＣ
Ｆ₃、−ＣＨＦ₂または−ＯＣＨＦ₂を、Ｑ₂は−Ｆ、
−ＣＦ₃、−ＯＣＦ₃、−ＣＨＦ₂または−ＯＣＨＦ₂
を表し、Ｚ₁、Ｚ ₂は−Ｚ₃−Ｃ−Ｚ₄−、−ＣＨ₂Ｃ
Ｈ₂−、−ＣＨ＝ＣＨ−、−Ｃ≡Ｃ−、−ＣＯＯ−また
は単結合を表し、Ｚ₃、Ｚ₄は、−ＣＨ₂ＣＨ₂−、−
ＣＨ＝ＣＨ−、−Ｃ≡Ｃ−、−ＣＯＯ−または単結合を
表し、−Ａ−、−Ｂ−、−Ｃ−は各々独立に【化４】であり、ｌ、ｍは各々独立に整数０か１を表す）で表さ
れる化合物を少なくとも１つ含有する第二成分を含有す
ることを特徴とする液晶組成物。
【請求項２】一般式（Ｉ）のＳ₂が−Ｃｌであり、か
つ一般式（II）のＱ ₁、Ｑ₃が各々独立に−Ｈまたは−
Ｆである請求項１記載の液晶組成物。
【請求項３】一般式【化５】（式中、Ｒ₁は炭素数１〜１０のアルキル基またはアル
コキシ基を示し、Ｓ₄は−Ｈ、−Ｆ、−Ｃｌを表し、Ｚ
₅は、−Ｚ₆−Ｄ_n−Ｚ₇−、−ＣＨ₂ＣＨ₂−、−Ｃ
Ｈ＝ＣＨ−、−Ｃ≡Ｃ−、−ＣＯＯ−または単結合を表
し、Ｚ₆、Ｚ₇は、−ＣＨ₂ＣＨ₂−、−ＣＨ＝ＣＨ
−、−Ｃ≡Ｃ−、−ＣＯＯ−または単結合を表し、−Ｄ
−は【化６】を表し、ｎは０か１または２を表す。ただしｎが２のと
き、Ｚ₆、Ｚ₇は単結合、または−ＣＯＯ−である）で
表される化合物を少なくとも１つ含有する第一成分、および、一般式【化７】（式中、Ｒ₂は炭素数１〜１０のアルキル基またはアル
コキシ基を示し、Ｑ₄、Ｑ₆は各々独立に−Ｈ、−Ｆを
表し、Ｑ₅は−ＣＦ₃、−Ｆ、−ＯＣＦ₃、−ＣＨ
Ｆ₂、−ＯＣＨＦ₂を表し、Ｚ₅は−Ｚ₆−Ｄ_n−Ｚ₇
−、−ＣＨ₂ＣＨ₂−、−ＣＨ＝ＣＨ−、−Ｃ≡Ｃ−、
−ＣＯＯ−または単結合を表し、Ｚ₆、Ｚ₇は、−ＣＨ
₂ＣＨ₂−、−ＣＨ＝ＣＨ−、−Ｃ≡Ｃ−、−ＣＯＯ−
または単結合を表し、−Ｄ−は【化８】を表し、ｎは０か１または２を表す。ただしｎが２のと
き、Ｚ₆、Ｚ₇は単結合である）で表される化合物を少
なくとも１つ含有する第二成分を含有することを特徴と
する液晶組成物。
【請求項４】一般式（IIIa）のＱ₅が−ＣＦ₃である
請求項３記載の液晶組成物。
【請求項５】一般式（IIIa）のＱ₅が−Ｆである請求
項３記載の液晶組成物。
【請求項６】一般式【化９】（式中、Ｒ₁は炭素数１〜１０のアルキル基またはアル
コキシ基を示し、Ｓ₄は−Ｈ、−Ｆ、−Ｃｌを表す。Ｚ
₅は、−ＣＯＯ−、−ＣＨ₂ＣＨ₂−、【化１０】の場合、Ｓ₄は−Ｆを、Ｚ₅が−ＣＯＯ−の場合、Ｓ₄
は−Ｃｌを表す）で表される化合物を少なくとも１つ含
有する第一成分、および、一般式【化１１】（式中、Ｒ₂、Ｚ₅、Ｑ₄、Ｑ₅およびＱ₆は請求項３
と同じ意味である）で表される化合物を少なくとも１つ
含有する、第二成分を含有することを特徴とする請求項
３記載の液晶組成物。
【請求項７】一般式（IIIa）のＱ₅が−ＣＦ₃である
請求項６記載の液晶組成物。
【請求項８】一般式（IIIa）のＱ₅が−Ｆである請求
項６記載の液晶組成物。
【請求項９】一般式【化１２】（請求項６の一般式（Ｉａ）に同じ）で表される化合物
を少なくとも１つ含有する第一成分、および一般式【化１３】（式中、Ｒ₂は炭素数１〜１０のアルキル基またはアル
コキシ基を示す。Ｑ₄、Ｑ₆は各々独立に−Ｈ、−Ｆを
表し、Ｑ₅は−ＣＦ₃、−Ｆ、−ＯＣＦ₃、−ＣＨ
Ｆ₂、−ＯＣＨＦ₂を表す。Ｚ₅は−Ｚ₆−Ｄ_n−Ｚ₇
−、−ＣＨ₂ＣＨ₂−、−ＣＯＯ−または単結合を表
し、Ｚ₆は−ＣＨ₂ＣＨ₂−、−ＣＯＯ−、−ＣＨ＝Ｃ
Ｈ−または単結合を、Ｚ₇は、−ＣＨ₂ＣＨ₂−、−Ｃ
ＯＯ−、−Ｃ≡Ｃ−、または単結合を表し、−Ｄ−は【化１４】を表し、ｎは０か１である）で表される化合物を少なく
とも１つ含有する第二成分を含有することを特徴とする
液晶組成物。
【請求項１０】一般式（IIIa）のＱ₅が−ＣＦ₃であ
る請求項９記載の液晶組成物。
【請求項１１】一般式（IIIa）のＱ₅が−Ｆである請
求項９記載の液晶組成物。
【請求項１２】請求項１〜１１のいずれかに記載の液
晶組成物を用いたセル厚２〜１０μｍである液晶表示素
子。