JPH07209575A - カメラ用自動焦点調節装置 - Google Patents

カメラ用自動焦点調節装置

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Publication number
JPH07209575A
JPH07209575A JP2191894A JP2191894A JPH07209575A JP H07209575 A JPH07209575 A JP H07209575A JP 2191894 A JP2191894 A JP 2191894A JP 2191894 A JP2191894 A JP 2191894A JP H07209575 A JPH07209575 A JP H07209575A
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JP
Japan
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distance measuring
unit
display
field
distance
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Application number
JP2191894A
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English (en)
Inventor
Tomoya Kitajima
友也 北島
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 カメラの撮影視野内のそれぞれ異なる個所に
設定された所要数の単位測距視野を、コストおよびスペ
ースの増大を伴うことなく、簡単な操作で順次切換えら
れるようにする。 【構成】 シャッタレリーズ操作手段3の最初のレリー
ズ半押し操作により半押しスイッチ4をオン・オフさせ
てタイマー手段6に所定時間の計時動作を開始させる。
この計時動作途中において第2回目のレリーズ半押し操
作により半押しスイッチ4をオンさせて、自動測距手段
7の測距動作を、次の測距順位にある単位測距視野に対
する測距動作へと循環的に切換えさせ、同時に、最初の
単位測距視野に対応した単位表示部に対する測距視野表
示手段2の表示動作を、次の表示順位にある単位表示部
に対する表示動作に循環的に切換えさせる。このように
レリーズ半押し操作を繰返すのみで測距動作と表示動作
とを次の順位のものに切換えることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、カメラの撮影視野内の
それぞれ異なる個所に所要数の測距視野を具え、これら
を切換えて自動測距することが可能なカメラ用自動焦点
調節装置の改良に関するものである。
【0002】
【従来の技術】自動焦点調節装置の中には、カメラの撮
影視野内またはファインダ視野内に設定された測距視野
を必要に応じて変更し得るように構成されたものがあ
る。例えば特開昭 63-172215号公報には、焦点検出結果
(測距結果)に基づいて撮影レンズをそのときの合焦位
置に駆動する第1のモードと、焦点検出のみを行う第2
のモードとを準備し、この2つのモードをマニュアル操
作手段により選択できるように構成する技術が開示され
ている。
【0003】この場合、第1のモードでは焦点検出領域
(測距視野)を広く設定してあり、広い範囲についてピ
ントの合う被写体を捜して自動的に合焦させたいときに
は第1のモードを用いるように、また、第2のモードで
は焦点検出領域を狭く設定してあり、目的とする被写体
について精度良く焦点検出を行いたいときには第2のモ
ードを選択し得るようしている。
【0004】一方、カメラの撮影視野内またはファイン
ダ視野内のそれぞれ異なる個所に所要数の測距ポイント
(以下、「単位測距視野」という)を設定し、これらの
単位測距視野の内のいずれかを使用して自動焦点調節を
行う多点測距システムも既に提案されている。この場
合、複数個所に位置する単位測距視野の内、どの位置に
ある単位測距視野を採用するのかということが先ず問題
となる。
【0005】これの1つの解決策としては、例えば複数
個所の単位測距視野から出力される測距データおよび単
位測距視野の位置データ等を、一定の演算ルーチンに従
って処理することにより、特定の1個所の単位測距視野
を自動的に選び出すという方法が既に提案されている。
【0006】例えば特開平 1- 198715号公報には、カメ
ラ内に、撮影画面内の複数の測距位置に対してそれぞれ
被写体までの距離を検出する測距手段と、複数の測距位
置の中から所望の測距位置を選択する測距位置選択手段
と、この測距位置選択手段で選択した測距位置を記憶す
る記憶手段と、この記憶手段に記憶された測距位置によ
り撮影レンズの焦点位置を決定し且つ撮影レンズをこの
とき決定された焦点位置に駆動制御する撮影レンズ駆動
制御手段とを設け、さらに、予めユーザーが選択した測
距位置、例えば使用頻度の多い測距位置で測距可能な状
態に構成する。
【0007】そして、このように構成することにより、
他の測距位置での撮影を行っても、次の撮影では必らず
使用頻度の多い測距位置での測距が自動的に行われるよ
うにした技術が開示されている。また、多点測距システ
ムを用いた撮影では、所望する単位測距視野をユーザー
自身の意図によって指定したいという状況もあり、この
要望に対応するための技術に対しても既に幾つかの提案
がなされている。
【0008】例えば特開平 1- 279215号公報には、撮影
画面視野(撮影視野)内の多数位置で測距可能なカメラ
において、レリーズスイッチをシャッタレリーズ操作の
第1段ストロークまで押下げた状態で、測距エリア切換
えスイッチ(単位測距視野切換えスイッチ)からの切換
え情報に基づいて新たなる測距動作を開始する技術が開
示されている。
【0009】そして、このように構成することにより、
測距位置切換え操作および焦点検出に伴う煩雑さを解消
できる。その結果、撮影画面視野内の複数の被写体に対
して測距位置が選択でき且つ選択した時点でピントを合
わすことが可能になるため、レイアウトがし易く、シャ
ッタチャンスを逃がすことがなくなるという効果を生じ
るというものである。
【0010】また、多点測距システムでは、測距視野を
切換える際の操作性についての問題もあり、操作性を向
上させるという点についての技術も既に提案されてい
る。例えば特開平 1- 288845号公報には、測距視野選択
モードボタンとして押下しながら操作される測距視野切
換え用操作部材の操作方向と、測距視野を表示する表示
手段の表示位置の移動方向とを、ほぼ一致させることに
より、測距視野の選択に際して、ユーザーが直感的に選
択操作を行えるように構成した技術が開示されている。
【0011】また、多点測距システムでは、測距視野を
決定した後におけるこの測距視野に対する測距動作をど
のように処理するかということも問題になり、所謂フォ
ーカスロックについての技術も既に提案されている。例
えば特開平 1- 273023号公報には、シャッタレリーズ操
作部材の半押し操作(第1段ストローク)を解除した後
も、所定時間が経過するまではフォーカスロック状態の
保持を可能にするという技術が開示されている。
【0012】この場合、計時手段が所定時間を計時中で
あれば、フォーカスロック保持操作部材の操作によりフ
ォーカスロック保持手段の作動を許容し得るように、ま
た、フォーカスロック保持状態にあっては、シャッタレ
リーズ操作部材が半押し操作されて半押し信号が出力さ
れても、この半押し信号が受け入れられずに例えば焦点
調節情報検出手段の作動を禁止して焦点調節状態が従前
のままとなるように、さらに、所定時間が経過したとき
には、フォーカスロック保持手段の作動を禁止せしめ
て、フォーカスロック保持状態をキャンセルし得るよう
に構成する。
【0013】そして、このように構成することにより、
例えば撮影操作を他の人に依頼する場合等において、被
写体に合焦するようにフォーカスロック状態を保持して
から、カメラを他の人に渡すことによりピントの合った
写真が得られるようにする、というものである。
【0014】その外、カメラ用自動焦点調節装置では、
自動焦点合せに際して撮影光学系をどの合焦位置まで繰
出すのかということも問題となる。この問題に対して
も、特に公報ないし資料を提示してはいないが、例えば
複数個所の単位測距視野からの出力の平均値を求め、こ
れに基づいて撮影光学系の合焦データを自動的に求める
という方法が既に提案されている。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開昭
63-172215号公報の開示技術では、焦点検出領域の広さ
を変更することを目的としてはいるが、変更した後でも
焦点検出領域の中心領域の位置は変わらないので、例え
ば撮影視野の両側領域に各1個の主要被写体が位置して
いるような構図の場合、第1のモードでは焦点検出動作
と撮影レンズの駆動動作とを行うことが可能であって
も、第2のモードでは、焦点検出領域を狭くしたとき
に、狭くした焦点検出領域が各1個の主要被写体の中間
に位置して焦点検出が不可能になる、所謂「中抜け現
象」を生じさせてしまうという大きな問題を惹き起すこ
とになる。
【0016】また、特開平 1- 198715号公報の開示技術
では、次の撮影動作をするときには自動的に使用頻度の
多い測距位置での測距となるため、ユーザーが他の測距
位置での撮影を希望する場合には、その都度、ユーザー
が所望の単位測距視野に設定し直さなければならないと
いう問題が生じ、これが操作性を劣化させるという欠点
に直結することになる。
【0017】一方、所望する単位測距視野をユーザー自
身の意図によって指定したい場合の技術において、特開
平 1- 279215号公報の開示技術では、多数の単位測距視
野の中から所望の単位測距視野を選択するための専用の
操作部材(測距エリア切換えスイッチ)が必要となるた
め、この専用操作部材を製作するためのコスト増加や、
専用操作部材を設置するスペースの確保等が大きな問題
となる。
【0018】さらに、シャッタレリーズ操作の第1段ス
トロークまで押下げた状態で、この測距エリア切換えス
イッチの切換え操作をする必要があるため、たとえ公報
上で「測距位置切換え操作および焦点検出に伴う煩雑さ
を解消できる」と云っても、矢張り測距位置切換え操作
が煩雑になるということも問題となる。
【0019】また、測距視野切換える際の操作性の技術
において、特開平 1- 288845号公報では、測距視野切換
え用の操作部材を設けることが前提条件になるため、こ
の開示技術は、単位測距視野を選択するための専用の操
作部材を具えたカメラ用自動焦点調節装置に限定される
ということが大きな問題となり、更には、専用操作部材
を必要とすることに起因するコスト増加や設置スペース
の確保および操作性の低下等の問題も生じて来る。
【0020】また、特開平 1- 273023号公報の開示技術
では、フォーカスロック保持操作部材の操作によりフォ
ーカスロック保持手段を作動させることが前提となって
いるため、フォーカスロック保持操作部材を専用部材と
して設ける必要があり、そのため、専用操作部材を必要
とすることに起因するコスト増加や設置スペースの確保
等の問題が生じる。
【0021】さらに、所定時間が経過した後には単にフ
ォーカスロック保持手段のロック作動を禁止してフォー
カスロック状態を解除するだけのことであるので、機能
上および構成上において特に有利になる技術ではないと
いう問題も生じる。また、複数個所の単位測距視野から
の出力の平均値を求め、これに基づいて撮影光学系の合
焦データを自動的に求めるという方法では、ユーザー
が、特定の単位測距視野に係る合焦データ(測距デー
タ)に基づいた撮影を希望しても、それを達成し得ない
ということが問題になる。
【0022】このように、従来の開示技術においては、
所謂「中抜け現象」を生じさせたり、単位測距視野を切
換えるための専用の操作部材を必要とすることに起因し
た設置スペース上および製作コスト上の不利を招いた
り、そのときの切換え操作が複雑ないし煩雑になって操
作性を劣化させたりする問題が多々生じていたので、そ
の改善策の出現が強く望まれていた。
【0023】本発明は、このような事情に鑑みてなされ
たもので、その第1の目的は、所謂「中抜け現象」を生
じさせないように単位測距視野の切換えを実現せしめ、
しかも、単位測距視野の切換えを行うための専用操作手
段ないし操作部材を設ける必要がなく、従ってスペース
およびコストを増大させることなく測距視野の切り換え
を行ない得るカメラ用自動焦点調節装置を提供すること
にある。
【0024】本発明の第2の目的とするところは、単位
測距視野の切換えに際して、シャッタレリーズ操作手段
の第1段ストロークを任意数だけ繰返すだけという簡単
な操作を利用し、且つ、シャッタレリーズ操作手段の第
1段ストロークの信号処理だけで単位測距視野の切換え
を行うことができるカメラ用自動焦点調節装置を提供す
ることにある。
【0025】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に記載の発明に係るカメラ用自動焦点調
節装置は、撮影視野に対応した表示視野を具え、前記撮
影視野内のそれぞれ異なる個所に設定された第1測距順
位の単位測距視野から第n測距順位の単位測距視野まで
の単位測距視野群における各単位測距視野に対応するよ
うに前記表示視野内に設定された第1表示順位の単位表
示部から第n表示順位の単位表示部までの単位表示部群
を有する測距視野表示手段と、非押圧状態と半押し状態
との間においてレリーズ半押し操作が可能であり、且
つ、このレリーズ半押し操作に引続いてレリーズ押込み
操作を行い得るシャッタレリーズ操作手段と、このシャ
ッタレリーズ操作手段のレリーズ半押し操作に関係し
て、所定時間の計時動作を開始し且つ開始された所定時
間の計時動作をリセットし得るタイマー手段と、前記シ
ャッタレリーズ操作手段のレリーズ半押し操作が行われ
たときに、前記単位測距視野群の各単位測距視野内に存
在する対象物に対して選択的に測距動作を行い、且つ、
それぞれの測距結果を少なくとも前記各単位測距視野内
の対象物に係る距離データ信号としてそれぞれ出力し得
る自動測距手段と、前記タイマー手段で設定された所定
時間内において前記シャッタレリーズ操作手段のレリー
ズ半押し操作を繰返すことにより、前記単位表示部群に
対する前記測距視野表示手段の表示動作と前記単位測距
視野群に対する前記自動測距手段の測距動作とを、目的
とする単位表示部および単位測距視野から次順位の単位
表示部および単位測距視野に向って、順次に且つ循環的
に切換え得る測距視野切換え制御手段とを、有するよう
に構成したことを特徴とするものである。
【0026】また、請求項2に記載の発明に係るカメラ
用自動焦点調節装置は、測距視野表示手段の単位表示部
群の内、第1表示順位の単位表示部の設置位置を前記表
示視野内の実質的中央個所に設定し、第2表示順位の単
位表示部以降の設置位置を、前記第1表示順位の単位表
示部の左右方向或いは上下方向に並ぶような各位置、ま
たは、前記第1表示順位の単位表示部の周囲をそれぞれ
囲繞するような各位置に設定してなることを特徴とする
ものである。
【0027】また、請求項3に記載の発明に係るカメラ
用自動焦点調節装置は、目的とする単位測距視野に対す
る前記シャッタレリーズ操作手段のレリーズ半押し操作
が行われ、且つ、このレリーズ半押し操作に係る前記タ
イマー手段の所定時間が経過しない時点において次のレ
リーズ半押し操作が行われたときに、前記目的とする単
位測距視野に係る前記タイマー手段の計時動作をリセッ
トし得るように構成したことを特徴とするものである。
【0028】また、請求項4に記載の発明に係るカメラ
用自動焦点調節装置は、任意の測距順位の単位測距視野
に対し前記シャッタレリーズ操作手段のレリーズ半押し
操作が行われ、且つ、このレリーズ半押し操作に係る前
記タイマー手段の所定時間が経過した時点後において次
のレリーズ半押し操作が行われたときには、この次のレ
リーズ半押し操作に基づいて、目的とする単位測距視野
に係るタイマー手段の計時動作を再び前記第1測距順位
の単位測距視野から繰返し得るように構成したことを特
徴とするものである。
【0029】また、請求項5に記載の発明に係るカメラ
用自動焦点調節装置は、目的とする単位測距視野に存在
する対象物に対して測距動作を行った際にその対象物に
対して測距動作が不能であるときには、この測距不能で
ある状態を検出し且つその測距不能結果を前記目的とす
る単位測距視野に存在する対象物に係る測距不能信号と
して出力し得るように、前記自動測距手段を構成し、さ
らに、初期位置または前回撮影終了時の位置から各単位
測距視野に係る距離データ信号に対応するそれぞれの撮
影距離に適合した合焦状態位置まで撮影光学系を変位さ
せ得る撮影光学系駆動手段と、前記自動測距手段から前
記各単位測距視野に係る距離データ信号が選択的に出力
されている場合であって、前記シャッタレリーズ操作手
段のレリーズ押込み操作が行われたときに、このレリー
ズ押込み操作に基づいて、前記撮影光学系を前記初期位
置または前回撮影終了時の位置から前記各単位測距視野
に係る距離データ信号に対応するそれぞれの撮影距離に
適合した合焦状態位置まで変位させ、且つ、前記自動測
距手段から前記各単位測距視野に係る測距不能信号が選
択的に出力されている場合であって、前記シャッタレリ
ーズ操作手段のレリーズ押込み操作が行われたときに、
このレリーズ押込み操作に基づいて、前記撮影光学系を
前記初期位置または前回撮影終了時の位置に強制的に保
持するように前記撮影光学系駆動手段を制御し得る撮影
光学系駆動制御手段とを追加的に設け、前記自動測距手
段からの前記距離データ信号および測距不能信号に基づ
いて、前記撮影光学系を駆動および強制保持し得るよう
に構成したことを特徴とするものである。
【0030】また、請求項6に記載の発明に係るカメラ
用自動焦点調節装置は、各単位測距視野の対象物に対す
る測距動作に際して前記自動測距手段から前記測距不能
信号が出力されたときに、この測距不能信号に基づい
て、前記各単位測距視野に対応する単位表示部に係る表
示態様を、前記自動測距手段から前記距離データ信号が
出力されたときの単位表示部の態様とは異なる態様で表
示し得るように構成したことを特徴とするものである。
【0031】
【作用】上記のように構成されたカメラ用自動焦点調節
装置では、カメラの撮影視野内のそれぞれ異なる個所に
設定した所要数の単位測距視野に対する自動測距手段の
測距動作と、これらの単位測距視野群に対応させてファ
インダ視野内に設定した所要数の単位表示部に対する測
距視野表示手段の表示動作とを、シャッタレリーズ操作
手段のレリーズ半押し操作を繰返すことにより自動的且
つ循環的に切換えさせるようにしてある。
【0032】この場合、先ず、シャッタレリーズ操作手
段の最初のレリーズ半押し操作に関係してタイマー手段
の計時動作を開始させる信号を発生させ、この計時動作
開始信号に基づいてタイマー手段に所定時間の計時動作
を開始させる。そして、タイマー手段の計時動作の途中
において、第2回目のレリーズ半押し操作を行うことに
より測距動作および表示動作の切換え信号を発生させ、
この切換え信号に基づいて、最初の測距順位にある単位
測距視野に対する測距動作を次の測距順位にある単位測
距視野に対する測距動作へと切換えさせ、実質的同時
に、最初の測距順位にある単位測距視野に対応した単位
表示部の表示動作を、次の測距順位にある単位測距視野
に対応した表示順位にある単位表示部の表示動作へと切
換えさせる。
【0033】これ以後、シャッタレリーズ操作手段のレ
リーズ半押し操作を繰返すことにより、それ以降の測距
順位にある単位測距視野に対する測距動作およびそれ以
降の表示順位にある単位表示部に対する表示動作を、自
動的且つ循環的に切換えるようにしてある。
【0034】しかし、任意のレリーズ半押し操作に関係
して起動されるタイマー手段の所定時間が経過した後
に、次回のレリーズ半押し操作を行った場合には、所定
時間の経過信号に基づいて最初の測距順位にある単位測
距視野に対する測距動作が再開され、且つ、この単位測
距視野に対応する単位表示部の表示動作も再開される。
【0035】この結果、シャッタレリーズ操作手段のレ
リーズ半押し操作の繰返し操作により発生するタイマー
手段の計時動作開始信号と自動測距手段の測距動作およ
び測距視野表示手段の表示動作の切換え信号とを、電気
的に信号処理するだけの簡単な方法で、所要数の単位測
距視野の測距動作および所要数の単位表示部の表示動作
の切換えを行うことが可能となる。
【0036】
【実施例】以下、図示の実施例に基づいて本発明に係る
カメラ用自動焦点調節装置の構成および作用を説明す
る。図1は、本発明のカメラ用自動焦点調節装置に係る
一実施例の構成を示すブロック図であり、図2は、図1
のカメラの撮影視野と測距視野表示手段の測距視野とを
兼用的に示す兼用視野図である。なお、図示実施例で用
いる[n]の記号は任意の正の整数を表す。
【0037】図1および図2において、1はそれぞれ適
宜の構成から成るシャッタ装置、絞り装置、フィルム移
送装置、露出制御装置(いずれも図示なし)等のカメラ
としての基本的装置を内蔵したカメラである。このカメ
ラ1は、ファインダ手段として、例えば透視ファインダ
形式または一眼レフ形式のファインダ装置を有するよう
に構成され、さらに、撮影視野F内の位置の異なる個所
に、図2に示すような第1測距順位に位置する単位測距
視野F1から第n測距順位(例えば第5測距順位)に位
置する単位測距視野F5 までの複数個の単位測距視野か
ら成る単位測距視野群F1 〜F5 を有するように構成さ
れている。
【0038】この場合、図示実施例では、例えば第1測
距順位の単位測距視野(以下、「第1測距視野」と略称
する)F1 が撮影視野F内の実質的中央個所に位置し、
第2測距順位の単位測距視野(第2測距視野)F2 がそ
の右隣りの個所に位置し、第3測距順位の単位測距視野
(第3測距視野)F3 が第1測距視野F1 の左隣りの個
所に位置し、第4測距順位の単位測距視野(第4測距視
野)F4 が第2測距視野F2 のさらに右隣りの個所に位
置し、さらに、第5測距順位の単位測距視野(第5測距
視野)F5 が第3測距視野F3 よりさらに左隣りの個所
に位置するように、各測距視野F1 〜F5 の位置を設定
している。
【0039】なお、第2測距視野F2 〜第5測距視野F
5 の設定位置を、第1測距視野F1に対してそれぞれ、
例えば上下方向に並ぶような各位置、または、第1測距
視野F1 の周囲に回転するような状態で並ぶような各位
置に設定するように構成してもよい。
【0040】2は撮影視野Fに対応した表示視野を具え
た測距視野表示手段であり、その表示視野内に、第1表
示順位に位置する表示部LCD1 から第n表示順位(例
えば第5表示順位)に位置する単位表示部LCD5 まで
の複数個の単位表示部から成る単位表示部群LCD1 〜
LCD5 を有するように構成されている。
【0041】この場合、図示実施例では、単位表示部群
LCD1 〜LCD5 は、単位測距視野群F1 〜F5 に対
応するような状態で表示視野内に設けられている。すな
わち、例えば第1の単位表示部(以下、「第1表示部」
と略称する)LCD1 は、その位置および大きさが第1
測距視野F1 の位置および大きさに対応ないし比例し、
また、第2の単位表示部(第2表示部)LCD2 〜第5
の単位表示部(第5表示部)LCD5 も、第2測距視野
F2 〜第5測距視野F5 のそれぞれの位置および大きさ
に対応ないし比例するように設けられている。
【0042】また、図示実施例では、この測距視野表示
手段2をその表示視野がファインダ視野と一致するよう
な状態でファインダ視野内に設けているが、これを、例
えばファインダ視野内の一部領域に設定するようにして
も、また、カメラ外表面の適宜個所に設けるように構成
することも可能である。
【0043】また、図示実施例では、各単位表示部LC
D1 〜LCD5 として、液晶(Liquid crystal)素子を
用いており、特に、ネマティック液晶、コレステリック
液晶が好適である。この液晶は、液晶材料を透明電極に
挟み、これに光を当てて、電圧を印加することによって
文字、図形等を表示させるものである。また、図示実施
例では、各単位表示部LCD1 〜LCD5 を、ファイン
ダの実像面に設けているが、微小なLEDのような発光
素子を実像面に点在させたり、あるいは、ブライトフレ
ームで複数の表示視野を形成し、そのブライトフレーム
を複数のLED等で照明するように構成してもよい。
【0044】このように構成された各々の単位表示部L
CD1 〜LCD5 は、後述するMPU20の測距視野切
換え制御手段24からの指令に基づいて、非表示状態か
ら表示状態に、また、表示状態から非表示状態にそれぞ
れ移行し得るように構成されている。
【0045】すなわち、或る単位測距視野に対応する単
位表示部(例えば第3表示部LCD3 )が目的とする単
位表示部として選択されていないときには、非表示状態
を保ち続け、目的とする単位表示部として選択されたと
きには、直ちに非表示状態から表示状態に移行してこの
単位表示部が現在選択状態にあることを表示し得るよう
に構成されている。換言すれば、非表示状態と表示状態
との状態の異なり現象を利用して目的とする単位表示部
を明確に表示し得るように構成されている。
【0046】さらに、連続表示状態と点滅表示状態との
切換えが可能であるようにも構成されていて、目的とす
る単位測距視野に対する測距動作が不能であるときに
は、この単位測距視野に対応する単位表示部を点滅表示
させることにより、測距不能であることをユーザーに知
らせ得るようにも構成されている。
【0047】3はそれ自体公知の構造から成る2段スト
ローク式に構成されたシャッタレリーズ操作手段であ
り、非押圧状態と半押し状態との間における第1段スト
ローク操作(レリーズ半押し操作)と、半押し状態と押
込み状態との間における第2段ストローク操作(レリー
ズ押込み操作)とに分かれて操作し得るように構成され
ている。
【0048】そして、第1段ストローク操作において
は、その往方向操作によりレリーズ半押しスイッチ(以
下、「半押しスイッチ」と略称する)4を閉成し、ま
た、その復方向操作により半押しスイッチ4を開き得る
ように構成され、一方、第2段ストローク操作において
は、その往方向操作によりレリーズ押込みスイッチ(以
下、「押込みスイッチ」という)5を閉成し、また、復
方向操作により押込みスイッチ5を開き得るように構成
されている。
【0049】この場合、半押しスイッチ4は、特許請求
の範囲の請求項1に記したレリーズ半押し信号出力手段
を構成し、シャッタレリーズ操作手段3の第1段ストロ
ーク操作の往方向操作により閉成されたときにはオン信
号を発し、また、その復方向操作により開かれたときに
はオフ信号を発して、その都度、これらのオン信号およ
びオフ信号を後述するMPU20に出力し得るように構
成されている。
【0050】また、押込みスイッチ5は、請求項5に記
したレリーズ押込み信号出力手段を構成し、シャッタレ
リーズ操作手段3の往方向操作により閉成されたときに
は押込み信号を発し、また、その復方向操作により開か
れたときには押込み解除信号を発して、その都度、これ
らの押込み信号および押込み解除信号をMPU20に出
力し得るように構成されている。
【0051】6はそれ自体公知の構造を持つ計時タイマ
ーで、半押しスイッチ4からオフ信号が出力されたとき
に、その都度、このオフ信号(または押込み解除信号)
の出力時点を起点として所定時間の計時動作を開始し、
また、半押しスイッチ4からオン信号が出力されたとき
に、その都度、開始されていた計時動作をリセットし得
るように構成されている。
【0052】7はそれ自体公知の構造を有するように構
成された自動測距手段であり、後述する測距視野切換え
制御手段24からの制御に従って、例えばアクティブ式
光電測距方法により、目的とする単位測距視野内に存在
する対象物(被写体)に対する測距動作を自動的に行い
得るように構成されている。そして、このときの対象物
に対して測距可能であれば、その撮影距離を測定し且つ
この対象物に対する測距結果をこの対象物に係る距離デ
ータ信号としてMPU20に出力する。
【0053】一方、このときの対象物に対して測距が不
能であるときには、測距不能である状態を検出し且つそ
の結果をこの対象物に係る測距不能信号としてMPU2
0に出力し得るように構成されている。8は適宜の電動
モータ(例えば「ステッピングモータ」)の回転駆動力
により撮影光学系を駆動するための撮影光学系駆動手段
であり、それ自体公知の構造を具えた駆動手段として構
成されている。
【0054】この撮影光学系駆動手段8は、MPU20
の撮影光学系駆動制御手段23からの指令に基づき、撮
影光学系を所定の位置、例えば初期位置または前回撮影
終了時の位置から目的とする単位測距視野内に存在する
対象物の撮影距離に適合した合焦状態位置まで変位させ
得るように構成されている。
【0055】9は好ましい実施態様において設けられ且
つそれ自体公知の構造を具えた警告表示手段であり、目
的とする単位測距視野内に存在する対象物に対する測距
動作が不能であるときに、自動測距手段7からの測距不
能信号に基づいて、例えばフアインダ視野内に警告メッ
セージの表示を行うような方法でユーザーに警告報知し
得るように構成されている。なお、発音等の他の方法に
より警告報知を行うこともできる。
【0056】ところで、MPU20は、通常の撮影動作
を含む種々の制御シーケンスを実行し得る適宜のシーケ
ンス演算回路21と制御シーケンスに必要な種々の記憶
を行い得る適宜の記憶回路22を有する外、本発明の種
々の制御を実行するための各種制御手段を内蔵し得るよ
うに構成されている。
【0057】23はMPU20内に設けられた撮影光学
系駆動制御手段であり、測距視野切換え制御手段24か
らの指令により選択された測距視野における自動測距手
段7による距離データ信号に基づき被写体距離を演算
し、撮影光学系をそのときの距離データ信号(被写体距
離)に対応する変位量だけ変位させるように、さらに、
その初期位置または前回撮影終了時の位置に強制的に保
持するように制御する。24はMPU20内に設けられ
た測距視野切換え制御手段である。この測距視野切換え
制御手段24は、撮影光学系駆動制御手段23と協働し
て以下に述べるような要領に則った制御を指令し得るよ
うに構成されている。
【0058】(a) 或る単位測距視野(例えば第1測
距視野F1 )の対象物に対してシャッタレリーズ操作手
段3の第1段ストローク操作が行われ、その往方向操作
により半押しスイッチ4からオン信号が出力されたとき
には、自動測距手段7からの出力信号を撮影光学系駆動
制御手段23が取込み、所定の演算処理を施し、その出
力信号が距離データ信号であるか或いは測距不能信号で
あるかを判定する。
【0059】このとき、出力信号が距離データ信号であ
るときには、以降の所定の撮影シーケンスを進行させ、
出力信号が測距不能信号であるときには、後述する警告
表示手段9に対して測距不能である旨の信号を出力す
る。
【0060】(b) 自動測距手段7からの出力信号が
距離データ信号であり、しかも、前述した或る単位測距
視野の対象物に対するシャッタレリーズ操作手段3の第
1段ストローク操作の復方向操作により半押しスイッチ
4からオフ信号が出力されたときには、タイマー手段6
に対して所定の計時動作を開始するように指令する。
【0061】(c) このときの半押しスイッチ4から
のオフ信号に基づいて、タイマー手段6が所定時間の計
時動作を行っている最中に、半押しスイッチ4から次の
オン信号が出力されたときには、タイマー手段6に対し
て前述した或る単位測距視野に対する計時動作をリセッ
トするように指令する。
【0062】(d) これと実質的同時に、自動測距手
段7に対して、或る単位測距視野内の対象物に対する測
距動作を、次の測距順位にある単位測距視野内の対象物
に対する測距動作に自動的且つ循環的に切換えるように
指令する。
【0063】例えば、前述した或る単位測距視野が第1
測距視野F1 であるときには、「第1測距視野F1 内の
対象物に対する測距動作→第2測距視野F2 内の対象物
に対する測距動作」に、また、或る単位測距視野が第3
測距視野F3 であるときには、「第3測距視野F3 内の
対象物に対する測距動作→第4測距視野象4 内の対象物
に対する測距動作」に、さらに、或る単位測距視野が第
5測距視野F5 であるときには、「第5測距視野F5 内
の対象物に対する測距動作→再び第1測距視野F1 内の
対象物に対する測距動作」のように、それぞれ自動的且
つ循環的に切換えるように指令する。
【0064】(e) このときの測距動作の切換え指令
に対応して、測距視野表示手段2に対して、或る単位測
距視野に対応する単位表示部の表示動作を、次の測距順
位の単位測距視野に対応する単位表示部の表示動作に自
動的且つ循環的に切換えるように指令する。
【0065】例えば或る単位測距視野に対応する単位表
示部が第1表示部LCD1 であるときには、「第1表示
部LCD1 の表示動作→第2表示部LCD2 の表示動
作」に、また、或る単位測距視野に対応する単位表示部
が第3表示部LCD3 であるときには、「第3表示部L
CD3 の表示動作→第4表示部LCD4 の表示動作」
に、さらに、或る単位測距視野に対応する単位表示部が
第5表示部LCD5 であるときには、「第5表示部LC
D5 の表示動作→再び第1表示部LCD1 の表示動作」
のように、それぞれ自動的且つ循環的に切換えるように
指令する。
【0066】(f) 自動測距手段7からの出力信号が
適正な距離データ信号であり、しかも、前述した或る単
位測距視野の対象物に対するシャッタレリーズ操作手段
3の第1段ストローク操作の復方向操作により半押しス
イッチ4からオフ信号が出力され、このオフ信号に基づ
いてタイマー手段6が計時動作を行って所定時間が経過
した後は、再び、第1測距順位の単位測距視野に対する
測距動作および表示動作が再び行われるように撮影シー
ケンスを復帰(循環)させるように指令する。従って、
この状態以降において、次のシャッタレリーズ操作手段
3の第1段ストローク操作を実行すれば、その往方向操
作により、第1測距順位の単位測距視野に対する測距動
作および表示動作が再開されることになる。
【0067】(g) 自動測距手段7からの出力信号が
距離データ信号であり且つタイマー手段6が所定時間の
計時動作を行っている最中に、或る単位測距視野の対象
物に対するシャッタレリーズ操作手段3の第2段ストロ
ーク操作の往方向操作により押込みスイッチ5から押込
み信号が出力されたときには、この押込み信号に基づい
て、撮影光学系駆動制御手段23に対して、撮影光学系
をその初期位置または前回撮影終了時の位置から今回の
単位測距視野に係る距離データ信号に対応する合焦状態
位置まで変位させるように指令する。
【0068】(h) 自動測距手段7から測距不能信号
が出力されているときには、この測距不能信号に基づい
て、撮影光学系駆動制御手段23に対して、たとえ押込
みスイッチ5から押込み信号が出力されたときでも撮影
光学系をその初期位置または前回撮影終了時の位置に強
制的に保持するように指令する。そして、実質的同時
に、測距視野表示手段2に対して、この測距不能信号に
係る単位測距視野に対応する単位表示部の表示態様を、
自動測距手段7から距離データ信号が出力されていると
きの表示態様とは異なる態様で表示するように指令す
る。
【0069】例えば、この測距不能信号に係る単位測距
視野に対応する単位表示部が第1表示部LCD1 であ
り、且つ、自動測距手段7から距離データ信号が出力さ
れているときの表示態様が連続表示であるとすれば、こ
の第1表示部LCD1 を、例えば点滅表示させるように
指令する。さらに、好ましい実施態様では、実質的同時
に警告表示手段9に対して、例えば警告メッセージを行
うようにも指令する。
【0070】次に、このように構成された図示実施例の
基本的な動作ないし作用を、図3に従って説明する。な
お、この基本的な動作ないし作用は、自動測距手段7か
ら各単位測距視野F1 〜F5 に係る距離データ信号のみ
が出力される場合を想定したものである。
【0071】さて、図示実施例では、カメラが初期状態
にあるときには、予め、自動測距手段7が、例えば撮影
視野Fの第1測距視野F1 内の対象物に対して測距動作
を行うような撮影態勢にセットされるように設定されて
いるとする。そのため、初期状態では、図3に示すn=
1の状態に保たれている[ステップS1]。この状態に
おいて、シャッタレリーズ操作手段3の第1段ストロー
クの往方向操作を行って半押しスイッチ4をオンする
と、半押しスイッチ4からのオン信号がMPU20内の
シーケンス演算回路21に入力される[ステップS
2]。
【0072】そのため、シーケンス演算回路21は、測
距視野切換え制御手段24を介して、自動測距手段7に
対して目的とする第1測距視野F1 内の対象物に対して
の測距動作を実行するように指令し、実質的同時に、測
距視野表示手段2に対して第1測距視野F1 に対応した
第1表示部LCD1 を表示(可視)状態に移行させるよ
うに指令する。
【0073】従って、自動測距手段7は、第1測距視野
F1 内の対象物に対して測距動作を行い、その測距結果
をシーケンス演算回路21を介して撮影光学系駆動制御
手段23に出力し、実質的同時に、測距視野表示手段2
は、第1表示部LCD1 のみを非表示状態から表示状態
に移行させて、現在の状況が、第1測距視野F1 内の対
象物に対して測距動作を実行している状況であることを
ユーザーに表示(視覚)的に報知する[ステップS3お
よびS4]。なお、この状態においてカメラの方向を変
更すれば、第1測距視野F1 内の対象物が変って任意の
目標被写体に対する測距動作が可能になることは云うま
でもない。
【0074】ところで、このカメラでは、目的とする対
象物に対する撮影を望むときには、この状態において、
シャッタレリーズ操作手段3の第1段ストローク操作に
引き続いて第2段ストロークを操作するように構成され
ているから、ユーザーはこの状態において第2段ストロ
ークの往方向操作を行うことになる[ステップS5]。
【0075】さて、第2段ストロークの往方向操作が行
われると、押込みスイッチ5がオンしてその押込み信号
をシーケンス演算回路21を介して撮影光学系駆動制御
手段23に出力するから、撮影光学系駆動制御手段23
は、撮影光学系駆動手段8に対して、撮影光学系(図示
なし)をその初期位置等から第1測距視野F1 内の対象
物に係る距離データ信号に適合した合焦状態位置まで変
位させるように指令し、さらに、測距視野切換え制御手
段24は、測距視野表示手段2に対して第1表示部LC
D1 の表示動作をリセットするように指令を発する。
【0076】そのため、撮影光学系駆動制御手段23
は、撮影光学系駆動手段8を駆動制御して、撮影光学系
をそのときの距離データ信号に適合した合焦状態位置ま
で変位させる。この結果、撮影光学系が目的とする変位
位置まで移動した後、第1回目の撮影動作(露光動作や
引続くフイルム移送動作等)が実行される[ステップS
6]。この後に、第1表示部LCD1 を表示状態から非
表示状態に移行させる[ステップS7]。
【0077】一方、このカメラでは、目的とする対象物
を他の単位測距視野内の対象物に変更したいときには、
前回(図示例では第1回目)の単位測距視野内の対象物
に対するシャッタレリーズ操作手段3の第1段ストロー
ク操作を中止(解除)し、改めて、次の第1段ストロー
ク操作を行うことによってその変更が実行されるように
構成されている。
【0078】そのため、次の測距順位にある単位測距視
野(図示例では第2測距視野F2 )内の対象物に対して
測距しようとするときには、ユーザーは、第1測距視野
F1内の対象物に対するシャッタレリーズ操作手段3の
第1段ストローク操作を中止し、改めて、次の第1段ス
トローク操作を行うことになる。
【0079】このとき、第1段ストロークの復方向操作
によって半押しスイッチ4がオフされると(ステップS
8)、このオフ信号がシーケンス演算回路21を介して
タイマー手段6に対して計時動作を開始するように指令
する。そのため、タイマー手段6が所定時間の計時動作
を開始する[ステップS9]。
【0080】そして、タイマー手段6による所定時間の
計時動作が終了しない内に、換言すれば、タイマー時間
経過信号が発生する前に、ユーザーがシャッタレリーズ
操作手段3の次の第1段ストローク操作を実行すると、
その往方向操作により半押しスイッチ4がオンして、そ
の第2回目のオン信号をシーケンス演算回路21を介し
て測距視野切換え制御手段24に出力する[ステップS
10およびS11]。
【0081】このようにして半押しスイッチ4の第2回
目のオン信号が出力されると、測距視野切換え制御手段
24は、タイマー手段6に対して、ステップS9におい
て計時動作を開始したタイマー手段6をリセットするよ
うに指令し、これと実質的同時に、測距視野表示手段2
に対して、第1表示部LCD1 に対する表示動作をリセ
ットするように指令する。そのため、タイマー手段6の
このときの計時動作はリセットされ、また、測距視野表
示手段2の第1表示部LCD1 に対する表示動作もリセ
ットされる[ステップS12および13]。
【0082】この結果、カメラの測距態勢は、第1測距
視野F1 の対象物に対する態勢(n=1)から第2測距
視野F2 内に位置する対象物に対する測距態勢(n=n
+1)に移行することになる[ステップS14]。そし
て、このようにして次の測距順位の単位測距視野に対す
る測距態勢に移行すると、第1測距視野F1 の対象物に
対するものと同様の測距シーケンス並びに撮影シーケン
ス[ステップS3〜ステップS14]が、第2測距視野
野F2 内に位置する対象物に対して自動的に反復実行さ
れることになる[ステップS14→S3]。
【0083】すなわち、測距視野切換え制御手段24
は、自動測距手段7に対して、第1測距視野F1 内の対
象物に対する測距動作を、次の測距順位である第2測距
視野F2 に対する測距動作を行うように指令し、これと
実質的同時に、測距視野表示手段2に対して、測距視野
表示手段2に対して第2測距視野F2 に対応した第2表
示部LCD2 を表示状態に移行させるように指令するこ
とになる[再度のステップS3およびS4]。
【0084】従って、移行した各単位測距視野の測距動
作時におけるタイマー手段6の所定時間の計時動作(第
2回目以降の計時動作)中において、このような単位測
距視野の変更に関する操作、すなわち、シャッタレリー
ズ操作手段3の第1段ストロークにおける半押しと半押
し解除操作[ステップS8およびS11]を必要回数だ
け繰返せば、第2測距視野F2 →第3測距視野F3 →第
4測距視野F4 →第5測距視野F5 →第1測距視野F1
という順序で、単位測距視野を循環的に切換えることが
可能になり、目的とする第2測距視野F2 以降の単位測
距視野に対する測距および撮影動作を実行し得ることに
なる。
【0085】ところで、何等かの事情によりタイマー手
段6の所定時間内に、次のシャッタレリーズ操作手段3
の第1段ストローク操作が行われなかったときには、こ
の旨の信号がシーケンス演算回路21を介して測距視野
切換え制御手段24に出力されるから、測距視野切換え
制御手段24は、カメラの測距態勢を再び第1測距順位
の第1測距視野F1 の対象物に対する態勢(n=1)に
復帰させることになる[ステップS8→S1]。
【0086】従って、この状態において次のシャッタレ
リーズ操作手段3の第1段ストローク操作を行えば、測
距視野切換え制御手段24は、再び測距視野表示手段
2、タイマー手段6、自動測距手段7、撮影光学系駆動
制御手段23に対して、第1測距視野F1 の対象物に対
する測距動作並びに撮影動作を指令することになる。す
なわち、自動測距手段7は、第1測距視野F1 内の対象
物に対する測距動作を再度実行し、また、測距視野表示
手段2は、第1表示部LCD1 に対する表示状態を再度
実行することになる[再度のステップS1〜S4]。
【0087】以上述べたように、図示実施例のカメラで
は、シャッタレリーズ操作手段3の第1段ストロークの
復方向操作による半押しスイッチ4のオフ信号の出力後
におけるタイマー手段6の所定時間内の計時動作中に、
シャッタレリーズ操作手段3の第1段ストロークを任意
数だけ繰返すだけの簡単な操作により、カメラの測距対
象を、第1測距視野F1 内の対象物に対する測距対象か
ら第5測距視野F5 内の対象物に対する測距対象に向っ
て、順次に且つ自動的に切換えることが可能となる。
【0088】次に、目的とする単位測距視野内の対象物
に対する測距が不能な状況にあるときに、自動測距手段
7から各単位測距視野F1 〜F5 に係る測距不能信号が
出力されるように構成された場合の動作ないし作用につ
いて、図4および図5に従って説明する。この場合、図
3におけるステップS3とS4の間に、図4に示すよう
に、測距不能判定ステップS20が付加されることにな
る。
【0089】目的とする単位測距視野(例えばF1 )内
の対象物に対する測距が不能な状況にあるときには、前
述した「ステップS3」において、自動測距手段7から
測距視野切換え制御手段24に対して、第1測距視野F
1 内の対象物に係る測距不能信号が出力されることにな
る。そのため、測距視野切換え制御手段24は、この測
距不能信号に基づいて、第1測距視野F1 内の対象物に
対する測距が不能な状況にあることを判定する[ステッ
プS20]。
【0090】このとき、図4に示す部分的動作フロー図
を用いる1変形例では、測距視野切換え制御手段24
が、この判定結果に基づき、測距視野表示手段2に対し
て、第1表示部LCD1 の表示態様を距離データ信号が
出力されたときの表示態様(測距可能時の表示態様)と
は異なる表示態様をもって表示するように指令する。例
えば第1表示部LCD1 の表示濃度を減じたり或いは第
1表示部LCD1 を点滅表示させるように指令すること
になる。
【0091】従って、測距視野表示手段2は、第1表示
部LCD1 の表示濃度を減じたり或いはそれを点滅表示
させて、第1測距視野F1 内の対象物に対する測距が不
能な状況にあることをユーザーに報知する。そして、好
ましい実施態様では、測距視野切換え制御手段24は、
警告表示手段9に対しても、実質的同時に測距が不能な
状況にあることをユーザーに報知し得る適宜のメッセー
ジ、例えば「測距不能状況」というようなメッセージを
ファインダ視野内に表示するように指令するから、警告
表示手段9は、警告に必要なメッセージをファインダ視
野内に表示することになる[ステップS21]。
【0092】このような測距不能の表示またはメッセー
ジが出されたときには、ユーザーは、第1測距視野F1
内の対象物に係る測距視野表示手段2の第1段ストロー
ク操作を中止して、再び測距視野表示手段2の第1段ス
トローク操作を行うことになる。
【0093】すなわち、第1測距視野F1 内の対象物に
係る測距視野表示手段2の第1段ストローク操作が中止
されると、第1段ストロークの復方向操作により半押し
スイッチ4がオフされ、そのオフ信号が測距視野切換え
制御手段24に出力されるから、ステップS9の「タイ
マースタート」にジャンプし、再度の第1段ストローク
操作を待って、次順位の測距視野における測距操作が行
われることになる。
【0094】一方、図5に示す部分的動作フロー図を図
3に示すフローチャートのステップS3とS4の間に設
けたさらに他の変形例では、前述した[ステップS2
0]において第1測距視野F1 内の対象物に対する測距
が不能な状況にあることを判定されたときに、測距視野
切換え制御手段24が、この判定結果に基づき、前述し
たステップS4〜S11のステップをジャンプしてステ
ップS11以下の測距シーケンス並びに撮影シーケンス
に則った測距動作並びに撮影動作を指令することにな
る。
【0095】すなわち、この図5に示すさらに他の変形
例では、前述した[ステップS22]のような測距不能
の表示またはメッセージを行わずに、ユーザーによる再
度の測距視野表示手段2の第1段ストローク操作を待つ
ことになる。
【0096】以上述べた実施例および変形例では、いず
れも、測距視野表示手段2の第1段ストローク操作によ
って5個所の単位測距視野群F1 〜F5 を自動的且つ循
環的に切換える所謂「シングルAF測距」を目的とした
例を示したが、本発明では、図示実施例の構成を利用し
て、所謂「マルチAF測距」をも行い得るように構成す
ることもできる。
【0097】このように構成する場合には、先ず、自動
測距手段7の測距動作を、マルチAF測距が選択された
ときには、例えば3個所の単位測距視野F1 、F4 、F
5 内に位置する対象物に対して順次若しくは同時に測距
動作を行い得るように構成する。そして、MPU20内
にマルチAF演算手段25を付設し、前述した3個所の
単位測距視野F1 、F4 、F5 からの測距結果に基づい
て、撮影視野F内に1つだけ存在することになるマルチ
対象物に係るマルチ距離データ信号を演算し得るように
構成する。
【0098】さらに、図示実施例において第1測距視野
F1 〜第5測距視野F5 →再び第1測距視野F1 になる
ように循環的に設定されていた測距順位を、例えばマル
チAF測距→第1測距視野F1 〜第5測距視野F5 →再
びマルチAF測距の順位になるように設定するように構
成する。そして、これに伴って、測距視野表示手段2の
表示順位も、前述した例えば3個所の単位測距視野F1
、F4 、F5 に対応する単位表示部LCD1 、LCD4
、LCD5 を同時に表示状態に移行させ得るように構
成する。
【0099】さて、このように構成された第2実施例に
おいて、図3に示す[ステップS1]に相当するシャッ
タレリーズ操作手段3の第1回目の第1段ストローク操
作が行われると、自動測距手段7がマルチAF測距に係
る測距動作を順次若しくは同時に行って、その測距結果
をシーケンス演算回路21を介してマルチAF演算手段
25に出力する。
【0100】そのため、マルチAF演算手段25は、3
個所の単位測距視野F1 、F4 、F5 からの測距情報を
用いてこれらの単位測距視野内に位置する対象物に対す
るマルチAF演算を行い、これら複数個所の単位測距視
野の測距情報を合成した演算結果に基づいて撮影視野F
内に位置する1つのマルチ対象物に係るマルチ距離デー
タ信号を創り出し、このマルチ距離データ信号を測距視
野切換え制御手段24に出力する[ステップS2および
S3に相当]。
【0101】従って、測距視野切換え制御手段24は、
測距視野表示手段2に対して、3個所の単位表示部LC
D1 、LCD4 、LCD5 を同時に表示させるように指
令する。その結果、この3個所の単位表示部LCD1 、
LCD4 、LCD5 がファインダ視野内で表示状態に移
行して、現在の状況がマルチAF測距を行っている状況
にあることをユーザーに知らせることになる[ステップ
S4に相当]。
【0102】さて、この状態においてユーザーがシャッ
タレリーズ操作手段3の第2段ストローク操作を行う
と、その往方向操作により押込みスイッチ5がオンし
て、図3に示す[ステップS5〜S7]以下の撮影シー
ケンスが実行される。このとき、シャッタレリーズ操作
手段3の第1段ストローク操作を中止し、再び次の第1
段ストローク操作を行うと、測距視野切換え制御手段2
4およびシーケンス演算回路21が、測距視野表示手段
2、タイマー手段6、自動測距手段7に対して、図3に
示す[ステップS8]以降の測距シーケンスを実行する
ように指令する。
【0103】この結果、カメラの測距状態は、「マルチ
AF測距」の状態から第1測距視野F1 に対する「シン
グルAF測距」の状態に切換えられ、さらに、引続くシ
ャッタレリーズ操作手段3の半押し操作を繰返すと、第
1測距視野F1 に対する「シングルAF測距」の状態か
ら第5測距視野F5 に対する「シングルAF測距」の状
態に向って自動的且つ循環的に切換えられることにな
る。
【0104】以上、複数の実施例並びに変形例について
説明したが、本発明は、これに限定されるものではな
く、その要旨を逸脱しない範囲内で種々に変形実施する
ことが可能である。例えば、基本の実施例では、第1測
距視野F1 内の対象物に対する測距態勢から第5測距視
野F5 内の対象物に対する測距態勢に向って自動的且つ
循環的に切換える例を示したが、このときの測距順位は
設計の段階で任意に設定することができる。
【0105】また、図示の各実施例および変形例では、
測距態勢を測距順位に則って自動的且つ循環的に切換え
る例だけを示したが、この測距順位を必要に応じてマニ
ュアル操作により設定し得るように構成して、撮影の度
毎に、そのときの測距シーケンス並びに撮影シーケンス
を任意の単位測距視野の内の対象物に対するシーケンス
に設定し得るように構成することも可能である。
【0106】また、変形例の1例では、「ステップS2
0」において目的とする単位測距視野内の対象物に対す
る測距が不能な状況であると判定されたときに、第1表
示部LCD1 の表示態様を測距可能時の表示態様とは異
なる表示態様をもって表示すると共に、警告表示手段9
による警告報知も行うように構成しているが、第1表示
部LCD1 の表示態様の変更をもって警告報知手段9に
よる警告報知に代えるように構成することも可能であ
る。
【0107】また、上述した実施例においては、タイマ
ー手段6の計時動作のスタート時点を、レリーズ半押し
OFF時点(ステッフS8)としたが、レリーズ半押し
ON時点(ステップS2)としてもよい。ただし、この
ように構成した場合、レリーズ半押し状態で構図を決め
ている最中にもタイマーによる計時が行われるので、タ
イマー秒字を短く設定した場合、構図に手間どっている
うちに、所定のタイマー時間が経過してしまい、レリー
ズ半押しOFFとしたとき、次順位の測距視野に移行せ
ず、第1測距順位の測距モードに戻ってしまうことにな
る。従って、この点に関しては、図3に示した実施例の
場合に比べて、長いタイマー時間に設定した方が使い勝
手がよくなる。
【0108】また、測距不能か否かの判定は、自動測距
手段7の内部にその機能をもたせてもよいし、MPU2
0内にその判定機能を設けてもよい。また、タイマー手
段6は、MPU20内のタイマー機能実現手段を用いた
例で説明したが、MPU20とは別途にタイマー手段を
設けてもよい。
【0109】
【発明の効果】以上述べたように、本発明に係るカメラ
用自動焦点調節装置を用いるときは、シャッタレリーズ
操作手段の半押し操作により計時動作を開始するタイマ
ー手段の所定時間内の計時動作中に、シャッタレリーズ
操作手段の半押し操作を任意数だけ繰返すだけという簡
単な操作の信号処理により、カメラの測距態勢を、最初
に選択した単位測距視野内の対象物に対する測距態勢か
ら次の測距順位にある単位測距視野内の対象物に対する
測距態勢に向って、任意の測距視野内の対象物に対する
測距態勢から次の測距順位の測距視野内の対象物に対す
る測距態勢に向って、順次に且つ自動的に切換えること
が可能になる。
【0110】そのため、単位測距視野の切換えを行う際
に、そのための専用操作手段ないし専用操作部材を設け
る必要がなくなり、この結果、従来の単位測距視野の切
換え装置に比べて、専用操作手段ないし専用操作部材を
設けることに起因して生じる設置スペースの増加や製作
コストの増大を抑えることが可能になり、設置スペース
的にも製作コスト的にも著しく有利になるという大きな
効果を奏する。
【0111】また、測距視野表示手段の単位表示部群の
内、第1表示順位の単位表示部の設置位置を表示視野内
の実質的中央個所に設定するとともに、第2表示順位の
単位表示部以降の設置位置を、第1表示順位の単位表示
部の、例えば左右方向或いは上下方向に並ぶような各位
置、或いは、第1表示順位の単位表示部の周囲をそれぞ
れ囲繞するような各位置に設定した実施態様において
は、所謂「中抜け現象」を防止することが可能になり、
また、実質的中央個所に設定された第1表示順位の単位
表示部を利用しながらカメラを左右・上下に振らせるこ
とにより、撮影視野内の任意個所に位置する対象物に対
して直感的な視準操作で測距動作を行い得るという効果
を奏する。
【0112】また、目的とする単位測距視野に対する前
記シャッタレリーズ操作手段のレリーズ半押し操作が行
われ、且つ、このレリーズ半押し操作に係るタイマー手
段の所定時間が経過した時点後において次のレリーズ半
押し操作が行われたときに、この次のレリーズ半押し操
作に基づいて、目的とする単位測距視野に係るタイマー
手段の計時動作を再び最初から繰返し得るように構成し
た実施態様においては、最も標準的な第1測距順位の単
位測距視野に対する測距動作を再開し得るため、中間の
測距順位の測距視野を選択する必要を感じないときは、
第1測距順位の単位測距視野を直ちに選択することがで
き、操作性が向上するという効果を奏する。
【0113】また、自動測距手段から出力された距離デ
ータ信号および測距不能信号に基づいて、撮影光学系を
駆動および強制保持し得るように構成した実施態様にお
いては、出力された信号が距離データ信号の場合には、
測距動作に引き続いて撮影光学系をそのときの距離デー
タ信号に適合した合焦位置に駆動することができ、出力
された信号が測距不能信号の場合には、自動焦点調節動
作を強制的に停止し得るため、測距不能の状態で撮影し
てしまうという不測の事態を回避することができるとい
う効果を奏する。
【0114】また、必要がある場合には、自動測距手段
から測距不能信号が出力されたときに、目的とする単位
測距視野に対応する単位表示部の表示態様を測距可能時
の表示態様とは異なる表示態様をもって表示し得るよう
に構成したので、当該単位測距視野に対する撮影を中止
することが可能となり、撮影の失敗を未然に防止できる
という効果を奏する。
【0115】さらに、必要に応じて、カメラの撮影状態
を、「マルチAF測距」の状態から任意の「シングルA
F測距」の状態に切換えられ、しかも、「シングルAF
測距」の状態に切換えらた後も、例えば第1測距視野に
対する「シングルAF測距」の状態から第5測距視野に
対する「シングルAF測距」の状態に向って自動的、且
つ、循環的に切換えられるように構成することも可能に
なるため、このような「マルチAF測距」と「シングル
AF測距」との切換えを行う従来の単位測距視野の切換
え装置に比べて、スペース的にもコスト的にも著しく有
利になるという効果をも奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカメラ用自動焦点調節装置に係る一実
施例の構成を示すブロック図である。
【図2】図1に示す実施例の撮影視野と測距視野表示手
段の測距視野とを兼用的に示す視野図である。
【図3】図1のカメラ用自動焦点調節装置に係る一実施
例の動作ないし作用の基本的な動作フローを説明するた
めの基本動作フロー図である。
【図4】図3の基本動作フローに付加される部分的動作
フローの一変形例を説明するための部分的動作フロー図
である。
【図5】図3の基本動作フローに付加される部分的動作
フローの他の変形例を説明するための部分的動作フロー
図である。
【符号の説明】
1 カメラ F 撮影視野 F1 〜F5 単位測距視野群 F1 第1測距順位の単位測距視野(第1測距視野) F2 第2測距順位の単位測距視野(第2測距視野) F3 第3測距順位の単位測距視野(第3測距視野) F4 第4測距順位の単位測距視野(第4測距視野) F5 第5測距順位の単位測距視野(第5測距視野) 2 測距視野表示手段 LCD1 〜LCD5 単位表示部群 LCD1 第1単位表示部(第1表示部) LCD2 第2表示部 LCD3 第3表示部 LCD4 第4表示部 LCD5 第5表示部 3 シャッタレリーズ操作手段 4 半押しスイッチ 5 押込みスイッチ 6 タイマー手段 7 自動測距手段 8 撮影光学系駆動手段 9 警告表示手段 20 MPU 21 シーケンス演算回路 22 記憶回路 23 撮影光学系駆動制御手段 24 測距視野切換え制御手段 25 マルチAF演算手段

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 撮影視野に対応した表示視野を具え、前
    記撮影視野内のそれぞれ異なる個所に設定された第1測
    距順位の単位測距視野から第n測距順位の単位測距視野
    までの単位測距視野群における各単位測距視野に対応す
    るように前記表示視野内に設定された第1表示順位の単
    位表示部から第n表示順位の単位表示部までの単位表示
    部群を有する測距視野表示手段と、 非押圧状態と半押し状態との間においてレリーズ半押し
    操作が可能であり、且つ、このレリーズ半押し操作に引
    続いてレリーズ押込み操作を行い得るシャッタレリーズ
    操作手段と、 このシャッタレリーズ操作手段のレリーズ半押し操作に
    関係して、所定時間の計時動作を開始し且つ開始された
    所定時間の計時動作をリセットし得るタイマー手段と、 前記シャッタレリーズ操作手段のレリーズ半押し操作が
    行われたときに、前記単位測距視野群の各単位測距視野
    内に存在する対象物に対して選択的に測距動作を行い、
    且つ、それぞれの測距結果を少なくとも前記各単位測距
    視野内の対象物に係る距離データ信号としてそれぞれ出
    力し得る自動測距手段と、 前記タイマー手段で設定された所定時間内において前記
    シャッタレリーズ操作手段のレリーズ半押し操作を繰返
    すことにより、前記単位表示部群に対する前記測距視野
    表示手段の表示動作と前記単位測距視野群に対する前記
    自動測距手段の測距動作とを、目的とする単位表示部お
    よび単位測距視野から次順位の単位表示部および単位測
    距視野に向って、順次に且つ循環的に切換え得る測距視
    野切換え制御手段とを、有するように構成したことを特
    徴とするカメラ用自動焦点調節装置。
  2. 【請求項2】 前記測距視野表示手段の単位表示部群の
    内、第1表示順位の単位表示部の設置位置を前記表示視
    野内の実質的中央個所に設定し、第2表示順位の単位表
    示部以降の設置位置を、前記第1表示順位の単位表示部
    の左右方向或いは上下方向に並ぶような各位置、また
    は、前記第1表示順位の単位表示部の周囲をそれぞれ囲
    繞するような各位置に設定してなることを特徴とする請
    求項1に記載されたカメラ用自動焦点調節装置。
  3. 【請求項3】 前記目的とする単位測距視野に対する前
    記シャッタレリーズ操作手段のレリーズ半押し操作が行
    われ、且つ、このレリーズ半押し操作に係る前記タイマ
    ー手段の所定時間が経過しない時点において次のレリー
    ズ半押し操作が行われたときに、前記目的とする単位測
    距視野に係る前記タイマー手段の計時動作をリセットし
    得るように構成したことを特徴とする請求項1または2
    のいずれかに記載されたカメラ用自動焦点調節装置。
  4. 【請求項4】 任意の測距順位の単位測距視野に対し前
    記シャッタレリーズ操作手段のレリーズ半押し操作が行
    われ、且つ、このレリーズ半押し操作に係る前記タイマ
    ー手段の所定時間が経過した時点後において次のレリー
    ズ半押し操作が行われたときには、この次のレリーズ半
    押し操作に基づいて、目的とする単位測距視野に係るタ
    イマー手段の計時動作を再び前記第1測距順位の単位測
    距視野から繰返し得るように構成したことを特徴とする
    請求項1ないし3のいずれかに記載されたカメラ用自動
    焦点調節装置。
  5. 【請求項5】 前記目的とする単位測距視野に存在する
    対象物に対して測距動作を行った際にその対象物に対し
    て測距動作が不能であるときには、この測距不能である
    状態を検出し且つその測距不能結果を前記目的とする単
    位測距視野に存在する対象物に係る測距不能信号として
    出力し得るように、前記自動測距手段を構成し、さら
    に、 初期位置または前回撮影終了時の位置から各単位測距視
    野に係る距離データ信号に対応するそれぞれの撮影距離
    に適合した合焦状態位置まで撮影光学系を変位させ得る
    撮影光学系駆動手段と、 前記自動測距手段から前記各単位測距視野に係る距離デ
    ータ信号が選択的に出力されている場合であって、前記
    シャッタレリーズ操作手段のレリーズ押込み操作が行わ
    れたときに、このレリーズ押込み操作に基づいて、前記
    撮影光学系を前記初期位置または前回撮影終了時の位置
    から前記各単位測距視野に係る距離データ信号に対応す
    るそれぞれの撮影距離に適合した合焦状態位置まで変位
    させ、且つ、前記自動測距手段から前記各単位測距視野
    に係る測距不能信号が選択的に出力されている場合であ
    って、前記シャッタレリーズ操作手段のレリーズ押込み
    操作が行われたときに、このレリーズ押込み操作に基づ
    いて、前記撮影光学系を前記初期位置または前回撮影終
    了時の位置に強制的に保持するように前記撮影光学系駆
    動手段を制御し得る撮影光学系駆動制御手段とを追加的
    に設け、 前記自動測距手段からの前記距離データ信号および測距
    不能信号に基づいて、前記撮影光学系を駆動および強制
    保持し得るように構成したことを特徴とする請求項1な
    いし4のいずれかに記載されたカメラ用自動焦点調節装
    置。
  6. 【請求項6】 前記各単位測距視野の対象物に対する測
    距動作に際して前記自動測距手段から前記測距不能信号
    が出力されたときに、この測距不能信号に基づいて、前
    記各単位測距視野に対応する単位表示部に係る表示態様
    を、前記自動測距手段から前記距離データ信号が出力さ
    れたときの単位表示部の態様とは異なる態様で表示し得
    るように構成したことを特徴とする請求項1ないし5の
    いずれかに記載されたカメラ用自動焦点調節装置。
JP2191894A 1994-01-21 1994-01-21 カメラ用自動焦点調節装置 Pending JPH07209575A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP1494464A3 (en) * 2003-07-02 2009-11-18 Ricoh Company Image capture device and associated method of compensating backlash

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